JP3371095B2 - 表面形状認識用センサ - Google Patents

表面形状認識用センサ

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JP3371095B2
JP3371095B2 JP07061999A JP7061999A JP3371095B2 JP 3371095 B2 JP3371095 B2 JP 3371095B2 JP 07061999 A JP07061999 A JP 07061999A JP 7061999 A JP7061999 A JP 7061999A JP 3371095 B2 JP3371095 B2 JP 3371095B2
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克之 町田
億 久良木
浩季 森村
智志 重松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面形状認識用
センサに関し、特に人間の指紋や動物の鼻紋などの微細
な凹凸を感知する表面形状認識用センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展と現代社会の環境にお
いて、セキュリティ技術への関心が高まっている。例え
ば、情報化社会では、電子現金化などのシステム構築の
ための本人認証技術が、重要な鍵となってきる。また、
盗難やカードの不正使用を防御するための認証技術につ
いても研究開発が活発になっているのが実情である(例
えば、清水良真他、個人認証付き機能付きICカードに
関する一検討、信学技報、Technical report of IEICE,
OFS92-32,p25-30(1992))。このような、不正使用防御
策のための認証方式には、指紋や声紋などを利用したも
のが種々あるが、中でも、指紋認証技術については、こ
れまで多くの技術開発がなされている。その指紋の認証
方式は、光学的な読み取り方式と人間の電気特性の利用
して指紋の凹凸を電気信号に置き換えて検出する方式と
に大別される。
【0003】光学的に読み取る方式は、主に光の反射と
CCDイメージセンサを用い、指紋を光学像データとし
て取り込み、照合を行う方式である(特開昭61−22
1883号公報)。他の方式として、指の指紋の圧力差
を読み取るために圧電薄膜を利用した方式も開発されて
いる(特開平5−61965号公報)。また、同じよう
に、皮膚の接触により生じる電気特性の変化を、電気信
号の分布に置き換えて指紋の形状を検出する方式とし
て、感圧シートを用いて抵抗変化量もしくは容量変化量
による認証方式が提案されている(特開平7−1689
30号公報)。しかしながら、以上の技術において、ま
ず、光を用いた方式は小型化することが難しく、汎用的
に用いることが困難であり、用途が限定されるという問
題がある。次に、感圧シートなどを用いて指の凹凸を感
知する方式は、材料が特殊であることや加工性の難しさ
から、実用化が難しく信頼性に乏しいことが考えられ
る。
【0004】一方、LSIの製造技術を用いて作製され
た容量型の指紋センサが開発されている(Marco Tartag
ni and Roberto Guerrieri,A 390dpi Live Fingerprint
Imager Based on Feedback Capacitive Sensing Schem
e,1997 IEEE InternationalSolid-State Circuits Conf
erence, p200-201(1997).)。これは、LSIチップ上
に2次元に配列された小さなセンサにより、帰還静電容
量方式を利用して皮膚の凹凸パターンを検出する方法で
ある。この容量型センサは、LSI配線の最上層に2枚
のプレートを形成し、その上にパシベーション膜を形成
したものである。このセンサに指先が触れると、皮膚の
表面が第3のプレートとして機能し、空気からなる絶縁
層で隔離され、その距離の違いでセンシングを行うこと
により指紋を検出するものである。この構造は、従来の
光学式に比較し、特殊なインターフェイスが不要なこと
や、小型化が可能なことが特徴である。
【0005】ここで、その指紋センサは、原理的には、
半導体基板上にセンサ電極を形成し、その上にパシベー
ション膜を形成したものであり、パシベーション膜を介
して皮膚とセンサとの容量を検出し微細構造の凹凸を検
出する方法である。ここで従来の容量型の指紋センサに
ついて図を参照して簡単に説明する。この容量型センサ
は、図10の断面図に示すように構成されている。すな
わち、まず、LSI等の形成された半導体基板1001
の上に、下層絶縁膜1002を介して配線1003が形
成され、この上に層間絶縁膜1004が形成されてい
る。
【0006】また、その層間絶縁膜1004上には、例
えば平面形状が矩形のセンサ電極1006が形成されて
いる。このセンサ電極1006は、層間絶縁膜1004
に形成されたスルーホール内のプラグ1005を介して
配線1003に接続されている。そして、層間絶縁膜1
004上に、センサ電極1006を覆うように、パシベ
ーション膜1007が形成され、センサ素子が構成され
ている。そして、それらセンサ素子は、図11の平面図
に示すように、隣り合うセンサ素子のセンサ電極100
6が接触しないように、2次元的に複数配置されてい
る。
【0007】この容量型センサの動作について説明す
る。指紋検出のときは、まず、指紋検出対象の指が、パ
シベーション膜1007に接触する。このように、指が
接触すると、センサ電極1006上では、パシベーショ
ン膜1007に触れた皮膚が電極として機能し、センサ
電極1006との間で容量が形成される。この容量は、
配線1003を介して検出される。ここで、指先の指紋
は、皮膚の凹凸により形成されているので、パシベーシ
ョン膜1007に指を接触させた場合、電極としての皮
膚と、センサ電極1006との距離は、指紋を形成して
いる凸部と凹部とで異なることになる。そして、この距
離の違いは、容量の違いとして検出されることになる。
したがって、それら異なる容量の分布を検出していけ
ば、それは指紋の凸部の形状となる。すなわち、この容
量型センサにより、皮膚の微細な凹凸状態を感知するこ
とができる。
【0008】そして、このような容量型の指紋センサ
は、従来の光学式センサと比較して特殊なインターフェ
イスが不要であり、小型化が可能である。この容量型の
センサは、例えば、次に示すような集積回路(LSI)
チップ上に同時に搭載することができる。すなわち、照
合のための指紋データが格納された記憶部と、記憶部に
用意されている指紋データと、読み取られた指紋とを比
較照合する認識処理部とが集積された集積回路チップ
に、上述の容量型センサを同時に搭載することができ
る。このように、1つの集積回路チップ上に構成するこ
とで、各ユニット間のデータ転送における情報の改竄な
どが困難になり、機密保持性能を向上させることができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセンサでは、皮膚を電極として利用しているため、接
触時に生じた静電気によって同時に搭載されているLS
Iが静電破壊されやすいという問題があった。したがっ
て、従来では、センサの安定性,感度,信頼性などが考
慮され、さらに、小型化や汎用性までも考慮された人間
の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸をセンシングするセ
ンサおよびその製造方法の開発が望まれていた。
【0010】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、センシングの際に発生す
る静電気によって静電破壊されることなどがないなど、
安定して高感度の表面形状検出が信頼性の高い状態でで
きるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の表面形状認識
用センサは、半導体基板上に形成された層間絶縁膜の同
一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定配
置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、こ
の容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手段
と、層間絶縁膜上でセンサ電極と絶縁分離されて配置さ
れた固定電極と、層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うよう
に形成されかつ絶縁性の部材から構成された絶縁層と、
この絶縁層上に他とは絶縁分離されて形成されたセンサ
電極より小さい面積の複数の対向電極とを備え、固定電
極は容量検出素子表面にその一部を露出して形成し、セ
ンサ電極と対向電極との間に形成される容量を容量検出
手段で検出するようにした。このように構成したので、
まず、認識対象が触れると、その凸部が固定電極にと対
向電極のいずれかに接触し、その認識対象を介すること
で一部の対向電極と固定電極とが同電位となる。そし
て、それら対向電極とセンサ電極との間に容量が形成さ
れ、これが容量検出手段に検出される。
【0012】また、固定電極は、少なくとも絶縁層表面
において露出部が格子状に形成され、センサ電極は、固
定電極により形成されているマス(升)の中央部に配置
されているようにした。したがって、センサ電極と固定
電極との間の距離が、全て均一となる。また、固定電極
の一部が露出している容量検出素子の表面が、ほぼ平坦
に形成されているようにした。このように構成した中
で、対向電極は、銅から構成するようにしても良い。ま
た、対向電極は、金から構成するようにしても良い。ま
た、絶縁層は、ポリイミド樹脂から構成しても良い。ま
た、対向電極の側面および上面を覆うように、導電性の
保護膜を備えるようにしても良い。その保護膜は、例え
ば金やルテニウムから構成すれば良い。
【0013】また、半導体基板上の層間絶縁膜下にセン
サ電極および固定電極に接続する第1および第2の配線
を備え、センサ電極および固定電極は、その第1および
第2の配線を介して容量検出手段に接続すれば良い。ま
た、その容量検出手段は、半導体基板上に同時に搭載し
ても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 始めに、この発明の第1の実施の形態における表面形状
認識用センサに関して説明する。図1(a),(b)
は、この実施の形態1における表面形状認識用センサの
構成を示す断面図である。この実施の形態1では、ま
ず、図示していない半導体基板上の絶縁膜101上に形
成された層間絶縁膜103上に、例えば80μm角のセ
ンサ電極105、および、アース電極(固定電極)10
6を備えるようにした。このように、ここでは、1つの
センサ素子に1つのセンサ電極105を備えた場合につ
いて説明する。すなわち、図1(a)は、この実施の形
態1の表面形状認識用センサを構成している1つのセン
サ素子(容量検出素子)を示している。
【0015】そのセンサ電極105は、絶縁膜101上
に形成されたアルミニウムからなる配線102に、窒化
チタンからなるバリア膜104を介して接続している。
なお、図1(b)に示すように、絶縁膜101上には、
アルミニウムからなる配線102aも形成され、バリア
膜104を介してアース電極106に接続している。こ
こで、センサ電極105は、クロムと金の2層構造の下
部電極105aとその上に形成された金からなる上部電
極105bとから構成した。同様に、アース電極106
は、クロムと金の2層構造の下部電極106aとその上
に形成された金からなる電極柱106bとから構成し
た。また、センサ電極105を覆うように、例えば酸化
シリコンからなる絶縁層107を形成し、その絶縁層1
07表面でアース電極106の上部を露出させた。
【0016】そして、この実施の形態1では、絶縁層1
07上に、複数の対向電極108を備えるようにした。
また、この実施の形態1では、この絶縁層107の上部
において、アース電極106上に接続する接触電極(固
定電極)106cを設けるようにした。また、それら対
向電極108や接触電極106cの隙間を埋めるように
パシベーション膜109が形成されているようにした。
【0017】また、センサ素子の下にあたる半導体基板
101上には、1つのセンサ素子それぞれに対応してセ
ンスユニット110を形成している。このセンスユニッ
ト110は、前述した配線103などを介し、アース電
極106およびセンサ電極105それぞれに接続してい
る。そして、このセンスユニット110は、例えばパシ
ベーション膜109上に指が触れたときに、各対向電極
108およびアース電極106とセンサ電極105との
間に形成される容量を検出する。また、各センスユニッ
ト110の出力は、図示していない処理手段により処理
され、この処理手段により、各センサ電極105に形成
された容量を濃淡に変換した画像データが生成される。
【0018】なお、センスユニット110は、1つのセ
ンサ素子の下にそれぞれ備える必要はなく、複数のセン
サ素子に1つのセンスユニットを備えるようにしても良
い。また、センサユニットは、上述した処理手段ととも
に半導体基板101上の他の領域に形成するようにして
も良い。また、その処理手段を、センサユニットともに
センサ素子の下に配置するようにしても良い。なお、そ
れらセンスユニット110や処理手段は、必ずしも半導
体基板101上にモノリシックに集積する必要はない。
しかし、センサ電極105とセンスユニット110や処
理手段は、なるべく近くに配置した方が良い。
【0019】ここで、図2に示すように、アース電極1
06および接触電極106cは、100μm間隔の格子
状に形成した。また、その格子の間の中央部に、センサ
電極105を100μm間隔でマトリクス状に複数配置
した。したがって、この実施の形態1では、その格子の
マス1つ1つが、1つのセンサ素子を構成していること
になり、図2では、9個のセンサ素子がマトリクス状に
配置されている状態を示している。また、絶縁層107
は、比誘電率が4.0程度の絶縁物から構成し、アース
電極106の格子の間を埋め、センサ電極105上の膜
厚が、例えば、5μm程度となるように形成した。
【0020】そして、図2に示すように、1つのセンサ
素子領域内に、複数の対向電極108が配置されてい
る。図2では、1つのセンサ素子のセンサ電極105上
に、9個の対向電極108が配置されている。すなわ
ち、図2では、接触電極106cで形成される正方形の
領域内に、1つのセンサ素子があり、その領域内に9個
の対向電極108が配置された状態となっている。
【0021】そのような構成において、パシベーション
膜109に指の先端部が触れると、指紋の凸の部分に
は、確実に接触電極106cが触れることになる。人間
の指紋の幅は約200〜300μm程度なので、100
μm間隔に格子状に形成されている接触電極106cに
は、指紋の凸部が必ず接触することになる。このとき、
指に触れている対向電極108は、全てが少なくとも指
と接触電極106cを介してアース電極106に接続す
ることになる。この結果、センサ電極105上に配置さ
れ、かつ、指に触れている対向電極108と、センサ電
極105との間には容量が形成されることになり、その
容量がセンスユニット110に検出される。
【0022】そして、各センサ電極105はマトリクス
状に複数配置されていて、その配置状態に対応して指紋
の凹凸による容量が検出される。この結果、各センサ電
極105の箇所で検出されたそれぞれの容量に対応し、
処理手段によって濃淡データを付ければ、指紋の形状が
再現できることになる。例えば、センサ電極を100μ
m間隔で300×300(個)配置した場合、250ド
ット/インチ程度の分解能で300×300ドットの指
紋画像を得ることができる。
【0023】また、1つのセンサ素子において、複数の
対向電極108を備えるようにしたので、1つのセンサ
素子領域の半分に指紋の凸部が接触している場合と、1
つのセンサ素子の領域全域に指紋の凸部が接触している
場合とで、アース電極106と同電位となる対向電極1
08の数が異なる。したがって、この実施の形態1によ
れば、1つのセンサ素子領域の半分に指紋の凸部が接触
している場合と、1つのセンサ素子の領域全域に指紋の
凸部が接触している場合とで、そのセンサ素子のセンス
ユニット110で検出される容量が異なることになる。
すなわち、この実施の形態1によれば、1つのセンサ素
子で多値をとれることになる。
【0024】なお、図1には示していないが、半導体基
板上の他の領域には、照合のための指紋データが格納さ
れた記憶部や、記憶部に用意されている指紋データと読
み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部などが
集積された集積回路を備えている。なお、これら全て
を、センサ電極105下の半導体基板上に配置するよう
にしても良い。この構成とすることで、よりコンパクト
な状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納されて
いる指紋データとを、集積回路に構成されている認識処
理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0025】そして、この実施の形態1の表面形状認識
用センサによれば、例えば指紋の形状を認識する場合、
指の一部が対向電極を介してアース電極に触れることに
なる。したがって、その指が接触したことにより表面形
状認識用センサ表面に静電気が発生しても、その静電気
はアース電極に流れていく。したがって、下部に形成さ
れている他の集積回路部分が、その静電気で破壊される
ことが抑制される。また、この実施の形態1によれば、
アース電極を格子状に形成してそのマスの中央部にセン
サ電極を配置するようにしたので、アース電極と各セン
サ電極との間隔が等しくなる。
【0026】次に、上述したこの実施の形態1の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図3(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜101を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線102を形成する。この配
線102は、アルミニウム膜を形成した後、公知のフォ
トリソグラフィ技術によりパターニングすることで形成
すれば良い。次に、配線102を覆うように、絶縁膜1
01上に層間絶縁膜103を形成する。次に、層間絶縁
膜103の配線102上の所定箇所にスルーホール10
3aを形成する。
【0027】そして、少なくともスルーホール103a
底部に露出した配線102表面を覆うように、窒化チタ
ンからなるバリア膜104を形成する。このバリア膜1
04の形成は、次のようにすれば良い。まず、スルーホ
ール103aが形成された層間絶縁膜103上に、スパ
ッタ法などにより窒化チタン膜を形成する。次いで、フ
ォトリソグラフィ技術により、スルーホール形成部を隠
すようにレジストパターンを形成する。そして、このレ
ジストパターンをマスクとし、RIEなどのドライエッ
チングで窒化チタン膜を選択的に除去し、レジストパタ
ーンを除去すれば、バリア膜104が形成される。な
お、バリア膜104は、窒化チタンから構成するものに
限らない。バリア膜104に、相互拡散を抑制できる他
の導電性材料を用いるようにしても良い。
【0028】次に、図3(b)に示すように、バリア膜
104を含む層間絶縁膜103上に、膜厚0.1μmの
クロム膜とその上の膜厚0.1μmの金膜からなる金属
薄膜301を形成する。これら2層構造の金属薄膜30
1の形成は、例えばスパッタ法により行えば良い。次い
で、図3(c)に示すように、この金属薄膜301上
に、スルーホール103a上部にあたる所定の領域に開
口部302aを有するレジストパターン302を形成す
る。そして、金属薄膜301を陰極とした電解メッキ法
により、その開口部302a底部に露出している金属薄
膜301表面に、膜厚0.3μmに金膜を形成すること
で、上部電極105bを形成する。なお、この上部電極
105bの形成は、電解メッキ法に限るものではない。
【0029】次に、レジストパターン302を除去した
後、今度は、図3(d)に示すように、上部電極105
bを囲う溝303aを備えたレジストパターン303を
形成する。なお、この溝303aは、図1(b)に示し
た配線102aに接続するバリア膜104部分の上も開
口した状態とする。次に、図4(e)に示すように、金
属薄膜301を陰極とした電解メッキ法により、その溝
303a底部に露出している金属薄膜301表面に、膜
厚5μm程度に金を成長させ、電極柱106bを形成す
る。なお、例えば、電極柱106bの形成は、電解メッ
キ法に限るものではなく、無電解メッキ法を用いるよう
にしても良い。
【0030】次に、レジストパターン303を除去した
後、図4(f)に示すように、上部電極105bおよび
電極柱106bをマスクとして金属薄膜301を選択的
にエッチング除去する。このエッチングでは、まず、ヨ
ウ素,ヨウ化アンモニウム,および,エタノールからな
る混液の水溶液をエッチング液としたウエット処理によ
り、金膜を除去した。このとき、エッチング速度は、毎
分0.05μmであった。そして、フェリシアン化カリ
ウムと水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチング液とし
たウエットエッチングにより、クロム膜を除去した。以
上の結果、層間絶縁膜103上に格子状にアース電極1
06が形成され、このアース電極106の升目の中心部
に、センサ電極105が形成されることになる。
【0031】次に、図4(g)に示すように、アース電
極106のマスの中を埋め込むように、絶縁層107を
形成する。この絶縁層107の形成は、次に示すように
すれば良い。まず、回転塗布などによりポリイミド材料
を塗布してポリイミド膜を形成する。そのポリイミド材
料としては、例えば、ポリベンザオキサゾール前駆体を
ベースとしたポリイミド樹脂を用いた。この塗布によ
り、ポリイミド膜の表面は、アース電極106やセンサ
電極105による層間絶縁膜103上の凹凸を吸収して
平坦に形成される。これら塗布によるポリイミド膜を形
成した後、310℃程度に加熱して塗布したポリイミド
膜を熱硬化させる。
【0032】そして、その硬化したポリイミド膜を、ア
ース電極106の表面が露出するまでエッチバックすれ
ば、アース電極106のマスの中を埋め込むように、そ
の表面が平坦なポリイミドからなる絶縁層107を形成
することができる。このエッチバックは、例えば、酸素
ガスのプラズマを用いたドライエッチングにより行えば
良い。ポリイミドは有機材料であるので、酸素ガスのプ
ラズマを用いればエッチングが可能である。なお、その
エッチバックは、例えば化学的機械的研磨法などを用い
ても良い。
【0033】次に、絶縁層107およびアース電極10
6上全域に金属膜を形成し、それを加工することで、図
5(h)に示すように、対向電極108および接触電極
106cを形成する。これら電極の形成では、まず、絶
縁層107およびアース電極106上全域に、膜厚0.
1μmのクロム膜とその上の膜厚0.1μmの金膜から
なる金属薄膜をスパッタ法により形成する。次いで、そ
の金属薄膜を、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチ
ング技術により加工し、金属薄膜からなる複数の正方形
のパタンと格子状のパターンとが形成された状態とす
る。そして、その正方形のパタンと格子状のパターンの
上に、例えば、メッキ法により選択的に金膜を1μm程
度形成することで、図5(h)に示したように、対向電
極108と接触電極106aが形成できる。
【0034】次に、図5(i)に示すように、絶縁層1
07およびアース電極106上に、形成した対向電極1
08と接触電極106cを覆うポリイミド膜501を形
成する。すなわち、まず、回転塗布などによりポリイミ
ド材料を塗布し、その塗膜で対向電極108の凹凸を吸
収して平坦な状態とする。そして、その塗膜を310℃
程度に加熱すれば、熱硬化したポリイミド膜501が得
られる。次に、図5(j)に示すように、そのポリイミ
ド膜501を、対向電極108と接触電極106cの表
面が露出するまでエッチバックする。このエッチバック
は、例えば、酸素ガスのプラズマを用いたドライエッチ
ングにより行えば良い。ポリイミドは有機材料であるの
で、酸素ガスのプラズマを用いればエッチングが可能で
ある。なお、そのエッチバックは、例えば化学的機械的
研磨法などを用いても良い。以上のことにより、図1に
示した、この実施の形態1の表面形状認識用センサの電
極部が形成できる。
【0035】なお、絶縁層107は、上述したようにポ
リイミドから形成する必要はなく、酸化シリコンなど他
の絶縁物から構成しても良く、その表面が平坦に形成で
きれば良い。したがって、例えば、CVD法などによ
り、アース電極106まで覆うように酸化シリコン膜を
堆積形成し、これを化学的機械的研磨法によりアース電
極106上面が露出するまで切削研磨することで、表面
が平坦化された絶縁層107を形成するようにしても良
い。また、アース電極は各センサ電極のそばに必ず一対
設ける必要はなく、センサ電極複数個に1つのアース電
極が設けられている状態でも良い。ただし、この実施の
形態1のように、格子状にアース電極を形成し、そのマ
スの中央部にセンサ電極を備えるようにすることで、マ
トリクス状に配置された各センサ電極とアース電極との
間隔をそれぞれ等しくすることができる。
【0036】実施の形態2 次に、この発明の第2の実施の形態における表面形状認
識用センサに関して説明する。この実施の形態2では、
図6に示すように、まず、絶縁膜601上に形成された
層間絶縁膜603上に、例えば80μm角の銅からなる
センサ電極605、および、アース電極(固定電極)6
06を備えるようにした。なお、絶縁膜601は、図示
していないが、以降に示すセンスユニットや処理手段な
どの集積回路が形成された半導体基板上に形成されてい
る。アース電極606は、例えば、マス内の大きさがお
およそ100μm角の正方形状とされた格子状に形成さ
れている。
【0037】また、そのマスの中央部にセンサ電極60
5が配置されている。そして、マスの数は300×30
0個ほど備え、したがって、センサ電極605はマトリ
クス状に300×300個配置されている。その、絶縁
膜601上には、窒化チタンからなるバリア膜604を
介してセンサ電極605に接続する、アルミニウムから
なる配線602aを備えるようにした。また、センサ電
極605は、それぞれの膜厚が0.1μm程度のクロム
と銅とからなる2層構造の下部電極605aと、その上
に形成された膜厚0.3μm程度の上部電極605bと
から構成した。なお、上部電極605bは銅から構成し
た。
【0038】同様に、絶縁膜601上には、窒化チタン
からなるバリア膜604を介してアース電極606に接
続する、アルミニウムからなる配線602bを備えるよ
うにした。また、アース電極606も、クロムと銅から
なる2層構造の下部電極606aと、その上に形成され
た銅からなる膜厚5μm程度の電極柱606bとから構
成した。なお、下部電極605a,606aを構成する
下層の金属はクロムに限るものではなく、例えば、チタ
ンやニッケルなど銅の拡散抑制と絶縁材料に対する密着
性を向上させる他の金属を用いるようにしても良い。な
お、この実施の形態2では、図6に示すように、便宜
上、配線602aと配線602bとを同一断面上に示す
ようにしている。
【0039】また、この実施の形態2では、センサ電極
605およびアース電極606の上面および側面を覆う
ようにルテニウムからなる保護膜605cおよび保護膜
606cを備えるようにした。また、センサ電極605
を覆うように、ポリイミドからなる絶縁層607を備
え、その絶縁層607表面でアース電極606の上部を
露出させた。また、絶縁層607は、アース電極606
の格子の間を埋め、センサ電極605上の膜厚が、例え
ば、5μm程度となるように形成した。
【0040】そして、この実施の形態2においても、絶
縁層607上に、複数の対向電極608を備えるように
した。また、この実施の形態2では、その対向電極60
8表面を、ルテニウムからなる保護膜609で覆うよう
にした。なお、この実施の形態2では、この絶縁層60
7の上部において、アース電極606上に接続する接触
電極616を設けるようにした。その接触電極616
は、銅からなる電極部616aとルテニウムからなる保
護膜616bとから構成している。また前述したセンス
ユニットが、前述した配線602a,602bなどを介
し、それぞれのセンサ電極605およびアース電極60
6に接続している。そして、このセンスユニットは、ア
ース電極606と各センサ電極605との間に形成され
る容量を検出し、それらに対応した信号を出力する。
【0041】また、各センスユニットの出力は、図示し
ていない処理手段により処理され、この処理手段によ
り、各センサ電極605に形成された容量を濃淡に変換
した画像データを生成する。これらは、前述した実施の
形態1と同様である。すなわち、この実施の形態2の表
面形状認識用センサにおいても、1つのセンサ素子を構
成している各センサ電極605の箇所で検出されたそれ
ぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡データを付
ければ、指紋の形状が再現できることになる。
【0042】ところで、図6には示していないが、半導
体基板上の他の領域には、照合のための指紋データが格
納された記憶部や、記憶部に用意されている指紋データ
と読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部な
どが集積された集積回路を備えている。なお、これら全
てを、センサ電極605下の半導体基板上に配置するよ
うにしても良い。この構成とすることで、よりコンパク
トな状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納され
ている指紋データとを、集積回路に構成されている認識
処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0043】そして、この実施の形態2の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、絶縁
層607に指の先端部が触れると、指紋の凸の部分に
は、センサ電極606に接続している接触電極616が
触れることになる。すなわち、人間の指紋の幅は約20
0〜300μm程度なので、センサ電極606と同様に
100μm間隔に格子状に形成されている接触電極61
6には、指紋の凸部が必ず接触することになる。このと
き、同時に対抗電極608のいくつかも指に触れること
になるが、指に触れている対向電極608は、全てが少
なくとも指を介してアース電極606に接続することに
なる。この結果、センサ電極605上に配置され、か
つ、指に触れている対向電極608と、センサ電極60
5との間には容量が形成されることになり、その容量が
センスユニットに検出される。
【0044】そして、各センサ電極605はマトリクス
状に複数配置されていて、その配置状態に対応して指紋
の凹凸による容量が検出される。この結果、各センサ電
極605の箇所で検出されたそれぞれの容量に対応し、
処理手段によって濃淡データを付ければ、指紋の形状が
再現できることになる。例えば、センサ電極を100μ
m間隔で300×300(個)配置した場合、250ド
ット/インチ程度の分解能で300×300ドットの指
紋画像を得ることができる。
【0045】また、この実施の形態2においても、1つ
のセンサ素子において、複数の対向電極608を備える
ようにしたので、1つのセンサ素子領域の半分に指紋の
凸部が接触している場合と、1つのセンサ素子の領域全
域に指紋の凸部が接触している場合とで、そのセンサ素
子のセンスユニット110で検出される容量が異なるこ
とになる。すなわち、この実施の形態2でも、1つのセ
ンサ素子で多値をとれることになる。
【0046】そして、この実施の形態2の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部が対向電極を介してアース電極に触れることにな
る。したがって、その指が接触したことにより表面形状
認識用センサ表面に静電気が発生しても、その静電気は
アース電極に流れていく。したがって、下部に形成され
ている他の集積回路部分が、その静電気で破壊されるこ
とが抑制される。
【0047】また、この実施の形態2によれば、アース
電極や接触電極の露出面がルテニウムで被覆された状態
なので、例えば接触電極の接触面に酸化膜が形成される
ことが抑制されるようになる。また、この実施の形態2
によれば、アース電極を格子状に形成してそのマスの中
央部にセンサ電極を配置するようにしたので、アース電
極と各センサ電極との間隔が等しくなる。
【0048】次に、上述したこの実施の形態2の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図7(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜601を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線602a,602bを形成
する。
【0049】この配線602a,602bは、アルミニ
ウム膜を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術に
よりパターニングすることで形成すれば良い。次に、配
線602a,602bを覆うように、絶縁膜601上に
層間絶縁膜603を形成する。次に、層間絶縁膜603
の配線602a,602b上の所定箇所にスルーホール
603a,603bを形成する。そして、少なくともス
ルーホール603a,603b底部に露出した配線60
2a,602b表面を覆うように、窒化チタンからなる
バリア膜604を形成する。
【0050】このバリア膜604の形成は、次のように
すれば良い。まず、スルーホール603a,603bが
形成された層間絶縁膜603上に、スパッタ法などによ
り窒化チタン膜を形成する。次いで、フォトリソグラフ
ィ技術により、スルーホール形成部を隠すようにレジス
トパターンを形成する。そして、このレジストパターン
をマスクとし、RIEなどのドライエッチングで窒化チ
タン膜を選択的に除去し、レジストパターンを除去すれ
ば、バリア膜604が形成される。なお、バリア膜60
4は、窒化チタンから構成するものに限らない。バリア
膜604に、相互拡散を抑制できる他の導電性材料を用
いるようにしても良い。
【0051】次に、図7(b)に示すように、バリア膜
604を含む層間絶縁膜603上に、それぞれ0.1μ
m程度のクロム膜と銅膜からなる2層構造の金属薄膜7
01を形成する。例えば、このクロム膜は蒸着法で形成
し、銅膜はスパッタ法により行えば良い。このように、
クロム膜を下に備えておくことで、銅の拡散を抑制で
き、また、銅の密着性を向上させることができる。な
お、やはり、このクロムの代わりに、例えば、チタンや
ニッケルなど、銅の拡散を抑制しかつ密着性を向上させ
ることができる金属を用いるようにしても良い。
【0052】次いで、図7(c)に示すように、この金
属薄膜701上に、スルーホール603a上部にあたる
所定の領域に開口部702aを有するレジストパターン
702を、膜厚5μm程度に形成する。そして、金属薄
膜701を陰極とした電解メッキ法により、その開口部
702a底部に露出している金属薄膜701表面に、膜
厚0.3μmに銅膜を形成することで、上部電極605
bを形成する。なお、この上部電極605bの形成は、
電解メッキ法に限るものではない。
【0053】次に、レジストパターン702を除去した
後、今度は、図8(d)に示すように、上部電極605
bを囲う溝803aを備えたレジストパターン803
を、膜厚5μm程度に形成する。この溝803aは、図
6に示した、アース電極606を配置する領域である。
そして、金属薄膜701を陰極とした電解メッキ法によ
り、その溝803a底部に露出している金属薄膜701
表面に、膜厚5μm程度に銅を成長させ、電極柱606
bを形成する。
【0054】次に、レジストパターン803を除去した
後、図8(e)に示すように、表面が露出している部分
の金属薄膜701をエッチング除去する。このエッチン
グは、まず、燐酸,硝酸,および,酢酸からなる混酸の
水溶液をエッチング液としたウエット処理により、上層
の銅膜を除去する。次いで、フェリシアン化カリウムと
水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチング液としたウエ
ット処理により、下層のクロムを除去するようにすれば
良い。
【0055】以上の結果、層間絶縁膜603上に、高さ
5μm程度に格子状にアース電極606が形成される。
そして、その格子状のアース電極606の升目の中心部
に、センサ電極605が形成されることになる。次に、
図8(f)に示すように、センサ電極605およびアー
ス電極606の露出している表面に、ルテニウムからな
る保護膜605cおよび保護膜606cを形成する。こ
の形成は、無電界メッキ法により、銅からなる各電極表
面にだけルテニウムを0.1μm程度成長させることで
行える。
【0056】次に、図9(g)に示すように、格子状の
アース電極606のマスの中を埋め込むように絶縁層6
07を形成する。この絶縁層607の形成は、次に示す
ようにすれば良い。まず、センサ電極605およびアー
ス電極606が形成された層間絶縁膜603上に、回転
塗布などによりポリイミド材料を塗布してポリイミド膜
を形成する。そのポリイミド材料としては、例えば、ポ
リベンザオキサゾール前駆体をベースとしたポリイミド
樹脂を用いた。この塗布により、ポリイミド膜の表面
は、アース電極606やセンサ電極605による層間絶
縁膜603上の凹凸を吸収して平坦に形成される。これ
ら塗布によるポリイミド膜を形成した後、310℃程度
に加熱して塗布したポリイミド膜を熱硬化させる。
【0057】そして、その硬化したポリイミド膜を、ア
ース電極606の表面が露出するまでエッチバックすれ
ば、アース電極606のマスの中を埋め込むように、そ
の表面が平坦なポリイミドからなる絶縁層607を形成
することができる。このエッチバックは、例えば、酸素
ガスのプラズマを用いたドライエッチングにより行えば
良い。ポリイミドは有機材料であるので、酸素ガスのプ
ラズマを用いればエッチングが可能である。なお、その
エッチバックは、例えば化学的機械的研磨法などを用い
ても良い。
【0058】次に、絶縁層607およびアース電極60
6上の全域に金属膜を形成し、それを加工することで、
図9(h)に示すように、対向電極608および接触電
極616となる電極部616aを形成する。これら対向
電極608と電極部616aの形成では、まず、絶縁層
607およびアース電極606上の全域に、膜厚0.1
μmのクロム膜とその上の膜厚0.1μmの銅膜からな
る金属薄膜をスパッタ法により形成する。次いで、その
金属薄膜を、公知のフォトリソグラフィ技術とエッチン
グ技術により加工し、金属薄膜からなる複数の正方形の
パタンと格子状のパターンとが形成された状態とする。
そして、その正方形のパタンと格子状のパターンの上
に、例えば、メッキ法により選択的に銅膜を1μm程度
形成することで、図9(h)に示したように、対向電極
608と電極部616aが形成できる。
【0059】次に、図9(i)に示すように、形成した
対向電極608と電極部616aの露出面に、ルテニウ
ムからなる保護膜609および保護膜616bを形成す
る。この形成は、無電界メッキ法により、対向電極60
8と電極部616aの露出面だけにルテニウムを0.1
μm程度成長させることで行える。以上のことにより、
図6に示した、この実施の形態2の表面形状認識用セン
サの電極部が形成できる。ところで、上述では、アース
電極や接触電極を格子状に形成したが、これに限るもの
ではなく、例えば、絶縁層に埋め込まれているセンサ電
極周囲の片側に、絶縁層表面では分離した状態で、複数
のアース電極を形成するようにしても良い。ただし、ア
ース電極は、下層の配線層でそれぞれが接続されて全て
が同電位とされているものとする。
【0060】また、表面が露出した状態のアース電極
は、各センサ電極のそばに必ず一対設ける必要はなく、
センサ電極複数個に1つのアース電極が設けられている
状態でも良い。ただし、この実施の形態2のように、格
子状にアース電極を形成し、そのマスの中央部にセンサ
電極を備えるようにすることで、マトリクス状に配置さ
れた各センサ電極とアース電極との間隔をそれぞれ等し
くすることができる。ところで、この実施の形態2で
は、前述した実施の形態1とは異なり、対向電極それぞ
れおよび接触電極の間を埋めるように形成したパシベー
ション膜を備えるようにしていないが、このパシベーシ
ョン膜はなくても良い。ただし、前述の実施の形態1の
ようにそのパシベーション膜を備えることで、対向電極
の機械的な強度を向上させることができ、実使用上にお
いて対向電極や接触電極の損傷を抑制できるようにな
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、半
導体基板上に形成された層間絶縁膜の同一平面にそれぞ
れが絶縁分離され、かつそれぞれ固定配置されたセンサ
電極を有する複数の容量検出素子と、この容量検出素子
それぞれの容量を検出する容量検出手段と、層間絶縁膜
上でセンサ電極と絶縁分離されて配置された固定電極
と、層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うように形成されか
つ絶縁性の部材から構成された絶縁層と、この絶縁層上
に他とは絶縁分離されて形成されたセンサ電極より小さ
い面積の複数の対向電極とを備え、固定電極は容量検出
素子表面にその一部を露出して形成し、センサ電極と対
向電極との間に形成される容量を容量検出手段で検出す
るようにした。
【0062】このように構成したので、まず、認識対象
が触れると、その凸部が固定電極にと対向電極のいずれ
かに接触し、その認識対象を介することで一部の対向電
極と固定電極とが同電位となる。そして、それら対向電
極とセンサ電極との間に容量が形成され、これが容量検
出手段に検出される。このように、新たに固定電極を備
えたことにより、センシングの際に発生する静電気によ
って、同時に搭載されている素子などが静電破壊される
ことが抑制されるので、この発明によれば、安定して高
感度の表面形状検出が信頼性の高い状態で表面形状の認
識ができるようになる。また、複数の対向電極を備える
ようにしたので、1つの容量検出素子で多値をとれるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における表面形状
認識用センサの特に1つの容量検出素子の構成を示す断
面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態における表面形状
認識用センサの構成を示す平面図である。
【図3】 実施の形態1における表面形状認識用センサ
の製造過程を示す工程図である。
【図4】 図3に続く、実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図5】 図4に続く、実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態における表面形状
認識用センサの特に1つの容量検出素子の構成を示す断
面図である。
【図7】 実施の形態2における表面形状認識用センサ
の製造過程を示す工程図である。
【図8】 図7に続く、実施の形態2における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図9】 図8に続く、実施の形態2における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図10】 従来よりある表面形状認識用センサの特に
1つの容量検出素子の構成を概略的に示す断面図であ
る。
【図11】 従来よりある表面形状認識用センサの構成
を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
101…半導体基板、102…下層絶縁膜、103…配
線、104…層間絶縁膜、105…センサ電極、105
a…下部電極、105b…上部電極、106…アース電
極(固定電極)、106a…下部電極、106b…電極
柱、107…絶縁層、108…対向電極、109…パシ
ベーション膜、110…センスユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 重松 智志 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−305832(JP,A) 特開2000−196026(JP,A) 特開2000−193410(JP,A) 特開 平11−19070(JP,A) 特表 平11−512962(JP,A) 特表2000−513839(JP,A) 特表2002−522797(JP,A) 特表 平10−505941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/28 A61B 5/117 G06T 1/00 G06K 9/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された層間絶縁膜の
    同一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定
    配置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、 この容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手
    段と、 前記層間絶縁膜上で前記センサ電極と絶縁分離されて配
    置された固定電極と、 前記層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うように形成されか
    つ絶縁性の部材から構成された絶縁層と、 この絶縁層上に他とは絶縁分離されて形成された前記セ
    ンサ電極より小さい面積の複数の対向電極とを備え、 前記固定電極は前記容量検出素子表面にその一部が露出
    して形成され、 前記センサ電極と前記対向電極との間に形成される容量
    が前記容量検出手段に検出されることを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記固定電極は正方形の格子状に形成されてその1つの
    升で前記容量検出素子が構成され、 前記センサ電極は前記固定電極で形成された升の中に配
    置されたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記固定電極の一部が露出している前記容量検出素子の
    表面がほぼ平坦に形成されていることを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記対向電極は銅から構成されたことを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 新たに、前記対向電極の側面および上面を覆うように形
    成された導電性を有する保護膜を備えたことを特徴とす
    る表面形状認識用センサ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記保護膜はルテニウムから構成されたことを特徴とす
    る表面形状認識用センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記対向電極は金から構成されたことを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記絶縁層はポリイミド樹脂から構成されたことを特徴
    とする表面形状認識用センサ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 新たに、前記対向電極間を埋めるように形成されたパシ
    ベーション膜を備えたことを特徴とする表面形状認識用
    センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1項記載の表面
    形状認識用センサにおいて、 前記半導体基板上の前記層間絶縁膜下に配置されて前記
    センサ電極および前記固定電極に接続する第1および第
    2の配線を備え、 前記センサ電極および前記固定電極は、前記第1および
    第2の配線を介して前記容量検出手段に接続されたこと
    を特徴とする表面形状認識用センサ。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10いずれか1項記載の表
    面形状認識用センサにおいて、 前記容量検出手段は、前記半導体基板上に同時に搭載さ
    れたことを特徴する表面形状認識用センサ。
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