JP3318867B2 - 表面形状認識用センサおよびその製造方法 - Google Patents

表面形状認識用センサおよびその製造方法

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JP3318867B2
JP3318867B2 JP00117099A JP117099A JP3318867B2 JP 3318867 B2 JP3318867 B2 JP 3318867B2 JP 00117099 A JP00117099 A JP 00117099A JP 117099 A JP117099 A JP 117099A JP 3318867 B2 JP3318867 B2 JP 3318867B2
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metal film
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克之 町田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面形状認識用
センサおよびその製造方法に関し、特に人間の指紋や動
物の鼻紋などの微細な凹凸を感知する表面形状認識用セ
ンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展と現代社会の環境にお
いて、セキュリティ技術への関心が高まっている。例え
ば、情報化社会では、電子現金化などのシステム構築の
ための本人認証技術が、重要な鍵となってきる。また、
盗難やカードの不正使用の防御策のための認証技術につ
いても研究開発が活発になっているのが実情である(例
えば、清水良真他、個人認証付機能付きICカードに関
する一検討、信学技報、Technical report of IEICE,OF
S92-32,p25-30(1992))。このような、不正使用防御策
のための認証方式には、指紋や声紋などを利用したもの
が種々あるが、中でも、指紋認証技術については、これ
まで多くの技術開発がなされている。その指紋の認証方
式は、光学的な読み取方式と人間の電気特性の利用して
指紋の凹凸を電気信号に置き換えて検出する方式とに大
別される。
【0003】光学的に読み取る方式は、主に光の反射と
CCDイメージセンサを用い、指紋を光学像データとし
て取り込み、照合を行う方式である(特開昭61−22
1883号公報)。他方の方式として、指の指紋の圧力
差を読み取るために圧電薄膜を利用した方式も開発され
ている(特開平5−61965号公報)。また、同じよ
うに、皮膚の接触により生じる電気特性の変化を、電気
信号の分布に置き換えて指紋の形状を検出する方式とし
て、感圧シートを用いて抵抗変化量もしくは容量変化量
による認証方式が提案されている(特開平7−1689
30号公報)。しかしながら、以上の技術において、ま
ず、光を用いた方式は小型化することが難しく、汎用的
に用いることが困難であり、用途が限定されるという問
題がある。次に、感圧シートなどを用いて指の凹凸を感
知する方式は、材料が特殊であることや加工性の難しか
ら、実用化が難しく信頼性に乏しいことが考えられる。
【0004】一方、LSIの製造技術を用いて作製され
た容量型の指紋センサが開発されている(Marco Tartag
ni and Roberto Guerrieri,A 390dpi Live Fingerprint
Imager Based on Feedback Capacitive Sensing Schem
e,1997 IEEE InternationalSolid-State Circuits Conf
erence, p200-201(1997).)。これは、LSIチップ上
に2次元に配列された小さなセンサにより、帰還静電容
量方式を利用して皮膚の凹凸パタンを検出する方法であ
る。この容量型センサは、LSI配線の最上層に2枚の
プレートを形成し、その上にパシベーション膜を形成し
たものである。このセンサに指先が触れると、皮膚の表
面が第3のプレートとして機能し、空気からなる絶縁層
で隔離され、その距離の違いでセンシングを行うことに
より指紋を検出するものである。この構造は、従来の光
学式に比較し、特殊なインターフェイスが不要なこと
や、小型化が可能なことが特徴である。
【0005】ここで、その指紋センサは、原理的には、
半導体基板上にセンサ電極を形成し、その上にパシベー
ション膜を形成したものであり、パシベーション膜を介
して皮膚とセンサとの容量を検出し微細構造の凹凸を検
出する方法である。ここで従来の容量型の指紋センサに
ついて図を参照して説明する。この容量型センサは、図
14の断面図に示すように構成されている。すなわち、
まず、LSI等の形成された半導体基板1401の上
に、下層絶縁膜1402を介して配線1403が形成さ
れ、この上に層間絶縁膜1404が形成されている。
【0006】また、その層間絶縁膜1404上には、例
えば平面形状が矩形のセンサ電極1406が形成されて
いる。このセンサ電極1406は、層間絶縁膜1404
に形成されたスルーホール内のプラグ1405を介して
配線1403に接続されている。そして、層間絶縁膜1
404上に、センサ電極1406を覆うように、パシベ
ーション膜1407が形成され、センサ素子が構成され
ている。そして、それらセンサ素子は、図15の平面図
に示すように、隣り合うセンサ素子のセンサ電極140
6が接触しないように、2次元的に複数配置されてい
る。
【0007】この容量型センサの動作について説明す
る。指紋検出の時は、まず、指紋検出対象の指が、パシ
ベーション膜1407に接触する。このように、指が接
触すると、センサ電極1406上では、パシベーション
膜1407に触れた皮膚が電極として機能し、センサ電
極1406との間で容量が形成される。この容量は、配
線1403を介して検出される。ここで、指先の指紋
は、皮膚の凹凸により形成されているので、パシベーシ
ョン膜1407に指を接触させた場合、電極としての皮
膚と、センサ電極1406との距離は、指紋を形成して
いる突部と凹部とで異なることになる。そして、この距
離の違いは、容量の違いとして検出されることになる。
したがって、それら異なる容量の分布を検出していけ
ば、それは指紋の突部の形状となる。すなわち、この容
量型センサにより、皮膚の微細な凹凸状態を感知するこ
とができる。
【0008】そして、このような容量型の指紋センサ
は、従来の光学式センサと比較して特殊なインターフェ
イスが不要であり、小型化が可能である。この容量型の
センサは、例えば、次に示すような集積回路(LSI)
チップ上に同時に搭載することができる。すなわち、照
合のための指紋データが格納された記憶部と、記憶部に
用意されている指紋データと、読み取られた指紋とを比
較照合する認識処理部とが集積された集積回路チップ
に、上述の容量型センサを同時に搭載することができ
る。このように、1つの集積回路チップ上に構成するこ
とで、各ユニット間のデータ転送における情報の改竄な
どが困難になり、機密保持性能を向上させることができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセンサでは、皮膚を電極として利用しているため、接
触次に生じた静電気によって同時に搭載されているLS
Iが静電破壊されやすいという問題があった。したがっ
て、従来では、センサの安定性,感度,信頼性などが考
慮され、さらに、小型化や汎用性までも考慮された人間
の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸をセンシングするセ
ンサおよびその製造方法の開発が望まれていた。この発
明は、以上のような問題点を解消するためになされたも
のであり、センシングの際に発生する静電気によって静
電破壊されることなどがないなど、安定して高感度の表
面形状検出が信頼性の高い状態でできるようにすること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の表面形状認識
用センサは、半導体基板上に形成された層間絶縁膜の同
一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定配
置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、そ
の容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手段
と、層間絶縁膜上でセンサ電極と絶縁分離されて配置さ
れた固定電極とを備えるようにした。このように構成し
たので、認識対象が触れることでその表面の凹凸に対応
して容量検出素子が検出する容量が変化する。
【0011】加えて、固定電極に支持されてセンサ電極
上に空間を介して所定の距離離間して対向配置され、セ
ンサ電極上部に位置する部分がこのセンサ電極方向に
変形可能に構成された対向電極を備え、容量検出手段は
センサ電極と対向電極との間の容量を検出するようにし
た。したがって、認識対象が触れることでその表面の凹
凸に対応して対向電極が変形し、認識対象の表面の凹凸
に対応してセンサ電極と対向電極との間の容量が変化す
る。このように構成した中で、その対向電極上に、絶縁
性を有するフィルムを備えるようにしてもよく、そのフ
ィルムにはセンサ電極上部の位置に突起を備えるように
してもよい。また、センサ電極および固定電極は、Cu
から構成するようにしてもよい。また、センサ電極およ
び固定電極は、Auから構成するようにしてもよい。ま
た、センサ電極の側面および上面と固定電極側面および
上面とを覆うように、導電性の保護膜を備えるようにし
てもよい。その保護膜は、例えばRuから構成すればよ
い。また、半導体基板上の層間絶縁膜下にセンサ電極お
よび固定電極に接続する第1および第2の配線を備え、
センサ電極および前記固定電極は、その第1および第2
の配線を介して容量検出手段に接続すればよい。また、
その容量検出手段は、半導体基板上に同時に搭載しても
よい。
【0012】一方、他の構成として、層間絶縁膜上にセ
ンサ電極を覆うように形成されかつ絶縁性の部材から構
成されたパシベーション膜を備え、固定電極は、パシベ
ーション膜表面に一部が接触した対向電極となる表面形
状の認識対象物の表面と接触するように、その一部がパ
シベーション膜表面で露出して層間絶縁膜上に形成さ
れ、容量検出手段は、センサ電極と認識対象物の表面と
の間の容量を検出するようにした。したがって、認識対
象が触れるとこれが一方の対向電極となり、また、これ
が固定電極に接触した状態で、認識対象の表面とセンサ
電極との間に容量が形成され、これが容量検出手段に検
出される。このように構成した中で、センサ電極および
固定電極は、Cuから構成するようにしてもよい。ま
た、センサ電極および固定電極は、Auから構成するよ
うにしてもよい。また、パシベーション膜は、ポリイミ
ドから構成してもよく、そのポリイミドはポリベンザオ
キサゾールから構成してもよい。また、センサ電極の側
面および上面と固定電極側面および上面とを覆うよう
に、導電性の保護膜を備えるようにしてもよい。その保
護膜は、例えばRuから構成すればよい。また、半導体
基板上の層間絶縁膜下にセンサ電極および固定電極に接
続する第1および第2の配線を備え、センサ電極および
前記固定電極は、その第1および第2の配線を介して容
量検出手段に接続すればよい。また、その容量検出手段
は、半導体基板上に同時に搭載してもよい。
【0013】また、この発明の表面形状認識用センサの
製造方法は、半導体基板上に第1および第2の配線を形
成する工程と、半導体基板上に第1および第2の配線を
覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、その層間絶縁
膜に形成された第1および第2のスルーホールを介して
第1および第2の配線に電気的に接続する第1の金属膜
を形成する工程と、その第1の金属膜上に第1のスルー
ホール上部の領域に開口部を備えた第1のマスクパタン
を形成する工程と、その第1のマスクパタンの開口部底
部に露出した第1の金属膜表面に選択的に第2の金属膜
を形成する工程と、第2のスルーホール上を跨りかつ第
2の金属膜の周囲に配置された溝を備えた第2のマスク
パタンを第1の金属膜および第2の金属膜上に形成する
工程と、その第2のマスクパタンの溝底部に露出した第
1の金属膜表面に選択的に第3の金属膜を第2の金属膜
より厚く形成する工程と、第2の金属膜下および第3の
金属膜下以外の第1の金属膜を除去することで、第1の
金属膜および第2の金属膜からなり第1のスルーホール
を介して第1の配線に接続するセンサ電極と第1の金属
膜および第3の金属膜からなり第2のスルーホールを介
して第2の配線に接続する固定電極とを形成する工程
と、センサ電極を覆いかつ固定電極上部が露出するよう
に層間絶縁膜上に犠牲膜を形成する工程と、犠牲膜およ
び固定電極上に対向電極を形成する工程と、対向電極を
形成した後で犠牲膜のみを選択的に除去する工程とを備
え、第1および第2の配線はセンサ電極と対向電極との
間に形成された容量を検出する容量検出手段に接続して
形成するようにした。したがって、センサ電極は第1の
配線を介して容量検出手段に接続して形成され、対向電
極は固定電極および第2の配線を介して容量検出手段に
接続して形成される。
【0014】そのように製造する中で、第1,第2,お
よび,第3の金属膜を、Cuから構成するようにしても
よい。また、第1,第2,および,第3の金属膜はAu
から構成するようにしてもよい。また、センサ電極と固
定電極を形成した後、センサ電極および固定電極の側面
および上面を覆うように導電性を有する保護膜を形成し
てもよい。また、保護膜はRuから構成してもよい。ま
た、対向電極上に、センサ電極上部の位置にそれぞれ突
起を備えてかつ絶縁性を有するフィルムを形成するよう
にしてもよい。
【0015】また、この発明の表面形状認識用センサの
製造方法は、半導体基板上に第1および第2の配線を形
成する工程と、半導体基板上に第1および第2の配線を
覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、その層間絶縁
膜に形成された第1および第2のスルーホールを介して
第1および第2の配線に電気的に接続する第1の金属膜
を形成する工程と、その第1の金属膜上に第1のスルー
ホール上部の領域に開口部を備えた第1のマスクパタン
を形成する工程と、その第1のマスクパタンの開口部底
部に露出した第1の金属膜表面に選択的に第2の金属膜
を形成する工程と、第2のスルーホールを跨りかつ第2
の金属膜の周囲に配置された溝を備えた第2のマスクパ
タンを第1の金属膜および第2の金属膜上に形成する工
程と、第2のマスクパタンの溝底部に露出した第1の金
属膜表面に選択的に第3の金属膜を第2の金属膜より厚
く形成する工程と、第2の金属膜下および第3の金属膜
下以外の第1の金属膜を除去することで、第1の金属膜
および第2の金属膜からなり第1のスルーホールを介し
て第1の配線に接続するセンサ電極と、第1の金属膜お
よび第3の金属膜からなり第2のスルーホールを介して
第2の配線に接続する固定電極とを形成する工程と、セ
ンサ電極を覆いかつ固定電極上部が露出するように層間
絶縁膜上にパシベーション膜を形成する工程とを備え、
第1および第2の配線はセンサ電極と固定電極との間に
形成された容量を検出する容量検出手段に接続して形成
するようにした。したがって、センサ電極は第1の配線
を介して容量検出手段に接続して形成され、固定電極は
第2の配線を介して容量検出手段に接続して形成され
る。
【0016】そのように製造する中で、第1,第2,お
よび,第3の金属膜はCuから構成してもよい。また、
第1,第2,および,第3の金属膜はAuから構成して
もよい。また、センサ電極と固定電極を形成した後、セ
ンサ電極および固定電極の側面および上面を覆うように
導電性を有する保護膜を形成するようにしてもよい。ま
た、保護膜はRuから構成してもよくい。また、パシベ
ーション膜はポリイミドから構成してもよく、そのポリ
イミドはポリベンザオキサゾールより構成してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 はじめに、この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサに関して説明する。この表面形状認識用
センサは、図1(a)に示すように、絶縁膜101上に
形成された層間絶縁膜103上に、例えば80μm角の
Cuからなるセンサ電極105、および、支持電極(固
定電極)106を備えるようにした。なお、絶縁膜10
1は、以降に示すセンスユニット110や図示していな
い処理手段などの集積回路が形成された半導体基板上に
形成されている。
【0018】また、図1(b)に示すように、支持電極
106は、例えば、マス内の大きさがおおよび100μ
m角の正方形状とされた格子状に形成されている。ま
た、そのマスの中央部にセンサ電極105が配置されて
いる。そして、支持電極106のマスの数は300×3
00個ほど備え、したがって、センサ電極105はマト
リクス状に300×300個配置されている。ここで、
例えばセンスユニット110は、それぞれのセンサ電極
105下にそれぞれ配置形成されているようにしてもよ
い。
【0019】一方、絶縁膜101上には、TiNからな
るバリア膜104を介してセンサ電極105に接続す
る、アルミニウムからなる配線102aを備えるように
した。また、センサ電極105は、膜厚0.2μm程度
の下部電極105aとその上に形成された膜厚0.3μ
m程度の上部電極105bとから構成した。ここで、下
部電極105aは、それぞれ膜厚0.1μm程度のCr
とCuとの2層膜とした。また、上部電極105bはC
uから構成するようにした。
【0020】同様に、絶縁膜101上には、TiNから
なるバリア膜104を介して支持電極106に接続す
る、アルミニウムからなる配線102bを備えるように
した。また、支持電極106も、CrとCuとの2層膜
からなる膜厚0.1μmの下部電極106aとその上に
形成されたCuからなる膜厚5μm程度の電極柱106
bとから構成した。また、センサ電極105および支持
電極106の上面および側面を覆うようにRuからなる
保護膜105cおよび保護膜106cを備えるようにし
た。なお、下部電極105a,106aを構成する下層
の金属は、Crに限るものではなく、例えば、TiやN
iなどCuの拡散抑制と絶縁材料に対する密着性を向上
させる他の金属を用いるようにしてもよい。
【0021】そして、格子状の支持電極106(保護膜
106c)上のほぼ全域に、支持電極106によるマス
の中央部は少なくとも下方向に撓む、対向電極107を
備えるようにした。この対向電極107は、以降に示す
製造上の都合のため、支持電極106より小さいサイズ
の孔を備えたメッシュ形状とした。また、支持電極10
6によるマスの中央部の箇所に突起108aを備えたフ
ィルム108が、対向電極107上に接着固定されてい
るようにした。
【0022】また、複数のセンスユニット110が、前
述した配線102a,102bなどを介し、それぞれの
センサ電極105および支持電極106に接続してい
る。そして、それらセンスユニット110は、支持電極
106と各センサ電極105との間に形成される容量を
検出し、それらに対応した信号を出力する。また、各セ
ンスユニット110の出力は、図示していない処理手段
により処理され、この処理手段により、各センサ電極1
05に形成された容量を濃淡に変換した画像データを生
成する。
【0023】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、フィルム108上に指の先端部が接触すると、
その指の指紋形状に応じて突起108aが下方に押し込
まれ、この結果、その箇所の対向電極107がセンサ電
極105方向に撓むことになる。そして、センサ電極1
05と対向電極107で形成されている容量が、その撓
んだ箇所では変化する。すなわち、フィルム108上に
指が置かれることで、指紋の形状(凹凸)に応じて各セ
ンサ電極105における容量にそれぞれ変化が発生し、
その変化したそれぞれの容量が、それぞれのセンスユニ
ット110に検出される。
【0024】この結果、各センサ電極105の箇所で検
出されたそれぞれの容量に対応し、処理手段によって濃
淡データを付ければ、指紋の形状が再現できることにな
る。例えば、センサ電極105を100μm間隔で30
0×300(個)配置した場合、250ドット/インチ
程度の分解能で300×300ドットの指紋画像を得る
ことができる。一方、図1には示していないが、半導体
基板上の他の領域には、照合のための指紋データが格納
された記憶部や、記憶部に用意されている指紋データと
読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部など
が集積された集積回路を備えている。なお、これらすべ
てを、センサ電極105下の半導体基板上に配置するよ
うにしてもよい。この構成とすることで、よりコンパク
トな状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納され
ている指紋データとを、集積回路に構成されている認識
処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0025】そして、この実施の形態1の表面形状認識
用センサでは、例えば指紋の形状を認識する場合、指を
一方の電極として用いるようにはしていないので、下部
に形成されている他の集積回路部分の静電気による破壊
が抑制されるようになる。また、この実施の形態1によ
れば、センサ電極や支持電極の露出面がRuで被覆され
た状態なので、それら電極表面が酸化することで劣化す
ることが抑制されるようになる。このRuはその酸化物
も導電性を示すので、一般に接点材料としても用いられ
ており、電極の酸化防止膜として好適な材料である。ま
た、この実施の形態1によれば、支持電極を格子状に形
成してそのマスの中央部にセンサ電極を配置するように
したので、支持電極と各センサ電極との間隔を等しくす
ることができる。
【0026】次に、この実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図2(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜101を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線102a,102bを形成
する。この配線102a,102bは、アルミニウム膜
を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術によりパ
ターニングすることで形成すればよい。次に、絶縁膜1
01上に、配線102a,102bを覆うように層間絶
縁膜103を形成する。次に、層間絶縁膜103の配線
102a,102b上の所定箇所にスルーホール103
a,103bを形成する。
【0027】そして、少なくともスルーホール103
a,103b底部に露出した配線102a,102b表
面を覆うように、TiNからなるバリア膜104を形成
する。このバリア膜104の形成は、次のようにすれば
よい。まず、スルーホール103a,103bが形成さ
れた層間絶縁膜103上に、スパッタ法などによりTi
N膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術によ
り、スルーホール形成部を隠すようにレジストパタンを
形成する。そして、このレジストパタンをマスクとし、
RIEなどのドライエッチングでTiN膜を選択的に除
去し、レジストパタンを除去すれば、バリア膜104が
形成される。なお、バリア膜104は、TiNから構成
するものに限らない。CrやWおよびそれらの窒化物な
ど、相互拡散を抑制できる他の導電性材料をバリア膜1
04に用いるようにしてもよい。
【0028】次に、図2(b)に示すように、バリア膜
104を含む層間絶縁膜103上に、膜厚0.1μmの
Crと膜厚0.1μm程度のCuとの2層膜からなる金
属薄膜201を形成する。これは、例えばCrを蒸着法
により形成し、Cuをスパッタ法により形成することで
行えばよい。このように、Cr膜を下に備えておくこと
で、Cuの拡散を抑制でき、また、Cuの密着性を向上
させることができる。なお、前述したように、このCr
の代わりに、例えば、TiやNiなど、Cuの拡散を抑
制しかつ絶縁材料との密着性を向上させることができる
金属を用いるようにしてもよい。
【0029】次いで、図2(c)に示すように、この金
属薄膜201上に、スルーホール103a上部にあたる
所定の領域に開口部202aを有するレジストパタン2
02を、膜厚5μm程度に形成する。そして、金属薄膜
201を陰極とした電解メッキ法により、その開口部2
02a底部に露出している金属薄膜201表面に、膜厚
0.3μmにCu膜を形成することで、上部電極105
bを形成する。なお、この上部電極105bの形成は、
電解メッキ法に限るものではない。
【0030】次に、レジストパタン202を除去した
後、今度は、図2(d)に示すように、上部電極105
bを囲う溝203aを備えたレジストパタン203を、
膜厚5μm程度に形成する。この溝203aは、図1に
示した、支持電極106を配置する領域である。そし
て、金属薄膜201を陰極とした電解メッキ法により、
その溝203a底部に露出している金属薄膜201表面
に、膜厚5μm程度にCuを成長させ、電極柱106b
を形成する。
【0031】次いで、レジストパタン203を除去した
後、図3(e)に示すように、表面が露出している部分
の金属薄膜201をエッチング除去する。このエッチン
グはまず、燐酸,硝酸,および,酢酸からなる混酸の水
溶液をエッチング液としたウエット処理により上層のC
uを除去する。ついで、フェリシアン化カリウムと水酸
化ナトリウムとの水溶液をエッチング液としたウエット
処理により、下層のCrを除去するようにすればよい。
以上の結果、層間絶縁膜103上に、高さ5μm程度に
格子状に支持電極106が形成される。そして、その格
子状の支持電極106の升目の中心部に、センサ電極1
05が形成されることになる。
【0032】次に、図3(f)に示すように、センサ電
極105および支持電極106の露出している表面に、
Ruからなる保護膜105cおよび保護膜106cを形
成する。この形成は、無電界メッキ法により、Cuから
なる各電極表面にだけRuを0.1μm程度成長させる
ことで行える。次に、図3(g)に示すように、格子状
の支持電極106のマスの中を埋め込むように、犠牲膜
301を形成する。この犠牲膜301の形成は、次に示
すようにすればよい。まず、センサ電極105および支
持電極106が形成された層間絶縁膜103上に、回転
塗布などによりポリイミド材料を塗布してポリイミド膜
を形成する。そのポリイミド材料としては、例えば、ポ
リベンザオキサゾール前駆体をベースとしたポリイミド
樹脂を用いた。
【0033】この塗布により、ポリイミド膜の表面は、
支持電極106やセンサ電極105による層間絶縁膜1
03上の凹凸を吸収して平坦に形成される。これら塗布
によるポリイミド膜を形成した後、310℃程度に加熱
して塗布したポリイミド膜を熱硬化させる。そして、そ
の硬化したポリイミド膜を、支持電極106の表面が露
出するまでエッチバックすれば、支持電極106のマス
の中を埋め込むように、その表面が平坦なポリイミドか
らなる犠牲膜301を形成することができる。このエッ
チバックは、例えば、酸素ガスのプラズマを用いたドラ
イエッチングにより行えばよい。ポリイミドは有機材料
であるので、酸素ガスのプラズマを用いればエッチング
が可能である。なお、そのエッチバックは、例えば化学
的機械的研磨法などを用いてもよい。
【0034】次に、図3(h)に示すように、犠牲膜3
01および支持電極106上に、対向電極107を形成
する。この対向電極107の形成は、次のようにする。
まず、スパッタ法などにより全面にCr膜を膜厚0.2
μm程度形成し、これを部分的にエッチングして複数の
微細な孔を形成する。この結果、図4(i)の平面図に
示すように、対向電極107をメッシュ状に加工する。
次に、犠牲膜301を、CF4 と酸素との混合ガスのプ
ラズマにより選択的にエッチング除去すれば、図4
(j)に示すように、対向電極107が、支持電極10
6に支持されて、センサ電極105上に所定の間隔を有
して配置された状態で形成される。
【0035】次に、その対向電極107上に、突起10
8aを備えたフィルム108を接着固定すれば、図1に
示したこの実施の形態1の表面形状認識用センサが得ら
れる。このフィルム108は、熱可塑性を有する例えば
PTFEなどの有機材料からなるフィルムを加工するこ
とで形成できる。そして、このフィルム状のフィルム1
08の平坦な面に、やはりフィルム状とした接着剤を貼
り付け、これらを接着剤の面が向かい合うように対向電
極107上に載置し、固定して150℃で10分間加熱
することで、フィルム108が対向電極107上に接着
固定された状態が得られる。ところで、上述では、支持
電極を格子状に形成したが、これに限るものではなく、
センサ電極の上部に所定の空間を備えた状態で対向電極
を支持できる構造ならばどのような形状でもよい。
【0036】実施の形態2 次に、この発明の第2の実施の形態における表面形状認
識用センサに関して説明する。この表面形状認識用セン
サは、図5に示すように、絶縁膜501上に形成された
層間絶縁膜503上に、80μm角のセンサ電極50
5、および、支持電極506を備えるようにした。そし
て、この実施の形態2では、それら電極をAuから構成
するようにした。
【0037】なお、絶縁膜501は、図示していない
が、以降に示すセンスユニットや処理手段などの集積回
路が形成された半導体基板上に形成されている。また、
支持電極506は、例えば、マス内の大きさがおおよび
100μm角の正方形状とされた格子状に形成されてい
る。また、そのマスの中央部にセンサ電極505が配置
されている。そして、支持電極506のマスの数は30
0×300個ほど備え、したがって、センサ電極505
はマトリクス状に300×300個配置されている。こ
れらは前述した実施の形態1と同様である。
【0038】一方、絶縁膜501上には、TiNからな
るバリア膜504を介してセンサ電極505に接続す
る、アルミニウムからなる配線502aを備えるように
した。また、センサ電極505は、膜厚0.2μm程度
の下部電極505aとその上に形成された膜厚0.3μ
m程度の上部電極505bとから構成した。ここで、下
部電極505aは、それぞれ膜厚0.1μm程度のCr
とAuとの2層膜とした。また、上部電極505bはA
uから構成するようにした。このように、下層にCr膜
を配置することで、Au膜と下の層間絶縁膜503との
密着性を向上させることができる。なお、上記実施の形
態1と同様であり、そのCrの代わりに、例えば、Ti
やNiなどCuの拡散抑制と絶縁材料に対する密着性を
向上させる他の金属を用いるようにしてもよい。
【0039】同様に、絶縁膜501上には、TiNから
なるバリア膜504を介して支持電極506に接続す
る、アルミニウムからなる配線502bを備えるように
した。また、支持電極506も、それぞれの膜厚が0.
1μm程度のCrとAuからなる2層膜の下部電極50
6aと、その上に形成されたやはりAuからなる膜厚5
μm程度の電極柱506bとから構成した。このよう
に、この実施の形態では、腐食しないAuを用いるよう
にしたので、各電極を覆う保護膜が必要ない。
【0040】そして、この実施の形態2においても、格
子状の支持電極506(保護膜506c)上のほぼ全域
に、支持電極506により形成されているマスの中央部
は少なくとも下方向に撓む、対向電極507を備えるよ
うにした。この対向電極507は、以降に示す製造上の
都合のため、支持電極506より小さいサイズの孔を備
えたメッシュ形状とした。また、支持電極506による
マスの中央部の箇所に突起508aを備えたフィルム5
08が、対向電極507上に接着固定されているように
した。
【0041】また、やはり同様に、複数のセンスユニッ
トが、前述した配線502a,502bなどを介し、そ
れぞれのセンサ電極505および支持電極506に接続
している。そして、それらセンスユニットは、支持電極
506と各センサ電極505との間に形成される容量を
検出し、それらに対応した信号を出力する。また、各セ
ンスユニットの出力は、やはり図示してない処理手段に
より処理され、この処理手段により、各センサ電極50
5に形成された容量を濃淡に変換した画像データを生成
する。
【0042】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでも、フィルム508上に指の先端部が接触すると、
その指の指紋形状に応じて突起508aが下方に押し込
まれ、この結果、その箇所の対向電極507がセンサ電
極505方向に撓むことになる。そして、センサ電極5
05と対向電極507で形成されている容量が、その撓
んだ箇所では変化する。すなわち、フィルム508上に
指が置かれることで、指紋の形状(凹凸)に応じて各セ
ンサ電極505における容量にそれぞれ変化が発生し、
その変化したそれぞれの容量が、それぞれのセンスユニ
ットに検出される。
【0043】この結果、各センサ電極505の箇所で検
出されたそれぞれの容量に対応し、処理手段によって濃
淡データを付ければ、指紋の形状が再現できることにな
る。例えば、センサ電極505を100μm間隔で30
0×300(個)配置した場合、250ドット/インチ
程度の分解能で300×300ドットの指紋画像を得る
ことができる。一方、図5には示していないが、この実
施の形態2においても、半導体基板上の他の領域には、
照合のための指紋データが格納された記憶部や、記憶部
に用意されている指紋データと読み取られた指紋画像と
を比較照合する認識処理部などが集積された集積回路を
備えている。なお、これらすべてを、センサ電極505
下の半導体基板上に配置するようにしてもよい。この構
成とすることで、よりコンパクトな状態で、検出された
指紋の形状と記憶部に格納されている指紋データとを、
集積回路に構成されている認識処理部で比較する指紋の
照合が可能となる。
【0044】そして、この実施の形態2の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指を
一方の電極として用いるようにはしていないので、下部
に形成されている他の集積回路部分の静電気による破壊
が抑制されるようになる。また、この実施の形態2によ
れば、センサ電極や支持電極をAuから構成するように
したので、それら電極表面が酸化して劣化することがな
くなる。また、この実施の形態2でも、支持電極を格子
状に形成してそのマスの中央部にセンサ電極を配置する
ようにしたので、支持電極と各センサ電極との間隔を等
しくすることができる。なお、この実施の形態2におい
ても、例えばRuからなる保護膜を、センサ電極や支持
電極の露出面に形成するようにしてもよい。
【0045】次に、この実施の形態2における表面形状
認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図6(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜501を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線502a,502bを形成
する。この配線502a,502bは、アルミニウム膜
を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術によりパ
ターニングすることで形成すればよい。次に、絶縁膜5
01上に、配線502a,502bを覆うように層間絶
縁膜503を形成する。次に、層間絶縁膜503の配線
502a,502b上の所定箇所にスルーホール503
a,503bを形成する。
【0046】そして、少なくともスルーホール503
a,503b底部に露出した配線502a,502b表
面を覆うように、TiNからなるバリア膜504を形成
する。このバリア膜504の形成は、次のようにすれば
よい。まず、スルーホール503a,503bが形成さ
れた層間絶縁膜503上に、スパッタ法などによりTi
N膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術によ
り、スルーホール形成部を隠すようにレジストパタンを
形成する。そして、このレジストパタンをマスクとし、
RIEなどのドライエッチングでTiN膜を選択的に除
去し、レジストパタンを除去すれば、バリア膜504が
形成される。なお、バリア膜504は、TiNから構成
するものに限らない。CrやWおよびそれらの窒化物な
ど、相互拡散を抑制できる他の導電性材料をバリア膜5
04に用いるようにしてもよい。
【0047】次に、図6(b)に示すように、バリア膜
504を含む層間絶縁膜503上に、CrとAuからな
る2層構造の金属薄膜601を、膜厚0.2μm程度に
蒸着法により形成する。このように、Cr膜を下に備え
ておくことで、Auの拡散を抑制でき、また、Auの層
間絶縁膜503に対する密着性を向上させることができ
る。なお、前述したように、このCrの代わりに、例え
ば、TiやNiなど、Auの拡散を抑制しかつ密着性を
向上させることができる金属を用いるようにしてもよ
い。
【0048】次いで、図6(c)に示すように、この金
属薄膜601上に、スルーホール503a上部にあたる
所定の領域に開口部602aを有するレジストパタン6
02を、膜厚5μm程度に形成する。そして、金属薄膜
601を陰極とした電解メッキ法により、その開口部6
02a底部に露出している金属薄膜601表面に、膜厚
0.3μmにAu膜を形成することで、上部電極505
bを形成する。なお、この上部電極505bの形成は、
電解メッキ法に限るものではない。
【0049】次に、レジストパタン602を除去した
後、今度は、図6(d)に示すように、上部電極505
bを囲う溝603aを備えたレジストパタン603を形
成する。その溝603aは、図5に示した支持電極50
6が配置される領域である。そして、金属薄膜601を
陰極とした電解メッキ法により、その溝603a底部に
露出している金属薄膜601表面に、膜厚5μm程度に
Auを成長させ、電極柱506bを形成する。
【0050】次いで、レジストパタン603を除去した
後、図7(e)に示すように、表面が露出している金属
薄膜601をエッチング除去する。このエッチングは、
まず、ヨウ素,ヨウ化アンモニウム,および,エタノー
ルからなる混合液の水溶液をエッチング液としたウエッ
ト処理により、上層のAu膜を除去する。この場合、エ
ッチング速度は0.05μm程度であった。ついで、フ
ェリシアン化カリウムと水酸化ナトリウムとの水溶液を
エッチング液としたウエット処理により、下層のCrを
除去するようにすればよい。以上の結果、層間絶縁膜5
03上に、高さ5μm程度に格子状に支持電極506が
形成され、また、その格子状の支持電極506の升目の
中心部に、センサ電極505が形成されることになる。
【0051】次に、図7(f)に示すように、格子状の
支持電極506のマスの中を埋め込むように、犠牲膜7
01を形成する。この犠牲膜701の形成は、次に示す
ようにすればよい。まず、センサ電極505および支持
電極506が形成された層間絶縁膜503上に、回転塗
布などによりポリイミド材料を塗布してポリイミド膜を
形成する。そのポリイミド材料としては、例えば、ポリ
ベンザオキサゾール前駆体をベースとしたポリイミド樹
脂を用いた。この塗布により、ポリイミド膜の表面は、
支持電極506やセンサ電極505による層間絶縁膜5
03上の凹凸を吸収して平坦に形成される。
【0052】それら塗布によるポリイミド膜を形成した
後、310℃程度に加熱して塗布したポリイミド膜を熱
硬化させる。そして、その硬化したポリイミド膜を、支
持電極506の表面が露出するまでエッチバックすれ
ば、支持電極506のマスの中を埋め込むように、その
表面が平坦なポリイミドからなる犠牲膜701を形成す
ることができる。このエッチバックは、例えば、酸素ガ
スのプラズマを用いたドライエッチングにより行えばよ
い。ポリイミドは有機材料であるので、酸素ガスのプラ
ズマを用いればエッチングが可能である。なお、そのエ
ッチバックは、例えば化学的機械的研磨法などを用いて
もよい。上述したように、センサ電極505や支持電極
506をAuから構成したので、ポリイミドからなる樹
脂膜との密着性がよく、化学的機械的研磨法により研磨
しても、形成した樹脂膜がはがれるようなことはない。
【0053】次に、図7(g)に示すように、犠牲膜7
01および支持電極506上に、対向電極507を形成
する。この対向電極507は、次のように形成してメッ
シュ状に加工する。まず、スパッタ法などにより全面に
Cr膜を膜厚0.2μm程度形成し、これを部分的にエ
ッチングして複数の微細な孔を形成する。次に、犠牲膜
701を、CF4 と酸素との混合ガスのプラズマにより
選択的にエッチング除去すれば、図7(h)に示すよう
に、対向電極507が、支持電極506に支持されて、
センサ電極505上に所定の間隔を有して配置された状
態で形成される。
【0054】次に、その対向電極507上に、突起50
8aを備えたフィルム508を接着固定すれば、図5に
示したこの実施の形態2の表面形状認識用センサが得ら
れる。このフィルム508は、熱可塑性を有する例えば
PTFEなどの有機材料からなるフィルムを加工するこ
とで形成できる。そして、このフィルム状のフィルム5
08の平坦な面に、やはりフィルム状とした接着剤を貼
り付け、これらを接着剤の面が向かい合うように対向電
極507上に載置し、固定して150℃で10分間加熱
することで、フィルム508が対向電極507上に接着
固定された状態が得られる。ところで、上述では、支持
電極を格子状に形成したが、これに限るものではなく、
センサ電極の上部に所定の空間を備えた状態で対向電極
を支持できる構造ならばどのような形状でもよい。
【0055】実施の形態3 次に、この発明の第3の実施の形態における表面形状認
識用センサに関して説明する。この実施の形態3では、
図8に示すように、まず、絶縁膜801上に形成された
層間絶縁膜803上に、例えば80μm角のCuからな
るセンサ電極805、および、アース電極(固定電極)
806を備えるようにした。
【0056】なお、絶縁膜801は、図示していない
が、以降に示すセンスユニットや処理手段などの集積回
路が形成された半導体基板上に形成されている。アース
電極806は、例えば、マス内の大きさがおおよび10
0μm角の正方形状とされた格子状に形成されている。
また、そのマスの中央部にセンサ電極805が配置され
ている。そして、マスの数は300×300個ほど備
え、したがって、センサ電極805はマトリクス状に3
00×300個配置されている。
【0057】その、絶縁膜801上には、TiNからな
るバリア膜804を介してセンサ電極805に接続す
る、アルミニウムからなる配線802aを備えるように
した。また、センサ電極805は、それぞれの膜厚が
0.1μm程度のCrとCuとからなる2層構造の下部
電極805aと、その上に形成された膜厚0.3μm程
度の上部電極805bとから構成した。なお、上部電極
805bはCuから構成した。
【0058】同様に、絶縁膜801上には、TiNから
なるバリア膜804を介してアース電極806に接続す
る、アルミニウムからなる配線802bを備えるように
した。また、アース電極806も、CrとCuからなる
2層構造の下部電極806aと、その上に形成されたC
uからなる膜厚5μm程度の電極柱806bとから構成
した。なお、前述した実施の形態1と同様に、下部電極
805a,806aを構成する下層の金属はCrに限る
ものではなく、例えば、TiやNiなどCuの拡散抑制
と絶縁材料に対する密着性を向上させる他の金属を用い
るようにしてもよい。
【0059】そして、センサ電極805およびアース電
極806の上面および側面を覆うようにRuからなる保
護膜805cおよび保護膜806cを備えるようにし
た。また、センサ電極805を覆うように、ポリイミド
からなるパシベーション膜807を備え、そのパシベー
ション膜807表面でアース電極806の上部を露出さ
せた。また、パシベーション膜807は、アース電極8
06の格子の間を埋め、センサ電極805上の膜厚が、
例えば、5μm程度となるように形成した。
【0060】また前述したセンスユニットが、前述した
配線802a,802bなどを介し、それぞれのセンサ
電極805およびアース電極806に接続している。そ
して、このセンスユニットは、アース電極806と各セ
ンサ電極805との間に形成される容量を検出し、それ
らに対応した信号を出力する。また、各センスユニット
の出力は、図示していない処理手段により処理され、こ
の処理手段により、各センサ電極805に形成された容
量を濃淡に変換した画像データを生成する。
【0061】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜807上に指の先端部が
接触すると、まず、アース電極806上部に指紋の突部
が接触する。人間の指紋の幅は約300μm程度なの
で、100μm間隔に格子状に形成されているアース電
極806には、指紋の突部が必ず接触することになる。
この結果、パシベーション膜807上に置いて、指紋の
突部が接触している指先端部は、アース電極806と同
電位となる。そして、その指先端部の各部分と、センサ
電極805との間には、それぞれ容量が形成され、その
容量がセンスユニットに検出される。
【0062】ここで、指の先端部が置かれたパシベーシ
ョン膜807上では、指紋突部はパシベーション膜80
7に接触し、指紋凹部はパシベーション膜807より離
れた状態となっている。したがって、指紋突部の表面と
その下のセンサ電極805の間隔d1と、指紋凹部の表
面とその下のセンサ電極805の間隔d2とは異なり、
d1<d2である。そして、指紋突部の表面とその下の
センサ電極805の間の容量C1と、指紋凹部の表面と
その下のセンサ電極805の間の容量C2とは異なる。
したがって、指紋突部下のセンサ電極805とアース電
極806との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極80
5とアース電極806との間の容量とは異なって検出さ
れることになる。
【0063】例えば、この実施の形態3の構成の場合、
C1は44fF程度になる。一方、指紋の凹凸深さは1
00μm程度なので、C2は0.5fF程度となる。そ
して、各センサ電極805はマトリクス状に複数配置さ
れていて、その配置状態に対応して指紋の凹凸による容
量が検出される。この結果、各センサ電極805の箇所
で検出されたそれぞれの容量に対応し、処理手段によっ
て濃淡データを付ければ、指紋の形状が再現できること
になる。
【0064】一方、図8には示していないが、半導体基
板上の他の領域には、照合のための指紋データが格納さ
れた記憶部や、記憶部に用意されている指紋データと読
み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部などが
集積された集積回路を備えている。なお、これらすべて
を、センサ電極805下の半導体基板上に配置するよう
にしてもよい。この構成とすることで、よりコンパクト
な状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納されて
いる指紋データとを、集積回路に構成されている認識処
理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0065】そして、この実施の形態3の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、この実施の形態3の表面形
状認識用センサでは、下部に形成されている他の集積回
路部分がその静電気で破壊されることが抑制される。
【0066】また、この実施の形態3によれば、アース
電極の露出面がRuで被覆された状態なので、アース電
極の接触面に酸化膜が形成されることが抑制されるよう
になる。また、この実施の形態3によれば、アース電極
を格子状に形成してそのマスの中央部にセンサ電極を配
置するようにしたので、アース電極と各センサ電極との
間隔が等しくなる。
【0067】次に、上述したこの実施の形態3の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図9(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜801を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線802a,802bを形成
する。この配線802a,802bは、アルミニウム膜
を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術によりパ
ターニングすることで形成すればよい。次に、配線80
2a,802bを覆うように、絶縁膜801上に層間絶
縁膜803を形成する。次に、層間絶縁膜803の配線
802a,802b上の所定箇所にスルーホール803
a,803bを形成する。
【0068】そして、少なくともスルーホール803
a,803b底部に露出した配線802a,802b表
面を覆うように、TiNからなるバリア膜804を形成
する。このバリア膜804の形成は、次のようにすれば
よい。まず、スルーホール803a,803bが形成さ
れた層間絶縁膜803上に、スパッタ法などによりTi
N膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術によ
り、スルーホール形成部を隠すようにレジストパタンを
形成する。そして、このレジストパタンをマスクとし、
RIEなどのドライエッチングでTiN膜を選択的に除
去し、レジストパタンを除去すれば、バリア膜804が
形成される。なお、バリア膜804は、TiNから構成
するものに限らない。バリア膜804に、相互拡散を抑
制できる他の導電性材料を用いるようにしてもよい。
【0069】次に、図9(b)に示すように、バリア膜
804を含む層間絶縁膜803上に、それぞれ0.1μ
m程度のCr膜とCu膜からなる2層構造の金属薄膜9
01を形成する。例えば、このCr膜は蒸着法で形成
し、Cu膜はスパッタ法により行えばよい。このよう
に、Cr膜を下に備えておくことで、Cuの拡散を抑制
でき、また、Cuの密着性を向上させることができる。
なお、やはり、このCrの代わりに、例えば、TiやN
iなど、Cuの拡散を抑制しかつ密着性を向上させるこ
とができる金属を用いるようにしてもよい。次いで、図
9(c)に示すように、この金属薄膜901上に、スル
ーホール803a上部にあたる所定の領域に開口部90
2aを有するレジストパタン902を、膜厚5μm程度
に形成する。そして、金属薄膜901を陰極とした電解
メッキ法により、その開口部902a底部に露出してい
る金属薄膜901表面に、膜厚0.3μmにCu膜を形
成することで、上部電極805bを形成する。なお、こ
の上部電極805bの形成は、電解メッキ法に限るもの
ではない。
【0070】次に、レジストパタン902を除去した
後、今度は、図10(d)に示すように、上部電極80
5bを囲う溝903aを備えたレジストパタン903
を、膜厚5μm程度に形成する。この溝903aは、図
8に示した、アース電極806を配置する領域である。
そして、金属薄膜901を陰極とした電解メッキ法によ
り、その溝903a底部に露出している金属薄膜901
表面に、膜厚5μm程度にCuを成長させ、電極柱80
6bを形成する。
【0071】次に、レジストパタン903を除去した
後、図10(e)に示すように、表面が露出している部
分の金属薄膜901をエッチング除去する。このエッチ
ングは、まず、燐酸,硝酸,および,酢酸からなる混酸
の水溶液をエッチング液としたウエット処理により、上
層のCu膜を除去する。ついで、フェリシアン化カリウ
ムと水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチング液とした
ウエット処理により、下層のCrを除去するようにすれ
ばよい。以上の結果、層間絶縁膜803上に、高さ5μ
m程度に格子状にアース電極806が形成される。そし
て、その格子状のアース電極806の升目の中心部に、
センサ電極805が形成されることになる。
【0072】次に、図10(f)に示すように、センサ
電極805およびアース電極806の露出している表面
に、Ruからなる保護膜805cおよび保護膜806c
を形成する。この形成は、無電界メッキ法により、Cu
からなる各電極表面にだけRuを0.1μm程度成長さ
せることで行える。次に、図3(g)に示すように、格
子状のアース電極806のマスの中を埋め込むように、
パシベーション膜807を形成する。このパシベーショ
ン膜807の形成は、次に示すようにすればよい。
【0073】まず、センサ電極805およびアース電極
806が形成された層間絶縁膜803上に、回転塗布な
どによりポリイミド材料を塗布してポリイミド膜を形成
する。そのポリイミド材料としては、例えば、ポリベン
ザオキサゾール前駆体をベースとしたポリイミド樹脂を
用いた。この塗布により、ポリイミド膜の表面は、アー
ス電極806やセンサ電極805による層間絶縁膜80
3上の凹凸を吸収して平坦に形成される。これら塗布に
よるポリイミド膜を形成した後、310℃程度に加熱し
て塗布したポリイミド膜を熱硬化させる。
【0074】そして、その硬化したポリイミド膜を、ア
ース電極806の表面が露出するまでエッチバックすれ
ば、アース電極806のマスの中を埋め込むように、そ
の表面が平坦なポリイミドからなるパシベーション膜8
07を形成することができる。このエッチバックは、例
えば、酸素ガスのプラズマを用いたドライエッチングに
より行えばよい。ポリイミドは有機材料であるので、酸
素ガスのプラズマを用いればエッチングが可能である。
なお、そのエッチバックは、例えば化学的機械的研磨法
などを用いてもよい。以上のことにより、図8に示し
た、この実施の形態3の表面形状認識用センサの電極部
が形成できる。
【0075】ところで、上述では、アース電極806を
格子状に形成したが、これに限るものではなく、例え
ば、パシベーション膜807に埋め込まれているセンサ
電極805周囲の片側に、パシベーション膜807表面
では分離した状態で、複数のアース電極803を形成す
るようにしてもよい。ただし、アース電極803は、下
層の配線層でそれぞれが接続されてすべてが同電位とさ
れているものとする。
【0076】また、表面が露出した状態のアース電極
は、各センサ電極のそばに必ず一対設ける必要はなく、
センサ電極複数個に1つのアース電極が設けられている
状態でもよい。ただし、この実施の形態3のように、格
子状にアース電極を形成し、そのマスの中央部にセンサ
電極を備えるようにすることで、マトリクス状に配置さ
れた各センサ電極とアース電極との間隔をそれぞれ等し
くすることができる。
【0077】実施の形態4 次に、この発明の第4の実施の形態における表面形状認
識用センサに関して説明する。この実施の形態4では、
図11に示すように、まず、絶縁膜1101上に形成さ
れた層間絶縁膜1103上に、例えば80μm角のAu
からなるセンサ電極1105、および、アース電極11
06を備えるようにした。なお、絶縁膜1101は、図
示していないが、以降に示すセンスユニットや処理手段
などの集積回路が形成された半導体基板上に形成されて
いる。
【0078】そのアース電極1106は、前述の実施の
形態3と同様であり、マス内の大きさがおおよび100
μm角の正方形状とされた格子状に形成されている。ま
た、そのマスの中央部にセンサ電極1105が配置され
ている。そして、マスの数は300×300個ほど備
え、したがって、センサ電極1105はマトリクス状に
300×300個配置されている。
【0079】その、絶縁膜1101上には、TiNから
なるバリア膜1104を介してセンサ電極1105に接
続する、アルミニウムからなる配線1102aを備える
ようにした。また、センサ電極1105は、それぞれ膜
厚0.1μm程度のCrとAuの2層構造の下部電極1
105aと、その上に形成された膜厚0.3μm程度の
Auからなる上部電極1105bとから構成した。
【0080】同様に、絶縁膜1101上には、TiNか
らなるバリア膜1104を介してアース電極1106に
接続する、アルミニウムからなる配線1102bを備え
るようにした。また、アース電極1106も、CrとA
uからなる2層構造の下部電極1106aと、その上に
形成されたAuからなる膜厚5μm程度の電極柱110
6bとから構成した。このように、下層にCr膜を配置
することで、Au膜と下の層間絶縁膜1103との密着
性を向上させることができる。なお、前述したように、
Crの代わりに例えば、TiやNiなど、Auの拡散を
抑制しかつ絶縁材料との密着性を向上させることができ
る金属を用いるようにしてもよい。
【0081】また、センサ電極1105を覆うように、
ポリイミドからなるパシベーション膜1107を備え、
そのパシベーション膜1107表面でアース電極110
6の上部を露出させた。また、パシベーション膜110
7は、アース電極1106の格子の間を埋め、センサ電
極1105上の膜厚が、例えば、5μm程度となるよう
に形成した。
【0082】以上のように、この実施の形態4では、セ
ンサ電極1105およびアース電極1106をAuから
構成するようにしたので、腐食することがなく、保護膜
などを備える必要がない。また、ポリベンザオキサゾー
ルによるポリイミドをパシベーション膜1107に用い
るようにしたので、これがAuとの密着性がよいため、
センサ電極1105やアース電極1106にAuを用い
るようにしてもパシベーション膜1107の剥がれなど
をほぼ抑制できる。
【0083】また前述したセンスユニットが、前述した
配線1102a,1102bなどを介し、それぞれのセ
ンサ電極1105およびアース電極1106に接続して
いる。そして、このセンスユニットは、アース電極11
06と各センサ電極1105との間に形成される容量を
検出し、それらに対応した信号を出力する。また、各セ
ンスユニットの出力は、図示していない処理手段により
処理され、この処理手段により、各センサ電極1105
に形成された容量を濃淡に変換した画像データを生成す
る。
【0084】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜1107上に指の先端部
が接触すると、まず、アース電極1106上部に指紋の
突部が接触する。人間の指紋の幅は約300μm程度な
ので、100μm間隔に格子状に形成されているアース
電極1106には、指紋の突部が必ず接触することにな
る。この結果、パシベーション膜1107上に置いて、
指紋の突部が接触している指先端部は、アース電極11
06と同電位となる。そして、その指先端部の各部分
と、センサ電極1105との間には、それぞれ容量が形
成され、その容量がセンスユニットに検出される。
【0085】そして、前述の実施の形態3にも説明した
ように、指紋突部下のセンサ電極1105とアース電極
1106との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極11
05とアース電極1106との間の容量とは異なって検
出されることになる。この結果、各センサ電極1105
の箇所で検出されたそれぞれの容量に対応し、処理手段
によって濃淡データを付ければ、指紋の形状が再現でき
ることになる。
【0086】一方、図11には示していないが、前述し
た実施の形態3と同様であり、半導体基板上の他の領域
には、照合のための指紋データが格納された記憶部や、
記憶部に用意されている指紋データと読み取られた指紋
画像とを比較照合する認識処理部などが集積された集積
回路を備えている。なお、これらすべてを、センサ電極
1105下の半導体基板上に配置するようにしてもよ
い。この構成とすることで、よりコンパクトな状態で、
検出された指紋の形状と記憶部に格納されている指紋デ
ータとを、集積回路に構成されている認識処理部で比較
する指紋の照合が可能となる。
【0087】そして、この実施の形態4の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、この実施の形態4の表面形
状認識用センサでは、下部に形成されている他の集積回
路部分がその静電気で破壊されることが抑制される。
【0088】また、この実施の形態4によれば、アース
電極がAuで構成されているので、アース電極の接触面
に酸化膜が形成されることがない。また、この実施の形
態4によれば、アース電極を格子状に形成してそのマス
の中央部にセンサ電極を配置するようにしたので、アー
ス電極と各センサ電極との間隔が等しくなる。なお、こ
の実施の形態4においても、センサ電極の側面や上面そ
してアース電極の側面や上面を、例えばRuからなる保
護膜で覆うようにしてもよい。このように保護膜で覆う
ことにより、パシベーション膜との密着性を向上させる
ことができる場合がある。
【0089】次に、上述したこの実施の形態4の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図12(a)に示す
ように、それら集積回路を覆うように、半導体基板上
に、シリコン酸化物からなる絶縁膜1101を形成し、
その上にアルミニウムからなる配線1102a,110
2bを形成する。この配線1102a,1102bは、
アルミニウム膜を形成した後、公知のフォトリソグラフ
ィ技術によりパターニングすることで形成すればよい。
【0090】次に、配線1102a,1102bを覆う
ように、絶縁膜1101上に層間絶縁膜1103を形成
する。次に、層間絶縁膜1103の配線1102a,1
102b上の所定箇所にスルーホール1103a,11
03bを形成する。そして、前述した実施の形態1〜3
と同様に、少なくともスルーホール1103a,110
3b底部に露出した配線1102a,1102b表面を
覆うように、TiNからなるバリア膜1104を形成す
る。
【0091】次に、図12(b)に示すように、バリア
膜1104を含む層間絶縁膜1103上に、CrとAu
からなる金属薄膜1201を膜厚0.2μm程度に形成
する。これは、例えば蒸着法により行えばよい。このよ
うに、Cr膜を下に備えておくことで、Auの拡散を抑
制でき、また、Auの層間絶縁膜1103に対する密着
性を向上させることができる。なお、前述したように、
このCrの代わりに、例えば、TiやNiなど、Auの
拡散を抑制しかつ密着性を向上させることができる金属
を用いるようにしてもよい。
【0092】次いで、図12(c)に示すように、この
金属薄膜1201上に、スルーホール1103a上部に
あたる所定の領域に開口部1202aを有するレジスト
パタン1202を、膜厚5μm程度に形成する。そし
て、金属薄膜1201を陰極とした電解メッキ法によ
り、その開口部1202a底部に露出している金属薄膜
1201表面に、膜厚0.3μmにAu膜を形成するこ
とで、上部電極1105bを形成する。
【0093】次に、レジストパタン1202を除去した
後、今度は、図13(d)に示すように、上部電極11
05bを囲う溝1301aを備えたレジストパタン13
01を、膜厚5μm程度に形成する。この溝1301a
は、図11に示した、アース電極1106を配置する領
域である。そして、金属薄膜1201を陰極とした電解
メッキ法により、その溝1301a底部に露出している
金属薄膜1201表面に、膜厚5μm程度にAuを成長
させ、電極柱1106bを形成する。
【0094】次に、レジストパタン1301を除去した
後、表面が露出している部分の金属薄膜1201をエッ
チング除去する。このエッチングは、まず、ヨウ素,ヨ
ウ化アンモニウム,および,エタノールからなる混合液
の水溶液をエッチング液としたウエット処理により、上
層のAu膜を除去する。この場合、エッチング速度は
0.05μm程度であった。ついで、ついで、フェリシ
アン化カリウムと水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチ
ング液としたウエット処理により、下層のCrを除去す
るようにすればよい。
【0095】以上の結果、層間絶縁膜1103上に、高
さ5μm程度に格子状にアース電極1106が形成され
る。そして、その格子状のアース電極1106の升目の
中心部に、センサ電極1105が形成されることにな
る。そして、前述した実施の形態3と同様に、格子状の
アース電極1106のマスの中を埋め込むように、パシ
ベーション膜1107を形成すれば、図11に示したこ
の実施の形態4の表面形状認識用センサが形成される。
なお、この実施の形態4においても、アース電極110
6を格子状に形成する必要はなく、例えば、パシベーシ
ョン膜1107に埋め込まれているセンサ電極1105
周囲の片側に、パシベーション膜1107表面では分離
した状態で、複数のアース電極1103を形成するよう
にしてもよい。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、半
導体基板上に形成された層間絶縁膜の同一平面にそれぞ
れが絶縁分離され、かつそれぞれ固定配置されたセンサ
電極を有する複数の容量検出素子と、その容量検出素子
それぞれの容量を検出する容量検出手段と、層間絶縁膜
上でセンサ電極と絶縁分離されて配置された固定電極と
を備えるようにした。加えて、固定電極に支持されてセ
ンサ電極上に空間を介して所定の距離離間して対向配置
され、センサ電極上部に位置する部分がこのセンサ電
極方向に変形可能に構成された対向電極を備え、容量検
出手段はセンサ電極と対向電極との間の容量を検出する
ようにした。この構成では、認識対象が触れることでそ
の表面の凹凸に対応して対向電極が変形し、認識対象の
表面の凹凸に対応してセンサ電極と対向電極との間の容
量が変化する。したがって、認識対象を一方の電極とし
ていないので、センシングの際に発生する静電気によっ
て、同時に搭載されている素子などが静電破壊されるこ
とが抑制される。この結果、この発明によれば、安定し
て高感度の表面形状検出が信頼性の高い状態で表面形状
の認識ができるようになる。
【0097】一方、他の構成として、層間絶縁膜上にセ
ンサ電極を覆うように形成されかつ絶縁性の部材から構
成されたパシベーション膜を備え、固定電極は、パシベ
ーション膜表面に一部が接触した対向電極となる表面形
状の認識対象物の表面と接触するように、その一部がパ
シベーション膜表面で露出して層間絶縁膜上に形成さ
れ、容量検出手段は、センサ電極と認識対象物の表面と
の間の容量を検出するようにした。この構成では、認識
対象が触れるとこれが対向電極となり、固定電極に接触
した状態で認識対象の表面とセンサ電極との間に容量が
形成され、この容量が容量検出手段に検出される。した
がって、認識対象が触れることで静電気が発生しても、
これが固定電極に流れていくので、同時に搭載されてい
る素子などが静電破壊されることが抑制される。この結
果、この発明によれば、安定して高感度の表面形状検出
が信頼性の高い状態で表面形状の認識ができるようにな
る。
【0098】また、この発明では、半導体基板上に第1
および第2の配線を形成する工程と、半導体基板上に第
1および第2の配線を覆うように層間絶縁膜を形成する
工程と、その層間絶縁膜に形成された第1および第2の
スルーホールを介して第1および第2の配線に電気的に
接続する第1の金属膜を形成する工程と、その第1の金
属膜上に第1のスルーホール上部の領域に開口部を備え
た第1のマスクパタンを形成する工程と、その第1のマ
スクパタンの開口部底部に露出した第1の金属膜表面に
選択的に第2の金属膜を形成する工程と、第2のスルー
ホール上を跨りかつ第2の金属膜の周囲に配置された溝
を備えた第2のマスクパタンを第1の金属膜および第2
の金属膜上に形成する工程と、その第2のマスクパタン
の溝底部に露出した第1の金属膜表面に選択的に第3の
金属膜を第2の金属膜より厚く形成する工程と、第2の
金属膜下および第3の金属膜下以外の第1の金属膜を除
去することで、第1の金属膜および第2の金属膜からな
り第1のスルーホールを介して第1の配線に接続するセ
ンサ電極と第1の金属膜および第3の金属膜からなり第
2のスルーホールを介して第2の配線に接続する固定電
極とを形成する工程と、センサ電極を覆いかつ固定電極
上部が露出するように層間絶縁膜上に犠牲膜を形成する
工程と、犠牲膜および固定電極上に対向電極を形成する
工程と、対向電極を形成した後で犠牲膜のみを選択的に
除去する工程とを備え、第1および第2の配線はセンサ
電極と対向電極との間に形成された容量を検出する容量
検出手段に接続して形成するようにした。
【0099】この結果、形成された表面形状認識用セン
サでは、認識対象が触れることでその表面の凹凸に対応
して対向電極が変形し、認識対象の表面の凹凸に対応し
てセンサ電極と対向電極との間の容量が変化する。した
がって、認識対象を一方の電極としていないので、セン
シングの際に発生する静電気によって、同時に搭載され
ている素子などが静電破壊されることが抑制される。こ
の結果、この発明によれば、安定して高感度の表面形状
検出が信頼性の高い状態で表面形状の認識ができるよう
になる。また、それらが容易に製造できる。
【0100】また、半導体基板上に第1および第2の配
線を形成する工程と、半導体基板上に第1および第2の
配線を覆うように層間絶縁膜を形成する工程と、その層
間絶縁膜に形成された第1および第2のスルーホールを
介して第1および第2の配線に電気的に接続する第1の
金属膜を形成する工程と、その第1の金属膜上に第1の
スルーホール上部の領域に開口部を備えた第1のマスク
パタンを形成する工程と、その第1のマスクパタンの開
口部底部に露出した第1の金属膜表面に選択的に第2の
金属膜を形成する工程と、第2のスルーホールを跨りか
つ第2の金属膜の周囲に配置された溝を備えた第2のマ
スクパタンを第1の金属膜および第2の金属膜上に形成
する工程と、第2のマスクパタンの溝底部に露出した第
1の金属膜表面に選択的に第3の金属膜を第2の金属膜
より厚く形成する工程と、第2の金属膜下および第3の
金属膜下以外の第1の金属膜を除去することで、第1の
金属膜および第2の金属膜からなり第1のスルーホール
を介して第1の配線に接続するセンサ電極と、第1の金
属膜および第3の金属膜からなり第2のスルーホールを
介して第2の配線に接続する固定電極とを形成する工程
と、センサ電極を覆いかつ固定電極上部が露出するよう
に層間絶縁膜上にパシベーション膜を形成する工程とを
備え、第1および第2の配線はセンサ電極と固定電極と
の間に形成された容量を検出する容量検出手段に接続し
て形成するようにした。
【0101】この結果、形成された表面形状認識用セン
サでは、認識対象が触れるとこれが固定電極に接触し、
認識対象の表面とセンサ電極との間に容量が形成され、
これが容量検出手段に検出される。したがって、認識対
象が触れることで静電気が発生しても、これが固定電極
に流れていくので、同時に搭載されている素子などが静
電破壊されることが抑制される。この結果、この発明に
よれば、安定して高感度の表面形状検出が信頼性の高い
状態で表面形状の認識ができるようになる。また、それ
らが容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図2】 この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図3】 図2に続く、実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図4】 図3に続く、実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図5】 この発明の第2の実施の形態における表面形
状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図6】 この発明の第2の実施の形態における表面形
状認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図7】 図6に続く、実施の形態2における表面形状
認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図8】 この発明の第3の実施の形態における表面形
状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図9】 この発明の第3の実施の形態における表面形
状認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図10】 図9に続く、実施の形態3における表面形
状認識用センサの製造方法を説明するための説明図であ
る。
【図11】 この発明の第4の実施の形態における表面
形状認識用センサの構成を示す構成図である。
【図12】 この発明の第4の実施の形態における表面
形状認識用センサの製造方法を説明するための説明図で
ある。
【図13】 図12に続く、実施の形態4における表面
形状認識用センサの製造方法を説明するための説明図で
ある。
【図14】 従来の表面形状認識用センサの構成を示す
構成図である。
【図15】 従来の表面形状認識用センサの一部構成を
示す平面図である。
【符号の説明】
101,801…絶縁膜、102a,102b,802
a,802b…配線、103,803…層間絶縁膜、1
04,804…バリア膜、105,805…センサ電
極、106…支持電極(固定電極)、107…対向電
極、108…フィルム、108a…突起、110…セン
スユニット、806…アース電極(固定電極)、807
…パシベーション膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−155837(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/34 102 G06T 1/00

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された層間絶縁膜の
    同一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定
    配置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、 前記容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手
    段と、 前記層間絶縁膜上で前記センサ電極と絶縁分離されて配
    置された固定電極と 前記固定電極に支持されて前記センサ電極上に空間を介
    し所定の距離離間して対向配置され、前記センサ電極の
    上部に位置する部分がこのセンサ電極方向に変形可能に
    構成された対向電極と を備え 前記容量検出手段は前記センサ電極と前記対向電極との
    間の容量を検出する ことを特徴とする表面形状認識用セ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記対向電極上に配置されかつ絶縁性を有するフィルム
    を備え、 このフィルムは前記センサ電極上部の位置にそれぞれ突
    起を備えた ことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記センサ電極および固定電極はCuから構成された
    とを特徴とする表面形状認識用センサ。
  4. 【請求項4】 請求項または記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記センサ電極および固定電極はAuから構成されたこ
    とを特徴とする表面形状認識用センサ。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に形成された層間絶縁膜の
    同一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定
    配置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、 前記容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手
    段と、 前記層間絶縁膜上で前記センサ電極と絶縁分離されて配
    置された固定電極と、 前記層間絶縁膜上に前記センサ電極を覆うように形成さ
    れかつ絶縁性の部材から構成されたパシベーション膜と
    を備え、 前記固定電極は、前記パシベーション膜表面に一部が接
    触した対向電極となる表面形状の認識対象物の表面と接
    触するように、その一部が前記パシベーション膜表面で
    露出して前記層間絶縁膜上に形成され、 前記容量検出手段は、前記センサ電極と前記認識対象物
    の表面との間の容量を検出する ことを特徴とする表面形
    状認識用センサ。
  6. 【請求項6】 請求項記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記センサ電極および前記固定電極はCuから構成され
    ことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  7. 【請求項7】 請求項記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記センサ電極および前記固定電極はAuから構成され
    たことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記パシベーション膜はポリイミドから構成されたこと
    を特徴とする表面形状認識用センサ。
  9. 【請求項9】 請求項記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記ポリイミドはポリベンザオキサゾールからなること
    を特徴とした表面形状認識用センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜4いずれか1項記載の表面
    形状認識用センサにおいて、 前記センサ電極の側面および上面と前記固定電極側面お
    よび上面とを覆うように形成された導電性を有する保護
    膜を備えたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  11. 【請求項11】 請求項いずれか1項記載の表面
    形状認識用センサにおいて、 前記センサ電極の側面および上面と前記固定電極の側面
    および上面を覆うように形成された導電性を有する保護
    膜を備えたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の表面形状
    認識用センサにおいて、 前記保護膜はRuから構成されたことを特徴とする表面
    形状認識用センサ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12いずれか1項記載の表
    面形状認識用センサにおいて、 前記半導体基板上の前記層間絶縁膜下に配置されて前記
    センサ電極および前記固定電極に接続する第1および第
    2の配線を備え、 前記センサ電極および前記固定電極は、前記第1および
    第2の配線を介して前記容量検出手段に接続された こと
    を特徴とする表面形状認識用センサ。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13いずれか1項記載の表
    面形状認識用センサにおいて、 前記容量検出手段は、前記半導体基板上に同時に搭載さ
    れたことを特徴する表面形状認識用センサ。
  15. 【請求項15】 半導体基板上に第1および第2の配線
    を形成する工程と、 前記半導体基板上に前記第1および第2の配線を覆うよ
    うに層間絶縁膜を形成する工程と、 前記層間絶縁膜に形成された第1および第2のスルーホ
    ールを介して前記第1および第2の配線に電気的に接続
    する第1の金属膜を形成する工程と、 前記第1の金属膜上に前記第1のスルーホール上部の領
    域に開口部を備えた第1のマスクパタンを形成する工程
    と、 前記第1のマスクパタンの開口部底部に露出した第1の
    金属膜表面に選択的に第2の金属膜を形成する工程と、 前記第2のスルーホール上を跨りかつ前記第2の金属膜
    の周囲に配置された溝を備えた第2のマスクパタンを前
    記第1の金属膜および前記第2の金属膜上に形成する工
    程と、 前記第2のマスクパタンの溝底部に露出した前記第1の
    金属膜表面に選択的に第3の金属膜を前記第2の金属膜
    より厚く形成する工程と、 前記第2の金属膜下および前記第3の金属膜下以外の前
    記第1の金属膜を除去 することで、前記第1の金属膜お
    よび前記第2の金属膜からなり前記第1のスルーホール
    を介して前記第1の配線に接続するセンサ電極と前記第
    1の金属膜および前記第3の金属膜からなり前記第2の
    スルーホールを介して前記第2の配線に接続する固定電
    極とを形成する工程と、 前記センサ電極を覆いかつ前記固定電極上部が露出する
    ように前記層間絶縁膜上に犠牲膜を形成する工程と、 前記犠牲膜および前記固定電極上に対向電極を形成する
    工程と、 前記対向電極を形成した後で前記犠牲膜のみを選択的に
    除去する工程と を備え、 前記第1および第2の配線はセンサ電極と前記対向電極
    との間に形成された容量を検出する容量検出手段に接続
    して形成する ことを特徴とする表面形状認識用センサ
    製造方法
  16. 【請求項16】 請求項15記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記第1,第2,および,第3の金属膜はCuから構成
    する ことを特徴とする表面形状認識用センサの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記第1,第2,および,第3の金属膜はAuから構成
    することを特徴とする表面形状認識用センサの製造方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項15〜17いずれか1項記載の
    表面形状認識用センサの製造方法において、 前記センサ電極と前記固定電極を形成した後、前記セン
    サ電極および前記固定電極の側面および上面を覆うよう
    に導電性を有する保護膜を形成することを特徴とする表
    面形状認識用センサの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記保護膜はRuから構成することを特徴とする表面形
    状認識用センサの製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項15〜19いずれか1項記載の
    表面形状認識用センサの製造方法において、前記対向電極上に、前記センサ電極上部の位置にそれぞ
    れ突起を備えてかつ絶縁性を有するフィルムを形成する
    工程を 備えた ことを特徴とする表面形状認識用センサの
    製造方法。
  21. 【請求項21】 半導体基板上に第1および第2の配線
    を形成する工程と、 前記半導体基板上に前記第1および第2の配線を覆うよ
    うに層間絶縁膜を形成する工程と、 前記層間絶縁膜に形成された第1および第2のスルーホ
    ールを介して前記第1および第2の配線に電気的に接続
    する第1の金属膜を形成する工程と、 前記第1の金属膜上に前記第1のスルーホール上部の領
    域に開口部を備えた第1のマスクパタンを形成する工程
    と、 前記第1のマスクパタンの開口部底部に露出した第1の
    金属膜表面に選択的に第2の金属膜を形成する工程と、 前記第2のスルーホールを跨りかつ前記第2の金属膜の
    周囲に配置された溝を備えた第2のマスクパタンを前記
    第1の金属膜および前記第2の金属膜上に形成する工程
    と、 前記第2のマスクパタンの溝底部に露出した前記第1の
    金属膜表面に選択的に第3の金属膜を前記第2の金属膜
    より厚く形成する工程と、 前記第2の金属膜下および前記第3の金属膜下以外の前
    記第1の金属膜を除去することで、前記第1の金属膜お
    よび前記第2の金属膜からなり前記第1のスルーホール
    を介して前記第1の配線に接続するセンサ電極と、前記
    第1の金属膜および前記第3の金属膜からなり前記第2
    のスルーホールを介して前記第2の配線に接続する固定
    電極とを形成する工程と、 前記センサ電極を覆いかつ前記固定電極上部が露出する
    ように前記層間絶縁膜上にパシベーション膜を形成する
    工程と を備え、 前記第1および第2の配線はセンサ電極と前記固定電極
    との間に形成された容量を検出する容量検出手段に接続
    して形成する ことを特徴とする表面形状認識用センサの
    製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記第1,第2,および,第3の金属膜はCuから構成
    することを特徴とする表面形状認識用センサの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 請求項2記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記第1,第2,および,第3の金属膜はAuから構成
    することを特徴とする表面形状認識用センサの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項21〜23いずれか1項記載の
    表面形状認識用センサの製造方法において、 前記センサ電極と前記固定電極を形成した後、前記セン
    サ電極および前記固定電極の側面および上面を覆うよう
    に導電性を有する保護膜を形成することを特徴とする表
    面形状認識用センサの製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記保護膜はRuから構成することを特徴とする表面形
    状認識用センサの製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項21〜25いずれか1項記載の
    表面形状認識用センサの製造方法において、 前記パシベーション膜はポリイミドから構成することを
    特徴とする表面形状認識用センサの製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の表面形状認識用セン
    サの製造方法において、 前記ポリイミドはポリベンザオキサゾールより構成する
    ことを特徴とした表面形状認識用センサの製造方法。
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