JP3399598B2 - N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 - Google Patents
N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬Info
- Publication number
- JP3399598B2 JP3399598B2 JP25480993A JP25480993A JP3399598B2 JP 3399598 B2 JP3399598 B2 JP 3399598B2 JP 25480993 A JP25480993 A JP 25480993A JP 25480993 A JP25480993 A JP 25480993A JP 3399598 B2 JP3399598 B2 JP 3399598B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aminoglycan
- chitosan
- substance
- substitution
- immunoassay
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Description
N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試
薬、特に高感度測定を可能とした免疫測定用標識試薬に
関する。
らは、免疫測定法の高感度化の手段として、1分子当た
り多数の反応活性基を有する化合物として、例えばキト
サン、ポリガラクトサミン、ポリノイラミン酸等のアミ
ノグリカンを用いて、これらに存在する反応活性基の大
部分を多数の標識物質で標識した化合物と免疫物質を結
合させ、免疫物質1分子当たりの標識物質量を増加させ
る方法を先に開発した(WO90/13029号公
報)。特に、反応活性基としてアミノ基を有するキトサ
ンは入手の容易な物質であることから、好適に用いられ
ている。しかし、この方法では例えば、キトサンを用い
た場合、その測定感度は1ng/ml程度であり、極め
て微量に存在する生理活性物質等の免疫測定には、必ず
しも充分とはいえないのが実情である。従って、さらな
る高感度化を図ることが要請されている。この方法とし
て、例えばさらに高分子量のキトサンを用いて反応活性
基の数を増加させる方法や免疫測定用標識試薬中でのキ
トサンの導入数を増加させて反応活性基を増加させる方
法等が考えられる。
ンは容易に分子間水素結合を形成してアグリゲートとな
るため、水に対する溶解度が低く、特に高分子量化によ
り溶解度が低下すること、またアミノグリカンの導入数
を増加させると最終的な標識試薬が水に対して高い溶解
度を有するとはいい難いことなどの問題点を有してい
る。そのため、キトサン等のアミノグリカンの高分子量
化アミノグリカンの導入数の増加により高感度化を図る
としても、適用できるアミノグリカンの分子量、アミノ
グリカンの導入数に制限がある。従って、アミノグリカ
ンを用いた免疫測定の感度の向上にも限界があるのが実
情である。
分子量アミノグリカンを用いたり、またアミノグリカン
の導入数を増加させて反応活性基の数を増加させた場合
でも、水に対して高い溶解度を保持させるために、アミ
ノ基の置換の程度が最終的に20〜80%になるように
調製したアミノグリカンを用いる、高感度測定の可能な
免疫測定用標識試薬を提供することにある。
解決するために鋭意検討した。その結果、キトサン等の
アミノグリカンの置換度が20〜80%の場合に、特に
好ましくは40〜60%の場合に水溶性が高くなること
を利用し、置換度が20〜80%、好ましくは40〜6
0%のN−部分置換アミノグリカンを免疫測定用標識試
薬として使用することにより前記の課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
換度が20〜80%になるように結合せしめた複合体で
あり、ここで、該標識物質が、ビオチンとアビジンとを
介して該アミノグリカンに結合され、該ビオチンが、ア
ミノグリカン中のアミノ基に結合し、かつ標識物質で標
識されたアビジンが、該ビオチンに結合したものである
N−部分置換アミノグリカンからなる複合体よりなる免
疫測定用標識試薬、 (2)(a)アミノグリカンに、免疫物質とビオチンと
を、置換度が20〜80%になるように結合せしめた複
合体と、 (b)アビジンが標識物質で標識されたものである複合
体と よりなる免疫測定用標識試薬、並びに、 (3)N−部分置換アミノグリカンにおけるN−アセチ
ル基含有量が置換部分中の0〜50%である前記(1)
又は(2)記載の免疫測定用標識試薬に関する。
は、アミノグリカンのアミノ基に免疫物質、標識物質ま
たはアセチル基等が結合していること、もしくはそれら
を結合させることをいう。置換度とはアミノグリカンの
全アミノ基のうち、免疫物質、標識物質あるいはアセチ
ル基等が結合しているアミノ基の割合をいう。N−部分
置換アミノグリカンとはN置換が部分的(20〜80
%、好ましくは40〜60%)であるアミノグリカンを
いう。また、置換アミノ基とは、例えばビオチン等が結
合した部位のアミノ基をいう。本発明に用いられる置換
度20〜80%のN−部分置換アミノグリカンは、アミ
ノグリカンとしてキトサン、ポリガラクトサミンおよび
ポリノイラミン酸よりなる群から選ばれる一種が用いら
れ、それらが有するアミノ基を置換もしくは脱アセチル
化して誘導したものである。本発明のN−部分置換アミ
ノグリカンは、N置換の程度を20〜80%、特に好ま
しくは40〜60%とすることにより、水に対する溶解
性が高まり、高分子量化したアミノグリカンであっても
充分な溶解性を示す。置換度が20%未満では測定感度
が十分でなく、80%を越えると溶解性に劣るため好ま
しくない。このようなN置換部分は、免疫物質と標識物
質で置換されていることが望ましいが、一部のアミノ基
は0〜10%アセチル基で置換されていてもよい。この
ときアセチル基で置換されている割合は、置換部分中の
0〜50%である。本発明においてアミノグリカンは、
特に限定されるものではないが、なかでもキトサンが好
適に使用される。
リカンを調製するには、置換度10%以下のアミノグリ
カンを原料とするのが好ましく、かかるものとしては、
例えば市販のキトサン(置換度は通常、5〜25%)等
を用いることができる。また、置換度100%のアミノ
グリカンを種々の公知の方法により調製して置換度10
%以下にしたものを用いることもできる。例えば、ほぼ
100%アセチル化されているキチンを原料として用い
るときは、これを40〜45%の飽和水酸化ナトリウム
水溶液中に浸漬し、ある程度膨潤したのち100〜12
0℃において3〜4時間加熱処理する。80%以上脱ア
セチル化されると、キトサンの白色沈澱が生ずるので、
これを遠心分離により回収し、水に懸濁・遠心分離し水
により洗浄したのち、さらに一晩流水に対し透析して、
原料キトサンを得る。また、置換度が10%を越えるキ
トサンを用いる場合も、同様に処理することにより10
%以下の置換度のものを調製することができる。ポリ−
N−アセチルガラクトサミンやシアル酸から置換度10
%以下の原料アミノグリカンを得る場合にも同様の方法
で行うことができる。
の結合したN−部分置換アミノグリカンに直接または間
接的に標識物質が結合された複合体よりなるものであ
る。即ち、免疫物質の結合したN−部分置換アミノグリ
カンの大部分(20〜80%、好ましくは40〜60
%)の反応活性基(アミノ基)に、直接的に標識物質が
結合しているもの、あるいは標識物質で修飾された化合
物が結合して間接的に標識物質が結合しているものであ
る。
に結合させてN−部分置換アミノグリカン−標識物質の
結合体を調製するには、例えば縮合剤として1−エチル
−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド、ジ−p−トレオイルカルボジイミド、1−シクロヘ
キシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミ
ド(CHMC)のような水溶性カルボジイミド、または
ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミ
ド類や、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ブロモス
クシンイミド等の存在下でアミノグリカンと標識物質を
反応させることによって、アミノグリカンと標識物質の
結合したN−部分置換アミノグリカン−標識物質が調製
される。ここで標識物質としては、フルオレセイン、ロ
ーダミン類、クマリン系色素、シアニン系色素等の蛍光
色素類、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、エステラ
ーゼ等の酵素類等、免疫測定において標識物質として通
常使用されるものが例示され、いずれでもよい。
物質のN−部分置換アミノグリカン部分と免疫物質を結
合させるには、縮合剤として前記と同様のカルボジイミ
ド類、N−ブロモスクシンイミド類の存在下でN−部分
置換アミノグリカン−標識物質と免疫物質を反応させる
ことによって、免疫物質がN−部分置換アミノグリカン
−標識物質のN−部分置換アミノグリカン部分に結合し
た複合体(免疫物質−N−部分置換アミノグリカン−標
識物質)を調製することができる。この縮合反応は免疫
物質分子中のカルボキシル基とN−部分置換アミノグリ
カン分子中のアミノ基が縮合するものと考えられる。
反応特異性を有する複数の化合物を介して標識物質が結
合したN−部分置換アミノグリカンの複合体よりなる免
疫測定用標識試薬を調製するには、アミノグリカンと標
識物質の間に特異的に結合する通常2種類の化合物(化
合物Aおよび化合物B)を介在させる。即ち、アミノグ
リカンの反応活性基(アミノ基)には化合物Bが結合
し、該化合物Bには標識物質で修飾された化合物Aが結
合した複合体となる(免疫物質−N−部分置換アミノグ
リカン−化合物B−化合物A−標識物質)。このような
化合物Aと化合物Bの組み合わせは、蛋白質と該蛋白質
と特異的に結合する化合物であることが望ましく、具体
的には、アビジンとビオチン、プロテインAと抗体など
が好ましく、特にアビジンとビオチンの組み合わせが最
適である。即ち、例えば免疫物質の結合したN−部分置
換アミノグリカンのアミノ基にビオチンが結合してお
り、該ビオチンには標識物質で標識されたアビジンが結
合した複合体が好適な例として挙げられる。
ミノグリカンに置換度が20〜80%になるように免疫
物質と反応特異性を有する一方の化合物とを結合せしめ
たN−部分置換アミノグリカンの複合体と、該化合物と
の反応特異性を有する他方の化合物が標識物質で標識さ
れた複合体よりなるものであってもよく、例えばアミノ
グリカンのアミノ基に免疫物質とビオチンが結合した複
合体と、標識物質で標識されたアビジンを組み合わせた
ものが好適な例として挙げられる。
よび化合物Bを介在させた複合体を用いて免疫測定用標
識試薬を調製するには、まず、化合物Bをアミノグリカ
ンの大部分の反応活性基と反応させて、N−部分置換ア
ミノグリカン−化合物B複合体(N−部分置換アミノグ
リカン−化合物B)とした後、免疫物質と反応させて複
合体(免疫物質−N−部分置換アミノグリカン−化合
物B)とし、一方化合物Aを標識物質で標識し、複合体
とする。次いで、複合体と複合体を反応させて複
合体(免疫物質−N−部分置換アミノグリカン−化合
物B−化合物A−標識物質)とする。このような方法に
より、本発明の免疫測定用標識試薬である複合体およ
び複合体の組み合わせ、あるいは複合体を調製す
る。本発明においては、このような反応順序が好まし
く、この順序を変えた場合、副反応がおき、収率が低下
する。
てN−部分置換キトサン(以下、s−キトサンと略す)
を、化合物Aとしてアビジンを、化合物Bとしてビオチ
ンを、また標識物質として蛍光色素をそれぞれ用いた免
疫測定用標識試薬の調製例について、具体的に説明す
る。s−キトサンは分子中に多数のアミノ基を有してお
り、s−キトサンとビオチンを塩基性溶液中、水溶性カ
ルボジイミド(CHMC)、N−ヒドロキシスクシンイ
ミドのような縮合剤の存在下で反応させると、大部分の
s−キトサンのアミノ基にビオチンがアミド結合してビ
オチン化s−キトサンが得られる。このビオチン化s−
キトサンに免疫物質である蛋白質を上記と同様の縮合剤
を用いて反応させると、s−キトサンの残余の遊離アミ
ノ基に蛋白質(免疫物質)が結合したビオチン化s−キ
トサンが得られる。
光色素として、例えばシアニン色素のカルボキシル基と
蛋白質であるアビジンのアミノ基とを上記と同様の方法
で反応させて得ることができる。即ち、シアニン色素の
カルボキシル基は、アビジンのアミノ基と有機溶媒中
で、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドのような縮
合剤を用いて、常法により容易に縮合させてアミド結合
させることができる。シアニン色素とアビジンとの反応
終了後、未反応物はなるべく除去することが好ましく、
例えば透析法、遠心分離法、ゲル濾過法又は限外濾過法
などによって除くことができる。
たビオチン化s−キトサンに上記の蛍光色素で修飾した
アビジンを反応させると、アビジンはビオチンと選択的
に非常に高い親和力を持って結合することにより、本発
明の免疫測定用標識試薬を得ることができる。
にしてさらに具体的に説明する。まず、置換度10%以
下の原料アミノグリカンを用いて置換度20〜80%の
N−部分置換アミノグリカンを得るには、所定の置換度
のアミノグリカンが得られるように原料アミノグリカン
の部分置換反応を行う。
2N−HClに溶解する。 ビオチン5〜20mgを0.085N−Na2 CO3
水溶液0.5mlに溶かし、上記のキトサン溶液に添加
する。キトサンは再び沈澱する。 1−シクロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチ
ル)カルボジイミド(CHMC)20mgを添加し、4
℃に放置する。 白色沈澱が消えた時点で、氷酢酸を数滴加えて反応を
停止する。これによりキトサンのアミノ基の20〜80
%がビオチン化されたビオチン化キトサンが得られる。 蒸留水に対して透析し、さらに20mMリン酸緩衝液
(pH7.0)に対して透析する。
とするときは、ビオチンの使用量を減らし、総置換度が
20〜80%になるように調節する。また、ビオチンの
代わりに蛍光色素等の標識物質を用いて、標識物質によ
るN−部分置換も同様にして行うことができる。
とキトサンとの結合反応 上記のようにして得られたビオチン化キトサンとほぼ
等モルの抗体(抗原)を含んだ水溶液を混合し、1−シ
クロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボ
ジイミド(CHMC)を10mg添加し、4℃において
5時間反応させる。 ゲル濾過カラムクロマトグラフィーにより、未反応抗
体(抗原)、ビオチン化キトサンおよびCHMCを除
き、抗体(抗原)の結合したN−部分ビオチン化キトサ
ンが得られる。
る。 i)N−置換体がN−部分置換アミノグリカン−ビオチ
ンの場合 例えば、分子量100万のキトサンを用いると、該キト
サンには1分子当たりのグルコサミン単位が約6000
個、即ちアミノ基を約6000個を含むことになる。 ビオチン化後、xg/vmlのビオチン化キトサンが
得られたとする。その一部を元素分析にかけ、含まれる
硫黄がa%、窒素がb%だったとすれば、キトサンのア
ミノ基がビオチン化された割合(ビオチン置換度)は、
式(1)により求められる。
ある。)そこで、ビオチン化キトサンの分子量は、式
(2)から算出する。 M.W. (b-c) =1,000,000+226.3×6000×b.s. (2)
ニンヒドリン溶液と1:1で混合し、25分間煮沸反応
を行い、冷却後、570nmの吸光度を測定する。検量
線からサンプル中の遊離のアミノ基量が計算できる。ニ
ンヒドリン法から、xg中の遊離のアミノ基量はymo
lであったとすればキトサン1分子当たりの置換度
(N.s.)は、式(3)により求められる。
s.)は、式(4)で表される。 Ac.s.=N.s.−b.s. (4)
っと小さいので置換度にはほとんど寄与しない。従っ
て、本発明においては無視する。
カン−標識物質(色素)の場合 色素結合キトサンがxg/vml得られたとする。こ
のサンプルの一部をとって色素の吸光度を測定すると、
検量線からサンプル中の色素量wgが算出できる。よっ
て、キトサン量は(x−w)gである。色素の分子量を
L,キトサンの分子量を100万とするとキトサン1分
子当たりの色素結合数Nは、式(5)で表される。
リン溶液と1:1で混合し、25分間煮沸反応を行い、
冷却後570nmの吸光度を測定する。検量線からサン
プル中の遊離のアミノ基が計算できる。ニンヒドリン法
からxg中の遊離アミノ基がymolであったとすれ
ば、キトサン1分子に残っているアミノ基は、y×1,
000,000/(x−w)で表されるから、このとき
のキトサン1分子当たりの置換度N.s.は、式(6)
により、またこのときのキトサンのアセチル化度Ac.
s.は、式(7)により、それぞれ表される。
基を複数個有する分子量104 〜7×105 程度の化合
物であり、1分子当たりのアミノ基の数は50〜350
0個であるため、仮に置換度が50%の場合、アミノ基
の置換数は25〜1700個程度である。しかし、本発
明におけるように、例えば、106 〜2×106 程度の
高分子量のキトサンを使用すれば、1分子当たりのアミ
ノ基の数は5000〜10000個となるため、アミノ
基の置換数は、2500〜5000個とすることができ
る。従って、N−部分置換した高分子量のキトサンを用
いることにより、免疫測定の感度は1.5〜3倍上昇す
る。
ンの導入部位を増加させる方法が挙げられる。例えば、
免疫物質と結合したs−キトサンに間接的に標識物質を
結合させる場合、アビジンと標識物質の間にさらにs−
キトサンを介してもよい。即ち、免疫物質−s−キトサ
ン−ビオチン−アビジン−s−キトサン−標識物質であ
ってもよい。アビジンとs−キトサンとの結合は、前記
と同様の縮合剤の存在下で反応させることにより容易に
行うことができる。このようにすることにより免疫測定
の感度を約100倍程度高めた免疫測定用標識試薬を調
製することができる。このような本発明の免疫測定用標
識試薬は、蛍光免疫測定、酵素免疫測定等の公知の免疫
測定方法において使用できる。
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。
し、この水溶液に分子量約2×106 のキチン(一丸フ
ァルコス社製)0.5gを加え、一晩撹拌した。 (2)キチンは、膨潤した状態になっているので、その
まま100℃,4時間加熱処理により脱アセチル化を行
った。 (3)生じた沈澱を遠心回収し、水に懸濁後、流水にて
一晩透析した。またこのとき一部を希酢酸に溶解し、粘
度法にて分子量を測定したところ、約106 であった。 (4)透析後、白色沈澱(キトサン)を遠心回収し、そ
こから20mgをとり、20mlの0.02N−HCl
に溶解した。
5mlにビオチン0.1gを溶かし、上記キトサン溶液
に加えた。しばらく撹拌していると、キトサンの白色沈
澱が再び生じるので、ここへ1−シクロヘキシル−3−
(2−モルフォリノエチル)カルボジイミド(CHM
C)0.2gを加えて、4℃で撹拌しながら放置した。
約200μl加え、反応を停止し、蒸留水に対して透析
し、さらに20mMリン酸緩衝液(pH7)に対して透
析することによって、ビオチン化キトサン(b−c)溶
液を得た。
ら一部をとり、元素分析を行ったところ、S=5.3
%,N=10.1%であった。従って、式(1)より
b.s.は、42%であった。また、b−cの分子量は
式(2)より1.57×106 であった。また、前記
(6)で得られたb−c溶液から一部をとり、ニンヒド
リン法によって遊離のアミノ基量を測定したところ、b
−c2mg中には4.1μmolのアミノ基が存在して
いた。従って、式(3)より(6)で得られたb−cの
置換度は46%であった。また、このときのアセチル化
度は4%であった。
トIg抗体を含んだ水溶液と混合し、1−シクロヘキシ
ル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボジイミド
(CHMC)10mgを加え、4℃で5時間反応させ
た。 (9)ゲル濾過によって未反応抗体,b−c,及びCH
MCを除去し、ヤギ由来抗ヒトIg抗体の結合したb−
c(Ab−b−c)を得た。
ミン0.2mlを1mlのエタノールに溶解させた。次
いで、蛍光色素として2mgのシアニン系色素NK11
60(日本感光色素研究所製)を加えて充分に溶解さ
せ、溶液を作成した。さらに前記溶液にジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)14mgを加えて、室温で
4時間反応させた。反応終了後、エバポレータでエタノ
ールとトリエチルアミンを減圧除去した。残留物を、
0.01M酢酸緩衝液(pH=6.5)2mlに懸濁し
た後、遠心分離機を用いて5000rpmで10分間遠
心分離を行って、上澄みを採取し、再度遠心分離にかけ
てNK1160で修飾されたアビジンの溶液を得た。 (11)前記(9)で得られたAb−b−cと前記(1
0)で得られたNK1160で修飾されたアビジンを混
合し、Ab−b−c−a−NK1160を得た。
製光ファイバー(三菱レイヨン(株)製)を3cmに切
り、両端面をエタノールを潤滑剤としてポリシングフィ
ルムで研磨した。 (13)0.5mlの水に10mgの硫酸ニッケルを溶
かし、次いで2.5mlのエタノールを加えた。この際
に生じる沈澱を遠心分離にて除去し、採取した上澄みを
ニッケル−エタノール溶液とした。次にエタノール溶媒
の20mM水酸化カリウム溶液0.4mlにニッケル−
エタノール溶液0.1mlと50%グルタルアルデヒド
50μlを添加し混合して、処理溶液とした。
面を前記(13)の処理溶液中に、50℃で10分間浸
漬した後、20mM塩酸、次にPBSで洗浄した。次に
この光ファイバーを2mg/mlのヒト膵アミラーゼ溶
液に浸漬し、4℃で一晩放置した。 (15)光ファイバーを溶液から取り出し、1%水素化
ホウ素ナトリウム水溶液に15分間浸漬した後、PBS
で洗浄して、ヒト膵アミラーゼ固定化センサーとし、こ
れを検出部とした。
溶液の中に、前記(15)の検出部を20分間浸漬し、
前記(11)で調製したAb−b−c−a−NK116
0の溶液中に20分間浸漬した。次いで、0.05%ト
ゥイーン20含有PBS(Tween PBS)で洗浄
後、1個のレーザを使用する蛍光測定系である図1に示
す装置を用いて、ヘリウム−ネオンレーザ系で測定した
ところ、0.3ng/mlまで測定できた。
ン溶液を調製し、ここへメタノール0.8mlとトリエ
チルアミン0.2mlに5mgのNK1160を溶解し
た液を添加し、キトサンの沈澱が再び生じたら、1−シ
クロヘキシル−3−(2−モルフォリノエチル)カルボ
ジイミド(CHMC)0.2gを加え、4℃に放置し
た。
蒸留水に対して透析することによってNK1160−キ
トサン(f−c)溶液(33mg/26ml)を得た。 (3)前記(2)で得たf−c溶液を30mlにフィル
アップし、NK1160量を吸光度から測定したとこ
ろ、f−c溶液中には13.1mg/30mlのNK1
160が存在していた。従って、式(5)より、キトサ
ン1分子当たりの色素結合数Nは、約1370であっ
た。
から一部をとり、ニンヒドリン法でアミノ基を測定した
ところ、2mg中のf−cには5.52μmolのアミ
ノ基が存在していた。従って、式(6)よりf−cの置
換度は24%であった。またこのときのアセチル化度は
1.3%であった。
方法でヤギ由来抗ヒトIg抗体の結合したNK1160
−キトサン(Ab−c−NK1160)を得た。 (6)実施例1の(12)から(15)と同様の方法
で、ヒト膵アミラーゼ固定化センサーとし、これを検出
部とした。 (7)Ab−b−c−a−NK1160の代わりにAb
−c−NK1160を用いた以外は、実施例1の(1
6)と同様の方法でヒト膵アミラーゼ抗体を測定したと
ころ、0.3ng/mlまで測定できた。
来抗ヒトIg抗体の結合したb−c(Ab−b−c)を
得た。 (2)大過剰の2.5mgのシアニン系色素NK368
2(日本感光色素研究所製)を0.01Mトリエチルア
ミン塩酸緩衝液(pH8.0)10mlに懸濁した(実
際に溶けている量は360μg/10mlである)。 (3)アビジン1mgを500μlの水に溶かして、前
記(1)の懸濁液に加え、撹拌し、さらにN−シクロヘ
キシル−N’−(2−モルフォリノエチル)カルボジイ
ミド メト−p−トルエンスルホン酸塩(CHMC)
0.1gを加えて一晩放置した。 (4)前記(2)の溶液を限外濾過を用いて、エタノー
ルで3〜4回洗浄して未反応色素を除去した。 (5)得た沈澱をpH8.0に調整したKOH溶液に懸
濁し、「NK3682修飾アビジン液」(以下、F1 ア
ビジンと略す)とした。
を、前記(1)で得られたAb−b−cと混合し、Ab
−b−c−a−F1 を得た。 (7)ヘリウム−ネオンレーザの代わりに780nm半
導体レーザ(30mW)を用いた以外は、実施例1の
(14)〜(16)と同様の方法で測定したところ、
0.3ng/mlまで測定できた。
2を用いる以外はすべて同様の方法で行ったところ、ヒ
ト膵アミラーゼ抗体を0.3ng/mlまで測定でき
た。
時点で反応を停止した以外は、同様の方法で行ったとこ
ろ、置換度13%のb−cを得た。 (2)以後、実施例1の(8)〜(16)と同様の方法
でヒト膵アミラーゼ抗体を測定したところ、Ab−b−
c−a−NK1160は一部不溶化してしまい、80μ
g/mlまでしか測定できなかった。
さらに10時間反応を続けた以外は同様の方法で行った
ところ、再びb−cの白色沈澱が生じてきた。そのとき
の置換度は89%であった。このb−cは再び水に溶け
なかったので使用不能となった。
カンは、アミノグリカンのアミノ基の置換度を20〜8
0%に変換したものであり、水に対する溶解度が高く、
高分子量化したアミノグリカンの適用が可能となり、ア
ミノグリカンの反応活性基の増加が可能となる。また、
水に対する溶解度が高くなることから、アミノグリカン
の導入数を増加させることにより反応活性基を増加させ
ることも可能となった。これらにより免疫測定の感度向
上が達成される。
略図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アミノグリカンに、免疫物質と標識物
質とを、置換度が20〜80%になるように結合せしめ
た複合体であり、ここで、該標識物質が、ビオチンとア
ビジンとを介して該アミノグリカンに結合され、該ビオ
チンが、アミノグリカン中のアミノ基に結合し、かつ標
識物質で標識されたアビジンが、該ビオチンに結合した
ものであるN−部分置換アミノグリカンからなる複合体
よりなる免疫測定用標識試薬。 - 【請求項2】 (a)アミノグリカンに、免疫物質とビ
オチンとを、置換度が20〜80%になるように結合せ
しめた複合体と、 (b)アビジンが標識物質で標識されたものである複合
体と よりなる免疫測定用標識試薬。 - 【請求項3】 N−部分置換アミノグリカンにおけるN
−アセチル基含有量が置換部分中の0〜50%である請
求項1又は2記載の免疫測定用標識試薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25480993A JP3399598B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25480993A JP3399598B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0783924A JPH0783924A (ja) | 1995-03-31 |
JP3399598B2 true JP3399598B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=17270193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25480993A Expired - Lifetime JP3399598B2 (ja) | 1993-09-17 | 1993-09-17 | N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3399598B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6027709A (en) * | 1997-01-10 | 2000-02-22 | Li-Cor Inc. | Fluorescent cyanine dyes |
EP2270106A3 (en) * | 2005-04-22 | 2011-06-29 | GE Healthcare UK Limited | Indolium compounds containing fluoro-substituents |
-
1993
- 1993-09-17 JP JP25480993A patent/JP3399598B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0783924A (ja) | 1995-03-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6949524B2 (en) | Polysaccharide conjugates of biomolecules | |
US5026785A (en) | Avidin and streptavidin modified water-soluble polymers such as polyacrylamide, and the use thereof in the construction of soluble multivalent macromolecular conjugates | |
JPH0260269B2 (ja) | ||
JPH02300663A (ja) | アンフェタミン様分析対象物の検出のための蛍光偏光イムノアッセイ法およびそれに用いるアッセイキット | |
JP2001504876A (ja) | 新規化合物およびその使用方法 | |
EP0961783B1 (en) | Polysaccharide conjugates of biomolecules | |
JPS59215321A (ja) | 二官能性配位子化合物を結合した反応性高分子 | |
JPH01201158A (ja) | ヘテロ2官能性結合試薬 | |
JPH05500858A (ja) | 脱髄性神経障害特に多発性硬化症の診断手段 | |
EP0460576B1 (en) | Assay for cobalamins | |
JP3399598B2 (ja) | N−部分置換アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 | |
WO1987004794A1 (en) | Latex agglutination using avidin/biotin system | |
EP0447133B1 (en) | Paired polypeptides | |
JPH09132725A (ja) | 色素標識タンパク質複合体及びその作製方法 | |
JP2001506002A (ja) | 非凝集性蛍光抱合体及びその製造方法 | |
JPH03255959A (ja) | ポリマー | |
JPH0735749A (ja) | O−アルキル化アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 | |
US4560648A (en) | Homogeneous enzyme immunoassay for ferritin | |
JP3147992B2 (ja) | 免疫測定用標識試薬 | |
JPH06109731A (ja) | スルホン酸エステル化アミノグリカンを用いた免疫測定用標識試薬 | |
JP3294415B2 (ja) | 蛍光標識試薬の製造方法 | |
CN117147824A (zh) | 一种抗体缀合物及其应用 | |
NO155516B (no) | Fluorescerende diagnostisk reagens og anvendelse derav for bestemmellse av hapten-antigener. | |
JPH0715472B2 (ja) | アルブミン吸着用担体 | |
CN116930478A (zh) | 一种甲状腺素荧光偶联物及其制备方法和应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080221 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090221 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100221 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110221 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120221 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130221 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140221 Year of fee payment: 11 |