JP3398932B2 - 液晶表示板用接着性スペーサー及び液晶表示板 - Google Patents

液晶表示板用接着性スペーサー及び液晶表示板

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示板の上下
基板の両方に強固に接着し、液晶層の厚みが変化しにく
い液晶表示板用接着性スペーサーおよび液晶表示板に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示板(LCD)は、一般に、2枚
の対向する電極基板と、前記電極基板間に介在するスペ
ーサーおよび液晶物質とで構成されている。スペーサー
は、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持する目的で使用
されている。特に、液晶層の厚みをより均一且つより一
定に保持するために、スペーサーの移動・脱落の防止を
目的として、スペーサー粒子表面に接着剤がコートされ
た接着性スペーサーが開発されている。このようなスペ
ーサーは、基板上に乾式または湿式散布された後、加熱
(通常はシール樹脂をシールする位の温度140〜16
0℃)によって基板に接着、固定化される。
【0003】このような接着性スペーサーとしては、た
とえば、アミノ樹脂の硬化球状微粒子の表面を、熱変形
温度が25〜180℃の範囲にある樹脂(たとえば、ポ
リメチルメタクリレート)で被覆した接着性スペーサー
(特開平1−150428号公報参照)や、Mw(重量
平均分子量)が10万〜50万の範囲、MwとMn(数
平均分子量)との比(Mw/Mn)が2.0〜2.5の
範囲、且つ、Tg(ガラス転移温度)が60〜90℃の
範囲にある(メタ)アクリル酸エステル系樹脂で表面が
被覆された接着性スペーサー(特開平8−101394
号公報参照)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
接着性スペーサーを用いて得られる液晶表示板では、以
下の〜の問題がある。 接着性スペーサーの接着層の熱変形温度やガラス転
移温度が低いと、接着層が軟化しやすくなる。このた
め、接着性スペーサーを液晶表示板の基板表面に固定す
る温度(固定化温度)を低くして、液晶表示板に負荷が
かかりにくくすることができる。しかしながら、熱変形
温度やガラス転移温度が低いと、接着層全体が重力によ
って垂れ下がり易く、上側基板への接着力が低下し易
い。また、勿論のことながら、得られた液晶表示板を高
温(50〜80℃)下に放置すると、接着層の再軟化が
生じて、スペーサーの固定が不十分になったり、接着層
の熱膨張により液晶層の厚みが変化して、液晶表示板全
体の隙間距離が不均一化され、色ムラが発生し易くな
る。
【0005】 接着層の熱変形温度やガラス転移温度
が高いと、接着層の重力による垂れさがりがなく、スペ
ーサーは上下両方の基板に固定されやすくなる。しかし
ながら、接着層が軟化しにくくなるため、固定化温度が
低いとスペーサーは十分な接着力では固定されなくな
る。このため、固定化温度を高くし、接着層を十分に軟
化させてスペーサーを固定化する必要があるが、固定化
温度を高くすると液晶表示板に熱負荷がかかるため熱劣
化等の問題も生じ易くなる。 一方、接着性スペーサーの接着層を構成する重合体
の分子量分布が狭すぎると(たとえば、Mw /Mn ≦
2.5)、接着層は、ほぼ一定の温度で軟化するため、
スペーサーを固定化する時間を短縮できる。しかしこの
場合は、液晶表示板全体の温度を均一にしない限り、ス
ペーサーの散布場所により接着層の軟化の有無が生じる
ことは避けられず、固定化温度を接着層の軟化温度より
高くすると、接着層全体が重力によって垂れ下がり易
く、上側基板への接着力の低下が起き易くなる。
【0006】そこで、本発明の課題は、固定化した際の
接着層の垂れ下がりは少なく、上下両方の基板への接着
力が高い液晶表示板用接着性スペーサーと、高温下に振
動や衝撃が加わっても、スペーサーの移動や接着層の熱
膨張が少ないため、液晶層の厚みが均一で色ムラ等が発
生せず、表示品位の高い液晶表示板とを提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
の接着層の物性(熱変形温度、ガラス転移温度、分子量
および分子量分布等)では、上記課題が解決されないた
め、鋭意検討した結果、接着性スペーサーの接着層に特
定の熱特性を持たせるようにすると上記課題を一挙に解
決できること、また、前記接着層を形成する熱可塑性樹
脂の構成単位として特定の単量体を選ぶと接着力をより
高めることができることという知見を得て、本発明に到
達した。すなわち、本発明にかかる液晶表示板用接着性
スペーサーは、粒子本体と、その表面の少なくとも一部
を被覆する熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む液晶表
示板用接着性スペーサーにおいて、前記熱可塑性樹脂
は、単量体単位としてスチレンおよび/またはメチルメ
タクリレートを必須として含有してなる共重合体であ
り、流出開始温度(Tfb)が90〜150℃の範囲、1
/2法の流出温度(T1/2)が120〜180℃の範
囲、且つ、流出終了温度(Tend)が140〜200℃
の範囲にあり、T1/2−Tfbが10〜50℃の範囲、T
end−T1/2が0を超え〜20℃の範囲である熱特性(た
だし、Tfb、T1/2およびTendは、フローテスタ法によ
り下記の試験条件で測定されたものであり、Tfb<T
1/2<Tendの関係を満たす)を有する、ことを特徴とす
る。
【0008】本発明にかかる液晶表示板は、電極基板間
に介在させるスペーサーとして、上記液晶表示板用接着
性スペーサーが用いられてなる。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の液晶表示板用接着
性スペーサーについて説明する。液晶表示板用接着性ス
ペーサー:本発明の液晶表示板用接着性スペーサーは粒
子本体と接着層とを含み、前記接着層は熱可塑性樹脂か
らなり、前記粒子本体の表面の少なくとも一部を被覆し
ている。粒子本体は、たとえば、液晶表示板に使用する
場合に液晶層の厚みを均一かつ一定に保持するために必
要であり、その平均粒子径は、好ましくは1〜30μ
m、より好ましくは1〜20μm、最も好ましくは1〜
15μmである。平均粒子径が上記範囲を外れると、液
晶表示板用接着性スペーサーとしては用いられないこと
がある。
【0010】粒子本体の粒子径の変動係数(CV)は、
好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、さら
に好ましくは6%以下である。粒子径変動係数が10%
を超えると、液晶表示板に使用した場合、液晶層の厚み
を均一かつ一定に保持することが困難となり、画像ムラ
を起こしやすくなる。なお、本発明における平均粒子径
および粒子径変動係数の定義や測定方法は、後述の実施
例に記載されるものが採用される。粒子本体の形状は、
球状、針状、板状、鱗片状、破砕状、俵状、まゆ状、金
平糖状等の任意の粒子形状で良く、特に限定されない
が、液晶表示板の隙間距離を均一に一定とする上では球
状が好ましい。これは、粒子が球状であると、すべてま
たはほぼすべての方向について一定またはほぼ一定の粒
径を有するからである。
【0011】粒子本体としては、有機質無機質複合体粒
子または有機架橋重合体粒子が用いられる。有機質無機
質複合体粒子や有機架橋重合体粒子は、電極基板、配向
膜またはカラーフィルターの損傷防止や両電極基板間の
隙間距離の均一性を得やすいからである。前記有機架橋
重合体粒子としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、ベンゾグアナミン、メラミンおよび尿素からなる群
の中から選ばれた少なくとも1種のアミノ化合物とホル
ムアルデヒドとから縮合反応により得られるアミノ樹脂
の硬化粒子(特開昭62−068811号公報参照);
ジビニルベンゼンを単独で重合あるいは他のビニル単量
体と共重合させて得られるジビニルベンゼン架橋樹脂粒
子(特開平1−144429号公報参照)等が挙げられ
る。
【0012】前記無機系粒子としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、ガラス、シリカ、アルミナ等の球状
微粒子等が挙げられる。前記複合体粒子は、有機質部分
と無機質部分とからなる複合体粒子である。この複合体
粒子において、前記無機質部分の割合は、特に限定はさ
れないが、たとえば、前記複合体粒子の重量に対して、
無機酸化物換算で、好ましくは10〜90wt%、より
好ましくは25〜85wt%、より好ましくは30〜8
0wt%の範囲である。無機質部分の割合を示す無機酸
化物換算とは、複合体粒子を空気中などの酸化雰囲気中
で高温(たとえば1000℃)で焼成した前後の重量を
測定することにより求めた重量百分率で示される。複合
体粒子の無機質部分の割合が、無機酸化物換算で前記範
囲を下回ると、複合体粒子が軟らかくなり、電極基板へ
の散布個数が増えることがあり、また、前記範囲を上回
ると、硬すぎて配向膜の損傷やTFTの断線が生じやす
くなることがある。
【0013】このような複合体粒子としては、特に限定
はされないが、たとえば、有機ポリマー骨格と、前記有
機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素原子にケイ素
原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子内に有するポ
リシロキサン骨格とを含み、前記ポリシロキサン骨格を
構成するSiO2の量が25wt%以上である、複合体
粒子A等を挙げることができる。複合体粒子Aが、G≧
14・Y1.75(ここで、Gは破壊強度〔kg〕を示し;
Yは粒子径〔mm〕を示す)を満足する破壊強度である
と好ましく、10%圧縮弾性率が300〜2000kg
/mm2、10%変形後の残留変位が0〜5%であると
さらに好ましい。複合体粒子Aは、以下でも述べるが、
染料および/または顔料を含むことで着色されていても
よい。
【0014】複合体粒子Aの製造方法については、特に
限定されないが、たとえば、下記に示す縮合工程と重合
工程と熱処理工程とを含む製造方法が挙げられる。縮合
工程は、ラジカル重合性基含有第1シリコン化合物を用
いて加水分解・縮合する工程である。第1シリコン化合
物は、次の一般式(1):
【0015】
【化1】
【0016】(ここで、Raは水素原子またはメチル基
を示し;Rbは、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rcは、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
と、次の一般式(2):
【0017】
【化2】
【0018】(ここで、Rdは水素原子またはメチル基
を示し;Reは、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル
基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの1価基を示す)と、次の一般式
(3):
【0019】
【化3】
【0020】(ここで、Rfは水素原子またはメチル基
を示し;Rgは、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rhは、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表
される化合物およびその誘導体からなる群から選ばれる
少なくとも1つである。重合工程は、縮合工程中および
/または縮合工程後に、ラジカル重合性基をラジカル重
合反応させる工程である。熱処理工程は、重合工程で生
成した重合体粒子を800℃以下の温度で乾燥および焼
成する工程である。
【0021】熱処理工程は、たとえば、10容量%以下
の酸素濃度を有する雰囲気中で行われる。縮合工程、重
合工程および熱処理工程から選ばれる少なくとも1つの
工程中および/または後に、生成した粒子を着色する着
色工程をさらに含んでいてもよい。粒子本体は、染料お
よび顔料からなる群から選ばれる少なくとも1つ等を含
むことで着色されていてもよい。その色は、光が透過し
にくいか、または、透過しない色が、接着性スペーサー
自身の光抜けを防止でき画質のコントラストを向上でき
る点で好ましい。光が透過しにくいか、または、透過し
ない色としては、たとえば、黒、濃青、紺、紫、青、濃
緑、緑、茶、赤等の色が挙げられるが、特に好ましく
は、黒、濃青、紺色である。
【0022】なお、染料および/または顔料は、単に粒
子本体に含まれるものでもよく、あるいは、染料および
/または顔料と粒子本体を構成するマトリックスとが化
学結合によって結び付けられた構造を有するものでもよ
い。本発明の液晶表示板用接着性スペーサーでは、粒子
本体の表面の少なくとも一部、すなわち、表面の一部ま
たは全体が、熱可塑性樹脂からなる接着層で被覆されて
いる。また、熱可塑性樹脂からなる接着層の一部または
全部が粒子本体表面と化学結合していても良い。熱可塑
性樹脂は以下に説明する特定の熱特性を有している。
【0023】接着層の厚みは、特に限定はされないが、
通常、0.01〜2μmの範囲、好ましくは0.05〜
1μmの範囲である。厚みが上記範囲より小さいと、接
着性が低下する恐れがあり、また、厚みが上記範囲より
大きいと、配向膜やカラーフィルター等を覆う面積が広
くなって、液晶表示板の表示品位が低下する恐れがあ
る。接着性スペーサー(粒子本体に接着層の厚みが付与
されたもの)の平均粒子径は、特に限定はされないが、
好ましくは1μmを超え32μm以下、より好ましくは
1μmを超え22μm以下、さらに好ましくは1μmを
超え17μm以下である。
【0024】本発明の接着性スペーサーは、フローテス
タで測定された熱特性を有するもので、熱可塑性樹脂の
流出開始温度(Tfb)、1/2法の流出温度
(T1/2)、流出終了温度(Tend)、T1/2−Tfbおよ
びTend−T1/2は、基板への固定化され易さ(固定化温
度)、損傷の与えにくさ、上下両方の基板への接着力等
を決定するパラメーターである。熱可塑性樹脂の流出開
始温度(Tfb)は90〜150℃であり、好ましくは1
00〜140℃、より好ましくは110〜140℃の範
囲にある。Tfbが90℃未満であると、上下両方の基板
への接着力が低くなり易く、液晶表示板を高温(たとえ
ば、50〜80℃)下に放置すると、接着層の再軟化が
生じ易くなって、接着層の熱膨張により液晶層の厚みが
変化し易くなる。さらに、配向膜やカラーフィルターを
覆う面積が大きくなり、これらに損傷を与え易くなる。
一方、Tfbが150℃を超えると、接着層が軟化しにく
くなるため、基板へ十分に接着されなくなり、固定化温
度を高くする必要があり、液晶表示板への熱負荷が大き
くなり易い。
【0025】熱可塑性樹脂の1/2法の流出温度(T
1/2)は120〜180℃であり、好ましくは130〜
180℃、より好ましくは140〜170℃の範囲にあ
る。T 1/2が120℃未満であると、基板への固定化時
に溶解した接着層が重力によって垂れ下がり易く、上側
基板への接着力が低くなり易くなる。一方、T1/2が1
80℃を超えると、基板への接着力が低下し、固定化温
度を高くする必要がある。熱可塑性樹脂の流出終了温度
(Tend)は140〜200℃であり、好ましくは14
0〜190℃、より好ましくは150〜180℃の範囲
にある。Tendが140℃未満であると、基板への固定
化時に溶解した接着層が重力によって垂れ下がり易く、
上側基板への接着力が低くなり易い。一方、Tendが2
00℃を超えると、基板への接着力が低くなり易くな
る。
【0026】熱可塑性樹脂の熱特性を示すTfb、T1/2
およびTendは、常にTfb<T1/2<Tendの関係を満た
し、いずれも、フローテスタ法により、たとえば、昇温
速度6.0℃/分の条件下で測定され、後述の実施例に
記載された測定方法が採用される。熱可塑性樹脂は上記
に示す熱特性を有するため、固定化した際に接着層の垂
れ下がりは少なく、上下両方の基板への接着力が高く、
しかも、高温下に振動や衝撃が加わっても、スペーサー
の移動が少なくなる。さらに、上記Tfb、T1/2および
endは、T1/2とTfbとの温度差(T1/2−T fb)が1
0〜50℃の範囲、TendとT1/2との温度差(Tend
1/2)が0を超え〜20℃の範囲にある。好ましくは
1/2−Tfbが15〜45℃の範囲、且つ、Tend−T
1/2が1〜15℃の範囲であり、より好ましくはT1/2
fbが15〜40℃の範囲、且つ、Tend−T1/2が3〜
12℃の範囲である。温度差が上記範囲より小さいと、
上側基板への接着力が低くなる。一方、温度差が上記範
囲より大きいと、液晶表示板全面における接着力の安定
性に劣る。
【0027】熱可塑性樹脂の熱特性(Tfb、T1/2、T
end、T1/2−TfbおよびTend−T1/ 2)をまとめると、
fbが90〜150℃、T1/2が120〜180℃、T
endが140〜200℃、T1/2−Tfbが10〜50℃、
end−T1/2が0を超え〜20℃の範囲である。熱可塑
性樹脂の熱特性は、好ましくは、Tfbが100〜140
℃、T1/2が130〜180℃、Tendが140〜190
℃、T1/2−Tfbが15〜45℃、Tend−T1/2が1〜
15℃の範囲であり、より好ましくは、Tfbが110〜
140℃、T1/2が140〜170℃、Tendが150〜
180℃、T1/ 2−Tfbが15〜40℃、Tend−T1/2
が3〜12℃の範囲である。
【0028】接着層を構成する熱可塑性樹脂の具体例と
しては、電極基板などに対して接着剤として作用し且つ
上記の熱特性を有するものであれば特に限定されること
はないが、たとえば、エチレン性不飽和単量体の単独重
合体または共重合体等が挙げられ、(メタ)アクリル系
重合体、スチレン系重合体および(メタ)アクリル−ス
チレン系重合体からなる群の中から選ばれた少なくとも
1種であると、基板への接着力が大きいため好ましい。
中でも、単独重合体のガラス転移温度(Tg)が60℃
以上である単量体を必須単位として含有してなる重合体
が上下両方の基板に強固に接着し易くなるため好まし
く、前記単独重合体のTgはより好ましくは70℃以
上、さらに好ましくは80℃以上である。更に、単量体
単位がスチレンおよび/またはメチルメタクレートを必
須して含有してなる共重合体がより一層好ましい。特
に、単量体単位としてスチレンを必須とする共重合体で
あると、後述のコロナ放電5分後の帯電保持率が高くな
るため最も好ましい。
【0029】上記エチレン性不飽和単量体としては、特
に限定はされないが、たとえば、エチレン、プロピレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル
(たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート等)等が挙げられる。これ
らの中でも、エチレン性不飽和単量体が、芳香族残基
(たとえば、フェニル基等)、水素結合可能な残基(エ
ステル基等)を含有するものが、配向膜との分子間力が
大きくなり、基板への接着力が大きくなり、基板への接
着力が大きくなるため好ましく、(メタ)アクリル酸エ
ステルおよびスチレンから選ばれる少なくとも1種以上
がさらに好ましい。エチレン性不飽和単量体がスチレン
を必須とすると、後述のコロナ放電5分後の帯電保持率
が高くなるため最も好ましい。 特に、(メタ)アクリ
ル酸エステルやスチレンを重合する際に、ソープフリー
重合して得られるものが好ましい。これは、フローテス
タによる熱特性を満足するものが得られ易く、界面活性
剤等の導電性不純物を使用しないため、液晶表示板の信
頼性が向上し易く、後述の帯電保持率が大きくなり易い
という理由による。
【0030】熱可塑性樹脂は、上記のものに限定されな
い。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル;各種ポリアミ
ド;各種ポリカーボネート;各種エポキシ樹脂等も熱可
塑性樹脂として使用できる。熱可塑性樹脂は、1種のみ
用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。熱可塑性
樹脂のコロナ帯電5分後の帯電保持率が60%以上であ
ると、液晶表示板の信頼性が高くなると共に、液晶表示
板に振動や衝撃が加わった時のスペーサー周囲の光抜け
の増大を防止できるため好ましい。コロナ帯電5分後の
帯電保持率は、より好ましくは65%以上、さらに好ま
しくは70%以上、最も好ましくは75%以上である。
なお、上記帯電保持率の測定方法は、後述の実施例に記
載された装置を用いた方法を採用できる。
【0031】熱可塑性樹脂は、染料および顔料からなる
群から選ばれる少なくとも1つ等を含むことで着色され
ていてもよい。その好ましい色としては、スペーサーの
粒子本体の好ましい色として前述した色が挙げられる。
熱可塑性樹脂の着色に使用できる染料および顔料として
は、特に限定はされないが、たとえば、スペーサーの粒
子本体の着色に使用できる染料および顔料として前述し
たもの等が挙げられる。粒子本体に対する接着層の熱可
塑性樹脂の重量割合は、特に限定はされないが、0%を
超え、好ましくは30%以下、より好ましくは1〜25
%、最も好ましくは2〜20%である。熱可塑性樹脂の
重量割合が30%を超えると、接着層が多くなって、溶
融した際に電極基板や配向膜やカラーフィルターを覆う
面積が大きくなり、液晶表示板の画質低下を招く恐れが
ある。一方、熱可塑性樹脂の重量割合が少ないと、接着
性が低下する。
【0032】本発明の液晶表示板用接着性スペーサー
は、湿式、乾式のいずれの散布方法であっても使用する
ことができるが、乾式散布して用いる場合に、接着性ス
ペーサーの凝集がなく、均一に散布することができるの
で、乾式散布法に特に適する。その際、後述の方法で定
義される流動性が50%以上であるのが好ましく、より
好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、
最も好ましくは65%以上である。本発明の液晶表示板
用接着性スペーサーを製造する方法については、特に限
定されないが、好ましいものとして、以下に詳しく説明
する製造方法を挙げることができる。液晶表示板用接着
性スペーサーの製造方法:接着性スペーサーの製造方法
は、たとえば、粒子本体の表面の少なくとも一部を熱可
塑性樹脂からなる接着層で被覆する被覆工程を含む。熱
可塑性樹脂としては、前記の熱特性を有するものが用い
られる。
【0033】粒子本体の表面を接着層で被覆する具体的
な方法としては、特に限定はされないが、たとえば、熱
可塑性樹脂の溶液中に、スペーサーの粒子本体となるべ
き粒子を分散させ、充分撹拌混合した後、溶剤を蒸発除
去し、得られた塊状物を粉砕する方法や、溶融させた熱
可塑性樹脂中に、スペーサーの粒子本体となるべき粒子
を分散させ、混練して充分に分散させ、冷却後に塊状物
を粉砕する方法;粒子本体表面に各種官能基(ビニル
基、エポキシ基、水酸基等)を導入し、その官能基を起
点としてモノマーを重合させたり、その官能基とポリマ
ーとを反応させて、粒子表面にグラフトさせる方法等が
ある。
【0034】また、上記方法以外に、「表面の改質」
(日本化学会編化学総説No.44 、第45〜52頁、1987年発
行)や「粉体の表面改質と高機能化技術」(「表面」第
25巻第1号第1〜19頁および表紙写真、1987年発行)に
詳細に記載されている、モノマーや重合触媒を芯物質界
面に局在させて高分子壁を形成しカプセル化するIns
itu重合法;濃厚相の分散滴(コアセルベート)を発
生させるコアセルベーション法;液々分散系の連続相と
分散相に重縮合を行うモノマーを別々に加えておき、界
面で均質な高分子膜を形成させる界面重合法;液中硬化
被覆法;液中乾燥法;乾式で高速混合する高速気流中衝
撃法;気中懸濁被覆法;スプレードライング法等の従来
公知の樹脂被覆方法によっても、被覆することができ
る。
【0035】特に、高速気流中衝撃法は、たとえば、ス
ペーサーの粒子本体となるべき粒子(粒子本体)と、熱
可塑性樹脂の粉体(熱可塑性樹脂粉体)とを混合し、こ
の混合物を気相中に分散させ、衝撃力を主体とする機械
的熱的エネルギーを前記粒子本体と前記熱可塑性樹脂粉
体とに与えることで、前記粒子本体の表面を前記熱可塑
性樹脂で被覆する方法であり、簡便に被覆することがで
きるので、最も好ましい。高速気流中衝撃法を行う際に
用いられる前記熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径は、特に
限定はされないが、たとえば、好ましくは2μm以下、
より好ましくは1.8μm以下、最も好ましくは1.5
μm以下である。粒子本体に対する熱可塑性樹脂粉体の
配合割合は、好ましくは0.1〜30wt%、より好ま
しくは1〜25wt%、最も好ましくは2〜20wt%
である。
【0036】上記高速気流中衝撃法を利用した装置とし
ては、特に限定はされないが、たとえば、奈良機械製作
所(株)製ハイブリダイゼーションシステムや、ホソカ
ワミクロン(株)製メカノフュージョンシステム、川崎
重工業(株)製クリプトロンシステム等がある。なお、
被覆工程で使用される粒子本体の平均粒子径は、前述の
粒子径であるものが好ましい。次に、本発明の液晶表示
板について説明する。 液晶表示板:本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板
において、従来のスペーサーの代わりに、上述したよう
な本発明の液晶表示板用接着性スペーサーを電極基板間
に介在させて電極基板の間隔を保持させたものであり、
同スペーサーの粒子径と同じかまたはほぼ同じ隙間距離
を有する。
【0037】本発明の液晶表示板は、たとえば、第1電
極基板と、第2電極基板と、スペーサーと、シール材
と、液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基板
と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有する。
第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成さ
れた第2電極とを有し、第1電極基板と対向している。
スペーサーは、本発明の液晶表示板用接着性スペーサー
であり、第1電極基板と第2電極基板との間に介在して
これら両電極基板間の間隔を保持する役目をする。シー
ル材は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺部で接着
する。液晶は、第1電極基板と第2電極基板との間に封
入されており、第1電極基板と第2電極基板とシール材
とで囲まれた空間に充填されている。
【0038】本発明の液晶表示板には、電極基板、シー
ル材、液晶など、スペーサー以外のものは従来と同様の
ものが同様のやり方で使用することができる。電極基板
は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表
面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電
極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさ
らに有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シー
ル材などが使用される。液晶としては、従来より用いら
れているものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニ
ルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ
系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキ
シルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン
系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシク
ロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シク
ロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0039】本発明の液晶表示板を作製する方法として
は、たとえば、本発明の接着性スペーサーを面内スペー
サーとして2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に均
一に散布したものに、本発明で用いられる粒子本体をシ
ール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材
に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分
にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載
せ、適度の圧力を加え、140〜160℃の温度で1〜
60分間の加熱により、接着シール材を加熱硬化させた
後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示板を得
る方法を挙げることができるが、液晶表示板の作製方法
によって本発明が限定されるものではない。面内スペー
サーとしては、本発明の接着性スペーサーの中でも、前
述のように着色されたものがスペーサー自身の光抜けを
生じにくいので好ましい。
【0040】本発明の液晶表示板は、上記接着性スペー
サーを用いたものであるため、上下両方の基板への接着
力が強く、スペーサーの移動が少なくなって、液晶層の
厚みが均一化され、色ムラが発生せず、表示品位が高く
なる。したがって、振動や衝のかかり易い用途、たとえ
ばカーナビゲーション等の車載用に好適に使用される
が、従来の液晶表示板と同じ用途、たとえば、テレビ、
パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、PH
S(携帯情報端末)などの画像表示素子として使用して
もよい。さらに、接着性スペーサーの接着層を形成する
熱可塑性樹脂のコロナ帯電5分後の帯電保持率が60%
以上であると、振動や衝撃を加えてもスペーサー周囲の
光抜けの増大が著しく小さいため、中でも、11インチ
以上の大型表示素子や、自動車積載用の表示素子として
特に有用なものである。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを示す
が、本発明は下記実施例に限定されない。以下の例中、
スペーサーの粒子本体の平均粒子径および粒子径変動係
数、熱可塑性樹脂の熱特性、コロナ帯電5分後の帯電保
持率および流動性は、以下の方法で測定したものであ
る。 平均粒子径と粒子径変動係数:試料を電子顕微鏡により
観察して、その撮影像の任意の試料200個の粒子径を
実測し、次式に従って、平均粒子径、粒子径の標準偏差
および粒子径の変動係数を求めた。
【0042】
【数1】
【0043】
【数2】
【0044】
【数3】
【0045】熱特性:島津製作所製の島津フローテスタ
CFT−500C型を用い、以下の条件の昇温法(フロ
ーテスタ法)により、流出開始温度(Tfb)、1/2法
の流出温度(T1/2)、流出終了温度(Tend)を求め
た。ダイ(ダイ穴径0.50mm×ダイ長さ1.00m
m)をダイ押えにはめ込み、シリンダに軽くねじ込ん
だ。ダイ穴ストッパーをつけた後、分銅1kgを載せた
(試験荷重20.0kgf)。シリンダ温度が80℃に
達した時に、試料1.0gを投入し、ピストンを押入し
た。80℃で300秒間予熱している間、試料中の空気
を抜いた後、予熱終了10秒前にダイ穴ストッパーを取
り外し、以下の条件下で試験を行い、流出開始温度(T
fb)、1/2法の流出温度(T1/2)、流出終了温度
(Tend)を求めた。
【0046】試験条件: 開始温度 80℃ 終了温度 230℃ 昇温速度 6.0℃/分 試験荷重 20.0kgf ダイ穴径 0.50mm ダイ長さ 1.00mm 流出開始温度(Tfb)、1/2法の流出温度
(T1/2)、流出終了温度(Tend)について、以下に詳
しく説明する。フローテスタCFT−500Cは、溶融
物が細管を通過する時の粘性抵抗を測定する細管式レオ
メータである。この構造は図2に示され、試料をシリン
ダへ充填し、周囲から熱して溶融させ、上部からピスト
ンによって一定の圧力を加える。このように操作するこ
とによって、溶融した試料は細い穴を持ったダイを通じ
て押し出され、下式で計算されるフローレートQ(cm
3/s)から試料の流動性すなわち溶融粘度が求められ
る。
【0047】 フローレートQ(cm3/s)=(x/10)・(A/
t) (ただし、t:計測時間(s)、x:計測時間tに対す
るピストンの移動量(mm)、A:ピストンの断面積で
ある。) この装置では、一定温度のもとで試験を行う定温法と、
試験時間の経過とともに昇温しながら試料の流動性を連
続性に測定する昇温法の2種類の試験モードが選択でき
るが、昇温法(フローテスタ法)は、試料の固体域、ゴ
ム弾性域を経て流動域に至る広い温度範囲のレオロジー
的性質が一度の測定で求まるため、本発明では昇温法を
採用した。
【0048】昇温法は、試験時間の経過と共に一定の割
合で昇温しながら試験する方法である。この試験では試
料が固体域から遷移域、ゴム状弾性域を経て流動域に至
るまでの過程を連続的に測定することができ、固体域か
ら遷移域に移る時の軟化温度Ts、試料が流れ出す流出
開始温度Tfb、試料が流れ終わる流出終了温度Tend
測定できる。昇温法における流動曲線は、たとえば、図
3に示すような挙動を示す。図3の詳しい説明を表1に
示す。
【0049】
【表1】
【0050】なお、1/2法の流出温度は、図4に示す
流動曲線において、流出終了点Smax と最低値Smin の
差の1/2を求め(x=(Smax −Smin )/2)、x
とSmin を加えた点Aの位置における温度、すなわち、
1/2法における溶融温度になる。 帯電保持率:図5にみる装置を用い、以下の方法で測定
した。図5は、コロナ帯電特性測定装置1を示してい
る。このコロナ帯電特性測定装置1は、粉体(熱可塑性
樹脂)をコロナ放電によって帯電させ表面電位を検出す
る測定部と、粉体を搬送する搬送部と、この装置を制御
する制御部とを備えている。装置1の構成要素は、ケー
シング2A、2B、2C、2Dに取り付けまたは収容さ
れている。
【0051】測定部は、高電圧調整用スライダック1
0、ネオントランス11、高電圧表示用電圧計13、コ
ロナ放電電極30、表面電位検出器31、高電圧用ダイ
オード32を備えている。ネオントランス11の一次側
(入力側)には、高電圧調整用スライダック10が電気
的に接続されている(図5参照)。スライダック10
は、左下側に位置するケーシング2Aの内部に配設され
ている。ネオントランス11は、左上側に位置するケー
シング2Bの内部に配設されている。外部電源からの電
圧がスライダック10を通ってネオントランス11の一
次側に入力しているときには、二次側に、トランス11
の変圧比に応じて昇圧された高電圧(たとえば数kV)
が出力する。外部電源から電力が入力しているときには
高電圧表示用ランプ14が点灯し、外部電源からの入力
がないときにはランプ14が消灯する。トランス11の
二次側から電力が出力しているときには高電圧表示用ラ
ンプ15が点灯し、二次側からの出力がないときにはラ
ンプ15が消灯する。ランプ14,15と電圧計13と
は、ケーシング2Bの前面壁に設けられている。この前
面壁は、内部のトランス11が見えるように、図示され
ていない。
【0052】電圧計13は、ネオントランス11の一次
側の電圧値を測定し、この一次側の電圧値に変圧比を乗
じた値を二次側の電圧値として表示するように目盛られ
ている。コロナ放電電圧は、電圧計13の表示値を使っ
て、スライダック10で高精度に調整される。コロナ放
電電極30は、真下に放電するように、装置1の中央の
ケーシング2Dの内部において搬送部の走路中央付近上
部に設置されている。ダイオード32は、ケーシング2
Dの上面壁の外側に配備されていて、順方向のダイオー
ド32Aと逆方向のダイオード32Bとを有し、スイッ
チ(図示されず)によりいずれか一方のダイオードがコ
ロナ放電電極30とネオントランス11の二次側との間
に電気的に接続されるようになっている。このスイッチ
により、粉体22の電荷の極性が選択される。ダイオー
ド32Aが接続されている時には、粉体22が正に帯電
する。ダイオード32Bが接続されている時には、粉体
22が負に帯電する。
【0053】表面電位検出器31は、ケーシング2Dの
内部の、搬送部の走路一端寄り上部に設置されていて、
その下端に振動電極(図示されない)を有する。表面電
位検出器31は、この振動電極を介して粉体22の表面
電位を間接的に測定する。搬送部は、装置1のほぼ中央
に設けられた搬送機構20により構成される。搬送機構
20は、図6に示すように、搬送床27と、搬送台24
と、移動用ワイヤ26と、駆動モータ28と、2本のレ
ール49,50とを備えている。搬送床27は、ケーシ
ング2D内の底面上に設置されている。搬送床27上に
は、2本のレール49,50が平行に敷設されて走路を
形成している。
【0054】搬送台24は、上面に粉体22を載置する
ものであり、下面に取り付けられた車輪24aがレール
49,50上を正逆に転がることにより走路を往復移動
する。移動用ワイヤ26は、搬送床27の上下を通る閉
ループを形成しており、搬送台24に取り付けられ、走
路上を通り、走路両端に設置された滑車に掛けられてい
る。駆動モータ28は、ケーシング2Aの上面壁に取り
付けられており、ワイヤ26を往復移動させる。駆動モ
ータ28は、本実施例においてはステッピングモータで
あるが、交流あるいは直流のサーボモータでも適用可能
である。
【0055】走路他端上部のケーシング2D上面壁に
は、粉体22を搬送台24に載置したり、あるいは、搬
送台24から取り出すための開閉可能な取り出し口3が
設けられている。制御部は、図7に示すように、コント
ロールボックス40、取り出し口位置検出器51、コロ
ナ放電位置検出器52、測定位置検出器53、搬送制御
回路55、放電制御回路56、表面電位検出回路57を
備えている。コントロールボックス40は、装置1のほ
ぼ右下部のケーシング2C内部に配設されており、電源
スイッチ41、電源スイッチ41の作動状態を表示する
電源ランプ42、コロナ放電電極30に電圧を印加する
ための高電圧用スイッチ43、高電圧用スイッチ43の
作動状態を表示する表示ランプ44、搬送台24を図示
右方向に移動させる場合に操作する操作スイッチ45、
操作スイッチ45の動作状態を表示する表示ランプ4
6、搬送台24を図示左方向に移動させる場合に操作す
る操作スイッチ47、操作スイッチ47の動作状態を表
示する表示ランプ48を有しており、オペレータにより
操作される。
【0056】取り出し口位置検出器51は、走路他端の
レール49(または50)横に設けられたセンサであ
り、搬送台24が取り出し口3の下(原位置)に位置す
るときに位置検出信号を出力する。コロナ放電位置検出
器52は、走路中央のレール49(または50)横に設
けられたセンサであり、搬送台24がコロナ放電電極3
0の真下に位置するときに位置検出信号を出力する。測
定位置検出器53は、表面電位検出器31下の走路一端
寄りでレール49(または50)横に設けられたセンサ
であり、搬送台24が表面電位検出器31の真下に位置
するときに位置検出信号を出力する。
【0057】制御部は、搬送制御ブロック59、放電制
御ブロック60、測定制御ブロック61に分けられる。
搬送制御ブロック59は搬送制御回路55を備えてい
る。搬送制御回路55は、コントロールボックス40か
らの搬送信号により駆動モータ28の回転方向および回
転速度を制御する。搬送信号は、操作スイッチ45また
は操作スイッチ47がON側に操作されたときに出力さ
れる。駆動モータ28は、搬送信号によりワイヤ26を
移動させることにより、搬送台24を移動させる。放電
制御ブロック60は放電制御回路56を備えている。放
電制御回路56は、高電圧用スイッチ43のON操作に
よってコロナ放電信号を出力し、トランス11の一次側
に電圧を入力させコロナ放電電極30よりコロナ放電を
出力させる。放電制御回路56には、取り出し位置検出
器51とコロナ放電位置検出器52と表面電位測定位置
検出器53とから位置検出信号が入力する。コロナ放電
信号を出力している放電制御回路56は、検出器51お
よび検出器53からの位置検出信号が入力しない場合の
み、検出器52から位置検出信号が入力した後、検出器
52からの位置検出信号が入力しなくなるとコロナ放電
を停止する。このため、コロナ放電しているコロナ放電
電極30は、この真下を搬送台24が通過した直後に、
コロナ放電を停止する。
【0058】測定制御ブロック61は、表面電位測定位
置検出器53と表面電位検出回路57とレコーダ58と
を備えている。表面電位検出回路57は、検出器53か
らの位置検出信号が入力していることを条件として、表
面電位検出器31からの表面電位信号を検出する。レコ
ーダ58は、検出された表面電位信号を時系列で表面電
位として記録する。この記録は、検出器51および52
からの位置検出信号が入力しておらず、かつ、検出器5
3からの位置検出信号が入力しているとき、つまり、搬
送台24が表面電位検出器31の位置にあるときに行わ
れる。以上のようなコロナ帯電特性測定装置を、次のよ
うに動作させて、表面電位と帯電保持率を測定する(図
8参照)。
【0059】まず、電源スイッチ41をON操作する。
高電圧用スイッチ43と搬送スイッチ45・47とはO
FF状態にしておく。取り出し口3をあけて取り出し口
3の下に位置する搬送台24に粉体22を載置した後、
取り出し口3を閉じて操作スイッチ47をON側に操作
する。搬送制御回路55は、スイッチ47のON操作に
よって出力される搬送信号を受けて駆動モータ28を所
定の方向に回転させる。これによって移動用ワイヤ26
が駆動されて搬送台24が左側に移動し(図8の(A)
参照)、取り出し位置検出器51が位置検出信号を出力
しなくなる。左側に移動した搬送台24が、コロナ放電
していないコロナ放電電極30の下を通過して(図8の
(B)参照)、図8の(C)に示すように表面電位検出
器31の真下に達したときに表面電位測定位置検出器5
3が位置検出信号を出力し、搬送制御回路55には搬送
信号が入力しなくなり、搬送台24が表面電位検出器3
1の真下で自動停止する。このとき、表面電位測定位置
検出器53が位置検出信号を出力し、検出器51および
52が位置検出信号を出力せず、表面電位検出器31は
被処理粉体22の表面電位信号を出力し、表面電位検出
回路57が表面電位信号を検出する。レコーダ58は、
検出された表面電位信号を成形後の表面電位A(V)と
して記録する。搬送台24の取り出し位置から表面電位
測定位置までの移動時間は1秒間以内である。
【0060】この記録が行われた後に、オペレータが操
作スイッチ45をON側に操作する。搬送制御回路55
は、スイッチ45のON操作によって出力される搬送信
号を受けて駆動モータ28を所定の方向に回転させる。
これによって移動用ワイヤ26が駆動されて搬送台24
が右側に移動し、表面電位測定位置検出器53が位置検
出信号を出力しなくなる。右側に移動した搬送台24
が、コロナ放電していないコロナ放電電極30の下を通
過して、図8の(A)に示すように取り出し口3の真下
に達したとき、取り出し位置検出器51が位置検出信号
を出力し、搬送制御回路55には搬送信号が入力しなく
なり、搬送台24が取り出し口3の真下で自動停止す
る。
【0061】次に、ネオントランス11の二次側の出力
電圧が3.6kVになるように、一次側の入力電圧をス
ライダック10で調整する。また、スイッチ(図示され
ず)により、順方向のダイオード32A(または逆方向
のダイオード32B)をコロナ放電電極30とネオント
ランス11の二次側との間に電気的に接続して、粉体2
2の電荷の極性を選択し、高電圧用スイッチ43をON
側に操作する。この操作が行われた後に、オペレータが
操作スイッチ47をON側に操作することにより、搬送
台24が左側へ移動し始める。搬送台24がコロナ放電
しているコロナ放電電極30の真下を通過する(図8の
(B)参照)とき、粉体22がコロナ放電の中を通り、
選択された極性に瞬時に帯電する。搬送台24がコロナ
放電電極30の真下を通過したときだけ、コロナ放電位
置検出器52だけが位置検出信号を出力する。この後、
高電圧用スイッチ43は自動的にOFFになり、コロナ
放電が終了する。
【0062】コロナ放電電極30の真下を通過した搬送
台24が、図8の(C)に示すように表面電位検出器3
1の真下に達したときには、取り出し位置検出器51と
コロナ放電位置検出器52とが位置検出信号を出力せず
表面電位測定位置検出器53だけが位置検出信号を出力
する。この位置検出信号の出力により、搬送制御回路5
5に搬送信号が入力しなくなって表面電位検出器31の
真下で自動停止するとともに、表面電位検出器31が振
動電極を介して検出した粉体22の表面電位信号を出力
し、表面電位検出回路57が表面電位信号を検出し、レ
コーダ58はこの検出される表面電位信号を粉体22の
表面電位として時系列で記録する。最初に検出された表
面電位信号がコロナ帯電直後の実測表面電位B1
(V)、5分後に検出された表面電位信号がコロナ帯電
5分後の実測表面電位B2(V)である。取り出し位置
から表面電位測定位置までの搬送台24の移動時間は1
秒間以内である。
【0063】なお、以上の一連の操作が終了し、搬送台
24を取り出し位置まで移動させるには、操作スイッチ
45をON側に操作すれば良い。被粉体に対しては正負
いずれの帯電をも行えるようにしてあり、コロナ放電電
極と表面電位検出器とは所定の距離離隔して設け、ま
た、これらは同時に動作することがないので、粉体の帯
電特性(表面電位の経時変化状態、減衰特性)をノイズ
などによる外乱に影響されることなく正確に測定するこ
とができる。本発明では熱可塑性樹脂の粉体を、20
℃、60%RHで16時間放置後、直径7.6cm、高
さ0.5cmの金属製セル(図9、(a)平面図および
(b)断面図)に空いている直径5cm・深さ0.3c
mの円筒状の穴に入れてその上面をセル上面から出ない
ようにできるだけ平坦にし、この金属製セルを搬送台2
4に載せ上述の装置および方法(コロナ放電時のコロナ
放電電極30への印加電圧3.6kV、コロナ放電電極
30と粉体22の間の距離は2cm、粉体22が負に帯
電するようにダイオード32を設定した)で測定(測定
時の表面電位検出器31と粉体22の間の距離は2m
m)した、成形後16時間放置後の表面電位(A)・コ
ロナ帯電直後の実測表面電位(B1)・コロナ帯電5分
後の実測表面電位(B2)を使って下式によりコロナ帯
電5分後の帯電保持率(Ec)を計算する。測定も20
℃、60%RHの雰囲気下で行う。
【0064】
【数4】
【0065】(ここで、Ecはコロナ帯電5分後の帯電
保持率(%)であり;Qは成形後16時間放置後の帯
電量であり;Qはコロナ帯電直後の帯電量であり;Q
はコロナ帯電5分後の帯電量であり;Cは熱可塑性樹
脂の静電容量であり;Aは成形後16時間放置後の表面
電位(V)であり;Bはコロナ帯電直後の実測表面電
位(V)であり;Bはコロナ帯電5分後の実測表面電
位(V)である。) 流動性:本発明の接着性スペーサーの流動性を次の方法
により求めた。(株)飯田製作所製ふるい2種類(直径
8cm)を上から開口径が150μm、75μmの順番
で重ね合わせた。試料(接着性スペーサー)2.0gを
上のふるい(150μm)上に、表面ができるだけ平坦
になるようにふるい全面にわたって均一に載せ、ホソカ
ワミクロン(株)製パウダーテスターPT−Eを用い
て、振幅1mm、60Hzで上下に120秒間振動させ
た後、下のふるい(75μm)を通過した試料の、最初
の試料(2.0g)に対する重量割合(%)(メッシュ
通過率)を流動性とした。
【0066】実施例および比較例に先立ち、スペーサー
の接着層に用いる熱可塑性樹脂を下記の合成例により合
成した。 <合成例1〜8>表2に示す8種類の(メタ)アクリル
−スチレン系樹脂、または、(メタ)アクリル樹脂であ
る、熱可塑性樹脂(1)〜(8)を、ソープフリー重合
で合成した。得られた熱可塑性樹脂(1)〜(8)につ
いて、熱特性、コロナ帯電5分後の帯電保持率および粒
径を上記の方法で測定した。
【0067】次に、熱可塑性樹脂(1)〜(8)を用
い、以下の実施例および比較例を行った。 <実施例1>γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランおよびビニルトリメトキシシラン(45/55重
量比)を使用して、アルコキシシリル基の共加水分解・
重縮合と、二重結合のラジカル重合を行うことにより、
白色の有機質無機質複合体粒子(1)を得た。複合体粒
子(1)は、平均粒子径5.5μm、粒子径変動係数
2.9%、ポリシロキサン骨格の割合が、複合体粒子
(1)の重量に対して、SiO2換算量で54wt%
(空気中1000℃で焼成した場合)であった。
【0068】次に、複合体粒子(1)35gと熱可塑性
樹脂(1)3.5gとを混合した後、奈良機械製作所
(株)製ハイブリダイゼーションシステムNHS−0型
を使用し、高速気流中衝撃法により複合体粒子(1)の
表面を熱可塑性樹脂(1)で被覆処理することにより、
接着性スペーサー(1)を得た。この接着性スペーサー
(1)を静電気分散方式による乾式散布法により300
mm×345mmの長方形の電極基板上へ散布し、基板
上の同一面積の観察区を25か所選び、粒子が3個以上
凝集した塊のある観察区をカウントしたところ、1か所
であった。
【0069】次に、接着性スペーサー(1)をスペーサ
ーとして用いて以下の方法により、液晶表示板を作製し
た。図1にみるように、まず、300mm×345mm
×1.1mmの下側ガラス基板111上に、電極(たと
えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形成し
た後、ラビングを行って下側電極基板110を得た。こ
の下側電極基板110に、接着性スペーサー(1)(こ
の場合、面内スペーサー8)を静電気分散方式による乾
式散布法により散布した。一方、300mm×345m
m×1.1mmの上側ガラス基板12上に、電極(たと
えば、透明電極)5およびポリイミド配向膜4を形成し
た後、ラビングを行って上側電極基板を120を得た。
そして、エポキシ樹脂接着シール材112中に複合体粒
子(1)(この場合、シール部スペーサー113)が3
0容量%となるように分散させたものを、上側電極基板
120の接着シール部分にスクリーン印刷した。
【0070】最後に、上下側電極基板120、110
を、電極5および配向膜4がそれぞれ対向するように、
スペーサー8を介して貼り合わせ、1kg/cm2の圧
力を加え、140℃の温度で30分間加熱し、接着シー
ル材112を加熱硬化させると共に上下電極基板12
0、110へ接着させた。その後、2枚の電極基板12
0、110の隙間を真空とし、さらに、大気圧に戻すこ
とにより、STN型液晶7を注入し、注入部を封止し
た。そして、上下ガラス基板12、111の外側にPV
A(ポリビニルアルコール)系偏光膜6を貼り付けて1
3インチの液晶表示板(1)とした。
【0071】上記のような方法により、スペーサーとし
て接着性スペーサー(1)を使用した液晶表示板(1)
は、隙間距離が均一化されており、透過率5%となるよ
うに電圧を印加したところ、スペーサー周囲の光抜けが
少なく、良好な表示品位であった。液晶表示板(1)の
特性を以下の方法で評価した。その結果を表4に示す。 乾式散布性:散布時の凝集の程度を、上述の方法で評価
した。 上下基板の接着力:液晶表示板を分解し、上下両方の基
板を剥がし、メタノールで液晶を洗浄した。次いで、基
板を乾燥し、上側基板および下側基板の両方において接
着性スペーサーが残っているかどうかをSEM(走査電
子顕微鏡)で観察した。 高温放置時の色ムラ:液晶表示板を垂直に配置させ、7
0℃で500時間放置することにより、基板間の隙間距
離ムラに起因する色ムラが発生するかどうかを観察し
た。 衝撃試験後のスペーサー周囲の光抜けの増大:液晶表示
板を120℃でアニールし、次いで1000回の殴打試
験を行った後、透過率5%となるように電圧を印加し、
殴打試験前と比べてスペーサー周囲の光抜けが増大して
いるか否かを観察した。
【0072】<実施例2〜6>実施例1において、粒子
本体と熱可塑性樹脂の種類および量を表3に示す通りと
したこと以外は実施例1と同様にして接着性スペーサー
(2)〜(6)を作製した。これらのスペーサーの乾式
散布性を実施例1と同様の方法で調べ、その結果を表4
に示す。次いで、接着性スペーサー(2)〜(6)を用
い、実施例1と同様にして液晶表示板(2)〜(6)を
作製した。得られた液晶表示板(2)〜(6)の特性を
実施例1と同様の方法で評価した。その結果を表4に示
す。
【0073】<比較例1〜2>実施例1において、粒子
本体と熱可塑性樹脂の種類および量を表3に示す通りと
したこと以外は実施例1と同様にして比較用接着性スペ
ーサー(11)〜(12)を作製した。これらのスペー
サーの乾式散布性を実施例1と同様の方法で調べ、その
結果を表4に示す。次いで、比較用接着性スペーサー
(11)〜(12)を用い、実施例1と同様にして比較
用液晶表示板(11)〜(12)を作製した。得られた
比較用液晶表示板(11)〜(12)の特性を実施例1
と同様の方法で評価した。その結果を表4に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】なお、上記表4中、各特性の評価の基準は
以下の通りである。 〔乾式散布性〕 ○:良好。△:普通。×:悪い。 〔接着力〕 ○:スペーサーの残存数が多い。×:スペーサーの残存
数が少ない。 〔高温放置時の色ムラ発生〕 ○:発生なし。×:発生有り。 〔1000回殴打試験後のスペーサー周囲の光抜けの増
大〕 ○:増大なし。△:増大やや有り。×:増大大きい。
【0078】
【発明の効果】本発明の液晶表示板用接着性スペーサー
は、その粒子本体の表面の少なくとも一部を被覆する接
着層が上記特定の熱特性を有する熱可塑性樹脂からなる
ため、固定化した際に接着層の垂れ下がりはなく、上下
両方の基板への接着力が向上する。したがって、この接
着性スペーサーを用いると、具体的には、液晶表示板製
造時、輸送時または使用時にスペーサーが移動したり脱
落したりしにくくなり、また、得られた液晶表示板を高
温下に放置しても液晶層の厚みを変化させにくく、スペ
ーサー周囲の光抜けも小さいので、液晶表示板の画像ム
ラや表示欠陥を少なくすることができ、長期間にわたっ
て液晶表示板の高表示品位を維持させることができる。
【0079】本発明の液晶表示板は、電極基板間に介在
させるスペーサーとして、上記の接着性スペーサーを用
いてなるので、振動や衝撃が加わっても高い表示品位を
維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示板の1実施例を表す部分断面
図である。
【図2】本発明における熱可塑性樹脂の熱特性を測定す
る装置の概略図である。
【図3】本発明における熱可塑性樹脂の熱特性を測定す
るに当たって、得られる流動曲線(昇温法)を示す概略
図。
【図4】本発明における熱可塑性樹脂の熱特性(1/2
法の流出温度)の算出方法を説明する概略図。
【図5】本発明におけるコロナ帯電特性を測定する装置
の縦断面概略図である。
【図6】図5に示す装置の搬送機構の平面部分図であ
る。
【図7】図5に示す装置の制御部のブロック図である。
【図8】図5に示す装置の動作説明図である。
【図9】図5に示す装置で、スペーサー粒子を入れるセ
ルの平面図および断面図である。
【符号の説明】
7 液晶 8 面内スペーサー 113 シール部スペーサー 110 下側電極基板 120 上側電極基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−188384(JP,A) 特開2001−75106(JP,A) 特許3216092(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339 500

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子本体と、その表面の少なくとも一部を
    被覆する熱可塑性樹脂からなる接着層とを含む液晶表示
    板用接着性スペーサーにおいて、 前記熱可塑性樹脂は、単量体単位としてスチレンおよび
    /またはメチルメタクリレートを必須に含有してなる共
    重合体であり、流出開始温度(Tfb)が90〜150℃
    の範囲、1/2法の流出温度(T1/2)が120〜18
    0℃の範囲、且つ、流出終了温度(Tend)が140〜
    200℃の範囲にあり、T1/2−Tfbが10〜50℃の
    範囲、Tend−T1/2が0を超え〜20℃の範囲である熱
    特性(ただし、Tfb、T1/2およびTendは、フローテス
    タ法により下記の試験条件で測定されたものであり、T
    fb<T1/2<Tendの関係を満たす)を有する、ことを特
    徴とする液晶表示板用接着性スペーサー。試験条件: 開始温度 80℃ 終了温度 230℃ 昇温速度 6.0℃/分 試験荷重 20.0kgf ダイ穴径 0.50mm ダイ長さ 1.00mm 試料の量 1.0g
  2. 【請求項2】前記熱可塑性樹脂はソープフリー重合して
    なるものである、請求項1に記載の液晶表示板用接着性
    スペーサー。
  3. 【請求項3】電極基板間に介在させるスペーサーとし
    て、請求項1または2に記載の液晶表示板用接着性スペ
    ーサーが用いられてなる液晶表示板。
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