JP3521112B2 - 液晶表示板用の接着性スペーサー、その製造方法および液晶表示板 - Google Patents

液晶表示板用の接着性スペーサー、その製造方法および液晶表示板

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JP3521112B2
JP3521112B2 JP02763798A JP2763798A JP3521112B2 JP 3521112 B2 JP3521112 B2 JP 3521112B2 JP 02763798 A JP02763798 A JP 02763798A JP 2763798 A JP2763798 A JP 2763798A JP 3521112 B2 JP3521112 B2 JP 3521112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物が液晶に混
入しにくい液晶表示板用の接着性スペーサー、その製造
方法および液晶表示板に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ、パーソナルコンピューター、ワ
ードプロセッサー、PHS(携帯情報端末)、カーナビ
ゲーションシステム等の画像表示素子として、液晶表示
板(LCD)が広く用いられている。液晶表示板のうち
でも、TFT−LCDと呼ばれる液晶表示板は、高速応
答や視野角拡大への対応が可能であり、ブラウン管(C
RT)からの置き換えを目指して、13インチ以上の大
画面TFT−LCDの開発が検討されている。
【0003】大画面TFT−LCDを製造する際、液晶
パネルの製造工程において、基板搬送時、基板切断時、
液晶パネルの輸送時に、振動や衝撃が加わって、液晶パ
ネル内部のスペーサーが動いて、下記およびに示す
ような、液晶パネルの表示品位低下の問題がある。 液晶配向の乱れや配向膜の損傷が生じて、光抜けが
増加し、コントラストが低下する。
【0004】 ギャップムラや色ムラが発生する。 そこで、スペーサーの移動・脱落の防止を目的として、
スペーサー粒子表面に接着剤をコートした接着性スペー
サーが開発されている。接着性スペーサーは、基板上に
乾式散布または湿式散布し、加熱(通常はシール樹脂を
溶融させる位の温度140〜160℃)することによっ
て、基板に接着、固定される。
【0005】接着性スペーサーの製造は、簡便に実施で
きると言う観点から、衝撃力を用いて原料粒子表面を熱
可塑性樹脂で被覆する方法が行われている(特開昭63
−94224号公報、特開平1−154028号公報、
特開平8−328022号公報および特開平9−235
527号公報)。接着性スペーサーの製造は、また、熱
可塑性樹脂を用いて原料粒子表面をポリマー鎖でグラフ
ト化する方法も行われている(特開平5−188384
号公報、特開平5−232480号公報、特開平7−3
00586号公報、特開平7−300587号公報、特
開平7−301810号公報、特開平7−333623
号公報、特開平8−43834号公報、特開平8−48
979号公報、特開平8−328018号公報、特開平
9−244034号公報、特開平9−194842号公
報)。
【0006】ところで、液晶表示板には、電圧保持率が
高く、しかも、駆動安定性と液晶配向特性に優れている
ことが求められる。これらの特性は、スペーサーの善し
悪しによって影響されることが多い。しかし、従来のス
ペーサーはこれらの点で未だ満足できないものであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、電圧保持率が高く、しかも、駆動
安定性と液晶配向特性に優れた液晶表示板、これを得さ
せる接着性スペーサーとその製造方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、まず、従来の接着性スペーサーにおいて
液晶の電気特性や配向特性を低下させている原因を探
り、その原因が接着性スペーサーの製造に伴い生じる不
純物にあることを見いだした。接着性スペーサーに用い
られる熱可塑性樹脂には微量ではあるが、低分子量のポ
リマーやオリゴマー、モノマー等の不純物が存在し、こ
れらが熱可塑性樹脂を原料粒子に付着させる際に接着性
スペーサーに移る。グラフト化等により原料粒子の表面
に付着させることが出来なかったポリマーも不純物とな
ることがある。また、衝撃力を利用して原料粒子を熱可
塑性樹脂で被覆して接着層を形成するときに、低分子量
のポリマーやオリゴマー、モノマー等の不純物が生成す
る。このような原因により接着性スペーサーに不純物が
残存することはグラフト化法と衝撃力利用法の両製造方
法に共通であるが、衝撃力を利用して熱可塑性樹脂を原
料粒子に付着させる方法の場合は衝撃エネルギーによっ
て熱可塑性樹脂の分解や解重合が生じ、上記不純物が多
く副生する可能性がある。これらの不純物はスペーサー
を洗浄しても残存しており、完全に除去することが困難
である。したがって、不純物は液晶中に溶出しやすく、
溶出した不純物が液晶の電気特性の低下(電圧保持率の
低下等)や配向特性の低下(プレチルト角の低下)等を
引き起こし、液晶表示板の信頼性を低下させていたので
ある。
【0009】次に、この問題の解決策を種々検討した結
果、粒子本体と熱可塑性樹脂の静電引力を積極的に利用
すれば良いのではないかと着想した。すなわち、接着性
スペーサーが静電引力を発揮すれば、この静電引力で上
記不純物を原料粒子表面に引き寄せることができ、液晶
中への不純物溶出を抑制することが出来るのではないか
と考えた。そこで、粒子本体と熱可塑性樹脂の物理的物
性、化学的物性を詳しく検討した結果、接着性スペーサ
ーに静電引力を持たせる手段として、第1に、粒子本体
と熱可塑性樹脂のブローオフ帯電量の絶対値に差を持た
せること、第2に、粒子本体となる原料粒子の表面にア
ミノ基を導入するとともに熱可塑性樹脂の帯電保持率を
高くすることに着目して、実験により、これらの解決策
が実効を奏することを確認して、本発明を完成した。
【0010】したがって、本発明にかかる液晶表示板用
の接着性スペーサーは、粒子本体表面の少なくとも一部
に熱可塑性樹脂を付着させてなる接着性スペーサーにお
いて、第1に、前記粒子本体と熱可塑性樹脂のブロ−オ
フ帯電量の差の絶対値が100μC/g以上であること
を特徴とし、第2に、前記熱可塑性樹脂としてそのコロ
ナ帯電5分後の帯電保持率が40%以上である熱可塑性
樹脂の粉末が用いられていることを特徴とする。
【0011】本発明にかかる接着性スペーサーの製造方
法は、粒子本体となる原料粒子の表面の少なくとも一部
に熱可塑性樹脂を付着させる接着性スペーサーの製造方
法において、前記第1の接着性スペーサーを製造するた
めに、前記熱可塑性樹脂として前記原料粒子とのブロ−
オフ帯電量の差の絶対値が100μC/g以上である熱
可塑性樹脂を用い、前記原料粒子と前記熱可塑性樹脂の
粉末を含む混合物に衝撃力を与えるか、前記原料粒子の
表面に前記熱可塑性樹脂をグラフトすることにより、前
記熱可塑性樹脂の付着を行うことを特徴とし、前記第2
の接着性スペーサーを製造するために、前記原料粒子と
してその表面にアミノ基を含有する原料粒子を用いると
ともに、前記熱可塑性樹脂の粉末としてそのコロナ帯電
5分後の帯電保持率が40%以上である熱可塑性樹脂の
粉末を用い、前記原料粒子と前記熱可塑性樹脂の粉末を
含む混合物に衝撃力を与えることにより、前記熱可塑性
樹脂の付着を行うことを特徴とする。
【0012】本発明にかかる液晶表示板は、電極基板間
に介在させるスペーサーとして、前記第1または第2の
接着性スペーサーが用いられてなる。
【0013】
【発明の実施の形態】液晶表示板用接着性スペーサー
本発明にかかる接着性スペーサーは、粒子本体表面の少
なくとも一部に熱可塑性樹脂を付着させてなる接着性ス
ペーサーである。ここでいう付着とは、熱可塑性樹脂が
粒子本体表面の少なくとも一部を単に被覆することでも
よく、熱可塑性樹脂が、粒子本体表面の少なくとも一部
にグラフトして、粒子本体の表面と化学結合によって結
びつけられている状態でもよく、被覆と化学結合との両
方が存在していてもよい。
【0014】本発明の接着性スペーサーは、湿式、乾式
のいずれの散布方法であっても使用することができる
が、接着性スペーサーの凝集がなく、均一に散布するこ
とができるので、乾式散布法に特に適する。 〔粒子本体となる原料粒子〕粒子本体となる原料粒子
は、液晶表示板に使用する場合に液晶層の厚みを均一か
つ一定に保持するものである。
【0015】原料粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜
30μm、より好ましくは1〜20μm、最も好ましく
は1〜15μmである。平均粒子径が上記範囲を外れる
と、接着性スペーサーとして用いられないことがある。
原料粒子の粒子径の変動係数(CV)は、好ましくは1
0%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは
6%以下である。粒子径の変動係数が10%を超える
と、液晶層の厚みを均一かつ一定に保持することが困難
となり、画像ムラを起こしやすくなる。
【0016】原料粒子の形状は、球状、針状、板状、鱗
片状、破砕状、俵状、まゆ状、金平糖状等の任意の粒子
形状で良く、特に限定されないが、液晶表示板の隙間距
離を均一に一定とする上では球状が好ましい。これは、
粒子が球状であると、すべてまたはほぼすべての方向に
ついて一定またはほぼ一定の粒径を有することができる
からである。
【0017】原料粒子としては、種々のものがあり、特
に限定はされないが、たとえば、有機架橋重合体粒子、
無機系粒子、有機質無機質複合体粒子等が挙げられる。
これらの中でも、ビニル系架橋重合体粒子および有機質
無機質複合体粒子が、電極基板、配向膜またはカラーフ
ィルターの損傷防止や両電極基板間の隙間距離の均一性
を得やすい点で好ましく、有機質無機質複合体粒子が最
も好ましい。
【0018】前記有機架橋重合体粒子としては、特に限
定はされないが、たとえば、ジビニルベンゼンを単独で
重合あるいは他のビニル単量体と共重合させて得られる
ジビニルベンゼン架橋樹脂粒子(特開平1−14442
9号公報参照)等が挙げられる。前記無機系粒子として
は、特に限定はされないが、たとえば、ガラス、シリ
カ、アルミナ等の球状微粒子等が挙げられる。
【0019】前記有機質無機質複合体粒子は、有機質部
分と無機質部分とからなる複合粒子である。この有機質
無機質複合体粒子において、前記無機質部分の割合は、
特に限定はされないが、たとえば、前記有機質無機質複
合体粒子の重量に対して、無機酸化物換算で、好ましく
は10〜90wt%、より好ましくは25〜85wt
%、より好ましくは30〜80wt%の範囲である。無
機質部分の割合を示す無機酸化物換算とは、有機質無機
質複合体粒子を空気中などの酸化雰囲気中で高温(たと
えば1000℃)で焼成した前後の重量を測定すること
により求めた重量百分率で示される。有機質無機質複合
体粒子の無機質部分の割合が、無機酸化物換算で前記範
囲を下回ると、有機質無機質複合体粒子が軟らかくな
り、電極基板への散布個数が増えることがあり、また、
前記範囲を上回ると、硬すぎて配向膜の損傷やTFTの
断線が生じやすくなることがある。
【0020】このような有機質無機質複合体粒子として
は、特に限定はされないが、たとえば、有機ポリマー骨
格と、前記有機ポリマー骨格中の少なくとも1個の炭素
原子にケイ素原子が直接化学結合した有機ケイ素を分子
内に有するポリシロキサン骨格とを含み、前記ポリシロ
キサン骨格を構成するSiO2 の量が10wt%以上で
ある、有機質無機質複合体粒子等を挙げることができ
る。有機ポリマー骨格としては、ビニル系ポリマーがギ
ャップコントロールを制御できる高復元性を与えるた
め、好ましい。有機質無機質複合体粒子は、染料および
/または顔料を含むことで着色されていてもよい。
【0021】有機質無機質複合体粒子の製造方法として
は、特に限定されないが、たとえば、縮合工程と重合工
程と熱処理工程とを含む下記の製造方法が挙げられる。
縮合工程は、ラジカル重合性基含有シリコン化合物を用
いて加水分解・縮合する工程である。ラジカル重合性基
含有シリコン化合物は、次の一般式(1):
【0022】
【化1】
【0023】(ここで、Ra は水素原子またはメチル基
を示し;Rb は、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rc は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
と、次の一般式(2):
【0024】
【化2】
【0025】(ここで、Rd は水素原子またはメチル基
を示し;Re は、水素原子と、炭素数1〜5のアルキル
基と、炭素数2〜5のアシル基とからなる群から選ばれ
る少なくとも1つの1価基を示す)と、次の一般式
(3):
【0026】
【化3】
【0027】(ここで、Rf は水素原子またはメチル基
を示し;Rg は、置換基を有していても良い炭素数1〜
20の2価の有機基を示し;Rh は、水素原子と、炭素
数1〜5のアルキル基と、炭素数2〜5のアシル基とか
らなる群から選ばれる少なくとも1つの1価基を示す)
とからなる群から選ばれる少なくとも1つの一般式で表
される化合物またはその誘導体である。
【0028】重合工程は、縮合工程中および/または縮
合工程後に、ラジカル重合性基をラジカル重合反応させ
て粒子を得る工程である。熱処理工程は、重合工程で生
成した重合体粒子を800℃以下の温度で乾燥および焼
成する工程である。熱処理工程は、たとえば、10容量
%以下の酸素濃度を有する雰囲気中で行われる。
【0029】縮合工程、重合工程および熱処理工程から
選ばれる少なくとも1つの工程中および/または後に、
生成した粒子を着色する着色工程をさらに含んでいても
よい。原料粒子は、染料および顔料からなる群から選ば
れる少なくとも1つ等を含むことで着色されていてもよ
い。その色は、光が透過しにくいか、または、透過しな
い色が、接着性スペーサー自身の光抜けを防止でき画質
のコントラストを向上できる点で好ましい。光が透過し
にくいか、または、透過しない色としては、たとえば、
黒、濃青、紺、紫、青、濃緑、緑、茶、赤等の色が挙げ
られるが、特に好ましくは、黒、濃青、紺色である。
【0030】なお、染料および/または顔料は、単に原
料粒子に含まれるものでもよく、あるいは、染料および
/または顔料と粒子本体を構成するマトリックスとが化
学結合によって結び付けられた構造を有するものでもよ
い。第1の接着性スペーサーは粒子本体と熱可塑性樹脂
とのブローオフ帯電量の絶対値に差を付けたものであ
る。粒子本体のブローオフ帯電量は、粒子本体となる原
料粒子に表面処理を施すことによって調節することも出
来る。
【0031】このような表面処理の方法については、特
に限定はなく、原料粒子の核となる核粒子に対して、ア
ルミニウムオキシドやアルミニウムキレート化合物等の
有機アルミニウム化合物を用いる表面処理;1〜3級の
アミノ基含有シランカップリング剤を用いるアミノ基表
面処理;フェニルトリメトキシシラン等のフェニル基含
有シランカップリング剤を用いるフェニル基表面処理等
する方法を挙げることができる。表面処理方法として
は、第2の接着性スペーサーに用いる原料粒子について
の後述する表面処理法も採用することが出来る。核粒子
としては、原料粒子として挙げた前述のものがそのまま
用いられる。
【0032】第2の接着性スペーサーの原料粒子として
は、表面にアミノ基を有するものであれば特に限定はさ
れないが、たとえば、表面にアミノ基を有する架橋重合
体粒子、表面にアミノ基を有する無機系粒子、表面にア
ミノ基を有する有機質無機質複合体粒子等が挙げられ
る。これらの中でも、表面にアミノ基を有する架橋重合
体粒子や有機質無機質複合体粒子が、電極基板、配向膜
またはカラーフィルターの損傷防止や両電極基板間の隙
間距離の均一性を得やすい点で好ましい。表面にアミノ
基を有する架橋重合体粒子としては、表面にアミノ基を
有するビニル系架橋重合体粒子が特に好ましい。
【0033】表面にアミノ基を有する原料粒子は、たと
えば、有機架橋重合体粒子、無機系粒子、有機質無機質
複合体粒子等の核粒子とアミノ基含有表面処理剤とを反
応させる方法(表面処理法。詳しくは後述);少なくと
も1種のアミノ基含有化合物を含む原料を粒子化する方
法、たとえば、アミノ基含有単量体を用い共重合反応を
行って、表面にアミノ基を有する架橋重合体粒子や有機
質無機質複合体粒子を製造する方法(アミノ基含有単量
体共重合法。詳しくは後述)等により製造される。
【0034】上述の原料粒子のブローオフ帯電量は、一
般に、+2000〜−2000μC/g程度であり、好
ましくは+1500〜−1800μC/g程度、最も好
ましくは+50〜−1500μC/g程度である。以下
では、原料粒子表面にアミノ基を導入するための、上述
した表面処理法とアミノ基含有単量体共重合法について
詳しく説明する。
【0035】表面処理法 これは、架橋重合体粒子、無機系粒子、有機質無機質複
合体粒子等の核粒子とアミノ基含有表面処理剤とを反応
させることによって、原料粒子表面にアミノ基を導入す
る方法である。表面処理法で用いられるアミノ基含有表
面処理剤としては、アミノ基を含有するアルコキシシラ
ン化合物であれば特に限定はなく、たとえば、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、N,N−ジメチル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシランおよびこれらシラン化合物のメトキシ基
がエトキシ基に置換されたトリエトキシシラン化合物
や、メチルジエトキシシラン化合物等のアミノ基含有シ
ランカップリング剤を挙げることができ、これらが1種
または2種以上使用される。
【0036】核粒子とアミノ基含有表面処理剤とを反応
させる方法については、従来公知の方法が採用され、特
に限定はなく、たとえば、以下に示す方法を挙げること
ができる。 アミノ基含有表面処理剤を含む処理液中に核粒子を
浸漬した後、そのまままたは濾過した上で、乾燥する。
【0037】 アミノ基含有表面処理剤を含む処理液
を核粒子に噴霧または塗布し乾燥する。 アミノ基含有表面処理剤を気化させ、そのガスを核
粒子と接触させる。 使用されるアミノ基含有表面処理剤の量は、特に限定さ
れないが、核粒子の重量に対して、好ましくは0.1〜
500重量%、さらに好ましくは0.5〜100重量
%、最も好ましくは1〜50重量%である。これらの範
囲内にあると表面処理効果が高いが、前記範囲を外れる
と表面処理効果が低くなるおそれがある。乾燥温度およ
び乾燥時間は特に限定されない。乾燥温度は40〜25
0℃が好ましく、60〜200℃がさらに好ましい。乾
燥時間は、10分間〜12時間が好ましく、30分間〜
5時間がさらに好ましい。乾燥温度や乾燥時間が前記範
囲を外れると表面処理効果が低下するおそれがある。
【0038】アミノ基含有単量体共重合法 これは、アミノ基含有単量体を用いて共重合する方法で
ある。表面にアミノ基を有する架橋重合体粒子を製造す
るために用いられるアミノ基含有単量体としては、たと
えば、N,N−ジメチル−アミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチル−アミノプロピル(メタ)ア
クリレート等のアミノ基含有ビニル系モノマー等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。これらのアミノ基含有単量体を、たとえば、(メ
タ)アクリル酸エステルや、スチレン、ジビニルベンゼ
ン等のビニル系モノマー等と共重合させることによっ
て、表面にアミノ基を有する架橋重合体粒子を製造す
る。
【0039】表面にアミノ基を有する有機質無機質複合
体粒子を製造するために用いられるアミノ基含有単量体
としては、たとえば、前記表面処理法で用いられるアミ
ノ基含有表面処理剤等を挙げることができ、これらが1
種または2種以上使用される。このアミノ基含有表面処
理剤等を、たとえば、前述の一般式(1) 、(2) または
(3) 式で示すシリコン化合物と併せて用いて、有機質無
機質複合体粒子の製造方法として前述した方法を行うこ
とによって、表面にアミノ基を有する有機質無機質複合
体粒子を製造する。 〔熱可塑性樹脂〕熱可塑性樹脂は、粒子本体となる原料
粒子の表面の少なくとも一部、すなわち、その表面の一
部または全体に付着して、粒子本体の表面に熱可塑性樹
脂の接着層を形成させるものである。この接着層は、粒
子本体を単に被覆するだけであってもよく、粒子本体表
面と化学結合していてもよく、被覆と化学結合の両方が
存在していてもよい。この接着層は原料粒子と電極基板
間の接着剤として作用する。
【0040】熱可塑性樹脂としては、たとえば、エチレ
ン性不飽和単量体の単独重合体または共重合体を含む樹
脂等を挙げることができる。上記エチレン性不飽和単量
体としては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、(メタ)アクリル酸エステル(たとえば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、トリフルオロプロピル(メタ)アクリレ
ート等)等を挙げることができる。
【0041】上記エチレン性不飽和単量体のうちでも、
エチレン性不飽和単量体が、芳香族残基(たとえば、フ
ェニル基等)、水素結合可能な残基(エステル基等)を
含有していると、配向膜との分子間力が大きくなり、基
板への接着力も大きくなるため、好ましい。エチレン性
不飽和単量体が(メタ)アクリル酸エステルかスチレン
である場合が特に好ましく、コロナ帯電5分後の帯電保
持率がより高くなるからでもある。このような意味で、
熱可塑性樹脂が、単量体単位として(メタ)アクリレー
トを必須成分とする(メタ)アクリル系樹脂、単量体単
位としてスチレン化合物を必須成分とするスチレン系樹
脂、および、単量体単位としてスチレン化合物および
(メタ)アクリレートを必須成分とする(メタ)アクリ
ル−スチレン系樹脂からなる群の中から選ばれた少なく
とも1種であることが好ましい。
【0042】上記(メタ)アクリル系樹脂としては、ス
ペーサー近傍での光抜けを抑制できる点で、単量体単位
として炭素数6以上のアルキル基を有する(メタ)アク
リレートを45wt%以上(好ましくは50wt%以
上、さらに好ましくは60wt%以上)含有する(メ
タ)アクリル系樹脂が好ましい。(メタ)アクリル酸エ
ステルやスチレンを重合して熱可塑性樹脂を製造する場
合、ソープフリー重合することが特に好ましい。ソープ
フリー重合によれば、界面活性剤等の導電性不純物が少
なく、ポリマーの分子量が高くなり、不純物の液晶中へ
の溶出が少なくなるため、液晶表示板の信頼性がより向
上し、電圧保持率が大きくなり易いからである。
【0043】熱可塑性樹脂は、上記のものに限定されな
い。たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステル;各種ポリアミ
ド;各種ポリカーボネート;各種エポキシ樹脂等も熱可
塑性樹脂として使用できる。熱可塑性樹脂としては、上
記に挙げたものが1種または2種以上使用される。熱可
塑性樹脂のガラス転移温度は、130℃以下が好まし
く、120℃以下がさらに好ましい。熱可塑性樹脂の融
解温度は、180℃以下が好ましく、150℃以下がさ
らに好ましい。
【0044】上に述べた熱可塑性樹脂は、一般に、−1
0〜−2000μC/g程度、好ましくは−50〜−1
800μC/g程度、最も好ましくは−100〜−15
00μC/g程度のブローオフ帯電量を有し、コロナ帯
電5分後の帯電保持率40%以上である。熱可塑性樹脂
は、染料および顔料からなる群から選ばれる少なくとも
1種を含むことで着色されていてもよい。その好ましい
色としては、スペーサーの原料粒子の好ましい色として
前述した色が挙げられる。
【0045】熱可塑性樹脂の着色に使用できる染料およ
び顔料としては、特に限定はなく、たとえば、スペーサ
ーの原料粒子の着色に使用できる染料および顔料として
前述したもの等を挙げることができる。熱可塑性樹脂の
重量割合は、特に限定はされないが、粒子本体に対し
て、好ましくは0%を超え30%以下、より好ましくは
0.1〜25%、最も好ましくは0.5〜20%であ
る。熱可塑性樹脂の重量割合が30%を超えると、液晶
表示板の画質低下を招く恐れがある。一方、熱可塑性樹
脂の重量割合が少ないと、接着性が低下する。
【0046】粒子本体表面の少なくとも一部に付着する
熱可塑性樹脂の厚みは、特に限定はされないが、粒子本
体の半径よりも小さいことが必須で、好ましくは粒子本
体の半径の1/2以下であり、好ましくは0.001〜
1μmの範囲、さらに好ましくは0.01〜0.5μm
の範囲である。厚みが上記範囲より小さいと、接着性が
低下する恐れがあり、また、厚みが上記範囲より大きい
と、配向膜やカラーフィルター等を覆う面積が広くなっ
て、液晶表示板の表示品位が低下する恐れがある。 〔スペーサーにおける物理的、化学的特性の意義〕本発
明にかかる第1の接着性スペーサーは、前述のように、
粒子本体と熱可塑性樹脂のブローオフ帯電量の差の絶対
値が100μC/g以上であり、この静電引力により、
熱可塑性樹脂由来の不純物(低分子量のポリマーや、オ
リゴマー、モノマーなど)を粒子本体表面に引き寄せ
て、液晶中への溶出を抑制する。
【0047】本発明にかかる第2の接着性スペーサー
は、前述のように、粒子本体となる原料粒子として、表
面にアミノ基を含有する原料粒子が用いられており、原
料粒子が正電荷を帯びやすくなっている。他方、熱可塑
性樹脂は負電荷を帯び易い。そのため、静電引力によ
り、上記不純物を粒子本体表面に引き寄せて、液晶中へ
の溶出を抑制する。
【0048】本発明にかかる第1、第2の接着性スペー
サーでは、上述のように、粒子本体と熱可塑性樹脂の間
に静電引力が働くため、粒子本体とこれに付着する熱可
塑性樹脂からなる接着層との間の密着性が高まり、強い
振動や衝撃を受けても、スペーサーが移動しにくくな
る。上述のように、第1の接着性スペーサーでは、粒子
本体と熱可塑性樹脂のブローオフ帯電量の差の絶対値が
重要である。すなわち、粒子本体となる原料粒子と熱可
塑性樹脂のブロ−オフ帯電量の差の絶対値は、100μ
C/g以上であることが必要であり、好ましくは150
μC/g以上、さらに好ましくは200μC/g以上、
最も好ましくは300μC/g以上であることである。
ブロ−オフ帯電量の差の絶対値が大きいほど好ましいの
は、この絶対値の大きさに比例して、粒子本体と熱可塑
性樹脂との間の静電引力も大きくなるためである。ブロ
−オフ帯電量の差の絶対値が100μC/g未満である
と、この静電引力が弱いため、熱可塑性樹脂由来の不純
物が液晶に溶出してしまうおそれがある。
【0049】粒子本体と熱可塑性樹脂のブロ−オフ帯電
量については、両者の帯電量の差の絶対値が100μC
/g以上であれば、特に限定はないが、粒子本体および
熱可塑性樹脂のブロ−オフ帯電量がいずれも負値である
場合や、粒子本体のブロ−オフ帯電量が正値で、熱可塑
性樹脂のブロ−オフ帯電量が負値である場合が好まし
く、前者の場合がさらに好ましい。粒子本体と熱可塑性
樹脂のブロ−オフ帯電量がともに正値である場合は、配
向膜への吸着が強すぎて、スペーサー近傍の配向膜が損
傷を受け、光抜けが増加し、コントラストが低下するお
それがある。
【0050】ブローオフ帯電量については、例えば、帯
電序列等を参照して、核粒子の表面処理や熱可塑性樹脂
の組成を選択することができる。本発明にかかる第2の
接着性スペーサーでは、コロナ帯電5分後の帯電保持率
が40%以上の熱可塑性樹脂が用いられている。熱可塑
性樹脂の帯電保持率が40%以上の範囲にあることによ
って、原料粒子表面に存在するアミノ基に起因する、ス
ペーサー近傍での光抜けが抑制されるため、液晶表示板
の表示品位や信頼性が高くなる。帯電保持率が40%以
上の範囲にあることによって、原料粒子を被覆する際に
低分子量のポリマーやオリゴマー、モノマー等の不純物
が生成しにくくなり、得られるスペーサーの信頼性が高
くなる。コロナ帯電5分後の帯電保持率は、好ましくは
50%以上、さらに好ましくは60%以上、最も好まし
くは70%以上である。接着性スペーサーの製造方法 :本発明にかかる接着性ス
ペーサーを製造する方法については、特に限定されない
が、好ましいものとして、以下に述べる本発明の製造方
法を挙げることができる。
【0051】そして、第1の接着性スペーサーを製造す
る場合は、熱可塑性樹脂として、原料粒子とのブロ−オ
フ帯電量の差の絶対値が100μC/g以上であるもの
を用いる。また、第2の接着性スペーサーを製造する場
合は、原料粒子として表面にアミノ基を有する原料粒子
を用い、熱可塑性樹脂としてコロナ帯電5分後の帯電保
持率が40%以上である熱可塑性樹脂を用いる。
【0052】本発明にかかる接着性スペーサーの製造方
法には、熱可塑性樹脂の付着手段を異にする下記二つの
方法がある。 〔衝撃力利用法〕この方法は、原料粒子と熱可塑性樹脂
の粉末を含む混合物に衝撃力を与えて、原料粒子表面の
少なくとも一部に前記熱可塑性樹脂を付着させることを
特徴としている。
【0053】本発明にかかる第1と第2の接着性スペー
サーは、この方法によって容易に得られる。この方法で
用いられる原料粒子および熱可塑性樹脂については前述
した。原料粒子はその表面が表面処理されていてもよ
い。表面処理の方法についても前述した。
【0054】粒子本体表面を熱可塑性樹脂の粉末で被覆
する場合、熱可塑性樹脂の粉末の平均粒子径は、粒子本
体の半径よりも小さいことが必須であり、粒子本体の半
径の1/2以下である。特に、その平均粒子径が2μm
を超えると、原料粒子の被覆効率が低下するおそれがあ
る。そのため、熱可塑性樹脂の粉末の平均粒子径は、好
ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、最も
好ましくは0.5μm以下である。
【0055】原料粒子に対する熱可塑性樹脂の粉末の割
合〔(熱可塑性樹脂の粉末/粒子)×100〕について
は、特に限定はなく、好ましくは0.1〜30wt%、
より好ましくは1〜25wt%、最も好ましくは2〜2
0wt%である。熱可塑性樹脂の粉末の割合が30wt
%を超えると、熱可塑性樹脂の被覆層の厚みが大きくな
り、溶融した際に電極基板や配向膜やカラーフィルター
等を覆う面積が大きくなり、液晶表示板の画質が低下す
るおそれがある。他方、熱可塑性樹脂の粉末の割合が
0.1wt%未満であると、接着性が低下するおそれが
ある。
【0056】原料粒子と熱可塑性樹脂の粉末を含む混合
物に衝撃力を与える方法としては、特に限定はしない
が、高速気流中衝撃法やボールミル法などを挙げること
ができる。高速気流中衝撃法は、たとえば、原料粒子と
熱可塑性樹脂の粉末とを混合し、この混合物を気相中に
分散させ、衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを
混合物に与えることで熱可塑性樹脂の粉末の少なくとも
一部が溶融して、原料粒子の表面に熱可塑性樹脂を付着
させる方法であり、簡便かつ効率よく被覆させることが
できる。高速気流中衝撃法を利用した装置としては、特
に限定はされないが、たとえば、奈良機械製作所(株)
製ハイブリダイゼーションシステムや、ホソカワミクロ
ン(株)製メカノフュージョンシステム、川崎重工業
(株)製クリプトロンシステム等を挙げることができ
る。 〔グラフト化法〕この方法は、原料粒子の表面に熱可塑
性樹脂をグラフト化して、原料粒子表面の少なくとも一
部に前記熱可塑性樹脂を付着させることを特徴としてい
る。
【0057】本発明にかかる第1の接着性スペーサー
は、この方法によって容易に得られる。この方法で用い
られる原料粒子は、前述した原料粒子において、表面に
エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、
アミノ基、ハロアルキル基、シラノール基、アルコキシ
シリル基、イソシアナート基等の官能基を有するもので
ある。官能基は、原料粒子の表面に1種のみ存在するほ
か、2種以上共存することもできる。原料粒子を表面処
理することによって前記官能基を容易に導入することが
できる。
【0058】熱可塑性樹脂は上記官能基と反応する反応
性基を有する。反応性基としては、エポキシ基、オキサ
ゾリン基、アジリジン基、カルボキシル基、アミノ基、
イソシアナート基、アルコキシシリル基、シラノール
基、水酸基等を挙げることができ、1種のみ存在するほ
か、2種以上共存することもできる。原料粒子に対する
熱可塑性樹脂の割合は衝撃力利用法と同様である。
【0059】原料粒子を熱可塑性樹脂でグラフト化する
具体的な方法としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、原料粒子と熱可塑性樹脂とを無溶媒または溶媒存在
下で混合し、原料粒子表面の官能基と熱可塑性樹脂中の
反応性基とが反応する温度に加熱することにより行われ
る。これとは別に、熱可塑性樹脂となる重合性基や重合
開始基を有した単量体を原料粒子の表面で重合させて熱
可塑性樹脂をグラフトさせてもよい。液晶表示板 :本発明にかかる液晶表示板は、従来と同
様、たとえば、第1電極基板と、第2電極基板と、スペ
ーサーと、シール材と、液晶とを備えている。第1電極
基板は、第1基板と、第1基板の表面に形成された第1
電極とを有する。第2電極基板は、第2基板と、第2基
板の表面に形成された第2電極とを有し、第1電極基板
と対向している。このスペーサーは、液晶表示板用接着
性スペーサーであり、第1電極基板と第2電極基板との
間に介在してこれら両電極基板間の間隔を保持する役目
をする。この間隔はスペーサーの粒子径とほぼ同じであ
る。シール材は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺
部で接着する。液晶は、第1電極基板と第2電極基板と
の間に封入されており、第1電極基板と第2電極基板と
シール材とで囲まれた空間に充填されている。
【0060】本発明の液晶表示板は、従来の液晶表示板
において、従来のスペーサーの代わりに、本発明にかか
る前記接着性スペーサーを電極基板間に介在させて電極
基板の間隔を保持させたものである。液晶表示板には、
電極基板、シール材、液晶など、スペーサー以外のもの
は従来と同様のものが同様のやり方で使用することがで
きる。電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基
板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必
要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成さ
れた配向膜をさらに有する。シール材としては、エポキ
シ樹脂接着シール材などが使用される。液晶としては、
従来より用いられているものでよく、たとえば、ビフェ
ニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、ア
ゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル
系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニル
シクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シク
ロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシル
エタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使
用できる。
【0061】液晶表示板を作製する方法としては、たと
えば、接着性スペーサーを面内スペーサーとして2枚の
電極基板のうちの一方の電極基板に均一に散布したもの
に、本発明で用いられる粒子本体をシール部スペーサー
としてエポキシ樹脂等の接着シール材に分散させた後、
もう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷
などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加
え、140〜160℃の温度で1〜60分間の加熱によ
り、接着シール材を加熱硬化させた後、液晶を注入し、
注入部を封止して、液晶表示板を得る方法を挙げること
ができるが、液晶表示板の作製方法によって本発明が限
定されるものではない。面内スペーサーとしては、接着
性スペーサーの中でも、前述のように着色されたものが
スペーサー自身の光抜けを生じにくいので好ましい。
【0062】液晶表示板を作製するのに当たって、接着
性スペーサーの散布方法は、湿式、乾式のいずれであっ
てもよいが、乾式散布した場合に、接着性スペーサーの
凝集が起きにくく、均一に散布しやすい。本発明にかか
る液晶表示板は、上記接着性スペーサーを用いたもので
あるため、基板への接着力が強く、スペーサーの移動が
少なくなって、液晶層の厚みが均一化され、色ムラが発
生せず、表示品位が高くなる。しかも、熱可塑性樹脂由
来の不純物(低分子量ポリマー、オリゴマー、モノマ
ー)の液晶中への溶出が抑制されるため、信頼性の高い
液晶表示板となる。特に不純物の侵入を嫌うTFT−L
CDにおいて、駆動安定性等の信頼性が高まって有用で
あり、さらに、接着性が高いためスペーサーの移動が防
止され、液晶配向特性等の表示品位が向上する。したが
って、振動や衝撃のかかり易い用途、たとえばカーナビ
ゲーション等の車載用液晶表示板や、耐振動性および耐
衝撃性が要求される12インチ以上のモニター用等の大
型液晶表示板に好適に使用されるが、従来の液晶表示板
と同じ用途、たとえば、テレビ、パーソナルコンピュー
ター、ワードプロセッサー、PHS(携帯情報端末)な
どの画像表示素子として使用してもよい。
【0063】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを示す
が、本発明は下記実施例に限定されない。以下の例中、
原料粒子の平均粒子径と粒子径変動係数、粒子本体と熱
可塑性樹脂のブローオフ帯電量、熱可塑性樹脂のコロナ
帯電5分後の帯電保持率、液晶表示板の駆動安定性、電
圧保持率および液晶配向特性は、以下の方法で測定した
ものである。平均粒子径と粒子径の変動係数 :試料を電子顕微鏡によ
り観察して、その撮影像の任意の試料200個の粒子径
を実測し、次式に従って、平均粒子径、粒子径の標準偏
差および粒子径の変動係数を求めた。
【0064】
【数1】
【0065】
【数2】
【0066】
【数3】
【0067】ブローオフ帯電量:鉄粉(商品名:DSP
−128、同和鉄粉工業社製)を19(g)秤取し、試
料を1(g)秤取して、これらをガラス容器に入れ、軽
く混合した後、ペイントシェーカーで10分間激しく振
とうして摩擦帯電させた。この混合物を0.2(g)秤
取し、ステンレス網(綾織、400mesh)を張った
ファラデーケージに入れ、5分間経過後にブローオフ粉
体帯電量測定装置(MODEL TB−200、東芝ケ
ミカル社製)を用い、窒素ガス圧力を1kg/cm2
設定して、混合物の吹き飛しを開始した。吹き飛し開始
から1分後(または値が飽和に達した後)のステンレス
網上に残った鉄粉の電荷量F(C)から次式より試料1
(g)当たりの帯電量を算出し、ブローオフ帯電量Q
(C/g)とした。
【0068】Q=−F/(0.2×1/19) なお、ブローオフ帯電量の値の符号(プラスまたはマイ
ナス)は、ステンレス網上に残った電荷の逆の符号が試
料の符号となる。帯電保持率 :図1にみる装置を用い、以下の方法で測定
した。
【0069】図1は、コロナ帯電特性測定装置1を示し
ている。このコロナ帯電特性測定装置1は、粉体(熱可
塑性樹脂)をコロナ放電によって帯電させ表面電位を検
出する測定部と、粉体を搬送する搬送部と、この装置を
制御する制御部とを備えている。装置1の構成要素は、
ケーシング2A、2B、2C、2Dに取り付けまたは収
容されている。
【0070】測定部は、高電圧調整用スライダック1
0、ネオントランス11、高電圧表示用電圧計13、コ
ロナ放電電極30、表面電位検出器31、高電圧用ダイ
オード32を備えている。ネオントランス11の一次側
(入力側)には、高電圧調整用スライダック10が電気
的に接続されている(図1参照)。スライダック10
は、左下側に位置するケーシング2Aの内部に配設され
ている。ネオントランス11は、左上側に位置するケー
シング2Bの内部に配設されている。
【0071】外部電源からの電圧がスライダック10を
通ってネオントランス11の一次側に入力しているとき
には、二次側に、トランス11の変圧比に応じて昇圧さ
れた高電圧(たとえば数kV)が出力する。外部電源か
ら電力が入力しているときには高電圧表示用ランプ14
が点灯し、外部電源からの入力がないときにはランプ1
4が消灯する。トランス11の二次側から電力が出力し
ているときには高電圧表示用ランプ15が点灯し、二次
側からの出力がないときにはランプ15が消灯する。ラ
ンプ14,15と電圧計13とは、ケーシング2Bの前
面壁に設けられている。この前面壁は、内部のトランス
11が見えるように、図示されていない。
【0072】電圧計13は、ネオントランス11の一次
側の電圧値を測定し、この一次側の電圧値に変圧比を乗
じた値を二次側の電圧値として表示するように目盛られ
ている。コロナ放電電圧は、電圧計13の表示値を使っ
て、スライダック10で高精度に調整される。コロナ放
電電極30は、真下に放電するように、装置1の中央の
ケーシング2Dの内部において搬送部の走路中央付近上
部に設置されている。
【0073】ダイオード32は、ケーシング2Dの上面
壁の外側に配備されていて、順方向のダイオード32A
と逆方向のダイオード32Bとを有し、スイッチ(図示
されず)によりいずれか一方のダイオードがコロナ放電
電極30とネオントランス11の二次側との間に電気的
に接続されるようになっている。このスイッチにより、
粉体22の電荷の極性が選択される。ダイオード32A
が接続されている時には、粉体22が正に帯電する。ダ
イオード32Bが接続されている時には、粉体22が負
に帯電する。
【0074】表面電位検出器31は、ケーシング2Dの
内部の、搬送部の走路一端寄り上部に設置されていて、
その下端に振動電極(図示されない)を有する。表面電
位検出器31は、この振動電極を介して粉体22の表面
電位を間接的に測定する。搬送部は、装置1のほぼ中央
に設けられた搬送機構20により構成される。搬送機構
20は、図2に示すように、搬送床27と、搬送台24
と、移動用ワイヤ26と、駆動モータ28と、2本のレ
ール49,50とを備えている。
【0075】搬送床27は、ケーシング2D内の底面上
に設置されている。搬送床27上には、2本のレール4
9,50が平行に敷設されて走路を形成している。搬送
台24は、上面に粉体22を載置するものであり、下面
に取り付けられた車輪24aがレール49,50上を正
逆に転がることにより走路を往復移動する。
【0076】移動用ワイヤ26は、搬送床27の上下を
通る閉ループを形成しており、搬送台24に取り付けら
れ、走路上を通り、走路両端に設置された滑車に掛けら
れている。駆動モータ28は、ケーシング2Aの上面壁
に取り付けられており、ワイヤ26を往復移動させる。
駆動モータ28は、本実施例においてはステッピングモ
ータであるが、交流あるいは直流のサーボモータでも適
用可能である。
【0077】走路他端上部のケーシング2D上面壁に
は、粉体22を搬送台24に載置したり、あるいは、搬
送台24から取り出すための開閉可能な取り出し口3が
設けられている。制御部は、図3に示すように、コント
ロールボックス40、取り出し口位置検出器51、コロ
ナ放電位置検出器52、測定位置検出器53、搬送制御
回路55、放電制御回路56、表面電位検出回路57を
備えている。
【0078】コントロールボックス40は、装置1のほ
ぼ右下部のケーシング2C内部に配設されており、電源
スイッチ41、電源スイッチ41の作動状態を表示する
電源ランプ42、コロナ放電電極30に電圧を印加する
ための高電圧用スイッチ43、高電圧用スイッチ43の
作動状態を表示する表示ランプ44、搬送台24を図示
右方向に移動させる場合に操作する操作スイッチ45、
操作スイッチ45の動作状態を表示する表示ランプ4
6、搬送台24を図示左方向に移動させる場合に操作す
る操作スイッチ47、操作スイッチ47の動作状態を表
示する表示ランプ48を有しており、オペレータにより
操作される。
【0079】取り出し口位置検出器51は、走路他端の
レール49(または50)横に設けられたセンサであ
り、搬送台24が取り出し口3の下(原位置)に位置す
るときに位置検出信号を出力する。コロナ放電位置検出
器52は、走路中央のレール49(または50)横に設
けられたセンサであり、搬送台24がコロナ放電電極3
0の真下に位置するときに位置検出信号を出力する。
【0080】測定位置検出器53は、表面電位検出器3
1下の走路一端寄りでレール49(または50)横に設
けられたセンサであり、搬送台24が表面電位検出器3
1の真下に位置するときに位置検出信号を出力する。制
御部は、搬送制御ブロック59、放電制御ブロック6
0、測定制御ブロック61に分けられる。
【0081】搬送制御ブロック59は搬送制御回路55
を備えている。搬送制御回路55は、コントロールボッ
クス40からの搬送信号により駆動モータ28の回転方
向および回転速度を制御する。搬送信号は、操作スイッ
チ45または操作スイッチ47がON側に操作されたと
きに出力される。駆動モータ28は、搬送信号によりワ
イヤ26を移動させることにより、搬送台24を移動さ
せる。
【0082】放電制御ブロック60は放電制御回路56
を備えている。放電制御回路56は、高電圧用スイッチ
43のON操作によってコロナ放電信号を出力し、トラ
ンス11の一次側に電圧を入力させコロナ放電電極30
よりコロナ放電を出力させる。放電制御回路56には、
取り出し位置検出器51とコロナ放電位置検出器52と
表面電位測定位置検出器53とから位置検出信号が入力
する。コロナ放電信号を出力している放電制御回路56
は、検出器51および検出器53からの位置検出信号が
入力しない場合のみ、検出器52から位置検出信号が入
力した後、検出器52からの位置検出信号が入力しなく
なるとコロナ放電を停止する。このため、コロナ放電し
ているコロナ放電電極30は、この真下を搬送台24が
通過した直後に、コロナ放電を停止する。
【0083】測定制御ブロック61は、表面電位測定位
置検出器53と表面電位検出回路57とレコーダ58と
を備えている。表面電位検出回路57は、検出器53か
らの位置検出信号が入力していることを条件として、表
面電位検出器31からの表面電位信号を検出する。レコ
ーダ58は、検出された表面電位信号を時系列で表面電
位として記録する。この記録は、検出器51および52
からの位置検出信号が入力しておらず、かつ、検出器5
3からの位置検出信号が入力しているとき、つまり、搬
送台24が表面電位検出器31の位置にあるときに行わ
れる。
【0084】以上のようなコロナ帯電特性測定装置を、
次のように動作させて、表面電位と帯電保持率を測定す
る(図4参照)。まず、電源スイッチ41をON操作す
る。高電圧用スイッチ43と搬送スイッチ45・47と
はOFF状態にしておく。取り出し口3をあけて取り出
し口3の下に位置する搬送台24に粉体22を載置した
後、取り出し口3を閉じて操作スイッチ47をON側に
操作する。搬送制御回路55は、スイッチ47のON操
作によって出力される搬送信号を受けて駆動モータ28
を所定の方向に回転させる。これによって移動用ワイヤ
26が駆動されて搬送台24が左側に移動し(図4の
(A)参照)、取り出し位置検出器51が位置検出信号
を出力しなくなる。
【0085】左側に移動した搬送台24が、コロナ放電
していないコロナ放電電極30の下を通過して(図4の
(B)参照)、図4の(C)に示すように表面電位検出
器31の真下に達したときに表面電位測定位置検出器5
3が位置検出信号を出力し、搬送制御回路55には搬送
信号が入力しなくなり、搬送台24が表面電位検出器3
1の真下で自動停止する。このとき、表面電位測定位置
検出器53が位置検出信号を出力し、検出器51および
52が位置検出信号を出力せず、表面電位検出器31は
被処理粉体22の表面電位信号を出力し、表面電位検出
回路57が表面電位信号を検出する。レコーダ58は、
検出された表面電位信号を成形後の表面電位A(V)と
して記録する。搬送台24の取り出し位置から表面電位
測定位置までの移動時間は1秒間以内である。
【0086】この記録が行われた後に、オペレータが操
作スイッチ45をON側に操作する。搬送制御回路55
は、スイッチ45のON操作によって出力される搬送信
号を受けて駆動モータ28を所定の方向に回転させる。
これによって移動用ワイヤ26が駆動されて搬送台24
が右側に移動し、表面電位測定位置検出器53が位置検
出信号を出力しなくなる。右側に移動した搬送台24
が、コロナ放電していないコロナ放電電極30の下を通
過して、図4の(A)に示すように取り出し口3の真下
に達したとき、取り出し位置検出器51が位置検出信号
を出力し、搬送制御回路55には搬送信号が入力しなく
なり、搬送台24が取り出し口3の真下で自動停止す
る。
【0087】次に、ネオントランス11の二次側の出力
電圧が3.6kVになるように、一次側の入力電圧をス
ライダック10で調整する。また、スイッチ(図示され
ず)により、順方向のダイオード32A(または逆方向
のダイオード32B)をコロナ放電電極30とネオント
ランス11の二次側との間に電気的に接続して、粉体2
2の電荷の極性を選択し、高電圧用スイッチ43をON
側に操作する。この操作が行われた後に、オペレータが
操作スイッチ47をON側に操作することにより、搬送
台24が左側へ移動し始める。搬送台24がコロナ放電
しているコロナ放電電極30の真下を通過する(図4の
(B)参照)とき、粉体22がコロナ放電の中を通り、
選択された極性に瞬時に帯電する。搬送台24がコロナ
放電電極30の真下を通過したときだけ、コロナ放電位
置検出器52だけが位置検出信号を出力する。この後、
高電圧用スイッチ43は自動的にOFFになり、コロナ
放電が終了する。
【0088】コロナ放電電極30の真下を通過した搬送
台24が、図4の(C)に示すように表面電位検出器3
1の真下に達したときには、取り出し位置検出器51と
コロナ放電位置検出器52とが位置検出信号を出力せず
表面電位測定位置検出器53だけが位置検出信号を出力
する。この位置検出信号の出力により、搬送制御回路5
5に搬送信号が入力しなくなって表面電位検出器31の
真下で自動停止するとともに、表面電位検出器31が振
動電極を介して検出した粉体22の表面電位信号を出力
し、表面電位検出回路57が表面電位信号を検出し、レ
コーダ58はこの検出される表面電位信号を粉体22の
表面電位として時系列で記録する。最初に検出された表
面電位信号がコロナ帯電直後の実測表面電位B1
(V)、5分後に検出された表面電位信号がコロナ帯電
5分後の実測表面電位B2 (V)である。取り出し位置
から表面電位測定位置までの搬送台24の移動時間は1
秒間以内である。
【0089】なお、以上の一連の操作が終了し、搬送台
24を取り出し位置まで移動させるには、操作スイッチ
45をON側に操作すれば良い。被粉体に対しては正負
いずれの帯電をも行えるようにしてあり、コロナ放電電
極と表面電位検出器とは所定の距離離隔して設け、ま
た、これらは同時に動作することがないので、粉体の帯
電特性(表面電位の経時変化状態、減衰特性)をノイズ
などによる外乱に影響されることなく正確に測定するこ
とができる。
【0090】本発明では熱可塑性樹脂の粉体を、20
℃、60%RHで16時間放置後、直径7.6cm、高さ
0.5cmの金属製セル(図5、(a)平面図および
(b)断面図)に空いている直径5cm・深さ0.3cmの
円筒状の穴に入れてその上面をセル上面から出ないよう
にできるだけ平坦にし、この金属製セルを搬送台24に
載せ上述の装置および方法(コロナ放電時のコロナ放電
電極30への印加電圧3.6kV、コロナ放電電極30
と粉体22の間の距離は2cm、粉体22が負に帯電する
ようにダイオード32を設定した)で測定(測定時の表
面電位検出器31と粉体22の間の距離は2mm)した、
成形後16時間放置後の表面電位(A)・コロナ帯電直
後の実測表面電位(B1 )・コロナ帯電5分後の実測表
面電位(B2 )を使って下式によりコロナ帯電5分後の
帯電保持率(Ec)を計算する。測定も20℃、60%
RHの雰囲気下で行う。
【0091】
【数4】
【0092】(ここで、Ecはコロナ帯電5分後の帯電
保持率(%)であり;Q1 は成形後16時間放置後の帯
電量であり;Q2 はコロナ帯電直後の帯電量であり;Q
3 はコロナ帯電5分後の帯電量であり;Cは熱可塑性樹
脂の静電容量であり;Aは成形後16時間放置後の表面
電位(V)であり;B1 はコロナ帯電直後の実測表面電
位(V)であり;B2 はコロナ帯電5分後の実測表面電
位(V)である。)駆動安定性: 液晶表示板を作動状態で50℃、1000
時間駆動させた後、表示品位を評価した。電圧保持率: 一対のパターン化されたITO電極付きガ
ラス基板上にポリイミド配向膜を形成し、ラビング処理
を行った後、TN配向となるように貼りあわせ液晶セル
を作製した。次に、液晶電圧保持率測定システムを用い
て、25℃において、初期の電圧保持率を測定して、電
圧保持率が90%以上あるのを確認後、50℃、500
時間後の電圧保持率(測定温度:25℃)を測定した。液晶配向特性: 液晶表示板を駆動させた時の光抜けやざ
らつき感を目視で観察し、評価した。 <実施例1−1>γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランおよびビニルトリメトキシシラン(45/5
5重量比)を使用して、アルコキシシリル基の共加水分
解・重縮合と、二重結合のラジカル重合を行うことによ
り、白色の有機質無機質複合体粒子(1−1)を得た。
【0093】この複合体粒子(1−1)は、平均粒子径
5.0μm、粒子径変動係数3.2%、ポリシロキサン
骨格の割合が、複合体粒子(1−1)の重量に対して、
SiO2 換算量で55wt%(空気中1000℃で焼成
した場合)であった。次に、複合体粒子(1−1)をト
ルエン−メタノール中に分散させた複合体粒子分散体
(1−1)に対して、複合体粒子(1−1)に対して2
0重量%のアルミニウムアセチルアセトネートを添加
し、65℃で加熱混合した。この混合物を冷却後、混合
物中に含まれるトルエンおよびメタノールをエバポレー
ターを用いて加熱しながら留去した。得られた残留物を
150℃で2時間真空乾燥した後、トルエンおよびメタ
ノールで数回洗浄し、この残留物を濾過、乾燥し、解砕
を行って、表面処理粒子(1−1)を得た(平均粒子径
5.0μm、変動係数3.5%)。
【0094】次に、原料粒子としての表面処理粒子(1
−1)35gと、熱可塑性樹脂としてのメチルメタクリ
レート/2−エチルヘキシルアクリレート(35/65
重量比)の共重合体(1−1)5gとを準備した。な
お、表面処理粒子(1−1)のブローオフ帯電量は負値
で、共重合体(1−1)のブローオフ帯電量も負値であ
り、これらのブローオフ帯電量の差の絶対値は329μ
C/gであった。表面処理粒子(1−1)と共重合体
(1−1)とを混合した後、奈良機械製作所(株)製ハ
イブリダイゼーションシステムNHS−0型を使用し、
高速気流中衝撃法により表面処理粒子(1−1)の表面
を、共重合体(1−1)で被覆処理することにより、接
着性スペーサー(1−1)を得た。
【0095】この接着性スペーサー(1−1)をスペー
サーとして用いて、液晶セル(1−1)を作製し、その
電圧保持率(50℃、500時間後)を測定したとこ
ろ、98%であり、電圧保持率の変化はほとんどなかっ
た。次に、接着性スペーサー(1−1)を用いて13イ
ンチTFT液晶表示板である液晶表示板(1−1)を作
製し、所定電圧を印加したところ、液晶表示板(1−
1)の駆動安定性は長期間安定であり、液晶の配向特性
も良好レベルであった。
【0096】<実施例1−2〜1−4>実施例1−1に
おいて、アルミニウムアセチルアセトネートの代わりに
表1にそれぞれ示す表面処理剤を用いて、実施例1−1
と同様にして表面処理粒子(1−2)〜(1−4)を製
造した。得られた表面処理粒子(1−2)〜(1−4)
と表1に示す熱可塑性樹脂とを用い、実施例1−1と同
様にして高速気流中衝撃法を行い、接着性スペーサー
(1−2)〜(1−4)を得た。なお、実施例1−4で
は、複合体粒子(1−1)の代わりに、複合体粒子(1
−1)を塩基性染料であるメチレンブルーで染着した濃
青色粒子を用いた。表1には、用いた表面処理粒子およ
び熱可塑性樹脂のブローオフ帯電量の値の符号(プラス
+またはマイナス−)、これらのブローオフ帯電量の差
の絶対値を記載した。
【0097】得られた接着性スペーサー(1−2)〜
(1−4)を用いて、実施例1−1と同様にして、液晶
セル(1−2)〜(1−4)および13インチのTFT
液晶表示板である液晶表示板(1−2)〜(1−4)を
作製した。実施例1−1と同様にして、電圧保持率(5
0℃、500時間後)を測定し、液晶表示板の駆動安定
性および液晶の配向特性を評価した。結果を表2に示
す。表2には実施例1−1の結果もあわせて記載した。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】<実施例1−5および1−6>実施例1−
1において、原料粒子としてジビニルベンゼン−ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート−N,N−ジメチ
ル−2−アミノエチルメタクリレート(60/20/2
0重量比)のビニル系架橋重合体粒子を用い、熱可塑性
樹脂として表3に示したものを用いる以外は実施例1−
1と同様にして、接着性スペーサー(1−5)〜(1−
6)を製造した。表3には、用いた表面処理粒子および
熱可塑性樹脂のブローオフ帯電量の値の符号(プラス+
またはマイナス−)、これらのブローオフ帯電量の差の
絶対値を記載した。
【0101】得られた接着性スペーサー(1−5)〜
(1−6)を用いて、実施例1−1と同様にして、液晶
セル(1−5)〜(1−6)および13インチのTFT
液晶表示板である液晶表示板(1−5)〜(1−6)を
作製した。実施例1−1と同様にして、電圧保持率(5
0℃、500時間後)を測定し、液晶表示板の駆動安定
性および液晶の配向特性を評価した。結果を表4に示
す。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】<実施例1−7>実施例1−3で得られた
表面処理粒子(1−3)をトルエンに分散させた表面処
理粒子分散液を調製した。次いで、熱可塑性樹脂として
のメチルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシ
ルアクリレート−グリシジルメタクリレート(25/3
0/35/10重量比)の共重合体(1−7)を上記表
面処理粒子(1−3)の1/2重量部用意し、トルエン
に溶解させた共重合体溶液を調製した。なお、表面処理
粒子(1−3)のブローオフ帯電量は負値で、共重合体
(1−7)のブローオフ帯電量も負値であり、これらの
ブローオフ帯電量の差の絶対値は306μC/gであっ
た。上記で得られた表面処理粒子分散液と共重合体溶液
とを混合し、2時間室温下で攪拌した。混合液中に含ま
れるトルエンをエバポレーターを用いて加熱留去した
後、150℃で2時間真空乾燥して、表面処理粒子(1
−3)に熱可塑性樹脂をグラフト化した粒子を得た。得
られた粒子をトルエンを用いてソックスレーで洗浄し、
濾過、乾燥し、解砕を行って、接着性スペーサー(1−
7)を得た。
【0105】得られた接着性スペーサー(1−7)を用
いて、実施例1−1と同様にして、液晶セル(1−7)
および13インチのTFT液晶表示板である液晶表示板
(1−7)を作製した。実施例1−1と同様にして、電
圧保持率(50℃、500時間後)を測定し、液晶表示
板の駆動安定性および液晶の配向特性を評価した。電圧
保持率(50℃、500時間後)は、95%であり、ほ
とんど変化しなかった。液晶表示板(1−7)に所定電
圧を印加したところ、液晶表示板の駆動安定性は長期間
安定であり、液晶の配向特性も良好レベルであった。
【0106】<比較例1−1>実施例1−1において、
アルミニウムアセチルアセトネートを複合体粒子(1−
1)に対して1重量%用いた以外は、実施例1−1と同
様にして、比較表面処理粒子(1−1)を製造した。次
に、原料粒子として比較表面処理粒子(1−1)を用
い、熱可塑性樹脂としてメチルメタクリレート−2−エ
チルヘキシルアクリレート(60/40重量比)の比較
共重合体(1−1)を用いる以外は、実施例1−1と同
様にして、比較接着性スペーサー(1−1)を得た。な
お、比較表面処理粒子(1−1)のブローオフ帯電量は
負値で、比較共重合体(1−1)のブローオフ帯電量も
負値であり、これらのブローオフ帯電量の差の絶対値は
78μC/gであった。
【0107】得られた比較接着性スペーサー(1−1)
を用いて、実施例1−1と同様にして、比較液晶セル
(1−1)および13インチのTFT液晶表示板である
比較液晶表示板(1−1)を作製した。実施例1−1と
同様にして、電圧保持率(50℃、500時間後)を測
定し、液晶表示板の駆動安定性および液晶の配向特性を
評価した。電圧保持率(50℃、500時間後)は、8
0%に低下した。比較液晶表示板(1−1)に所定電圧
を印加しても表示されず、液晶の配向特性(プレチルト
角)の低下が認められた。
【0108】<比較例1−2>実施例1−5において、
原料粒子として実施例1−5で用いたものと同様のジビ
ニルベンゼン−ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート−N,N−ジメチル−2−アミノエチルメタクリレ
ートの比較架橋重合体粒子(1−2)を用い、熱可塑性
樹脂としてスチレン−ブチルアクリレート−N,N−ジ
メチル−2−アミノエチルメタクリレート(30/40
/30重量比)の比較共重合体(1−2)を用いる以外
は、実施例1−5と同様にして、比較接着性スペーサー
(1−2)を得た。なお、比較架橋重合体粒子(1−
2)のブローオフ帯電量は正値で、比較共重合体(1−
2)のブローオフ帯電量も正値であり、これらのブロー
オフ帯電量の差の絶対値は41μC/gであった。
【0109】得られた比較接着性スペーサー(1−2)
を用いて、実施例1−1と同様にして、比較液晶セル
(1−2)および13インチのTFT液晶表示板である
比較液晶表示板(1−2)を作製した。実施例1−1と
同様にして、電圧保持率(50℃、500時間後)を測
定し、液晶表示板の駆動安定性および液晶の配向特性を
評価した。電圧保持率(50℃、500時間後)は、5
9%に低下した。比較液晶表示板(1−2)に所定電圧
を印加しても表示されず、液晶の配向特性(プレチルト
角)の低下が認められた。
【0110】<比較例1−3>実施例1−3において、
表面処理剤として用いた3−アミノプロピルトリメトキ
シシランの量を、複合体粒子(1−1)に対して1重量
%に変更する以外は、実施例1−3と同様にして、原料
粒子である比較表面処理粒子(1−3)を得た。
【0111】次いで、実施例1−7において、表面処理
粒子(1−3)の代わりに比較表面処理粒子(1−3)
を用い、熱可塑性樹脂としてのメチルメタクリレート−
スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート−グリシジ
ルメタクリレート(10/30/50/10重量比)の
比較共重合体(1−3)を用いる以外は、実施例1−7
と同様にして、比較接着性スペーサー(1−3)を得
た。なお、比較表面処理粒子(1−3)のブローオフ帯
電量は負値で、比較共重合体(1−3)のブローオフ帯
電量も負値であり、これらのブローオフ帯電量の差の絶
対値は65μC/gであった。
【0112】得られた比較接着性スペーサー(1−3)
を用いて、実施例1−1と同様にして、比較液晶セル
(1−3)および13インチのTFT液晶表示板である
比較液晶表示板(1−3)を作製した。実施例1−1と
同様にして、電圧保持率(50℃、500時間後)を測
定し、液晶表示板の駆動安定性および液晶の配向特性を
評価した。電圧保持率(50℃、500時間後)は、7
5%に低下した。比較液晶表示板(1−3)に所定電圧
を印加しても表示されず、液晶の配向特性(プレチルト
角)の低下が認められた。
【0113】次に、実施例2−1〜2−4および比較例
2−1〜2−2について述べるが、これに先立ち、スペ
ーサーの接着層に用いる熱可塑性樹脂粉末の合成例につ
いて説明する。<合成例2−1〜2−4>表5に記載し
た重合方法で4種類の熱可塑性樹脂粉末(2−1)〜
(2−4)を合成した。それぞれの溶融温度、コロナ帯
電5分後の帯電保持率、平均粒子径を、表5に併せて記
載した。熱可塑性樹脂粉末(2−1)〜(2−4)は、
いずれも、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂粉末であ
る。
【0114】
【表5】
【0115】<実施例2−1>γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランおよびビニルトリメトキシシラ
ン(45/55重量比)を使用して、アルコキシシリル
基の共加水分解・重縮合と、二重結合のラジカル重合を
行うことにより、白色の有機質無機質複合体粒子(2−
1)を得た。
【0116】この複合体粒子(2−1)は、平均粒子径
5.0μm、粒子径の変動係数3.5%、ポリシロキサ
ン骨格の割合が、複合体粒子(2−1)の重量に対し
て、SiO2 換算量で54wt%(空気中1000℃で
焼成した場合)であった。次に、複合体粒子(2−1)
をトルエン−メタノール中に分散させた複合体粒子分散
体(2−1)に対して、複合体粒子(2−1)に対して
20重量%の3−アミノプロピルトリエトキシシランを
添加し、65℃で加熱混合した。この混合物を冷却後、
混合物中に含まれるトルエンおよびメタノールをエバポ
レーターを用いて加熱しながら留去した。得られた残留
物を150℃で2時間真空乾燥した後、トルエンおよび
メタノールで数回洗浄し、この残留物を濾過、乾燥し、
解砕を行って、表面にアミノ基を有するアミノ基含有粒
子(2−1)を得た。このアミノ基含有粒子(2−1)
の平均粒子径は5.0μm、粒子径の変動係数は3.7
%であった。
【0117】次に、原料粒子としてのアミノ基含有粒子
(2−1)35gと、熱可塑性樹脂の粉末としての熱可
塑性樹脂粉末(2−1)5gとを混合した。なお、熱可
塑性樹脂粉末(2−1)としては表5に示したものを用
いた。混合後、奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼ
ーションシステムNHS−0型を使用し、高速気流中衝
撃法によりアミノ基含有粒子(2−1)の表面を、メチ
ルメタクリレート−スチレン−2−エチルヘキシルアク
リレートの共重合体で被覆処理することにより、接着性
スペーサー(2−1)を得た。
【0118】この接着性スペーサー(2−1)をスペー
サーとして用いて、液晶セル(2−1)を作製し、50
℃、500時間後の電圧保持率を測定したところ、97
%であり、電圧保持率の低下は認められなかった。次
に、13インチのTFT液晶表示板である液晶表示板
(2−1)を作製した。液晶表示板(2−1)に所定電
圧を印加したところ、液晶表示板の駆動安定性は長期間
安定であり、液晶の配向特性も良好レベルであった。
【0119】液晶表示板(2−1)を、X軸、Y軸およ
びZ軸方向に、それぞれ1時間ずつ2Gの加速度をかけ
ながら振動させた。振動後の面内ギャップ均一性は良好
であり、スペーサーの移動によって配向膜が傷つけられ
ることに起因した光抜けの増大や、スペーサー周囲の光
抜けの増大は、認められず、光抜けの程度は、いずれ
も、振動前と同等であった。これらの結果は表6にも記
載した。
【0120】<実施例2−2>実施例2−1において、
3−アミノプロピルトリエトキシシランの代わりにN−
フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用
いた以外は、実施例2−1と同様にしてアミノ基含有粒
子(2−2)を製造した。このアミノ基含有粒子(2−
2)の平均粒子径は5.0μm、粒子径の変動係数は
3.6%であった。
【0121】得られたアミノ基含有粒子(2−2)35
gと、表5に示す熱可塑性樹脂粉末(2−2)5gとを
用い、実施例2−1と同様にして高速気流中衝撃法を行
い、接着性スペーサー(2−2)を得た。得られた接着
性スペーサー(2−2)を用いて、実施例2−1と同様
にして、液晶セル(2−2)および13インチのTFT
液晶表示板である液晶表示板(2−2)を作製した。実
施例2−1と同様にして、電圧保持率(50℃、500
時間後)を測定し、駆動安定性および液晶の配向特性
や、振動付与した後の面内ギャップ均一性、配向膜が傷
つけられることに起因した光抜けおよびスペーサー周囲
の光抜けを評価した。これらの結果を表6に記載した。
【0122】<実施例2−3>実施例2−1において、
原料粒子としてスチレン−ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート−2−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト(20/70/10重量比、平均粒子径5.0μm、
粒子径の変動係数4.5%)のビニル系架橋重合体粒子
35gを用い、熱可塑性樹脂の粉末として表6に示した
熱可塑性樹脂粉末(2−3)5gを用いる以外は、実施
例2−1と同様にして、接着性スペーサー(2−3)を
製造した。
【0123】得られた接着性スペーサー(2−3)を用
いて、実施例2−1と同様にして、液晶セル(2−3)
および13インチのTFT液晶表示板である液晶表示板
(2−3)を作製した。実施例2−1と同様にして、電
圧保持率(50℃、500時間後)を測定し、駆動安定
性および液晶の配向特性や、振動付与した後の面内ギャ
ップ均一性、配向膜が傷つけられることに起因した光抜
けおよびスペーサー周囲の光抜けを評価した。これらの
結果を表6に記載した。
【0124】<実施例2−4>ジビニルベンゼン重合体
架橋粒子(平均粒子径4.8μm、粒子径の変動係数
4.5%)表面に3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ンの加水分解・縮合物をコーティングし、粒子の表面に
硬化被膜が形成されたアミノ基含有粒子(2−4)を製
造した。アミノ基含有粒子(2−4)の平均粒子径は
5.0μm、粒子径の変動係数は4.8%であった。
【0125】得られたアミノ基含有粒子(2−4)35
gと、表5に示す熱可塑性樹脂粉末(2−1)5gとを
用い、実施例2−1と同様にして高速気流中衝撃法を行
い、接着性スペーサー(2−4)を得た。得られた接着
性スペーサー(2−4)を用いて、実施例2−1と同様
にして、液晶セル(2−4)および13インチのTFT
液晶表示板である液晶表示板(2−4)を作製した。実
施例2−1と同様にして、電圧保持率(50℃、500
時間後)を測定し、駆動安定性および液晶の配向特性
や、振動付与した後の面内ギャップ均一性、配向膜が傷
つけられることに起因した光抜けおよびスペーサー周囲
の光抜けを評価した。これらの結果を表6に記載した。
【0126】<比較例2−1>原料粒子として実施例2
−4で用いたジビニルベンゼン重合体架橋粒子(3−ア
ミノプロピルトリメトキシシランの硬化被膜がないも
の)を用いた以外は、実施例2−1と同様にして、比較
接着性スペーサー(2−1)を得た。得られた比較接着
性スペーサー(2−1)を用いて、実施例2−1と同様
にして、比較液晶セル(2−1)および13インチのT
FT液晶表示板である比較液晶表示板(2−1)を作製
した。実施例2−1と同様にして、電圧保持率(50
℃、500時間後)を測定し、液晶表示板の駆動安定性
および液晶の配向特性や、振動付与した後の面内ギャッ
プ均一性、配向膜が傷つけられることに起因した光抜け
およびスペーサー周囲の光抜けを評価した。これらの結
果を表6に記載した。
【0127】<比較例2−2>原料粒子として実施例2
−4で用いたアミノ基含有粒子(2−4)を用い、熱可
塑性樹脂の粉末として表5に示す熱可塑性樹脂粉末(2
−4)を用い、実施例2−1と同様にして高速気流中衝
撃法を行い、比較接着性スペーサー(2−2)を得た。
【0128】得られた比較接着性スペーサー(2−2)
を用いて、実施例2−1と同様にして、比較液晶セル
(2−2)および13インチのTFT液晶表示板である
比較液晶表示板(2−2)を作製した。実施例2−1と
同様にして、電圧保持率(50℃、500時間後)を測
定し、液晶表示板の駆動安定性および液晶の配向特性
や、振動付与した後の面内ギャップ均一性、配向膜が傷
つけられることに起因した光抜けおよびスペーサー周囲
の光抜けを評価した。これらの結果を表6に記載した。
【0129】
【表6】
【0130】
【発明の効果】本発明にかかる、第1および第2の液晶
表示板用接着性スペーサーは、熱可塑性樹脂に由来する
不純物の液晶への溶出を抑制することができ、液晶表示
板の電圧保持率を高め、しかも、駆動安定性と液晶配向
特性を良くする。本発明にかかる液晶表示板用の接着性
スペーサーの製造方法は、上記第1、第2の接着性スペ
ーサーを簡便かつ効率よく得させることができる。
【0131】本発明にかかる液晶表示板は、上記第1ま
たは第2の接着性スペーサーを電極基板間に介在させて
いるため、電圧保持率が高く、しかも、駆動安定性と液
晶配向特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるコロナ帯電特性を測定する装置
の縦断面概略図である。
【図2】図1に示す装置の搬送機構の平面部分図であ
る。
【図3】図1に示す装置の制御部のブロック図である。
【図4】図1に示す装置の動作説明図である。
【図5】図1に示す装置で、スペーサー粒子を入れるセ
ルの平面図および断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若槻 伸治 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (72)発明者 鳥渕 浩伸 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (72)発明者 倉本 成史 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒内 (56)参考文献 特開 平9−244032(JP,A) 特開 平5−188384(JP,A) 特開 平8−278506(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1339

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子本体表面の少なくとも一部に熱可塑性
    樹脂を付着させてなる接着性スペーサー(但し、熱可塑
    性樹脂が化学反応して結合してなる接着性スペーサーは
    除く)において、前記粒子本体は、その表面にアミノ基
    を含有するビニル系架橋重合体粒子または有機質無機質
    複合体粒子であって、前記熱可塑性樹脂コロナ帯電5
    分後の帯電保持率が40%以上であることを特徴とす
    る、液晶表示板用の接着性スペーサー。
  2. 【請求項2】粒子本体となる原料粒子の表面の少なくと
    も一部に熱可塑性樹脂を付着させる接着性スペーサー
    (但し、熱可塑性樹脂が化学反応して結合してなる接着
    性スペーサーは除く)の製造方法において、前記原料粒
    子として、ビニル系架橋重合体粒子または有機質無機質
    複合体粒子であって、その表面にアミノ基を含有する原
    料粒子を用いるとともに、前記熱可塑性樹脂の粉末とし
    てそのコロナ帯電5分後の帯電保持率が40%以上であ
    る熱可塑性樹脂の粉末を用い、前記原料粒子と前記熱可
    塑性樹脂の粉末を含む混合物に衝撃力を与えることによ
    り、前記熱可塑性樹脂の付着を行うことを特徴とする、
    液晶表示板用の接着性スペーサーの製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性樹脂の粉末が、ソープフリー
    重合で得られる樹脂粉末である、請求項に記載の液晶
    表示板用の接着性スペーサーの製造方法。
  4. 【請求項4】電極基板間に介在させるスペーサーとし
    て、請求項1に記載の接着性スペーサーが用いられてな
    る液晶表示板。
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