JP3396682B1 - 汚泥濃縮装置 - Google Patents

汚泥濃縮装置

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JP3396682B1
JP3396682B1 JP2002137453A JP2002137453A JP3396682B1 JP 3396682 B1 JP3396682 B1 JP 3396682B1 JP 2002137453 A JP2002137453 A JP 2002137453A JP 2002137453 A JP2002137453 A JP 2002137453A JP 3396682 B1 JP3396682 B1 JP 3396682B1
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Abstract

【要約】 【課題】 下水処理場において発生する汚泥を、汚泥の
性状に依存せず、大量に且つ効率よく固液分離・濃縮処
理することができる。 【解決手段】 汚泥を貯留する汚泥槽8と、上下部ロー
ラ16、17間を周回する無端ベルト状ろ布18を備
え、少なくとも最下段のローラ16が前記汚泥に浸漬さ
れるろ過手段15と、ろ布18の洗浄手段と、ろ布18
に密接したろ液導入口14と堰13とを有するろ液室1
1とを備え、汚泥槽8への汚泥導入手段としての汚泥分
配槽23がろ液導入口14の上端部近傍に設けられ、汚
泥槽8からの濃縮汚泥排出手段としての濃縮汚泥排出槽
25が、ろ布18を挟んで汚泥導入手段とほぼ対向する
位置に設けられた汚泥濃縮装置において、汚泥槽8内に
供給される汚泥をろ布18の幅方向に均一に供給する汚
泥均一供給手段としての整流器29を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、汚泥濃縮装置、
特に、例えば、下水処理場において発生する汚泥を、汚
泥の性状に依存せず、大量に且つ効率よく固液分離・濃
縮処理することができる汚泥濃縮装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般の下水処理場における汚泥濃縮方法
を、図面を参照しながら説明する。
【0003】図12は、下水処理場における汚泥濃縮方
法を示すフロー図である。
【0004】図12に示すように、最初沈殿池1に流入
した下水は、ここで重力沈降処理によって固液分離され
る。次いで、沈降処理後の上澄水は、反応タンク2に供
給され、ここで活性汚泥濃縮される。このようにして活
性汚泥濃縮された下水は、最終沈殿池3に供給され、こ
こで再度、重力沈降処理によって固液分離される。この
ようにして最終沈殿池3で得られた上澄水は滅菌槽4に
供給され、ここで滅菌処理される。そして、このように
滅菌処理された下水の処理水は、河川、湖沼あるいは海
域に放流される。
【0005】一方、最初沈殿池1における沈降汚泥と最
終沈殿池3における余剰汚泥は、通常、混合される。こ
のようにして混合された混合汚泥は、汚泥濃縮槽5に供
給される。汚泥濃縮槽5に供給される混合汚泥の固形分
濃度は、通常、1%前後である。混合汚泥は、汚泥濃縮
槽5において重力沈降によって濃縮処理される。これに
よって、2から3%程度の固形分濃度の濃縮汚泥が得ら
れる。このようにして得られた濃縮汚泥は、汚泥貯留槽
6に貯留される。そして、汚泥貯留槽6に貯留された汚
泥は、脱水機7によって脱水される。このようにして脱
水ケーキが得られる。
【0006】上述のように、一般の下水処理場におい
て、流入下水および汚泥混合液(以下、汚泥という)の
固液分離・濃縮処理には、重力沈降が用いられている。
即ち、流入下水は、最初沈殿池1において重力沈降によ
って固液分離され、反応タンク2において活性汚泥濃縮
された下水は、最終沈殿池3において重力沈降によって
固液分離され、そして、混合汚泥は、汚泥濃縮槽5にお
いて重力沈降によって濃縮処理されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した、重力沈降に
よる汚泥濃縮方法は、電力の消費が少ないことから、処
理費用が安価で済むといった利点を有している。しかし
ながら、重力沈降による汚泥濃縮装置は、その設置面積
が大きく、しかも装置の処理能力が汚泥の性状や水温に
大きく左右されるといった問題を有していた。
【0008】特に、近年、汚泥中の有機分の増加あるい
は汚泥の集約処理化にともなう長距離輸送された汚泥の
腐敗などの原因によって、汚泥の沈降性が悪化してい
る。この結果、汚泥の集約処理を行っている下水処理場
の汚泥濃縮槽においては、重力沈降による汚泥濃縮によ
ってコンスタントに固形分濃度で2%以上の濃縮汚泥を
確保することが困難となっているのが現状である。
【0009】所定の濃度の濃縮汚泥が得られない場合、
後段の脱水処理設備に供給される汚泥混合液量が大とな
るため、脱水機の安定運転が困難となるばかりでなく、
過剰の脱水処理設備を要することとなる。
【0010】このような問題点を解決するために、最近
は、遠心分離機等の機械濃縮装置が採用されつつある
が、この方法は、電力の消費が大きいため経済的に不利
である。
【0011】一方、公共用水域の富栄養化防止を図るた
めに、積極的な採用が検討されている窒素・リン除去等
の高度処理方法においては、反応速度をより大きくする
ために、反応タンクは、標準活性汚泥法の場合より固形
分濃度の高い状態で運転されるケースが多い。従って、
反応タンクから流出する高濃度の汚泥混合液を固液分離
処理することが必要となる。特に、大都市においては、
既に標準活性汚泥法に対応した最終沈殿池が数多く稼働
中であるので、高度処理を採用するためには、図12の
最終沈殿池3を代替できるか、あるいは、これを補完す
ることができる新たな汚泥濃縮手段の開発が必要であ
る。
【0012】このように、重力沈降によらず、汚泥を確
実に分離・濃縮する技術への必要性は、近年、大となっ
ている。
【0013】上述した観点から本発明者等は、特開平1
1−216312号、特開2000−5506、特開2
000−262817に開示されている汚泥濃縮装置を
開発した。
【0014】本発明者等は、上記従来汚泥濃縮装置につ
いてさらに検討を行ったところ、凝集剤を添加した後、
凝集フロックを緩やかに移送し、ろ布幅方向に均一に供
給することによって、汚泥の固液分離・濃縮処理性能を
飛躍的に向上させ得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0015】即ち、この発明の目的は、上記従来汚泥濃
縮装置を用いて汚泥を処理するに際して、汚泥の性状に
依存せず大量にかつ効率良く固液分離・濃縮処理するこ
とができる汚泥濃縮装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
汚泥を貯留する汚泥槽と、複数のローラ間を周回する無
端ベルト状ろ布を備え、少なくとも最下段の前記ローラ
が前記汚泥に浸漬されるろ過手段と、前記ろ布の洗浄手
段と、前記ろ布に密接したろ液導入口と液位を一定に保
持する手段とを有するろ液室とを備え、前記汚泥槽への
汚泥導入手段が前記ろ液導入口の上端部近傍に設けら
れ、前記汚泥槽からの濃縮汚泥排出手段が、前記ろ布を
挟んで前記汚泥導入手段とほぼ対向する位置に設けられ
ていることに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、汚泥槽内に供給される汚泥に凝集剤を添加
する凝集剤添加手段と、酸を添加する酸添加手段とを具
備することに特徴を有するものである。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、酸が硫酸であり、無機凝集剤がポリ硫酸第
二鉄であることに特徴を有するものである。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
何れか1つに記載の発明において、汚泥槽内に供給され
る汚泥を、前記ろ布の幅方向に均一に供給する汚泥均一
供給手段を具備することに特徴を有するものである。
【0020】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、汚泥均一供給手段は、もぐり堰および整流
器の少なくとも1つを具備することに特徴を有するもの
である。
【0021】請求項6記載の発明は、請求項1から5の
何れか1つに記載の発明において、汚泥槽の汚泥供給側
内壁面とろ布外面との距離に対して、汚泥槽の濃縮汚泥
排出側内壁面と前記ろ布外面との距離が小さいことに特
徴を有するものである。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項1から6の
何れか1つに記載の発明において、汚泥槽内の濃縮汚泥
と濃縮汚泥に含まれるし渣とを滞留させることなく、汚
泥槽の幅方向に亘って均一に汚泥槽内から排出させる汚
泥均一排出手段を具備することに特徴を有するものであ
る。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、汚泥均一排出手段は、濃縮汚泥排出手段の
出側堰の下流側に設けられ、ローラおよびし渣剥離手段
を具備することに特徴を有するものである。
【0024】請求項9記載の発明は、請求項1から8の
何れか1つに記載の発明において、洗浄手段は、単一ま
たは複数本のヘッダ管に互いに千鳥状に配列された複数
の洗浄スプレーノズルを具備していることに特徴を有す
るものである。
【0025】請求項10記載の発明は、請求項1から9
の何れか1つに記載の発明において、洗浄手段は、揺動
自在であることに特徴を有するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の汚泥濃縮装置
を示すろ布下降側からの斜視図、図2は、この発明の汚
泥濃縮装置を示すろ布上昇側からの斜視図、図3は、こ
の発明の汚泥濃縮装置を示す断面図、図4は、ろ液室を
汚泥槽内に設けた、この発明の汚泥濃縮装置を示すろ布
下降側からの斜視図、図5は、汚泥均一排出手段を具備
するこの発明の汚泥濃縮装置を示すろ布上昇側からの斜
視図、図6は、汚泥均一排出手段を具備する、この発明
の汚泥濃縮装置を示す断面図、図7は、千鳥状に配列さ
れた洗浄スプレーノズルを具備する、この発明の汚泥濃
縮装置を示す断面図、図8は、千鳥状に配された洗浄ス
プレーノズルを有する洗浄手段を示す平面図、図9は、
千鳥状に配された洗浄スプレーノズルを有する洗浄手段
を示す斜視図、図10は、揺動可能な洗浄スプレーノズ
ルを有する洗浄手段を示す平面図、図11は、揺動可能
な洗浄スプレーノズルを有する洗浄手段を示す斜視図で
ある。
【0027】図1から図7において、8は、汚泥供給管
9および濃縮汚泥排出管10を有する汚泥槽である。汚
泥は、汚泥供給管9から後述する入側堰を介して汚泥槽
8内に供給される。
【0028】11は、汚泥槽8内に設けられたろ液室で
ある。汚泥槽8の外側には、出側室11Aがろ液室11
と一体に形成されていて、出側室11Aには、ろ液排出
管12が設けられている。ろ液室11の対向する側壁の
各々には、汚泥槽8に連通するろ液導入口14が形成さ
れている。汚泥槽8内の汚泥液面レベルは、ろ液室11
内の液位より、常時、上になるように、汚泥槽8内への
汚泥の供給およびろ液の排出が調整される。これは、汚
泥槽8内の汚泥を後述するろ過手段を介してろ液導入口
14からろ液室11内に自然流下させてろ過するためで
ある。汚泥槽8内の汚泥液面レベルとろ液室11内の液
位との差を調整することによって、ろ過圧力の調整を行
うことができる。ろ液室11の出側室11Aとの境界に
は、ろ液室11内の液位を常時一定に保持する手段とし
ての堰13が設けられている。
【0029】汚泥のろ過効率をさらに向上させるため
に、汚泥槽8内にろ液室11を複数個形成しても良い。
ろ液室11を複数個形成する場合には、各ろ液室11に
ろ液導入口14を少なくとも一つ形成する。ろ液導入口
14の形状は、特に限定しないが、強度上、格子状に形
成することが好ましい。
【0030】なお、図4に示すように、ろ液室11を完
全に汚泥槽8内に設けても良い。この場合、ろ液室11
内の液位を常時一定に保持する手段としては、図示のよ
うに、ろ液排出管12をろ液室11内に延長して垂直に
配し、先端にテレスコピック弁を設けた立ち上げ管12
Aを採用することができる。このように、ろ液室11A
を汚泥槽8内に完全に設けることにより汚泥濃縮装置を
小型化することができる。
【0031】15は、下部が汚泥槽8内に浸漬されたろ
過手段である。ろ過手段15は、汚泥槽8供給された汚
泥をろ過するものであり、ろ液導入口14を被覆しなが
ら下部ローラ16と上部ローラ17との間を駆動手段2
7によって垂直方向にエンドレスに周回する無端ベルト
状ろ布18を有している。ろ布18は、ポリエステル
製、ポリプロピレン製等のもので、ろ液導入口14を被
覆しながら一方向に且つ連続的に周回する。
【0032】23は、汚泥導入手段としてのテーパ状に
拡大させた形状の汚泥分配槽である。汚泥分配槽23
は、ろ布下降側の汚泥槽8の側壁に設けられている。汚
泥分配槽23内には、汚泥均一供給手段が設けられてい
る。汚泥均一供給手段は、汚泥分配槽23の汚泥流出口
に設けられた入側堰28と整流器29とからなってい
る。入側堰28は、凝集された汚泥の凝集状態を保持す
るようにもぐり堰となっている。整流器29は、平滑な
汚泥供給を行なうために円筒状に形成されている。汚泥
均一供給手段によって、汚泥供給管9から供給される汚
泥は、汚泥槽8内のろ布18の幅方向に対して均等に供
給される。
【0033】24は、ろ布18に付着した固形分を除去
するための固形分剥離手段である。固形分剥離手段24
は、汚泥槽8内の汚泥液面より上に設置されており、上
昇するろ布18に付着した固形分を逐次剥離させる。固
形分剥離手段24としては、スクレーパーによってろ布
18に付着した汚泥ケーキを掻き取る構造の、スクレー
パーによる剥離手段が最も好ましいが、他に、ろ布18
に向けて空気を噴射させてろ布18に付着した汚泥ケー
キを除去する構造の、空気による剥離手段、機械的もし
くは超音波によってろ布18を振動させ、これによって
ろ布18に付着した汚泥ケーキを剥離する構造の、振動
による剥離手段などを用いることもできる。剥離した固
形分は、汚泥槽8内に落下し、前記出側堰を介して、濃
縮汚泥排出管10から回収される。
【0034】19は、ろ布18を洗浄するためのノズル
式洗浄手段である。洗浄手段19は、汚泥槽8内のろ布
上昇側の汚泥液面上で固形分剥離手段24の上方に設け
られ、固形分剥離手段24で剥離できなかった固形分を
さらに除去する。洗浄手段19は、ろ布18に向けて水
を噴射させてろ布18に付着した汚泥ケーキを除去する
構造の、水による洗浄手段が好ましい。洗浄手段19に
よって発生する洗浄排水は、洗浄排水回収手段26によ
って回収される。
【0035】洗浄排水回収手段26は、上天板が開口し
た箱型の受槽によって構成され、この受槽中もしくは受
槽上部に洗浄手段19を設けて、洗浄排水を集水するも
のである。集水した洗浄排水は、ろ布下降側の汚泥槽8
に返送され、再度、ろ過される。
【0036】洗浄手段19は、ろ布18の表裏面を洗浄
可能にすると共に、洗浄むらを防止する構造にする必要
がある。このような構造の洗浄手段19としては、例え
ば、図8および図9に示すように、複数の洗浄スプレー
ノズル19Aが間隔をあけて取り付けられた1本のヘッ
ダ管19Bをろ布18の内側に水平(ろ布幅方向)に配
し、ろ布18の外側にそれぞれ複数本の洗浄スプレーノ
ズル19Cが間隔をあけて取り付けられた2本のヘッダ
管19Dを水平(ろ布幅方向)に配し、隣接する外側ヘ
ッダ管19Dの洗浄スプレーノズル19Cを互いに千鳥
状に配列したものがある。なお、内側ヘッダ管19Bを
複数本配し、スプレーノズル19Aを千鳥状に配列して
も、あるいは、内外両側のスプレーノズル19A、19
Cを千鳥状に配列しても良い。なお、一本のヘッダ管1
9Bに複数のスプレーノズル19Aを千鳥状に配列して
も良い。
【0037】この他、図10および図11に示すよう
に、外側ヘッダ管19Dを水平方向(ろ布幅方向)に揺
動させても良い。この場合も内側ヘッダ管19Bあるい
は内外両側のヘッダ管19B、19Dを揺動させても良
い。
【0038】25は、濃縮汚泥排出手段としての濃縮汚
泥排出槽であり、濃縮汚泥排出管10を有している。濃
縮汚泥排出槽25は、汚泥槽8内で濃縮された濃縮汚泥
を回収するための出側堰30を有している。出側堰30
をろ布上昇側の汚泥槽8の側面に、汚泥槽8内に向けて
突出して設置すれば、自然流下によって濃縮汚泥をろ布
18の幅方向に対して均等に回収できる。出側堰30を
汚泥槽8内に向けて突出させれば、固形分剥離手段24
によって剥離した固形分は、出側堰30上に落下し、濃
縮汚泥と共に回収される。
【0039】濃縮汚泥排出槽25内に汚泥均一排出手段
を設けると良い。図5および図6に示すように、汚泥均
一排出手段は、ローラ31とこれに付着したし渣を剥離
するし渣剥離手段としてのスクレーパー32とからなっ
ている。汚泥均一排出手段は、出側堰30から排出され
る濃縮廃液中に混在するし渣が出側堰30に付着して濃
縮廃液の排出の妨げにならないように、し渣を濃縮廃液
と同時に強制排出する。濃縮廃液は、高濃度の場合、流
動性が低いので、汚泥槽8の幅方向に亘って汚泥槽8か
ら均一に排出させる必要性がある。従って、汚泥均一排
出手段のローラ31は、出側堰30と平行に水平に取り
付けられている。ローラ31は、駆動手段33によりま
たは駆動手段27と連動して回転するようになってい
る。
【0040】21は、一対の緊張ローラ20からなるろ
布緊張手段であり、ろ布18に適当な張力を付与する。
ろ布18は、長期連続走行によって伸びが生じることが
あるので、ろ布緊張手段21によって、常時、適正張力
をろ布18に付与する。ろ布緊張手段21としては、エ
アーシリンダを用いた手段が最も好ましい。この方式に
よれば、ろ布18を常に一定の力で緊張させることがで
きる上に、張力を検知する手段を設ければ、ろ布18の
破断時の緊急停止措置が行える。
【0041】ろ布18の蛇行防止手段を設ければ、さら
に安定したろ布18の移動を維持できる。蛇行防止手段
としては、繊維、紙等の字度巻取りも一般的に使用され
ているニップ圧式蛇行修正装置が好ましい。これは、ろ
布18の左右両側にニップ圧式の蛇行修正装置を一対は
位置し、左右それぞれのニップによってろ布18がその
端部方向に引張られるようにしておき、ろ布18が何ら
かの原因により蛇行して、どちらかに片寄った場合に、
片寄った側のニップ圧を緩めて、ろ布18を常時、中央
部に修正するものである。
【0042】22は、ろ液導入口14をシールするため
のシール手段である。通常、ろ液導入口14は、ろ布1
8によって被覆されているが、ろ布18の幅方向端部に
おいてはろ布を介さないで、汚泥がろ液室11に直接混
入する場合があるため、シール手段22によってこれを
防止する。シール手段22としては、ろ布18の幅方向
端部とろ液導入口14との境目とを、樹脂製の板によっ
てろ布走行が妨げられない程度に押し当てるものが好ま
しい。
【0043】以上のように構成されている、この発明の
汚泥濃縮装置による汚泥濃縮方法を、図12の汚泥濃縮
装置を汚泥濃縮槽5に代替した場合を例にあげて説明す
る。
【0044】混合汚泥が汚泥槽8に流入すると、混合汚
泥中の固形分は、連続的に走行しているろ布18によっ
てろ過され、ろ液は、ろ液導入口14からろ液室11内
に自然流入する。
【0045】ろ布18は、ろ液導入口14を被覆しなが
ら走行するのに加えて、シール手段22が設けてあるの
で、汚泥槽8内の混合汚泥が直接ろ液室11内に流入す
る恐れはない。これによって、汚泥槽8内の混合汚泥が
ろ布下降側からろ布上昇側へ向かって逐次濃縮される。
【0046】このようにして濃縮された汚泥は、ろ布上
昇側の汚泥槽8に設けた出側堰30を通って濃縮汚泥排
出管10から汚泥槽8外に排出される。一方、ろ液室1
1内に流入したろ液は、図1の場合には、堰13を通っ
て、また、図4の場合には、立ち上げ管12Aを通っ
て、ろ液排出管12からろ液室11外に排出され、それ
ぞれ回収される。何れの場合にも、ろ液室11内のろ液
レベルは、堰13あるいは立ち上げ管12Aによって常
時、一定液位に保持される。
【0047】ろ過の進行に伴って、ろ布18には汚泥ケ
ーキが付着し、蓄積するが、この汚泥ケーキは、固形分
剥離手段24によって逐次剥離され、出側堰30から汚
泥槽8外に排出され、濃縮汚泥と共に回収される。固形
分剥離手段24によって付着した汚泥ケーキの大部分は
剥離するが、剥離されなかった汚泥ケーキは、洗浄手段
19によって逐次除去され、再生される。従って、ろ布
18のろ過効率が低下することはなく、ろ過手段15
は、常時、安定運転される。
【0048】図3に示すように、汚泥槽8の汚泥供給側
内壁面とろ布18外面との距離に対して、汚泥槽8の濃
縮汚泥排出側内壁面とろ布18外面との距離を1/3か
ら1/5に小さくすることによって、高濃度の濃縮汚泥
であっても安定して排出できる。
【0049】また、洗浄手段19によって発生する洗浄
排水は、洗浄排水回収手段26によって集水されるの
で、ろ布上昇側の汚泥槽8内に洗浄排水が混入してろ布
上昇側の濃縮汚泥が希釈される恐れはない。洗浄排水回
収手段26によって集水された洗浄排水は、ろ布上昇側
の汚泥槽に返送され、再度ろ過される。
【0050】混合汚泥に凝集剤を添加して処理する場合
は、凝集剤を添加しないで処理する場合に比べてろ液の
清澄性が高いため、洗浄手段19に水を用いる場合、洗
浄水としてろ液室11内のろ液を使用することができ
る。このようにろ液室11内のろ液を使用すれば、処理
水の増加を防止することができる。
【0051】ろ布18の連続走行については、ろ布緊張
手段21とろ布蛇行防止手段とが設けてあるので、ろ布
18に伸びが生じた場合も、ろ布18が空転したり蛇行
することはなく、長期間の安定運転が行える。また、ろ
布が破断した場合も、装置を緊急停止できるなど、実用
上のメリットが大きい。
【0052】装置の自動制御については、汚泥濃縮装置
に供給する混合汚泥に対して、その固形分濃度を検出す
る手段と供給量を検出する手段とを設け、さらに、ろ液
室11より排出されるろ液に対してその固形分濃度およ
び排出量を検出する手段とを設ければ、ろ布走行速度も
しくは汚泥供給量を制御することによって、濃縮汚泥の
固形分濃度を一定とする連続処理が可能となり、次の脱
水工程での脱水処理操作が容易となる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、以下
のような有用な効果がもたらされる。
【0054】 下水処理場の汚泥等を大量且つ連続的
に固液分離・濃縮処理できるため、重力濃縮設備や遠心
濃縮等の従来の機械濃縮設備の代替として適用できる。
【0055】 設置面積当たりの処理能力が大きく、
さらに消費電力が小さいので、従来の重力濃縮設備代替
として適用した場合は、従来の設置面積を大幅に縮小で
き、従来の遠心濃縮設備代替として適用した場合は、従
来の処理コストを大幅に削減できる。
【0056】 従来の機械濃縮設備の場合と比べて、
ろ液の固形分濃度およびリン濃度を大幅に低減できる。
【0057】 汚泥の性状に依存せず、安定した濃縮
汚泥濃度が得られるので、後段の脱水処理での脱水機の
安定運転が可能となるばかりでなく、脱水処理設備を縮
小できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の汚泥濃縮装置を示すろ布下降側から
の斜視図である。
【図2】この発明の汚泥濃縮装置を示すろ布上昇側から
の斜視図である。
【図3】この発明の汚泥濃縮装置を示す断面図である。
【図4】ろ液室を汚泥槽内に設けた、この発明の汚泥濃
縮装置を示すろ布下降側からの斜視図である。
【図5】汚泥均一排出手段を具備するこの発明の汚泥濃
縮装置を示すろ布上昇側からの斜視図である。
【図6】汚泥均一排出手段を具備する、この発明の汚泥
濃縮装置を示す断面図である。
【図7】千鳥状に配列された洗浄スプレーノズルを具備
する、この発明の汚泥濃縮装置を示す断面図である。
【図8】千鳥状に配された洗浄スプレーノズルを有する
洗浄手段を示す平面図である。
【図9】千鳥状に配された洗浄スプレーノズルを有する
洗浄手段を示す斜視図である。
【図10】揺動可能な洗浄スプレーノズルを有する洗浄
手段を示す平面図である。
【図11】揺動可能な洗浄スプレーノズルを有する洗浄
手段を示す斜視図である。
【図12】下水処理場における汚泥濃縮方法を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
1:最初沈殿池 2:反応タンク 3:最終沈殿池 4:滅菌槽 5:汚泥濃縮槽 6:汚泥貯留槽 7:脱水機 8:汚泥槽 9:汚泥供給管 10:濃縮汚泥排出管 11:ろ液室 11A:出側室 12:ろ液排出管 12A:立ち上げ管 13:堰 14:ろ液導入口 15:ろ過手段 16:下部ローラ 17:上部ローラ 18:ろ布 19:洗浄手段 19A:内側スプレーノズル 19B:内側ヘッダ管 19C:外側スプレーノズル 19D:外側ヘッダ管 20:緊張ローラ 21:ろ布緊張手段 22:シール手段 23:汚泥分配槽 24:固形分剥離手段 25:濃縮汚泥排出槽 26:洗浄排水回収手段 27:駆動手段 28:入側堰 29:整流器 30:出側堰 31:ローラ 32:スクレーパー 33:駆動手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 11/14 早期審査対象出願 (72)発明者 河野 謹一郎 東京都新宿区西新宿2−8−1 東京都 下水道局内 (72)発明者 江藤 隆 東京都豊島区西池袋1−22−8 財団法 人下水道新技術推進機構内 (72)発明者 坂井 至 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 宇田川 悟 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 石井 有光 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開2001−300593(JP,A) 特開2001−300215(JP,A) 特開2001−276519(JP,A) 特開2001−293499(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/12 B01D 33/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥を貯留する汚泥槽と、複数のローラ
    間を周回する無端ベルト状ろ布を備え、少なくとも最下
    段の前記ローラが前記汚泥に浸漬されるろ過手段と、前
    記ろ布の洗浄手段と、前記ろ布に密接したろ液導入口と
    液位を一定に保持する手段とを有するろ液室とを備え、
    前記汚泥槽への汚泥導入手段が前記ろ液導入口の上端部
    近傍に設けられ、前記汚泥槽からの濃縮汚泥排出手段
    が、前記ろ布を挟んで前記汚泥導入手段とほぼ対向する
    位置に設けられていることを特徴とする汚泥濃縮装置。
  2. 【請求項2】 前記汚泥槽内に供給される汚泥に凝集剤
    を添加する凝集剤添加手段と、酸を添加する酸添加手段
    とを具備することを特徴とする、請求項1記載の汚泥濃
    縮装置。
  3. 【請求項3】 前記酸が硫酸であり、前記無機凝集剤が
    ポリ硫酸第二鉄であることを特徴とする、請求項2記載
    の汚泥濃縮装置。
  4. 【請求項4】 前記汚泥槽内に供給される汚泥を、前記
    ろ布の幅方向に均一に供給する汚泥均一供給手段を具備
    することを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに
    記載の汚泥濃縮装置。
  5. 【請求項5】 前記汚泥均一供給手段は、もぐり堰およ
    び整流器の少なくとも1つを具備することを特徴とす
    る、請求項4記載の汚泥濃縮装置。
  6. 【請求項6】 前記汚泥槽の汚泥供給側内壁面と前記ろ
    布外面との距離に対して、前記汚泥槽の濃縮汚泥排出側
    内壁面と前記ろ布外面との距離が小さいことを特徴とす
    る、請求項1から5の何れか1つに記載の汚泥濃縮装
    置。
  7. 【請求項7】 前記汚泥槽内の濃縮汚泥と前記濃縮汚泥
    に含まれるし渣とを滞留させることなく、前記汚泥槽の
    幅方向に亘って均一に前記汚泥槽内から排出させる汚泥
    均一排出手段を具備することを特徴とする、請求項1か
    ら6の何れか1つに記載の汚泥濃縮装置。
  8. 【請求項8】 前記汚泥均一排出手段は、前記濃縮汚泥
    排出手段の出側堰の下流側に設けられ、ローラおよびし
    渣剥離手段を具備することを特徴とする、請求項7記載
    の汚泥濃縮装置。
  9. 【請求項9】 前記洗浄手段は、単一または複数本のヘ
    ッダ管に互いに千鳥状に配列された複数の洗浄スプレー
    ノズルを具備していることを特徴とする、請求項1から
    8の何れか1つに記載の汚泥濃縮装置。
  10. 【請求項10】 前記洗浄手段は、揺動自在であること
    を特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載の汚泥
    濃縮装置。
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