JP5481654B2 - 汚泥の処理方法及びその処理システム - Google Patents

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Description

本発明は汚泥の処理方法、特に下水処理等の廃水処理設備から発生した下水汚泥(有機汚泥)の処理方法及びそのシステム(設備)に関するものである。
一般に、有機物質を含む下水等の廃水(原水)は最初沈殿池(最初沈殿槽)、生物処理槽及び最終沈殿池(最終沈殿槽)からなる廃水処理設備により処理されており、この廃水処理設備では最初沈殿池における初沈汚泥(生汚泥)と最終沈殿池における余剰汚泥の2
種類の汚泥が大量に発生することになり、これらの汚泥は最終的に水分濃度が20〜30%(含水率70〜80%)程度の脱水ケーキにいたるまで濃縮、脱水処理が施されて減容化されることになるが、その際にコストを含めていかに効率的に処理するかがこの技術分野における大きな課題のひとつとなっている。
かかる両汚泥の処理に当たっては、一般には初沈汚泥は重力によりその汚泥濃度(以下単に濃度という場合がある)を約4%に濃縮処理し、余剰汚泥は生物処理を経たものであるため重力沈降性が悪いことから重力以外の機械(遠心濃縮機、常圧濃縮機およびベルト濃縮機)を用いて約4%に濃縮処理し、こうして別々の濃縮処理が行われた汚泥を貯留槽に貯めて約4%に濃縮した混合汚泥を脱水処理する方法が採用されている。
このような廃水処理で発生した汚泥を2系統に分けて実施する濃縮処理は設備・機器の構成やレイアウトが複雑化し、コストも嵩むことになる。また、濃縮汚泥濃度を4%前後としている理由はその後の脱水性能が最も高くなる観点で決定されたものではなく、従来の濃縮機の性能限界(特に無薬注濃縮)と濃縮後の貯留槽での汚泥均一化のための撹拌動力増加防止等を考慮して決定されているに過ぎなかった。しかもこれら汚泥の濃縮、貯留により、最終的に脱水されるまでに長時間を要し、汚泥が難脱水性化するため脱水効率が悪くなるなどの問題がある。
一方、初沈汚泥と余剰汚泥を混合し、この混合汚泥を貯留槽で貯留した後、凝集槽に供給し、ここで高分子凝集剤を添加して凝集処理し、その汚泥をメタルハニカムからなるストレーナーにより約4%の汚泥濃度を目標として濃縮した上で脱水処理を行う技術も提案(特許文献1参照)されている。
この方法は、両汚泥を一系統で濃縮処理するため上記2系統で処理する問題は一応解消されるが、最終的に脱水処理に供せられる汚泥は相変わらず旧来の4%程度の低い濃度であり、脱水機における処理負荷が大きく、脱水効率が不十分であるという問題をなお有しており、これら汚泥の濃縮、脱水プロセスとして必ずしも有効な技術と言えないものであった。
特開2002−28699号公報
本発明は、このような従来の問題を解決し、廃水処理により発生する初沈汚泥と余剰汚泥の2種の汚泥を、1系統で濃縮処理するとともに、後続の脱水工程にとって最適な汚泥濃度まで濃縮、維持することにより、これら廃水汚泥の濃縮、脱水プロセスにおけるトータルの効率を最大限に発揮させる汚泥処理方法及びそのシステムを提供することをその課題としてなされたものである。
そして、上記課題の達成のために完成された本発明の汚泥の処理方法の要旨とする構成は、廃水処理設備における最初沈殿池から発生する初沈汚泥と最終沈殿池から発生する余剰汚泥とを混合して貯留し、この混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を2〜4mmの大きさのフロックとなす1次凝集処理を行い、次に1次凝集処理を終えた混合汚泥をその汚泥濃度が6〜8%となるように濃縮処理し、次いで濃縮処理後の混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を0.5〜3mmの大きさのフロックとなす2次凝集処理を行い、さらに2次凝集処理を行った混合汚泥を脱水処理を施すことを特徴とする汚泥の処理方法である。
また、本発明の汚泥の処理システム(汚泥の処理設備)の要旨とする構成は、廃水処理設備における最初沈殿池から発生する初沈汚泥と最終沈殿池から発生する余剰汚泥とを混合して貯留する汚泥貯留槽と、前記汚泥貯留槽から抜き出された混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を2〜4mmの大きさのフロックとなす1次凝集処理を行なう1次凝集処理槽と、1次凝集処理を終えて前記1次凝集処理槽から抜き出された混合汚泥をその汚泥濃度が6〜8%となるように濃縮処理する高濃度濃縮機と、前記高濃度濃縮機により濃縮処理を終えて排出された混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を0.5〜3mmの大きさのフロックとなす2次凝集処理を行なう2次凝集処理槽と、2次凝集処理を終えて前記2次凝集処理槽から抜き出された混合汚泥を脱水処理する脱水機とからなることを特徴とする汚泥の処理システムである。
従来の濃縮工程では難濃縮性の余剰汚泥のみを濃縮するため、4%程度であったが、本発明では濃縮性の良好な生汚泥を混合することにより6〜8%までの高濃度化が可能となる。また、従来の脱水工程では、汚泥濃度が4%の汚泥を処理するため、凝集フロック中の自由水を除去するいわゆる濃縮ゾーンとそれ以降の圧搾脱水ゾーンを有していなければならない。このため、双方に適した凝集操作及び脱水機構造が要求されるために脱水は難しい工程であった。しかし、本発明の脱水工程では、6〜8%汚泥を処理するために濃縮ゾーンの無いメカニズムとすることができ脱水性を大きく改善できる。つまり、全体の凝集操作手段については、濃縮工程に先立つ凝集処理にあっては、凝集フロック中の自由水をろ過しやすくすることのみを考慮し、比較的大きい凝集フロックを形成させれば良く、脱水工程に先立つ凝集処理においては脱水圧力に耐える強固で緻密な凝集フロックを形成させることに専念することができる。脱水機構造についても、濃縮ゾーンを無くしたため脱水ゾーンにのみ適したスクリーン目開とすることができる。
また、上記で混合汚泥の濃縮処理に際してはベルト式濃縮機を採用し、脱水処理に際しては回転加圧脱水機を採用することが本発明の課題をより効果的に達成する上で特に好ましい。
このような本発明によれば、下水などの廃水処理に伴って大量に発生する初沈汚泥と余剰汚泥とを一括して単一系統により濃縮処理することができ、設備・機器の構成やレイアウトが簡易となり、建設コストを低減することができる。従来の脱水機では濃度4%程度の汚泥が投入されるため凝集汚泥中のフロックから分離した自由水を除去する、いわゆる濃縮ゾーンと、フロックに含まれる水分を除去する、いわゆる脱水ゾーンの2つのゾーンを有する。一方、本技術では濃度6〜8%の汚泥を脱水機へ供給するため脱水機での濃縮ゾーンが不要となることから同一固形物処理量であればコンパクトな脱水機となり、同一脱水機であれは固形物処理量が増大する効果がある。また、本技術では濃縮した汚泥を貯留することなく脱水するため従来のような濃縮汚泥を長時間貯留することによる脱水性悪化が生じることなく高い脱水性能を得ることができる。これらのことから、脱水効率を著しく高く維持することが可能となり、汚泥処理プロセス全体の効率と経済性を向上させることができるなどの優れた効果が提供される。
以下、本発明についてその実施形態を中心に図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる汚泥処理方法及び処理システムの実施形態を示した処理フロー図である。同図において、各種有機物を含む下水等の廃水は最初沈殿槽1、生物処理槽(図示しない)及び最終沈殿槽2からなる廃水処理設備に導入、処理され、浄化されるが、一方でこの廃水処理設備の最初沈殿槽1からは初沈汚泥Aが、また、生物処理を経た最終沈殿槽2からは余剰汚泥Bがそれぞれ大量に発生する。初沈汚泥Aの汚泥濃度が約1%、余剰汚泥Bの汚泥濃度が約0.6%が通常である。
本発明ではまず、これら初沈汚泥Aと余剰汚泥Bとをそれぞれ汚泥貯留槽3に送り、両者を攪拌、混合した状態で貯留する。この混合汚泥の濃度は約0.8%となる。
そして、汚泥貯留槽3から混合汚泥Cを抜き出して、1次凝集処理槽4に送り、凝集処理を行う。この1次凝集槽においては凝集剤Pを添加、混和し、特に有機物を含む汚泥粒子を凝集させて2〜4mmの比較的大きなフロックとなし、混合汚泥Cの性状を次工程の高濃度濃縮処理が容易となる形態に調質する。
凝集剤Pとしては、カチオン系、両性及びポリアミジンなどの高分子凝集剤が有効で推奨される。凝集剤Pの添加量は高分子凝集剤の場合は0.2%以上、特に0.5〜2%とすることが好ましい。
次に、1次凝集処理を経た混合汚泥すなわち、1次凝集汚泥Dを1次凝集処理槽4から抜き出して、高濃度濃縮機5に送り、その汚泥濃度6〜8%の高濃度に濃縮処理する。この高濃度濃縮処理が本発明における重要な特徴の一つである。汚泥濃度を従来の4%前後から6%以上に高めることで最終的な脱水処理の効率を最大限に高め、かつ同濃度を8%以下に規定することで以降の脱水処理に至る間の汚泥の圧送、攪拌動力の負荷を一定範囲に維持することができ、これにより濃縮、脱水プロセス全体の効率、生産性の最適化を可能とするものである。
この濃縮処理に用いる高濃度濃縮機としては6%以上の濃度が比較的容易に実現できる観点でベルト式濃縮機が特に好ましいといえる。
このベルト式濃縮機について以下に詳しく説明する。
図2は本発明において高濃度濃縮機として用いられるベルト式濃縮機の1例の構成を説明するための概略断面図、図3は図2のY−Y矢視図、図4は図2のK部詳細を示す部分断面図、図5は図4のX−X断面図である。
図2において、5はベルト式濃縮機を示しており、一対のローラ13a,13bを、各々図示しない回転軸によりフレーム14に軸支されるとともに、その排出側のローラ13bを駆動モータ(図示せず)により回転駆動し、これらのローラ13a,13bに跨って掛装された透水機能を有する無端ベルト12を、汚泥の供給側から排出側へ向かって走行させている。この無端ベルト12は、金属製のメッシュ状形態をなすものやポリエステル等の合成樹脂製のろ布などのろ過体で構成される。
前記の凝集処理を終えた1次凝集汚泥Dを、1凝集処理槽より抜き出して汚泥ポンプにより無端ベルト12の一端側に設けられた供給槽17に送り込む。そして、この供給槽17に設けられた撹拌機17aによって供給槽17内の汚泥Dを攪拌、均一化し、前記無端ベルト12の一端側が同供給槽17の汚泥の上層部に浸漬する様に汚泥液面を制御しつつ汚泥供給口14aから、前記無端ベルト12上へ汚泥を供給する。
ベルト式濃縮機5は、無端ベルト12上の一端側のこの様な汚泥供給口14aと、この無端ベルト12の他端側に濃縮後の汚泥を排出する汚泥排出口14bとを有する。
そして、この無端ベルト12は汚泥の搬送先側が高くなるように傾斜配設されている。処理後の汚泥濃度を6〜8%の高濃度に維持するためにはこの無端ベルトの12の傾斜角度を2〜12度に設定することが好ましい。
また、前記フレーム14は、この無端ベルト12下方に、前記汚泥が無端ベルト12の進行に伴い濃縮される際、透過された透過水を集水し、フレーム4外に排出する排水口14cを有している。
汚泥供給口14aから前記無端ベルト12の一端側上面に供給された汚泥は、当該無端ベルト12の進行とともに汚泥自身の自重により、その水分を当該無端ベルト12を介して透過させ、透過水として分離しながら濃縮処理する。
このベルト式濃縮機11には、汚泥Dをより効率的に濃縮処理すべく、無端ベルト12を構成するろ過体(ろ布)の表面に付着した汚泥を掻き取り、排除するための倒伏お椀型を有した複数の汚泥セパレータ20が、ベルト搬送方向に対して略直角に並列しても設置された複数の給水ヘッダー管22の下部に、無端しベルト12の上面に接した状態で略千鳥状に配設されている。さらに、各汚泥セパレータ20の内部には、ベルト搬送方向に対して略直角に設けた給水ヘッダー管22に接続された洗浄スプレイノズル(図示せず)が収納され、ここからスプレイ水を同ベルト12に噴射することにより、汚泥の除去直後のベルト上面を確実に洗浄することができる。
このようにして濃縮処理された無端ベルト12上の汚泥は、スクレーパ18によって掻き取られ、高濃度汚泥として汚泥排出口14bから排出され、必要に応貯留槽内に貯留された後、次工程に給送することになる。なお、汚泥から分離された透過水は、排水口14cから分離液タンク(図示せず)へ回収され、更に、その上澄液を洗浄水タンク(図示せず)へ移送して、ここから無端ベルト12の裏面に向けて設置された洗浄ノズル19に送られ、同ベルト12に付着、残留する汚泥を洗い流すための洗浄水として再利用される。
さて、以上に説明したベルト式濃縮機などの高濃度濃縮機5により6〜8%に濃縮した高濃度汚泥Eを、本発明ではさらに2次凝集処理槽6に送り、凝集剤Pを添加、混和し、再び凝集処理(2次凝集処理)を行ない、濃縮処理後の汚泥粒子を凝集させて0.5〜3mmの比較的小さく、強固で緻密なフロックを形成させる。これは、最終工程の脱水処理において脱水圧力に十分耐え、脱水操作を効果的に促進させるためにその形態を調質するためである。
最後に、2次凝集槽6にて凝集処理を経た汚泥を同凝集槽6より抜き出して、最終汚泥Fとして脱水機7に供給し、ここで脱水処理を施して、水分が70〜80%の脱水ケーキGとする。脱水機としては公知の脱水機が使用できる。本技術は濃縮機で濃度6〜8%まで高めており、脱水機での濃縮負荷いわゆるろ過の負荷を低減していることから、ろ過を基本とした脱水機が有効であり、下記に示す回転加圧脱水機はろ過脱水機として省エネルギー、省スペースの観点で特に優れており、さらに性能が向上する。生産性の観点から回転加圧脱水機を用いることが特に好ましい。
この回転加圧脱水機についても以下に詳しく説明することにする。
図4は本発明において脱水機として用いられる回転加圧脱水機の1例の構成を説明するための概略側面図、図5は図4のO点を通る概略縦断面図である。
図においてこの回転加圧脱水機7は、図示しない減速機付の駆動装置によって、0.5〜1.3rpmの回転速度で回転される駆動軸32を備えおり、この駆動軸32には、ボス部材33を介して互いに対向した円盤状の第1ろ過板37と第2ろ過板38とが固設されている。これら第1ろ過板37と第2ろ過板38は前記駆動軸32により矢印で示した回転方向にする回転する構成となっている。また、第1ろ過板37と第2ろ過板38は多数の水透過穴(図示せず)を有していて、両ろ過板37、38と、同両ろ過板の駆動軸32側端部に配設された環状の内輪スペーサ34と、同両ろ過板の周方向端部にこの内輪スペーサ34と同心的に配設された環状の外輪スペーサ35とによって脱水処理室41が形成されている。
前記外輪スペーサ35には、この外輪スペーサ35の中心側に、前記内輪スペーサ34の外周面に密接する凹曲面を有する仕切りスペーサ36が設けられている。この仕切りスペーサ36は、上部仕切りスペーサ36aと、この上部仕切りスペーサ36aと空間36cを隔てた下方位置の下部仕切りスペーサ36bとからなる二股形状に構成されている。
そして、この仕切りスペーサ36の下部仕切りスペーサ36bの下側には、横方向に開口する汚泥流入口41aが形成されている。また、この仕切りスペーサ36の上部仕切りスペーサ36aの上側に、横方向に開口する脱水ケーキ排出部40が設けられている。 前記脱水処理室41は前記汚泥流入口41aから前記脱水ケーキ排出部40側に向って順に、前記汚泥流入口41aから流入する、調質された汚泥をろ過するろ過ゾーン41bと、ろ過水が除去された汚泥を圧搾脱水する圧搾脱水ゾーン41cとに区分されている。前記汚泥流入口41aには、下側に開口する汚泥入口39a、汚泥流路を介して前記汚泥流入口41aに汚泥を供給する汚泥供給部39が取付けられている。また、前記脱水ケーキ排出部40の排出口40aには、脱水処理室41の圧搾脱水ゾーン41c内の圧搾脱水汚泥に対してアクチュエータなどにより背圧を付与するための背圧板45が垂直に設けられている。前記脱水処理室41内には、第1ろ過板37と第2ろ過板38との相対する面(内側面)にエッジが鋭角的に接触して、第1ろ過板37と第2ろ過板38の相対する内側面に付着する汚泥中の微粒子塊や脱水ケーキを掻取るスクレーパ41dが3枚ずつ(両側で6枚である)設けられている。第1カバー42、第2カバー43それぞれの下部には、下方に突出するドレン管44が設けられており、前記汚泥供給部39、汚泥入口39aを経て脱水処理室41内に供給され、前記第1,2ろ過板37,38に設けられた多数の水透過穴37a,38aを通して、前記第1カバー42内、前記第2カバー43内に排出された汚泥中の水分は、前記ドレン管44から機外に排水されるようになっている。
かかる回転加圧脱水機により、最終汚泥Fを脱水処理する場合は、前記2次凝集処理槽6から抜き出した同汚泥Fを汚泥圧入ポンプ(図示省略)により最大100kPa(約1.0kgf/cm)に加圧して汚泥供給部39の下側に開口する汚泥入口39a、汚泥流路、および汚泥流入口41aを介して0.5〜1.3rpmのゆっくりした速度で回転されている脱水処理室41の下側のろ過ゾーン41bに連続供給することによって脱水を行う。そして、脱水処理室41の下側のろ過ゾーン41bに供給された汚泥は、このろ過ゾーン41bでろ過され、徐々に流動性が失われる。こうして流動性が低下した汚泥は、多数の水透過穴が設けられた円盤状の第1ろ過板37、および第2ろ過板38の表面にケーキ層を徐々に形成しながら、これら第1ろ過板37、第2ろ過板38の回転により圧搾脱水ゾーン41c側に移動する。これら第1ろ過板37、第2ろ過板38の表面に形成されたケーキ層により固形物の捕捉が向上するためにろ液は清浄になる。
そして、前記圧搾脱水ゾーン41c領域中における汚泥は、前記脱水ケーキ排出部40の排出口40aに設けられた背圧板45の押圧力制御により背圧が最大600kPa(約6.0kgf/cm)の一定圧力(調整可能である)に保持され続ける。流動性を失った汚泥は、これら第1ろ過板37、第2ろ過板38によるせん断力と、背圧板45による発生する背圧により圧搾脱水される。最終的に、圧搾脱水された低含水率になった脱水ケーキGは、背圧板45を押し退けて脱水ケーキ排出部40から機外へ排出されることになる。
本発明にける最終汚泥Fの脱水処理をこうした回転加圧脱水機を用いることにより、上記のような汚泥の脱水過程において、スクレーパ41dで掻取られた脱水ケーキ片は、このスクレーパ41によって外輪スペーサ35の方向向きの作用力を受け、外輪スペーサ35側に移動するため、第1,2ろ過板37,38の回転中心から離れた脱水処理室41内における位置の脱水ケーキの密度の低下の程度を軽減することができる。これにより、第1,2ろ過板37,38のろ過面の全幅に亘る圧搾力分布が均等化され、ろ過面の全幅に亘るろ過機能が改善される。また、この回転加圧脱水機では、第1ろ過板37と第2ろ過板38の相対する内側面のそれぞれに付着する汚泥中の微粒子塊や脱水ケーキは、両端が締結されて撓むことなく、エッジが第1ろ過板37と第2ろ過板38の内側面に鋭角的に接触するスクレーパ41dによって掻取られ、ろ過面の全幅に亘って水透過穴の目詰まりが効果的に防止されるため汚泥を能率良く脱水することができる。
本発明の汚泥処理方法及び汚泥処理システムの実施形態を説明するフロー図である。 本発明の濃縮処理に用いられるベルト式濃縮機の構成を説明する概略断面図である。 同ベルト式濃縮機の構成を説明する図2のY−Y矢視図である。 本発明の脱水処理に用いられる回転加圧脱水機の構成を説明する概略側面図である。 同回転加圧脱水機の構成を説明する図4のO点を通る概略縦断面図である。
符号の説明
1:最初沈殿槽 2:最終沈殿槽 3:汚泥貯留槽 4:1次凝集処理槽
5:高濃度濃縮機 6:2次凝集処理槽 7:脱水機
A:初沈汚泥 B:余剰汚泥 C:混合汚泥 D:1次凝集汚泥
E:高濃度汚泥 F:最終汚泥

Claims (4)

  1. 廃水処理設備における最初沈殿池から発生する初沈汚泥と最終沈殿池から発生する余剰汚泥とを混合して貯留し、
    この混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を2〜4mmの大きさのフロックとなす1次凝集処理を行い、
    次に汚泥の搬送先側が高くなるように2〜12度の傾斜角で配設された無端ベルトを有するベルト式濃縮機を用いて、前記無端ベルトの上面に接する汚泥セパレータにより汚泥を掻き取るとともに前記汚泥セパレータによる汚泥の除去直後の前記無端ベルトの上面にスプレイ水を噴射して、1次凝集処理を終えた混合汚泥をその汚泥濃度が6〜8%となるように濃縮処理し、
    前記無端ベルトの上面は、前記無端ベルトのうち、汚泥を搬送するとともに汚泥の水分を透過させて前記濃縮処理を行っている部分の上面であり、
    次いで濃縮処理後の混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を0.5〜3mmの大きさのフロックとなす2次凝集処理を行い、
    さらに2次凝集処理を行った混合汚泥を脱水処理を施すことを特徴とする汚泥の処理方法。
  2. 前記脱水処理は、ろ過を基本とした脱水機を用いて行われ
    前記脱水機は、汚泥中の水分が透過可能な水透過穴を有するろ過板を備え、
    前記ろ過板の内側面は、汚泥が供給される脱水処理室の内面を構成し、
    前記脱水機は、前記ろ過板の内側面に付着する汚泥をスクレーパにより掻取りながら、駆動軸に固設された前記ろ過板を回転させることで、ろ過を行うことを特徴とする請求項1に記載の汚泥の処理方法。
  3. 廃水処理設備における最初沈殿池から発生する初沈汚泥と最終沈殿池から発生する余剰汚泥とを混合して貯留する汚泥貯留槽と、
    前記汚泥貯留槽から抜き出された混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を2〜4mmの大きさのフロックとなす1次凝集処理を行なう1次凝集処理槽と、
    汚泥の搬送先側が高くなるように2〜12度の傾斜角で配設された無端ベルトを有するとともに、前記無端ベルトの上面に接する汚泥セパレータにより汚泥を掻き取るとともに前記汚泥セパレータによる汚泥の除去直後の前記無端ベルトの上面にスプレイ水を噴射して、1次凝集処理を終えて前記1次凝集処理槽から抜き出された混合汚泥をその汚泥濃度が6〜8%となるように濃縮処理するベルト式濃縮機と、
    前記高濃度濃縮機により濃縮処理を終えて排出された混合汚泥に凝集剤を添加して汚泥粒子を0.5〜3mmの大きさのフロックとなす2次凝集処理を行なう2次凝集処理槽と、
    2次凝集処理を終えて前記2次凝集処理槽から抜き出された混合汚泥を脱水処理する脱水機と、を備え
    前記無端ベルトの上面は、前記無端ベルトのうち、汚泥を搬送するとともに汚泥の水分を透過させて前記濃縮処理を行っている部分の上面であることを特徴とする汚泥の処理システム。
  4. 前記脱水機は、ろ過を基本とした脱水機であり、
    前記脱水機は、汚泥中の水分が透過可能な水透過穴を有するろ過板を備え、
    前記ろ過板の内側面は、汚泥が供給される脱水処理室の内面を構成し、
    前記脱水機は、前記ろ過板の内側面に付着する汚泥をスクレーパにより掻取りながら、駆動軸に固設された前記ろ過板を回転させることで、ろ過を行うことを特徴とする請求項3に記載の汚泥の処理システム。
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