JP3396385B2 - 制動装置付き電動機とその制御装置 - Google Patents

制動装置付き電動機とその制御装置

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JP3396385B2 JP34551696A JP34551696A JP3396385B2 JP 3396385 B2 JP3396385 B2 JP 3396385B2 JP 34551696 A JP34551696 A JP 34551696A JP 34551696 A JP34551696 A JP 34551696A JP 3396385 B2 JP3396385 B2 JP 3396385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機における回
転軸の回転を制御する制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電動機が回転している際に、非常
停止や停電等の原因により電動機が制御不能になった場
合、電動機の回転を瞬時に停止させる装置の一つとして
制動装置が挙げられる。通常電動機の回転子が永久磁石
で形成されている場合には、いわゆるダイナミックブレ
ーキの作用により停止することができるが、回転子に永
久磁石を持たない電動機においては前記ダイナミックブ
レーキを利用することができず別に制動装置が必要であ
る。
【0003】以下に、従来の制動装置の構造について説
明する。図15は従来の制動装置の構造の一例を示す図
であり、電動機の負荷側における横断面図の一部を示
す。図15に示されるとおり、電動機は主に回転軸1、
回転子2、固定子3、フランジ4、軸受5、オイルシー
ル6、ケース7から構成されている。また、固定子3内
のスロット15同士の間には巻線が巻かれている。こ
の、固定子3から外に出ている巻線のことをコイルエン
ド8と呼ぶことにする。フランジ4、ケース7、固定子
3等のように回転軸1が回転しても全く回転しない部分
を総称して固定側と呼ぶことにすると、図のような構造
を持つ中で、制動装置は図15に示されるような形で固
定側に取り付けられている。制動装置は、摩擦部11、
回転部12、バネ部13、回り止め部14、固定部1
9、制動用巻線20、可動部21から成っている。回転
部12は回転軸1に取り付けられ回転軸1と一体化して
回転している。摩擦部11は、一定の摩擦係数を持った
材料で形成されており、回転部12または可動部21の
いずれかに取り付けられている。バネ部13は固定部1
9あるいは可動部21のいずれかまたは両方に取り付け
られ、弾性押圧力によって可動部21を回転部12に向
って押し当てて、その際に発生する摩擦部11の摩擦力
によって制動力を得ている。
【0004】一方、制動用巻線20に通電すると制動用
巻線20の周りの固定部19に磁界が形成され、その磁
界により可動部21が制動用巻線側20に吸引され、該
磁気吸引力がバネ部13の弾性押圧力以上となることに
より制動が解除される。なお、制動用巻線20は、固定
部19の中にコアを中心として巻かれており、通常電動
機に電力を供給するアンプのON/OFFに同期して制
動用巻線20への通電のON/OFFが行われる。ま
た、固定部19及び可動部21は、磁界を形成するため
に高透磁率材料で形成される必要がある。回り止め部1
4は可動部21及び固定部19の両方に各端が装着さ
れ、可動部21の軸方向の移動を可能とする程度の隙を
持った寸法で作られており、制動時の回転止めと可動部
21の移動方向を決定する働きがある。また、制動時に
は可動部21と制動用巻線20の間が、制動解除時には
可動部21と摩擦部11の間か回転部12と摩擦部11
の間のいずれかが一定の間隔を保つように各部が配置さ
れている。なお、以上のように一定の間隔を保つように
各部が配置されていることを一定のギャップに保たれて
いる、と以下呼ぶことにする。以上が、従来の制動装置
における制動力の発生及び解除を行う方法についての説
明である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図15に従来の制動装
置の構造の一例を示したが、この従来例で制動用巻線2
0を専用に備え、該制動用巻線20によって磁界を形成
し磁気吸引を行うという方式であるため、以下のような
各問題点が考えられる。まず、制動装置を取り付けた場
合、電動機の全長が長くなってしまうという問題点があ
る。例えば、図15の場合、制動装置のユニットを組込
むため、単純にほぼユニット分だけ長くなる。電動機全
体の長さは機械的制約等に関わってくるので、電動機が
長くなることは特に機械設計上で大きな問題点の一つで
ある。
【0006】また、制動用巻線20を別に設けるので、
制動用巻線20用の通電配線を行わなければならない。
この配線は電動機から外へのリード線を必要とし、その
ためのコネクタ等を取り付ける必要がある上に、電動機
内部での配線を行う際にも種々の機械的制約が関わって
くる。また、制動用巻線20に通電するための電源も必
要になってくる。通常、電源は電動機に電力の供給を行
うアンプ内で、一定電圧を作っているが、制動用巻線2
0への通電については前述の通りアンプから電動機への
電力の供給に同期して行われるため、そのための専用の
回路が必要になる。従って、制動用巻線20のための電
源部分に専用の回路が必要となり、制動装置がない場合
に比べるとアンプの構造が複雑になり、コストアップの
要因である。
【0007】さらに、制動装置では磁束の漏れが問題に
なる。これについて図16を用いて説明する。図16
は、図15に示される電動機全体の概略構造を示した横
断面図である。通常、磁束は最も磁気抵抗が低く、最も
距離が短い部分を通っていくため、図16中でRP1の
ような主磁束ループを形成する。しかし、現実にはすべ
ての磁束がRP1のループで形成されているというわけ
ではない。すなわち、軸受5を介して回転軸1に入って
いくRP2のようなループや、ケース7、固定子3、反
負荷側フランジ22、反負荷側軸受23を通って回転軸
1、軸受5と戻ってくるRP3のようなループなど、様
々な磁束のループが形成される可能性がある。これらの
RP1以外のループというのは現実にわずかではあるが
存在する。これが磁束の漏れである。磁束の漏れは電動
機にとっては様々な悪影響がある。まず、回転軸1に磁
束が漏れるということは通電中は回転軸1が磁化してい
るということであるため、例えば電動機を工作機械の主
軸に直結で適用したときには切削後の切り粉が主軸に付
いてしまうといった悪影響が考えられる。そのほかにも
漏れた磁束が電動機の反負荷側端に取り付けられている
位置検出器24に入ると、位置検出値にノイズ等が乗り
位置検出精度が悪化する可能性がある。位置検出精度が
ノイズ等により悪化するということは電動機の回転が非
常に不安定になる可能性がある。
【0008】以上のように従来の制動装置においては、
電動機全体の長さが増加するため機械的制約が大きくな
り、また、制動用巻線が別に存在するために専用の電源
回路が必要となり、アンプのコストアップに起因し、さ
らに磁束の漏れがあるために電動機の挙動に悪影響があ
るといった各問題点があった。本発明が解決しようとす
る課題は、上記のような問題点に対してどのような手段
を講じればよいかという点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述の問題を解決するた
めに本発明にかかる制動装置においては、可動部を電動
機の固定子の一部とするか、または電動機の固定子と可
動部を分離して、界磁電流の通電によって磁束を発生さ
せる。このことによって、制動用巻線が不必要となるた
め電動機全体の長さが短くなり、また磁束の形成には界
磁電流の通電を利用するために、アンプに専用の回路を
作る必要が無く、さらに固定子の一部を利用して磁束を
形成しているために磁束の漏れについても従来より減少
する。加えて、制動用の可動部がコイルエンド内の間隙
に配置したり、てこや摩擦部の傾きを利用して制動力を
増加させることにより、バネ部や可動部の縮小化を図る
ことができ、電動機の長さがさらに短くなり機械的な制
約が解消される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる好適な実施
形態を図面に従って説明する。なお、従来技術を示す図
15と同一番号にて示されている構成要素についての機
能、作用は同一であるので説明を省略する。図1は本発
明における請求項1に対応する図の一例、図2は図1に
おいてAAで示される鉛直面における断面図である。た
だし、コイルエンド8については図2において記載を省
略している。図1において回転部12は回転軸1に何ら
かの方法で取り付けられており、回転軸1と一体化して
回転している。固定子3には固定子3と同様の高透磁率
材料で形成されて固定子3から分離して回転部12の径
方向に移動可能な第1可動部9が設けられている。第1
可動部9には第1可動部9とは材料を異にしても可能で
あり高透磁率材料と限定しない第2可動部10が取り付
けられている。固定子3と第1可動部9、摩擦部11と
第2可動部10はいずれも従来技術と同様に一定のギャ
ップに保たれている。固定子3と第1可動部9の両者
は、制動時の回転止めと第1可動部9の移動方向を決め
るガイドの役割として配置された回り止め部14によっ
てつながっている。ここで、第1可動部9、第2可動部
10、回転部12の形状について図2及び図3を用いて
説明する。図3は本実施形態における電動機の回転軸
1、回転子2、固定子3及び第1可動部9の断面図であ
る。図2において回転部12は円盤状の形状をしてお
り、回転軸1に取り付けられていて、外周部の内側に全
周にわたって摩擦部11が取り付けられている。第1可
動部9は径方向に移動するため、円盤状であってはなら
ず、例えば図3に示されるような形状をしている。従っ
て一体化して移動する第2可動部10も円盤状であって
はならず、しかしその幅は第1可動部9と等しくする必
要はない。図3からもわかるように第1可動部9は固定
子3の一部を切り取った形状をしているので、内径側、
外径側ともに円弧の一部であり、第1可動部9より内側
にある固定子3とは全面にわたって接触する。また、図
2中では第1可動部9及び第2可動部10は4個、図3
では2個配置するようになっているが、それぞれの間に
は切り取られずに残った固定子3が存在している。ただ
し、第1可動部9の動作の行い易さから第1可動部9と
切り取られずに残った固定子3の間は、図3にも示され
ているようにわずかな間隙を作っておくものとする。ま
た、前記の切り取られずに残った固定子は存在しなくて
も良い。以上が、回転部12、第2可動部10及び第1
可動部9の形状についての説明である。第1可動部9内
または第1可動部9と固定子3の両者にはバネ部13が
介在し、バネ部13は圧縮力によって第1可動部9及び
第1可動部9と結合している第2可動部10を外径方向
に押す。この力によって摩擦部11を介して第2可動部
10と摩擦部11の間には摩擦力が発生し、該摩擦力が
回転部12と回転軸1に対する制動力となる。次に、制
動解除時には電動機の駆動前にまずアンプがONされ
て、電動機は停止し駆動待ち状態となる。回転子2が永
久磁石ではなく高透磁率材料で形成されており、隣接す
る磁極間にほぼ絶縁された複数の磁路を有し、回転子2
及び固定子3が図4に示される回転軸1、回転子2及び
固定子3の断面構造をもつ電動機においては、該状態で
は、まず電動機に界磁電流が通電され、その際に第1可
動部9が固定子3に磁気吸引され、制動が解除される。
なお、界磁電流が通電される際の制御方法については、
後述する。
【0011】以下に、界磁電流が通電された場合の固定
子3及び第1可動部9の間に磁束が形成され、磁気吸引
が行われる仕組みについて、図3を用いて説明する。図
3からもわかる通り、第1可動部9は固定子3から切り
取られているが、この際第1可動部9と固定子3との間
隙は非常にわずかであるため、界磁電流が通電されると
磁束は図3の破線の矢印のような方向に形成され、従っ
て第1可動部9は固定子3に磁気吸引される。第1可動
部9内に磁束が形成され、固定子3と第1可動部9の間
に磁気吸引力が発生すると、結果的に該磁気吸引力が、
前述のバネ部13による弾性押圧力以上となり、第1可
動部9を固定子3が磁気吸引し、従って摩擦部11と回
転部12の間に間隙が発生し、回転軸1及び回転部12
が回転可能な状態になる。以上のような一連の動作によ
り、本実施形態における制動装置は制動及びその解除を
行う。
【0012】なお、図2または図3中で第1可動部9の
数及び位置は制動力にアンバランスが生じないように決
定することが望ましい。すなわち界磁電流が回転子2の
極位置を基に、三相の各巻線に通電されることは公知で
あるが、この際、各相で通電される界磁電流の絶対値が
異なるために、形成される磁束も異なる。従って、前記
磁気吸引力にアンバランスが生じないように、巻線の各
相に一つずつか、または隣り合う三相の間で一つずつか
のいずれかに第1可動部9が配置されるようにその数及
び位置を決定することが望ましい。
【0013】次に、請求項2に対応する実施の形態につ
いて図5及び図6を用いて以下に説明する。図5は本発
明における請求項2に対応する図の一例、図6は図5に
おいてBBによって示される鉛直面における断面図であ
る。なお、図1及び図2と同一番号にて示されている構
成要素については、形状は異なる場合があるものの機
能、作用は同一であるので同一番号を使用し、説明を省
略する。図5及び図6に示すとおり、第2可動部10は
コイルエンド8内における間隙部分に配置されている。
すなわち、コイルエンド8は通常スロット15から出て
図6に示すように、ある曲線を描いて異なるスロット1
5に入るように巻線が形成されているため、スロットと
スロットの間の図6に示される部分に間隙が存在するこ
とになる。この間隙に第2可動部10を配置し、図5に
示すような構造で前述と同様の仕組みによって制動及び
磁気吸引を行う。以上のような構造であると、第2可動
部10を図1のようにコイルエンド8の外側に配置する
必要がないため、その分だけ電動機全体の長さを短くす
ることができる。この実施形態において、回転軸1には
第1回転部17を介して第2回転部18が固定され、こ
れらの回転部17、18は回転軸1と一体に回転する。
そして、第2回転部18に設けられているリング状の溝
の大径側に摩擦部11が固定され、前記第2可動部10
の一端がこの摩擦部11と摩擦接触して制動が行われて
いる。
【0014】次に、請求項3に対応する実施の形態につ
いて図7及び図8を用いて以下に説明する。図7は本発
明における請求項3に対応する図の一例、図8は図7に
おいてCCによって示される鉛直面における断面図であ
る。なお、図1及び図2と同一番号にて示されている構
成要素については、形状は異なる場合があるものの機
能、作用は同一であるので同一番号を使用し説明を省略
する。図7に示すとおり、固定子3が軸方向に延長され
た形である第2固定子16が固定子3に結合されて配置
されている。また、第1可動部9と第2可動部10のう
ち第2可動部10とケース7の間にバネ部13及び回り
止め部14が配置されている。これは、磁気吸引を第2
固定子16の内側で行っている為に、前記バネ部13及
び回り止め部14を第2固定子16内に配置する空間的
な余裕がない場合における一例である。第1可動部9は
図8に示されるとおり、回転部12に取り付けられた摩
擦部11が第2固定子16の内径に対し全周接触する形
状になっており、摩擦部11と第1可動部9の間は一定
のギャップに保たれている。該図においては、制動の方
法は第2可動部10にバネ部13及び回り止め部14が
取り付けられていることや、第1可動部9が回転部12
に取り付けられている摩擦部11に接触して制動力を発
生すること等、厳密には図1の場合とは異なるが、バネ
部13による弾性押圧力によって制動力を発生している
という基本的な形式は同様である。なお、図7及び図8
においては第2可動部10がコイルエンド8の間隙部分
に配置される場合の構造の一例を示したが、コイルエン
ド8の間隙部分に配置しない場合の構造については図1
と図7に準ずる構造となるため、図によって示すことは
省略した。
【0015】次に、請求項4に対応する実施の形態につ
いて図9及び図10を用いて以下に説明する。図9は本
発明における請求項4に対応する図の一例、図10は図
9においてDDによって示される鉛直面における断面図
を示す図である。なお、図1及び図2と同一番号にて示
されている構成要素については、形状は異なる場合があ
るものの機能、作用は同一であるので同一番号を使用し
説明を省略する。図9及び図10に示されるとおり、第
2可動部10は支点Pで固定側であるフランジ4に軸支
されている。このような構造であるため、第1可動部9
が制動または磁気吸引の際に上下に移動すると、第2可
動部10は同期して前記支点Pを中心にして回転動作を
行い、回転部12に取り付けられた摩擦部11との間で
制動力の発生または解除を行う。この際、第2可動部1
0は前記取り付け位置を支点、第1可動部9と固定子3
の間またはバネ部13を力点、第2可動部10と摩擦部
11の間を作用点とするてこの働きをする。従って、公
知であるてこの法則を基に前記取り付け位置を決定する
ことができる。すなわち、電動機を制動する際に回転軸
1に働く必要なトルクがわかっているとして、摩擦部1
1の摩擦係数、バネ部13の弾性係数、第1可動部9の
移動距離、摩擦部11と第2可動部10の間のギャップ
をもとに作用点から支点までの距離と支点から力点まで
の距離を計算することができるため、従って前記取り付
け位置を決定することができる。
【0016】また、前述のように電動機を制動する際に
軸1に働く必要なトルクがわかっているとすると、摩擦
部11が回転軸1の回転中心から長い距離に配置され
る、換言すればできるだけ大きい径において制動力を発
生させる方が、バネ部13による弾性押圧力、すなわち
磁気吸引力が小さくてすむ。バネ部13が発生する弾性
押圧力は第1可動部9の移動距離、バネ部13の材質及
び大きさ等から決定されるが、機械的な制約によりバネ
部13は小さい方がよいので該弾性押圧力も小さい方が
よい。また、磁気吸引力についてはバネ部13の弾性押
圧力以上となるように磁束が発生するように通電及び磁
束の通り道の決定をしなければならないが、これらにも
一定の制約があるため、磁気吸引力は一定の構造におい
ては一定値以上にすることができない。そのような意味
からもバネ部13の弾性押圧力はできるだけ小さい方が
よい。従って、前記のように制動力を増加させることは
電動機の構造上非常に有利なことである。以上のことを
もとに、大きい径において制動力を発生し、てこによっ
て増力させると構造上の有利をさらに生かせる。そのよ
うな構造の一例を図11に示した。なお、説明について
は前記と同様であるため省略する。なお、図9及び図1
0においては第2可動部10がコイルエンド8の間隙部
分に配置しない場合の構造の一例を示したが、コイルエ
ンド8の間隙部分に配置する場合の構造については図5
に準ずる構造となるため、図によって示すことは省略し
た。
【0017】次に、請求項5に対応する実施の形態につ
いて図12を用いて以下に説明する。図12は本発明に
おける請求項5に対応する図の一例である。なお、図1
と同一番号にて示されている構成要素については、形状
は異なる場合があるものの機能、作用は同一であるので
同一番号を使用し説明を省略する。図12に示されると
おり第2可動部10は回転部12側の先端が、移動方向
に対してある一定角度の傾きを持っている。一方、回転
部12は第2可動部10の取り付けの都合から、図12
にも示されるように、回転軸1に取り付けられている第
1回転部17と第1回転部17に取り付けられている第
2回転部18に分かれており、第2回転部18に取り付
けられた摩擦部11が第2可動部10に平行となるよう
に一定角度の傾きを持っている。したがって、第2可動
部10の移動方向に対する前記傾きの角度をθとする
と、制動の際に第2可動部10と摩擦部11が接触した
場合、摩擦力は同様のバネ部13の弾性押圧力において
第2可動部10の移動方向と摩擦部11の面が垂直であ
る場合をμ0とすると(1/(sinθ/μ0+cos
θ))倍になることは公知である。以上のような構造を
用いると同様のバネ部13による弾性力によって制動力
を増加させることができる。また、図12においては摩
擦部11を回転部12の片面にのみ取り付けているが、
摩擦部11の摩耗等の理由により図13に示すように摩
擦部11を両面に取り付けることができる。以上の説明
において、磁気吸引及び制動の方法等前述の例と同様で
ある点については説明を省略した。また、図12及び図
13においては第2可動部10がコイルエンド8の間隙
部分に配置される場合の構造の一例を示したが、コイル
エンド8の間隙部分に配置しない場合の構造については
図1と図9または図11に準ずる構造となるため、図に
よって示すことは省略した。さらに、固定子3と第1可
動部9が分離している場合についても、それぞれ該当す
る図に準ずる構造であるため、図によって示すことは省
略した。
【0018】次に、請求項6に対応する実施の形態につ
いて図14を用いて以下に説明する。図14は該電動機
における速度制御及び電流制御の処理の概要を示すブロ
ック図の一例である。図14において26は減算器で位
置検出器24で検出された現在位置Pmeasを微分器
32で微分した現在速度Vmeasと速度指令値Vco
mとの差、すなわち速度偏差Vdiffを求める。PI
制御手段27では速度偏差Vdiffに比例成分や積分
成分等を乗ずる操作を行ってトルク指令値Tcomを求
める。Id,Iq計算手段28では通常一定である界磁
電流指令Idcomとトルク指令値から求められる電機
子電流指令Iqcomを算出する。三相分割手段29で
は位置検出器24によって検出された現在位置Pmea
sをもとにU,V,Wの各相に通電する電流指令値を界
磁電流Id及び電機子電流Iqそれぞれについて計算し
てIdu、Iqu、Idv、Iqv、Idw、Iqwを
求め、それらを各相ごとに加算器30で加えて、各相の
電流指令値Iucom,Ivcom,Iwcomとして
インバータ31に指令する。インバータ31では公知の
技術により電流指令をもとに電流増幅が行われて同期電
動機25に通電される。以上のような一連の制御によっ
て、同期電動機25は速度及び電流の制御が行われ、回
転している。以上のように制御を行う際、前記の通り界
磁電流指令値Idcomと電機子電流指令値Iqcom
は別々に計算されるが、実際に同期電動機25を駆動す
る場合には前記の通り各相においてその和が通電され
る。しかし、界磁電流指令値Idcomと電機子電流指
令値Iqcomとを別々に計算しているのであるから、
界磁電流のみを通電することも制御上可能である。すな
わち、駆動開始前では理論上トルク指令Tcomが発生
しておらず電機子電流指令値Iqcomは0である。そ
の際には界磁電流のみが通電され、同期電動機25は実
際に駆動しない。これは、たとえばアンプはONである
がまだ同期電動機25に駆動の指令が発せられていない
時点にあたり、実際にそのような時間は存在するので、
この間に磁気吸引を行い、制動を解除すればよいことに
なる。以上の一連の動作を行う場合、制御上では駆動指
令を受け付けるのは制動の解除が確認された後とする。
これは、ソフト的にまたはハード的にいずれかの公知の
方法によって実現可能である。以上のように電流制御を
行うことが請求項6に該当する内容である。
【0019】以上が本発明における新規性及び進歩性に
関わる部分についての一例に対しての説明である。な
お、各説明の中で以下の事項に関しては様々な変形例が
考えられ、説明において示された限りではないため、特
に限定は行わない。まず、摩擦部11については回転部
12に取り付けるという形にして説明をしたが、これは
第2可動部10または第1可動部9に取り付ける形にし
ても、同様の機能及び効果があれば良い。ただし、この
場合一定のギャップに保たれるのは摩擦部11と第2可
動部10または第1可動部9ではなく、摩擦部11と回
転部12ということになる。また、摩擦部11は円盤状
としたが、これについても特に形状を限定しない。ま
た、第1可動部9及び第2可動部10の形状及び数等に
ついては特に限定はしないが、前述のように制動力のバ
ランスがとれる配置にすることが望ましい。また、組み
付けの都合等により、回転部12、第1可動部9、第2
可動部10等は適当に分離または結合させても差し支え
なく、さらに各部品の形状についても図において示され
た限りではなく様々な変形例が考えられる。界磁電流の
制御部分においても、実現方法は前述の通り特に限定す
るものではない。
【0020】
【発明の効果】以上のように、界磁電流を通電する際に
発生する磁束を電動機の固定子の一部において利用する
ことによって、制動用巻線が不必要となるためその分だ
け電動機全体の長さが短くなり、また磁束の形成には界
磁電流の通電を利用するために、アンプに専用の回路を
作る必要が無く、さらに固定子の一部を利用して磁束を
形成しているために磁束の漏れについても減少する。加
えて、制動用の可動部がコイルエンド内の間隙に配置し
たり、てこや摩擦部の傾きを利用して制動力を増加させ
ることにより、バネ部や可動部の縮小化を図ることがで
き、電動機の長さがさらに短くなり機械的な制約が解消
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における請求項1に該当する構造を示
す図の一例である。
【図2】 図1におけるAA断面図である。
【図3】 電動機の回転子、固定子及び第1可動部の構
造を示す図である。
【図4】 本発明において該当する電動機の回転子及び
固定子の構造を示す断面図の一例である。
【図5】 本発明における請求項2に該当する構造を示
す図である。
【図6】 図5におけるBB断面図である。
【図7】 本発明における請求項3に該当する構造を示
す図である。
【図8】 図7におけるCC断面図である。
【図9】 本発明における請求項4に該当する制動装置
の構造を示す図である。
【図10】 図9におけるDD断面図である。
【図11】 図9におけるその他の例を示す図である。
【図12】 本発明における請求項5に該当する制動装
置の構造を示す図である。
【図13】 図11において摩擦部を両側に取り付けた
場合の制動装置の構造を示す図である。
【図14】 電動機における速度制御及び電流制御の処
理の概要を示すブロック図である。
【図15】 従来技術を示す制動装置の構造を示す図で
ある。
【図16】 従来の制動装置における磁束の漏れを説明
するための、電動機の概略構造を示す図である。
【符号の説明】
1 回転軸、2 回転子、3 固定子、4 フランジ、
5 軸受、6 オイルシール、7 ケース、8 コイル
エンド、9 第1可動部、10 第2可動部、11 摩
擦部、12 回転部、13 バネ部、14 回り止め
部、15 スロット、16 第2固定子、17 第1回
転部、18 第2回転部、19 固定部、20 制動用
巻線、21 可動部、22 反負荷側フランジ、23
反負荷側軸受、24 位置検出器、25 同期電動機、
26 減算器、27 PI制御手段、28 Id,Iq
計算手段、29 三相分割手段、30 加算器、31
インバータ、32 微分器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 7/00 - 7/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機の回転軸の回転を制御する制動装
    置において、 前記回転軸と一体となって回転する回転部と、弾性押圧
    力を発生させるバネ部と、 摩擦力を発生する摩擦部と、電動機の固定子の外径側の
    一部を切り取った形状で、制動解除時には固定子と接触
    するように構成され、バネ部の弾性押圧力により摩擦部
    を介して回転部に押圧され、固定子の界磁電流通電によ
    り回転部から離れる第1可動部とを備えることを特徴と
    する制動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 第1可動部に固定され摩擦部を介して回転部と接離する
    第2可動部が固定子内のスロット間に存在する固定子巻
    線コイルエンド部の間隙部分に配置していることを特徴
    とする制動装置。
  3. 【請求項3】 電動機の回転軸の回転を制御する制動装
    置において、 前記回転軸と一体となって回転する回転部と、弾性押圧
    力を発生させるバネ部と、 摩擦力を発生する摩擦部と、摩擦部の摩擦力をオン、オ
    フさせる第2可動部と、 固定子の一部であって第2可動部を駆動する第2固定子
    とを備えることを特徴とする制動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のい
    ずれかにおいて、 第1可動部または第2可動部のいずれかが電動機内の固
    定部の一点を中心として回転し、第1可動部または第2
    可動部のいずれかと、回転中心と、摩擦部とが、力点、
    支点、作用点の関係となり、増力作用をなす増力部を備
    えることを特徴とする制動装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1、請求項2または請求項3
    のいずれかにおいて第1可動部または第2可動部のいず
    れかと摩擦部、あるいは摩擦部と回転部のいずれかが、
    ともに可動部の移動方向に対して一定の角度で傾斜して
    いることを特徴とする制動装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1から5までのいずれかにお
    いて、 電動機を運転するときは電動機に磁束を発生させ、制動
    装置の保持に必要な磁気吸引力を確保できるだけの界磁
    電流を通電する電流制御部を備えることを特徴とする制
    動装置付き電動機とその制御装置。
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