JP7063013B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の回転子を備える回転電機に関する。
従来、固定子コアに巻線を巻回して構成された固定子と、固定子の内周側に回転可能に保持された内周側回転子と、固定子の外周側に回転可能に保持された外周側回転子と、を備える回転電機が知られている。
特許文献1には、固定子コアにトロイダル巻線形式で巻線が巻回された固定子と、複数の永久磁石が配置されて固定子の内周側に回転可能に保持された内周側回転子と、内周側回転子に配置された永久磁石の数と同数の永久磁石が配置されて固定子の外周側に回転可能に保持された外周側回転子と、を備えるデュアルロータモータが開示されている。このモータは、内周側回転子と外周側回転子とが同一の回転軸に連結されている。
特開2010-98802号公報
特許文献1のようなモータでは、内周側回転子と外周側回転子とは同じ速度で回転し、1つのトルク出力のみが得られる。内周側回転子と外周側回転子とを別々の回転軸に連結して別々に回転させたとしても、それらは同じ速度で回転する。回転速度の異なる2つの回転出力(トルク出力)を得るためには、回転子を1つのみ有するモータ又は回転電機を2台用意し、それらの各々の巻線へ流す電流を別々のインバータによって供給することが必要である。
本発明の目的は、2つの回転子を備える回転電機において、1つのインバータにより、巻線へ電流を供給することにより、2つの回転子を異なる速度で回転させて2つの出力(トルク出力)を得られるようにすることにある。
本発明に係る回転電機は、上記の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る回転電機は、円環状に配置された複数の固定子鉄芯からなる鉄芯群と、前記各固定子鉄芯の間のスロットに挿通されて前記固定子鉄芯に巻回された巻線と、を有する固定子と、前記固定子の内周側に回転可能に保持され、周方向に沿って複数の永久磁石が配置された内周側回転子と、前記固定子の外周側に回転可能に保持され、周方向に沿って複数の永久磁石が配置された外周側回転子と、を備え、前記内周側回転子と前記外周側回転子とは異なる回転軸に連結された回転電機であって、前記鉄芯群の内周側および外周側には、周方向に沿って複数の永久磁石が配置されており、前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数である固定子内側極対数と、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数である固定子外側極対数とが異なり、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数である内回転子極対数と、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数である外回転子極対数とが異なり、前記内周側回転子は、前記外周側回転子の回転速度に対して(前記外回転子極対数/前記内回転子極対数)倍の速度で回転する、ことを要旨とする。
本発明の一態様では、前記固定子鉄芯に巻回する前記巻線は三相巻線であり、前記固定子鉄芯の数は3の倍数である、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数と、前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数とは、バーニアモータの磁極関係を有し、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数と、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数とは、バーニアモータの磁極関係を有する、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数は、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数であり、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数は、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数である、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数は、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数であり、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数は、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数から、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数を減算した数である、ことが好適である。
本発明によれば、1つのインバータにより巻線へ電流を供給した際には、内周側回転子と外周側回転子とが異なる速度で回転して2つのトルク出力を得ることができる。
回転電機の径方向断面図である。 回転電機の軸方向断面図である。 三相巻線の結線の一例であるスター結線を示す図である。 回転電機の三相巻線に通電した時の磁束線(FEM解析結果)を示す図である。 回転電機の内周側回転子と外周側回転子とのトルクの一例を示す図である。 実施形態2における回転電機の径方向断面図である。 実施形態2における回転電機の三相巻線に通電した時の磁束線(FEM解析結果)を示す図である。 実施形態2における回転電機の内周側回転子と外周側回転子とのトルクの一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態における回転電機10aの径方向断面図であり、90度分の断面を示している。図2は、本発明の実施形態における回転電機10aの軸方向断面図である。図1に示すように、回転電機10aは、円環状に配置された複数の固定子鉄芯18からなる鉄芯群20と、鉄芯群20に巻回された巻線24とを有する固定子12と、固定子12の内周側に回転可能に保持された内周側回転子14と、固定子12の外周側に回転可能に保持された外周側回転子16と、を備える。以下説明するように、本実施形態の回転電機10aは、固定子12の巻線24に三相電流を流すことにより、内周側回転子14と外周側回転子16とが異なる速度で回転して2つの出力(トルク出力)を得ることができる。
まず、固定子12について説明する。固定子12は、合計12個の固定子鉄芯18を有し、図1にはその内の3個が示されている。各固定子鉄芯18は、径方向内方側(内周側)および径方向外方側(外周側)が周方向両側に拡大した形状を有し、径方向中央付近に、以下説明する巻線24が巻回される領域を有する。図2に示すように、各固定子鉄芯18は、回転電機10aのケース80に固着されている。
図1に示すように、各固定子鉄芯18の内周側端部には、周方向に間隔をあけて2つの凹み部26があり、各凹み部26は、軸方向に延びて凹んでいる。各固定子鉄芯18の各凹み部26には、軸方向に延びた永久磁石28が配置されている。また、各固定子鉄芯18の間の内周側の開口30にも、軸方向に延びた永久磁石28が配置されている。これにより、鉄芯群20(複数の固定子鉄芯18)の内周側には、周方向に沿って複数の永久磁石28が配置されている。以降、これらの永久磁石28を、適宜、固定子内側磁石28と言う。各固定子内側磁石28は、径方向に着磁されており、本実施形態では径方向内方側(内周側回転子14と対面する側)がN極、径方向外方側がS極となるように着磁されている。固定子内側磁石28は合計36個あり、固定子内側磁石28の周方向に隣接する固定子鉄芯18の部分(隣接部32)も磁極を構成する(固定子内側磁石28の磁束の戻り路となる)ので、固定子内側磁石28により形成される磁極数は72(極対数は36)となっている。
また、各固定子鉄芯18の外周側端部には、1つの凹み部34があり、凹み部34は、軸方向に延びて凹んでいる。各固定子鉄芯18の凹み部34には、軸方向に延びた永久磁石36が配置されている。また、各固定子鉄芯18の間の外周側の開口38にも、軸方向に延びた永久磁石36が配置されている。これにより、鉄芯群20(複数の固定子鉄芯18)の外周側には、周方向に沿って複数の永久磁石36が配置されている。以降、これらの永久磁石36を、適宜、固定子外側磁石36と言う。各固定子外側磁石36は、径方向に着磁されており、本実施形態では径方向内方側がS極、径方向外方側(外周側回転子16と対面する側)がN極となるように着磁されている。固定子外側磁石36は合計24個あり、固定子外側磁石36の周方向に隣接する固定子鉄芯18の部分(隣接部40)も磁極を構成する(固定子外側磁石36の磁束の戻り路となる)ので、固定子外側磁石36により形成される磁極数は48(極対数は24)となる。
図1に示すように、固定子12は、各固定子鉄芯18の間のスロット22に挿通されて固定子鉄芯18に巻回された巻線(コイル)24を有する。巻線24は、三相巻線であり、例えば、図3に示すスター結線されたものである。なお、巻線24の結線方法は、デルタ結線等でもよく、限定されない。また、巻線24の接続方法は、図3のような直列接続ではなく、並列接続であってもよい。本実施形態では、U,V,W相の巻線24は、各固定子鉄芯18に集中巻にされている。具体的には、図3のU1,V1,W1,U2,V2,W2,U3,V3,W3,U4,V4,W4の各々が、それらの順番で反時計回りに各固定子鉄芯18に配置(巻回)されている。このように、三相巻線が固定子鉄芯18に巻回されるため、固定子鉄芯18の数は3の倍数(本実施形態では12個)となっている。なお、固定子鉄芯18への巻線24の巻き方は、分布巻であってもよく、その場合にも固定子鉄芯18の数は3の倍数となる。
本実施形態では、巻線24に三相電流を流すことにより極対数=4の回転磁界が、鉄芯群20に形成される。なお、この巻線24が形成する極対数は、一般的な三相同期型回転電機と同様に、巻線24の固定子鉄芯18への巻き方や、巻線24(三相巻線)への三相電流の流し方等により決まるものである。
次に、内周側回転子14について説明する。図1に示すように、内周側回転子14は、環状のヨーク50と、周方向に沿って配置された複数の永久磁石54とを備えている。ヨーク50の外周側端部には、周方向に間隔をあけて複数の凹み部52があり、各凹み部52は、軸方向に延びて凹んでいる。各凹み部52に、軸方向に延びた永久磁石54が配置されている。以降、永久磁石54を、適宜、内回転子磁石54と言う。
各内回転子磁石54は、径方向に着磁されており、本実施形態では径方向内方側がN極、径方向外方側(固定子12と対面する側)がS極となるように着磁されている。前述したように、固定子12に配置された固定子内側磁石28は径方向内方側(内周側回転子14と対面する側)がN極となるように着磁されている。よって、固定子内側磁石28(N極)と内回転子磁石54(S極)とは互いに引きつくように着磁されている。なお、このように互いに引きつくように着磁されていればよいため、固定子内側磁石28の径方向内方側がS極となるように着磁され、内回転子磁石54の径方向外方側がN極となるように着磁されていてもよい。内回転子磁石54は合計32個あり、各内回転子磁石54の周方向に隣接するヨーク50の部分(隣接部56)も磁極を構成する(内回転子磁石54の磁束の戻り路となる)ので、内回転子磁石54により形成される磁極数は64(極対数は32)となる。
図2に示すように、内周側回転子14は、ヨーク50に固定された接続部90を介して回転軸(第1回転軸)82に連結されている。回転軸82は、軸受け84を介してケース80に回転可能に保持されて、ケース80の外側に突出し、内周側回転子14の回転力をケース80外部に出力している。このようにして、内周側回転子14は、回転軸82を介してケース80に回転可能に保持されて、回転軸82の中心Cを回転中心として回転する。
次に、外周側回転子16について説明する。図1に示すように、外周側回転子16は、環状のヨーク60と、周方向に沿って配置された複数の永久磁石64とを備えている。ヨーク60の内周側端部には、周方向に間隔をあけて複数の凹み部62があり、各凹み部62は、軸方向に延びて凹んでいる。各凹み部62に、軸方向に延びた永久磁石64が配置されている。以降、永久磁石64を、適宜、外回転子磁石64と言う。
各外回転子磁石64は、径方向に着磁されており、本実施形態では径方向内方側(固定子12と対面する側)がS極、径方向外方側がN極となるように着磁されている。前述したように、固定子12に配置された固定子外側磁石36は径方向外方側(外周側回転子16と対面する側)がN極となるように着磁されている。よって、固定子外側磁石36(N極)と外回転子磁石64(S極)とは互いに引きつくように着磁されている。なお、このように互いに引きつくように着磁されていればよいため、固定子外側磁石36の径方向外方側がS極となるように着磁され、外回転子磁石64の径方向内方側がN極となるように着磁されていてもよい。外回転子磁石64は合計20個あり、外回転子磁石64の周方向に隣接するヨーク60の部分(隣接部66)も磁極を構成する(外回転子磁石64の磁束の戻り路となる)ので、外回転子磁石64により形成される磁極数は40(極対数は20)となる。
図2に示すように、外周側回転子16は、ヨーク60に固定された接続部92を介して回転軸(第2回転軸)86に連結されている。回転軸86は、軸受け88を介してケース80に回転可能に保持されて、ケース80の外側に突出し、外周側回転子16の回転力をケース80外部に出力している。このようにして、外周側回転子16は、回転軸86を介してケース80に回転可能に保持されて、回転軸86の中心Cを回転中心として回転する。なお、図2に示すように、内周側回転子14の回転軸82の中心と、外周側回転子16の回転軸86の中心とは同じ位置(C)となっている。
内周側回転子14は、固定子12の内周側に間隙70をあけて配置され、外周側回転子16は、固定子12の外周側に間隙72をあけて配置されている。なお、図1,2では、間隙70,72を若干広めに描いてある。
ここで、内周側回転子14の永久磁石54により形成される極対数(以下「内回転子極対数PIR」とも言う)と、固定子12の巻線24に電流を流すことにより形成される極対数(以下「固定子巻線磁対数PSC」とも言う)と、固定子12の鉄心群20の内周側の永久磁石28により形成される極対数(以下「固定子内側極対数PSI」とも言う)との関係について説明する。これらは、バーニアモータの磁極関係を満たしており、具体的には、以下の(数1)式の関係を有している。
|PIR±PSC|=PSI (数1)
本実施形態では、PIR(=32)とPSC(=4)とを加算した数が、PSI(=36)となっている。
同様に、外周側回転子16の永久磁石64により形成される極対数(以下「外回転子極対数POR」とも言う)と、固定子12の巻線24に電流を流すことにより形成される極対数(固定子巻線磁対数PSC)と、固定子12の鉄芯群20の外周側の永久磁石36により形成される極対数(以下「固定子外側極対数PSO」とも言う)とは、バーニアモータの磁極関係を満たしている。具体的には、以下の(数2)式の関係を有している。
|POR±PSC|=PSO (数2)
本実施形態では、POR(=20)とPSC(=4)とを加算した数が、PSO(=24)となっている。
このように、内周側の極対数の関係(PIR,PSC,PSIの関係)と、外周側の極対数の関係(POR,PSC,PSOの関係)とは、両方ともにバーニアモータの磁極関係を満たしている。しかし、それらの磁極関係は同一ではない。すなわち、内回転子極対数PIRは32(固定子内側極対数PSIは36)であるのに対し、外回転子極対数PORは20(固定子外側極対数PSOは24)であり、数(極対数)が異なっている。これにより、以降説明するように、固定子12の巻線24に三相電流を流した際に、内周側回転子14と外周側回転子16とは異なる速度で回転することになる。
次に、本実施形態における回転電機10aの動作について説明する。固定子12の巻線24に三相電流を流すことにより鉄芯群20に4極対(極対数=4)の回転磁界が形成され(発生し)、この回転磁界は、内周側回転子14と外周側回転子16とに共通して使用される。巻線24の三相電流により、内周側回転子14と外周側回転子16とに駆動力が発生し、それらの各々が回転する。それらの各々の回転力は、第1回転軸82と第2回転軸86とから出力される。
内周側回転子14は、外周側回転子16の回転速度に対して(外回転子極対数POR/内回転子極対数PIR)の速度で回転し、本実施形態では、内周側回転子14は、外周側回転子16の回転速度に対して5/8(=20/32)の速度で回転する。
ここで、一例として、外周側回転子16を480rpm(8rps)の速度で回転させて、内周側回転子14を300rpm(5rps)の速度で回転させる場合における、巻線24へ流す三相電流の駆動周波数について説明する。まず、外周側回転子16を480rpm(8rps)の速度で回転させることに着目した場合、以下(数3)式より、三相電流の駆動周波数は160Hzとなることがわかる。
POR×外回転子の回転速度=20×8(rps)=160(Hz) (数3)
また、内周側回転子14を300rpm(5rps)の速度で回転させることに着目した場合、以下(数4)式より、三相電流の駆動周波数は160Hzとなる、ことがわかる。
PIR×内回転子の回転速度=32×5(rps)=160(Hz) (数4)
このように、共通した駆動周波数(=160Hz)の三相電流によって、外周側回転子16と内周側回転子14とを別々の速度で回転させることができる。すなわち、1台のインバータにより、固定子12の巻線24へ三相電流を供給することにより、内周側回転子14と外周側回転子16とを互いに異なる回転速度(回転数)で回転させることができる。
図4は、固定子12の巻線24(三相巻線)に通電した時の磁束線(FEM解析結果)を示す図である。図5は、内周側回転子14のトルクITと,外周側回転子16のトルクOTとの一例を示す図である。図5に示すように、固定子12の巻線24へ三相電流を供給することで、内周側回転子14と外周側回転子16とが異なる速度で回転し、それらが異なるトルク出力となる。なお、インバータにより、三相巻線の各相のそれぞれに流す交流電流の位相である電流進角を制御することで、内周側回転子14のトルクITと、外周側回転子16のトルクOTとを変化させることが可能である。それにより、例えば、内周側回転子14のトルクITと、外周側回転子16のトルクOTとを同じにすることも可能である。
以上説明した本実施形態の回転電機10aによれば、1台のインバータにより、固定子12の巻線24へ電流を供給することで、2つの回転子(内周側回転子14および外周側回転子16)を異なる速度で回転させることができ、2つの出力(トルク出力)を得ることができる。内周側回転子14および外周側回転子16とが固定子12の磁気回路を共有する簡便な構成でありながら、それを実現できる。このように、インバータが1台でよく、回転電機の構成も簡便であるため、従来の2つのトルク出力を得るために必要であったモータシステムに比べて、より小型化、軽量化したモータシステム(回転電機システム)とすることが可能である。
なお、本実施形態の回転電機10aは、外周側回転子16を停止させて内周側回転子14を外部の動力によって回転させる(第1回転軸82を回転させる)こと、或いは、内周側回転子14を停止させて外周側回転子16を外部の動力によって回転させる(第2回転軸86を回転させる)ことで、固定子12の巻線24に誘起電流を発生させ、発電機として機能させることが可能である。
<実施形態2>
次に、別の実施形態における回転電機10bについて説明する。なお、以降、上記した実施形態を「実施形態1」と言い、この別の実施形態を「実施形態2」と言う。図6は、実施形態2における回転電機10bの径方向断面図であり、90度分の断面を示している。図6では、実施形態1の回転電機10aと同一の部材には同一の符号を付してある。なお、実施形態2における回転電機10bの軸方向断面図は、実施形態1の回転電機10aの軸方向断面図(図2)と同じである。実施形態2の回転電機10bと実施形態1の回転電機10aとの違いは、外周側回転子16に配置された永久磁石(外回転子磁石)64の数であり、実施形態2では、それが28個である。その他は、実施形態1の回転電機10aと同様である。
ここで、実施形態2における、外周側回転子16の永久磁石64により形成される極対数(外回転子極対数POR)と、固定子12の巻線24に電流を流すことにより形成される極対数(固定子巻線磁対数PSC)と、固定子12の鉄芯群20の外周側の永久磁石36により形成される極対数(固定子外側極対数PSO)との関係について説明する。これらは、実施形態1と同様にバーニアモータの磁極関係を満たしており、上記した(数2)式の関係を有している。具体的には、実施形態2では、POR(=28)からPSC(=4)を減算した数が、PSO(=24)となっている。なお、内周側の極対数の関係(内回転子極対数PIR,固定子巻線磁対数PSC,固定子内側極対数PSIの関係)は、実施形態1と同じであり、PIR(=32)とPSC(=4)とを加算した数が、PSI(=36)となっている。
実施形態2においても、内周側の極対数の関係(PIR,PSC,PSIの関係)と、外周側の極対数の関係(POR,PSC,PSOの関係)とは、両方ともにバーニアモータの磁極関係を満たしているが、それらの磁極関係は同一ではない。すなわち、内回転子極対数PIRは32(固定子内側極対数PSIは36)であるのに対し、外回転子極対数PORは28(固定子外側極対数PSOは24)であり、数(極対数)が異なっている。これにより、実施形態2においても、固定子12の巻線24に三相電流を流した際に、内周側回転子14と外周側回転子16とは異なる速度で回転する。
実施形態2では、内周側回転子14は、外周側回転子16の回転速度に対して7/8(=POR/PIR=28/32)の速度で回転する。ここで、一例として、外周側回転子16を342.86rpm(5.71rps)の速度で回転させて、内周側回転子14を300rpm(5rps)の速度で回転させる場合における、固定子12の巻線24へ流す三相電流の駆動周波数は、160Hzとなる(上記した実施形態1の(数3)式および(数4)式にならって計算すると160Hzとなる)。
図7は、実施形態2における回転電機10bの固定子12の巻線24(三相巻線)に通電した時の磁束線(FEM解析結果)を示す図である。図8は、実施形態2における回転電機10bの内周側回転子14のトルクITと,外周側回転子16のトルクOTとの一例を示す図である。図8に示すように、実施形態2においても、内周側回転子14と外周側回転子16とで異なるトルク出力を得ることができる。
以上説明した実施形態2の回転電機10bにおいても、実施形態1の回転電機10aと同様の作用効果を得ることができる。すなわち、1台のインバータにより、固定子12の巻線24へ電流を供給することで、2つの回転子(内周側回転子14および外周側回転子16)を異なる速度で回転させることができ、2つのトルク出力を得ることができる。
<付記>
なお、以上説明した実施形態1,2における内回転子極対数PIR、固定子巻線磁対数PSC、固定子内側極対数PSI、外回転子極対数PORおよび固定子外側極対数PSOは、あくまで一例であり、上記した(数1)式および(数2)式のバーニアモータの磁極関係を満たす限り、それらの数は限定されるものではない。また、例えば、以上において説明しなかった、内回転子極対数PIRから固定子巻線磁対数PSCを減算した数が固定子内側極対数PSIとなっており、かつ、外回転子極対数PORと固定子巻線磁対数PSCとを加算した数が固定子外側極対数PSOとなっている回転電機であってもよい。或いは、内回転子極対数PIRから固定子巻線磁対数PSCを減算した数が固定子内側極対数PSIとなっており、かつ、外回転子極対数PORから固定子巻線磁対数PSCを減算した数が固定子外側極対数PSOとなっている回転電機であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10a,10b 回転電機、12 固定子、14 内周側回転子、16 外周側回転子、18 固定子鉄芯、20 鉄芯群、22 スロット、24 巻線(コイル)、26 凹み部、28 永久磁石(固定子内側磁石)、30 開口、32 隣接部、34 凹み部、36 永久磁石(固定子外側磁石)、38 開口、40 隣接部、50 ヨーク、52 凹み部、54 永久磁石(内回転子磁石)、56 隣接部、60 ヨーク、62 凹み部、64 永久磁石(外回転子磁石)、66 隣接部、70,72 空隙部、80 ケース、82 回転軸(第1回転軸)、84 軸受け、86 回転軸(第2回転軸)、88 軸受け、90,92 接続部。

Claims (5)

  1. 円環状に配置された複数の固定子鉄芯からなる鉄芯群と、前記各固定子鉄芯の間のスロットに挿通されて前記固定子鉄芯に巻回された巻線と、を有する固定子と、
    前記固定子の内周側に回転可能に保持され、周方向に沿って複数の永久磁石が配置された内周側回転子と、
    前記固定子の外周側に回転可能に保持され、周方向に沿って複数の永久磁石が配置された外周側回転子と、を備え、
    前記内周側回転子と前記外周側回転子とは異なる回転軸に連結された回転電機であって、
    前記鉄芯群の内周側および外周側には、周方向に沿って複数の永久磁石が配置されており、
    前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数である固定子内側極対数と、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数である固定子外側極対数とが異なり、
    前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数である内回転子極対数と、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数である外回転子極対数とが異なり、
    前記内周側回転子は、前記外周側回転子の回転速度に対して(前記外回転子極対数/前記内回転子極対数)倍の速度で回転する、
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機であって、
    前記固定子鉄芯に巻回する前記巻線は三相巻線であり、
    前記固定子鉄芯の数は3の倍数である、
    ことを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機であって、
    前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数と、前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数とは、バーニアモータの磁極関係を有し、
    前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数と、前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数とは、バーニアモータの磁極関係を有する、
    ことを特徴とする回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機であって、
    前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数は、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数であり、
    前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数は、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数である、
    ことを特徴とする回転電機。
  5. 請求項3に記載の回転電機であって、
    前記鉄芯群の内周側の永久磁石により形成される極対数は、前記内周側回転子の永久磁石により形成される極対数と、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数とを加算した数であり、
    前記鉄芯群の外周側の永久磁石により形成される極対数は、前記外周側回転子の永久磁石により形成される極対数から、前記巻線に電流を流すことにより形成される極対数を減算した数である、
    ことを特徴とする回転電機。
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