JP3710547B2 - ディスク型磁気浮上回転機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク型磁気浮上回転機械に係り、特にディスク状の固定子に回転駆動用の巻線と制御巻線を備え、ディスク状の回転子を回転駆動すると共に磁気浮上姿勢制御する回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平2−193547号公報等には、円筒型固定子内に円柱型回転子を組み込み、固定子に励磁回路を形成し、ここで回転子に回転力を与えると同時に所定位置に保持する位置制御力を作用させる磁気浮上回転機械が開示されている。
これは、固定子に回転駆動用の巻線と制御巻線を備え、それぞれに三相交流電流を流すことにより、極数の異なる回転磁界を形成し、円柱型回転子の回転軸垂直断面に磁気的作用を及ぼすものである。これにより、回転子を磁気的に吸引させて、その位置と姿勢を制御して、固定子に対して非接触支持が可能な回転位置決めの機能を有すると共に、回転子に回転力を付与することができる。このため、従来必要とされていた磁気軸受に相当する電磁石ヨーク部分及び巻線が不要となり、磁気浮上型の回転機械を小型軽量化することができる。また、制御巻線の電流と主巻線の電流との相乗効果的な機能により、磁気軸受に相当する動作を行えるので、従来の磁気軸受と比較してはるかに小さな電流で済み、大幅な省エネルギー化が可能である。
【0003】
また、平板型固定子によりディスク型の回転子に回転力を付与する構造の回転機械が開示されている。しかしながら、この回転機械では、回転子の回転支持機構は機械軸受で行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたもので、ディスク型の回転子を回転駆動すると共に、磁気軸受として固定子間に非接触で姿勢制御することができる、ディスク型の磁気浮上回転機械を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスク型磁気浮上回転機械は、ディスク型固定子にディスク型回転子を対向配置した回転機械において、通電によりN極回転磁界を発生する第一の巻線と、N±2極の回転磁界を発生する第二の巻線とが、前記ディスク型固定子の中心から放射状に配置されている同一のスロット内に挿通され、該第一の巻線に通電することにより、前記ディスク型回転子を回転駆動すると共に、軸方向位置制御を行い、該第一の巻線が発生するN極回転磁界と、該第二の巻線が発生するN±2極の回転磁界とを重ねることで、前記回転子の傾き制御を行うことを特徴とする。
【0006】
又、前記回転子の前記固定子との対向面に、永久磁石を固設したことを特徴とする。
【0007】
又、前記回転子の前記固定子との対向面に、磁性材の凸極を設けたことを特徴とする。
【0008】
又、前記回転子に前記固定子から作用する変動磁界により発生する電流の通路を設けたことを特徴とする。
【0009】
又、前記回転子に回転力を付与するために、前記第一の巻線にトルク分に相当する電流を流したときに、励磁磁束分に重畳して発生するトルク分磁束と、前記第二の巻線電流が発生する磁束との磁気的干渉による該回転子の傾き変化分を除去する姿勢制御非干渉化補償器を備えたことを特徴とする。
【0010】
又、前記回転子と前記固定子の間隙が該回転子の傾き変化により不均一になった時に、前記固定子に巻回された前記第一の巻線に通電することによって発生する前記第二の巻線の誘起電圧により生じる該第二の巻線端子電圧が変化することを利用して、前記回転子の傾きを検出する手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
又、前記第一の巻線に流れる電流と該第一の巻線の端子電圧の電気的特性から前記回転子の軸方向位置を検出する手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
又、2つの前記ディスク型固定子を対向して配置し、その間隙に前記ディスク型回転子を備えた回転機械において、該固定子の一方の前記第一の巻線の励磁分電流だけによって生じる回転磁界の磁極と、もう一方の該固定子のもう一方の該第一の巻線のトルク分電流だけによって生じる回転磁界の磁極を回転軸方向に対向せしめることによって、回転子に付与される回転力の変動を少なくしたことを特徴とする。
【0019】
本発明は、ディスク型回転機械において、固定子に回転磁界を積極的に不平衡状態にする機構を持たせることにより、固定子より回転子に及ぼす回転力及び浮上制御力を回転子の同一円周上に作用させることができる。即ち、固定子は回転子に回転駆動力と共に浮上位置及び浮上姿勢制御力を同時に作用させることができる。このため、従来の磁気軸受の電磁石部分に相当するものが不要となり、ディスク型磁気浮上回転機械の大幅な小型軽量化及び省エネルギー化が達成される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。尚、各図中の同一構成要素には同一の符号を付している。
【0021】
図1は、本発明の第1実施例のディスク型磁気浮上回転機械の要部の断面構造を示す。
ベースケーシング10に、ディスク型の形状を有する固定子11が配置されている。ドーナツ状のディスク型固定子11には、その中心から多数のスロットが放射状に配置されている。ディスク型固定子11は、例えば硅素鋼板等の高透磁率の磁性材料から構成されており、そのスロットには後に詳述する巻線12が巻回されている。この各固定子磁極に巻回した巻線12に与える電流を制御することにより、固定子11に対面する回転子13に回転力を与えると同時に、軸方向の磁気吸引力を作用させ、回転子13を磁気浮上状態で姿勢を制御する。回転子13は、その下面に高透磁率磁性材料からなる凸極14を備え、回転子13内には上面又は下面がN極又はS極に着磁された永久磁石15が埋め込まれている。従って、固定子11のスロット内に設けられた巻線12に電流を流すことにより形成される磁束が、回転子13の永久磁石15から凸極14を介して形成される磁束との間に磁気吸引力が生じ、上述したように回転子を磁気浮上により姿勢を制御しながら回転駆動することができる。
【0022】
図2は、本発明の第2実施例のディスク型磁気浮上回転機械の要部の構造を示す。この回転機械は、2つのディスク型固定子11,17を対向して配置し、その間隙にこれらの固定子により磁気浮上状態で回転駆動されるディスク型回転子13を備える。各固定子のスロット18,19には第1実施例と同様に図示しないが巻線が巻回されている。そして、同様に図示しないが、回転子13の位置及び姿勢を検出する検出器を備え、その検出した回転子の姿勢に対応して、固定子のスロット18に巻回した巻線に与える電流を制御して、回転子に回転力を与えると同時に軸方向の磁気吸引力を作用させ、回転子を磁気浮上状態で姿勢制御する。また、上側固定子17のスロット19に巻回された図示しない巻線は、同様に回転子13の図示しない磁極に磁気力を作用させ、回転子13を回転駆動する。
【0023】
このように、本実施例によれば、回転子13は上面の固定子17と下面の固定子11により回転駆動力が与えられるので、より強い回転駆動力が与えられ、また回転子13に装填された永久磁石が上側固定子17に対して磁気吸引力を作用させるので、より安定した回転駆動力と磁気保持力が与えられる。また、上側固定子により回転体に回転力負荷を与えることが可能である。これにより、下側リラクタンス電動機の特性試験が可能となる。また停電等の非常時には、永久磁石型電動機を発電機として作用させ、得られた電力で回転体浮上制御を行うことにより、緊急時の回転体支持を行うことが可能である。
【0024】
図3はこの磁気浮上回転機械の回転子と、固定子の配置を表している。ディスク型の回転子13は上下に設置したディスク型の固定子11,17に近接して対面するように位置する。尚、このうち上側固定子17を取り除き回転子13と下側固定子11とからなるものが第1実施例に相当する。回転子13の上面には回転軸方向にN,S極に着磁された永久磁石が4個、円周方向にN,S極の着磁面が交互になるように固定され、回転子下面には円周方向に等間隔に4個の凸極が存在する。固定子11,17と回転子13とは共に、硅素鋼板等の高透磁率磁性材料で作られ、またうず電流による発熱を抑えるため、積層構造で作られている。
【0025】
回転子13と固定子11,17が接触する異常動作時に、接触による破損を最小限にとどめるため、回転子13、固定子11,17共、互いに対向する面の外周部に高強度のステンレス鋼等の材料22,23が容易に交換できるように配置されている。また回転子13の内周部には、上記の理由と、異常時に回転子13が固定子11,17から逸脱しないために、固定子11,17に固定されたアンギュラー軸受20が配置される。これは、正常動作時に回転子に接触しない位置に設けられる。尚、図4は下側固定子の斜視図であり、高強度材料22及びアンギュラ軸受20の配置、及び軸芯から放射状に延びるスロット18の配置等を示している。
【0026】
図5、図6、図7は、固定子の磁極の各スロットに巻回される巻線の経路を示す。図5は上側固定子の4極巻線の経路を示し、図6は、下側固定子の4極巻線の経路を示し、図7は下側固定子の2極巻線の経路を示す。上側固定子の4極巻線では、一極を構成する環状の巻線はそれぞれ16ターンであり、1ターンは0.4Φの電線であれば26本並列、0.6Φの電線であれば12本並列、0.8Φの電線であれば7本並列により構成されている。この環状の巻線がU,V,W相についてそれぞれ4極づつ図示するように巻回されている。下側固定子の4極巻線では、一極を構成する巻線はそれぞれ19ターンであり、1ターンは0.4Φの電線であれば23本並列、0.6Φの電線であれば10本並列、0.8Φの電線であれば6本並列により構成されている。この環状の巻線がU,V,W相についてそれぞれ4極づつ図示するように巻回されている。下側固定子の2極巻線では、一極を構成する巻線が最小のループで5ターン、中位のループで17ターン、最大のループで22ターンであり、1ターンは0.4Φの電線であれば5本並列、0.6Φの電線であれば2本並列、0.8Φの電線であれば1本並列により構成される。この大、中、小の一極を構成するループ状の巻線が、U,V,W相についてそれぞれ2極分づつスロット1〜12に収納されている。
【0027】
上側固定子には回転子駆動用の4極制御巻線のみが巻回され、三相インバータ等の電力変換装置でU,V,Wの各相に通電することにより、回転子の円周方向に4極の回転磁界を作用せしめる。同時にZ軸方向への磁気吸引力を作用せしめる。回転子には前述したように上面に永久磁石が固設されているので、上側固定子より回転子上面に作用させる磁束はトルク分磁束だけでよい。この上側固定子に巻回された巻線に電力変換器により電流を通電することにより、回転子に回転駆動力を付与することができる。また、回転子に装着された永久磁石と固定子の高透磁率材料の磁気的作用により、回転子を上側向に引き上げる一定の磁気吸引力が働く。
【0028】
回転子下方に配設された固定子スロットには回転子駆動用兼回転子位置制御用巻線(4極巻線)と回転子姿勢制御用巻線(2極巻線)が上述したように巻回されている。図6に示す4極巻線に三相インバータ等の電力変換装置を用いて通電することにより、回転子の円周方向に4極磁界を作用せしめる。又、2極巻線に三相インバータ等の電力変換装置により通電することにより、回転子の円周方向に2極磁界を作用せしめる。回転子下面には前述したように、円周方向に等間隔に4個の凸極が存在し、回転角度信号に基づき回転子凸極の回転に同期した回転磁界を4極巻線の電流を制御して生成することにより、回転子に回転力を付与せしめる。同時に4極巻線に流す電流の電流振幅と回転子回転角度に対する位相を制御することにより、回転子浮上位置の制御を可能にしている。
【0029】
更に、このような4極巻線の電流が生成する4極回転磁界に、2極巻線に電流を流すことにより2極回転磁界を重畳して、回転子円周方向の磁束密度を偏配することにより、回転子に生じる下向きの磁気吸引力が回転子円周方向に関して不均一になる。これにより回転子の回転軸が傾く方向を制御することができる。
又、2つの前記ディスク型固定子を対向して配置し、その間隙に前記ディスク型回転子を備えた回転機械において、該固定子の一方の前記第一の巻線の励磁分電流だけによって生じる回転磁界の磁極と、もう一方の該固定子のもう一方の該第一の巻線のトルク分電流だけによって生じる回転磁界の磁極を回転軸方向に対向せしめることによって、回転子に付与される回転力の変動を少なくすることができる。
【0030】
図8は、上述した回転機械の制御系の説明図である。回転子13の外周には回転子の軸方向断面に対向した位置に変位検出器25を固定子に固定して取り付けてあり、ここで得られた情報は回転子位置と回転子姿勢信号に制御装置26,27A,27Bで演算される。
回転子位置は回転子中心部分の軸方向の位置と同等であり、回転子姿勢は回転子回転軸の傾きとして2つの信号で表現される。以下、この3つの信号を回転子位置z、回転子姿勢信号α、回転子姿勢信号βと表わす。
【0031】
回転子と固定子のギャップを検出する変位検出器を回転子円周方向に等間隔に4個配置し、ここで得られた信号をアキシャル位置制御検出器、α方向傾き検出器、β方向傾き検出器に入力することにより、それぞれアキシャル位置z、傾きα、傾きβを出力する。傾きαの回転軸と傾きβの回転軸は直交しており、かつ回転子回転軸に対しても直交している。
【0032】
尚、変位検出器25は図示するような別置型ではなく、固定子に巻回された巻線を利用してもよい。即ち、巻線のインダクタンスの変化から、回転子の位置、姿勢を検出する、インダクタンス型変位検出器として利用することにより、別置型の変位検出器を不要とすることができる。これによりその分のスペースを削減できる。同様に、回転子の姿勢(傾きα,β)の検出は、固定子11の4極巻線(図6参照)及び2極巻線(図7参照)を利用して行うことができる。即ち、回転子13と固定子11の間隙が、回転子13の姿勢変化により不均一になった時は、固定子の4極巻線に通電することによって発生する2極巻線の誘起電圧により生じる2極巻線の端子電圧が上昇することを利用して、回転子の姿勢(傾きα,β信号)を検出することができる。又、同様に4極巻線に流れる電流とその巻線の端子電圧の電気的特性から回転子のZ方向位置を検出することができる。
【0033】
尚、前述の上側固定子と回転子上面永久磁石の吸引力は無制御であり、上側固定子の巻線は回転子の位置制御、姿勢制御を積極的に行っていないので、説明図から省略している。
システムには回転子の回転角度θを検出する回転角度検出器26と、回転子の回転速度ωを検出する回転速度検出器26を有している。
既に求めたアキシャル位置信号zと回転速度信号ωを、目標位置を設定した指令値z*、ω*とそれぞれ比較し、その偏差を増幅して回転子の回転軸方向に作用する制御力の指令値Fz* と回転子回転駆動力の指令値T* を発生する。この2つの信号を回転子に同期したd−q座標系の電流指令値Id*、Iq*をアキシャル方向トルク分離演算器30にて生成する。回転座標変換器によりId*、Iq*を回転子回転角度信号θに基づき固定座標に変換し、二相三相変換器31により4極巻線のU,V,W相に流す電流量を電圧信号で出力する。この電圧信号Imu*、Imv*、Imw* を3φインバータ(電力変換器)32に入力して巻線に所望の電流を流すことにより、回転子の出力トルクとアキシャル方向位置制御を同時に制御する。
【0034】
傾きα信号と傾きβ信号は下側固定子の2極巻線の電流量を決定するパラメータに用いられる。傾きα、傾きβを目標指令値α* 、目標指令値β*と比較し、その偏差を増幅して傾きに対する制御力の指令値Fα*、Fβ*を得る。回転子13がトルクを発生している場合、4極巻線にはd軸電流だけでなくq軸電流が流れる。下側固定子の2極巻線電流が生成する磁界と4極巻線電流が生成する磁界の干渉により、円周方向の磁束分布を不均一にして姿勢制御を行うため、トルク変動によって生じる4極巻線のq軸電流の変動を考慮して傾き制御における力の指令値を決定する必要がある。q軸電流によって生成されるq軸磁束と2極巻線が生成する磁束の干渉を考慮した傾き制御非干渉化補償器33により、トルク変動に影響されない力の指令値Fα*’、指令値Fβ*’を得る。この信号と回転角度信号を用いて変換器34で回転角度変調、二相三相変換を行い、2極巻線のU,V,W相に流す電流量を電圧信号で出力する。この電圧信号Ipu*、Ipv*、Ipw* を3φインバータ(電力変換器)35に入力して2極巻線に所望の電流を流すことにより回転子の姿勢の制御を行う。
【0035】
図9及び図10は、上記傾き制御についての原理図である。図9(A)は回転体13の傾きα方向の変位を示し、図9(B)は回転体13の傾きβ方向の変位を示し、図9(C)は回転子13のアキシャル(軸)方向zの変位を示す。α方向とβ方向とz方向は、それぞれ直交している。図10(a)は4極回転磁界による磁束の状態、図10(b)は2極回転磁界による磁束の状態、図10(c)はこの2つの磁束を重ね合わせた状態である。回転子には磁束密度が大きい部分ほど吸引力が大きいので、結果的にロータの傾きは変化する。即ち、2極巻線が作る磁界の大きさ、位相を制御することにより、回転子13の傾きを、任意のα方向及びβ方向に、任意の大きさで制御することができる。これにより、外乱によりディスク状の回転子の傾きが変化しても、元の傾きに復元することができる。又、4極巻線に流れる電流と、その巻線の端子電圧の電気的特性より、回転子13の軸方向位置を検出することができる。
【0036】
図11は、上述した回転機械の他の制御系の実施例である。基本的な制御系の構成は、図8に示したものと同様である。本実施例の制御系では、回転子13のz方向変位、傾きα、傾きβをインバータ兼姿勢検出器32Aで検出しており、図8に示した変位検出器25を用いていない。これは、固定子に巻回された巻線のインダクタンスの変化をインバータの出力端で検出することから、回転子の位置及び傾きα、βを検出するためである。即ち、4極巻線に流れる電流と4極巻線の端子電圧の電気的特性から回転子の位置(変位)zを検出することができる。又、4極巻線に通電することによって発生する2極巻線の誘起電圧により生じる、2極巻線の端子電圧が回転子13の姿勢の変化により、片方の相で上昇することを利用して、回転子13の傾きα、βを検出することができる。
【0037】
以上の説明から明らかなように、本発明は固定子の回転力付与用巻線を巻回するスペースに、独立した制御用巻線を追加することで、回転子の軸方向位置と姿勢を非接触で制御することを可能にした。このため回転子を非接触で支持する磁気軸受の制御用電磁石に相当する部分を大幅に省略でき、機器の小型化と部品数の減少、それに伴う大幅なコストダウンを実現した。
【0038】
尚、この実施例では2極巻線と4極巻線の組合せを用いたが、N(駆動巻線極数)=M(姿勢制御巻線極数)±2に従った組合せであれば、本実施例と同様の回転子の回転駆動と磁気浮上制御が可能である。さらに同期リラクタンス型に限らず、永久磁石型、誘導機等にも本発明の趣旨が同様に適用可能であることは勿論である。
【0039】
又、上記実施例はディスク状の回転体を磁性材料で構成し、更に永久磁石を固着したものであるが、更に高導電率材料(例えば銅線)の電流路を設けるようにしてもよい。電流路をディスク状の回転体の面に放射状に設け、その内周と外周をリング状に結線することにより、高負荷時にはその電流路に電流が流れ、トルクを大きくすることができる。このように本発明の趣旨を逸脱することなく、種々の変形実施例が可能である。
【発明の効果】
【0040】
以上に説明したように本発明によれば、ディスク型の回転子を磁気浮上状態で浮上位置及び傾きを制御すると共に回転駆動することができる。これにより、磁気軸受の電磁石固定子に相当する部分が不要となり、ディスク型回転体の非接触支持のメリットを生かしつつ、ディスク型回転機械の小型軽量化と省エネルギー化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のディスク型回転機械の要部の説明図。
【図2】本発明の第2実施例のディスク型回転機械の要部の斜視図。
【図3】図2に示すディスク型回転機械の全体的な構成を示す断面図。
【図4】下側固定子の斜視図。
【図5】上側固定子の4極巻線の巻線経路の説明図。
【図6】下側固定子の4極巻線の巻線経路の説明図。
【図7】下側固定子の2極巻線の巻線経路の説明図。
【図8】前記ディスク型回転機械の制御系の説明図。
【図9】ディスク型回転子の(A)α方向の変位、(B)β方向の変位、(C)z方向の変位を示す説明図。
【図10】回転子の姿勢制御の原理の説明図。
【図11】前記ディスク型回転機械の他の実施例の制御系の説明図。
【符号の説明】
10 ケーシング
11 下側固定子
12 巻線
13 ディスク状の回転子
15 永久磁石
17 上側固定子
18,19 スロット
20 アンギュラ軸受
Claims (8)
- ディスク型固定子にディスク型回転子を対向配置した回転機械において、
通電によりN極回転磁界を発生する第一の巻線と、N±2極の回転磁界を発生する第二の巻線とが、前記ディスク型固定子の中心から放射状に配置されている同一のスロット内に挿通され、
該第一の巻線に通電することにより、前記ディスク型回転子を回転駆動すると共に、軸方向位置制御を行い、
該第一の巻線が発生するN極回転磁界と、該第二の巻線が発生するN±2極の回転磁界とを重ねることで、前記回転子の傾き制御を行うことを特徴とするディスク型磁気浮上回転機械。 - 前記回転子の前記固定子との対向面に、永久磁石を固設したことを特徴とする請求項1に記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 前記回転子の前記固定子との対向面に、磁性材の凸極を設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 前記回転子に前記固定子から作用する変動磁界により発生する電流の通路を設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 前記回転子に回転力を付与するために、前記第一の巻線にトルク分に相当する電流を流したときに、励磁磁束分に重畳して発生するトルク分磁束と、前記第二の巻線電流が発生する磁束との磁気的干渉による該回転子の傾き変化分を除去する姿勢制御非干渉化補償器を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 前記回転子と前記固定子の間隙が該回転子の傾き変化により不均一になった時に、前記固定子に巻回された前記第一の巻線に通電することによって発生する前記第二の巻線の誘起電圧により生じる該第二の巻線端子電圧が変化することを利用して、前記回転子の傾きを検出する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 前記第一の巻線に流れる電流と該第一の巻線の端子電圧の電気的特性から前記回転子の軸方向位置を検出する手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスク型磁気浮上回転機械。
- 2つの前記ディスク型固定子を対向して配置し、その間隙に前記ディスク型回転子を備えた回転機械において、該固定子の一方の前記第一の巻線の励磁分電流だけによって生じる回転磁界の磁極と、もう一方の該固定子のもう一方の該第一の巻線のトルク分電流だけによって生じる回転磁界の磁極を回転軸方向に対向せしめることによって、回転子に付与される回転力の変動を少なくしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスク型磁気浮上回転機械。
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