JP3396088B2 - 船舶の区画貫通部における充填構造及び充填剤の充填方法 - Google Patents

船舶の区画貫通部における充填構造及び充填剤の充填方法

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JP3396088B2
JP3396088B2 JP18647594A JP18647594A JP3396088B2 JP 3396088 B2 JP3396088 B2 JP 3396088B2 JP 18647594 A JP18647594 A JP 18647594A JP 18647594 A JP18647594 A JP 18647594A JP 3396088 B2 JP3396088 B2 JP 3396088B2
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遜 吉形
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、船舶の甲板や区画壁
等の区画部に、ケーブル線や管等の挿通部材を通すため
に穿設された貫通孔に装備され、挿通部材及び不燃性の
充填剤を受容する船舶の区画貫通部における充填剤受容
具及び充填剤の充填方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶における甲板や区画壁等の区画部に
ケーブル線や管等の挿通部材を挿通させる場合、防火対
策上、区画部に形成した区画貫通部に不燃性の充填剤を
充填する等の施工が必要とされる。そのため、不燃性の
充填剤を充填する施工に際し、施工を容易にするため、
従来から充填剤を受容する充填剤受容具が使用されてい
る。この充填剤受容具aは、例えば船舶の区画壁に使用
されるものとして、図8に示すように左右両端面が開口
された四角筒状体から構成され、内部にケーブル線や管
等の挿通部材D…D及び不燃性の充填剤を受容する充填
剤受容部bを備え、左端面及び右端面に挿通用口c、c
を夫々備え、又、上面の左部と右部との各々に流入用小
孔dと確認用小孔eとが一個ずつ穿設されたものであ
る。そして、このように形成した充填剤受容具aによっ
て施工を施すには、図8に示すように、まず、充填剤受
容具aを区画部Kに穿設した貫通孔K1に嵌挿させて区
画部Kの両側方に突出させた後、充填剤受容具aの中央
部と区画部Kとを溶着させることにより充填剤受容具a
を区画部Kの貫通孔K1に装備する。次に、ケーブル線
や管等の挿通部材D…Dを、充填剤受容具aの一方の挿
通用口cから充填剤受容部bに入れた後、他方の挿通用
口cに出す。そして、充填剤受容具aの左右両端部に非
流動性充填剤としてのパテP、Pを配して挿通用口cを
塞ぎ、その後、流動性を有する流動性充填剤Jを流入用
小孔dから流し込み、流し込んだ流動性充填剤Jが確認
用小孔eから出るところまで一杯に入れる。そして、そ
の状態で放置しておけば、流し込んだ流動性充填剤Jが
固まり、施工が終了する。
【0003】しかしながら、例えば充填剤受容具aに挿
通部材D…Dとして複数のケーブル線D…Dを通した場
合、図9に示すようにケーブル線同士D…Dが充填剤受
容具a内で絡み合って捩れた状態で配設される場合が多
いが、外部から充填剤受容部b内を確認できず、又、確
認できたとしても外部から整列状態に直し難い。従っ
て、ケーブル線D…Dを単に通してそのまま、流動性充
填剤Jを入れているのが現状であり、このような状態で
流動性充填剤Jを入れると、ケーブル線間に流動性充填
剤Jの充填されていない空間部が複数箇所に発生してし
まう。このような空間部は、時間が経つと徐々に流動性
充填剤Jが侵入してほとんどが消滅するが、消滅するに
伴い充填剤受容部b内に確認用小孔eから出るところま
で一杯に流し込んだ流動性充填剤Jの高さ位置hが下が
り、充填剤受容部bの上部に空間部fができる。その一
方、作業者は、外部から充填剤受容部b内を確認できな
いため、確認用小孔eから出るところまで充填すれば充
填剤受容部b内に一杯に流し込めたとして、作業を終了
してしまう。その結果、後に充填剤受容部bの上部に空
間部fが残ったままとなり、確実な施工ができ難いとい
う課題がある。又、ケーブル線D…Dを整列状態に配設
できたとしても、充填剤受容具を区画部Kに対して水平
状にできずに傾けて固定した場合、あるいは、図10に
示すように船舶自体が傾いていた場合、その状態で流動
性充填剤Jを流し込むと、同様に確認用小孔eから出る
ところまで充填すれば充填剤受容部b内に一杯に流し込
めたとして作業を終了しても、充填剤受容部b内におけ
る左部上方に空間部fができた状態となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上の実
情に鑑み提案されたものでその目的とするところは、充
填剤受容部内を略全長に渡って目で確認でき、しかも、
充填剤受容部内に絡まって配設された挿通部材を整列状
態に直すことができ、尚且つ、充填剤受容部の軸方向の
適宜位置から充填剤受容部内に充填剤を入れることがで
き、充填剤受容部内での充填剤の充填されていない空間
部の発生を確実に防止し得る船舶の区画貫通部における
充填構造及び充填剤の充填方法を提供する。本願発明
は、一種類の非流動性の充填剤を使用して充填剤受容部
に充填できる船舶の区画貫通部における充填構造及び充
填剤の充填方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る発
明は、外周形状及び軸方向の長さを船舶の区画部Kに穿
設された貫通孔K1に嵌挿して区画部Kの両側に突出し
得る筒状体に形成し、内部にケーブル線や管等の挿通部
材D…D及び不燃性の充填剤P、Jを受容し得る充填剤
受容部2を備え、軸方向側の両端面の各々には挿通用孔
3、3を備え、更に、軸方向に沿う側面には開口溝4、
4を、充填剤受容部2に貫通するようにして軸方向に沿
って軸方向の一方側と他方側とに配設することにより、
これらの 開口溝4、4間に区画部Kに固着させるための
固定用部5を形成した充填剤受容具1を備え、この充填
剤受容具1が、船舶の区画部Kに穿設された貫通孔K1
に、区画部Kの両側に突出するように嵌挿されたもので
あり、固定用部5が区画部Kの貫通孔K1の全周に渡っ
て固着され、挿通部材D…Dが、充填剤受容具1の一方
の挿通用孔3から充填剤受容部2に通され、不燃性の充
填剤P、Jが挿通用孔3、3及び開口溝4、4の適宜位
置から充填剤受容部2に充填されたものであることを特
徴とする船舶の区画貫通部における充填構造を提供する
ことにより、上記の課題を解決する。
【0006】本願の請求項2に係る発明は、開口溝4、
4が、筒状体の軸方向の両端近傍まで形成されることに
より、筒状体の軸方向の両端部各々に全周に渡って開口
されていない変形防止部12、12が形成され、これら
の変形防止部12、12によって熱を受けた際の熱変形
を防止できるようになされたものであることを特徴とす
る請求項1記載の船舶の区画貫通部における充填構造を
提供するものである
【0007】本願の請求項3に係る発明は、上記開口溝
4、4の幅が、30mm以上に形成されることにより、
充填剤受容部2内が略全域に渡って外部から見られるよ
うになされたものであることを特徴とする請求項1又は
2に記載の船舶の区画貫通部における充填構造を提供す
【0008】本願の請求項4に係る発明は、外周形状及
び軸方向の長さを船舶の区画部Kに穿設された貫通孔K
1に嵌挿して区画部Kの両側に突出し得る筒状体に形成
し、内部にケーブル線や管等の挿通部材D…D及び不燃
性の充填剤P、Jを受容し得る充填剤受容部2を備え、
軸方向側の両端面の各々には挿通用孔3、3を備え、更
に、軸方向に沿う側面には開口溝4、4を、充填剤受容
部2に貫通するようにして軸方向に沿って軸方向の一方
側と他方側とに配設することにより、これらの開口溝
4、4間に区画部Kに固着させるための固定用部5を形
成した充填剤受容具1を準備し、この充填剤受容具1
を、船舶の区画部Kに穿設された貫通孔K1に、区画部
Kの両側に突出するように嵌挿した後、固定用部5を区
画部Kの貫通孔K1の全周に渡って固着し、次に、挿通
部材D…Dを充填剤受容具1の一方の挿通用孔3から充
填剤受容部2に通し、その後、不燃性の充填剤P、 Jを
挿通用孔3、3及び開口溝4、4の適宜位置から充填剤
受容部2に充填することを特徴とする船舶の区画貫通部
における充填剤の充填方法を提供する。
【0009】本願の請求項5に係る発明は、挿通部材D
…Dを充填剤受容具1の一方の挿通用孔3から充填剤受
容部2に通した後、充填剤受容部2内に配設した挿通部
材D…Dの配設状態を、開口溝4、4から目で確認し、
挿通部材D…D同士が絡み合った状態になっている場合
に、開口溝4、4から整列状態に直し、その後、不燃性
の充填剤P、Jを挿通用孔3、3及び開口溝4、4の適
宜位置から充填剤受容部2に充填することを特徴とする
請求項4記載の船舶の区画貫通部における充填剤の充填
方法を提供する。
【0010】
【作用】本願発明の充填構造及び充填剤の充填方法にお
いては、上記の充填剤受容具1を用い、充填剤受容部2
内に挿通部材D…Dを配設した際、挿通部材D…Dの配
設状態を開口溝4、4から充填剤受容部2の全長に渡っ
て見ながら行うことができる。又、挿通部材D…Dが互
いに絡まった状態になっている場合は、開口溝4、4か
ら操作して充填剤受容部2の全長に渡って整列状態に直
すことができる。一方、例えば船舶の区画壁に使用し、
流動性の充填剤Jを充填剤受容部2内に入れる際は、開
口溝4、4によって軸方向に沿う適宜位置から順次充填
剤受容部2内に入れられるため、従来のように所定の一
点から、開口部が小さいために特殊なポンプを使用して
充填剤受容部2内に流し込んで充填剤の流れによって充
填剤受容部2内の全体に充填する場合に比し、特殊なポ
ンプを使用せずに短時間で充填でき、しかも、挿通部材
同士D…Dの隙間にも容易に侵入させることができる。
又、開口溝4、4によって充填剤を、軸方向に沿う適宜
位置から充填剤受容部2内に順次入れられるため、従来
のように流動性のある充填剤Jを使用しなくても、充填
剤受容部2内の全体に非流動性の充填剤Pを充填するこ
ともできる。
【0011】又、充填剤受容具1が傾いた状態になって
いる場合でも、充填剤受容具2内に充填した充填剤の充
填状況を略全長に渡って外部から見ることができ、例え
ば充填剤受容部2内における左部上方に空間部ができた
ような場合には、開口溝4、4から容易に確認でき、従
来のように空間部ができたまま放置されるようなことを
防止できる。
【0012】本願の請求項2に係る発明にあっては、
口溝4、4を、筒状体の軸方向の両端近傍まで形成する
ことにより、筒状体の軸方向の両端部各々に全周に渡っ
て開口されない変形防止部12、12を形成するため、
これらの変形防止部12、12によって例えば火災に際
して充填剤受容具が熱を受けた場合でも熱変形を抑える
ことができる。これにより、軸方向に沿う側面に幅の広
い開口溝4、4を軸方向に沿って設けた場合でも、熱変
形を極力抑えることができる。
【0013】本願の請求項3に係る発明にあっては、
口溝4、4の幅を略30mm以上に形成しておくことに
より、充填剤受容部2内を略全域に渡って外部から見る
ことができ、又、充填剤受容部2内で挿通部材同士D…
Dが絡み合って捩れた状態になっている場合には、開口
溝4、4から容易に直すことができる。
【0014】本願の請求項5に係る発明にあっては、挿
通部材が互いに絡まった状態になっている場合に、開口
溝から操作して充填剤受容部の全長に渡って整列状態に
直すことができる。
【0015】
【実施例】以下、図を基に本願発明の一実施例を具体的
に説明する。図1は、本願発明の一実施例の平面図であ
り、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【0016】本実施例の充填剤受容具1は、四角筒状体
から構成され、前側面1a、後側面1b、底面1c、及
び上面1dの軸方向に沿う各側面を有し、軸方向側の左
右両側面が開口されている。詳しくは、厚さ5mm程度
の鉄板又はアルミ合金板を成形することにより、外幅が
400程度で、全長が200mm程度、高さが250m
m程度の大きさの四角筒状体に形成されており、ケーブ
ル線や管等の挿通部材D…D(図3に図示)を通すため
に船舶の区画部Kに穿設された貫通孔K1に嵌挿できる
ようになされている。尚、この充填剤受容具1の形状
は、四角筒状に形成されるものに限らず、円筒状や多角
筒状等、貫通孔K1に合った形状であれば良い。又、大
きさについても、上記の大きさに形成するものに限ら
ず、適宜変更できる。
【0017】この充填剤受容具1の内部は、充填剤受容
部2をなす。又、開口された左右両端面は、挿通用孔
3、3をなし、図3に示すようにケーブル線や管等の挿
通部材D…Dが一方の挿通用孔3から充填剤受容部2内
に軸方向に沿って入れられ、更に、充填剤受容部2から
他方の挿通用孔3に出せるようになされている。
【0018】又、充填剤受容具1の上面1dには、軸方
向に並設された二つの開口溝4、4と、開口溝4、4間
に配設された固定用部材51とが備えられている。この
開口溝4、4は、充填剤受容部2に不燃性の充填剤Jを
入れる投入口としての役目をなさせるとともに、充填剤
受容部2内における挿通部材D…Dの配設状態や充填剤
Jの充填状況を略全長にかけて外部から見る等のための
役目をも果たせるように設けられたものであり、一方、
固定用部材51は、充填剤受容具1に全周に渡って開口
されていない固定用部5を形成し、船舶の区画部Kにお
ける貫通孔K1の全周に充填剤受容具1の外周の全周を
固着させるようにするためのものである。本実施例で
は、これらの開口溝4、4及び固定用部5は、次のよう
にして形成している。まず、充填剤受容具1の上面1d
における前後両端部に各々縁部11、11を残すように
して縁部11、11以外の上面1d略全体を開口し、上
面1dに開口部を形成する。そして、充填剤受容具1の
全体を形成した上記鉄板と略同厚さで、幅が20mm程
度の別体の鉄板からなる固定用部材51を、その開口部
の左右中央位置に開口部の両側の縁部11、11架け渡
すようにして固着させる。このようにして充填剤受容具
1の上面1dの左右中央に幅20mm程度の固定用部5
を形成するとともに、その固定用部5の左方側及び右方
側に開口溝4、4を形成している。尚、上面1dに縁部
11、11を残しているのは、充填受容具1が熱を受け
た場合に、その熱による充填受容具1のねじれ変形等を
抑えるためであり、この実施例では、縁部11、11の
長さLを15mm以上確保するようにしている。更に、
この実施例では、熱による充填受容具1のねじれ変形等
を抑えるため、縁部11、11に加え、充填剤受容部2
内における四箇所の角部を湾曲状に形成している。又、
この湾曲形状は、重力衝撃・振動等で破損を受けない程
度で形成している。
【0019】尚、開口溝4、4及び固定用部5の形成方
法は、上述のようにするものに限らず、例えば充填剤受
容具1を四角筒状に形成した後、上面1dを、固定用部
5に相当する部分を残して左部及右部をカットすること
により、開口溝4、4及び固定用部5を形成するように
しても良い。又、固定用部5の幅は、船舶の区画部K
(一般的な区画部Kの厚さは6mm程度)における貫通
孔K1に固着できる程度の幅であれば良い。
【0020】又、この開口溝4、4の幅Bは、充填剤受
容部2内に充填剤を充填でき、且つ、充填剤受容部2内
のケーブル線や管等の挿通部材D…Dの配設状態を略全
長にかけて外部から見れる程度であれば良く、細溝状の
もの、あるいは、図4に示すように縁部11、11を残
さずに、上面1d全体に開口溝4、4を形成するように
しても良いが、好ましくは、30mm程度から両端に1
5mm程度の縁部11、11を残した幅に形成しておく
のが良い。30mm程度以下になると外部から一見して
充填剤受容部2内を見難くなる恐れがあり、又、30m
m程度以下になると、充填剤受容部2内における挿通部
材D…Dの配設状態を直す場合に、開口溝4、4から手
が入り難くなってしまい、配設状態を直し難くなる。一
方、15mm程度の縁部11、11の長さが短くなると
熱を受けた場合の熱変形を起こし易くなる恐れがあるか
らである。尚、充填受容具1を、断面円形状や断面多角
形状等に形成する場合も、同様に開口しておけば、外部
から一見して充填剤受容部2内を見易く、且つ熱変形を
起こし難くなり、好ましい。
【0021】尚、開口溝4を、軸方向に一つだけ設ける
ものに限らず、例えば図5に示すように細幅の開口溝4
a…4aを複数、軸方向に沿って設け、充填剤受容部2
内全体を見ることができるようにしても良い。
【0022】図6は、充填受容具1の他の実施例を示す
ものである。この実施例に係る充填受容具1は、上面1
dにおける軸方向側の左端部と右端部との両端部に夫
々、変形防止部材12、12が設けられている。これら
の変形防止部材12、12各々は、充填受容具1の軸方
向側の両端部各々に全周に開口されていない変形防止部
12、12を形成するためのもので、上記の固定用部5
を形成した固定用部材51と同形状の板状体から構成さ
れ、前後両端が縁部11、11各々に固着されている。
従って、充填受容具1の上面1dは、左右中央に固定用
部材5が配設され、左右両端部各々に変形防止部材
2、12が配設され、固定用部材5と変形防止部材1
2、12との間に開口溝4、4が形成されたものとな
る。こうすることにより、充填受容具1が熱を受けた場
合に、縁部11、11と共にその熱による充填受容具1
のねじれ変形等を抑えることができ、又、左右両端部に
おける前側面1a及び後側面1bの変形を抑え、充填剤
受容部2の幅の広がりを防止できる。尚、この変形防止
部12、12も、本実施例では、別体のものから構成し
ているが、一体的に設けるようにしても良い。
【0023】次に、この充填剤受容具1を船舶における
区画壁に用いて充填剤を充填する方法について説明す
る。先ず、図3に示すように船舶の区画部としての区画
壁Kに穿設した貫通孔K1に、この充填剤受容具1の上
面1dを上にし、中央の固定用部5が貫通孔K1に来る
まで嵌挿する。これにより、充填剤受容具1を、区画壁
Kの左右両側方に同長さ突出させることができる。そし
て、その状態で区画壁Kと充填剤受容具1の固定用部5
とを溶接して固定する。この溶接に際しては、固定用部
5によって、充填剤受容具1の外周の全周が区画壁Kに
溶接されるため、充填剤受容具1を区画壁Kに強固に固
定しておくことができる。
【0024】次に、ケーブル線や管等の挿通部材D…D
を、一方の挿通用孔3から充填剤受容部2内に入れ、更
に他方の挿通用孔3に挿通する。そして、充填剤受容部
2内に配設した挿通部材D…Dの配設状態を、開口溝
4、4から目で確認し、例えば挿通部材として複数のケ
ーブル線D…Dを入れ、ケーブル線D…D同士が絡み合
った状態になっている場合は、開口溝4、4から整列状
態に直しておく。その際、開口溝4、4を、充填剤受容
具1の略全長に渡って、しかも、上面1dの略幅全体に
設けているため、開口溝4、4から充填剤受容部2内の
隅々まで一見して容易に確認でき、ケーブル線D…Dの
配設状態をみることができる。従って、整列状態に直さ
なくても済むように目視しながら絡み合わないようにケ
ーブル線D…Dを挿通することができる。又、絡みあっ
た状態になっているケーブル線D…Dを整列状態に直す
場合でも、開口溝4、4を充填剤受容具1の略全長に渡
り、上面1dの略幅全体に設けておくことで、開口溝
4、4から容易に行うことができ、作業を容易なものに
できる。
【0025】その後、充填剤受容部2の左端部及び右端
部に不燃性の非流動性充填剤としてのパテP、Pを詰
め、左端部及び右端部の挿通用孔3、3を閉じる。尚、
このパテPの量は、この後に充填剤受容部2内に流し込
む不燃性の流動性充填剤Jが挿通用孔3、3から流れ出
ない程度であれば良い。そして、流動性充填剤Jを充填
剤受容部2内に開口溝4、4から、固定用部材51の上
面51a位置まで流し込む。尚、この流動性充填剤Jの
流し込み量は、貫通孔K1を完全に密閉できる範囲であ
れば良く、具体的には、本実施例の場合、固定用部材5
の下面51bから上面51aまでの固定用部材5の厚さ
5mmの範囲であれば良い。又、上記のように予め固定
用部材5の上面51a位置まで流し込んでおけば、時間
の経過によりケーブル線D…D同士の隙間に入り込んで
高さ位置が下がった場合にも固定用部材5の下面51b
における空間部の発生を防止できる点で好ましい。尚、
流動性充填剤Jを流し込んだ後、固定用部材5の下面5
1b側に隙間の有無は、開口溝4、4から確認すること
ができる。そして、隙間が開いておれば流動性充填剤J
が固化した後にパテPで埋めるようにすれば良い。
【0026】この場合においても、開口溝4、4を充填
剤受容具1の略全長に渡り、上面1dの略幅全体に設け
ているため、従来のように所定の一点から流し込まなく
ても、充填剤受容部2の上方から全体に満遍なく目で見
ながら流し込むことができる。従って、ケーブル線D…
D同士が整列している場合のみならず、仮に、絡み合っ
た状態になっている場合でも、ケーブル線D…D同士の
隙間や充填剤受容部2の隅々にまで流し込むことがで
き、流動性充填剤Jの充填していない空間部の発生を極
力抑えつつ行うことができる。こうすることにより、充
填剤Jの高さ位置が下がった時点で再度流動性充填剤J
を補充する場合のように、充填剤Jがケーブル線D…D
間に侵入し終えるまで待つ必要がなく、一度の作業で完
全に終了できる。
【0027】又、仮に、流動性充填剤Jの充填していな
い空間部が発生した場合においても、時間の経過により
その空間部に徐々に流動性充填剤Jが入って充填剤受容
部2内に充填した流動性充填剤Jの高さ位置の下がるの
を開口溝4、4から目で容易に確認でき、そのまま放置
されるようなことを防止できる。一方、例えば船舶自体
が傾斜した状態で流動性充填剤Jを流し込んだ場合で
も、開口溝4、4から充填剤受容部2の充填状況を全長
に渡ってみることができるため、充填剤受容部2に対し
て充填した流動性充填剤Jの高さ位置の低い部分が一見
して判り、そのまま放置されるようなことを防止でき
る。以上により、施工作業が終了し、時間の経過によ
り、充填剤P、Jが固化する。
【0028】尚、本実施例においては、従来と同様に、
先ず、充填剤受容部2の左端部及び右端部に非流動性の
パテPを詰めて挿通用孔3、3を閉じた後、流動性充填
剤Jを充填剤受容部2内に流し込んでいるが、上述のよ
うに略上面1d全体に渡って開口溝4、4を形成してい
るため、開口溝4、4から充填剤受容部2内全体にパテ
Pを詰めることもでき、パテPのみを充填するようにし
ても良い。
【0029】次に、本願発明の充填剤受容具1を船舶に
おける甲板に用いて充填剤を充填する方法について説明
する。この場合は、図7に示すように充填剤受容具1の
挿通用孔3、3を上下方向にし全体としての軸方向が上
下方向に向くようにして、区画部としての甲板Kに穿設
した貫通孔K1に通し(この図7では、開口部4、4を
有する面が右方側に配している。)、上記区画壁の場合
と同様にして固定する。
【0030】そして、ケーブル線や管等の挿通部材D…
Dを、一方の挿通用孔3から充填剤受容部2内に入れ、
更に他方の挿通用孔3に挿通する。尚、甲板の場合は部
屋の隅に没定されることが多いので、手前側に開口部
4、4を固定すると目で確認し易く、好ましい。そし
て、充填剤受容部2内に配設した挿通部材D…Dの配設
状態を、開口溝4、4から目で確認し、例えば挿通部材
として複数のケーブル線D…Dを入れ、ケーブル線D…
D同士が絡み合った状態になっている場合は、開口溝
4、4から整列状態に直しておく。この場合において
も、開口溝4、4から充填剤受容部2内の隅々まで一見
して容易に確認でき、ケーブル線D…Dの配設状態をみ
ることができ、又、絡みあった状態になっているケーブ
ル線D…Dを整列状態に直す場合でも、開口溝4、4か
ら容易に行うことができ、作業を容易なものにできる。
【0031】その後、充填剤受容部2内に全体に、上下
に配した両挿通用孔3、3及び開口部4、4から非流動
性のパテPを詰める。これにより、作業が終了する。
尚、流動性充填剤Jを使用する場合は、下方側に配した
挿通用孔3と開口部4、4を非流動性のパテPを詰め、
その後、流動性充填剤Jを上方側に配した挿通用孔3か
ら流し込むことにより行うことができる。尚、甲板に用
いる場合、充填剤受容具1を、甲板Kに対して上下対称
に突設させる態様のものに限らず、甲板Kの上方側に多
く突設させ、あるいは下方側に多く突設させて上下非対
称にしても良く、適宜変更できる。
【0032】
【発明の効果】以上、本願発明に係る充填構造及び充填
方法にあっては、充填剤受容部内に挿通部材を配設した
際、挿通部材の配設状態を開口溝から充填剤受容部の略
全長に渡って見ながら行うことができる。又、挿通部材
が互いに絡まった状態になっている場合は、開口溝から
操作して充填剤受容部の全長に渡って整列状態に直すこ
とができる。一方、例えば船舶の区画壁に使用し、流動
性の充填剤を充填剤受容部内に入れる際は、開口溝によ
って軸方向に沿う適宜位置から順次充填剤受容部内に入
れられるため、従来のように所定の一点から、開口部が
小さいためにポンプのような特殊な道具を使用して充填
剤受容部内に流し込んで充填剤の流れによって充填剤受
容部内の全体に充填する場合に比し、短時間で充填で
き、しかも、挿通部材同士の隙間にも容易に侵入させる
ことができる。又、開口溝によって充填剤を、軸方向に
沿う適宜位置から充填剤受容部内に順次入れられるた
め、従来のように流動性のある充填剤を使用しなくて
も、充填剤受容部内の全体に非流動性の充填剤を充填す
ることもできる。従って、本願発明は、充填剤の充填さ
れていない空間部の発生を確実に防止しつつ、作業効率
を高めた船舶の区画貫通部における充填構造及び充填剤
の充填方法を提供しえたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の充填構造及び充填方法に用いる充填
剤受容具の一実施例の平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】船舶の区画壁に固定して充填剤を充填した状態
の断面説明図である。
【図4】開口溝の他の実施例の説明図である。
【図5】開口溝の更に他の実施例の説明図である。
【図6】充填剤受容具の他の実施例の説明図である。
【図7】船舶の甲板に固定して充填剤を充填した状態の
断面説明図である。
【図8】従来の充填剤受容具の斜視図である。
【図9】従来の充填剤受容具を区画壁に固定して充填剤
を充填した状態の断面説明図である。
【図10】従来の充填剤受容具の傾斜状態での充填した
際の断面説明図である。
【符号の説明】
1 充填剤受容具 2 充填剤受容部 3 挿通用孔 4 開口溝 5 固定用部材 K 区画壁 P パテ J 流動性充填剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 3/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周形状及び軸方向の長さを船舶の区画部
    (K) に穿設された貫通孔(K1)に嵌挿して区画部(K) の両
    側に突出し得る筒状体に形成し、 内部にケーブル線や管等の挿通部材(D) …(D) 及び不燃
    性の充填剤(J)(P)を受容し得る充填剤受容部(2) を備
    え、 軸方向側の両端面の各々には挿通用孔(3)(3)を備え、 更に、軸方向に沿う側面には開口溝(4)(4)を、充填剤受
    容部(2) に貫通するようにして軸方向に沿って軸方向の
    一方側と他方側とに配設することにより、これらの開口
    溝(4)(4)間に区画部(K) に固着させるための固定用部
    (5) を形成した充填剤受容具(1) を備え、 この充填剤受容具(1)が、船舶の区画部(K) に穿設され
    た貫通孔(K1)に、区画部(K) の両側に突出するように嵌
    挿されたものであり、 固定用部(5) が区画部(K) の貫通孔(K1)の全周に渡って
    固着され、 挿通部材(D) …(D) が、充填剤受容具(1) の一方の挿通
    用孔(3) から充填剤受容部(2) に通され、 不燃性の充填剤(J)(P)が挿通用孔(3)(3)及び開口溝(4)
    (4)の適宜位置から充填剤受容部(2) に充填されたもの
    であることを特徴とする船舶の区画貫通部における充填
    構造。
  2. 【請求項2】開口溝(4)(4)が、筒状体の軸方向の両端近
    傍まで形成されることにより、筒状体の軸方向の両端部
    各々に全周に渡って開口されていない変形防止部(12)(1
    2)が形成され、これらの変形防止部(12)(12)によって熱
    を受けた際の熱変形を防止できるようになされたもので
    あることを特徴とする請求項1記載の船舶の区画貫通部
    における充填構造
  3. 【請求項3】上記開口溝(4)(4)の幅が、30mm以上に
    形成されることにより、充填剤受容部(2) 内が略全域に
    渡って外部から見られるようになされたものであること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の船舶の区画貫通部
    における充填構造
  4. 【請求項4】外周形状及び軸方向の長さを船舶の区画部
    (K) に穿設された貫通孔(K1)に嵌挿して区画部(K) の両
    側に突出し得る筒状体に形成し、内部にケーブル線や管
    等の挿通部材(D) …(D) 及び不燃性の充填剤(J)(P)を受
    容し得る充填剤受容部(2) を備え、軸方向側の両端面の
    各々には挿通用孔(3)(3)を備え、更に、軸方向に沿う側
    面には開口溝(4)(4)を、充填剤受容部(2) に貫通するよ
    うにして軸方向に沿って軸方向の一方側と他方側とに配
    設することにより、これらの開口溝(4)(4)間に区画部
    (K) に固着させるための固定用部(5) を形成した充填剤
    受容具(1) を準備し、この充填剤受容具(1) を、船舶の
    区画部(K) に穿設された貫通孔(K1)に、区画部(K) の両
    側に突出するように嵌挿した後、固定用部(5) を区画部
    (K) の貫通孔(K1)の全周に渡って固着し、次に、挿通部
    材(D) …(D) を充填剤受容具(1) の一方の挿通用孔(3)
    から充填剤受容部(2) に通し、その後、不燃性の充填剤
    (J)(P)を挿通用孔(3)(3)及び開口溝(4)(4)の適宜位置か
    ら充填剤受容部(2) に充填することを特徴とする船舶の
    区画貫通部における充填剤の充填方法。
  5. 【請求項5】挿通部材(D) …(D) を充填剤受容具(1) の
    一方の挿通用孔(3)から充填剤受容部(2) に通した後、
    充填剤受容部(2) 内に配設した挿通部材(D)…(D) の配
    設状態を、開口溝(4)(4)から目で確認し、挿通部材(D)
    …(D) 同士が絡み合った状態になっている場合に、開口
    溝(4)(4)から整列状態に直し、その後、不燃性の充填剤
    (J)(P)を挿通用孔(3)(3)及び開口溝(4)(4)の適宜位置か
    ら充填剤受容部(2) に充填することを特徴とする請求項
    4記載の船舶の区画貫通部における充填剤の充填方法。
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