JP3395475B2 - 連続式炊飯機における火力調節装置 - Google Patents

連続式炊飯機における火力調節装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、連続式炊飯機における
火力調節装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、特公平2ー45888号公報には
連続炊飯機のガスコック自動開閉装置が開示されてい
る。このものは、炊飯工程の炊飯熱源であるガスバーナ
へのガスの供給を司るガスコックを機械的かつ自動的に
開閉して、ガスバーナへの点火・消火を自動的に行う装
置である。そして、炊飯開始時において、一番最初の釜
が移送される直前のガスバーナに順次自動点火すること
で、炊飯開始時に無駄な空燃焼がなくなり、また、最後
の炊飯釜が通過した直後のガスバーナを自動消火するの
で、炊飯完了時に無駄な空燃焼がなくなってガス消費量
の低減が図れるものである。 【0003】また、特公昭51ー14590号公報には
火加減等の熟練を要する操作を必要とせず、常に良好な
風味の炊きあがりを期待できる連続式炊飯方法が開示さ
れている。このものは、炊飯の初期から炊飯器内の水が
大部分吸収されるまでの間はガスバーナの位置を最も効
率よく加熱できる距離に固定し、それ以後はガスバーナ
の位置を炊飯器より遠ざけ、かつ炊飯器内の温度が低下
しない程度の位置に固定したものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
連続炊飯機では、ガスバーナへの点火・消火を自動的に
行うことができるものの、炊飯工程の各工程における火
力調整を行うことができなかった。これに対し、後者の
連続炊飯方法は、ガスバーナの位置の設定を炊飯初期に
おいては炊飯釜に近づけ、それ以後は炊飯釜より遠ざけ
て、ガスの供給量を一定にして火力を調節するものであ
るが、炊飯釜から遠ざけたバーナではガス消費量が多い
という欠点があった。 【0005】本発明は、上記問題点にかんがみ、炊飯工
程の各工程に応じて火力の調節を自動的に行って、むら
のない均一な炊飯を行うことができる連続式炊飯機を提
供することを技術的課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、炊飯炉内に設けたコンベアにより炊飯釜を移
送して、該コンベアの下方に設置した複数ブロックのガ
スバーナにより前記炊飯釜を加熱し炊飯する連続式炊飯
機において、前記炊飯釜の表面温度を測定する釜温度検
出器と、前記複数ブロックのガスバーナの火力をそれぞ
れ変更する火力変更手段と、前記釜温度検出器からの検
知信号と、炊飯開始から炊飯完了に至るまでの予め設定
した釜温度パターンとを比較して、前記釜温度検出器か
らの検知信号を前記釜温度パターンに一致させるべく前
記複数の火力変更手段をそれぞれ制御する制御装置と、
を設ける、という技術的手段を講じた。 【0007】 【作用】コンベアにより炊飯釜を移送して、コンベアの
下方に設置した複数ブロックのガスバーナにより加熱し
炊飯すると、ガスバーナの火力は、火力変更手段により
炊飯開始から炊飯完了に至るまで最適な火力に制御され
る。つまり、前記炊飯釜の表面温度を釜温度検出器によ
り測定し、この検知信号が制御装置に入力されると、該
検知信号が予め設定した炊飯開始から炊飯完了に至る釜
温度パターンと比較される。そして、制御装置からは前
記釜温度検出器の検知信号を前記釜温度パターンと一致
させるべく、火力変更手段を駆動する信号が出力され
る。 【0008】 【実施例】本発明の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明の連続式炊飯機の一例を示
した縦断面図である。符号1は連続式炊飯機であり、炊
飯炉2と、該炊飯炉2内に横設したコンベア3と、コン
ベア3の下方に設けた複数ブロックのガスバーナ4A〜
4Hとにより構成される。コンベア3には複数個の炊飯
釜5…が載置されており、コンベア3により移送され、
下方のガスバーナ4A〜4Hにより加熱炊飯することが
できる。ガスバーナ4A〜4Hはガス管6からそれぞれ
分岐され、その途上の各枝にはコックの代わりに電磁弁
7A〜7Hがそれぞれ介在されている。該電磁弁7A〜
7Hはガスの供給量を3段階に変更可能な構成となって
いる。そして、前記コンベア3により移送される炊飯釜
5…の表面温度を検出するため、炊飯炉2の側壁には釜
温度検出器8A〜8Hが設けられている。該釜温度検出
器8A〜8Hは移送される炊飯釜5…の表面温度を検出
するため、非接触の温度検出器がよく、例えば放射温度
計などを用いるとよい。また、該釜温度検出器8A〜8
Hは各ガスバーナ4A〜4Hに対応する数だけ設けると
精度よく火力調節ができる。 【0009】次に、図2により制御装置について説明す
る。前記釜温度検出器8A〜8Hはガスバーナ4A〜4
Hと対応する数だけ設けられ、それぞれマイクロコンピ
ュータに接続されていて、その出力変化をA/D変換器
9及び入力インターフェース10を介してCPU11に
入力される。一方、マイクロコンピュータと前記電磁弁
7A〜7Hとは、釜温度検出器8A〜8Hからの入力信
号に対応して、CPU11から出力インターフェース1
2を介してそれぞれ「大」「中」「小」の開度信号が出
力されるように接続されている。これにより各ガスバー
ナ4A〜4Hは火力を「強火」、「中火」、「弱火」の
3種類の火力を選択できることになる。そして、ROM
12及びRAM13にはむらの無い均一な炊飯動作が行
われるように、炊飯工程のプログラムが設定されてい
る。 【0010】次に、上記構成における炊飯動作について
説明する(図1及び図3参照)。一般的な炊飯は図3の
炊飯曲線に従って行うと、むらの無い均一な炊飯が可能
となる。この炊飯曲線を詳述すると、曲線Aは前記釜温
度検出器8A〜8Hから検出した釜の表面温度であり、
曲線Bは試験的に検出した釜内温度である。この2つの
曲線から表面温度と釜内温度とは相関関係があることが
分かり、この2つの曲線を予めマイクロコンピュータの
ROM11に記憶して、前記ガスバーナ4A〜4Hの火
力を調節する。 【0011】すなわち、CPU11内に設けたタイマー
をスタートし、炊飯釜5をコンベア3により移送して炊
飯を開始すると、炊飯開始から一定時間(約10分間)
の炊き上げ工程A(図3参照)では、電磁弁7A〜7D
に対して「大」開度となる信号を出力し、ガスバーナ4
A〜4Dを「強火」の状態で炊飯釜5を加熱する。これ
は短時間で炊飯釜5内の水分を沸騰させ、炊飯釜5内に
激しい対流を生じさせ、炊飯釜5内の均一な加熱を図る
ためである。このとき、釜温度検出器8A〜8Dの検知
信号は常にCPU11に入力され、図3の曲線Aから外
れないように監視されている。 【0012】次に、炊飯釜5がガスバーナ4Dに移動し
て、釜の表面温度がT1(℃)(図3参照)に達したこ
とが釜温度検出器8Dにより検出されると、CPU11
からは電磁弁7E〜7Fに「中」開度となる信号を出力
し、ガスバーナ4E〜4Fを「中火」の状態で炊飯釜5
を加熱する。これは沸騰維持工程B(図3参照)であ
り、この状態を一定時間(10分以内)継続すると、炊
飯釜5内は水分が減少し、米粒の表層部が糊化し流動し
ていた米粒が固定される。しかしながら、この沸騰維持
工程Bの加熱中には、釜の表面温度が低下され、T2
(℃)以下となることがある。そこで、表面温度がT2
(℃)以下まで低下すると、電磁弁7E〜7Fの開度を
「大」に変更してガスバーナ4E〜4Fを「強火」状態
に制御することもある。 【0013】更に、炊飯釜5がガスバーナ4Gに移動す
ると、沸騰維持工程Bに引き続いて、蒸らし焼き上げ工
程Cに至る。このとき、炊飯釜5内の水は無くなり、釜
の表面温度がT2からT3(℃)(図3参照)に上昇し
たことが釜温度検出器8Gにより検出される。すると、
CPU11からは電磁弁7G〜7Hに「小」開度となる
信号を出力し、ガスバーナ4G〜4Hを「弱火」の状態
で炊飯釜5を加熱する。この焼き上げにより釜の表面温
度がT3からT4(℃)に達すると、ガスバーナ4…に
よる加熱は終了し次工程の立体蒸らし装置(図示せず)
に移送され、蒸らしを経て炊飯が完了する。 【0014】本実施例ではガスバーナ4…の火力を変更
する手段として、電磁弁7…を主体に述べてきたが、火
力変更手段はこれに限られるものではなく、電磁弁7…
の代わりにガス圧力を変更するガス圧力調整弁を用いて
もよいし、また、補助バーナ14を用いてもよい。この
補助バーナ14について図4及び図5を参照して詳細に
説明する。補助バーナ16は、炊飯釜5の移送方向に多
数並設したガスバーナ4…の幅方向両端部の、コンベア
移送方向に沿って設ける。この補助バーナ16において
火力を変更する作用を述べる。 【0015】前述した炊き上げ工程A(図3参照)では
ガスバーナ4A〜4D(図1参照)を「強火」の状態で
炊飯釜5…を加熱するのであるが、補助バーナ16を伴
って加熱すると加熱むらが防止され、均一な炊き上げが
可能となる。また、沸騰維持工程Bではガスバーナ4E
〜4Fを「中火」の状態で炊飯釜5を加熱するのである
が、外釜温度が低下する場合は補助バーナ16を伴って
加熱すると、釜の表面温度が低下することがない。 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、炊飯釜の表面温度を測
定する釜温度検出器と、前記複数ブロックのガスバーナ
の火力をそれぞれ変更する火力変更手段と、前記釜温度
検出器からの検知信号と、炊飯開始から炊飯完了に至る
までの予め設定した釜温度パターンとを比較して、前記
釜温度検出器からの検知信号を前記釜温度パターンに一
致させるべく前記複数の火力変更手段をそれぞれ制御す
る制御装置と設けたので、炊飯開始から炊きあがりに至
る各工程に応じて火力の調節を自動的に行い、むらのな
い均一な炊飯が可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の連続式炊飯機の一例を示した縦断面図
である。 【図2】本発明の連続式炊飯機の制御装置を示すブロッ
ク図である。 【図3】本発明の連続炊飯機に適用される炊飯パターン
を示す説明図である。 【図4】補助バーナを示す断面図である。 【図5】補助バーナを示す平面図である。 【符号の説明】 1 連続式炊飯機 2 炊飯炉 3 コンベア 4 ガスバーナ 5 炊飯釜 6 ガス管 7 電磁弁 8 釜温度検出器 9 A/D変換器 10 入力インターフェース 11 CPU 12 ROM 13 RAM 14 補助バーナ 14a ガス管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−170414(JP,A) 特開 平5−15444(JP,A) 特開 平10−23962(JP,A) 登録実用新案3053966(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 炊飯炉内に設けたコンベアにより炊飯釜
    を移送して、該コンベアの下方に設置した複数ブロック
    のガスバーナにより前記炊飯釜を加熱し炊飯する連続式
    炊飯機において、前記炊飯釜の表面温度を測定する釜温
    度検出器と、前記複数ブロックのガスバーナの火力をそ
    れぞれ変更する火力変更手段と、前記釜温度検出器から
    の検知信号と、炊飯開始から炊飯完了に至るまでの予め
    設定した釜温度パターンとを比較して、前記釜温度検出
    器からの検知信号を前記釜温度パターンに一致させるべ
    く前記複数の火力変更手段をそれぞれ制御する制御装置
    と、を設けたことを特徴とする連続式炊飯機における火
    力調節装置。
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