JP3902862B2 - 加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理容器の温度を検出するとともに調理容器の温度上昇を規制することによって調理容器により炊飯する際に適度に炊き上げることができる加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の加熱調理器として、鍋のような調理容器の温度を温度センサによって検出し、温度センサによる検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断してこの時の検出温度に一定温度(例えば30℃)を加算した温度を炊き上がり温度として設定し、検出温度が炊き上がり温度まで上昇した時点で加熱手段による加熱を停止させるものが提案されている。
【0003】
図6はこの種の加熱調理器の概略構成を示す。図6に示す構成の加熱調理器では、コンロ1における加熱手段としてガスバーナ1aを用いており、ガスバーナ1aの周囲に配設された五徳4上に載置される調理容器(鍋)5の下面中央部に接して調理容器5の温度を検出する温度検出手段としてサーミスタ等よりなる温度センサ6が配設されている。温度センサ6から出力された温度検出信号は制御装置7’に入力される。
【0004】
制御装置7’は、温度センサ6からの温度検出信号に基づいて元栓2とコンロ1との間のガス供給路に挿入されたガス供給制御装置3の電磁弁を制御するものであって、温度センサ6により検出温度が炊き上がり温度まで上昇すると、ガスバーナ1aによる加熱を停止させる停止信号を発生することによってガス供給制御装置3を駆動して燃焼ガスの供給路を遮断する(燃焼ガスの供給路に配設された安全弁を閉じる)。
【0005】
ところで、調理容器5により炊飯する際、制御装置7’は、御飯をおいしく炊き上げるために、ガス供給制御装置3を制御することにより、ガスバーナ1aの火力(加熱量)を図7(b)に示すように2段階(中火、小火)で変化させている。ここに、図7(a)は上記火力を図7(b)に示すように変化させた時の温度センサ6による検出温度の経時変化の一例を示す。図7(a)において実線m1 は温度センサ6による検出温度を示し、一定鎖線m2 は設定される炊き上がり温度を示す。なお、上記ガスバーナ1aは火力を、大火、中火、小火の3段階で調節できるようになっている。以下、図7についてさらに説明する。
【0006】
時刻t0 でガスバーナ1aによる加熱が開始される(このときの火力は中火である)と、調理容器5の温度上昇に伴って温度センサ6による検出温度が上昇する。なお、ガスバーナ1aによる加熱を開始した時刻t0 では初期状態として炊き上がり温度は初期値T0 (例えば160℃)に設定してある。その後、制御装置7’は、温度センサ6による検出温度が100℃になったことを検出すると、ガスバーナ1aの火力を小火に切り換えさせ、且つ、火力を小火に維持する時間を演算し、この演算により求めた時間が経過すると(時刻t2 になると)、ガスバーナ1aの火力を中火に切り換えさせ、且つ、内部の平衡状態検出手段の動作を開始させる。ここに、平衡状態検出手段は、温度センサ6による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断するようになっており、制御装置7’は、平衡状態検出手段により時刻t3 にて平衡が検出されると、この時の温度センサ6による検出温度T1 に一定温度(例えば30℃)を加算した温度T2 (通常は160℃未満になる)を炊き上がり温度として設定し(つまり、炊き上がり温度を160℃から温度T2 へ低下変更し)、検出温度が炊き上がり温度(温度T2 )まで上昇した時点でガスバーナ1aによる加熱を停止させる。
【0007】
なお、加熱の途中で火力を小火にする期間(図7において時刻t1 〜t2 の期間)は、調理容器5内の米粒に適度の水分を吸収させて御飯に芯が残るのを防ぐために設けている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の加熱調理器においては、調理容器5内の調理物の分量に対して火力が強すぎる場合、火力が小火の期間(図8において時刻t1 ’〜t2 ’の期間)にも図8(a)の実線m1 に示すように検出温度が上昇し、時刻t2 ’にて火力を中火に切り換えた後に平衡状態が検出されないことがあり、結果的に、調理容器5の温度が上記初期値T0 (160℃)に達するまで(時刻t4 ”まで)加熱が停止されないので、御飯の焦げ付きが多くなるという不具合があった。
【0009】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、調理容器により炊飯する際に、御飯の焦げ付きが少ない加熱調理器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、調理容器を加熱する加熱手段と、調理容器の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出温度が炊き上がり温度まで上昇すると停止信号を発生する判定制御手段と、調理容器により炊飯する際に炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させる加熱制御手段と、判定制御手段から停止信号を受けると加熱手段による加熱を停止させる加熱停止手段と、温度検出手段による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断する平衡状態検出手段と、加熱制御手段による加熱量の増加時点における温度検出手段での検出温度に応じて炊き上がり温度を設定するようにし、平衡状態検出手段により平衡状態が検出されれば当該平衡状態における温度検出手段での検出温度を基準として炊き上がり温度を設定する停止温度設定手段とを備えることを特徴とするものであり、停止温度設定手段では、加熱制御手段による加熱量の増加時点における温度検出手段での検出温度に応じて炊き上がり温度を設定するようにし、平衡状態検出手段により平衡状態が検出されれば当該平衡状態における温度検出手段での検出温度を基準として炊き上がり温度を設定するので、調理容器により炊飯する際に御飯をおいしくたくために炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させるような場合に、御飯の焦げ付きを少なくすることが可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、停止温度設定手段は、加熱制御手段による加熱量の増加時点で温度検出手段による検出温度を所定温度と比較し、検出温度が所定温度未満の場合は平衡状態検出手段により平衡状態が検出された後に第1の炊き上がり温度を設定し、所定温度以上の場合は第2の炊き上がり温度を設定することを特徴とし、平衡状態が検出された場合には温度検出手段による検出温度が第1の炊き上がり温度に達した時に加熱が終了し、また、加熱量の増加時点での検出温度が所定温度以上の場合には温度検出手段による検出温度が第2の炊き上がり温度に達した時に加熱が終了するので、調理容器により炊飯する際に御飯をおいしくたくために炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させるような場合に、御飯の焦げ付きを少なくすることが可能になる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記所定温度は、100℃であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、加熱制御手段は、加熱量を2段階で切り換えるので、加熱制御手段の構成を簡単化することが可能になる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、停止温度設定手段は、炊き上がり温度を設定するにあたり、温度検出手段による直前の検出温度に30℃を加算した温度を炊き上がり温度として設定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、加熱手段は、ガスバーナであることを特徴とし、加熱量の段階的な調節が簡単で熱効率が高く、省エネルギ化や利用コストの低減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施形態)
図2に本実施形態の概略構成を示し、図1にブロック図を示す。なお、図2に示す概略構成は従来構成と同様なので、同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
制御装置7は、図1に示すように、温度検出手段たる温度センサ6による検出温度が炊き上がり温度まで上昇すると停止信号を発生する判定制御手段10と、調理容器5により炊飯する際にガスバーナ1aの火力(加熱量)を段階的に変化させる加熱制御手段15と、温度センサ6による検出温度が100℃を越えると沸騰検出信号を出力する沸騰状態検出手段13と、温度センサ6による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断する平衡状態検出手段14と、加熱制御手段15による加熱量の増加時点で温度センサ6による検出温度を所定温度と比較し、検出温度が所定温度未満の場合は平衡状態検出手段14により平衡状態が検出された後に第1の炊き上がり温度T2 を設定し、所定温度(例えば105℃)以上の場合は第2の炊き上がり温度T4 を直ちに設定する停止温度設定手段12とを備えている。なお、温度センサ6は、スープ鍋のような深鍋、フライパンのような平鍋、薬罐などのような形状の調理容器5であっても接することができるようにばね等によって付勢されている。
【0015】
ここで、停止温度設定手段12は、炊飯の開始後に炊き上がり温度の初期値T0 (安全を見て比較的高い温度:例えば160℃)を設定するようになっており、第1の炊き上がり温度T2 としては平衡状態が検出された時の検出温度T1 に一定温度(例えば30℃)を加算した温度を設定し、第2の炊き上がり温度T4 としては検出温度が所定温度以上と判定された時の該検出温度T3 に一定温度(例えば30℃)を加算した温度を設定する。
【0016】
ガス供給制御装置3は、判定制御手段10から停止信号を受けるとガスバーナ1aによる加熱を停止させる加熱停止手段を備えている。
また、判定制御手段10では、停止温度設定手段12で設定された炊き上がり温度と温度センサ6による検出温度とを比較し、温度センサ6による検出温度が炊き上がり温度まで上昇するとガスバーナ1aを消火するように停止信号を発生する。一方、ガス供給制御装置3の加熱停止手段は、停止信号を受けると、ガスバーナ1aによる加熱を停止させる。ここに、停止温度設定手段12は、ガスバーナ1aによる加熱を開始した時点では安全を見て適度の炊き上がり温度よりもやや高い温度が炊き上がり温度の初期値T0 (例えば160℃)として設定されている。
【0017】
沸騰状態検出手段13は、加熱が開始された時点から温度センサ6による検出温度が100℃を越えたことを検出すると、沸騰検出信号を加熱制御手段15へ送信する。加熱制御手段15は、沸騰検出信号を受け取ると、ガスバーナ1aの火力が小火に切り換わるようにガス供給制御装置3を制御するとともに、加熱開始時点から沸騰検出信号を受け取るまでの時間(以下、上昇時間と称す)を求め、上昇時間に応じてガスバーナ1aの火力を小火で維持させる時間(以下、小火維持時間と称す)を設定する(例えば、上昇時間が100秒未満の場合は小火維持時間を8分、上昇時間が100秒以上200秒未満の場合は7分、上昇時間が200秒以上300秒未満の場合は6分、・・・)。
【0018】
平衡状態検出手段14は、上述のように、温度センサ6による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断し、平衡状態検出信号を発生するのであって、要するに、ガスバーナ1aによる加熱量と調理物および調理容器5からの放熱量とがほぼ平衡した平衡状態を検出する。
ところで、制御装置7は、従来例の制御装置7’と同様、調理容器5により炊飯する際、御飯をおいしく炊き上げるために、ガスバーナ1aの火力(加熱量)を2段階(中火、小火)で変化させるようになっている。なお、上記ガスバーナ1aは火力を、大火、中火、小火の3段階で調節できるようになっている。
【0019】
以下、動作を図3のフローチャートを参照しながら説明する。
加熱開始のための操作により、加熱制御手段15からガスバーナ1aの火力が中火となるようにガス供給制御装置3が制御されて加熱が開始される(S1)と、停止温度設定手段12にて炊き上がり温度として初期値T0 が設定される(S2)。その後、沸騰状態検出手段13にて温度センサ6による検出温度が判別温度(例えば100℃)を越えたことを検出すると(S3)、沸騰状態検出手段13にて沸騰検出信号が発生する。加熱制御手段15は、該沸騰検出信号を受けると、ガスバーナ1aの火力が小火に切り換わるようにガス供給制御装置3を制御する(S4)とともに、加熱開始時点から沸騰検出信号を受け取るまでの時間(以下、上昇時間と称す)を求めて該上昇時間に応じて小火維持時間を設定する(S5)。その後、加熱制御手段15は、小火維持時間が経過すると(S6)、ガスバーナ1の火力が中火に切り換わるようにガス供給制御装置3を制御し(S7)、停止温度設定手段12を動作させるためのタイミング信号を出力する。すると、停止温度設定手段12では、温度センサ6による検出温度を所定温度(例えば105℃)と比較する(S8)。また、平衡状態検出手段14の動作を開始させ、S8において検出温度が所定温度未満の場合、平衡状態検出手段14により平衡状態が検出された(S10)後に第1の炊き上がり温度T2 を設定し(S11)、一方、S8において検出温度が所定温度以上の場合は第2の炊き上がり温度T4 を直ちに設定する(S9)。ただし、S9の後でも、平衡状態検出手段14により平衡状態が検出された場合(S10’)には、第1の炊き上がり温度T2 を設定する(S11)。S9又はS11の後、判定制御手段10は、停止温度設定手段12により設定された炊き上がり温度(第2の炊き上がり温度T4 又第1の炊き上がり温度T2 )まで温度センサ6による検出温度が上昇すると(S12)、ガス供給制御装置3を制御してガスバーナ1aによる加熱を停止させる(S14)。また、S10において平衡状態検出手段14により平衡が検出されない場合は、判定制御手段10は、停止温度設定手段12により設定された炊き上がり温度(上述の初期値T0 :160℃)まで温度センサ6による検出温度が上昇すると(S13)、ガス供給制御装置3を制御してガスバーナ1aによる加熱を停止させる(S14)。
【0020】
しかして、本実施形態の加熱調理器では、調理容器5により炊飯する際に御飯をおいしくたくために炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より火力(加熱量)を増加させ、加熱量の増加時点での検出温度が所定温度以上の場合には温度センサ6による検出温度が第2の炊き上がり温度T4 (<T0)に達した時に加熱が終了し、一方、加熱量の増加時点での検出温度が所定温度未満の場合には第1の炊き上がり温度T2 (<T0)に達した時に加熱が終了するので、平衡状態が検出されないような温度上昇の場合でも御飯の焦げ付きを少なくすることが可能になる。このため、調理物の分量に対して火力が強すぎて加熱量の増加時点での検出温度が高くなるような場合には、温度センサ6による検出温度が第2の炊き上がり温度T4 (<T0)に達した時に加熱が停止されるので、御飯の焦げ付きを少なくすることができる。要するに平衡状態が検出されないような軌跡で調理容器5の温度が上昇した場合でも、焦げ付きを少なくしておいしい御飯を炊くことが可能になるのである。なお、ガスバーナ1aの消火と同時にブザーやランプによって消火を報知するようにしてもよい。
【0021】
図4(a)、図5(a)は本実施形態の加熱調理器を用いてガスバーナ1aの火力(加熱量)をそれぞれ図4(b),図5(b)に示すように2段階(中火、小火)で変化させて炊飯を行った際の温度センサ6の検出温度、停止温度設定手段12で設定される炊き上がり温度の経時変化の例を示す。図4(a)及び図5(a)において、実線m1 は温度センサ6による検出温度、一定鎖線m2 は停止温度設定手段12において設定された炊き上がり温度を示す。
【0022】
まず、図4について説明する。図4は調理容器5内の調理物の分量に対して火力が適切である場合の例を示す。ガスバーナ1aによる加熱を開始した時刻t0 では停止温度設定手段12における炊き上がり温度は初期値160℃に設定される。その後、温度センサ6による検出温度が時刻t1 で100℃になると、制御装置7によりガス供給制御装置3が制御されてガスバーナ1aの火力が小火に切り換わり、上述の小火維持時間が経過して時刻t2 になるとガスバーナ1aの火力が中火に切り換わる。時刻t2 における検出温度は100℃であって所定温度(105℃)よりも低いので、平衡状態検出手段14の動作が開始され、検出温度が若干上昇した後に安定して時刻t3 にて平衡状態が検出されると、この時の検出温度T1 に30℃を加算した温度T2 が第1の炊き上がり温度として設定される。その後、検出温度が炊き上がり温度T2 まで上昇すると、ガスバーナ1aによる加熱が停止される。図4(a)に示すような温度軌跡を持たせることにより、おいしい御飯を焦げ付きなく炊き上げることができる。
【0023】
次に、図5について説明する。図5は調理容器5内の調理物の分量に対して火力が強すぎる場合の例を示す。ガスバーナ1aによる加熱を開始した時刻t0 では停止温度設定手段12における炊き上がり温度は初期値160℃に設定される。その後、温度センサ6による検出温度が時刻t1 で100℃になると、制御装置7によりガス供給制御装置3が制御されてガスバーナ1aの火力が小火に切り換わり、上述の小火維持時間が経過して時刻t2 ’になるとガスバーナ1aの火力が中火に切り換わる。時刻t2 ’における検出温度は106℃であって所定温度(105℃)よりも高いので、時刻t2 ’における検出温度(106℃)に30℃を加算した温度136℃(T4 )が第2の炊き上がり温度として設定される。その後、検出温度が136℃(第2の炊き上がり温度T4 )まで上昇すると(時刻t4 ’になると)、ガスバーナ1aによる加熱が停止される。図5(a)に示すような温度軌跡を持たせることにより、従来例で図7に示したように検出温度が160℃まで上昇することを防ぐことができ、おいしい御飯を焦げ付きなく炊き上げることができる。
【0024】
なお、制御装置7は、基本的にはマイクロコンピュータにより構成されており、温度センサ6の温度検出信号をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器が設けられている。また、加熱手段には、ガスバーナ1aのほかヒータや電磁調理器などを用いてもよく、温度検出手段には、調理容器5の底に接触するサーミスタを用いるほか調理容器5の外部から赤外線量等によって調理容器5の温度を検出するものを用いてもよい。また、調理容器5内に温度センサ6を入れるようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
請求項1の発明は、調理容器を加熱する加熱手段と、調理容器の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出温度が炊き上がり温度まで上昇すると停止信号を発生する判定制御手段と、調理容器により炊飯する際に炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させる加熱制御手段と、判定制御手段から停止信号を受けると加熱手段による加熱を停止させる加熱停止手段と、温度検出手段による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断する平衡状態検出手段と、加熱制御手段による加熱量の増加時点における温度検出手段での検出温度に応じて炊き上がり温度を設定するようにし、平衡状態検出手段により平衡状態が検出されれば当該平衡状態における温度検出手段での検出温度を基準として炊き上がり温度を設定する停止温度設定手段とを備えるので、停止温度設定手段では、加熱制御手段による加熱量の増加時点における温度検出手段での検出温度に応じて炊き上がり温度を設定するようにし、平衡状態検出手段により平衡状態が検出されれば当該平衡状態における温度検出手段での検出温度を基準として炊き上がり温度を設定するから、調理容器により炊飯する際に御飯をおいしくたくために炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させるような場合に、御飯の焦げ付きを少なくすることが可能になるという効果がある。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、停止温度設定手段は、加熱制御手段による加熱量の増加時点で温度検出手段による検出温度を所定温度と比較し、検出温度が所定温度未満の場合は平衡状態検出手段により平衡状態が検出された後に第1の炊き上がり温度を設定し、所定温度以上の場合は第2の炊き上がり温度を設定するので、平衡状態が検出された場合には温度検出手段による検出温度が第1の炊き上がり温度に達した時に加熱が終了し、また、加熱量の増加時点での検出温度が所定温度以上の場合には温度検出手段による検出温度が第2の炊き上がり温度に達した時に加熱が終了するから、調理容器により炊飯する際に御飯をおいしくたくために炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させるような場合に、御飯の焦げ付きを少なくすることが可能になるという効果がある。
【0026】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、加熱制御手段は、加熱量を2段階で切り換えるので、加熱制御手段の構成を簡単化することが可能になるという効果がある。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、加熱手段は、ガスバーナであることを特徴とし、加熱量の段階的な調節が簡単で熱効率が高く、省エネルギ化や利用コストの低減を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の概略構成図である
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の検出温度の経時変化の一例を示す図である。
【図5】同上の検出温度の経時変化の他の例を示す図である。
【図6】従来例の概略構成図である。
【図7】同上の検出温度の経時変化の一例を示す図である。
【図8】同上の検出温度の経時変化の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1a ガスバーナ
3 ガス供給制御装置
6 温度センサ
7 制御装置
10 判定制御手段
12 停止温度設定手段
13 沸騰状態検出手段
14 平衡状態検出手段
15 加熱制御手段
Claims (6)
- 調理容器を加熱する加熱手段と、調理容器の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段による検出温度が炊き上がり温度まで上昇すると停止信号を発生する判定制御手段と、調理容器により炊飯する際に炊飯終了前の炊き上げ段階になるとそれ以前より加熱量を増加させる加熱制御手段と、判定制御手段から停止信号を受けると加熱手段による加熱を停止させる加熱停止手段と、温度検出手段による検出温度の変動幅が規定範囲内になると平衡状態であると判断する平衡状態検出手段と、加熱制御手段による加熱量の増加時点における温度検出手段での検出温度に応じて炊き上がり温度を設定するようにし、平衡状態検出手段により平衡状態が検出されれば当該平衡状態における温度検出手段での検出温度を基準として炊き上がり温度を設定する停止温度設定手段とを備えることを特徴とする加熱調理器。
- 停止温度設定手段は、加熱制御手段による加熱量の増加時点で温度検出手段による検出温度を所定温度と比較し、検出温度が所定温度未満の場合は平衡状態検出手段により平衡状態が検出された後に第1の炊き上がり温度を設定し、所定温度以上の場合は第2の炊き上がり温度を設定することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
- 前記所定温度は、100℃であることを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
- 加熱制御手段は、加熱量を2段階で切り換えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の加熱調理器。
- 停止温度設定手段は、炊き上がり温度を設定するにあたり、温度検出手段による直前の検出温度に30℃を加算した温度を炊き上がり温度として設定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の加熱調理器。
- 加熱手段は、ガスバーナであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の加熱調理器。
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