JP3395362B2 - 文書処理装置 - Google Patents

文書処理装置

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JP3395362B2
JP3395362B2 JP13665994A JP13665994A JP3395362B2 JP 3395362 B2 JP3395362 B2 JP 3395362B2 JP 13665994 A JP13665994 A JP 13665994A JP 13665994 A JP13665994 A JP 13665994A JP 3395362 B2 JP3395362 B2 JP 3395362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造化文書の生成、更
新のための文書処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ワードプロセッサなどにより作成した大
量の文書を管理し、検索、再利用などに用いるために、
データベースに文書を格納する技術が用いられている。
データベースに格納された文書を取り出す技術として、
データベースから文書を検索し中間ファイルの形式で読
み出し、その文書ファイルから指定されたワードプロセ
ッサの文書ファイルを作成し、その作成された文書ファ
イルに対して上記指定されたワードプロセッサを起動さ
せるようにした装置が提案されている(例えば、特開平
5−73567号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
述の従来の方式では、取り出された文書ファイルをワー
ドプロセッサにより編集し、データベースに書き戻すこ
とが考慮されていない。すなわち従来はデータベース中
の文書のコピーを作成し、そのコピー文書を編集し、編
集された結果は別な文書としてデータベースに登録する
のが基本であり、データベース中の元の文書そのものに
対し編集結果を反映させるということはできなかった。
その場合、文書ファイルをデータベースに書き戻す際
に、登録してあった文書を削除した後に同じ文書名で再
登録することにより擬似的に元の文書を編集結果により
更新する方法も考えられる。しかし、構造化文書など一
つの文書が複数の文書部品から構成され、構成要素単位
に、他の文書から参照、共有が可能な文書データベース
システムでは、編集された文書をデータベースに書き戻
す際に登録してある文書を削除し新たな文書として登録
することは、削除された文書を参照、共有していた他の
文書に対して参照、共有している部分を壊すことにな
り、問題である。その問題を回避するために上記新たに
文書への参照、共有の情報を改めて作成することも考え
られるが、そのためにはかなり煩雑な処理を要すること
になり、効率的な処理を行うことは困難である。また、
前記従来の方式では、文書を読み出す度に文書ファイル
が作成されるため、記憶効率が悪い欠点もある。本発明
は、データベースのような文書記憶手段に格納された構
造化文書を読み出して編集し、編集された構造化文書を
他の文書に悪影響を及ぼすことなく文書記憶手段中の元
の構造化文書に書き戻すことのできる文書処理装置を提
供することを目的とする。また、本発明は文書記憶手段
に格納された構造化文書の編集や更新を効率的に行うこ
とのできる文書処理装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の文書処理装置
は、構造化文書を格納する文書記憶手段(1)と、前記
文書記憶手段に記憶された構造化文書を構成要素ごとに
読み出し、編集可能なデータを生成する文書読出手段
(2)と、前記文書読出手段において生成された編集用
のデータと前記文書記憶手段に記憶された構造化文書の
構成要素との対応関係を記憶する対応関係記憶手段
(3)と、前記読出手段により生成された編集用データ
を編集する文書編集手段(5)と、前記文書編集手段に
より編集された編集用データと前記対応関係記憶手段に
記憶された対応関係を用いて、前記文書記憶手段に記憶
された文書を構成要素ごとに更新する文書書込手段
(4)を具備する。また、本発明の一態様では、前記文
書読出手段による構成要素ごとの読み出しまたは前記文
書書込手段による構成要素ごとの書き込みにおいて、読
み出しまたは書き込みの対象となっている構成要素に、
他の構成要素に対する関係を表す情報を設定することの
ほかに、前記他の構成要素に、前記対象となっている構
成要素に対する関係を表す情報を設定することをも行う
ことを特徴とする。例えば、読み出しまたは書き込みの
対象となっている構成要素に、他の構成要素との関係を
表す情報として親、長男、弟にあたる構成要素へのポイ
ンタを設定することのほかに、前記親、長男、弟にあた
る各構成要素に、前記対象となっている構成要素との関
係を表す情報として、前記対象となっている構成要素へ
のポインタを設定することをも行う。
【0005】
【作用】構造化文書は二次記憶としての文書記憶手段に
より、記憶用構成要素の集まりとして記憶される。前記
文書記憶手段により記憶された構造化文書を編集するた
めに読み出す際には、文書読出手段は、構造化文書を読
み出し、その読み出した構造化文書の構成要素(文書記
憶手段に記憶される構造化文書の構成要素を記憶用構成
要素という)ごとに、その構成要素を元に編集可能な1
次記憶上の形式のデータすなわち編集の対象として用い
る構成要素(編集用構成要素という)を生成し、同時に
各編集用構成要素と元になった記憶用構成要素の対応関
係を対応関係記憶手段により記憶する。文書編集手段
は、ユーザ等の指示を受け、編集用構成要素に追加、削
除、あるいは内容の変更等の編集を施す。編集が終了す
ると、文書書込手段は、各編集用構成要素に対して対応
関係記憶手段により記憶された対応関係から元になった
記憶用構成要素を検出し、この記憶用構成要素を対応関
係にある編集用構成要素により更新する。その更新の具
体例としては、各編集用構成要素に対応して更新処理を
行ったときその処理の対象となった対応関係に、処理済
みを表す印を付与する。また対応する記憶用構成要素が
ない編集用構成要素は追加されたものとして、新規に記
憶用構成要素を生成し、文書記憶手段により登録する。
また、対応関係記憶手段に記憶されている対応関係で処
理済みに印が付与されていないものを検出し、その対応
関係で関係付けられている記憶用構成要素を文書記憶手
段から削除する。このように、本発明によれば、構造化
文書を、構成要素ごとに更新することができるため、他
の文書から共用あるいは関連づけのため参照されている
構成要素が含まれているような文書を編集する際にも、
参照の関係を保存することが可能となり、文書の再利用
性を増大させることができる。また、記文書読出手段に
よる構成要素ごとの読み出しにおいて、その読み出しの
対象となっている構成要素に、親、長男、弟などの他の
構成要素に対する関係をも含む属性の設定をする。例え
ば、構成要素のデータ構造が図10に示すようなもので
あるとすれば、データ項目の内容cont_attrや
typeを設定すると共に、他の構成要素に対する関係
を設定するデータ項目oya,ani,ototo,k
odomoに、関連する構成要素へのポインタを設定す
る。従来の技術であれば、以上の設定即ち対象となって
いる構成要素のデータ項目について設定が済めば、その
構成要素に関しては処理済みとなり、次の構成要素の読
み出しの処理に移ることになるが、本発明では、対象の
構成要素のデータ項目の設定のみに止まらず、さらに前
記親、長男、弟にあたる関連する各構成要素に、前記読
み出しの対象となっている構成要素に対する関係をも設
定してしまう。他の構成要素との関係を設定するにはそ
の構成要素の格納位置(ポインタ)を知る必要がある。
従来の技術によれば、例えば、構成要素bとcが兄弟の
関係にあるとした場合に、構成要素bの処理の時に構成
要素bのototoの項に構成要素cへのポインタを設
定し、構成要素cの処理の時に構成要素cのaniの項
に構成要素bへのポインタを設定するが、その構成要素
cの処理の時には構成要素bの格納位置はわかっていな
いので、二次記憶上の木構造をたどり対応関係の表を用
いて探さなければならない。これに対して、本発明のよ
うに例えば対象の構成要素bの処理においては構成要素
bの格納位置はわかっているので、関係のある構成要素
cに構成要素bとの関係を設定するのに、改めて構成要
素bの格納位置を探すという手間はかからない。同様の
ことは文書書込手段による構成要素毎の書き込みについ
ても当てはまる。このように、本発明によれば、その設
定のために探索すべき構成要素の数を減らすことができ
るので、効率よく文書の木構造を生成、更新することが
できる。
【0006】
【実施例】図1は本発明の一実施例を示す文書編集装置
のブロック図である。図1に示されているように本装置
は文書記憶部1、文書読出部2、対応関係記憶部3、文
書書込部4、文書編集部5からなる。文書記憶部1は、
ディスク装置などの二次記憶装置で実現され、構成要素
の集合として構造化された文書を記憶するために用いら
れる。文書記憶部1は複数の文書を同時に記憶すること
ができる。文書の構成要素には、段落や文字のレイアウ
ト、字体などを表す属性が付与されており、さらに、木
構造を構成するように、他の構成要素と親子、兄弟の関
係が指定されている。図10は構成要素のデータ構造の
例を示すもので、この図においてdocは構成要素が所
属する文書、typeは構成要素のタイプ、cont_
attrは内容属性を表すものである。さらに、oya
は親、aniは兄、ototoは弟、kodomoは子
供のような他の構成要素との関係を表す情報を有する。
なお、文書記憶部1に記憶される構成要素を以下におい
ては記憶用構成要素と呼ぶ。
【0007】文書読出部2は、文書の記憶用構成要素を
読み出し、編集の対象として用いる構成要素を生成する
ために用いられる。編集の対象として用いる構成要素を
以下においては、編集用構成要素(即ち、主メモリなど
の一次記憶装置上で編集可能な形式を持つもの)と呼
ぶ。文書読出部2は文書編集部5により指定された文書
に関しその記憶用構成要素を一つずつ読み込み、各記憶
用構成要素に対して同じ属性値、親子、兄弟の関係が指
定された編集用構成要素を生成し、その対応関係を対応
関係記憶部3に登録する。
【0008】対応関係記憶部3は、文書読出部2により
読み出された記憶用構成要素と、この記憶用構成要素か
ら生成された編集用構成要素との対応関係を記憶し、編
集用構成要素に対する変更を記憶用構成要素に適用する
際に必要となる対応関係や、追加、削除された構成要素
の検出のために用いられる。対応関係記憶部3は対応関
係を記憶用構成要素と編集用構成要素を指し示すポイン
タまたは識別子の組により記憶する。更に、削除すべき
記憶用構成要素を文書書込部4が検出できるように、各
対応関係に、その対応関係に 関与している編集用構成
要素が削除されているか否かを表す印である削除フラグ
を付与できる。
【0009】文書書込部4は、文書読出部2および文書
編集部5により生成された各編集用構成要素について、
対応関係記憶部3により記憶されている対応関係を用い
て、記憶用構成要素の更新、生成、削除を行うために用
いられる。
【0010】文書編集部5は、文書読出部2により生成
された編集用構成要素の更新、削除、新たな編集用構成
要素の生成のために用いられる。文書編集部5はユーザ
または他の装置からの指示を受け、その指示に従って編
集用構成要素の集合を操作する。編集用構成要素の更新
の操作として、属性値の変更、親子、兄弟の関係の変更
が可能である。また、文書編集部5が編集の対象とする
のは編集用構成要素のみであり、記憶用構成要素の存在
は意識しなくてよい。このことは、特にデータベースを
使用することを意図していなかったワードプロセッサな
ど文書編集装置の機能を容易に再利用できることを意味
している。すなわち、編集用構成要素として既にある文
書編集装置が扱えるデータ構造を用いることで、データ
ベースの編集部としてこの文書編集装置を用いることが
できる。
【0011】このように構成された文書編集装置におい
て、文書の読み出し、編集、書き込みの動作を詳細に説
明する。図2は文書読出部2における処理の流れを示し
ている。ユーザによって読み出すべき文書が適宜の入力
部を介して指定されると、文書記憶部1から文書編集部
5の記憶部(図示せず)に読み込むための図2に示す文
書の読出しの処理が文書読出し部2によって実行され
る。まず、文書記憶部1に記憶されている対象となる文
書を構成する記憶用構成要素から、ステップ (2a)
により、まだ読み込まれていない記憶用構成要素が取
り出され、これを変数Nに代入する。このとき、すべて
の記憶用構成要素が読み込まれた後であれば、Nにni
lが代入される。ステップ (2b) でNの値を調べ
その値がnilであれば、処理を終了する。Nの値がn
ilでなければ、ステップ (2c) により、Nに代
入された記憶用構成要素に対する編集用構成要素を、編
集用構成要素(N)を求める関数(関数:編集用構成要
素(N)と記す)により得て、変数nに代入する。すな
わち、関数:編集用構成要素(N)の実行により、変数
Nに代入された記憶用構成要素に対応する編集用記憶要
素を得て、変数nに代入する処理を行う。
【0012】その関数:編集用構成要素(N) は、図
3に示すような処理を実行する。ステップ(3a)にお
いて対応関係記憶部3から記憶用構成要素としてNが関
与している対応関係を検索し、ステップ(3b)の判断
で対応関係が存在した場合にはその対応関係に関与して
いる編集用構成要素を返す。対応関係が存在しなかった
場合には、ステップ(3c)において新たに編集用構成
要素を生成し、ステップ(3d)においてNと新たに生
成された編集用構成要素の対応関係を対応関係記憶部3
に追加する。対応関係記憶部3から対応関係を検索する
手法として、線形探索により、対応関係を順に取り出し
関与している記憶用構成要素がNであるか確認する方法
もあるが、検索を高速化するために、ハッシュ法などに
よる検索用情報を用いるようにすることができる。
【0013】再び図2を参照すると、ステップ (2
c) でnに代入された編集用構成要素の属性はステッ
プ (2d) で記憶用構成要素Nの属性により初期化
される。すなわち、実質的には編集用構成要素の内容と
して記憶用構成要素の内容が複写される。続いてステッ
プ (2e) からステップ (2n) までの処理に
より編集用構成要素に親子、兄弟の関係を設定すること
で、構造を生成する。
【0014】まず、ステップ (2e) によりNの指
している記憶用構成要素の長男を取り出し、この記憶用
構成要素に対する編集用構成要素を関数:編集用構成要
素(N.長男) により取り出し、変数cに代入する。
ステップ (2f) でcの値を調べその値がnilで
なければ、ステップ(2g) によりnとcに親子の関
係を設定する。
【0015】ステップ (2h) ではNの指している
記憶用構成要素の弟を取り出し、この記憶用構成要素に
対する編集用構成要素を関数:編集用構成要素(N.
弟)により取り出し、変数bに代入する。ステップ
(2i) でbの値を調べその値がnilであれば、構
造の生成は終了し、ステップ (a) に戻る。bの値
がnilでなければ、ステップ (2j) によりnと
bに兄弟の関係を設定し、ステップ (2k) に進
む。
【0016】ステップ (2k) はNの指している記
憶用構成要素の親を取り出し、この記憶用構成要素に対
する編集用構成要素を関数:編集用構成要素 (N.
親)により取り出し、変数pに代入する。ステップ
(2m) でpの値を調べその値がnilであれば、構
造の生成は終了し、ステップ (2a) に戻る。pの
値がnilでなければ、ステップ(2n) によりbの
指すしている編集用構成要素にpへのポインタを設定す
ることにより、親の関係を設定し、ステップ (2a)
に戻る。
【0017】以上に説明した図2の文書読出処理におい
ては、親、長男、弟にあたる関連する各編集用構成要素
との関係を相互に設定する。従来の技術であれば、対象
となっている構成要素のデータ項目について設定が済め
ば、その構成要素に関しては処理済みとなり、次の構成
要素の読み出しの処理に移ることになるが、本実施例で
は、対象の編集用構成要素のデータ項目の設定のみに止
まらず、さらに関連する各編集用構成要素c,bに、前
記読み出しの対象となっている編集用構成要素nに対す
る関係をも設定してしまう。他の編集用構成要素との関
係を設定するにはその編集用構成要素の格納アドレス
(ポインタ)を知る必要がある。従来の技術によれば、
例えば、構成要素XとYが兄弟の関係にあるとした場合
に、構成要素Xの処理の時に構成要素Xのototoの
項に構成要素Yへのポインタを設定し、用構成要素Yの
処理の時に構成要素Yのaniの項に構成要素Xへのポ
インタを設定するが、その構成要素Yの処理の時には構
成要素Xのポインタはわかっていないので、木構造をた
どり対応関係の表を用いて探さなければならない。これ
に対して、本実施例のように例えば対象の編集用構成要
素Xの処理においては編集用構成要素Xのポインタはわ
かっているので、関係のある編集用構成要素Yに編集用
構成要素Xとの関係を設定するのに、改めて編集用構成
要素Xのポインタを探すという手間はかからない。この
ように、本実施例によれば、その設定のために探索すべ
き構成要素の数を減らすことができるので、効率よく文
書の木構造を生成することができる。
【0018】記憶用構成要素で構成される文書構造から
上述の処理によって得られる編集用構成要素からなる文
書構造とそれらの間の対応関係を図4に示す。図におい
て左側の木構造は記憶用構成要素で構成された木構造で
あり、文書記憶部1により記憶されている文書を表して
いる。また、右側の木構造は編集用構成要素で構成され
た木構造であり、上述の処理によって生成されたもので
ある。図の中央にある対応関係は、上述の処理で用いら
れた関数:編集用構成要素(N) により生成された対
応関係であり、対応関係記憶部3により記憶、管理され
る。図では対応関係の左側に記憶用構成要素へのポイン
タが、右側に編集用構成要素へのポインタが、その間に
編集用構成要素が削除されたか否かを示す削除フラグが
記憶されている。
【0019】このように生成された編集用構成要素は、
必要に応じて文書編集部5により編集される。編集は編
集用構成要素の追加、削除、属性の変更、構造の変更に
より行われる。これらの機能は、ワードプロセッサなど
一般的な文書編集装置で用いられる技術を用いて実現す
ることができる。
【0020】図5は文書編集部5における編集処理の流
れを示す図である。ここでは文書編集部5としてワード
プロセッサなどユーザとの対話により文書を編集する装
置を用いる。対話的な文書編集装置以外にも、あらかじ
め指定された規則に従って自動的に文書を編集する装置
を用いることもできる。文書編集部5における処理の流
れを順に説明する。まず、ステップ (5a)で編集の
対象となる編集用構成要素を選択する。
【0021】次にステップ (5b) で編集のための
命令を入力する。入力された命令をステップ (5c)
で解析し、命令の種類にりステップ(5d) からス
テップ (5g) を選択し実行するか、編集を終了す
る。ステップ (5d) では、新たに編集用構成要素
を生成し、それを指定された編集用構成要素の前、又は
後ろに追加する。ステップ (5e) では、指定され
た編集用構成要素を削除する。このとき、削除された編
集用構成要素が関与している親子、兄弟の関係も同時に
削除する。
【0022】ステップ (5f) では、指定された編
集用構成要素の属性の値を変更する。ステップ (5
g) では、指定された編集用構成要素が関与している
親子、兄弟の関係の一部又はすべてをユーザの指定によ
り削除し、新たに親子、兄弟の関係を設定することで、
指定しされた編集用構成要素を木構造中で移動する。ス
テップ (5d) からステップ (5g) の実行が
終了した後に、再びステップ (5a) に戻る。
【0023】上述の流れに従って、図4に示されている
編集用構成要素を編集した結果の一例を図6に示す。こ
こでは破線で表されている編集用構成要素d、f、gが
削除され、二重線で表されている編集用構成要素jが追
加され、編集用構成要素e以下の構造をcの下からjの
下に移動したことを表している。
【0024】このように編集された編集用構成要素は、
文書書込部4により文書記憶部1に書き込まれる。図7
は文書書込部4における処理の流れを示している。ま
ず、ステップ (7a) により、対応関係記憶部3に
記憶されているすべての対応関係について削除フラグを
trueにする。続いて、文書編集装置5により編集さ
れた編集用構成要素から、ステップ (7b) によ
り、まだ書き込まれていない記憶用構成要素が取り出さ
れ、これを変数nに代入する。このとき、すべての編集
用構成要素が書き込まれた後であれば、nにnilが代
入される。よって、ステップ (7c) でnの値を調
べその値がnilであれば、ステップ (7q) に進
む。nの値がnilでなければ、ステップ (7d)
により、nに代入された編集用構成要素に対する記憶用
構成要素を関数:記憶用構成要素(n) により得て変
数Nに代入する。
【0025】関数:記憶用構成要素(n) は、図8に
示すように、ステップ(8a)において対応関係記憶部
3から編集用構成要素としてnが関与している対応関係
を検索し、対応関係が存在すればその対応関係に関与し
ている記憶用構成要素を返す。対応関係が存在しない場
合には、ステップ(8c)において新たに記憶用構成要
素を生成し、ステップ(8d)でNと新たに生成された
記憶用構成要素の対応関係を対応関係記憶部3に追加す
る。いずれの場合にも、対象となる対応関係の削除フラ
グをfalseにする。対応関係記憶部3から対応関係
を検索する手法として、線形探索により、対応関係を順
に取り出し関与している編集用構成要素がnであるか確
認する方法もあるが、検索を高速化するために、ハッシ
ュ法などによる検索用情報を用いることができる。
【0026】再び図7を参照すると、ステップ (7
d) でNに代入された記憶用構成要素の属性はステッ
プ (7e) で編集用構成要素nの属性により更新さ
れる。続いてステップ (7f) からステップ (7
p) で記憶用構成要素に親子、兄弟の関係を設定する
ことで、構造を更新する。まず、ステップ (7f)
によりnの指している編集用構成要素の長男を取り出
し、この編集用構成要素に対する記憶用構成要素を関
数:記憶用構成要素(n.長男) により取り出し、変
数Cに代入する。
【0027】ステップ (7g) でCの値を調べその
値がnilでなければ、ステップ(7h) によりNと
Cに親子の関係を設定する。ステップ (7i) はn
の指している編集用構成要素の弟を取り出し、この編集
用構成要素に対する記憶用構成要素を関数:記憶用構成
要素(n.弟) により取り出し、変数Bに代入する。
【0028】ステップ (7j) でBの値を調べその
値がnilであれば、構造の更新は終了し、ステップ
(7b) に戻る。Bの値がnilでなければ、ステッ
プ(7k) によりNとBに兄弟の関係を設定し、ステ
ップ (7m) に進む。ステップ (7m) はnの
指している編集用構成要素の親を取り出し、この編集用
構成要素に対する記憶用構成要素を関数:編集用構成要
素 (n.親)により取り出し、変数Pに代入する。ス
テップ (7n) でPの値を調べその値がnilであ
れば、構造の更新は終了し、ステップ (7b) に戻
る。Pの値がnilでなければ、ステップ(7p) に
よりPとBに親子の関係を設定し、ステップ (7b)
に戻る。
【0029】上述の処理を繰り返し、ステップ (7
c) でnの値がnilになると、ステップ (7q)
に進む。ステップ (7q) では、対応関係記憶部
3に記憶されている対応関係から削除フラグがtrue
になっていてまだ取り出されていないものを取り出し変
数rに代入する。このとき該当する対応関係がなければ
rにnilを代入する。よって、ステップ (7r)
でrの値を調べその値がnilであれば、処理を終了す
る。rの値がnilでなければ、ステップ (7s)
によりrに関与している記憶用構成要素を文書記憶部1
から削除する。
【0030】上述の流れに従って、図6に示されている
編集用構成要素に基づき記憶用構成要素を更新した結果
を図9に示す。ここで、対応関係の中央の○は削除フラ
グがtrueであることを表しており、破線で表されて
いる記憶用構成要素D、F、Gが上述のステップ (7
q) で削除された記憶用構成要素である。以上に説明
した図7の文書書込処理においては、親、長男、弟にあ
たる関連する各編集用構成要素との関係を相互に設定す
るようにした。従って、前述の図2の読出し処理におい
て説明したのと同様の理由により、各構成要素の関係の
設定の際に探索すべき構成要素の数を減らすことができ
るので、効率よく文書の木構造を更新することができ
る。
【0031】以上のように、本実施例では指定した構造
化文書の読出し時に、その構造化文書の記憶用構成要素
を読み出して、それに対応する同じ内容や、長男、兄、
および親等の構成要素との関係の情報を含む編集用構成
要素を生成するとともに、対応関係記憶部3に記憶用構
成要素とそれを元に生成した編集用構成要素との対応関
係を示す対応表を作成する。編集は編集用構成要素の集
合に対して行う。編集において、更新、追加、削除され
た編集用構成要素を前記対応表を参照することにより、
対応する記憶用構成要素の更新、追加、削除を文書構造
をも含めて行うことができる。このように本実施例によ
れば、文書構造における参照関係を保存して、編集結果
を元の文書に書き戻すことができるので、前述の従来技
術の問題を解決することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、データベースのような
文書記憶手段に格納された構造化文書を、構成要素ごと
に更新することができるため、他の文書から参照されて
いる構成要素が含まれているような文書を編集する際に
も、参照関係を保存することが可能となり、文書の再利
用性を増大させることができる。また、編集用の構成要
素の各構成要素ごとの生成あるいは記憶用構成要素の各
構成要素ごとの更新の際に、親、長男、弟にあたる構成
要素について相互の関係を設定するようにしたので、そ
の設定のために探索すべき構成要素の数を減らすことが
でき、効率よく文書の木構造を生成、更新することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示す図
【図2】 文書読出部2における処理の流れを示す図
【図3】 関数:編集用構成要素(N)の処理の流れを
示す図
【図4】 記憶用構成要素で構成される文書構造と編集
用構成要素からなる文書構造との間の対応関係を示す図
【図5】 文書編集部5における編集処理の流れを示す
【図6】 図4に示されている編集用構成要素を編集し
た結果を示す図
【図7】 文書書込部4における処理の流れを示す図
【図8】 関数:記憶用構成要素(n) の処理の流れ
を示す図
【図9】 図6に示されている編集用構成要素に基づき
記憶用構成要素を更新した結果を示す図
【図10】 構成要素の属性情報を示す図
【符合の説明】
1…文書記憶部、2…文書読出部、3…対応関係記憶
部、4…文書書込部、5…文書編集部。
フロントページの続き (72)発明者 山崎 伸宏 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 KSP R&Dビジネスパークビル 富士ゼロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−128117(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/21 - 17/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造化文書を格納する文書記憶手段と、 前記文書記憶手段に記憶された構造化文書を構成要素ご
    とに読み出し、編集可能な形式のデータを生成する文書
    読出手段と、 前記文書読出手段において生成された編集用のデータと
    前記文書記憶手段に記憶された構造化文書の構成要素と
    の対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、 前記文書読出手段により生成された編集用データを編集
    する文書編集手段と、 前記文書編集手段により編集された編集用データと前記
    対応関係記憶手段に記憶された対応関係を用いて、前記
    文書記憶手段に記憶された文書の内容を構成要素ごとに
    更新する文書書込手段とを具備したことを特徴とする文
    書処理装置。
  2. 【請求項2】 前記文書読出手段による構成要素ごとの
    読み出しまたは前記文書書込手段による構成要素ごとの
    書き込みにおいて、 読み出しまたは書き込みの対象となっている構成要素
    に、他の構成要素に対する関係を表す情報を設定するこ
    とのほかに、 前記他の構成要素に、前記対象となっている構成要素に
    対する関係を表す情報を設定することをも行うことを特
    徴とする請求項 (1) 記載の文書処理装置。
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