JP3393730B2 - 連続鋳造設備の鋳込初期自動制御方法 - Google Patents

連続鋳造設備の鋳込初期自動制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造設備の鋳込初
期自動制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】連続鋳造設備の鋳込初期自動制御方法に
関しては、従来溶鋼レベルがあるモールド内位置に達し
たことでピンチロールに運転指令を出しており、このピ
ンチロールの駆動速度は、目標溶鋼レベルに対する実測
溶鋼レベルをフィードバックしてPID演算し決定して
いた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の連続鋳造設備の
ピンチロールを操作端とする溶鋼レベル制御装置では、
ピンチロールの速度はタンディッシュより注入される溶
鋼量によって決定される。また、この注入量は、タンデ
ィッシュの溶鋼ヘッドにて大きく変化する。溶鋼レベル
制御での安定期であれば、タンディッシュの溶鋼ヘッド
はほぼ一定値で安定しており、一定タンディッシュの溶
鋼ヘッド値に対してチューニングされていた従来のPI
D制御で十分であった。 【0004】しかしながら、鋳込初期時のタンディッシ
ュの溶鋼ヘッドはスタートするタイミングにより大きく
変化すること、多ストランドマシーンでは省力化のため
ストランド毎に順次スタートしていくケースが多く、こ
の間にタンディッシュの溶鋼ヘッドが変化していくこと
が多い。このようにタンディッシュの溶鋼ヘッドが変化
しプロセスバランスが変化すると、従来のPID制御の
一定値パラメータでは自由度に欠けるため、制御安定に
時間がかかる、いわゆるハンチングに似た現象を発生す
る。また、従来の実測溶鋼レベルを用いたフィードバッ
ク制御ではピンチロール速度の変化によって溶鋼レベル
が遅れて振られることにより、いわゆるオーバーシュー
ト・アンダーシュート現象が発生することとなる。 【0005】この様に、従来方法ではハンチング現象や
オーバーシュート・アンダーシュートが多いことによっ
て、鋳込開始時から安定するまでの溶鋼レベル変動が大
きく、初期鋳片の品質欠陥が多くなる傾向にあった。 【0006】本発明では、このタンディッシュヘッドの
変化にも十分対応でき、且つフィードバック制御系のオ
ーバーシュート・アンダーシュート量を少なくして安定
な鋳込初期自動制御を実現することにより、鋳造初期鋳
片の欠陥を少なくできる鋳込初期自動制御方法を提供す
ることにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の鋳込初期自動制御方法においては、刻々と変
化しプロセスバランスに影響を与えるタンディッシュの
溶鋼ヘッドをタンディッシュ重量から演算し、モールド
面積との関係より次式に従って鋳造速度を決定し使用す
る。 【数1】 【0008】この目標ピンチロール速度は、溶鋼レベル
の規定レベル(L1 :ピンチロールスタートレベル)到
達時にピンチロールの初期速度として一定値として与え
られ、溶鋼レベルが次の規定レベル(L2 :具体的に
は、操業レベルの少し下位レベル)で従来のPID制御
による出力に切り替えるものである。尚、この演算によ
り求められた目標ピンチロール速度は、現時点でのタン
ディッシュの溶鋼ヘッドにおける現実速度とは1:1の
関係にあるため、ピンチロール駆動開始した時点でこの
速度を使用した場合には溶鋼レベルは上昇しないことに
なるため、実際には若干遅めのVs ×α(α<1)を用
いることとなる。 【0009】 【作用】本発明では、フィードバック制御による時間遅
れのある系に対して目標ピンチロール速度を一定値で与
えること、及び時間差のある各ストランドの鋳込開始時
にその時にバランスする最適なピンチロール速度をタン
ディッシュの溶鋼ヘッドから演算してあたえるため、実
測溶鋼レベルをフィードバックしたPID制御手法にて
安定させ且つ収束させる従来方法に比べて非常に安定し
た鋳込初期自動制御結果が得られる。 【0010】 【実施例】本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
連続鋳造設備のタンディッシュ1には、溶鋼重量を測定
するためのロードセル2(溶鋼ヘッドを知るための手段
として他の計測方法でも可能)が設置され、この重量信
号を得るためのロードセルアンプ3があり、重量信号よ
り目標ピンチロール速度を演算するための初期速度演算
部4が設置される。モールド5には、熱電対式もしくは
γ線方式等の溶鋼レベル計6が設置されており、レベル
信号を得るための溶鋼レベル計アンプ7が設置されてい
る。溶鋼レベル信号はPID演算部8に入力され、ここ
で溶鋼レベルに対するピンチロールスタートレベルL1
と従来PID制御に切り替えるタイミングレベルL2
判断すると共に、目標ピンチロール速度とPID制御に
よるピンチロール速度をL2 レベルにて切り替えて出力
している。出力されたピンチロール速度は、ピンチロー
ル駆動制御装置9を経てピンチロールモータ10を回
し、鋳片を引き抜くピンチロール11を駆動している。
以上の構成を図1のシステム構成図に示す。 【0011】 【発明の効果】本発明は前記のような手段および作用を
有しているので、以下の効果を奏する。 鋳込初期自動制御時の溶鋼レベルのハンチング現象及
びオーバーシュート・アンダーシュートが減少する。 また、各ストランド毎にスタートする場合でも同様の
結果が得られる。 以上のように、ハンチング現象およびオーバーシュート
・アンダーシュートが減少することにより、鋳込初期鋳
片の品質欠陥が少なくなるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る連続鋳造設備の鋳込初期自動制御
の一実施例を示したしシステム構成図である。 【符号の説明】 1 タンディッシュ 2 ロードセル 3 ロードセルアンプ 4 初期速度演算部 5 モールド 6 溶鋼レベル計 7 溶鋼レベル計アンプ 8 PID演算部 9 ピンチロール駆動制御装置 10 ピンチロールモータ 11 ピンチロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−111747(JP,A) 特開 昭62−179859(JP,A) 特開 昭61−169150(JP,A) 特開 昭61−165261(JP,A) 特開 昭54−16332(JP,A) 特開 昭63−180353(JP,A) 特開 昭48−81729(JP,A) 実開 昭57−152359(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/18 B22D 11/08 B22D 11/20 G05D 9/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ダミーバーをピンチロールにて引き抜く
    ことで自動的に鋳造を開始する連続鋳造設備の鋳込初期
    自動制御方法であって、タンディッシュ溶鋼重量から溶
    鋼ヘッドを求め、該溶鋼ヘッドとモールド断面積から最
    適な引き抜き速度を事前決定し、前記事前決定した引き
    抜き速度を初期速度として用いることにより溶鋼レベル
    のハンチング現象及びオーバーシュート・アンダーシュ
    ートを減少させることによって安定した鋳込初期自動制
    御を行うことを特徴とする連続鋳造設備の鋳込初期自動
    制御方法。
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