JP3393167B2 - ポリカーボネート組成物の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート組成物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカーボネート組成
物の製造方法に関するものである。詳しくは、生産効率
に優れ、製造時のポリカーボネートの熱劣化が少なく、
色相が優れ、且つ優れた成形時の安定性を有するポリカ
ーボネート組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃
性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチック
スとして知られ、多くの分野において幅広く用いられて
いる。中でも近年、ポリカーボネートと他樹脂と混合し
たポリマーアロイ製品が増加し、家電分野や自動車分野
等で広く用いられている。
【0003】従来、ポリカーボネートと他樹脂からなる
ポリマーアロイ製品は、ホスゲンを使用する界面重縮合
法で製造されたポリカーボネートと他樹脂とを押出機を
用いて混練して製造されている。
【0004】しかしながら、この製造法においては、ポ
リカーボネートの製法が界面重縮合法であるため、有毒
なホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化
水素や塩化ナトリウム及び、溶媒として大量に用いる塩
化メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食するこ
となどの製造上の問題がある上に、得られるポリカーボ
ネートに塩化ナトリウムや塩化メチレンなどの不純物が
残存し、製品物性にも問題があった。また、押出機で他
樹脂と混練する際に、ポリカーボネートのペレットもし
くはパウダーを用いるため溶解に高温を必要とすること
から、ポリカーボネートの熱劣化やアロイ製品の着色が
生じるという問題があった。さらに、成形時の安定性が
悪い為にアイゾット衝撃強度の低下や変動、成形品外観
不良等が発生する問題もあった。
【0005】これらポリカーボネート製法に起因する問
題を解決するため、溶融重合法によるポリカーボネート
の製法が提案されている。溶融重縮合法は、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とジアリールカーボネート、例えば、ビ
スフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態で
エステル交換し、副生するフェノールを抜き出しながら
重合する方法で、界面重縮合法と異なり、溶媒を使用し
ないなどの利点がある一方、重合が進行すると共にポリ
マーの粘度が上昇し、副生するフェノールなどを効率よ
く系外に抜き出す事が困難になり、重合度を上げること
が難しくなるという本質的な問題があった。その為、近
年、高粘度状態のポリマーからフェノール等を抜き出す
ための工夫が種々なされている。例えば特公昭50−1
9600号公報では、ベント部を有するスクリュー型重
合器が、また特公昭53−5718号公報では、薄膜蒸
発型反応器、例えばスクリュー蒸発器や遠心薄膜蒸発器
等が記載されており、さらに特開平2−153923号
公報では、薄膜型蒸発装置と横型撹拌重合槽を組み合わ
せて用いる方法が示されている。
【0006】しかしながら、従来の撹拌槽型も含め、こ
れらの重合器が共通して有する欠点は、重合器本体に回
転駆動部分があり、高真空下で重合が実施される場合に
は、この駆動部分を完全にシールする事ができないため
微量の酸素の漏れ込みを防止できず、製品の着色が避け
られない事であった。酸素の漏れ込みを防ぐ為にシール
液を使用する場合には、シール液の混入が避けられず、
やはり製品品質の低下は避けられなかった。また、運転
当初のシール性が高い場合でも、長時間運転を続ける間
にシール性は低下するなど、メンテナンス上の問題も深
刻であった。
【0007】また、ポリカーボネートと他樹脂とのアロ
イを製造する上でも、前記薄膜型蒸発装置と横型撹拌重
合槽を組み合わせてなる溶融重合法で得られたポリカー
ボネートに、該ポリカーボネートが溶融状態にある間に
ポリカーボネート以外の樹脂等を添加する方法が提案さ
れている(特開平5−239331号公報)。この方法
では、ポリカーボネートが既に溶融状態にあるため、前
述のポリカーボネートを高温で溶融するために発生す
る、ポリカーボネートの熱劣化やアロイ製品の着色の問
題は低減できるものの、前述の重合器そのものの欠点は
なんら解決されず、運転の安定性や、製品の色相、成形
時の安定性等品質の低下は避けられなかった。
【0008】ところで、本体に回転駆動部分を有せず、
多孔板から落下させながら重合させる方法は、ポリカー
ボネート以外の樹脂の製造法としては知られている。例
えば米国特許第3110547号明細書では、ポリエス
テルを真空中へ糸状に落下させて、所望の分子量のポリ
エステルを製造する方法が開示されている。該明細書で
は、落下させた糸を再び循環させるとポリエステルの品
質を低下させるため、循環させずにワンパスで重合を完
了させている。
【0009】しかしながら、この様な方法に関しては、
多くの欠点が指摘されている。例えば特公昭48−83
55号公報には、紡糸口金から真空中に紡糸しながら重
縮合する方法に関し次の記載がある。繊維形成能が充分
大きいものを供給しないと反応器中で重合中の糸条が切
断し易く、重縮合物の品質変動が激しくなる。糸条から
飛散する低分子量の縮合物が口金面を汚染し、糸条が口
金から真下に射出する事が困難となり、接触して切れた
り集束して太い繊維状に流下して反応を妨害する。監視
窓がくもり易く、監視が困難となり、そのため口金の交
換時期を失し易い。なお、該公報では、ポリエステルと
ポリアミドの製法として、反応容器内に垂直に配置した
多孔質物体に沿ってポリマーを流下させながら重合させ
る方法が好ましいと記載されているが、ポリカーボネー
トについては全く記載されていない。
【0010】また、重合法ではないが重合生成物に残存
するモノマーを除去する方法として、ラクタム重合成生
物を多孔板から糸状に落下せしめる方法が米国特許第2
719776号明細書に記載されている。しかしなが
ら、この方法にも多くの欠点が指摘されている。例え
ば、特開昭53−17569号公報では、米国特許第2
719776号明細書の方法について次の不都合が指摘
されている。揮発分の蒸発が少ない場合は糸状物を形成
させる事ができても、蒸発が多い場合は、糸状物が発泡
するようになり、順調な運転は難しい。糸状物を形成さ
せるためには比較的狭い範囲の特定の粘度を有する物質
にしか適用できない。塔内に不活性ガス等を導入する場
合、気流の乱れによって近隣の糸状物同士が接触集合す
る。なお、特開昭53−17569号公報では、これら
の不都合を解決するために、縦方向に線状支持体をもう
け、これに沿わせて高粘度物を流下させる方法を、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
の様なポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66の様
なポリアミド類を対象に提案しているが、芳香族ポリカ
ーボネートについては記載されていない。
【0011】また、特公平4−14127号公報ではポ
リエステルの連続重縮合法について、落下させながら重
縮合を行う二つの方法、すなわち、紡糸口金から紡糸す
る方法、スリットから膜状にして押し出しながら重合さ
せる方法のいずれもが重縮合を進行させ難い事が記載さ
れている。また該公報には、スリット状供給口から少な
くとも2本のワイヤ間に薄膜状に保持して、縦方向にワ
ンパスで移動させることにより連続重縮合させる方法が
提案されている。該公報においてももちろん、芳香族ポ
リカーボネートに関しては全く記載されていない。
【0012】以上述べたように、多孔板から落下させな
がら重合させる方法は、ポリエステルやポリアミドの製
造方法としては知られているものの芳香族ポリカーボネ
ートの製造法としては全く知られていない。また、ポリ
エステルやポリアミドの製造法としては、落下させなが
ら重合する方法は、孔の閉塞等多くの欠点が指摘されて
いた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリカーボ
ネート組成物の製造方法において、高真空下でのシール
性に優れ、かつメンテナンスも容易な装置で、長期間安
定に、色相や成形時の安定性に優れた高品質のポリカー
ボネート組成物を製造する方法を提供する事を目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の製
造方法を使って重合を行うことによりその目的を達成で
きる事を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0015】すなわち、本発明は、 (1)芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ化合物と
ジアリールカーボネートとを反応して得られる重合中間
体を、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下させ
ながら重合させる工程を全部又は一部含む重合工程の
後、溶融状態にある間に(A)熱可塑性樹脂及び(B)
耐熱安定剤を添加し、混練することを特徴とするポリカ
ーボネート組成物の製造方法、 (2)(A)熱可塑性樹脂のポリカーボネートに対する
配合量が1:99〜99:1の範囲にあり、(B)耐熱
安定剤の添加量がポリカーボネート100重量部に対し
て0.0005〜0.5重量部の範囲にあることを特徴
とする上記(1)記載のポリカーボネート組成物の製造
方法、 (3)(A)熱可塑性樹脂がABS樹脂である上記
(1)または(2)記載のポリカーボネート組成物の製
造方法、 (4)ABS樹脂が、灰分0.1重量%以下のABS樹
脂である上記(2)のポリカーボネート組成物の製造方
法、 (5)ABS樹脂及び(B)耐熱安定剤と共に、(C)
リン系難燃剤を添加し混練することを特徴とする上記
(1)ないし(4)のポリカーボネート組成物の製造方
法、 (6)(C)リン系難燃剤の添加量が、ポリカーボネー
トと(A)熱可塑性樹脂との合計量100重量部に対し
て、1〜25重量部の範囲にあることを特徴とする上記
(5)記載のポリカーボネート組成物の製造方法、 (7)(B)耐熱安定剤が、亜リン酸ジエステル及び/
又は亜リン酸モノエステルである上記(1)ないし
(6)のポリカーボネート組成物の製造方法、 (8)(B)耐熱安定剤が、(a)亜リン酸ジエステル
及び亜リン酸モノエステルから選ばれた一種以上の化合
物と、(b)フェノール系安定剤、亜リン酸トリエステ
ル及びホスフィン酸ジエステルから選ばれた一種以上の
化合物とからなる上記(1)ないし(7)のポリカーボ
ネート組成物の製造方法を提供するものである。
【0016】前記したように、本体に回転駆動部分を有
しないタイプの重合器は、ポリカーボネート以外の樹脂
を重合するための重合器としては種々知られているが、
ポリカーボネートの溶融重縮合反応は、ポリエステルや
ポリアミドの溶融重縮合反応とは大きく異なるので、ポ
リアミドやポリエステルの製造のための高粘度用の重合
器をポリカーボネートの製造法に適用することは難し
い。ポリアミド、ポリエステルとポリカーボネートの大
きな相違は次の通りである。第一に、溶融重縮合の重合
器設計において重要な因子となる溶融粘度がポリカーボ
ネートの場合極端に高い。すなわち、ポリアミド、ポリ
エステルにおける重合後期の溶融粘度が重合温度条件下
で通常数百から数千ポイズであり、3000ポイズを越
えることはほとんどないのに対し、ポリカーボネートの
重合後期の溶融粘度は数万ポイズにまで達する。第二
に、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートの溶
融重縮合はいずれも平衡反応であるが、平衡定数がそれ
ぞれ大きく異なっている。通常、ポリアミドの平衡定数
が102オーダー、ポリエステルの平衡定数が約1であ
るのに対し、ポリカーボネートの平衡定数は10~1オー
ダーであり、同じ重縮合反応であってもポリカーボネー
トの場合平衡定数が極めて小さい。平衡定数が小さいと
いう事は、副生成分を系外により効率的に抜かないと重
合が進行しなくなる事を意味する。従って、ポリカーボ
ネートの反応は、ポリエステルやポリアミドの反応より
はるかに効率的に副生成分を系外に抜き出す必要があ
り、溶融粘度が高いポリカーボネートではこのことは極
めて困難である。
【0017】ところが、本発明によれば驚くべき事に従
来ポリエステルやポリアミド類の紡糸等落下させながら
重合する方法の問題点を全く生じさせずにポリカーボネ
ートを重合できる事が明らかとなった。すなわち、糸条
の切断による品質のばらつきは全くないので、高品質の
ポリカーボネートが安定に製造できる。その上、低分子
量の縮合物による口金の汚染も全く生じないため、糸条
が真下に射出するのを阻害することもなく、口金の交換
等のための運転停止をする事もない。従って、非常に長
期間安定に運転する事ができる。
【0018】ポリカーボネートの反応における現象と、
ポリエステルやポリアミドの反応における現象とのこれ
らの明かな相違の理由については明確ではない。ただ
し、口金の汚染が全く起こらない事については、おそら
く、ポリカーボネートの反応においては副生するフェノ
ール類により低分子量の縮合物が効果的に洗浄され、水
や、エチレングリコール等を副生するポリアミドやポリ
エステルの反応とは根本的に異なるためではないかと推
察されるが、かかる効果はポリエステルやポリアミドの
重合反応からは全く予見され得ないものであった。
【0019】また、本発明の、多孔板からガイドに沿わ
せて落下させながら重合させる方法は、重合器の気相部
に回転駆動部を持つ必要がなく、高真空下でのシール性
に優れており、メンテナンスも容易であり、しかも無色
透明の高品質なポリカーボネートを製造できることが明
らかになった。すなわち、本発明の製造方法を用いる事
によって、従来ポリカーボネートの溶融重縮合を行う際
に生じた、先に述べた如き問題点は全て解決できるので
ある。
【0020】本発明では、多孔板からガイドに沿わせて
落下させながら重合させる重合器を一基用いてポリカー
ボネートを製造する方法、多孔板からガイドに沿わせて
落下させながら重合させる重合器を複数用いてポリカー
ボネートを製造する方法、多孔板からガイドに沿わせて
落下させながら重合させる重合器と、他の重合器を組み
合わせてポリカーボネートを製造する方法等が可能であ
る。
【0021】多孔板からガイドに沿わせて落下させなが
ら重合させる方法と他の方法と組み合わせる方法の好ま
しい態様として、前重合工程で撹拌槽型重合器を用いる
方法と、後重合工程で多孔板からガイドに沿わせて落下
させながら重合させる重合器を組み合わせる方法があ
る。この方法により、高品質のポリカーボネートを効率
良く製造する事ができる。前重合工程は通常、高真空で
実施する必要はないため撹拌槽型重合器でも品質を損な
う事なく、高い容積効率で重合させる事ができる。重合
度を更に高める後重合工程では、ガイドに沿わせて落下
させながら重合させる方法が特に有利である。すなわ
ち、濡れ壁式に落下させる方法は、管の内壁をポリマー
が落下するため、落下するポリマーの粘度が高い場合は
膜厚が厚くなり、芳香族モノヒドロキシ化合物等を蒸発
させる面積が減少するが、ガイドに沿わせて落下させな
がら重合する方式では粘度が高い場合でもこの様な不利
は生ぜず、むしろ膜厚が厚くなることは蒸発面積の増加
をもたらす。これらの重合方法を組み合わせることで、
高品質の芳香族ポリカーボネートを効率よく製造するこ
とができる。
【0022】さらに、前重合工程で撹拌槽型重合器を用
いて重合させる方法、中間重合工程で塗れ壁式に落下さ
せながら重合させる方法、後重合工程で多孔板から落下
させながら重合させる方法を組み合わせる方法も、本発
明の好ましい態様である。重合前半の前重合工程は通
常、高真空で実施する必要はないため撹拌槽型重合器で
も品質を損なう事なく、高い容積効率で重合させる事が
できるのは上述の通りである。ポリマーの重合度がそれ
ほど高まっていない中間重合工程では、塗れ壁式に落下
させながら重合させる方法は、伝熱面積を大きくとれる
ため芳香族モノヒドロキシ化合物等の蒸発潜熱を効率的
に与えることができ、有利である。重合度を更に高める
後重合工程では、多孔板からガイドに沿わせて落下させ
ながら重合させる方法が特に有利である。これらの重合
方法を組み合わせることで、高品質のポリカーボネート
を効率よく製造することができる。本発明においては該
重合法と重合終了後のポリカーボネートが溶融状態にあ
る間に熱可塑性樹脂等を添加し混練しているため、ポリ
カーボネートの劣化が少なく、特に色相の優れた高品質
のポリカーボネート組成物が製造できる。更に、特定の
耐熱安定剤と特定のABS樹脂とを組み合わせることに
より、前記特性に加え成形時の安定性が大幅に向上した
ポリカーボネート組成物が製造できる。
【0023】以下に本発明について詳細に説明する。
【0024】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物とは、HO−Ar−OH(式中、Arは2価の芳香族
基を表す。)で示される化合物である。
【0025】芳香族基Arは、好ましくは例えば、−A
1−Y−Ar2−(式中、Ar1及びAr2は、各々独立
にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は
複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する
2価のアルカン基を表す。)で示される2価の芳香族基
である。
【0026】2価の芳香族基Ar1、Ar2において、1
つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置
換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フ
ェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド
基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良
い。
【0027】複素環式芳香族基の好ましい具体例として
は、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄
原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。
【0028】2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、
置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェ
ニレン、置換または非置換のピリジレンなどの基を表
す。ここでの置換基は前述のとおりである。
【0029】2価のアルカン基Yは、例えば、下記化学
式1で示される有機基である。
【0030】
【化1】
【0031】(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立
に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキ
ル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素
数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜1
1の整数を表し、R5およびR6は、各Xについて個々に
選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6の
アルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2
3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反
応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロ
ゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜1
0のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によ
って置換されたものであっても良い。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
化学式2で示されるものが挙げられる。
【0032】
【化2】
【0033】(式中、R7、R8は、各々独立に水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびn
は1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれ
ぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4
の場合には各R8はそれぞれ同一でも異なるものであっ
てもよい。) さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1−Z−Ar2
(式中、Ar1、Arは前述の通りで、Zは単結合又
は−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO−、
−COO−、−CON(R1)−などの2価の基を表
す。ただし、R1は前述のとおりである。)で示される
ものであっても良い。
【0034】このような2価の芳香族基Arとしては、
例えば、下記化学式3で示されるものが挙げられる。
【0035】
【化3】
【0036】(式中、R7、R8、mおよびnは、前述の
とおりである。) さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換ま
たは非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレ
ン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。
【0037】本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化
合物は、単一種類でも2種類以上でもかまわない。芳香
族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノ
ールAが挙げられる。
【0038】本発明で用いられるジアリールカーボネー
トは、下記化学式4で表される。
【0039】
【化4】
【0040】(式中、Ar3、Ar4はそれぞれ1価の芳
香族基を表す。) Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族
基を表すが、このAr3、Ar4において、1つ以上の水
素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例え
ば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素
数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニト
ロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar
3、Ar4は同じものであっても良いし、異なるものであ
っても良い。
【0041】1価の芳香族基Ar3及びAr4の代表例と
しては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリ
ジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上
の置換基で置換されたものでも良い。
【0042】好ましいAr3及びAr4としては、それぞ
れ例えば、下記化学式5などが挙げられる。
【0043】
【化5】
【0044】ジアリールカーボネートの代表的な例とし
ては、下記化学式6で示される置換または非置換のジフ
ェニルカーボネート類を挙げる事ができる。
【0045】
【化6】
【0046】(式中、R9及びR10は、各々独立に水素
原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜
10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシ
クロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜
5の整数で、pが2以上の場合には、各R9はそれぞれ
異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には、
各R10は、それぞれ異なるものであっても良い。) このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフ
ェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t
−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置
換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカー
ボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジア
リールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好
適である。
【0047】これらのジアリールカーボネート類は単独
で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良
い。
【0048】芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカ
ーボネートとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳
香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種
類や、重合温度その他の重合条件によって異なるが、ジ
アリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モ
ルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.
95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モ
ルの割合で用いられる。
【0049】本発明の方法で得られるポリカーボネート
の数平均分子量は、通常500〜100000の範囲で
あり、好ましくは500〜30000の範囲である。
【0050】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジアリールカーボネートの溶融混合物とは、芳香族
ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートが加熱状
態で混合されて均一になった状態を意味する。該溶融混
合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボ
ネートの混合物を、150〜200℃に加熱する事によ
って得る事ができる。また重合中間体とは、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応して
得られる、本発明で製造するポリカーボネートより分子
量の低い重縮合物を意味する。すなわち、本発明で定義
される重合中間体の分子量範囲は、最終的に製造するポ
リカーボネートの分子量によって異なる。例えば、製造
するポリカーボネートの数平均分子量が10000の時
は、重合中間体の分子量範囲は10000未満であり、
製造するポリカーボネートの数平均分子量が20000
の時は、重合中間体の分子量範囲は20000未満であ
る。
【0051】本発明では芳香族ジヒドロキシ化合物とジ
アリールカーボネートとの溶融混合物又は芳香族ジヒド
ロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応して得
られる重合中間体を溶融状態で多孔板からガイドに沿わ
せて落下させながら重合させ、ポリカーボネートを製造
する。
【0052】本発明における多孔板において孔の形状に
特に制限はなく、通常、円状、長円状、三角形状、スリ
ット状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。孔
の断面積は、通常0.01〜100cm2であり、好ま
しくは0.05〜10cm2であり、特に好ましくは
0.1〜5cm2の範囲である。孔と孔との間隔は、孔
の中心と中心の距離で通常1〜500mmであり、好ま
しくは5〜100mmである。
【0053】本発明においてガイドとは、断面の外周の
平均長さに対する該断面と垂直方向の長さの比率が非常
に大きい材料を表すものである。該比率に特に制限はな
いが、通常10〜1000000の範囲であり、好まし
くは50〜100000の範囲である。断面の形状に特
に制限はなく、通常、円状、長円状、三角形状、四角形
状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。断面の
形状は長さ方向に同一であっても良いし異なっていても
かまわない。また、ガイドは中空状のものであっても良
い。ガイドは、針金状等の単一なものであっても良い
が、捩り合わせる等の方法によって複数組み合わせたも
のであってもかまわない。ガイドの表面は平滑であって
も凹凸があるものであっても良く、部分的に突起等を有
するものであってもかまわない。ガイドの材質に特に制
限はないが、通常、ステンレススチール製、カーボンス
チール製、ハステロイ製、ニッケル製、チタン製、クロ
ム製、及びその他の合金製等の金属や、耐熱性の高いポ
リマー材料等の中から選ばれる。また、ワイヤの表面
は、メッキ、ライニング、不働態処理、酸洗浄、フェノ
ール洗浄等必要に応じて種々の処理がなされてもかまわ
ない。
【0054】ガイドは、多孔板の孔にに直接接続してい
ても良いし、孔から離れていても良い。好ましい具体例
としては、多孔板の各孔の中心部付近に各ガイドが貫通
して接続しているもの、多孔板の各孔の外周部分にガイ
ドが接続しているもの等が挙げられる。ガイドの下端
は、重合器のボトム液面に接していても良いし、離れて
いても構わない。
【0055】この多孔板を通じて該溶融混合物または重
合中間体をガイドに沿わせて落下させる方法としては、
液ヘッドまたは自重で落下させる方法、またはポンプな
どを使って加圧にすることにより、多孔板から該溶融混
合物または重合中間体を押し出す等の方法が挙げられ
る。
【0056】孔の数に特に制限はなく、反応温度や圧力
などの条件、触媒の量、重合させる分子量の範囲等によ
っても異なるが、通常ポリマーを例えば100kg/h
r製造する際、10〜105個の孔が必要である。
【0057】孔を通過した後、ガイドに沿わせて落下さ
せる高さは、好ましくは0.3〜50mであり、さらに
好ましくは0.5〜20mである。
【0058】孔を通過させる溶融混合物または重合中間
体の流量は、溶融混合物または重合中間体の分子量によ
っても異なるが通常、孔1個当たり、10~4〜104
ットル/hr、好ましくは10~2〜102リットル/h
r、特に好ましくは、0.1〜50リットル/hrの範
囲である。
【0059】ガイドに沿わせて落下させるのに要する時
間に特に制限はないが、通常0.01秒〜10時間の範
囲である。
【0060】本発明において、ガイドに沿わせて落下さ
せた後の重合物は、そのまま液溜部に落下させてもよ
く、また巻き取り器等で強制的に液溜部に取り込んでも
良い。さらに、ガイドに沿わせて落下させた後の重合物
はそのまま抜き出されても構わないが、循環させて、再
びガイドに沿わせて落下させながら重合させるのも好ま
しい方法である。この場合、ガイドに沿わせて落下させ
た後の液溜部や循環ライン等で重縮合反応に必要な反応
時間に応じて滞留時間を長くすることができる。また、
ガイドに沿わせて落下させながら循環を行うことにより
単位時間に形成し得る新規な液表面積が大きく取れるた
め、所望の分子量まで充分重合を進行させる事が容易と
なる。
【0061】本発明の好ましい態様として、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの溶融混合
物または重合中間体を連続的に供給し、溶融状態で多孔
板からガイドに沿わせて落下させながら重合させ、落下
させた重合体の一部は循環させて再びガイドに沿わせて
落下させながら重合させ、ポリカーボネートを連続的に
抜き出す方法が挙げられる。この際、多孔板が低縮合物
等で汚染されず長期間安定に運転できる事が本発明の大
きな利点の一つである。
【0062】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジアリールカーボネートを反応させてポリカーボネ
ートを製造するに当たり、反応の温度は、通常50〜3
50℃、好ましくは100〜290℃の温度の範囲で選
ばれる。
【0063】反応の進行にともなって、芳香族モノヒド
ロキシ化合物が生成してくるが、これを反応系外へ除去
する事によって反応速度が高められる。従って、窒素、
アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスな
ど反応に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、
生成してくる該芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらの
ガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う
方法などが好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、
溶融混合物または重合中間体の分子量によっても異な
り、数平均分子量が1000以下の範囲では、50mm
Hg〜常圧の範囲が好ましく、数平均分子量が1000
〜2000の範囲では、3mmHg〜80mmHgの範
囲が好ましく、数平均分子量が2000以上の範囲で
は、20mmHg以下、特に10mmHg以下が好まし
い。
【0064】特に好ましい方法は、減圧下で、かつ前述
した不活性ガスを導入しながら反応を行う方法である。
この方法により、気流の乱れによって近隣の糸条物同士
が接触集合する等の不都合もなく、効率的に重合度を高
める事ができるのである。
【0065】溶融重縮合反応は、触媒を加えずに実施す
る事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて
触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野
で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属
の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウ
ムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;
水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム
などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物
類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カル
シウムメトキシドなどのアルカリ金属及びアルカリ土類
金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリ
ウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO
−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリー
ル基)などのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリ
ーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香
酸ナトリウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属
の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシド
などの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナト
リウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸
トリフェニル、(R1R2R3R4)NB(R1R2R3R4)または(R1R2R3R
4)PB(R1R2R3R4)で表されるアンモニウムボレート類また
はホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記説明
通り)などのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナ
トリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ
素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素
の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、
ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドな
どのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルス
ズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸ス
ズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基また
はアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合
物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩
基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシドまたはアリー
ロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第
四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニ
ウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどの
アンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、
ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタ
ン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどの
チタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウ
ム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、
ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化
合物類などの触媒を挙げる事ができる。
【0066】触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だ
けで用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても
良い。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジ
ヒドロキシ化合物に対して、通常10~8〜1重量%、好
ましくは10~7〜10~1重量%の範囲で選ばれる。
【0067】本発明で用いる好ましい重合器の一例を、
図に基づき説明する。
【0068】図1及び図2は、本発明の方法を達成する
重合器の具体例である。図1では、芳香族ジヒドロキシ
化合物とジアリールカーボネートとの溶融混合物または
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを
反応して得られる重合中間体は、原料供給口1より供給
され、多孔板3を通って重合器内部に導入されガイド4
に沿って落下する。重合器内部は、所定の圧力にコント
ロールされており、溶融混合物または重合中間体から留
出した芳香族モノヒドロキシ化合物などや、必要に応じ
てガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガスなど
はベント口6より排出される。重合物は、排出ポンプ8
により排出口9から排出される。重合器本体10などは
ヒーター又はジャケットにより加熱され、かつ保温され
ている。また、図2では、芳香族ジヒドロキシ化合物と
ジアリールカーボネートとの溶融混合物または芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを反応して
得られる重合中間体は、原料供給口1より循環ライン2
に供給され、多孔板3を通って重合器内部に導入されガ
イド4に沿って落下する。重合器内部は、所定の圧力に
コントロールされており、溶融混合物または重合中間体
から留出した芳香族モノヒドロキシ化合物などや、必要
に応じてガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガ
スなどはベント口6より排出される。重合器ボトムに達
した溶融混合物または重合中間体は循環ポンプ7を備え
た循環ライン2を通じて、多孔板3から再び重合器内部
に供給される。所定の分子量に達した重合物は、排出ポ
ンプ8により排出口9から排出される。重合器本体10
や循環ライン2などはヒーター又はジャケットにより加
熱され、かつ保温されている。
【0069】図2の重合器をバッチ式に用いる場合に
は、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ化合物とジ
アリールカーボネートを反応して得られる重合中間体を
原料供給口1から全て供給した後重合を行い、所定の重
合度に達した後排出口9より抜き出される。連続式に用
いる場合には、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール
カーボネートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ
化合物とジアリールカーボネートを反応して得られる重
合中間体を原料供給口1から連続的に供給し、重合器内
のポリマー融液量を一定に保つようにコントロールしな
がら所定の分子量に達したポリマーを排出口9より連続
的に抜き出す。
【0070】本発明の方法に用いる重合器は、重合器ボ
トムに撹拌器などを備えることも可能であるが必ずしも
必要ではない。従って、重合器本体での回転駆動部をな
くす事が可能であり、高真空下でも良好にシールされた
条件で重合させる事が可能である。循環ラインに備えら
れた循環ポンプの回転駆動部のシール性は、液ヘッドが
あるため重合器本体に回転駆動部がある場合に比べ良好
である。
【0071】本発明の方法は、重合器1基で行う事も可
能であるが、2基以上で行ってもかまわない。また、1
基の重合基を竪型または横型に仕切って、多段の重合器
とする事も可能である。
【0072】本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジアリールカーボネートの溶融混合物からポリカー
ボネートまで分子量を高めていく工程を、全て多孔板か
らガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法で行
う事も可能であるが、他の重合方法と組み合わせて行う
事も可能である。
【0073】更に本発明においては、重合終了後、溶融
状態にある間に熱可塑性樹脂及び耐熱安定剤等を添加し
混練するが、その方法については広く公知の技術を利用
でき、特に限定されない。これにより、冷却されたポリ
カーボネートを再溶融して熱可塑性樹脂及び耐熱安定剤
等を加える必要がなく、加熱による熱劣化を最低限に減
らすことができる。具体的な添加方法としては、最終重
合器から混練機までのライン中で添加する方法、混練機
のホッパーに添加する方法、混練機の注入口や投入口か
ら添加する方法等が挙げられ、粉体、ペレット、溶融状
態、溶液等のいずれの状態でも添加できる。混練方法と
しては、ポリマーミキサー等のインラインミキサー、単
軸や多軸の押出機や混練機もしくは混練押出機等を用い
る方法等が挙げられる。
【0074】本発明で用いられる(A)熱可塑性樹脂と
しては、ポリカーボネートと混合できる樹脂であればよ
く、特に限定されない。例えば、具体的には、ポリスチ
レン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合
体、スチレン・メチルメタクリレート共重合体等の芳香
族ビニル系樹脂、スチレン・ブタジエン・アクリロニト
リル共重合体(ABS樹脂)、AES樹脂、AAS樹脂
等のゴム含有グラフト共重合体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン
・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン
共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレ
ート、パラオキシベンゾイル系ポリエステル等のポリエ
ステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹
脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポ
リブタジエン、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリ
オキシメチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルエーテルケトン等のポリエーテル系樹
脂、熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。中でも、A
BS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、スチレン・アクリロ
ニトリル共重合体、ポリブタジエンが好ましく、特にA
BS樹脂が好ましい。中でも、灰分が0.1重量%以下
のABSが、ポリカーボネートの劣化が少なく好まし
い。灰分が0.1重量%以上の場合、製造時や成形時に
ポリカーボネートの分子量が低下し、耐衝撃性が低下し
たり、成型品表面にシルバーが発生しやすい。
【0075】本発明において(A)熱可塑性樹脂のポリ
カーボネートに対する配合量は、(A):ポリカーボネ
ートが1:99〜99:1の範囲にあることが好まし
く、より好ましくは10:90〜90:10の範囲、特
に好ましくは10:90〜50:50の範囲である。
【0076】本発明で用いられる(B)耐熱安定剤とし
ては、特に限定はされず、ポリカーボネートに使用可能
な物が使用できる。例えば、リン系安定剤、フェノール
系安定剤、イオウ系安定剤、エポキシ系安定剤、ヒンダ
ードアミン系安定剤等が使用できる。
【0077】リン系安定剤としては、リン酸類、亜リン
酸エステル類、ホスフィン酸エステル類、リン酸エステ
ル類、ホスホン酸エステル類が挙げられる。具体的に
は、例えばリン酸類としては、リン酸、亜リン酸、次亜
リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、下記化学式7で示さ
れるホスフィン酸類、化学式8で示されるホスホン酸類
等が挙げられる。これらの具体例としては、フェニルホ
スホン酸が挙げられる。これらの化合物は単独で使用し
ても良いし、混合物で使用しても良い。
【0078】
【化7】
【0079】
【化8】
【0080】(式中、R11はエチル基、ブチル基、オク
チル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリスリト
ール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、又はトリル基、p−t−ブチ
ルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフェニ
ル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基を示
す。) 亜リン酸エステル類としては、亜リン酸トリエステル、
亜リン酸ジエステル、亜リン酸モノエステルが挙げら
れ、下記化学式9で表される。
【0081】
【化9】
【0082】(式中、R12,R13,R14,R15,R16
18,R19,R20,R21,R23は化合物内で同一であっ
ても異なっていても良く、水素、エチル基、ブチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリ
スリトール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル
基、ナフチル基等のアリール基、又はトリル基、p−t
−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル
基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフ
ェニル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基
を示し、R17,R24はアルキレン、アリレン、又はアリ
ールアルキレンを示す。) これらの具体例としては、例えば亜リン酸トリエステル
では、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ト
リス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリフェニル
ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール
ホスファイト、テトラ(トリデシル)4,4’−イソプ
ロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニ
ルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル
4メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ジステアリル、ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、水添ビスフェノールA・ペンタエリスリトールホス
ファイトポリマー、テトラフェニルテトラ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールテトラホスファイトが挙げら
れる。こららの中で、2,4−ジ−t−ブチルフェニル
基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基を持つものがポ
リカーボネートの耐加水分解性を向上させ特に好まし
く、具体例としてはトリス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル4メチルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイトが挙げられる。
【0083】亜リン酸ジエステルの好ましい具体例とし
ては、芳香族亜リン酸ジエステルが好ましく、例えばジ
フェニルハイドロゲンホスファイト、ビス(ノニルフェ
ニル)ハイドロゲンホスファイト、ビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスファイト、ジク
レジルハイドロゲンホスファイト、(ビス(p−t−ブ
チルフェニル)ハイドロゲンホスファイト、ビス(p−
ヘキシルフェニル)ハイドロゲンホスファイト等が挙げ
られる。
【0084】亜リン酸モノエステルの好ましい具体例と
しては、フェニルジハイドロゲンホスファイト、ノニル
フェニルジハイドロゲンホスファイト、2,4−ジ−t
−ブチルフェニルジハイドロゲンホスファイト等が挙げ
られる。これらの化合物は単独で使用しても良いし、混
合物で使用しても良い。
【0085】ホスフィン酸エステル類としては、ホスフ
ィン酸ジエステル、ホスフィン酸モノエステルが挙げら
れ、下記各化学式10に示される。このような化合物の
具体的な例としては、4,4’−ビフェニレンジホスフ
ィン酸テトラキス(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)
が挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても良い
し、混合物で使用しても良い。
【0086】
【化10】
【0087】(式中、R25はエチル基、ブチル基、オク
チル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デ
シル基、トリデシル基、ラウリル基、ペンタエリスリト
ール基、ステアリル基等のアルキル基、フェニル基、ナ
フチル基等のアリール基、又はトリル基、p−t−ブチ
ルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パラノニルフェニ
ル基、ジノニルフェニル基等のアルキルアリール基を示
し、R26,R27,R28,R29,R31,R32は化合物内で
同一であっても異なっていても良く、水素、エチル基、
ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、2−エチル
ヘキシル基、デシル基、トリデシル基、ラウリル基、ペ
ンタエリスリトール基、ステアリル基等のアルキル基、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はトリル
基、p−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、パ
ラノニルフェニル基、ジノニルフェニル基等のアルキル
アリール基を示し、R30はアルキレン、アリレン、又は
アリールアルキレンを示す。) リン酸エステル類としては、リン酸ジエステル、リン酸
モノエステルが挙げられ、下記各化学式11に示され
る。
【0088】
【化11】
【0089】(式中、R13,R14,R16,R17,R18
19,R21,R23,R24は前述と同一。) これらの具体例としては、リン酸ジエステルの具体例と
しては、例えばジフェニルハイドロゲンホスフェート、
ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスフェート、ビ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ハイドロゲンホ
スフェート、ジクレジルハイドロゲンホスフェート、
(ビス(p−t−ブチルフェニル)ハイドロゲンホスフ
ェート、ビス(p−ヘキシルフェニル)ハイドロゲンホ
スフェート等が挙げられる。
【0090】リン酸モノエステルの具体例としては、フ
ェニルジハイドロゲンホスフェート、ノニルフェニルジ
ハイドロゲンホスフェート、2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニルジハイドロゲンホスフェート等が挙げられる。こ
れらの化合物は単独で使用しても良いし、混合物で使用
しても良い。
【0091】ホスホン酸エステル類としては、ホスホン
酸モノエステルが挙げられ、下記各化学式12に示され
る。
【0092】
【化12】
【0093】(式中、R25,R27,R29,R30,R31
32は前述と同一) フェノール系安定剤は、下記化学式13で示される。
【0094】
【化13】
【0095】(式中、R33は水素原子、水酸基、アルコ
キシル基又は置換基を有していてもよい炭化水素残基を
示し、R33は同一でも異なっていても良い。但し、R33
の内少なくとも1つは置換基を有していてもよい炭化水
素残基を示すものとする。) 具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−アニソール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−
メチレンビス(6−t−ブチル−p−クレゾール)、
2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチル
−p−フェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t
−ブチル−p−クレゾール)、4,4’−ブチリデンビ
ス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、テトラキス
〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキイシフェニル)プロピオネート〕メタン、
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾー
ル)、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−
トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、トリエチレングルコール−ビス
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕等があげられる。
【0096】好ましいフェノール系安定剤としては、下
記化学式14で示されるものである。
【0097】
【化14】
【0098】(式中、R34はメチル基又はt−ブチル
基、R35はt−ブチル基を、Aは炭素数1〜30のb価
の炭化水素又は複素環残基を示し、aは1〜4の整数、
bは1以上の整数を示す。)具体的にはテトラキス〔メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキイシフェニル)プロピオネート〕メタン、ステア
リル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、トリエチレングルコール−
ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0099】更にP原子を含んだフェノール系安定剤、
例えば3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスフォネート−ジエチルエステル、ビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エ
チル)カルシウム等も挙げられる。これらのフェノール
系安定剤は単独で用いてもよいし、混合物で用いてもよ
い。
【0100】イオウ系安定剤としては、下記化学式15
で示されるスルフィン酸、スルホン酸及びそのエステル
類や、下記化学式16等で示されるチオエーテル化合物
がある。
【0101】
【化15】
【0102】(式中、R36はR11と同一。R37はR12
同一。)
【0103】
【化16】
【0104】(式中、R38,R39はC12〜C18のア
ルキル基を示す。) これらの具体的な例としては、例えばベンゼンスルフィ
ン酸、p−トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、
及びこれら酸のメチル、エチル、ブチル、オクチル、フ
ェニルエステルが挙げられる。また、ジラウリル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’
−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ペンタエリスリトール(β−ラウリル
チオプロピオネート)等が挙げられる。これらのイオウ
系安定剤は単独で用いてもよいし、混合物で用いてもよ
い。
【0105】エポキシ安定剤としては、例えばエポシシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油等の油脂類、フェニルグ
リシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t−ブ
チルフェニルグリシジルエーテル、ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、テトラブロムビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシ
ジル化合物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
2,3−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポ
キシシクロヘキサンカルボキシレート、4−(3,4−
エポキシ−5−メチルシクロヘキシル)ブチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−
エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキ
シルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル
メチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
ビスエポキシシクロヘキシルアジペート、オクタデシル
−2,2’−ジメチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート、N−ブチル−2,2’−ジメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
シクロヘキシル−2−メチル−3,4−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、N−ブチル−2−イソプロ
ピル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカ
ルボキシレート、オクタデシル−3,4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、2−エチルヘキシル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
4,6−ジメチル−2、3−エポキシシクロヘキシル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ジ
エチル−4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキ
サンカルボキシレート、ジ−n−ブチル−3−t−ブチ
ルー4,5−エポキシ−シス−1,2−シクロヘキサン
カルボキシレート、3,4−ジメチル−1,2−エポキ
シシクロヘキサン、3,5−ジメチル−1,2−エポキ
シシクロヘキサン、3,−メチル−5−t−ブチル−
1,2−エポキシシクロヘキサン等のエポキシシクロヘ
キサン化合物、ビスエポキシジシクロペンタジエニルエ
ーテル、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエイ
レネポキシド、エポキシ化ポリブタジエン、4,5−エ
ポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3−t−ブチル−
4,5−エポキシ無水テトラヒドロフタル酸等が挙げら
れる。これらのエポキシ系安定剤は単独で用いてもよい
し、混合物で用いてもよい。
【0106】ヒンダードアミン系安定剤としては、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ビペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ビペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−nブチルマロ
ン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ビ
ペリジル)テトラキシ(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ビペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボキシレ−ト、1−〔2ー{3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)ポロピオニルオキシ}
エチル〕−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)ポロピオニルオキシ}−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,
7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,2,3
−トリアザスピロ{4,5}ウンデカン−2,4−ジオ
ン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよいし、混合物で用いてもよい。
【0107】これら耐熱安定剤は、単独で用いてもよい
し組み合わせて用いてもよい。これらの内、活性水素基
を有するリン系やイオウ系安定剤及びスルフィン酸もし
くはスルホン酸のエステル類が好ましく用いられる。活
性水素基を有するリン系安定剤の例としては、前述のリ
ン酸類、ホスフィン酸類、ホスホン酸類、亜リン酸ジエ
ステル類、亜リン酸モノエステル類、ホスフィン酸モノ
エステル類、リン酸ジエステル類、リン酸モノエステル
類、ホスホン酸モノエステル類等が挙げられ、活性水素
基を有するイオウ系安定剤の例としては、スルフィン酸
類、スルホン酸類が挙げられる。これらの中でも活性水
素基を有するリン系安定剤が好ましく、特に亜リン酸ジ
エステル類、亜リン酸モノエステル類が好ましい。添加
量は特に限定されないが、一般にポリカーボネート10
0重量部に対して0.0005〜0.5重量部、好まし
くは0.0005〜0.2重量部の範囲で用いられる。
活性水素基を有する耐熱安定剤においては0.0005
〜0.015重量部の範囲で用いられるのが好ましく、
0.0005〜0.009重量部の範囲が特に好まし
い。
【0108】また、耐熱安定剤を組み合わせて用いる場
合は自由に組み合わせが可能であるが、上記活性水素基
を有するリン系やイオウ系安定剤及びスルフィン酸もし
くはスルホン酸のエステル類の中から選択される一種以
上の安定剤と、他のリン系安定剤、フェノール系安定
剤、イオウ系安定剤、エポキシ系安定剤、ヒンダードア
ミン系安定剤等の中から選択される一種以上の安定剤と
を組み合わせるのが好ましい。中でも活性水素基を有す
るリン系やイオウ系安定剤及びスルフィン酸もしくはス
ルホン酸のエステル類の中から選択される一種以上の安
定剤と亜リン酸トリエステル類、ホスフィン酸ジエステ
ル類、フェノール系安定剤の中から選択される一種以上
の安定剤とを組み合わせるのが特に好ましく、更に、亜
リン酸ジエステル類、亜リン酸モノエステル類から選択
される一種以上の安定剤と亜リン酸トリエステル類、ホ
スフィン酸ジエステル類、フェノール系安定剤の中から
選択される一種以上の安定剤とを組み合わせるのが特に
好ましい。これら安定剤との併用によりポリカーボネー
トのリサイクル成形時の着色、長期耐熱老化性が改善さ
れる。これら安定剤の添加量は特に限定されないが、ポ
リカーボネート100重量部に対して、活性水素基を有
するリン系やイオウ系安定剤及びスルフィン酸もしくは
スルホン酸のエステル類の中から選択される一種以上の
安定剤は、一般に0.0005〜0.015重量部の範
囲にあり、好ましくは0.0005〜0.009の範囲
にあり、併用する安定剤は一般に0.0005〜0.2
重量部の範囲であり、好ましくは0.0005〜0.1
重量部、更に好ましくは0.001〜0.05重量部の
範囲である。
【0109】本発明に用いられる(C)リン系難燃剤と
しては、特に限定されないが、例えば、トリメチルホス
フェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフ
ェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチ
ルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等
の非ハロゲンリン酸エステル類、トリス(クロロエチ
ル)ホスフェート、ビス(2,3ジブロモプロピル)
2,3−ジクロロプロピルホスフェート、トリス(ジク
ロロプロピル)ホスフェート、ビス(クロロプロピル)
モノオクチルホスフェート等のハロゲン含有リン酸エス
テル類、下式化学式17で示される縮合リン酸エステル
類が挙げられる。
【0110】
【化17】
【0111】(式中、R40,R41,R42及びR43はそれ
ぞれ互いに独立して選ばれるフェニル、クレジル、キシ
レニル、プロピルフェニル及びそれらのハロゲン化誘導
体等のアリール基又はアルキルアリール基を表し、Bは
レゾルシン、ハイドロキノン、ビスフェノールA及びこ
れらのハロゲン化誘導体等のジヒドロキシ化合物から誘
導されるアリーレン基を表す。i1,i2,i3及びi4
それぞれ互いに独立して0又は1であり、jは1〜30
の整数を表す。) これらリン系難燃剤の中でも、トリクレジルホスフェー
ト及び下記化学式18で示される縮合リン酸エステル類
が好ましい(式中のkは前記jと同一)。これら縮合リ
ン酸エステル類は単一重合度でも、各重合度のものが混
合したものを用いてもよく、混合物の場合kは平均値で
表され、k=1〜10が好ましく、1〜5が特に好まし
い。
【0112】
【化18】
【0113】本発明において(C)リン系難燃剤は、ポ
リカーボネートと(A)熱可塑性樹脂との合計量100
重量部に対して1〜25重量部、特に5〜20重量部の
範囲で使用されるのが好ましい。
【0114】更に、本発明においては、他の添加剤を添
加してもよい。他の添加剤の例としては、離型剤、耐候
剤、着色剤、難燃剤、充填剤、酸性化合物、滴下防止剤
等が挙げられる。これら添加剤は(A)熱可塑性樹脂等
と同時に添加してもよいし、重合終了後の溶融状態の間
に(A)熱可塑性樹脂等添加後一旦ペレタイズし、必要
に応じて他の添加剤を添加再溶融混練し製品とすること
も可能である。
【0115】次に、本発明における、製造方法の好まし
い組み合わせの態様を以下に示すが、本発明はこれらに
限定されるものではない。例えば、多孔板からガイドに
沿わせて落下させながら重合させる方式と、薄膜式重合
器、スクリュー型重合器、横型撹拌重合器等を使って重
合させる方式や、多孔板から自由に落下させながら重合
させる方式等を組み合わせてポリカーボネートを製造す
ることも可能である。本発明における、製造方法の好ま
しい組み合わせの具体例として、前重合工程で撹拌槽型
重合器を用いる方法と、後重合工程で多孔板からガイド
に沿わせて落下させながら重合させる方法、及び2台の
押出機を用いて熱可塑性樹脂を添加混練する方法の組み
合わせが挙げられる。撹拌槽型重合器は、一般に容積効
率が高く、低粘度物質の攪拌効率も高いが、液容量当た
りの液表面積が小さく、高粘度物質の攪拌効率は必ずし
も高くない。従って、ポリカーボネートの製造を撹拌槽
型重合器のみで行った場合、重合の後半、粘度の高まっ
たポリマー中から芳香族モノヒドロキシ化合物を効率よ
く抜き出して重合を進行させることは困難である。ま
た、気相部に回転駆動部を有するため、高真空下での重
合は酸素の漏れ込みによる製品品質低下の問題を生ず
る。しかしながら、前重合工程で撹拌槽型重合器を用い
る方法を、後重合工程で多孔板からガイドに沿わせて落
下させながら重合させる方法とを組み合わせる事によっ
て、高品質のポリカーボネートを効率良く製造する事が
できる。すなわち、前重合工程は通常、高真空で実施す
る必要はないため撹拌槽型重合器により品質を損なう事
なく、粘度も低いため高い攪拌効率でかつ高い容積効率
で重合させる事ができ、また後重合工程では、多孔板か
らガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法によ
り、芳香族モノヒドロキシ化合物などを効率的に抜き出
して重合を進めることができ、高真空下でのシール性に
も優れるため、高品質なポリカーボネートを容易に製造
できるのである。
【0116】本具体例における、前重合工程とは、芳香
族ジヒドロキシ化合物とジアリール化合物から、数平均
分子量で通常300から5000の範囲の重合中間体を
製造する工程を意味し、後重合工程とは、前重合工程で
得られた重合中間体より重合度を高めたポリカーボネー
トを製造する工程を意味する。
【0117】撹拌槽型重合器は、例えば化学装置便覧
(化学工学協会編;1989年)11章等に記載された
撹拌槽のいずれも使用する事ができる。槽の形状に特に
制限はなく、通常、縦型や横型の円筒型が用いられる。
また、撹拌翼の形状にも特に制限はなく、アンカー型、
タービン型、スクリュー型、リボン型、ダブル翼型等が
用いられる。
【0118】前重合工程の反応温度及び反応時間は、通
常50〜350℃、好ましくは100〜290℃の範囲
の温度で、通常1分から100時間、好ましくは30分
から50時間の範囲で選ばれる。
【0119】前重合工程の反応圧力は、溶融混合物また
は重合中間体の分子量によっても異なるが、通常3mm
Hg〜常圧の範囲が好ましく、さらに好ましくは5mm
Hg〜常圧の範囲である。反応の進行にともなって、生
成してくる芳香族モノヒドロキシ化合物を反応系外へ効
率的に除去するため、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸
化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪影響を及ぼさな
い不活性なガスを導入して、生成してくる該芳香族モノ
ヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させる方法も好
ましく用いられる。
【0120】前重合工程は、バッチ方式、連続方式のい
ずれでも実施する事ができる。また、前重合工程におい
て撹拌型重合器は1基または、2基以上組み合わせて用
いる事が可能である。
【0121】前重合工程は、通常芳香族モノヒドロキシ
化合物の発生量が多いので、これを蒸発させるためには
必要に応じて熱交換器や、気化室等を設ける事が好まし
い。本具体例における後重合工程、すなわち多孔板から
ガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法の、装
置、重合方法、重合条件等については上述したとおりで
ある。
【0122】次に、本方式の具体例を、図に基づき説明
する。
【0123】図3及び図4は、本発明の方法を達成する
プロセスの例である。図3では重合器1基を、図4では
前重合工程に3基、後重合工程に2基の重合器を用いて
いるが、これらはあくまでも具体例であり、本発明がこ
れに制限されるものではない。
【0124】図3では前記図2の重合装置の後に押出機
を連結したものであり、排出口9から排出される溶融重
合物は押出機11のホッパー口12へ送られる。一方、
フィーダー22で計量された熱可塑性樹脂は添加口21
から押出機11に供給される。また、耐熱安定剤は耐熱
安定剤タンク13から送液ポンプ14によって注入口1
5へ送られる。押出機11では、溶融重合物、熱可塑性
樹脂及び耐熱安定剤が均一に混練された後、第6よりス
トランド状に排出され冷却バス17で冷却後、カッター
18でペレタイズされる。
【0125】図4においては、前重合工程では、芳香族
ジヒドロキシ化合物及びジアリールカーボネートは、原
料供給口1、1’より撹拌槽型第1重合器(I)3、撹
拌槽型第1重合器(II)3’に導入される。なお、撹拌
槽型第1重合器(II)3’は、撹拌槽型第1重合器
(I)3と全く同様であり、バッチ的に運転する場合な
どに切り替えて使用する事ができる。重合器内部は窒素
などの不活性ガス雰囲気下となっており、通常常圧付近
でコントロールされており、留出する芳香族モノヒドロ
キシ化合物などはベント口2、2’から排出される。撹
拌下で所定時間反応して得られた重合中間体4は排出口
5、5’から排出され、移送ポンプ6で移送されて、供
給口7より撹拌槽型第2重合器8に導入される。
【0126】重合器内部は減圧下にコントロールされて
おり、留出する芳香族モノヒドロキシ化合物などはベン
ト口9から排出される。撹拌下で所定時間反応して得ら
れた重合中間体10は排出口11から排出され、移送ポ
ンプ12で後重合工程へ移送される。
【0127】後重合工程では、前重合工程で製造された
重合中間体10が供給口13より循環ライン14に供給
され、多孔板15を通って多孔板型第1重合器16の内
部に導入されガイド17に沿って落下する。重合器内部
は、所定の圧力にコントロールされており、重合中間体
から留出した芳香族モノヒドロキシ化合物などや、必要
に応じてガス供給口18より導入される窒素等の不活性
ガスなどはベント口19より排出される。重合器ボトム
に達した重合中間体は循環ポンプ20を備えた循環ライ
ン14を通じて、多孔板15から再び重合器内部に供給
される。所定の分子量に達した重合中間体21は、移送
ポンプ22により排出口23から排出され、供給口24
より供給され、多孔板26を通って多孔型第2重合器2
7の内部に導入され、ガイド28に沿って落下する。重
合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、重
合中間体から留出した芳香族モノヒドロキシ化合物など
や、必要に応じてガス供給口29より導入される窒素等
の不活性ガスなどはベント口30より排出される。溶融
重合物32は、排出ポンプ33により排出口34から押
出機37のホッパー口35へ送られる。一方、押出機4
6で溶解された熱可塑性樹脂がホッパー口36に供給さ
れる。また、耐熱安定剤やリン系難燃剤などの添加剤は
は添加剤タンク44から送液ポンプ43によって注入口
45へ送られる。押出機37では、溶融重合物、熱可塑
性樹脂及び添加剤が均一に混練された後、ダイ38より
ストランド状に排出され冷却バス39で冷却後、カッタ
ー40でペレタイズされた後移送ライン42でサイロへ
送られる。なお、全工程において、各重合器、、押出
機、循環ライン、移送ライン、排出ラインなどはいずれ
もジャケットまたはヒーター等で加熱され、かつ保温さ
れている。
【0128】更に、前重合工程で撹拌槽型重合器を用い
る方法、中間工程で濡れ壁式落下させながら重合させる
方法、後重合工程で多孔板からガイドに沿って落下させ
ながら重合させる方法の組み合せも本発明の好ましい具
体例である。
【0129】上記組み合せの具体例の中間重合工程にお
いては、前重合工程で得られた重合中間体を溶融状態で
濡れ壁式に落下させながら重合させる。濡れ壁に落下さ
せながら重合させる方法は、伝熱面積を大きくとれるた
め芳香族モノヒドロキシ化合物等の蒸発潜熱を効率的に
供給することが容易であり、蒸発面積も大きく取れるた
め芳香族モノヒドロキシ化合物などを効率的に抜き出し
て重合を進行させることができる。
【0130】本具体例における、前重合工程とは、芳香
族ジヒドロキシ化合物とジアリール化合物から、数平均
分子量で通常300から5000の範囲の重合中間体を
製造する工程であり、中間重合工程とは、前重合工程で
得られた重合中間体よりも高い分子量の重合中間体、す
なわち通常数平均分子量で上限10000程度までの重
合中間体を製造する工程であり、後重合工程とは、中間
重合工程で製造された重合中間体よりも高分子量のポリ
カーボネートを製造する工程である。
【0131】前重合工程で用いる撹拌槽型重合器、およ
び前重合工程の重合方法、重合条件等については上述し
たとおりである。
【0132】中間重合工程において、濡れ壁式に落下さ
せながら重合させる装置としては例えば化学装置便覧
(化学工学協会編;1989年)11章461頁に記載
の反応器などが挙げられる。重合器は多管式にすること
も可能であり、また、落下させたポリマーを循環させて
再び濡れ壁式に落下させながら重合させることも可能で
ある。
【0133】中間重合工程の反応温度及び反応時間は、
通常50〜350℃、好ましくは100〜290℃の範
囲の温度で、通常1分から100時間、好ましくは30
分から50時間の範囲で選ばれる 中間重合工程の好ましい反応圧力は、溶融混合物または
重合中間体の分子量によっても異なり、数平均分子量が
1000以下の範囲では、50mmHg〜常圧の範囲が
好ましく、数平均分子量が1000〜2000の範囲で
は3mmHg〜80mmHgの範囲が好ましく、数平均
分子量が2000以上の範囲では10mmHg以下、特
に5mmHg以下が好ましい。反応の進行にともなっ
て、生成してくる芳香族モノヒドロキシ化合物を反応系
外へ効率的に除去するため、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪影響を
及ぼさない不活性なガスを導入して、生成してくる該芳
香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させる
方法も好ましく用いられる。
【0134】中間重合工程は、バッチ方式、連続方式の
いずれでも実施する事ができる。また、中間重合工程に
おいて重合器は1器または2器以上組み合わせて用いる
ことが可能である。
【0135】中間重合工程は、通常芳香族モノヒドロキ
シ化合物の発生量が多く、これを蒸発させるためには必
要に応じて熱交換器や気化室等を設けることが好まし
い。
【0136】本具体例における後重合工程、すなわち多
孔板からガイドに沿って落下させて重合させる方法の、
装置、重合方法、重合条件等については上述した通りで
ある。
【0137】本発明の方法を達成する重合器の材質に特
に制限はなく、通常ステンレススチールやニッケル、グ
ラスライニング等から選ばれる。
【0138】重合器内側面にスケールが付着するのを防
止するため、循環するポリマーの一部で重合器内壁面に
濡れ壁を形成させるのも本発明の好ましい実施態様の一
つである。
【0139】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて説明す
る。なお、測定は以下の方法で行った。
【0140】(1)数平均分子量(以下、Mnと略す。)
及び重量平均分子量(以下、Mwと略す。):ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し
た。
【0141】(2)成形時の安定性:射出成形機(日本製
鋼所製 J100E)を用いて250℃で連続成形中
に、20分間成形を停止し滞留させた後、再度成形を開
始した。滞留後の試験片外観及び滞留前後のアイゾット
衝撃強度の保持率を求めた。
【0142】(3)灰分の測定:白金ルツボを洗剤で洗浄
後、純水で再度洗浄する。洗浄後、ルツボを乾燥機で乾
燥させた後、デシケーターで放冷する。ルツボ重量及び
試料重量を精秤し、下記式に従って灰分を求めた。
【0143】灰分(重量%)={(灰化後のルツボ重量
(g)−ルツボ重量(g))/(試料重量(g))}×
100 実施例1 図3に示すような重合プロセスを用いて反応を行った。
この重合器は、孔径7.5mmの孔を50個有する多孔
板を備えており、各孔には1mm径のSUS316L製
ワイヤ状ガイドが孔を貫通して接続されている。ガイド
に沿わせて落下させる高さは4mである。押出機は、同
方向2軸押出機(45mmφ、L/D=30)で添加
口、液体注入口及びベント口を有している。
【0144】ビスフェノールAとジフェニルカーボネー
ト(対ビスフェノールAモル比1.05)から製造し
た、Mn6000の重合中間体を30リットルあらかじ
め重合器に仕込み、この仕込んだものと同様のMn60
00の重合中間体を6リットル/hrで供給し、液レベ
ルを一定に保つように溶融重合体を連続的に押出機に供
給した。重合器は、反応温度248℃、反応圧力1.0
mmHg、循環流量80リットル/hr、窒素ガス流量
2リットル/hrの条件で、1000時間連続で重合反
応を行った。定常状態になった後の得られたポリカーボ
ネートの分子量Mwは27000であった。押出機は、
温度250℃、回転数200rpmで運転した。添加口
からは、ABS樹脂(旭化成工業(株):スタイラック
ABS試作品−1:ブタジエン含有量15重量%、該共
重合体中の不飽和ニトリル化合物単位の割合が27重量
%、ゴム状物質へのグラフト率が50%及び灰分が0.
05重量%)を供給ポリカーボネートと同量供給し、液
体注入口からは、供給ポリカーボネート100重量部に
対して、ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファ
イトが0.001重量部になるようにアセトンに溶解し
て注入した。アセトンはベント口より真空に減圧して抜
き出した。押出機より出たポリカーボネート組成物は冷
却バス、カッターを経て連続的にペレットととして得ら
れた。その結果、得られたポリカーボネート組成物色相
は良好であり、組成物中のポリカーボネートのMwも2
6500とほとんど低下していなかった。また、成形時
の安定性はアイゾット衝撃強度保持率が65%で、成形
品外観も良好であった。
【0145】実施例2 実施例1のビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスフ
ァイトの代わりに、トリスノニルフェニルホスファイト
0.02重量部を用いる以外は、実施例1と同様に実施
した。その結果、得られたポリカーボネート組成物色相
は良好であり、組成物中のポリカーボネートのMwも2
6200と低下は少なかった。また、成形時の安定性は
アイゾット衝撃強度保持率が46%で、成形品外観も良
好であった。
【0146】実施例3 実施例1のABS樹脂の代わりにスタイラックABS試
作品−2(旭化成工業(株):ブタジエン含有量15重
量%、該共重合体中の不飽和ニトリル化合物単位の割合
が30重量%、ゴム状物質へのグラフト率が50%、灰
分が0.45重量%)を用いる以外は、実施例1と同様
に実施した。その結果、得られたポリカーボネート組成
物色相は良好であり、組成物中のポリカーボネートのM
wは25600と若干低下した。また、成形時の安定性
はアイゾット衝撃強度保持率が40%で、成形品外観は
若干シルバーが発生しているもののほぼ良好であった。
【0147】比較例1 市販のポリカーボネート(三菱化成工業(株):ノバレ
ックス7025A:Mw27800)50重量部と実施
例3で用いたABS樹脂50重量部を混合し、押出機
(同方向2軸押出機:45mmφ、L/D=30)を用
いて、温度280℃、回転数200rpmで押出ペレッ
ト化した。その結果、得られたポリカーボネート組成物
は黄色に着色しており、組成物中のポリカーボネートの
Mwも24500まで低下していた。また、成形時の安
定性はアイゾット衝撃強度保持率が23%と大幅に低下
しており、成形品外観も多量のシルバーが発生しており
劣悪であった。
【0148】比較例2 多孔板型重合器の代わりに、横型二軸撹拌型重合器を用
いてポリカーボネートを製造する以外は実施例3と全く
同様にポリカーボネート組成物を製造した。但し、横型
二軸撹拌型重合器は、内容積は30リットル、L/D=
6で、回転直径140mmの二軸の撹拌羽根を有してお
り、反応温度290℃、反応圧力0.1mmHg、内容
量10リットルの条件とした。安定定常運転移行後のポ
リカーボネートの分子量Mwは27000であり実施例
3に比べてやや黄色みを帯びていた。その結果、得られ
たポリカーボネート組成物は黄色に着色していたおり、
色相は不良であった。組成物中のポリカーボネートのM
wは24700に低下した。また、成形時の安定性はア
イゾット衝撃強度保持率が34%と低く、成形品外観は
シルバーが発生していており劣悪であった。
【0149】実施例4 図4に示すようなプロセスで、ポリカーボネートを製造
した。但し、前重合工程の撹拌槽第1重合器は(I)と
(II)を切り替えながらバッチ的に運転し、その他の重
合器は連続的に運転した。撹拌槽第1重合器(I)、
(II)の内容積は100リットル、撹拌槽第2重合器の
内容積は50リットルであり、撹拌翼はいずれもアンカ
ー型である。
【0150】後重合工程の多孔板型第1重合器、及び多
孔板型第2重合器は、孔径7.5mmの孔を50個有す
る多孔板を備えており、各孔には1mm径のSUS31
6L製ワイヤ状ガイドが孔を貫通して接続されている。
ガイドに沿わせて落下させる高さは4mである。但し、
循環ラインは多孔板型第1重合器のみが有している。こ
の前重合工程の撹拌槽第1重合器は(I)、(II)とも
に、温度180℃、圧力常圧、シール窒素ガス流量1リ
ットル/hrの条件である。撹拌槽第1重合器(I)
に、ビスフェノールAとジフェニルカーボネート(対ビ
スフェノールAモル比1.10)を80Kg仕込み4H
r溶融混合し、5リットル/hrで連続に撹拌槽第2重
合器に供給した。撹拌槽第1重合器(I)から撹拌槽第
2重合器に供給している間に、撹拌槽第1重合器(II)
に、撹拌槽第1重合器(I)と同様にビスフェノールA
とジフェニルカーボネートを溶融混合し、撹拌槽第1重
合器(I)が空になった時点で撹拌槽第1重合器(II)
に切り替えた。この後、同様にして撹拌槽第1重合器
(I)、(II)はバッチ的に切り替えながら撹拌槽第2
重合器に重合中間体を連続に5リットル/hrで供給し
続けた。撹拌槽第2重合器は内容量が20リットルに達
したら、内容量20リットルを一定に保つように後重合
工程の多孔板型第1重合器に重合中間体を連続に供給し
た。撹拌槽第2重合器は、反応温度230℃、反応圧力
100mmHg、窒素ガス流量2リットル/hrの条件
である。多孔板型第1重合器は内容量が10リットルに
達したら、内容量10リットルを一定に保つように多孔
板型第2重合器に重合中間体を連続に供給した。多孔板
型第1重合器は、反応温度250℃、反応圧力2.0m
mHg、窒素ガス流量1リットル/hr、循環量200
リットル/hrの条件である。多孔板型第2重合器は、
反応温度255℃、反応圧力1.0mmHg、窒素ガス
流量1リットル/hrの条件である。多孔板型第2重合
器は内容量が2リットルに達したら、内容量2リットル
一定に保つように溶融重合体を連続に抜き出し押出機に
供給した。安定定常運転移行後の多孔板型第1重合器に
供給される重合中間体もMwは1600であり、多孔板
型第2重合器に供給される重合中間体のMwは1150
00であった。また、押出機へ供給されるポリカーボネ
ートのMwは235000であった。押出機は、同方向
2軸押出機(30mmφ、L/D=30)で液体注入口
及び添加口を有しており、温度240℃、回転数200
rpmで運転した。ホッパー口からは、第2押出機(単
軸30mmφ、L/D=30)で240℃に溶融された
ABS樹脂(実施例1で用いたスタイラックABS試作
品−1)が供給ポリカーボネート100重量部に対して
33.3重量部になるようにで供給されている。液体注
入口からは、供給ポリカーボネート100重量部に対し
て、ビス(ノニルフェニル)ハイドロゲンホスファイト
が0.001重量部、トリス(2,4ージ−t−ブチル
フェニル)ホスファイトが0.01重量部、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートが0.01重量部及び化29で
示される縮合リン酸エステル系難燃剤(式中mはm=1
を主成分とする混合物であり、平均1.2である)が1
3.5重量部になるように混合調整して注入した。添加
口からは、ポリテトラフルオロエチレン粉末(ダイキン
工業(株):F201L)0.4重量部を添加した。押
出機より出たポリカーボネート組成物は冷却バス、カッ
ターを経て連続的にペレットととして得られた。その結
果、得られたポリカーボネート組成物色相は良好であ
り、組成物中のポリカーボネートの分子量低下も少な
く、成形時の安定性や難燃性等良好な物性を有してい
た。
【0151】
【発明の効果】高真空下でのシール性に優れ、メンテナ
ンスも容易な装置で、長期間安定に、高い重合速度で、
色相や成型時の安定性に優れた高品質のポリカーボネー
ト組成物を製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる重合器の一例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明で用いる重合器の他の例を示す模式図で
ある。
【図3】本発明の方法を達成するプロセスの一例を示す
模式図である。
【図4】本発明の方法を達成するプロセスの他の例を示
す模式図である。
【符号の説明】
図1、図2、及び図3において、 1. 原料供給口 2. 循環ライン 3. 多孔板 4. ガイド 5. ガス供給口 6. ベント口 7. 循環ポンプ 8. 排出ポンプ 9. 排出口 10. 重合器本体 11. 押出機 12. ホッパー口 13. 耐熱安定剤タンク 14. 送液ポンプ 15. 注入口 16. ダイ 17. 冷却バス 18. カッター 19. 排出口 20. ベント口 21. 添加口 22. フィーダー 図4において、 1. 原料供給口 1’.原料供給口 2. ベント口 2’.ベント口 3. 撹拌槽第1重合器(I) 3’.撹拌槽第1重合器(II) 4. 重合中間体 5. 排出口 5’.排出口 6. 移送ポンプ 7. 供給口 8. 撹拌槽第2重合器本体 9. ベント口 10. 重合中間体 11. 排出口 12. 移送ポンプ 13. 供給口 14. 循環ライン 15. 多孔板 16. 多孔板型第1重合器 16’.多孔板型重合器 17. ガイド 18. ガス供給口 19. ベント口 20. 循環ポンプ 21. 重合中間体 22. 移送ポンプ 23. 排出口 24. 供給口 25. 循環ライン 26. 多孔板 27. 多孔板型第2重合器 28. ガイド 29. ガス供給口 30. ベント口 31. 循環ポンプ 32. 溶融重合物 33. 排出ポンプ 34. 排出口 35. 押出機ポッパー口 36. 押出機ポッパー口 37. 押出機 38. ダイ 39. 冷却バス 40. カッター 41. 排出口 42. 移送ライン 43. 送液ポンプ 44. 安定剤タンク 45. 注入口 46. 第2押出機 47. 添加剤フィーダー 48. 添加口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42 C08L 69/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール
    カーボネートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ
    化合物とジアリールカーボネートとを反応して得られる
    重合中間体を、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて
    落下させながら重合させる工程を全部又は一部含む重合
    工程の後、溶融状態にある間に(A)熱可塑性樹脂及び
    (B)耐熱安定剤を添加し、混練することを特徴とする
    ポリカーボネート組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性樹脂のポリカーボネート
    に対する配合量が1:99〜99:1の範囲にあり、
    (B)耐熱安定剤の添加量がポリカーボネート100重
    量部に対して0.0005〜0.5重量部の範囲にある
    ことを特徴とする請求項1記載のポリカーボネート組成
    物の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)熱可塑性樹脂がABS樹脂である
    請求項1または2記載のポリカーボネート組成物の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ABS樹脂が、灰分0.1重量%以下の
    ABS樹脂である請求項3記載のポリカーボネート組成
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 ABS樹脂及び(B)耐熱安定剤と共
    に、(C)リン系難燃剤を添加し混練することを特徴と
    する請求項1ないし4記載のポリカーボネート組成物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 (C)リン系難燃剤の添加量が、ポリカ
    ーボネートと(A)熱可塑性樹脂との合計量100重量
    部に対して、1〜25重量部の範囲にあることを特徴と
    する請求項5記載のポリカーボネート組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 (B)耐熱安定剤が、亜リン酸ジエステ
    ル及び/又は亜リン酸モノエステルである請求項1ない
    し6記載のポリカーボネート組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 (B)耐熱安定剤が、(a)亜リン酸ジ
    エステル及び亜リン酸モノエステルから選ばれた一種以
    上の化合物と、(b)フェノール系安定剤、亜リン酸ト
    リエステル及びホスフィン酸ジエステルから選ばれた一
    種以上の化合物とからなる請求項1ないし7記載のポリ
    カーボネート組成物の製造方法。
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