JP3392692B2 - 自動車用空調制御装置 - Google Patents

自動車用空調制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電気自動車またはハ
イブリッド電気自動車の車室内の空調を行う空調制御装
置であって、特に温水式暖房装置を用いて空調を行うも
のに関する。 【0002】 【従来の技術】自動車の車室内の空調を行う空調制御装
置として、温水を利用して暖房を行う温水式暖房装置を
用いたものが知られている。温水式暖房装置は、図8に
示すように、温水と空気との熱交換を行い温風を生成す
る温水式熱交換器11と、温水を循環させる循環ポンプ
13と、温水を加熱する温水加熱器15とからなる。空
調制御装置は上記温水式暖房装置に加え、さらに、温水
の温度を検出する水温センサ17と、温水式暖房装置を
起動するスイッチSWと、温水式暖房装置を制御する温
水温度制御装置23と、温風の流れを生成するブロア2
7とを備える。温水温度制御装置23は、所定の目標温
度に基づいて温水加熱器15を制御することにより、温
水の温度すなわち温風の温度を制御する。 【0003】このように構成された空調制御装置におい
て、乗員はスイッチSWをオンすることにより温水式暖
房装置を起動する。このとき、温水の温度は、温水加熱
器15にて、車室内の温度にかかわらず一定の目標温度
になるように加熱される。例えば、図9に示すように、
目標温度70℃に加熱される。この加熱された温水が循
環ポンプ13により循環経路25中を循環させられ、温
水式熱交換器11において、空調用ダクト29内を流れ
る空気と熱交換されることにより空調用ダクト29内に
おいて、所定の温度の温風が生成され、車室内へ送り出
され、暖房が行われる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、温水の制御
目標である目標温度は、冬期等の外気温度が低い場合す
なわち暖房能力を非常に必要とする場合を想定して設定
されている。また、前述のように、空調制御装置におい
て温水の目標温度は、車室内の温度にかかわらず、所定
の温度に設定されている。このため、温水は、春や秋の
中間季や、車室内の温度が高いとき等、あまり暖房能力
を必要としない場合において暖房を利用する場合でも、
暖房能力を非常に必要とする場合と同様に高い温度に制
御される。したがって、あまり暖房能力を必要としない
場合の暖房時において、不必要に高温に温風が加熱され
ることにより、無駄な電力が消費され、また、高温の温
風が吹き出されるため、乗員が不快感を感じるという問
題があった。 【0005】そこで、本発明は上記問題を解決すべくな
されたものであり、その目的とするところは、車室内の
熱負荷の状態に基づいて暖房温度を好適に制御する、電
気自動車またはハイブリッド電気自動車に好適な自動車
用空調制御装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車用空
調制御装置は、目標温度に温水を加熱する温水加熱手段
を有し、前記加熱された温水と空気とを熱交換させるこ
とにより暖房に用いる温風を生成する温水式暖房装置を
備えた空調制御装置において、前記温風の温度設定値を
入力する設定温度入力手段と、前記温水の温度を検出す
る温水温度検出手段と、車室内の熱量である熱負荷を検
出する熱負荷検出手段と、前記熱負荷検出手段により検
出された熱負荷と前記温度設定値とから暖房に必要な熱
負荷を演算し、該暖房に必要な熱負荷に基づき前記目標
温度を設定し、該目標温度と前記温水温度検出手段によ
り検出された温水の温度に基づいて前記温水加熱手段を
制御する温水温度制御手段とを設けた。前記温水温度制
御手段は、前記目標温度に応じて前記温水加熱手段に供
給する電圧を変化させる。 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動車用空調
制御装置の実施形態を添付の図面を用いて説明する。 【0012】実施の形態1.図1は実施の形態1の自動
車用空調制御装置(以下、「空調制御装置」と称す。)
のブロック図である。本実施形態の空調制御装置は、図
8に示す従来の空調制御装置において、さらに温水温度
制御装置23に対して、温風の温度を設定する設定温度
入力部21と、室内熱負荷を検出する室内熱負荷検出器
31とを設けたものである。ここで、温水加熱器15
は、通電することにより発熱するヒータ部15aと、ヒ
ータ部15aへの通電を制御するヒータ制御部15bと
を有している。以下にこの空調制御装置の動作を詳細に
説明する。 【0013】本実施形態の空調制御装置では、まず、室
内熱負荷検出器31により車室内の熱負荷を検出する。
ここで、熱負荷とは熱量であり、例えば、車室内の熱負
荷は車室内の温度を熱量に換算した値とする。次に、温
水温度制御装置23は、室内熱負荷検出器31からの検
出値と設定温度入力部21で設定された温度設定値とに
基づき暖房に必要な熱負荷である暖房必要熱負荷を演算
する。例えば、車室内温度および外気温度が高いほど、
また、日射量が多いほど、車室内の熱負荷は大きくな
り、温度設定値に基づく熱負荷と車室内の熱負荷との差
を計算することにより暖房必要熱負荷を計算する。 【0014】したがって、車室内の熱負荷と温度設定値
に基づいた熱負荷との差が小さければ、必要熱負荷は小
さな値となり、差が大きければ必要熱負荷は大きな値と
なる。温水温度制御装置23はこの暖房必要熱負荷の値
に基づき、温水の制御温度である目標温度を設定する。
すなわち、温水温度制御装置23は、温水によりこの算
出された必要熱負荷が与えられるように温水の温度を制
御する。図2に暖房必要熱負荷と温水の目標温度との関
係を示す。この図に示すように、温水温度制御装置23
は暖房必要熱負荷が増加するほど、温水の目標温度を高
く設定する。温水温度制御装置23は、水温センサ17
からの検出値に基づいて温水の温度を監視しながら、温
水の温度が目標温度になるように温水加熱器15のヒー
タ制御部15bを制御する。このように、本実施形態の
空調制御装置は、室内の熱負荷を検出し、この熱負荷と
温度設定値とから必要な熱負荷を演算し、必要な熱負荷
に基づいて温水の目標温度を設定するため、車室内の温
度状態に応じた好適な温度に温水温度が制御され、これ
により乗員にとって快適な暖房が行われる。また、温水
の温度が好適に制御されるため、無駄な電力消費を低減
することができる。 【0015】図3に熱負荷検出器31の一例を示す。こ
こでは、熱負荷検出器31を車室内の温度を検出する室
内温度センサ31aと、日射量を検出する日射量センサ
31bと、外気の温度を検出する外気温度センサ31c
とにより構成している。したがって、図3に示す空調制
御装置の温水温度制御装置23は、車室内温度、外気温
度および日射量ならびに温度設定値から暖房に必要とす
る熱負荷量を演算する。例えば、車室内温度および外気
温度が高いほど、また、日射量が多いほど、車室内の熱
負荷は大きいとし、この車室内の熱負荷と、温度設定値
に基づく熱負荷との差を計算することにより暖房必要熱
負荷を計算する。 【0016】図4は、温水加熱器15のヒータ部15a
に供給する電圧の制御を示すフローチャートを示す。図
4において、まず、設定温度入力部21から設定温度を
入力し(S1)、車室内熱負荷検出器31から車室内熱
負荷を入力する(S2)。設定温度および車室内熱負荷
から暖房必要熱負荷を演算する(S3)。この暖房必要
熱負荷に基づいて温水の制御目標温度である目標温度T
tを設定する(S4)。同時に、水温センサ17により
温水温度Twを入力する(S5)。目標温度Ttと温水温
度Twとを比較し(S6)、目標温度Ttが温水温度Tw
より高いときは、ヒータ部15aへの入力電圧を増加さ
せる(S7)。一方、目標温度Ttと温水温度Twとが等
しいときは、ヒータ部15aへの入力電圧をそのまま保
持する(S8)。また、ステップS6で比較した結果、
目標温度Ttが温水温度Twより低いときは、ヒータ部1
5aの入力電圧を減少させる(S9)。このように、ヒ
ータ部15aに入力する電圧を暖房必要熱負荷に基づい
て変化させることにより、ヒータ部15aへの入力電圧
の通電/遮断の制御を行うことなく、好適な温度に温水
の温度を制御できる。 【0017】図5は、温水加熱器15のヒータ部15a
に供給する電圧の制御を示す他のフローチャートを示
す。図5において、まず、設定温度入力部21から設定
温度を入力し(S11)、室内熱負荷検出器31により
車室内熱負荷を入力する(S12)。設定温度および車
室内熱負荷から暖房必要熱負荷を演算する(S13)。
この暖房必要熱負荷に基づいて温水の制御目標温度であ
る目標温度Ttを設定する(S14)。次に、水温セン
サ17により温水温度Twを入力する(S15)。温水
制御温度Ttと温水温度Twとを比較し(S16)、目標
温度Ttが温水温度Tw以上のときは、温水加熱器15を
停止させる(S17)。ステップS16で比較した結
果、目標温度Ttが温水温度Twより低いときは、温水加
熱器15を作動させる(S18)。このように、温水の
温度に基づいて温水加熱器15に入力する電圧の通電/
遮断を制御しても、好適な温度に温水の温度を制御でき
る。 【0018】実施の形態2.図6に実施の形態2の空調
制御装置のブロック図を示す。本実施形態の空調制御装
置は、図8に示す従来の空調制御装置において、温水温
度制御装置23に対して、熱負荷検出手段として外気の
温度を検出する外気温度センサ31cを設けたものであ
る。温水温度制御装置23は、外気温度センサ31cか
らの検出値に基づき、温水加熱器15における温水の目
標温度を変化させる。図7に、このときの外気温度と温
水の目標温度との関係を示す。すなわち、温水温度制御
装置23において、外気温度が高くなるほど温水の目標
温度が低くなるように目標温度が設定される。このよう
に、車室外の温度状態に応じて好適な温度に温水温度が
制御されるため、乗員にとって快適な暖房が行われる。
また、温水の温度が好適に制御されるため、無駄な電力
消費を低減することができる。 【0019】 【発明の効果】本発明に係る第1の空調制御装置によれ
ば、室内熱負荷が検出され、この検出値と設定温度とに
基づき暖房に必要な熱負荷が算出され、この算出された
熱負荷に基づき、温水の目標温度が好適な温度に設定さ
れるため、消費電力を低減し、かつ、車室内の温度状態
に応じた快適な暖房を実現できる。 【0020】
【図面の簡単な説明】 【図1】 実施の形態1の空調制御装置のブロック図。 【図2】 実施の形態1の空調制御装置において、暖房
必要熱負荷と温水制御温度との関係を示した図。 【図3】 室内熱負荷検出のために車室内温度検出器と
日射量検出器と外気温度検出器とを備えた空調制御装置
のブロック図。 【図4】 温水温度制御装置の第1の制御を示すフロー
チャート。 【図5】 温水温度制御装置の第2の制御を示すフロー
チャート。 【図6】 実施の形態2の空調制御装置のブロック図。 【図7】 実施の形態2の空調制御装置において、外気
温度と温水制御温度との関係を示した図。 【図8】 従来の空調制御装置のブロック図。 【図9】 従来の空調制御装置における温水の温度変化
を表した図。 【符号の説明】 11…温水式熱交換器、 13…循環ポンプ、 15…
温水加熱器、 15a…ヒータ部、 15b…ヒータ制
御部、 17…水温センサ、 21…設定温度入力部、
23…温水温度制御装置、 25…循環経路、 27
…ブロア、 29…通風ダクト、 31…室内熱負荷検
出器、 31a…室内温度センサ、 31b…日射量セ
ンサ、 31c…外気温度センサ、 SW…スイッチ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−203145(JP,A) 特開 平7−323717(JP,A) 特開 昭55−162117(JP,A) 特開 昭63−243635(JP,A) 特開 平7−4643(JP,A) 特開 平7−186684(JP,A) 特開 平7−179120(JP,A) 実開 平2−121410(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/22 B60H 1/03

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 目標温度に温水を加熱する温水加熱手段
    を有し、前記加熱された温水と空気とを熱交換させるこ
    とにより暖房に用いる温風を生成する温水式暖房装置を
    備えた空調制御装置において、 前記温風の温度設定値を入力する設定温度入力手段と、 前記温水の温度を検出する温水温度検出手段と、 車室内の熱量である熱負荷を検出する熱負荷検出手段
    と、 前記熱負荷検出手段により検出された熱負荷と前記温度
    設定値とから暖房に必要な熱負荷を演算し、該暖房に必
    要な熱負荷に基づき前記目標温度を設定し、該目標温度
    と前記温水温度検出手段により検出された温水の温度に
    基づいて前記温水加熱手段を制御する温水温度制御手段
    とを設け、 前記温水温度制御手段は、前記目標温度に応じて前記温
    水加熱手段に供給する電圧を変化させることを特徴とす
    る自動車用空調制御装置。
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