JP3389753B2 - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JP3389753B2
JP3389753B2 JP24152195A JP24152195A JP3389753B2 JP 3389753 B2 JP3389753 B2 JP 3389753B2 JP 24152195 A JP24152195 A JP 24152195A JP 24152195 A JP24152195 A JP 24152195A JP 3389753 B2 JP3389753 B2 JP 3389753B2
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祥孝 芝本
善正 土井
幹央 梶原
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/023Lubricant distribution through a hollow driving shaft

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機の圧縮機等
に用いるスクロール形流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平4−370382号公報に
開示され、且つ、図7に示すように、ケーシングDの内
部に、モータMから延びるクランク軸Cの偏心ボス部E
に嵌合する公転式の第1スクロールOと、これに噛合
い、ハウジングH側に固定する固定式の第2スクロール
Fとを備え、第1スクロールOの中心部ボス部Bに、圧
縮室W内で圧縮した後の高圧側作動流体を通す通孔T
を、又、クランク軸Cに、該通孔Tに連通し、出口部を
ケーシングD内に開放した連通孔Jをそれぞれ設けてい
る。こうして、高圧側作動流体の通孔Tを、固定側の第
2スクロールFに設けずに、公転側の第1スクロールO
に設けたことにより、第2スクロールFの背面に高圧で
高温の作動流体が直接接触しないようにし、吸入過熱に
よる容積効率の低下を抑制し、高い能力が発揮できるよ
うにしている。
【0003】また、第1スクロールOとクランク軸Cと
の嵌合部には、組付状態でその軸方向嵌合しろの遊びが
あるため、第1スクロールOの中心部ボス部Bの底部
に、対向側のクランク軸Cの偏心ボス部Eの底部に当接
させるシールリングSを介装して、該シールリングSを
偏心ボス部Eの底部に接触させることにより、高圧側作
動流体が、嵌合しろから流出してボス部B,E間の軸受
部Zの油に混入しないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のもので
は、高圧側作動流体の圧力が十分に高まった定常運転時
には、通孔Tを通る高圧側作動流体の圧力によりシール
リングSは偏心ボス部Eの底部に押されて接触し、各ボ
ス部B,E間の軸方向嵌合しろの変化を吸収して作動流
体とボス部B,E間の軸受部Zとを隔離できるが、始動
時等で未だ高圧側作動流体の圧力が高まっていないとき
には、シールリングSに付与する押圧力が不足し、該シ
ールリングSは偏心ボス部Eの底部側に接触できず、作
動流体と各ボス部B,E間の軸受部Zとを隔離すること
はできない。このため、始動時等において、通孔Tから
流出する作動流体がボス部B,E間の軸受部Z側に漏
れ、ただでさえ始動当初ということで油のまわりが少な
い軸受部Zでの油膜形成が妨げられ、該軸受部Zで焼き
付きが起こる問題がある。
【0005】本発明は、このような始動時の問題に着眼
し、始動時から定常時に至る全運転中において、クラン
ク軸とこれに嵌合する第1スクロールとの間の軸受部に
高圧側作動流体が漏れるのを低減し、軸受部での焼き付
きを効果的に防止できるスクロール形流体機械を提供す
ることを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記主目的を達成するため、図1及び図2に示すよう
に、クランク軸8に嵌合する第1スクロール1と、これ
に噛合う第2スクロール2を備え、第1スクロール1に
高圧側作動流体の通孔14を、クランク軸8に該通孔1
4に連通する連通孔84をそれぞれ設けたスクロール形
流体機械において、図3〜図6の何れかに示すように、
第1スクロール1とクランク軸8との嵌合部に、通孔1
4及び連通孔84に流す高圧側作動流体の外部漏れ面積
を極小に保つシール手段3を介装し、かつシール手段3
は、高圧側作動流体を通す孔に連続して設ける受入孔3
0に摺動自由に挿嵌し、付勢手段4により、先端部を軸
方向に突合わせる当接座5に圧接させる筒状の移動体3
1から成る構成にした。
【0007】
【0008】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、移動体31の外周部を介した漏れを防止し
てシール機能の徹底を図るため、同図3〜図6の何れか
に示すように、移動体31の外周と受入孔30の内周と
の間に、シールリング310を介装している構成にし
た。
【0009】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、組付けのために移動体31を受入孔30に
挿入したとき、移動体31が受入孔30から容易に脱落
することがないようにするため、図4に示すように、シ
ールリング310の環状当接面を、摺動壁側に設ける凹
所壁300に接触させている構成にした。
【0010】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明と同様に、請求項記載の発明において、組付けのた
めに移動体31を受入孔30に挿入したとき、移動体3
1が受入孔30から容易に脱落することがないようにす
るため、図5に示すように、シールリング310は、径
方向に突っ張る環状リップ部をもったリップ形シールリ
ング312から成る構成にした。
【0011】請求項記載の発明は、請求項又は請求
若しくは請求項記載の発明において、シールリン
グ310周りの円周方向に沿う摺動を止め、該シールリ
ング310の摩耗を低減するため、図3〜図6の何れか
に示すように、移動体31と受入孔30との間に、移動
体31の受入孔30に対する回転を阻止する回転阻止体
6を介装している構成にした。
【0012】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、回転阻止体6を、簡易かつ信頼性よく構成
するため、図3に示すように、回転阻止体6は、移動体
31と受入孔30との一方に径方向に突出する突起61
と、他方に設ける突起受入溝62とから成り、突起受入
溝62の軸方向開放端に、突起61の脱落を阻止する抜
止体63を設けている構成にした。
【0013】請求項記載の発明は、請求項〜請求項
何れか一記載の発明において、組付時、移動体31を
介在させた状態で、第1スクロール1とクランク軸8と
の嵌合が簡易に行えるようにするため、図3〜図6の何
れかに示すように、移動体31の受入孔30を、第1ス
クロール1とクランク軸8との嵌合部におけるインナー
側嵌合部材の先端側に、当接座5を、アウター側嵌合部
材の底部側にそれぞれ設けている構成にした。
【0014】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、アウター側嵌合部材の底部側に設けられる
当接座5の平面度を簡易かつ良好に出せるようにするた
め、同図3〜図6の何れかに示すように、当接座5を、
移動体31の先端部対向側に固定する環状部材50の端
面に形成している構成にした。
【0015】請求項記載の発明は、請求項記載の発
明において、当接座5を形成する環状部材50を利用し
て、第1スクロール1とクランク軸8との嵌合部におけ
る軸受部に供給する油量を調節可能とするため、図4に
示すように、アウター側嵌合部材の底部に給油通路7を
開放しており、当接座5を形成する環状部材50に、給
油通路7の開放側の末端通路70を一体に設けている構
成にした。
【0016】請求項10記載の発明は、請求項〜請求
何れか一記載の発明において、第1スクロール1と
クランク軸8との嵌合部における軸受部に良好に油を供
給すると共に、給油圧力が過大に上昇した場合の各部の
破損を防止するため、図3又は図4に示すように、アウ
ター側嵌合部材の底部に給油通路7を開放しており、移
動体31の先端部外周に、給油通路7から開放する油の
過大圧力上昇時、移動体31を反当接座側に退避させる
面取部31Bを設けている構成にした。
【0017】請求項11記載の発明は、請求項〜請求
何れか一記載の発明において、移動体31の前後の
圧力分布の差をなくして、高圧側作動流体の脈動等によ
る移動体31の先端部の浮上がりを防止し、良好なシー
ルを保つため、図5に示すように、移動体31における
当接座側の端部外径と反当接座側の外径とをほぼ一致さ
せている構成にした。
【0018】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明では、第1スク
ロール1とクランク軸8との嵌合部に介装したシール手
段3により、通孔14及び連通孔84に流される高圧側
作動流体の外部漏れ面積を、前記嵌合部の組付状態にお
ける軸方向嵌合しろの変化範囲全域にわたって常に極小
に保持できるため、始動時から定常時に至る全運転中に
おいて、第1スクロール1とクランク軸8との間の軸受
部側に高圧側作動流体が漏れるのを低減することができ
て、軸受部での焼き付きを効果的に防止できる。
【0019】また、シール手段3として、軸方向に突合
わせる滑り接触部分をもつ筒状の移動体31を用い、該
移動体31を高圧側作動流体を通す孔に連続して設けた
受入孔30に摺動自由に挿嵌して、付勢手段4により移
動体31の先端接触部分を当接座5に圧接させる構成と
しているため、この移動体31により第1スクロール1
とクランク軸8との嵌合部を長期にわたって安定して確
実にシールできる。
【0020】請求項記載の発明では、移動体31の外
周と受入孔30の内周との間に介装したシールリング3
10により、移動体31の外周部から高圧側作動流体が
軸受部側に漏れるのを確実に阻止できてシール機能の徹
底化を図ることができる。
【0021】請求項記載の発明では、シールリング3
10の環状当接面を摺動壁側に設ける凹所壁300に接
触させる構成としているため、組付けのために移動体3
1を受入孔30に挿入したとき、移動体31が受入孔3
0から簡単には脱落することがなく、組付性を良好にで
きる。
【0022】請求項記載の発明では、シールリング3
10を径方向に突っ張る環状リップ部をもったリップ形
シールリング312で形成しているため、請求項記載
の発明と同様に、組付けのために移動体31を受入孔3
0に挿入したとき、移動体31が受入孔30から簡単に
は脱落することがなく、組付性を良好にできる。
【0023】請求項記載の発明では、移動体31と受
入孔30との間に介装した回転阻止体6により、移動体
31の受入孔30に対する回転を阻止する構成としてい
るため、シールリング310の円周方向への摺動を止め
ることができて、該シールリング310の摩耗を低減で
きる。
【0024】請求項記載の発明では、回転阻止体6
を、移動体31と受入孔30との一方に径方向に突出す
る突起61と、他方に設ける突起受入溝62とで形成し
て、該受入溝62の軸方向開放端には、突起61の脱落
を阻止する抜止体63を設けているため、回転阻止体6
の構成を簡易にできながら、抜止体63で突起61の脱
落を阻止することにより、組付時に移動体31が受入孔
30から脱落するのを防止でき、信頼性を高めつつシー
ルリング310の摩耗低減化を確実に図ることができ
る。
【0025】請求項記載の発明では、移動体31の受
入孔30は、第1スクロール1とクランク軸8との嵌合
部におけるインナー側嵌合部材の先端側に、また、当接
座5を、アウター側嵌合部材の底部側にそれぞれ設けて
いるため、組付時、移動体31を受入孔30に介在させ
た状態で、第1スクロール1とクランク軸8との嵌合を
簡易に行うことができる。
【0026】請求項記載の発明では、アウター側嵌合
部材の底部側に設ける当接座5を、移動体31の先端部
対向側に固定する環状部材50の端面に形成しているた
め、当接座5の平面度を簡易かつ良好に出すことがで
き、該当接座5に対する移動体31の接触によるシール
機能を更に良好にできる。
【0027】請求項記載の発明では、アウター側嵌合
部材の底部に給油通路7を開放すると共に、当接座5を
形成する環状部材50には、給油通路7の開放側の末端
通路70を一体に設けているため、前記環状部材50を
利用しながら、その末端通路70により第1スクロール
1とクランク軸8との間の軸受部に供給する油量を調節
できて、この軸受部に最適油量を給油することができ
る。
【0028】請求項10記載の発明では、アウター側嵌
合部材の底部に給油通路7を開放すると共に、移動体3
1の先端部外周には、給油通路7から開放する油の過大
圧力上昇時、移動体31を反当接座側に退避させる面取
部31Bを設けているため、給油通路7により第1スク
ロール1とクランク軸8との間の軸受部に良好に給油で
きながら、給油圧力が過大に上昇したとき、その圧力を
面取部31Bに付与して移動体31を反当接座側に退避
させ、これら移動体31と当接座5との隙間から過大給
油圧力を高圧側作動流体を通す孔側へと逃がすことがで
きて、第1スクロール1やクランク軸8など各部の破損
を未然に防止できる。
【0029】請求項11記載の発明では、移動体31に
おける当接座側の端部外径と反当接座側の外径とをほぼ
一致させているため、移動体31の前後における圧力分
布差をなくし、高圧側作動流体の脈動等による移動体3
1の先端部の浮上がりを防止することができて、良好な
シール機能を保持できる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1,図2に示すスクロール形流
体機械は、作動流体に冷媒を用いた冷凍機用圧縮機であ
って、密閉ケーシング10の上部側に、鏡板11上に渦
巻体12を突設し、鏡板11の中央裏面側に下方に延び
るボス部13を設けた公転式の第1スクロール1と、同
じく鏡板21に渦巻体22を突設して成る固定式の第2
スクロール2とを内装して、この第2スクロール2を第
1スクロール1と噛合させた状態で上部側ハウジング1
00に組付けると共に、該ケーシング10の下部側に
は、ロータ91とステータ92とから成るモータ9を設
け、そのロータ91から延びるクランク軸8の上部側に
偏心孔80をもつボス部81を一体形成して、該ボス部
81を上部側ハウジング100に軸受支持し、かつ、前
記クランク軸8の下部を下部側ハウジング101に軸受
支持する一方、前記クランク軸8の偏心孔80には、前
記第1スクロール1のボス部13を嵌合して複数の軸受
メタル102により軸受支持させている。
【0031】また、前記第1スクロール1のボス部13
には、その鏡板11の中心部に開口する吐出口11aに
連続し、前記各渦巻体12,22間の圧縮室103内で
圧縮された高圧作動流体を流す通孔14を貫通形成する
と共に、前記クランク軸8には、前記通孔14に連通
し、前記ケーシング1内に開放される連通孔84を形成
している。尚、図中、104は上部側ハウジング100
と第1スクロール1との間に介装したオルダムリング
で、第1スクロール1の自転を阻止するためのものであ
る。
【0032】そして、前記モータ9の駆動に伴い第1ス
クロール1を公転させ、ケーシング上部側の吸入管10
5から取り込む低圧作動流体を前記渦巻体12,22間
の圧縮室103で圧縮して、圧縮後の高圧作動流体を前
記吐出口11aから前記通孔14及び連通孔84を経て
密閉ケーシング10の下部側に開放し、吐出管106か
ら外部に取出すことにより、上部側に位置される第2ス
クロール2の背面側には高温高圧の作動流体を直接接触
させることなく、その背面側を低圧低温域として、前記
吸入管105から圧縮室103に吸入される低圧作動流
体の過熱を少なくして容積効率の低下を抑制し、高い能
力で圧縮できるようにしている。
【0033】しかして、以上の構成において、第1スク
ロール1のボス部13とクランク軸8の偏心孔80との
間には、両者間に軸受メタル102を介在させた状態
で、両者を嵌合して組付けるための軸方向嵌合しろ10
7があり、この嵌合しろ107側に前記通孔14及び連
通路84を通る高圧作動流体が漏れると、前記軸受メタ
ル102での油膜形成が妨げられ、該軸受メタル102
の焼付事故を招くことになるので、この焼付事故を始動
時から定常時に至る全運転範囲にわたって効果的に阻止
するため、図3〜図6に示すように、前記ボス部13と
偏心孔80との組付状態における嵌合しろ107の変化
範囲全域において、常時、前記通孔14及び連通孔84
を流れる高圧作動流体の外部漏れ面積を極小に保持する
シール手段3を介装させる。即ち、前記第1スクロール
1の背面側中央部はケーシング1の高圧域に開放され
て、駆動時に第2スクロール2と密接するように上動さ
れ、また、駆動時には前記ロータ91の上下振動等によ
りクランク軸8が前記嵌合しろ107の範囲で上下動さ
れることから、これらの上下動変化に拘りなく、常に、
前記高圧作動流体の前記嵌合しろ107側への漏れ面積
を極小とするシール手段3を設けるのである。
【0034】前記シール手段3の好ましい実施形態とし
ては、図3で示すように、下端側に滑り接触面31aを
もつ筒状の移動体31を用い、かつ、前記第1スクロー
ル1とクランク軸8との嵌合時、インナー側となる第1
スクロール1のボス部13における通孔14の下部側に
受入孔30を連続状に形成して、この受入孔30内に前
記移動体31を上下動自由に挿嵌すると共に、アウター
側となる前記クランク軸8のボス部81における偏心孔
80の底部側には、その連通孔84と連通する中心開口
部50aをもち、上面側に前記移動体31の滑り接触面
31aに摺接する当接座5を形成した環状部材50を埋
込状に固定し、また、前記移動体31の上部外周囲に切
欠形成した段部31bと、前記ボス部13の通孔14と
受入孔30との境界部位に設けた段部30aとの間に
は、付勢手段4として例えばコイルばねを介装させる。
【0035】そして、前記コイルばね4で前記移動体3
1を下方側に押圧して、その滑り接触面31aを前記当
接座5に常時摺接させることにより、前記第1スクロー
ル1やクランク軸8が前記嵌合しろ107において上下
動するにも拘らず、この嵌合しろ107の変化範囲全域
において、前記当接座5と移動体31との間を長期にわ
たって安定的にシールし、前記通孔14及び連通孔84
を通る高圧作動流体が前記嵌合しろ107側すなわち軸
受メタル102側に漏れるのを効果的に阻止するのであ
る。また、前記移動体31の上部側には、前記通孔14
から連通孔84に高圧作動流体を円滑に流すため、径方
向内方から斜め上方に向かって傾斜する面取部31Aを
形成している。102aは、軸受メタル102の内周に
設けられたら旋溝である。
【0036】また、前記受入孔30と移動体31との間
には、該移動体31を上下動させるために隙間が形成さ
れているので、この隙間から前記高圧作動流体が嵌合し
ろ107側に漏れるのを阻止するため、同図で示すよう
に、前記移動体31の外周囲にリング溝31cを形成し
て、該リング溝31cに前記受入孔30の内面に常時接
触するシールリング310を介入させる。斯くするとき
には、以上のように、前記当接座5と移動体31との間
から嵌合しろ107側への高圧作動流体の漏れが阻止さ
れことと相俟って、前記シールリング310により前記
受入孔30と移動体31との間から高圧作動流体の外部
漏れも阻止できるため、この高圧作動流体の嵌合しろ1
07側への漏れがなくなってシール機能の徹底化が図ら
れる。
【0037】さらに、前記クランク軸8の偏心孔80に
第1スクロール1のボス部13を組付けるときには、先
ず、その受入孔30に前記移動体31を挿嵌させた状態
で、前記クランク軸8の上方側から偏心孔80へと挿嵌
させるのであるが、このとき前記移動体31の受入孔3
0からの脱落を阻止して組付性を高めるために、図4に
示すように、前記受入孔30のシールリング310との
対向部位に凹所壁300を周設して、シールリング31
0の外周当接面を前記凹所壁300に接触させるのであ
る。
【0038】また、前記シールリング310は、図5に
示すように、その径方向に突っ張る環状リップ部をもっ
たリップ形シールリング312で形成してもよい。この
リップ形シールリング312を用いることによっても、
前述した場合と同様に、前記移動体31の受入孔30か
らの脱落が阻止されて組付性が高められる。
【0039】さらに、以上の構成において、前記受入孔
30に対するシールリング310の相対回転を阻止し
て、このシールリング310の摩耗を防止し、その耐久
性を高めるために、各図に示すように、前記移動体31
と受入孔30との間に、両者の相対回転を阻止する回転
阻止体6を介装させる。
【0040】この回転阻止体6の好ましい実施形態とし
ては、図3,図5に示すように、前記移動体31側に径
方向外方に向けて突設したピンから成る突起61と、前
記第1スクロール1のボス部13で受入孔30の形成部
位に設けた上下方向の長孔から成る受入溝62とを用
い、この受入溝62に突起61を挿入させて、前記第1
スクロール1の回転時、そのボス部13と移動体31と
を一体回転させ、前記受入孔30とシールリング310
との相対回転を阻止することにより、該シールリング3
10の摩耗を防止する。前記突起61は、図4に示すよ
うに、ピンを用いることなく、前記移動体31の外周部
に突部を設けて形成してもよい。尚、前記突起61をボ
ス部13側に、また、前記受入溝62を移動体31側に
形成することもできる。
【0041】また、前記突起61の受入溝62からの脱
落ひいては移動体31の受入孔30からの脱落を阻止し
て信頼性を高めるため、図3に示すように、前記ボス部
13における受入溝62の軸方向開放端部に、該受入溝
62の一部を残存させることにより、前記突起61の脱
落を阻止する抜止体63を設ける。
【0042】更に、図1,図2に示す実施形態では、前
記クランク軸8の内部で径方向に偏心した位置に前記連
通孔84を、その上端がクランク軸8のボス部81に設
けた偏心孔80に開口し、かつ、下端側が前記モータ9
の下部近くにまで延びるように形成して、前記連通路8
4の下端側に密閉ケーシング1内に開放する出口孔84
aを開設し、該出口孔84aから吐出される高圧作動流
体を、前記モータ9のロータ91及びステータ92間の
エアギャップ93と、ステータ92の外周に設けた通路
94を経て外部吐出管106へと取出すようにしてい
る。斯くすることにより、前記エアギャップ93及び通
路94を通過する高圧作動流体で前記モータ9を効果的
に冷却でき、しかも、油上がりを抑制することもでき
る。
【0043】また、前記出口孔84aから吐出される高
圧作動流体の一部は、前記ハウジング100に形成した
案内孔108から、該ハウジング100と第1スクロー
ル1の裏面側との間に介装したシール体109の内方側
に案内させて、前記第1スクロール1を第2スクロール
2側に常時密接させるようにしている。
【0044】さらに、前記クランク軸8の内部には、上
下方向に延びる給油通路7を形成して、この給油通路7
を前記クランク軸8のボス部81に設けた偏心孔80に
開放させると共に、前記クランク軸8の下部側には、1
回転あたりの汲み上げ油量が一定容量となるヨーク式容
量形油ポンプ110を取付けて、該ポンプ110により
ケーシング10の底部油溜め111から常に一定容量の
油を前記給油通路7に汲上げ、この汲上げ油を前記偏心
孔80と第1スクロール1のボス部13との間に介装し
た軸受メタル102に給油し、また、該軸受メタル10
2に形成した螺旋溝102aを経て上流側の軸受個所に
給油するようにしている。
【0045】そして、前記給油通路7は、前記連通孔8
4の側部に並列状に形成するのであり、斯くするときに
は、前記給油通路7を通る油と前記連通孔84を流れる
高圧作動流体とを相互に熱交換することができので、例
えば始動時など油の温度が低いときには、該油を高圧作
動流体で加温し、一方、定常運転時など油の温度が高い
ときには、この油を高圧作動流体で冷却して、油上がり
を低く抑えることができる。
【0046】また、以上の構成においては、図4に示す
ように、前記当接座5を形成する環状部材50を、前記
クランク軸8のボス部81に設けた偏心孔80とほぼ同
一大きさに形成して、該環状部材50における開口部5
0aの外周部位で前記給油通路7との対向個所に、前記
軸受メタル102や上流側の軸受個所に給油する油を最
適量に調整する末端通路70を形成することが好まし
い。
【0047】さらに、以上のように、ヨーク式容量形油
ポンプ110で常に一定量の油を給油通路7に汲上げる
ときには、その給油圧力が過大に上昇して、前記第1ス
クロール1やクランク軸8など各部の破損を招く恐れが
あるので、これを防止するため、図3,図4において
は、前記移動体31の下部外周で給油通路7との対向部
位に、前記過大圧力の発生により前記移動体31を環状
部材50から離間方向に退避させる面取部31Bを形成
している。
【0048】また、これとは異なり、給油圧力の過大上
昇が問題とならない機種には、前記給油通路7に汲上げ
られる油や高圧作動流体の脈動などにより、前記移動体
31が浮き上がって、その滑り接触面31aが前記当接
座5から離間してシール性を損なう恐れを回避するた
め、図5に示すように、前記移動体31の上下部位にお
ける外径をほぼ同一径とするのである。
【0049】また、以上の実施形態においては、前記ク
ランク軸8のボス部81に偏心孔80を設け、該偏心孔
80に前記第1スクロール1のボス部13を挿嵌させた
アウタードライブタイプについて説明したが、本発明で
は、図6に示すように、前記ケーシング1の底部に第2
スクロール2を、その上部側に第1スクロール1を対接
させてハウジング112に支持し、この第1スクロール
1のボス部13に中心孔13aを形成して、該中心孔1
3aに前記クランク軸8の偏心されたボス部81を軸受
メタル102を介して挿嵌支持させるようにしたインナ
ードライブタイプのものにも適用できる。
【0050】この場合にも、前記第1スクロール1の吐
出口11aから前記中心孔13a及びクランク軸8内の
連通孔84に吐出される高圧作動流体の外部漏れを阻止
するために、前述した場合と同様のシール手段3を設け
る。即ち、このときには、前記クランク軸8の下部側に
前記移動体31を収容する受入孔30を形成すると共
に、前記第1スクロール1のボス部13に設けた中心孔
13aの底部側に、上面に当接座5が、中心部に前記吐
出口11aと対向する開口部50aが形成された環状部
材50を配設し、その当接座5に前記移動体31の滑り
接触面31aをコイルばね4により常時接触させるので
ある。また、前記移動体31には、前述した場合と同様
に、シールリング310と回転阻止体6とを設ける。
【0051】尚、同図においては、前記ハウジング11
2の上部側に油溜め111を設け、この油溜め111の
油を前記クランク軸8に取付けた回転式の汲上ポンプ1
13により、前記ハウジング111に設けた油通路11
1aと、第1スクロール1に設けた油通路1aとを介し
て前記各ボス部13,81間の軸受メタル102と、ク
ランク軸8のボス部81とハウジング112との間に介
装した軸受メタル102に給油するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスクロール形流体機械の上部側
の断面図。
【図2】同スクロール形流体機械の下部側の断面図。
【図3】同要部の拡大断面図。
【図4】別の実施形態を示す断面図。
【図5】同じく別の実施形態を示す断面図。
【図6】同じく別の実施形態を示す断面図。
【図7】従来例の断面図。
【符号の説明】
1…第1スクロール、14…通孔、2…第2スクロー
ル、3…シール手段、30…受入孔、31…移動体、3
1B…面取部、300…凹所壁、310…シールリン
グ、312…リップ形シールリング、4…付勢手段、5
…当接座、50…環状部材、6…回転阻止体、61…突
起、62…受入溝、63…抜止体、7…給油通路、70
…末端通路、8…クランク軸、84…連通孔。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−370382(JP,A) 特開 平4−19382(JP,A) 特開 平5−180176(JP,A) 実開 平3−104197(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 F04C 23/00 - 29/10 F04B 39/00 - 39/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸(8)に嵌合する第1スクロ
    ール(1)と、これに噛合う第2スクロール(2)を備
    え、第1スクロール(1)に高圧側作動流体の通孔(1
    4)を、クランク軸(8)に該通孔(14)に連通する
    連通孔(84)をそれぞれ設けたスクロール形流体機械
    において、第1スクロール(1)とクランク軸(8)と
    の嵌合部に、通孔(14)及び連通孔(84)に流す高
    圧側作動流体の外部漏れ面積を極小に保つシール手段
    (3)を介装し、かつシール手段(3)は、高圧側作動
    流体を通す孔に連続して設ける受入孔(30)に摺動自
    由に挿嵌し、付勢手段(4)により、先端部を軸方向に
    突合わせる当接座(5)に圧接させる筒状の移動体(3
    1)から成ることを特徴とするスクロール形流体機械。
  2. 【請求項2】 移動体(31)の外周と受入孔(30)
    の内周との間に、シールリング(310)を介装してい
    る請求項記載のスクロール形流体機械。
  3. 【請求項3】 シールリング(310)の環状当接面
    を、摺動壁側に設ける凹所壁(300)に接触させてい
    る請求項記載のスクロール形流体機械。
  4. 【請求項4】 シールリング(310)は、径方向に突
    っ張る環状リップ部をもったリップ形シールリング(3
    12)から成る請求項記載のスクロール形流体機械。
  5. 【請求項5】 移動体(31)と受入孔(30)との間
    に、移動体(31)の受入孔(30)に対する回転を阻
    止する回転阻止体(6)を介装している請求項又は請
    求項若しくは請求項記載のスクロール形流体機械。
  6. 【請求項6】 回転阻止体(6)は、移動体(31)と
    受入孔(30)との一方に径方向に突出する突起(6
    1)と、他方に設ける突起受入溝(62)とから成り、
    突起受入溝(62)の軸方向開放端に、突起(61)の
    脱落を阻止する抜止体(63)を設けている請求項
    載のスクロール形流体機械。
  7. 【請求項7】 移動体(31)の受入孔(30)を、第
    1スクロール(1)とクランク軸(8)との嵌合部にお
    けるインナー側嵌合部材の先端側に、当接座(5)を、
    アウター側嵌合部材の底部側にそれぞれ設けている請求
    〜請求項何れか一記載のスクロール形流体機械。
  8. 【請求項8】 当接座(5)を、移動体(31)の先端
    部対向側に固定する環状部材(50)の端面に形成して
    いる請求項記載のスクロール形流体機械。
  9. 【請求項9】 アウター側嵌合部材の底部に給油通路
    (7)を開放しており、当接座(5)を形成する環状部
    材(50)に、給油通路(7)の開放側の末端通路(7
    0)を一体に設けている請求項記載のスクロール形流
    体機械。
  10. 【請求項10】 アウター側嵌合部材の底部に給油通路
    (7)を開放しており、移動体(31)の先端部外周
    に、給油通路(7)から開放する油の過大圧力上昇時、
    移動体(31)を反当接座側に退避させる面取部(31
    B)を設けている請求項〜請求項何れか一記載のス
    クロール形流体機械。
  11. 【請求項11】 移動体(31)における当接座側の端
    部外径と反当接座側の外径とをほぼ一致させている請求
    〜請求項何れか一記載のスクロール形流体機械。
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