JP3388849B2 - 樹脂硬化物 - Google Patents

樹脂硬化物

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は電気機器や部品の絶縁材
料あるいは構造材料として好適な樹脂硬化物に関する。 【0002】 【従来の技術】電気機器や部品の絶縁材料あるいは構造
材料として用いられている樹脂の中で、エポキシ樹脂は
他の熱硬化性或は熱可塑性樹脂に比べて優れた絶縁特
性、機械的特性を有しており、各種電気絶縁材料として
幅広く用いられている。 【0003】特に平均エポキシ当量 350〜 550のビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル(DGBA)型のエポ
キシ樹脂は強靭で絶縁特性が優れていることから、大型
の電気部品や構造物用の注型樹脂として長期の実績があ
る。しかし、これらの樹脂は室温で固形であるため、硬
化剤や充填剤を配合する際に加熱混合する必要があり、
混合温度におけるポットライフが短いので作業性が悪
く、注型システムの自動化が困難である。このため、こ
の分野の樹脂には平均エポキシ当量 135〜 250の液状エ
ポキシ樹脂の適用も試みられているが、従来技術の応用
では主に機械的強度、耐クラック性の面で固形樹脂並の
特性を得ることは困難であった。 【0004】一方、環状イミノエーテルの1つであるビ
スオキサゾリン化合物とジカルボン酸とを亜リン酸エス
テルの存在下で加熱反応させることにより、高強度熱硬
化性樹脂を得ることが知られている(特開昭 59-1533号
公報)。また、ビスオキサゾリン化合物とエポキシ化合
物とを加熱反応させることにより、強固な樹脂が得られ
ることが知られている(米国特許第 3640957号,米国特
許第 3630996号,特公昭 57-8813号公報)。 【0005】更にエポキシ樹脂マトリックスよりも柔軟
な粒子成分と無機充填剤粒子を同時に充填したハイブリ
ッドタイプのエポキシ注型樹脂を用いた高電圧用の絶
縁、構造部材が提案されており(特開平2-288107号公
報)、相反する性質である耐熱性と耐クラック性を両立
する手法が明らかにされているが、機械的強度を向上す
る方法について述べられていない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らはすでに上
記ビスオキサゾリン化合物を用いることにより固形エポ
キシ樹脂以上の高靭性を有する注型用エポキシ樹脂を得
ることを明らかにしている(特開平6-256464号公報(特
願平5- 46815号))。エポキシ樹脂とオキサゾリン化合
物からなる組成では、エポキシ樹脂として平均エポキシ
当量 135〜 400のものを用いた場合、特に作業性良好な
液状樹脂組成となり、かつ高強度の硬化物が得られる。
ところが耐薬品性等の耐環境性を考慮した場合、樹脂の
架橋密度は一般的に高い方が良いが、エポキシ樹脂とオ
キサゾリン化合物からなる組成で最大の架橋度、すなわ
ち最も熱変形温度が高くなる組成比をとると、不必要に
熱変形温度が高くなりすぎ、靭性が低下する。その結
果、実質的な機械的強度が低下するといった問題があっ
た。以上のような問題は熱硬化性樹脂一般に見られる問
題であり、熱変形温度を低下させることなく、靭性を向
上させる方法の開発が望まれていた。 【0007】一方、エポキシ樹脂の耐熱性と耐クラック
性を両立させる方法としてはエポキシ樹脂マトリックス
よりも柔軟な粒子成分と無機充填剤粒子を同時に充填し
たハイブリッドタイプのエポキシ注型樹脂が提案されて
いるが(特開平2-288107号公報)、高電圧用注型エポキ
シの硬化剤として一般に用いられている酸無水物が柔軟
粒子であるアクリル系、ブタジエン系、MBS等を溶解
させ、粒子構造をくずしてしまうので、耐クラック性向
上効果が充分に得られず、その結果機械的特性が低下す
る。また樹脂粘度が大きくなるので製造性が著しく低下
する。 【0008】本発明は以上のような問題点を解決するた
めになされたものであり、近年の高電圧化、機器縮小化
による高耐熱化に適応した、特に機械的強度、耐クラッ
ク性に優れた信頼性の高い絶縁性の樹脂硬化物を提供す
ることを目的とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】すなわち本発明は樹脂硬
化物に関するものであって、下記の(a),(b),
(c)および(d)を含有する組成物を加熱硬化させた
ものであることを特徴とする。 【0010】(a)少なくとも1分子中に2つ以上のエ
ポキシ基を有するエポキシ化合物、(b)下記一般式で
表されるオキサゾリン化合物、 【化2】 (c)エポキシ樹脂と反応性または相溶性の表面皮膜ま
たは表面処理成分を有する架橋ゴム粒子、(d)粒子状
または繊維状の無機化合物を単独または混合してなる充
填剤。 【0011】本発明に使用されるエポキシ化合物は、少
なくとも1分子中に2つ以上のエポキシを有するもので
あれば特に限定するものではなく、例えばビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやヒダントイ
ンエポキシのごとき複素環式エポキシ樹脂などが挙げら
れ、これらの化合物は単独または2種以上の混合物とし
て使用される。 【0012】本発明に使用されるオキサゾリン化合物と
しては、次のごとき化合物を例示できる。 【0013】(A)n=0のときの化合物 2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス
(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス
(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−
ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビ
ス(4,4−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′
−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′
−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−
ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−
ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,
2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)等のビ
スオキサゾリン化合物。 【0014】(B)n=1のときの化合物 2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、
2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4−
ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニ
レンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′
−m−フェニレンビス(4,4−ジメチル−2−オキサ
ゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリ
ン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキ
サゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4−
ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキ
シレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニ
レンビス(2−オキサゾリン)等のビスオキサゾリン化
合物。 【0015】これらの化合物は、単独または2種類以上
の混合物として使用される。これらの中でもエポキシ化
合物との相溶性の良さ、及び取扱い易さの点から、2,
2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ま
しい。 【0016】これらのオキサゾリン化合物の配合量は、
エポキシ1モルに対して 0.2〜 1.2モルの範囲であるこ
とが好ましく、この範囲より少ない場合には耐熱性とと
もに耐湿性等の耐環境性が著しく低下する。一方、多い
場合には成分の析出や、硬化物の電気特性が低下する。 【0017】架橋ゴム粒子としては、架橋ブチルアクリ
ルゴム、シリコーンゴム、MBS等が用いられる。これ
らはエポキシ樹脂に不溶で膨潤せず、柔軟成分としての
機能を十分に発揮できるため、靭性向上の効果が大き
い。また、表面皮膜または表面処理成分としてはアクリ
ル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、マトリックス
のエポキシ化合物との溶解度パラメータが近く、相溶性
が優れているため、硬化後のゴム粒子とマトリックスエ
ポキシ樹脂が強固に接着し、その結果機械的特性が向上
する。柔軟粒子の配合量はエポキシ樹脂 100重量部に対
して20重量部以下であることが好ましい。この範囲より
大きい場合には、樹脂粘度が上昇し、作業性の低下が著
しく、実用的でなくなる。 【0018】本発明の樹脂硬化物においては、作業性に
支障のない限り、いかなる種類の充填剤でも配合可能で
ある。例えば、粒子状充填剤として、シリカ、アルミ
ナ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カ
オリン、クレー、ドロマイト、雲母粉、炭化ケイ素、ガ
ラス粉、カーボン、グラファイト、硫酸バリウム、二酸
化チタン、ボロンナイトライド、窒化ケイ素、等が挙げ
られる。また、繊維状充填剤としはウォーラストナイ
ト、チタン酸カリウムウィスカー、ガラス繊維、アルミ
ナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、カーボン繊維、
アラミッド繊維、フェノール繊維、金属ウィスカー等が
挙げられる。これらの充填剤は単独または2種以上の混
合物として使用される。また、必要に応じて離型剤、難
燃剤、酸化防止剤、顔料、染料等の添加剤が配合されて
もよい。 【0019】本発明の樹脂硬化物は、前記した成分を常
法により混合、撹はん後、無触媒或は適当な硬化促進剤
を適宜用い、加熱硬化させることにより、容易に製造で
きる。更に、充填剤を配合した場合にも前記特性は失わ
れず、かつ極めて硬化収縮率を小さくできるため、大型
注型電気絶縁物や半導体の封止材料として有用である。 【0020】 【作用】本発明の樹脂硬化物は柔軟粒子成分(コア層の
架橋ゴム粒子)を膨潤させる酸無水物等の物質を含まな
いため、柔軟粒子添加による靭性向上の機能を十分に発
揮でき、かつ樹脂粘度上昇による作業性の低下も少な
い。また、エポキシ化合物およびオキサゾリン化合物か
らなるので、機械的強度が優れている。その結果、本発
明の樹脂硬化物は従来の樹脂硬化物よりも耐熱性、機械
的強度、耐クラック性の面で優れた特性を有し、信頼性
の高い絶縁性樹脂硬化物を提供することができる。 【0021】 【実施例】以下に、実施例ならびに比較例をあげ、本発
明をさらに詳細に説明する。 【0022】実施例1 コア部(ゴム層)が架橋ブチルアクリルゴムであり、シ
ェル部(グラフト層)がポリメチルメタクリレートであ
る柔軟粒子(商品名:KM−334 、Rohm&Haas社製、平
均粒径 0.2μm)15重量部をDGEBA型エポキシ樹脂
(商品名:R140 、三井石油化学社製、エポキシ当量 1
90) 100重量部に常温でロールがけにより分散後、粒子
状アルミナ(昭和電工社製:平均粒径12μm)を樹脂全
体の43容積%になるように配合し、万能混合機を用いて
120℃で3時間真空下で混合した。この樹脂混合物にオ
キサゾリン化合物として2,2′−m−フェニレンビス
(2−オキサゾリン)(略称:PBO、武田薬品工業社
製)28重量部を 140℃で溶解後、真空混合した樹脂組成
物を 140℃に予熱した金型中に注型、真空脱泡後、140
℃で15時間加熱して一次硬化させた後、試験片を金型か
ら離型し、後硬化を150℃で15時間行って試験試料を作
製した。 【0023】実施例2 コア部(ゴム層)がシリコーン・アクリル系ゴムであ
り、シェル部(グラフト層)がメタクリレート系樹脂で
ある柔軟粒子(商品名:S−2001、三菱レーヨン社製、
平均粒径 0.2〜 0.5μm)12重量部をDGEBA型エポ
キシ樹脂(商品名:R140 、三井石油化学社製、エポキ
シ当量 190) 100重量部に常温でロールがけにより分散
後、粒子状アルミナ(昭和電工社製:平均粒径12μm)
を樹脂全体の43容積%になるように配合し、万能混合機
を用いて 120℃で3時間真空下で混合した。この樹脂混
合物にオキサゾリン化合物として2,2′−m−フェニ
レンビス(2−オキサゾリン)(略称:PBO、武田薬
品工業社製)28重量部を 140℃で溶解後、真空混合した
樹脂組成物を 140℃に予熱した金型中に注型、真空脱泡
後、 140℃で15時間加熱して一次硬化させた後、試験片
を金型から離型し、後硬化を 150℃で15時間行って試験
試料を作製した。 【0024】実施例3 コア部(ゴム層)がMBS系ゴムであり、シェル部(グ
ラフト層)がメタクリレート系樹脂である柔軟粒子(商
品名:C−132 、三菱レーヨン社製、平均粒径0.5μ
m)15重量部をDGEBA型エポキシ樹脂(商品名:R
140 、三井石油化学社製、エポキシ当量 190) 100重量
部に常温でロールがけにより分散後、粒子状アルミナ
(昭和電工社製:平均粒径12μm)を樹脂全体の43容積
%になるように配合し、万能混合機を用いて 120℃で3
時間真空下で混合した。この樹脂混合物にオキサゾリン
化合物として2,2′−m−フェニレンビス(2−オキ
サゾリン)(略称:PBO、武田薬品工業社製)28重量
部を 140℃で溶解後、真空混合した樹脂組成物を 140℃
に予熱した金型中に注型、真空脱泡後、 140℃で15時間
加熱して一次硬化させた後、試験片を金型から離型し、
後硬化を 150℃で15時間行って試験試料を作製した。 【0025】比較例1 エポキシ化合物としてDGEBA型エポキシ樹脂(商品
名:CT200 、チバガイギー社製、エポキシ当量 390)
90重量部、脂環式エポキシ樹脂(商品名:CY179 、チ
バガイギー社製、エポキシ当量 140)10重量部に粒子状
アルミナ(昭和電工社製:平均粒径12μm)を樹脂全体
の43容積%になるよう配合し、万能混合機を用いて 120
℃で3時間真空下で混合した。この樹脂混合物に硬化剤
として無水フタル酸(商品名:HT901 、チバガイギー
社製)30重量部を溶解後、10分以上真空混合した樹脂組
成物を 120℃に予熱した金型中に注型、真空脱泡し、 1
20℃で15時間加熱して一次硬化させた後、試験片を金型
から離型し、後硬化を 140℃で15時間行って試験試料を
作製した。 【0026】比較例2 エポキシ化合物としてDGEBA型エポキシ樹脂(商品
名:R140 、三井石油化学社製、エポキシ当量 190) 1
00重量部に粒子状アルミナ(昭和電工社製:平均粒径12
μm)を樹脂全体の43容積%になるよう配合し、万能混
合機を用いて80℃で3時間真空下で混合した。この樹脂
混合物に硬化剤としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸
(商品名:HN5500、日立化成社製)90重量部と硬化促
進剤としてテトラデシルメチルベンジルアンモニウムク
ロライド(商品名:M2 100:日本油脂社製) 0.3重量
部を溶解後、30分以上真空混合した樹脂組成物を 120℃
に予熱した金型中に注型、真空脱泡し、 120℃で15時間
加熱して一次硬化させた後、試験片を金型から離型し、
後硬化を 150℃で15時間行って試験試料を作製した。 【0027】比較例3 エポキシ化合物としてDGEBA型エポキシ樹脂(商品
名:CT200 、チバガイギー社製、エポキシ当量 390)
90重量部、脂環式エポキシ樹脂(商品名:CY179 、チ
バガイギー社製、エポキシ当量 140)10重量部に、コア
部(ゴム層)がシリコーン・アクリル系ゴムであり、シ
ェル部(グラフト層)がメタクリレート系樹脂である柔
軟粒子(商品名:S−2001、三菱レーヨン社製、平均粒
径 0.2〜0.5μm)12重量部、粒子状アルミナ(昭和電
工社製:平均粒径12μm)を樹脂全体の43容積%になる
よう配合し、プラネタリーミキサーを用いて80℃で3時
間真空下で混合した。この樹脂混合物を 120℃にした
後、硬化剤として無水フタル酸(商品名:HT901 、チ
バガイギー社製)30重量部を添加し、10分以上真空混合
した樹脂組成物を 120℃に予熱した金型中に注型、真空
脱泡し、 120℃で15時間加熱して一次硬化させた後、試
験片を金型から離型し、後硬化を 140℃で15時間行って
試験試料を作製した。 【0028】比較例4 エポキシ化合物としてDGEBA型エポキシ樹脂(商品
名:R140 、三井石油化学社製、エポキシ当量 190) 1
00重量部に、コア部(ゴム層)がシリコーン・アクリル
系ゴムであり、シェル部(グラフト層)がメタクリレー
ト系樹脂である柔軟粒子(商品名:S−2001、三菱レー
ヨン社製、平均粒径 0.2〜 0.5μm)12重量部、粒子状
アルミナ(昭和電工社製:平均粒径12μm)を樹脂全体
の43容積%になるよう配合し、万能混合機を用いて 100
℃で3時間真空下で混合した。この樹脂混合物に硬化剤
としてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(商品名:HN
5500、日立化成社製)90重量部と硬化促進剤としてテト
ラデシルメチルベンジルアンモニウムクロライド(商品
名:M2 100:日本油脂社製) 0.3重量部を溶解後、30
分以上真空混合した樹脂組成物を 120℃に予熱した金型
中に注型、真空脱泡後、 120℃で15時間加熱して一次硬
化させた後、試験片を金型から離型し、後硬化を 150℃
で15時間行って試験試料を作製した。 【0029】前記実施例1〜3及び比較例1〜4にて作
製した樹脂組成物の試験片の評価結果を表1、表2、図
1、図2に示す。これらの表に示す各種特性のうち、ガ
ラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測
定した。機械的特性は、JIS−K−6911に準じて測定
し、破壊靭性値は、ASTME 399−83に準じて測定し
た。また、各樹脂組成物を用いてSF6 ガス絶縁開閉装
置の母線支持用に用いられる 150kVクラスのコーン形単
相絶縁スペーサを製作し、その水圧破壊強度を測定し
た。表1、表2の中に示した水圧破壊強度は、比較例1
の樹脂を用いて製作した絶縁スペーサの水圧破壊強度を
1とした時の相対強度である。クリープ破断強度は各樹
脂硬化物の長期クリープ特性のマスターカーブから推定
したクリープ破断応力( 105℃で30年相当)である。 【0030】 【表1】 【0031】 【表2】【0032】一般にエポキシ樹脂硬化物の破壊靭性値は
硬化物のガラス転移温度の上昇に伴って直線的に低下す
るが、図1に示すように本発明の実施例のレベルは比較
例に対していずれも優れていることがわかる。また、長
期耐熱性の指標となるクリープ破断強度と破壊靭性値と
の関係では、従来技術では柔軟粒子を添加するとクリー
プ特性が低下するため、図2に示すようにある限界レベ
ルを越えることができなかったが、本発明の実施例にお
いては明らかに従来の限界レベルを越えた特性を得るこ
とができる。 【0033】また、表1,表2より明らかなように、本
発明の実施例において製造した高電圧用注型絶縁物は、
従来技術による比較例に比べて耐熱性(ガラス転移温度
Tg、耐熱クリープ特性)、機械的強度、靭性につい
て、いずれも優れており、特に従来なし得なかった耐熱
性と靭性、機械的強度の両立を実現した高性能な電気絶
縁物を得ることができる。 【0034】なお、本発明の樹脂硬化物は、前記実施例
に限定されるものではなく、前記したような多種多様な
材料を選択的に使用することが可能であり、その場合に
も前記実施例と同様に優れた作用効果が得られる。 【0035】 【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の樹脂硬
化物は耐熱性と機械的特性(特に破壊靭性、機械的強
度)に優れており、信頼性の高い絶縁性樹脂硬化物を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例である樹脂硬化物と従来の樹脂
硬化物のガラス転移温度と破壊靭性値KlCとの関係を示
すグラフ。 【図2】本発明の実施例である樹脂硬化物と従来の樹脂
硬化物の長期クリープ特性のマスタカーブから推定した
クリープ破断強度( 105℃で30年相当)と破壊靭性値K
lCとの関係を示すグラフ。
フロントページの続き (72)発明者 金指 康寿 神奈川県横浜市鶴見区寛政町21−4 東 芝ケミカル株式会社 入舟事業所内 (72)発明者 市川 以知郎 神奈川県横浜市鶴見区寛政町21−4 東 芝ケミカル株式会社 入舟事業所内 (56)参考文献 特開 昭64−54024(JP,A) 特開 平1−126322(JP,A) 特開 平2−288107(JP,A) 特開 平6−56967(JP,A) 特開 平6−256464(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08G 59/40 C08G 59/50 C08L 21/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の(a),(b),(c)および
    (d)を構成成分として含有する組成物を加熱硬化させ
    てなることを特徴とする樹脂硬化物。(a)少なくとも
    1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合
    物、(b)下記一般式で表されるオキサゾリン化合物、 【化1】 (c)エポキシ樹脂と反応性または相溶性の表面皮膜ま
    たは表面処理成分を有する架橋ゴム粒子、(d)粒子状
    または繊維状の無機化合物を単独または混合してなる充
    填剤。
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