JP3388651B2 - 絶縁膜の形成方法 - Google Patents
絶縁膜の形成方法Info
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Description
し、更に詳しくは、Poly−Siを用いた半導体の製
造時における半導体に要求されるPoly−Si半導体
向け高品質の絶縁膜を高速で形成する絶縁膜の形成方法
に関する。
−Siの薄膜トランシジスタ)用ゲート絶縁膜の形成方
法としては、大面積対応が可能で、かつ低温で高品質絶
縁膜が得られる可能性のある方法として、スパッタ法、
TEOS(テトラエトキシシラン)/O2系PECVD
(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法が
知られている。前者のスパッタ法については段差被覆性
が劣るため、後者のTEOS/O2系PECVD法の方
が段差被覆性に優れていることから注目されている。
された真空槽内に、2個以上の電極を設け、その一方の
電極に高周波電力を供給し、他方の電極上に基板を搭載
し、該ガス導入系から導入した有機シラン系ガス、例え
ばテトラエトキシシラン(TEOS)と、酸素、亜酸化
窒素、水、アルゴン、窒素、ヘリウム、水素のうちの少
なくとも1種類のガスとの混合ガスを電極間に発生させ
たプラズマにより分解し、加熱された基板上に絶縁膜を
形成する方法が行われていた。その場合の放電周波数は
13.56MHzである。
PECVD法における放電周波数として13.56MHzを用い
た場合、基板温度400℃以下の低温で高品質の絶縁膜が
得られる成膜速度は200Å(0.02μm)/minまでであっ
た。
に示す2方法がある。 (1) 放電時の投入電力を増加し、プラズマ密度を高め、
TEOSの分解を促進させる。 (2) 有機シラン系ガスに混合する酸素、亜酸化窒素、ア
ルゴン、窒素等の混合ガス量を増加させ、有機シラン系
ガスに対する活性種の相対量を増加させる。
電力に対応させるための装置の大型化が必要となり、実
用上の投入電力の増加には限界があった。更に、投入電
力を増加させた場合、基板にかかるセルフバイアスが増
加し、イオンダメージが生じるため、実用上の電力値に
は限界があった。
混合ガス量の増加はガス導入系、真空排気系の大型化を
必要とし、実用上混合ガス量の導入には上限があった。
02μm)/min以上とすることは不可能であった。
消し、成膜速度を大幅に増加させつつ、Poly−Si
半導体向け高品質の絶縁膜の形成方法を提供することを
目的とする。
成するために、従来用いていた放電周波数13.56MHzを2
7.12MHz以上の高高周波とすることによって、プラズマ
密度を増加させると共に、放電中にパルス変調を加える
ことにより、基板に達するイオン量を減少させてイオン
ダメージを低減させる絶縁膜の形成方法である。
シラン系ガスと酸素、水、亜酸化窒素、アルゴン、窒
素、ヘリウム及び水素のうちの少なくとも1種との混合
ガスを導入し、平行平板電極に放電を発生させるプラズ
マCVD法により、基板上に絶縁膜を形成する方法にお
いて、放電周波数として27.12MHzないし100MHzの高周波
電力を用い、かつ、上記絶縁膜の成膜時に導入する高周
波電力をパルス状に変調してプラズマをパルス状にオ
ン、オフして成膜を行うことを特徴とする。
ラン、テトラメトキシシラン、シロキサン等の分子中に
Si−O結合を有するガスのいずれかとしてもよい。
ルス状にオン、オフして成膜を行う高周波の変調周期を
10ないし300kHzとし、高周波電力のオン時間がオン時間
とオフ時間の合計の5ないし100%未満とすることが好ま
しい。
は、放電周波数の2乗に比例する。例えば周波数が13.5
6MHzの場合と、同じプラズマ密度を周波数27.12MHzで得
ようとした場合、投入電力は1/4でよい。
ン系ガスと酸素、亜酸化窒素、水、窒素、水素、アルゴ
ン及びヘリウムのうちの少なくとも1種との混合ガスか
ら高い成膜速度で、高品質のSiO2膜を形成しようとす
る場合、従来法によるプラズマ密度と比較して大幅な密
度の増加が必要となるが、放電周波数を27.12MHz以上と
することによって、投入電力の大幅増がなくともプラズ
マ密度を増加させ、高品質のSiO2膜が形成されるよう
になる。
射によるダメージが問題となるが、投入電力をパルス状
にオン、オフさせることにより、イオン照射の量を減少
させてイオンダメージを減少させることが出来る。
る。
ウン形の平行平板型プラズマCVD装置の截断側面図で
あり、その符号1はガスボンベ等のガス源に接続された
ガス導入系2と、真空ポンプに接続された排気系3を有
する真空槽を示す。
5が対向して設けられ、その一方の電極4に高周波電力
をパルス変調させる変調器6を介して外部の高周波電源
7を接続し、他方の電極5上に成膜が施される基板8を
搭載する。
ト9を備えた中空の電極で構成され、その中空部に前記
ガス導入系2を接続して、該シャワープレート9に設け
た多数のガス噴出口10から真空槽1内に均一に反応ガ
スを噴出させるようにした。
ーターを兼ねており、成膜中はアース電位に維持され
る。
(Si(OC2H5)4: 以下TEOSという)を例とす
る有機シラン系ガスと、酸素、亜酸化窒素、水、窒素、
水素、アルゴン及びヘリウムのうちの少なくとも1種と
の混合ガスが導入される。
装置の構成と略同様であり、該真空槽1内へガス導入系
2より導入した反応ガスを電極4、5間に発生するプラ
ズマにより混合ガスを分解して基板8上にSiO2膜を
形成することも従来法と同様であるが、高い成膜速度を
得ようとすると高周波電源の電力が非常に大きくなり、
従来法は実用上200Å(0.02μm)/minまでの成膜速度し
か得られなかった。
Hz以上とするとにより、小さい電力においても1000Å
(0.1μm)/min以上の成膜速度を得ることが可能とな
る。
いし100MHzの高周波電力とした理由は、放電周波数を2
7.12MHz以上とすることによりプラズマ密度は大幅に増
加するが、100MHz以上の高周波は装置に効率よく導入す
ることが困難となり、実用上不向きであることによる。
とした理由は、C−V測定の結果この変調周期の範囲に
おいて、フラットバンド電圧の値が小さいことによる。
オフ時間の合計の5ないし100%未満とした理由は、既成
膜法において、デューティー比とオン時間の高周波出力
の積算した値が 500(W・%)以上であれば一定の成膜速
度と絶縁耐圧が得られる。実用上高周波電源の上限は10
kWであり、得られた結果を考慮するとデューティー比が
5%以上となるためである。
N]時間とオフ[OFF]時間の合計時間で除算した値をデュ
ーティー比という。
共に説明する。
ス製の基板8上に膜厚1500Å(0.15μm)のSiO2膜を100
0Å(0.1μm)/minの成膜速度で形成することを目的とし
た。
で加熱する。真空槽1内の圧力が106.4Pa(0.8Torr)にな
るように排気系3により調整し、真空槽1内にガス導入
系2よりTEOSガス140sccm、酸素(O2)ガス4000sc
cmの混合ガスを導入した。また、高周波電源7よりの放
電周波数として13.56MHz、27.12MHz、40.68MHzを用い
た。
成されたSiO2膜の成膜速度との関係を各放電周波数毎
に調べ、その結果を図2に周波数13.56MHzの場合は曲線
A、周波数27.12MHzの場合は曲線B、周波数40.68MHzの
場合は曲線Cで示す。図2の結果から明らかなように、
これらの実施条件における成膜速度はいずれもほぼ1000
Å(0.1μm)/minが得られることが分かる。
夫々について、電界を印加し、1.0μA/cm2の電流が流
れた時の電界強度を絶縁耐圧とした。
関係を各絶縁膜毎に調べ、その結果を図3に周波数13.5
6MHzの場合は曲線D、周波数27.12MHzの場合は曲線E、
周波数40.68MHzの場合は曲線Fで示す。
poly−SiTFT用のゲート絶縁膜として使用する
ことが出来る。周波数40.68MHz(曲線F)の場合は400W
で8MV/cm以上の値が得られ、また、周波数27.56MHz
(曲線E)の場合は1.0kWで8MV/cm以上の値が得られる
が、周波数13.56MHz(曲線D)の場合は3.0kWの電力を
投入しても8MV/cm以上の値は得られなかった。図3の
結果から明らかなように、放電周波数を27.12MHz以上と
することによって低い投入電力で高い成膜速度を保ちな
がら、高品質のSiO2膜を形成出来ることが確認され
た。
時間中に高周波を100kHzの変調周期でパルス変調を行っ
て、基板上に絶縁膜を形成することを目的とした。そし
て放電中のデューティー比を70%、100%とし、その他
の実験条件は前記参考例と同様の方法とした。
アルミニウム(Al)電極を形成し、MOS(Metal-Ox
ide-Semiconductor)キャパシタを作成し、更に、電圧
−容量変化の測定を行った結果から得られたフラットバ
ンド電圧を求めた。
膜としてのSiO2膜を用いる場合、フラットバンド電
圧は0に近ければ近いほどよいとされている。これはフ
ラットバンド電圧の存在によってPoly−SiTFT
のしきい値がシフトするためである。
したC、H、Oによっても発生するが、プラズマから基
板8に打ち込まれたイオンダメージによっても発生す
る。即ち、フラットバンド電圧を評価することによって
イオンダメージの量を推定することが可能となる。
の関係をデューティー比毎に調べ、その結果を図4にデ
ューティー比100%の場合は曲線G、デューティー比70
%の場合は曲線Hで示す。デューティー比100%の場
合、投入電力の増加に伴って膜中に残留したC、H、O
が減少することによってフラットバンド電圧は減少して
いるものと考えられる。しかし、投入電力2.0kWで僅か
にフラットバンド電圧が増加しており、これは基板8に
打ち込まれるイオンのエネルギーが増加したことによる
ものと思われる。
加に伴ってフラットバンド電圧は減少しているが、デュ
ーティー比100%の場合と比較してみると、フラットバ
ンド電圧の値はデューティー比100%より小さい値を示
しており、投入電力2.0kWでのフラットバンド電圧の増
加が見られない。デューティー比100%とデューティー
比70%の差はデューティー比を70%にしたことによりイ
オンダメージが減少したためと考えられる。
度、絶縁耐圧、フラットバンド電圧を調べることを目的
とした。
z、100MHzとし、投入電力を0.2kWとし、高周波電力の変
調周期を100kHzとし、デューティー比を70%とした以外
は、前記参考例と同様の方法でSiO2膜の形成を行
い、各SiO2毎に成膜速度、絶縁耐圧、並びにフラッ
トバンド電圧を調べた。
おける成膜速度は1000Å(0.1μm)/minであり、絶縁耐
圧は7.5MV/cm、フラットバンド電圧は-30Vであった。放
電周波数54.24MHzの場合における成膜速度は1050Å(0.1
05μm)/minであり、絶縁耐圧は8.1MV/cm、フラットバ
ンド電圧は-8Vであった。放電周波数67.8MHzの場合にお
ける成膜速度は1080Å(0.108μm)/minであり、絶縁耐
圧は8.2MV/cm、フラットバンド電圧は-6Vであった。放
電周波数100MHzの場合における成膜速度は1100Å(0.11
μm)/minであり、絶縁耐圧は8.2MV/cm、フラットバン
ド電圧は-5Vであった。
る成膜速度、絶縁耐圧、フラットバンド電圧を調べるこ
とを目的とした。
1.0kWとし、高周波電力の変調周期を10kHz、50kHz、100
kHz、200kHz、300kHzとし、デューティー比を70%とし
た以外は、前記参考例と同様の方法でSiO2膜の形成
を行い、各SiO2毎に成膜速度、絶縁耐圧、並びにフ
ラットバンド電圧を調べた。
る成膜速度は1100Å(0.11μm)/minであり、絶縁耐圧は
8.2MV/cm、フラットバンド電圧は-7Vであった。変調周
期50kHzの場合における成膜速度は1100Å(0.11μm)/mi
nであり、絶縁耐圧は8.2MV/cm、フラットバンド電圧は-
6Vであった。変調周期100kHzの場合における成膜速度は
1100Å(0.11μm)/minであり、絶縁耐圧は8.2MV/cm、フ
ラットバンド電圧は-4Vであった。変調周期200Hzの場合
における成膜速度は1100Å(0.11μm)/minであり、絶縁
耐圧は8.2MV/cm、フラットバンド電圧は-4Vであった。
変調周期300kHzの場合における成膜速度は1100Å(0.11
μm)/minであり、絶縁耐圧は8.2MV/cm、フラットバン
ド電圧は-5Vであった。
速度、絶縁耐圧、フラットバンド電圧を調べることを目
的とした。
0kWとし、高周波電力の変調周期を100kHzとし、デュー
ティー比を5%、10%、20%、30%、50%とした以外
は、前記参考例と同様の方法でSiO2膜の形成を行
い、各SiO2毎に成膜速度、絶縁耐圧、並びにフラッ
トバンド電圧を調べた。
おける成膜速度は300Å(0.03μm)/minであり、絶縁耐
圧は2.5MV/cm、フラットバンド電圧は-40Vであった 。
デューティー比10%の場合における成膜速度は400Å(0.
04μm)/minであり、絶縁耐圧は3.5MV/cm、フラットバ
ンド電圧は-35Vであった。デューティー比20%の場合に
おける成膜速度は600Å(0.06μm)/minであり、絶縁耐
圧は4.5MV/cm、フラットバンド電圧は-30Vであった。デ
ューティー比30%の場合における成膜速度は800Å(0.08
μm)/minであり、絶縁耐圧は6.0MV/cm、フラットバン
ド電圧は-25Vであった。デューティー比50%の場合にお
ける成膜速度は950Å(0.095μm)/minであり、絶縁耐圧
は7.0MV/cm、フラットバンド電圧は-15Vであった。
EOSガスを用い、これに混合するガスとして酸素ガス
を用いたが、TEOSガスに代えてテトラメトキシシラ
ン(TEMS)ガスを用いた場合、ガス中の不要となる
C、H、Oを高密度プラズマによって効率よく分解する
必要があるが、TEOSガスを用いた場合と全くと同様
の傾向が得られることが分かった。
して酸素ガス用いたが、酸素ガスに代えて、亜酸化窒素
ガス、水蒸気(H2O)、窒素ガス、水素ガス、アルゴ
ンガス及びヘリウムガスのうち少なくとも1種を用いた
場合においても、酸素ガスと同様の効果が得られた。
は、基板上に絶縁膜であるPoly−SiTFT用ゲー
トSiO2膜を有機シラン系ガスを用いて形成させる場
合、投入電力を減少させることが可能となり、絶縁膜を
高速で高品質で形成することが出来、その結果、成膜装
置および高周波電源の小型化が可能となる。しかも、絶
縁膜の成膜時に導入する高周波電力をパルス状に変調し
てプラズマをパルス状にオン、オフして成膜を行う際
に、高周波の変調周期を10ないし300kHzとし、高周波電
力のオン時間がオン時間とオフ時間の合計の5ないし100
%未満のパルス変調させることにより、基板に与えるイ
オンダメージを減少させることが出来て、高品質の絶縁
膜を基板上に成膜することが出来る。
面図、
特性線図、
特性線図、
ンド電圧との関係を示す特性線図。
気系、4、5 電極、 6 変調器、 7
高周波電源、8 基板。
Claims (3)
- 【請求項1】 真空槽内に有機シラン系ガスと酸素、
水、亜酸化窒素、アルゴン、窒素、ヘリウム及び水素の
うちの少なくとも1種との混合ガスを導入し、平行平板
電極に放電を発生させるプラズマCVD法により、基板
上に絶縁膜を形成する方法において、放電周波数として
27.12MHzないし100MHzの高周波電力を用い、かつ、上記
絶縁膜の成膜時に導入する高周波電力をパルス状に変調
してプラズマをパルス状にオン、オフして成膜を行うこ
とを特徴とする絶縁膜の形成方法。 - 【請求項2】 前記有機シラン系ガスは、テトラエトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、シロキサン等、分子
中にSi−O結合を有するガスのいずれかであることを
特徴とする請求項1記載の絶縁膜の形成方法。 - 【請求項3】 前記パルス状にオン、オフして成膜を行
う高周波の変調周期を10ないし300kHzとし、高周波電力
のオン時間がオン時間とオフ時間の合計の5ないし100%
未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の
絶縁膜の形成方法。
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