JPH08339992A - 薄膜形成装置および薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置および薄膜形成方法

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JPH08339992A
JPH08339992A JP14633095A JP14633095A JPH08339992A JP H08339992 A JPH08339992 A JP H08339992A JP 14633095 A JP14633095 A JP 14633095A JP 14633095 A JP14633095 A JP 14633095A JP H08339992 A JPH08339992 A JP H08339992A
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JP
Japan
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electrode
thin film
film
semiconductor processing
high frequency
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JP14633095A
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English (en)
Inventor
Yukio Nishiyama
幸男 西山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、平行平板型プラズマCVD法によっ
て、膜中の不純物が少なく、段差被覆性のより良好な絶
縁膜を形成できるようにすることを最も主要な特徴とす
る。 【構成】たとえば、基板電極23に対向する対向電極2
2に、高周波電源31,32からの高周波電圧を印加す
る。そして、基板電極23上に半導体処理基板51を載
置することで、高周波電圧の印加により励起されるプラ
ズマの空間電位が正負に変化している放電領域内に、半
導体処理基板51を設置する。この状態で、基板電極2
3に直流電源62からの直流バイアス電圧を印加する。
こうして、基板51の表面でのイオンを引き込む効果を
高めることで、従来のプラズマCVD法によって形成さ
れた絶縁膜よりも良質で、かつ、段差被覆性のより良好
な絶縁膜の形成を可能とする構成となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば半導体処理
基板上に半導体薄膜を形成する薄膜形成装置および薄膜
形成方法に関するもので、特にSiO2 、SiN、Si
OF、SiONなどの絶縁膜を形成するプラズマ化学気
相成長装置に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体デバイスにおいては、Al
配線を電気的に隔離するための層間絶縁膜として、平行
平板型のプラズマ化学気相成長装置(プラズマCVD
(Chemical Vapour Deposition)装置)で形成されたS
iO2 膜やSiN膜、あるいはSiO2 膜にFを添加し
てなる低誘電率のF添加SiO2 膜が用いられている。
【0003】プラズマCVD法は、熱CVD法と比較し
て、膜を低温で堆積できるメリットがある。しかし、S
i基板を熱酸化したSiO2 膜、または、熱CVD法で
堆積したSiO2 膜やSiN膜と比較すると、膜の密度
が低く(ウェットエッチングレートが早い)、膜中に不
純物が多いといった問題がある。これは、デバイスの層
間絶縁膜に適用した場合に、さまざまな障害を引き起こ
す要因となる。
【0004】たとえば、SiO2 膜中のSiOHやH2
Oなどの不純物は、膜の誘電率を増加する原因となり、
配線間容量の増大によるデバイスの動作速度の高速化の
障害となる。
【0005】また、SiO2 膜およびSiN膜中のH2
OやHなどは、熱工程によってゲート領域に拡散しやす
いために、MOSFETにおけるホットエレクトロン耐
性を劣化させる。
【0006】さらに、プラズマCVD法によって堆積さ
れた膜の、密度の低下やSiOHなどの不純物の混入
は、吸湿性や透水性を増加させ、上記デバイスの信頼性
の劣化やAl配線の腐食の原因となる。
【0007】特に、Si(OC254 (以下、TE
OS(Tetra Ethoxy Silane ))、O2 、CF4 ガスな
どを用いて堆積したF添加SiO2 膜の場合、Fの添加
量に比例して吸湿性が増加し、大きな問題となってい
た。
【0008】このような膜中の不純物により引き起こさ
れるさまざまな問題は、デバイスが微細化すればするほ
ど顕著に現れる。このため、より高品質なSiO2 膜や
SiN膜の形成方法の開発が期待されている。
【0009】また、デバイスの微細化にともなって配線
の多層化や高密度化が進むため、配線の断線防止および
フォーカスマガジンの向上のためには、高密度配線間を
ボイドなしに埋め込み、さらに、表面の段差を緩和する
ことが必要となる。このような理由により、より段差被
覆性の良い膜の形成方法の要求が高まっている。
【0010】しかしながら、従来のプラズマCVD法で
は、SiO2 膜やSiN膜により、アスペクト比が0.
7(高さ700nm,幅1000nm)以上の段差を隙
間なく埋め込むことはできない。
【0011】このため、現状では、プラズマCVD法と
SOG(スピンオングラス)法などを併用して、配線間
の埋め込みを行っている。しかし、この方法では、工程
数が増える問題や吸湿性が悪化するといった問題があ
る。
【0012】これらの問題点を解決する方法として、2
周波励起プラズマCVD法による、SiO2 膜およびS
iN膜の成膜に関する検討の報告がある(たとえば、H.
P.W.Hey et al.,Solid State Technology,April,1990,p
139 )。
【0013】これは、平行平板型プラズマCVD法にお
いて、基板の対向電極に350KHzと13.56MH
zの高周波電力を供給してプラズマを励起し、SiO2
膜を形成する方法である。
【0014】この方法によれば、13.56MHzのみ
で絶縁膜を形成した場合に比べて、不純物が低減する、
ウェットエッチングレートが改善する、吸湿性が低減す
るといった効果がある。
【0015】また、CF4 ガスを添加してF添加SiO
2 膜を形成した場合(K.Musaka etal.,Ext.Abstr.25th
Conf.SSDM,Makuhari,1993,p.510)には、さらに成膜形
状が改善する効果がある。
【0016】しかしながら、この方法により、さらに高
品質で、より段差被覆性の良い絶縁膜を得るには、低周
波側の印加電圧を増加させることで可能であるが、MO
SFETに適用した場合にゲート酸化膜の耐圧の劣化を
招くという問題があった。
【0017】そこで、プラズマCVD法によって形成さ
れる絶縁膜の、不純物、ウエットエッチングレート、吸
湿性、成膜形状を改善する方法について検討したとこ
ろ、絶縁膜の形成時に半導体処理基板の表面をイオンで
たたくことが有効であることがわかった。
【0018】プラズマCVD法によって絶縁膜の形成を
行う場合に、直流バイアスを印加して、引き込むイオン
のエネルギを制御する方法がすでに提案されている(た
とえば、特開平2−11770号公報、および特開平2
−166283号公報)。
【0019】図11は、特開平2−166283号公報
に記載されている平行平板型プラズマCVD装置の概略
構成を示すものである。この平行平板型プラズマCVD
装置は、反応室1内の、カソード電極2に高周波電力源
3からの高周波電圧が、アノード電極4に負バイアス電
源5からの直流電圧が、それぞれ印加されるように構成
されている。また、上記反応室1には、反応ガスを導入
するためのガス供給口1a、および上記反応室1内を図
示していない排気系を介して排気するための排気口1b
が、それぞれ設けられている。そして、上記アノード電
極4上の、プラズマ空間電位が形成される放電領域に、
半導体処理基板6が載置されるようになっている。
【0020】図12は、上記した平行平板型プラズマC
VD装置において、カソード電極2に高周波電圧を、ア
ノード電極4に直流電圧をそれぞれ印加した場合の、両
電極2,4内での空間電位の分布を示すものである。
【0021】この図からも明らかなように、上記平行平
板型プラズマCVD装置の場合、半導体処理基板6は、
カソード電極2により形成される空間電位が正負に変化
しない領域に設置されるようになっている。この場合、
半導体処理基板6の、直上の空間電位は定常的に正の値
をとる。
【0022】この発明では、半導体処理基板6の電位
は、アノード電極4が接地の場合には図12の(ア)、
負のバイアスを印加した場合には図12の(イ)のよう
になると説明している。
【0023】しかし、絶縁膜を形成する場合、半導体処
理基板6の表面でチャージが蓄積されるため、実際の空
間電位は図12の(ウ)のようになる。したがって、半
導体処理基板6の表面の電位は正のフローティング電位
になり、効果的にイオンを引き込むことができない。
【0024】すなわち、上記公報に記載の平行平板型プ
ラズマCVD装置の場合、半導体処理基板の表面を効果
的にイオンでたたくことができない。したがって、絶縁
膜の不純物、ウエットエッチングレート、吸湿性、成膜
形状の改善に関しては、さほどの効果は期待できない。
【0025】一方、直流バイアスを印加せずに、直流バ
イアスを印加した場合と同様なイオンを引き込む効果を
得る方法としては、高周波電圧を大きくすることが考え
られる。この場合、基板に大きな電圧が誘起されるた
め、MOSFETのゲートへのダメージが問題となる。
【0026】同様に、基板が載置される電極に高周波電
圧を印加するようにした場合にも、基板に大きな電圧が
印加されることになるため、MOSFETのゲートへの
ダメージが問題となる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、MOSゲートへのダメージがなく、高品質
で、しかも段差被覆性のより良好な絶縁膜を形成するの
が難しいという問題があった。
【0028】そこで、この発明は、MOSゲートへのダ
メージがなく、高品質で、しかも段差被覆性のより良好
な半導体薄膜を形成することが可能な薄膜形成装置およ
び薄膜形成方法を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明の薄膜形成装置にあっては、プラズマ化
学気相成長法により半導体処理基板上に半導体薄膜を形
成するものにおいて、前記半導体処理基板を載置する第
1の電極と、この第1の電極に直流バイアス電圧を印加
する直流電源と、前記第1の電極に対向して配置された
第2の電極と、この第2の電極に高周波電力を印加する
高周波電源とを具備し、前記第1の電極上に載置される
前記半導体処理基板が、励起したプラズマの空間電位が
正負に変化している放電領域にくるように構成されてい
る。
【0030】また、この発明の薄膜形成装置にあって
は、プラズマ化学気相成長法により半導体処理基板上に
半導体薄膜を形成するものにおいて、前記半導体処理基
板を載置する第1の電極と、この第1の電極に0〜−3
00Vの直流バイアス電圧を印加する直流電源と、前記
第1の電極に対向して5mm以下の間隔距離を有して配
置された第2の電極と、この第2の電極に高周波電力を
印加する高周波電源とを具備し、前記第1の電極上に載
置される前記半導体処理基板が、励起したプラズマの空
間電位が正負に変化している放電領域にくるように構成
されている。
【0031】さらに、この発明の薄膜形成方法にあって
は、プラズマ化学気相成長法により半導体処理基板上に
半導体薄膜を形成する場合において、第1の電極に対向
して配置された第2の電極に、高周波電源からの高周波
電力を印加し、その励起したプラズマの空間電位が正負
に変化している放電領域に、前記半導体処理基板を載置
し、この状態で、前記第1の電極に直流電源からの直流
バイアス電圧を印加するようになっている。
【0032】
【作用】この発明は、上記した手段により、高周波電圧
を増大することなく、プラズマで励起したイオンを半導
体処理基板上に効果的に引き込むことができるようにな
るため、半導体薄膜中の不純物、ウェットエッチングレ
ート、吸湿性、および成膜形状などを大きく改善するこ
とが可能となるものである。
【0033】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は本発明の薄膜形成装置の基本的
構成を概略的に示すものであり、図2は本装置における
電極内での空間電位の分布を示すものである。
【0034】すなわち、この薄膜形成装置は、反応室1
1内に、カソード電極(第2の電極)12とアノード電
極(第1の電極)13とが対向して配置されている。ま
た、上記カソード電極12に対しては高周波電源14か
らの高周波電圧が、上記アノード電極13に対しては直
流電源15からの直流バイアス電圧が、それぞれ印加さ
れるように構成されている。
【0035】この場合、上記カソード電極12とアノー
ド電極13との相互の間隔距離が5mm以下に設定され
て、上記アノード電極13上に載置される半導体処理基
板16が、その直上でのプラズマ空間電位が正負に変化
する放電領域内に設置されるようになっている。
【0036】また、上記半導体処理基板16には、ガス
供給口11aより反応室11内に導入される成膜用の反
応ガスが、上記カソード電極12に設けられたシャワー
ヘッド17から均一に供給されるようになっている。
【0037】そして、成膜に用いられた上記反応ガス
は、排気口11bより図示していない排気系を介して、
上記反応室11の外へ排気されるようになっている。こ
のような構成の薄膜形成装置によれば、図2に示すよう
に、基板16は正負に空間電位が変化する領域に設置さ
れて、基板16の直上でのプラズマ空間電位がプラスの
状態、マイナスの状態と交互に変化されるようになって
いる。したがって、半導体処理基板16上では、イオン
が引き込まれたり、電子が引き込まれたりする状態とさ
れる。
【0038】この状態で、直流電源15を用いて直流バ
イアス電圧をアノード電極13に印加すると、半導体処
理基板16上にイオンを引き込む効果が大きくなる。し
かし、電子も基板16上に引き込まれるので電荷が定常
的に蓄積することはなく、基板16が絶縁膜であって
も、基板16の表面は時間平均で印加直流バイアス近く
に保たれる。
【0039】この結果、直流バイアス電圧の印加によ
り、効果的にイオンを引き込むことができる。すなわ
ち、正負に空間電位が変化する領域内に基板16を設置
して直流バイアス電圧を印加するようにすることで、イ
オンを引き込む効果を大きくでき、この直流バイアス電
圧を制御することによってイオンを引き込む効果を制御
することが可能である。
【0040】また、正負に空間電位が変化する領域の長
さは低周波にするほど長くなり、500KHz以下にお
いては数mm程度となる。したがって、カソード電極1
2に設けられたシャワーヘッド17からの成膜用の反応
ガスを均一に放電領域に供給できるようになるため、均
一な膜の形成が可能となる。
【0041】しかも、高周波電圧を高くすることなく、
イオンを引き込む効果を大きくすることが可能であり、
MOSFETに適用した場合においても、ゲートに与え
るダメージは小さい。
【0042】図3は、上記薄膜形成装置の一実施例とし
ての、F添加SiO2 膜の形成に用いられる平行平板型
プラズマCVD装置を示すものである。すなわち、この
平行平板型プラズマCVD装置は、反応室としてのチャ
ンバ21内に、カソード電極としての対向電極(第2の
電極)22とアノード電極としての基板電極(第1の電
極)23とが対向して配置されている。
【0043】上記対向電極22に対しては、13.56
MHz用の高周波電源31と350KHz用の高周波電
源32とが、マッチングネットワーク33,34をそれ
ぞれに介して備え付けられている。
【0044】また、この対向電極22には、ガス流量を
制御するためのバルブ41を介して、TEOS、O2
CF4 などの成膜用の反応ガスを供給するガス供給源4
2が接続されている。
【0045】このガス供給源42からの反応ガスは、上
記対向電極22に設けられた分散ノズル(シャワーヘッ
ド)43により均一に放電領域に供給されるようになっ
ている。
【0046】上記基板電極23は、たとえば半導体処理
基板51を搭載可能な6インチの大きさに形成され、下
部に配置されたヒータ61により上記基板51の温度を
制御できるようになっている。
【0047】また、この基板電極23に対しては直流電
源62が設けられており、その直流電源62からの直流
電圧(基板バイアス)が印加されることで、上記基板5
1の電位を制御することが可能となっている。
【0048】なお、上記チャンバ21には真空ポンプ7
1が設けられ、上記チャンバ21内の成膜圧力を制御で
きるように構成されている。次に、以下の成膜条件でF
添加SiO2 膜の形成を行った場合の、膜の特性につい
て説明する。
【0049】成膜の条件としては、たとえば、上記ガス
供給源42からの反応ガスはTEOSガスを50scc
m、O2 ガスを500sccm、CF4 ガスを0〜24
00sccmの割合とし、上記真空ポンプ71による上
記チャンバ21内の成膜圧力を5torrとし、上記ヒ
ータ61による上記基板51の加熱温度(基板温度)を
400℃とし、上記対向電極22および上記基板電極2
3間の距離を5mmとした。
【0050】また、13.56MHz用の高周波電源3
1により印加される高周波電力は100W、350KH
z用の高周波電源32より印加される高周波電力は15
0Wに設定した。
【0051】さらに、上記直流電源62によって上記半
導体処理基板51に印加される基板バイアスは、0〜−
300Vとした。さて、基板バイアスを−300Vに設
定して形成した場合のF添加SiO2 膜について、Au
ger分析によりFの濃度を測定したところ、CF4
スを1200sccmとしたときのFの濃度は5at%
であり、2400sccmとしたときは10at%であ
った。
【0052】図4は、上記F添加SiO2 膜中のFの濃
度に対するSiO2 膜の誘電率を示すものである。この
図からも明らかなように、Fの濃度を増加するとSiO
2 膜の誘電率は低下し、Fの濃度が10%の場合に比誘
電率は3.0になる。
【0053】図5は、上記F添加SiO2 膜におけるF
の濃度と吸湿性との関係を、基板バイアスを0Vとして
形成した場合の膜と比較して示すものである。この図か
らも明らかなように、基板バイアスを−300Vとして
形成した場合の膜の方が、基板バイアスを0Vとして形
成した場合の膜に比べて、吸湿性は減少することがわか
る。
【0054】図6は、上記F添加SiO2 膜におけるF
の濃度を10at%として形成した場合の基板バイアス
依存性と吸湿性との関係、および成膜の直後におけるF
添加SiO2 膜中のOHの濃度について、それぞれ示す
ものである。
【0055】この図からも明らかなように、基板バイア
スを増加させると成膜直後におけるF添加SiO2 膜中
のOHの濃度は減少し、また、吸湿性も減少することが
わかる。
【0056】図7は、基板バイアスと埋め込み可能なア
スペクト比との関係について示すものである。この図か
らも明らかなように、基板バイアスを増加すると、埋め
込み可能なアスペクト比が大きくなり、基板バイアスを
−300Vとして形成した場合にはアスペクト比「3」
まで隙間なく埋め込むことが可能となる。
【0057】図8は、基板バイアスを−300Vにして
形成した場合の、電極間距離と埋め込み可能なアスペク
ト比との関係について示すものである。この図からも明
らかなように、対向電極22と基板電極23との間の距
離を5mm以下にしたときに、半導体処理基板51は空
間電位が正負に変化する領域内に設置された状態とな
り、アスペクト比「3」まで隙間なく埋め込むことが可
能となる。
【0058】このように、吸湿性と成膜形状との間に
は、基板電極間隔依存性があることがわかる。図9は、
Fの濃度を10at%として形成した場合における、電
極間距離と吸湿性との関係について示すものである。
【0059】この図からも明らかなように、対向電極2
2と基板電極23との間の距離を5mm以下にしたとき
に、吸湿性が大幅に減少することがわかる。ここで、吸
湿性と埋め込みによる成膜形状とが良好になる理由につ
いて説明する。
【0060】対向電極22と基板電極23との間の距離
を5mm以下としたとき、半導体処理基板51は、その
直上の空間電位が正負に変化する領域内に設置される。
この状態で、直流電源62からの基板バイアスを印加す
ると、先に説明したように、従来の方法に比べて、正イ
オンを半導体処理基板51に引き込む効果が大きくな
る。
【0061】このため、SiO2 の吸湿性が減少した理
由としては、プラズマで励起されたOイオンが基板51
の表面に効果的に引き込まれ、酸化が積極的に起こるた
めと考えられる。
【0062】また、成膜形状が向上する理由としては、
成膜の過程で、SiO2 膜の凸部に対するCFx イオン
によるエッチング作用が優先的に大きくなって、成膜の
速度が小さくなるためである。
【0063】このような効果は、基板バイアスを用いな
くても、350KHzの高周波電圧を増加させることに
よっても期待できる。しかし、この方法の場合、基板5
1に誘起される電圧が増加するため、本発明の基板バイ
アスを用いた場合に比べて、MOSトランジスタを損傷
させる可能性が高くなる。
【0064】すなわち、基板バイアスを用いる本発明の
方法によれば、MOSFETに適用した場合においても
ゲート酸化膜の耐圧が劣化されるといったMOSゲート
へのダメージの心配がなく、従来の絶縁膜に比べ、不純
物、ウェットエッチングレート、吸湿性、および成膜形
状などを大きく改善できるものである。
【0065】上記したように、高周波電圧を増大するこ
となく、プラズマで励起したイオンを半導体処理基板上
に効果的に引き込むことができるようにしている。すな
わち、プラズマ空間電位が正負に変化する放電領域内に
半導体処理基板を設置し、直流のバイアス電圧を印加す
るようにしている。これにより、プラズマで励起したイ
オンを半導体処理基板上に効果的に引き込むことができ
るようになるため、F添加SiO2 膜中の不純物、ウェ
ットエッチングレート、吸湿性、および成膜形状などを
大きく改善することが可能となる。したがって、従来の
平行平板型プラズマCVD法により形成された絶縁膜に
比べ、MOSゲートへのダメージがなく、高品質で、し
かも段差被覆性のより良好な絶縁膜を形成できるように
なるものである。
【0066】なお、上記実施例においては、350KH
zおよび13.56MHzの高周波電圧をそれぞれ印加
するように構成した場合を例に説明したが、これに限ら
ず、たとえば350KHzの高周波電圧のみを印加する
ように構成した場合においても、同様な効果が期待でき
る。
【0067】ただし、この場合、13.56MHzの高
周波電圧をも印加するように構成した場合に比べ、放電
の開始時期や安定性の点で、成膜圧力などの条件に制限
を加える必要がある。
【0068】また、成膜用の反応ガスとしては、TEO
Sガスの変わりに、たとえばFSi(OC253
Si(CH34 などの有機系のガスや、SiH4 、S
26 、SiF4 、SiH22 などの無機シランガ
スを用いることもできる。また、CF4 の変わりに、C
26 、C38 、NF3 、F2 などのFを含むF系の
ガスを用いても良い。
【0069】F系のガスを用いる場合、成膜形状が良好
になる効果は、F系のガスを用いない場合に比べて低下
する。しかし、F系のガスを用いない従来の方法では、
埋め込み可能なアスペクト比が0.7(高さ700n
m、幅1000nm)未満であったのに対し、本発明の
方法では、アスペクト比「2」までの埋め込みが可能と
なることが確認できた。
【0070】この理由としては、膜の粒子イオンが、半
導体処理基板に垂直に引き込まれるためと考えられる。
また、このF系のガスと同時に、Arガスなどのスパッ
タリング効果の大きいガスを導入することで、さらに成
膜形状は良好になり、アスペクト比「3」までの埋め込
みが可能となる。
【0071】また、半導体処理基板が載置される基板電
極の上部に異なるプラズマ源、たとえば、ECRプラズ
マ、ヘリコンプラズマ、TCP(高周波誘導プラズ
マ)、Ω(高周波誘導ヘリカル共鳴プラズマ、EBEP
(電子ビーム励起プラズマ)などを設置した場合、基板
とプラズマ源との間にメッシュ形状の電極を設置し、こ
れに高周波電圧を印加して励起される空間電位が正負に
変化する領域内に基板を設置して直流バイアスを印加す
るように構成することによって、同様に膜中の不純物の
減少や成膜形状が良好になる効果がある。
【0072】特に、上記TCPおよび上記Ωを異なるプ
ラズマ源として用いる場合においては、500KHz程
度の高周波電圧を印加することによって基板電極の近く
に励起された空間電位が正負に変化する領域内に基板を
設置し、これに直流バイアスを印加するように構成する
ことによっても、同様な効果が期待できる。
【0073】さらに、成膜用の反応ガスにSiH4 およ
びNH3 を用いて絶縁膜を形成するようにした場合に
も、上述したF添加SiO2 膜と同様な特性をもつSi
N膜の形成が可能である。
【0074】図10は、先の実施例において用いた、平
行平板型プラズマCVD装置(図3参照)でSiN膜の
形成を行った場合の、膜中の水素量(赤外吸収スペクト
ルで、Si−N 100cm-1のピーク面積とSi−H
2000cm-1のピーク面積との比)と基板バイアス
との関係について示すものである。
【0075】この場合の成膜の条件は、たとえば、反応
ガスはSiH4 ガスを100sccm、NH3 ガスを5
00sccmの割合とし、成膜圧力を2torrとし、
基板温度を350℃とし、電極間距離を5mmとした。
【0076】また、13.56MHzの高周波電力は1
00W、350KHzの高周波電力は150Wに設定し
た。さらに、半導体処理基板51に印加される基板バイ
アスは、0〜−300Vとした。
【0077】この図からも明らかなように、基板バイア
スを上げると、SiN膜中の水素量は激減し、−200
V以上でほとんど「0」になることがわかった。また、
従来法における埋め込み可能なアスペクト比が0.7未
満であったのに対し、本発明の方法では、アスペクト比
「2」までの埋め込みが可能となることを確認できた。
【0078】さらに、Arなどのスパッタリング効果の
大きいガスや、CF4 などのハロゲン系のエッチング作
用の大きいガスを同時に用いるようにした場合において
は、さらに成膜形状は良好になり、アスペクト比「3」
までの埋め込みが可能となった。その他、この発明の要
旨を変えない範囲において、種々変形実施可能なことは
勿論である。
【0079】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、MOSゲートへのダメージがなく、高品質で、しか
も段差被覆性のより良好な半導体薄膜を形成することが
可能な薄膜形成装置および薄膜形成方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の薄膜形成装置の基本的構成を示す概
略図。
【図2】同じく、薄膜形成装置における電極内での空間
電位の分布を説明するために示す図。
【図3】この発明の一実施例にかかる平行平板型プラズ
マCVD装置を示す概略構成図。
【図4】同じく、平行平板型プラズマCVD装置を用い
て形成された、F添加SiO2膜中のFの濃度に対する
SiO2 膜の誘電率を説明するために示す図。
【図5】同じく、F添加SiO2 膜におけるFの濃度と
吸湿性との関係を説明するために示す図。
【図6】同じく、F添加SiO2 膜におけるFの濃度を
10at%として形成した場合の基板バイアス依存性と
吸湿性との関係、および成膜の直後におけるF添加Si
2 膜中のOHの濃度について、それぞれ説明するため
に示す図。
【図7】同じく、基板バイアスと埋め込み可能なアスペ
クト比との関係について説明するために示す図。
【図8】同じく、基板バイアスを−300Vにして形成
した場合の、電極間距離と埋め込み可能なアスペクト比
との関係について説明するために示す図。
【図9】同じく、Fの濃度を10at%として形成した
場合における、電極間距離と吸湿性との関係について説
明するために示す図。
【図10】平行平板型プラズマCVD装置でSiN膜の
形成を行った場合の、膜中の水素量と基板バイアスとの
関係について説明するために示す図。
【図11】従来技術とその問題点を説明するために示す
平行平板型プラズマCVD装置の概略構成図。
【図12】同じく、従来の平行平板型プラズマCVD装
置における電極内での空間電位の分布を説明するために
示す図。
【符号の説明】
11…反応室、11a…ガス供給口、11b…排気口、
12…カソード電極(第2の電極)、13…アノード電
極(第1の電極)、14…高周波電源、15,62…直
流電源、16,51…半導体処理基板、17…シャワー
ヘッド、21…チャンバ、22…対向電極(第2の電
極)、23…基板電極(第1の電極)、31…高周波電
源(13.56MHz用)、32…高周波電源(350
KHz用)、33,34…マッチングネットワーク、4
1…バルブ、42…ガス供給源、43…分散ノズル(シ
ャワーヘッド)、61…ヒータ、71…真空ポンプ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ化学気相成長法により半導体処
    理基板上に半導体薄膜を形成する装置において、 前記半導体処理基板を載置する第1の電極と、 この第1の電極に直流バイアス電圧を印加する直流電源
    と、 前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、 この第2の電極に高周波電力を印加する高周波電源とを
    具備し、 前記第1の電極上に載置される前記半導体処理基板が、
    励起したプラズマの空間電位が正負に変化している放電
    領域にくるようにしたことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の電極は、反応ガスを供給する
    シャワーヘッドを兼ね備えてなることを特徴とする請求
    項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波電源は、少なくとも2種類の
    高周波電力を印加できるように構成されてなることを特
    徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記第1,第2の電極は、相互の間隔距
    離が5mm以下に設定されることを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】 前記直流電源は、前記第1の電極に対し
    て0〜−300Vの直流バイアス電圧を印加するもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成装置。
  6. 【請求項6】 プラズマ化学気相成長法により半導体処
    理基板上に半導体薄膜を形成する装置において、 前記半導体処理基板を載置する第1の電極と、 この第1の電極に0〜−300Vの直流バイアス電圧を
    印加する直流電源と、 前記第1の電極に対向して5mm以下の間隔距離を有し
    て配置された第2の電極と、 この第2の電極に高周波電力を印加する高周波電源とを
    具備し、 前記第1の電極上に載置される前記半導体処理基板が、
    励起したプラズマの空間電位が正負に変化している放電
    領域にくるようにしたことを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 プラズマ化学気相成長法により半導体処
    理基板上に半導体薄膜を形成する方法において、 第1の電極に対向して配置された第2の電極に、高周波
    電源からの高周波電力を印加し、 その励起したプラズマの空間電位が正負に変化している
    放電領域に、前記半導体処理基板を載置し、 この状態で、前記第1の電極に直流電源からの直流バイ
    アス電圧を印加するようにしたことを特徴とする薄膜形
    成方法。
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