JP3388475B2 - 分波器 - Google Patents

分波器

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JP3388475B2
JP3388475B2 JP33224191A JP33224191A JP3388475B2 JP 3388475 B2 JP3388475 B2 JP 3388475B2 JP 33224191 A JP33224191 A JP 33224191A JP 33224191 A JP33224191 A JP 33224191A JP 3388475 B2 JP3388475 B2 JP 3388475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分波器に係り、より詳
細には、弾性表面波共振器により構成される弾性表面波
フィルタを用いた分波器に関する。
【0002】近年、自動車電話、携帯電話等の開発が進
められており、これらの小型通信機器には、送受信信号
の分岐あるいは挿入を行うための分波器が用いられてい
る。機器構成の小形化、高性能化の要請から、分波器の
構成部品にも小型化、高性能化が要請され、最近では弾
性表面波素子を用いたフィルタが多く用いられている。
弾性表面波フィルタとしては帯域通過フィルタが実用化
されており、それはトランスバーサル形と共振器形とに
大別でき、本発明は共振器形フィルタを用いた分波器に
関するものである。
【0003】
【従来の技術】図26に、分波器の一般的構成を示す。
図26に示すように、共通信号端子T 0 には共通接続点
a、bを共通点として弾性表面波フィルタF1 、F2
並列接続され、各弾性表面波フィルタF1 、F2 は信号
端子T1 、T2 をそれぞれ有している。弾性表面波フィ
ルタF1 、F2 は、図27に示すように、それぞれ互に
異なる帯域中心周波数f1 、f2 を有しており、共通信
号端子T0 から入力された信号は、弾性表面波フィルタ
1 、F2 によって周波数別に分波され、信号端子
1 、T2 より出力される。あるいは、共通信号端子T
0 から入力された信号は弾性表面波フィルタF2 のみ通
過されて信号端子T2 より出力され、あるいはまた、信
号端子T1 から入力された信号が弾性表面波フィルタF
1 を介して共通信号端子T0 に出力される。
【0004】このような分波器において、弾性表面波フ
ィルタF1 、F2 は分波器として構成される前と後とで
は同一の特性に維持される必要があり、並列接続される
ことによって特性上の変化があってはならない。
【0005】図26において、回路の特性インピーダン
スをZ1 、弾性表面波フィルタF1 、F2 のインピーダ
ンスをそれぞれZ2 、Z3 とすると、共通信号端子T0
側からみたインピーダンスは次の(1)式のように表わ
される。
【0006】
【数1】 弾性表面波フィルタF1 のフィルタ特性が分波器の構成
前と同じ特性になるためには、Z1 =Z2 となる必要が
ある。そのためには、(1)式を変形した次の(2)
式、
【0007】
【数2】 からわかるように、Z3 =∞でなければならない。同様
に、弾性表面波フィルタF2 のフィルタ特性が同じ条件
を満たすためには、(3)式、
【0008】
【数3】 からわかるように、Z2 =∞でなければならない。しか
し、弾性表面波フィルタF1 、F2 を構成する弾性表面
波フィルタF1 、F2 のインピーダンスは、図28に示
すように、周波数依存性、すなわち周波数によって変化
する性質をもっている。したがって、上記条件を満たす
各弾性表面波フィルタF1 、F2 の周波数に対するイン
ピーダンス特性は、フィルタ自身(例えば、弾性表面波
フィルタF1 )の通過帯域においては回路全体のインピ
ーダンスZ1 に近い値をもち、かつ、他方のフィルタ
(例えば、弾性表面波フィルタF2 )の通過帯域となる
阻止帯域においては、回路全体のインピーダンスZ1
りはるかに大きな値となることが必要である。
【0009】このような要請に対して、従来のトランス
バーサル型フィルタは、図27に示すように、必要な条
件を満たしていない。その条件を満足するためには、各
弾性表面波フィルタF1 、F2 にインピーダンス整合回
路が必要となる。
【0010】従来、このインピーダンス整合回路には、
L(インダクタンス)、C(コンデンサ)素子により位
相回転を行う回路、あるいは、線路長により位相回転を
行ない、かつ、LC素子により位相回転を行う回路が用
いられ、複雑な回路構成となっていた。
【0011】また、分波器を構成したときの各弾性表面
波フィルタF1 、F2 の特性を十分に生かすためには、
上述したように、一方の弾性表面波フィルタF1 の通過
帯域における他方の弾性表面波フィルタF2 の遮断特
性、すなわち、減衰量をできるだけ大きくする必要があ
るが、そのために従来ではフィルタを多段化する構成を
採用していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のトランスバーサ
ルフィルタにおいて、分波器構成上の条件を満たすため
の位相回転をL、C素子を用いて実現しようとすると、
位相回転の回転量が大きいため各フィルタの特性劣化を
招く問題がある。その結果、フィルタ自身の周波数に対
するインピーダンス特性の改善が必要となる。
【0013】さらに、遮断特性の改善を目的とするフィ
ルタの多段化は、挿入損失の増加とともに、チップサイ
ズの大型化を招来し、製造歩留りも悪くなる問題がある
ので、極力少ない素子数で所望の特性を得る必要があ
る。
【0014】本発明の目的は、フィルタの構成の簡素化
とともに所望の特性を確保しうる分波器を提供すること
にある。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため
に、 請求項に記載した発明は、図10、図12に示す
ように、共通信号端子と、一端子対形共振器からなる直
列共振器と一端子対形共振器からなる並列共振器とがラ
ダ一型に複数接続され、入力側の2端子が前記共通信号
子に接続され、出力側の2端子が第1の信号端子に
された第1の弾性表面波帯域通過フィルタと、一端子
対形共振器からなる直列共振器と一端子対形共振器から
なる並列共振器とがラダー型に複数接続され、入力側の
2端子が前記共通信号端子に接続され、出力側の2端子
が第2の信号端子に接続された第2の弾性表面波帯域通
過フィルタと、を有し、 前記第1の弾性表面波帯域通過
フィルタの中心周波数が前記第2の弾性表面波帯域通過
フィルタの中心周波数より小さく、 前記第1及び第2の
弾性表面波帯域通過フィルタを構成する直列共振器の
RSと並列共振器の数NRPとの関係を、前記第1の弾性
表面波帯域通過フィルタではNRS>NRPとし、かつ前記
第2の弾性表面波帯域通過フィルタではNRS≦NRPとし
て構成されている。また、請求項2に記載した発明は、
共通信号端子に弾性表面波共振器を用いて構成された複
数の帯域通過フィルタが互に並列的に接続され、前記帯
域通過フィルタの帯域中心周波数をf 1 、f 2 としたと
き両周波数がf 1 <f 2 なる関係を有する分波器であっ
て、前記各帯域通過フィルタを構成する直列弾性表面波
共振器の数N RS と並列弾性表面波共振器の数N RP との関
係を、帯域中心周波数f 1 の帯域通過フィルタにおいて
はN RS >N RP とし、かつ、帯域中心周波数f 2 の帯域通
過フィルタにあってはN RS ≦N RP として構成されてい
る。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【作用】 請求項1及び2記載の発明によれば、直列共振
器と並列共振器の数を調整することにより通過帯域外の
減衰度の制御が可能となる
【0035】
【0036】
【実施例】次に、本発明の実施例及び参考例を図面に基
づいて説明する。 〔I〕第1参考例 図1に本発明の第1参考例を示す。共通信号端子T0
は、共通接続点a、bを介して弾性表面波フィルタ
1、F2が並列に接続されており、各弾性表面波フィル
タF1、F2からは信号端子T1、T2がそれぞれ個別に導
出されている。
【0037】弾性表面波フィルタF1 、F2 は、くし形
電極および反射器を有する一端子対形共振器である直列
共振器RS0、並列共振器RP で構成される。直列共振器
S0は、弾性表面波フィルタF1 に並列な弾性表面波フ
ィルタF2 との共通接続点a、bの側に挿入されてい
る。つまり、共通信号端子T0 側からみたとき、直列共
振器RS0は初段の共振器に位置付けられる。この回路構
成は弾性表面波フィルタF2 についても同様である。各
直列共振器RS0と並列共振器R P の組合せは必要な段数
だけシリーズに接続されて各弾性表面波フィルタF1
2 を構成する。
【0038】弾性表面波フィルタF1 、F2 は、互いに
異なる帯域中心周波数を有しており、弾性表面波フィル
タF1 の帯域中心周波数f1 は、例えば、887〔MH
z〕、弾性表面波フィルタF2 の帯域中心周波数f
2 は、932〔MHz〕に設定され、f1 <f2 の関係
になっている。
【0039】直列共振器RS0、RS 、並列共振器RP0
P は、例えば、LT(リチウムタンタレート)基板上
にAl−2%Cu電極材料により形成されている。この
ように、他方のフィルタとの回路接続側に、直列共振器
S0を用いた場合の弾性表面波フィルタF1 、弾性表面
波フィルタF2 のスミスチャートを図2に示す。図2に
おいて、Pの領域が信号通過帯域であり、Aが低周波数
側の減衰帯域、Bが高周波数側の減衰帯域である。この
図2から、回路の特性インピーダンスは50〔Ω〕であ
り、これに対しての減衰帯域A、Bのインピーダンスが
大きな値をとることがわかる。このことは、分波器を構
成する場合に必要な各帯域通過フィルタのインピーダン
ス特性を満足することを意味する。
【0040】〔II〕第2参考例 先に述べたように、弾性表面波フィルタF1と弾性表面
波フィルタF2との間には、f1<f2の関係があり、か
つ、各帯域通過フィルタが図4に示すような特性の場
合、弾性表面波フィルタF1は弾性表面波フィルタF2
通過帯域周波数において高インピーダンスになっている
ため、弾性表面波フィルタF1側にはインピーダンス整
合回路Mは必要なく、弾性表面波フィルタF2の単独の
場合と同様の特性が得られる。
【0041】これに対して、弾性表面波フィルタF2
低周波数側の減衰帯域Aでは高インピーダンスとなって
おらず、クロストロークの可能性がある。そこで、低周
波数側の減衰帯域Aにおいて高インピーダンス化するた
めのインピーダンス整合回路Mが必要となる。
【0042】上記弾性表面波フィルタF2 の低周波数側
の減衰帯域Aを高インピーダンス化するためのインピー
ダンス整合回路Mを挿入した例を図3に示す。図3に示
すように、弾性表面波フィルタF2 と共通接続点a、b
との間にはインピーダンス整合回路Mが介在されてい
る。インピーダンス整合回路Mは、高インピーダンス要
素である位相回転用のL(インダクタンス)からなる。
インダクタンスLは、具体的には、例えば6〔nH〕程
度である。また、インダクタンスLはガラスエポキシ基
板またはセラミック基板上に金、タングステン(W)、
銅(Cu)等の金属ストリップラインにより形成され
る。なお、ストリップラインは、ガラスエポキシ基板の
場合、線幅0.5〔mm〕、長さ11〔mm〕程度であ
り、セラミック基板の場合、線幅0.2〔mm〕、長さ
6〔mm〕程度で実現できる。
【0043】このように、弾性表面波フィルタF2にイ
ンダクタンスL1個のみの簡単なインピーダンス整合回
路Mを挿入することで、図2(第1参考例)と図4(本
参考例)とを比較してわかるように、図4の矢印の方向
に位相を回転して弾性表面波フィルタF2の低周波数側
の減衰帯域A側の高インピーダンス化を図ることができ
る。直列共振器RS0を挿入したこととあいまって、遮断
帯域での高インピーダンス化が図れるので、分波器とし
て必要なインピーダンス特性を得ることができ、分波器
の構成後においても各弾性表面波フィルタF1、F2を単
独に存在する場合と同様の特性を維持することができ
る。そして、インピーダンス整合回路Mもインダクタン
スLのみでよいので、小型化が可能となる。
【0044】〔III〕第3参考例 図5に、本発明の第3参考例を示す。この参考例は、第
参考例(図3)における位相回転用インダクタンスL
の位相回転量の補正を行うためのコンデンサCを、弾性
表面波フィルタF2の直列共振器RS0とインダクタンス
Lとの間に、直列に挿入した例を開示する。
【0045】すなわち、インダクタンスLのみによる位
相回転では、適正なインピーダンス整合をとれない場合
があるため、図6のスミスチャートに示すように、ま
ず、コンデンサCにより矢印の方向に位相を回転させ、
次いでインダクタンスLにより位相回転させる。
【0046】このように、直列共振器RS0を用いたこと
により、インダクタンスLと位相回転量補正用コンデン
サCのみの簡単なインピーダンス整合回路Mでよく、し
たがって、分波器として必要な特性を保持しつつ分波器
を小型化することができる。
【0047】〔IV〕第4参考例 図7に第4の参考例を示す。この参考例は、弾性表面波
フィルタF1の弾性表面波フィルタF2との回路接続側に
直列共振器RS0を挿入し、弾性表面波フィルタF2の弾
性表面波フィルタF1との回路接続側に並列共振器RP0
を挿入し、かつ、弾性表面波フィルタF2と直列に位相
回転用線路Sを挿入した例である。
【0048】このように、弾性表面波フィルタF1 側に
のみ直列共振器RS0を挿入することによっても、弾性表
面波フィルタF1 の高周波数側の減衰帯域B側の高イン
ピーダンス化を図ることができる。この場合、弾性表面
波フィルタF2 の初段の共振器は共通信号端子T0 に並
列な並列共振器RP0であり、低周波数側の減衰帯域A
(F1 の通過帯域に相当する領域)では高インピーダン
スとならない。そこで、本実施例では、弾性表面波フィ
ルタF2 に直列に位相回転用線路Sが挿入されている。
【0049】この直列位相回転用線路Sによる位相回転
の方向は、図8に示すように、第2参考例(図3、図
4)の場合とは逆回りとなるが、図9に示すように、こ
の位相回転により弾性表面波フィルタF2のインピーダ
ンスは適正な値に整合がとられる。この場合の位相回転
用線路Sの長さは、ガラスエポキシ基板の場合25[m
m]程度、セラミック基板の場合16[mm]程度であ
った。
【0050】この場合にも、直列のインダクタンスLの
みでインピーダンス整合回路Mを構成することができ、
所定の分波器特性の維持とともに小型化が達成される。
また、本参考例の別の態様として、帯域通過フィルタF
1の直列共振器RS0と接続点a、bとの間に、並列に高
インピーダンス要素としてのインダクタンスLを、例え
ば、図3に示すごとく、接続する構成としてもよく、さ
らには、例えば、図5のように、インダクタンスLと直
列共振器RS0との間に直列にコンデンサCを挿入する構
成としてもよいことはこれまでの説明から明らかであ
る。
【0051】また、以上の参考例では、帯域通過フィル
タF1 帯域中心周波数f1を887[MHz]とし、帯
域通過フィルタF2の帯域中心周波数f2を932[MH
z]として例示したが、本発明はこれらの周波数割当
て、あるいは具体的数値に限定されるものではなく、各
フィルタF1、F2の帯域中心周波数f1、f2は任意の値
に設定することができる。
【0052】〔V〕実施例 図10〜図13に本発明に係る実施例を示す。この実施
例は直列共振器RS0、RS、並列共振器RPの数を調整す
ることにより、弾性表面波フィルタF1、F2の遮断帯域
であって、互いの通過帯域に相当する帯域での減衰量を
コントロールすることが可能な例を開示する。
【0053】弾性表面波フィルタF1、弾性表面波フィ
ルタF2が互いに共通接続点a、bを介して並列接続さ
れて分波器を構成する点は上述の各参考例と同様であ
る。例えば、図1あるいは図26を参照されたい。異な
るのは弾性表面波フィルタF1、弾性表面波フィルタF2
の内部構成である。
【0054】すなわち、弾性表面波フィルタF1 は図1
0に示すように、初段に直列共振器RS0を置き、直列共
振器の数NRS>並列共振器の数NRPとして関係をもって
回路が構成されている。このように、NRS>NRPとする
ことにより、図11に示すように、弾性表面波フィルタ
1 の高周波数側の減衰帯域Bのインピーダンスが大と
なり、したがって帯域Bの減衰量が増大する。
【0055】これに対して、弾性表面波フィルタF
2 は、図12に示すように、初段に直列共振器RS0を置
くのであるが、NRS≦NRPのように、直列共振器と並列
共振器との数の関係が弾性表面波フィルタF1 とは逆に
なっている。このように、NRS≦NRPとすることによ
り、図13に示すように、弾性表面波フィルタF2 の低
周波数側の減衰帯域Aのインピーダンスが大となり、し
たがって低周波数側の減衰帯域Aの信号が制御されて減
衰量が増大する。
【0056】以上の特性をもつ、弾性表面波フィルタF
1 、弾性表面波フィルタF2 を組合せた場合、互いにク
ロスする通過領域と遮断領域における特性が良好とな
り、分波器として必要な特性が維持される。
【0057】〔VI〕第5参考例 図14〜図16に第5の参考例を示す。この参考例は、
一方の弾性表面波フィルタF1の直列共振器RS0、直列
共振器RS、並列共振器RPの電極指の周期を変化(変
更)させて反共振周波数を他方の弾性表面波フィルタF
2の通過帯域付近に設定することにより、遮断帯域の減
衰量をコントロールするものである。つまり、反共振周
波数においては信号の通過量が減衰することを利用した
ものである。
【0058】図14、図15の例では、弾性表面波フィ
ルタF1 の直列共振器RS0、直列共振器RS の電極指の
周期は、4.42〔μm〕、並列共振器RP0、並列共振
器R P は4.60〔μm〕、反共振周波数を他のフィル
タ(F2 )付近にした直列共振器RS0の電極指の周期
は、4.30〔μm〕である。弾性表面波フィルタF2
の場合は、図16、図17に示すように、それぞれ4.
16〔μm〕、4.3〔μm〕、4.42〔μm〕であ
る。
【0059】この場合、弾性表面波フィルタF1 は問題
ないが、弾性表面波フィルタF2 単独では素子インピー
ダンスが通過帯域周波数において、回路の特性インピー
ダンスからずれるため、挿入損失等が増加するなどの特
性劣化が起こるが、インピーダンス整合回路Mであるイ
ンダクタンスLを図18に示すように挿入するので特性
は改善される(図19)。
【0060】〔VII〕第6参考例 図20に第6の参考例を示す。この参考例は弾性表面波
フィルタF2の阻止域減衰量を制御する方法として並列
共振器RPの共振周波数を弾性表面波フィルタF1の通過
帯域付近に設定する例である。これは、フィルタを構成
している並列共振器RPの内の少なくとも一つを他の並
列共振器に比べ対数を多くするか、もしくは開口長を大
きくする、あるいはその両方を行うことにより実現でき
る。この場合、電極指の周期は一定でよい。図20は並
列共振器RPの特性を変化させた場合の減衰量の変化を
示したものである。
【0061】図21〜図24に、本参考例の実験例を示
す。図21は並列共振器RPの開口長80〔μm〕で2
00対の例、図22は開口長160〔μm〕で150対
の例、図23は開口長160〔μm〕で200対の例、
図24は開口長80〔μm〕で150対の例である。い
ずれも、遮断帯域の改善がみられる。以上のように、本
発明の各参考及び実施例によれば、弾性表面波フィル
タF1、F2単独のときのフィルタ特性を分波器を構成し
た後においても維持することができ、その例を図25
(a)〜(d)に示す。図25(a)は弾性表面波フィ
ルタF1の単独の特性、同(b)は弾性表面波フィルタ
2の単独の特性、同(c)は分波器として接続した場
合の弾性表面波フィルタF1の特性、同(d)はその弾
性表面波フィルタF2の特性例である。
【0062】以上説明したように、請求項1又は2に記
載の発明によれば、一方の弾性表面波帯域通過フィルタ
内の直列共振器の数と並列共振器の数とを調整すること
により通過帯域外の減衰度の制御が可能となる。 従っ
て、分波器を構成した場合の夫々の弾性表面波帯域通過
フィルタの通過帯域外での減衰度、すなわちインピーダ
ンスを、インピーダンス整合回路が不要か、あるいはき
わめて簡単な構成で大きくすることが可能となり、弾性
表面波帯域通過フィルタのフィルタ特性を分波器構成後
においても維持することができると共に分波器としての
回路構成を簡素化することができ、よって必要な特性を
保持して小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す分波器の等価回路図
である。
【図2】第1実施例におけるフィルタのスミスチャート
である。
【図3】本発明の第2実施例を示す分波器の等価回路図
である。
【図4】第2実施例におけるフィルタのスミスチャート
である。
【図5】本発明の第3実施例を示す分波器の等価回路図
である。
【図6】第3実施例のフィルタF2 のスミスチャートで
ある。
【図7】本発明の第4実施例を示す分波器の等価回路図
である。
【図8】第4実施例のフィルタF2 のスミスチャートで
ある。
【図9】第4実施例のフィルタF2 の位相回転の様子を
示すスミスチャートである。
【図10】本発明の第5実施例におけるフィルタF1
構成を示す等価回路図である。
【図11】本発明の第5実施例におけるフィルタF1
フィルタ特性を示す回路図である。
【図12】本発明の第5実施例におけるフィルタF2
構成を示す等価回路図である。
【図13】本発明の第5実施例におけるフィルタF2
フィルタ特性を示す図である。
【図14】本発明の第6実施例におけるフィルタF1
構成を示す等価回路図である。
【図15】本発明の第6実施例におけるフィルタF1
フィルタ特性を示す図である。
【図16】本発明の第6実施例におけるフィルタF2
構成を示す等価回路図である。
【図17】本発明の第6実施例におけるフィルタF2
フィルタ特性を示す図である。
【図18】本発明の第6実施例におけるフィルタF2
インピーダンス整合回路を付加した例を示す等価回路図
である。
【図19】本発明の第6実施例におけるフィルタF2
分波器に構成した場合のフィルタ特性を示す図である。
【図20】本発明の第7実施例における共振点の移動の
様子を示す特性図である。
【図21】本発明の第7実施例の具体例を示すフィルタ
特性図である。
【図22】本発明の第7実施例の具体例を示すフィルタ
特性図である。
【図23】本発明の第7実施例の具体例を示すフィルタ
特性図である。
【図24】本発明の第7実施例の具体例を示すフィルタ
特性図である。
【図25】本発明の各実施例の効果を示すフィルタ特性
図である。
【図26】従来の一般的な分波器の構成を示すブロック
図である。
【図27】分波器の各フィルタの特性図である。
【図28】従来のトランスバーサルフィルタのスミスチ
ャートである。
【符号の説明】
a、b…共通接続点 f1 …帯域中心周波数 f2 …帯域中心周波数 lh 、lc …信号線 F1 …弾性表面波フィルタ F2 …弾性表面波フィルタ C…キャパシタンス L…インダクタンス M…インピーダンス整合回路 RS0…直列共振器 RS …直列共振器 RP0…並列共振器 RP …並列共振器 T0 …共通信号端子 T1 …信号端子 T2 …信号端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 勉 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 松田 隆志 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 高松 光夫 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−40912(JP,A) 特開 昭57−148403(JP,A) 特開 昭52−19044(JP,A) 特開 平2−20111(JP,A) 特開 昭63−132515(JP,A) 実開 昭52−79047(JP,U) 疋田光孝「800MHz帯ポータブル電 話用SAW分波器」電子情報通信学会技 術研究報告 US87−17 pp15−22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通信号端子と、 一端子対形共振器からなる直列共振器と一端子対形共振
    器からなる並列共振器とがラダ一型に複数接続され、入
    力側の2端子が前記共通信号端子に接続され、出力側の
    2端子が第1の信号端子に接続された第1の弾性表面波
    帯域通過フィルタと、 一端子対形共振器からなる直列共振器と一端子対形共振
    器からなる並列共振器とがラダー型に複数接続され、
    力側の2端子が前記共通信号端子に接続され、出力側の
    2端子が第2の信号端子に接続された第2の弾性表面波
    帯域通過フィルタと、を有し、 前記第1の弾性表面波帯域通過フィルタの中心周波数が
    前記第2の弾性表面波帯域通過フィルタの中心周波数よ
    り小さく、 前記第1及び第2の弾性表面波帯域通過フィルタを構成
    する直列共振器の数N RS と並列共振器の数N RP との関係
    を、前記第1の弾性表面波帯域通過フィルタではN RS
    RP とし、かつ前記第2の弾性表面波帯域通過フィルタ
    ではN RS ≦N RP とする ことを特徴とする分波器。
  2. 【請求項2】 共通信号端子に弾性表面波共振器を用い
    て構成された複数の帯域通過フィルタが互に並列的に接
    続され、前記帯域通過フィルタの帯域中心周波数をf
    1 、f 2 としたとき両周波数がf 1 <f 2 なる関係を有
    する分波器であって、 前記各帯域通過フィルタを構成する直列弾性表面波共振
    器の数N RS と並列弾性表面波共振器の数N RP との関係
    を、帯域中心周波数f 1 の帯域通過フィルタにおいては
    RS >N RP とし、かつ、帯域中心周波数f 2 の帯域通過
    フィルタにあってはN RS ≦N RP として構成したことを特
    徴とする分波器。
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