JP2001500697A - 表面波共振器を備えたリアクタンスフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 表面波共振器Ｒ１乃至Ｒ５を備え、反射器の間に省略重み付けされた標準指トランスジューサが使用されている、特に分岐接続（はしご形）されたリアクタンスフィルタにおいて、（スタティックキャパシタンスとダイナミックキャパシタンス）とのキャパシタンス比を変更するためのインタデジタル・トランスジューサの活性電極指の配置及び数が、フィルタ帯域幅の減少が得られるように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】 表面波共振器を備えたリアクタンスフィルタ この発明は、請求項１の上位概念によるリアクタンスフィルタに関する。この ようなフィルタを広帯域システムに、特に（はしご形）分岐接続されたフィルタ として使用することは公知である。狭帯域フィルタを得るために、アルミニウム 以外の他の電極材料を使用し、金属膜厚を減少する試みが行われてきた。基板材 料の変更もまたこの研究に含められていた。 この発明の課題は、特に分岐接続（はしご形）された狭帯域フィルタとして形 成されている冒頭に挙げた種類のリアクタンスフィルタを提供することにある。 この課題は、この発明によれば、請求項１の特徴事項によって解決される。 この場合それぞれの共振器は特にワンポート共振器として構成され、インタデ ジタル形トランスジューサの有効電極指の配置及び数によって（スタティック・ キャパシタンスのダイナミック・キャパシタンスに対する）キャパシタンス比が 、狭いフィルタ帯域幅が得られるように設定されている。さらに、各共振器のイ ンタデジタル形トランスジューサの電極指の配置により阻止領域レベルの改善を 得ることができる。 リアクタンスフィルタを分岐接続（はしご形）されたフィルタとして形成する 場合、音響波路を介して出力が伝達されないから、挿入ロスの減少が得られる。 電極材料としてはアルミニウム或いはアルミニウム合金、例えばアルミニウム・ 銅合金が使用される。適切な基板材料はＬｉＴａＯ₃（３６°回転ＹＸ）或いは ＬｉＴａＯ₃（Ｘ１１２．２°Ｙ）である。他の従来の圧電基板材料、例えばカ ット（６４°回転ＹＸ）或いは（ＹＺ）を持つＬｉＮｂＯ₃もまた使用すること ができる。電極の相対金属膜厚（中間周波数における金属膜厚と波長との比）は 、好ましくは、約０．０５から０．１、特に０．０７或いは０．０９がよい。分 岐接続のフィルタにおいて１．６％の相対３−ｄＢ−帯域幅を得ることができる 。このことから送受切換器、特にコードレス電話器用送受切換器において有利な 使用が考えられる。ここで得られた最小挿入ロスは約２．５ｄＢである。 フィルタ用に使用されたワンポート共振器のスタティック・キャパシタンスと ダイナミック・キャパシタンスとの比は、省略重み付けした標準電極指のトラン スジューサを使用することにより、従来に比して、明らかに狭帯域の分岐接続さ れたフィルタが得られるように変えることができる。 図面において実施例を参照してこの発明を詳しく説明する。図面において、図 １はこの発明の実施例において使用される省略重み付けされた標準電極指のトラ ンスジューサを備えた共振器の電極構成を、 図２はこの発明の実施例である、分岐接続（はしご形）されたリアクタンスフィ ルタの回路図、 図３は図１及び２の実施例の伝達関数を、 図４はこの発明の他の実施例を、 図５は従来のフィルタ及び図４の実施例の伝達関数を、そして 図６は図４の実施例において重み付けされた共振器に使用されるインタデジタル 形トランスジューサのフィルタ構造を示す。 図２の実施例が示すように、５つのワンポート共振器Ｒ１乃至Ｒ５が分岐接続 （はしご形回路）に互いに接続されている。３つの共振器Ｒ１、Ｒ３、Ｒ５は入 力から出力までの信号路に直列に接続されている。２つの共振器Ｒ２、Ｒ４は並 列接続され、直列回路とアースとの間に配置される。両並列共振器Ｒ２、Ｒ４の 端子はそれぞれ外側の２つの直列共振器Ｒ１、Ｒ５の１つと中央の直列共振器Ｒ ３との間に接続される。直列共振器Ｒ１、Ｒ３及びＲ５は同一のキャパシタンス 比を持っている。両並列共振器Ｒ２、Ｒ４は直列共振器より大きなキャパシタン ス比を持っている。それぞれのキャパシタンス比は適当な重み付けにより得られ る。 活性群の適当な数、それらの配置並びに所望の伝達関数の点に関する電極指の 数により、分岐接続された従来のフィルタに較べて、リアクタンスフィルタの選 択性の改善を得ることができる。この伝達関数は図３に示されている。このフィ ルタは５０Ωに自動的に合わせられている。挿入ロスは約２．５ｄＢである。相 対３−ｄＢ−帯域幅は約１．６％である。相対金属膜厚は０．０９である。 図１にはワンポート共振器が、省略重み付けを説明するために、このフィルタ に使用されたワンポート共振器Ｒ１乃至Ｒ５（図２）を代表して示されている。 図１から分かるように、インタデジタル形トランスジューサＩＤＷにおいては、 省略重み付けは特にインタデジタル形トランスジューサＩＤＷの両外側の領域Ａ において行われている。その間にある中央領域ではインタデジタル形トランスジ ューサは同一の構造を持っている。ワンポート共振器を完全にするために終端反 射器Ｒが設けられている。 図４に示された実施例では、２つの直列共振器Ｒ２、Ｒ４が、入力から出力の 信号路に直列に接続されている。さらに、３つの並列共振器Ｒ１、Ｒ３、Ｒ５が 設けられている。共振器Ｒ１の一方の側は入力と第一の直列共振器２の間に接続 されている。第二の並列共振器Ｒ３は２つの直列共振器の間に接続され、第三の 並列共振器Ｒ５は出力と第二の直列共振器Ｒ４との間に接続されている。並列共 振器の他の側はアースに接続されている。 分岐接続されたフィルタのこの実施例では並列共振器Ｒ１、Ｒ３及びＲ５は重 み付けされていない。これらの共振器のトランスジューサは単一形状のトランス ジューサである。直列共振器Ｒ２及びＲ４のトランスジューサは重み付けされて いる。これらは同一の重み付けを持っている。並列共振器においては中央の並列 共振器Ｒ３は両外側の並列共振器Ｒ１及びＲ５よりも電極指の数が少ない。 図６には、図４の重み付けされた共振器Ｒ２及びＲ４に使用される、省略重み 付けされたインタデジタル形トランスジューサＩＤＷの実施例の電極指構造が示 されている。図６に示されるように、インタデジタル形トランスジューサＩＤＷ の外側の領域に比較的重く重み付けされた部分があり、この重み付けはトランス ジューサの中央に向かって次第に減少して行く。省略重み付けをされたこの領域 部分Ｂは図１の実施例の場合よりも長く設定されている。このトランスジューサ はその中央領域において標準電極指構造を持っている。 図５には、従来のフィルタの伝達関数Ｓ１と０．０７の相対金属膜厚を持つ図 ４に示された実施例の伝達関数Ｓ２を示す。これより分かるように、この発明に よるフィルタにおいては右側の移行領域において立ち下がりの急峻度が改善され ており、帯域幅の減少が行われている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピッチ、マキシミリアン ドイツ連邦共和国 デー―83700 ロタッ ハ―エゲルン リサーコーゲルシュトラー セ ２

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．反射器の間にインタデジタル形トランスジューサが配置されている表面波共 振器を備え、この共振器の少なくとも１つのインタデジタル形トランスジューサ が重み付けされた標準電極指トランスジューサとして形成されていることを特徴 とするリアクタンスフィルタ。 ２．インタデジタル形トランスジューサが省略重み付けされた標準電極指トラン スジューサ（ＩＤＷ）として形成されていることを特徴とする請求項１記載のリ アクタンスフィルタ。 ３．インタデジタル形トランスジューサ（ＩＤＷ）の（スタティックキャパシタ ンスのダイナミックキャパシタンスに対する）キャパシタンス比を変えるための 活性電極指の配置及び数が、狭いフィルタ帯域幅が得られるように設定されてい ることを特徴とする請求項１又は２記載のリアクタンスフィルタ。 ４．省略重み付けがインタデジタル形トランスジューサ（ＩＤＷ）の両端部分（ Ａ、Ｂ）に設けられていることを特徴とする請求項１乃至３の１つに記載のリア クタンスフィルタ。 ５．複数の共振器（Ｒ１〜Ｒ５）が分岐接続（はしご形）に互いに接続され、少 なくとも１つの共振器が重み付けされたトランスジューサを備えていることを特 徴とする請求項１乃至４の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 ６．３つの共振器（Ｒ１、Ｒ３、Ｒ５）が直列に、２つの共振器（Ｒ２、Ｒ４） が互いに並列に接続されていることを特徴とする請求項５記載のリアクタンスフ ィルタ。 ７．両外側の直列共振器（Ｒ１、Ｒ５）が同じ大きさの重み付けをされているこ とを特徴とする請求項６記載のリアクタンスフィルタ。 ８．直列接続の中央の共振器（Ｒ３）が直列接続の外側の２つの直列共振器（Ｒ １、Ｒ５）と同じ重み付けをされているが、その電極指の数が後者より少ないこ とを特徴とする請求項６又は７記載のリアクタンスフィルタ。 ９．両並列共振器（Ｒ２、Ｒ４）が同じ大きさの重み付けをされていることを特 徴とする請求項６乃至８の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 １０．並列共振器（Ｒ２、Ｒ４）が直列共振器（Ｒ１、Ｒ３、Ｒ５）より強く重 み付けされていることを特徴とする請求項６乃至９の１つに記載のリアクタンス フィルタ。 １１．２つの共振器（Ｒ２、Ｒ４）が直列に、３つの共振器（Ｒ１、Ｒ３、Ｒ５ ）が互いに並列に接続されていることを特徴とする請求項５記載のリアクタンス フィルタ。 １２．直列共振器（Ｒ２、Ｒ４）のみが重み付けされたトランスジューサ（ＩＤ Ｗ）を備えていることを特徴とする請求項１１記載のリアクタンスフィルタ。 １３．それぞれのトランスジューサ（ＩＤＷ）が終端部分（Ｂ）において外側か ら内側に向かって減少する重み付けをされていることを特徴とする請求項１１又 は１２記載のリアクタンスフィルタ。 １４．共振器の電極材料がアルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴 とする請求項１乃至１３の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 １５．相対金属膜厚が約０．０５乃至０．１であることを特徴とする請求項１４ 記載のリアクタンスフィルタ。 １６．共振器の基板材料がＬｉＴａＯ₃、特にカット（３６°回転ＸＹ）成いは （Ｘ１１２．°Ｙ）を持つＬｉＴａＯ₃であることを特徴とする請求項１乃至１ ５の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 １７．共振器の基板材料がＬｉＮｂＯ₃、特にカット（６４°回転ＸＹ）或いは （ＹＺ）を備えたＬｉＮｂＯ₃であることを特徴とする請求項１乃至１５の１つ に記載のリアクタンスフィルタ。 １８．共振器（Ｒ１〜Ｒ５）がワンポート共振器として形成されていることを特 徴とする請求項１乃至１７の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 １９．その構成がＣＴ１＋Ｔｘ−フィルタとして形成されていることを特徴とす る請求項１乃至１８の１つに記載のリアクタンスフィルタ。 ２０．デュプレクサに使用されることを特徴とする請求項１乃至１９の１つに記 載のリアクタンスフィルタ。