JP3387161B2 - 耐候性樹脂組成物 - Google Patents

耐候性樹脂組成物

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JP3387161B2
JP3387161B2 JP19245393A JP19245393A JP3387161B2 JP 3387161 B2 JP3387161 B2 JP 3387161B2 JP 19245393 A JP19245393 A JP 19245393A JP 19245393 A JP19245393 A JP 19245393A JP 3387161 B2 JP3387161 B2 JP 3387161B2
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薫 松永
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性及び耐衝撃性に優
れた耐候性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、不飽和カルボン酸アルキルエス
テル単量体を主体として構成される不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル系共重合体は、その優れた透明性、加工
のし易さ、耐候性などの点を活かして、照明器具、自動
車の外装部品、看板、各種装飾品等に利用されている。
【0003】しかしながら、不飽和カルボン酸アルキル
エステル系共重合体は、このような長所を有する反面、
衝撃強度が低いという欠点がある。
【0004】そこで、従来、この欠点を改良するため
に、ポリブタジエンなどのジエン系ゴムの存在下に不飽
和カルボン酸アルキルエステル単量体、芳香族ビニル単
量体、シアン化ビニル単量体などをグラフト共重合して
なるMABS樹脂組成物に、そのMABS樹脂組成物の
屈折率と近接した屈折率を持つ不飽和カルボン酸アルキ
ルエステル系共重合体を配合してなる樹脂組成物が提案
されている(例えば特公昭42−19248号公報、特
公昭44−19547号公報等)。しかし、この組成物
では、耐衝撃性の向上は図れたものの、ジエン系ゴムの
有する不飽和性により、紫外線や空気中の酸素によって
劣化して変色するなどの所謂耐候性が悪いという致命的
な欠点を有している。
【0005】そこで、このようなゴム強化による耐衝撃
性樹脂組成物に耐候性を付与するために、ベースゴムと
してジエン系ゴムの代わりに非共役ジエンゴムを用い
て、この非共役ジエンゴムの屈折率と、このゴムにグラ
フト重合するアクリル酸アルキルエステル系単量体を必
須とする単量体混合物からなる重合体の屈折率との差を
0.005以内と限定して近接させることにより、耐候
性及び透明性を有する熱可塑性樹脂を製造する方法が提
案されていた(特開昭59−187012号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開昭59−187012号公報記載の方法では、非共役
ジエンゴムの屈折率が単量体混合物の重合体の屈折率に
比べて著しく低いことから、屈折率を近接させるために
は、単量体混合物の組成が極めて限られた範囲に限定さ
れてしまい、その結果、耐衝撃性や耐熱性等の機械的物
性と透明性とのバランスが良好で、諸特性に優れた樹脂
を得ることはできなかった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、耐衝
撃性、透明性に優れた耐候性樹脂組成物を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】請求項1の耐候
性樹脂組成物は、芳香族ビニル重合体を内包してなる、
ゲル含有率30〜80%、ゴム粒子径500〜8000
Åの非共役ジエン系ゴムに、不飽和カルボン酸アルキル
エステル単量体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニ
ル単量体のうち、少なくとも不飽和カルボン酸アルキル
エステル単量体を含む単量体をグラフト重合して得られ
るグラフト共重合体を含むことを特徴とする。
【0009】請求項2の耐候性樹脂組成物は、請求項1
に記載の組成物において、前記グラフト共重合体に、不
飽和カルボン酸アルキルエステル単量体、芳香族ビニル
単量体及びシアン化ビニル単量体のうち、少なくとも不
飽和カルボン酸アルキルエステル単量体を含む重合体又
は共重合体を配合してなることを特徴とする。
【0010】請求項3の耐候性樹脂組成物は、請求項1
に記載の組成物において、ゴム相とマトリックス相との
屈折率の差が0.01以内であることを特徴とする。
【0011】請求項4の耐候性樹脂組成物は、請求項2
に記載の組成物において、ゴム相とマトリックス相との
屈折率の差が0.01以内であることを特徴とする。
【0012】請求項5の耐候性樹脂組成物は、請求項1
ないし4のいずれか1項に記載の組成物において、前記
非共役ジエン系ゴムが、非共役ジエン系ゴムラテックス
に、芳香族ビニル単量体又は架橋剤を含んだ芳香族ビニ
ル単量体と、パーオキシケタール系及び/又はパーオキ
シエステル系の油溶性有機過酸化物を回分的又は非回分
的にて添加し、80〜130℃で反応させて得られるも
のであることを特徴とする。
【0013】即ち、本発明者らは耐候性、耐衝撃性及び
透明性の均衡に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するべ
く鋭意検討した結果、特定のゲル含有率及び粒子径を持
つ非共役ジエン系ゴムに芳香族ビニル重合体を内包させ
ることにより、ゴム相部の屈折率を高め、また、不飽和
カルボン酸アルキルエステル単量体を必須することによ
ってマトリックス部の屈折率を低下させて双方の屈折率
を近接させることで上記目的に十分合致した熱可塑性樹
脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0014】以下に本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明で用いる非共役ジエン系ゴムとして
は、エチレン−プロピレン共重合体、ジシクロペンタジ
エンやエチリデンノンボルネン等の非共役ジエン成分を
含むエチレン−プロピレン三元共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリブチルアクリレートに代表され
るアクリル酸アルキルエステル重合体、塩素化ポリエチ
レン等を挙げることができる。これらのうち、特に、エ
チレン−プロピレン共重合体及びエチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合体が好ましい。
【0016】本発明においては、上記非共役ジエン系ゴ
ムをラテックス化して使用する。ここで、非共役ジエン
系ゴムラテックスの製法に関しては特に制限はなく、公
知の方法を用いることができる。例えば、乳化剤の存在
下で非共役ジエン系ゴムに機械的剪断力を与えて水中に
微細に分散安定化させてラテックス化するのが一般的で
ある。なお、非共役ジエン系ゴムラテックスのゴム粒子
径は、500〜8000Åの範囲とする。この粒子径が
500Å未満のものを用いた場合には、得られる樹脂組
成物に十分な衝撃強度が発現せず、8000Åを超える
ものでは重合が不安定となり透明性が著しく低下する。
【0017】芳香族ビニル重合体を内包してなる非共役
ジエン系ゴムを製造するには、このような非共役ジエン
系ゴムラテックスに芳香族ビニル単量体又は架橋剤を含
んだ芳香族ビニル単量体とパーオキシケタール系及び/
又はパーオキシエステル系の油溶性有機過酸化物を回分
的又は非回分的に添加し、80〜130℃の温度で公知
の乳化重合法により反応させれば良い。
【0018】ここで、芳香族ビニル単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニ
ルトルエン等を用いることができ、これらのうち特にス
チレンを用いるのが好ましい。
【0019】また、パーオキシケタール系の油溶性有機
過酸化物としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2
−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレイト等
が挙げられる。一方、パーオキシエステル系の油溶性有
機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシネオデカノ
エート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサネート、t
−ブチルパーオキシネオヘキサネート、t−ヘキシルパ
ーオキシピバレート、クミルパーオキシオクタエート、
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサネート)、t
−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパ
ーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等が挙げ
られる。
【0020】本発明で使用される芳香族ビニル重合体を
内包してなる非共役ジエン系ゴムは架橋されている必要
がある。架橋されていないものを用いた場合には、得ら
れる樹脂組成物は衝撃強度の発現性に劣り、また、高温
で成形した場合に成形品の外観に著しい欠陥を生じる。
架橋の程度は、ゲル含有率で示して30〜80%の範囲
とする。ゲル含有率が30%未満のものを用いた場合に
は、得られる樹脂組成物の成形異方性が著しくかつ透明
性に劣ることになり、80%を超えるものでは芳香族ビ
ニル単量体を重合させる際にうまく内包できず屈折率の
調整ができない。
【0021】本発明で使用される芳香族ビニル重合体を
内包してなる非共役ジエン系ゴムの架橋方法としては特
に制限はないが、好ましくは、芳香族ビニル重合体を内
包させる前に非共役ジエン系ゴムを架橋させておく。芳
香族ビニル重合体を内包させる時点や芳香族ビニル重合
体を内包させた後のみに架橋を行なっても、架橋活性点
の消失等が生じて、得られる樹脂組成物の衝撃強度や透
明性等の物性の向上に望ましい架橋が得られにくい。
【0022】非共役ジエン系ゴムの架橋に用いる架橋剤
としては、付加重合性を有する不飽和基を複数個有し、
その各不飽和基の重合性がほぼ同じか、差の小さい単量
体が好ましく、具体例としてはジビニルベンゼンやトリ
アリルシアヌレート等が挙げられる。この架橋剤の添加
量については特に制限はないが、非共役ジエン系ゴム1
00重量部に対し架橋剤3.0重量部未満が好ましい。
この添加量が3.0重量部を超えるとゴム的性質が失わ
れ、得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。
【0023】芳香族ビニル重合体を内包してなる非共役
ジエン系ゴムにおける芳香族ビニル重合体と非共役ジエ
ン系ゴムとの組成比については特に制限はないが、非共
役ジエン系ゴム50〜90重量%、芳香族ビニル重合体
50〜10重量%であることが好ましい。非共役ジエン
系ゴムが50重量%未満ではゴム的性質が失われ、得ら
れる樹脂組成物の耐衝撃性が大きく低下する。また、非
共役ジエン系ゴムが90重量%を超えると、得られる樹
脂組成物の屈折率が上昇せず透明性が著しく低下する。
【0024】本発明において、芳香族ビニル重合体を内
包してなる非共役ジエン系ゴムにグラフト重合する単量
体のうち、芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエン
等が挙げられる。また、シアン化ビニル単量体として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げら
れる。更に、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0025】非共役ジエン系ゴムとこれらの単量体の組
成比は、特に制限はないが、非共役ジエン系ゴム20〜
70重量%に対して単量体を総量で80〜30重量%で
あることが好ましい。
【0026】また、全単量体中における各単量体の組成
比についても、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量
体を必須として含むものであれば良く、特に制限はない
が、シアン化ビニル単量体0〜50重量%、芳香族ビニ
ル単量体0〜60重量%、不飽和カルボン酸アルキルエ
ステル単量体5〜100重量%であることが好ましい。
シアン化ビニル単量体が50重量%を超えるとグラフト
重合の際安定に重合できず、得られる樹脂組成物の耐候
性も悪くなる。芳香族ビニル単量体が60重量%を超え
ると、その屈折率が高いことから十分な透明性が得られ
ない。不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体が5重
量%より少なくても、マトリックス相の屈折率をゴム相
と近接できず透明性が得られない。
【0027】更に、得られる樹脂組成物の耐熱性、剛性
等の物性バランスを考慮した場合、単量体の最も好まし
い組成範囲は、 シアン化ビニル単量体 15〜35重量% 芳香族ビニル単量体 10〜40重量% 不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体 40〜60重量% である。
【0028】芳香族ビニル重合体を内包してなる非共役
ジエン系ゴムに上記単量体をグラフト重合してなるグラ
フト共重合体は公知の乳化重合法により得られる。
【0029】本発明の耐候性樹脂組成物は、このような
グラフト共重合体に、更に、不飽和カルボン酸アルキル
エステル単量体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニ
ル単量体のうち、少なくとも不飽和カルボン酸アルキル
エステル単量体を含む重合体又は共重合体を配合してな
るものであっても良い。
【0030】ここで、芳香族ビニル単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニ
ルトルエン等を挙げることができる。シアン化ビニル単
量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等が挙げられる。更に、不飽和カルボン酸アルキルエス
テル単量体としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げる
ことができる。
【0031】前記グラフト共重合体に不飽和カルボン酸
アルキルエステル単量体、芳香族ビニル単量体及びシア
ン化ビニル単量体よりなる二元又は三元共重合体を配合
する場合、その三元共重合体における各単量体の組成比
については特に制限はないが、シアン化ビニル単量体5
〜50重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量
体、或いは、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
及び芳香族ビニル単量体95〜50重量%とするのが好
ましい。シアン化ビニル単量体が50重量%を超える
と、得られる樹脂組成物の成形性が著しく悪化し、耐衝
撃強度も低下する。また、シアン化ビニル単量体が5重
量%未満では耐熱性及び機械的強度が著しく低下する。
本発明においては、特に、シアン化ビニル単量体20〜
30重量%、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
10〜40重量%、芳香族ビニル単量体40〜60重量
%の三元共重合体を配合するのが好ましい。この三元共
重合体の製造方法としては特に制限がなく、乳化重合
法、懸濁重合法、塊状重合法等の公知の重合法が使用で
きる。
【0032】前記グラフト共重合体に配合する上記重合
体又は共重合体の配合割合は、前記グラフト共重合体1
00重量部に対して上記重合体又は共重合体400重量
部以下、特に、100〜250重量部とするのが好まし
い。この配合割合が400重量部を超えると衝撃強度が
著しく低下し、好ましくない。
【0033】本発明の耐候性樹脂組成物は、特に、ゴム
相とマトリックス相との屈折率の差が0.01以内とな
るように各成分の配合組成を調整するのが好ましい。
【0034】
【実施例】以下に製造例、実施例、比較例及び参考例を
挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はその要
旨を超えない限り、以下の実施例により何ら制限される
ものではない。
【0035】なお、以下において、「%」、「部」はそ
れぞれ「重量%」、「重量部」を表す。また、ラテック
スの粒子径については、電子顕微鏡観察により測定した
粒子径とそのラテックスの希釈溶液(0.15g/l)
の波長540nmにおける吸光度との関係から検量線を
作成し、ラテックスの吸光度を測定して検量線から求め
た。ゴム成分のゲル含有率はゴムラテックスを希硫酸に
て水洗、乾燥した後、これを1g採取し、200mlの
トルエン中に100℃で5時間浸漬し、次いで200メ
ッシュのステンレス金網にて濾過し、残渣を乾燥、秤量
することによって求めた。屈折率はアッペ屈折計により
20℃で測定した。光透過率は、厚さ3mmの射出成形
品を用いて分光光度計により光波長700nmで測定し
た。アイゾット衝撃強度はASTM D−256に従っ
て測定した。更に、耐候性試験は、サンシャインウェザ
ーメーター(スガ試験機(株)製「WEL−SUN−H
C型」)を用い、400時間暴露後の1/8”アイゾッ
ト衝撃強度の保持率[400時間暴露後の衝撃強度/暴
露前の衝撃強度×100]で示し、1/8”アイゾット
衝撃強度はASTM D−256に準じて測定した。ま
た、成形品熱変形温度(HDT)は、ASTM 648
−56(18.6kg/cm2 )に準じて測定した。
【0036】製造例1架橋剤を含む芳香族単量体を内包してなる非共役ジエン
系ゴム状重合体の製造 次の各処方に従ってゴム状重合体を製造した。
【0037】 EPDMゴムラテックス(ゲル含有
率:40%,粒子径:3500Å,エチリデン ノンボ
ルネン使用)61部(固形分として)を反応釜に装入
し、イオン交換水92部を加え、窒素置換を実施した
後、反応釜を100℃に昇温し別に調製した1,1,ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンを0.70部含むスチレン39部、ジビニ
ルベンゼン0.61部の窒素置換された単量体混合物を
180分にわたって連続的に滴下した。更に、125℃
に昇温し90分間攪拌を続けるとスチレンの重合率は9
3%に達した。重合終了後、このラテックスの一部をメ
チルアルコール中に投じて未反応物を抽出除去しメチル
アルコールで洗浄、乾燥後ゴム状重合体(A−1)を得
た。このゴム状重合体(A−1)をプレス機にてフィル
ムにした後、屈折率を測定した結果1.525の値であ
った。
【0038】 EPDMゴムラテックス(ゲル含有
率:60%,粒子径:6000Å,エチリデン ノンボ
ルネン使用)65部(固形分として)を反応釜に装入
し、イオン交換水102部及びt−ブチルパーオキシピ
バレート0.34部を加え、窒素置換を実施した後、別
に窒素置換したスチレン35部を加え、反応釜温度を6
5℃に昇温した。120分経過後、80℃に昇温し、更
に、60分攪拌を続けると重合率は90%に達した。重
合終了後、このラテックスの一部をメチルアルコール中
に投じて未反応物を抽出除去し、メチルアルコールで洗
浄、乾燥後、ゴム状重合体(A−2)を得た。このゴム
状重合体(A−2)をプレス機にてフィルムにした後、
屈折率を測定した結果1.521の値であった。
【0039】 EPDMゴムラテックス(ゲル含有
率:70%,粒子径:3500Å,ジシクロペンタジエ
ン使用)65部(固形分として)を反応釜に装入し、イ
オン交換水84部を加え、窒素置換を実施した後、反応
釜を100℃に昇温し、別に調製した1,1,ビス(t
−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン0.65部、ジビニルベンゼン1.32部、スチ
レン44部からなる窒素置換された単量体混合物を18
0分にわたって連続的に滴下した。滴下終了後、125
℃に昇温し、更に60分間攪拌を続けるとスチレンの重
合率は91%に達した。重合終了後、このラテックスの
一部をメチルアルコール中に投じて未反応物を抽出除去
し、メチルアルコールで洗浄、乾燥後、ゴム状重合体
(A−3)を得た。このゴム状重合体(A−3)をプレ
ス機にてフィルムにした後、屈折率を測定した結果1.
528の値であった。
【0040】製造例2グラフト共重合体の製造 次の処方に従ってグラフト共重合体を製造した。
【0041】 製造例1で得られたスチレンを内包し
てなるEPDMゴムラテックス(A−2)24.6部
(固形分として)を反応釜に装入し、イオン交換水25
0部とオレイン酸カリウム1.5部を加え希釈し、反応
釜内温を70℃に昇温した。別に調製したアクリロニト
リル(AN)/スチレン(ST)/メチルメタアクリレ
ート(MMA)=25/27/48(部)からなるグラ
フト重合用単量体混合液75.4部にベンゾイルパーオ
キサイド0.43部を溶解後窒素置換した。この単量体
混合液を150分で滴下した。全単量体混合液の滴下終
了後、反応釜内温を80℃に昇温し、30分間攪拌を続
けグラフト共重合体ラテックスを得た。重合率は90
%、屈折率は1.525であった。得られたグラフト共
重合体ラテックスを80℃,0.6%硫酸水溶液中に攪
拌しながら投入し、凝固、脱水、洗浄、乾燥を行なっ
て、グラフト共重合体(B−1)を得た。
【0042】 製造例1で得られたスチレンを内包し
てなるEPDMゴムラテックス(A−1),(A−
2),(A−3)を各々62.11部,60.61部,
64.10部(固形分として)を反応釜に装入し、イオ
ン交換水250部とオレイン酸カリウム1.5部を加え
希釈し反応釜内温を70℃に昇温した。別に調製したア
クリロニトリル(AN)/スチレン(ST)/メチルメ
タアクリレート(MMA)=25/27/48からなる
グラフト重合用単量体混合液各々37.89部,39.
39部,35.90部にベンゾイルパーオキサイド0.
25部を溶解後窒素置換した。この単量体混合液を15
0分で滴下した。全単量体混合液の滴下終了後、反応釜
内温を80℃に昇温し30分間攪拌を続け、各々グラフ
ト共重合体ラテックスを得た。各々のラテックスを80
℃,0.6%硫酸水溶液中に攪拌しながら投入し、凝
固、脱水、洗浄を行ない乾燥して、グラフト共重合体
(B−2),(B−3),(B−4)を得た。重合率は
各々93%,95%,92%であった。
【0043】製造例3共重合体の製造 次の処方に従って共重合体を製造した。
【0044】表1に示す組成よりなる単量体混合物10
0部にt−ドデシルメルカプタン0.1部及びベンゾイ
ルパーオキサイド0.3部を加えた後、ポリビニルアル
コールを懸濁剤として0.1部添加して、80℃,8時
間で懸濁重合を行なった。その後、脱水,乾燥して共重
合体(C−1),(C−2),(C−3),(C−
4),(C−5),(C−6)を得た。
【0045】
【表1】
【0046】実施例1〜6,参考例1〜3 上記で得られたグラフト共重合体及び三元共重合体を表
2に示す割合で配合し、樹脂成分100部に対して、ス
テアリン酸カルシウム1.0部、酸化マグネシウム0.
1部、フェノール系酸化防止剤0.1部、紫外線吸収剤
0.5部を加え、バンバリーミキサーで5分間混合した
後、ロールミルにてシートにしペレタイザーにてペレッ
ト化した。
【0047】次いで、各ペレットについてシリンダー温
度240℃、金型温度50℃の条件での射出成形に供
し、各試験片を作成した後、各々の試験片についての特
性の評価を行なった。樹脂組成物の組成及び物性並びに
諸特性を表2に示す。表2から明らかなように、本発明
の請求範囲内の樹脂組成物はいずれも透明性、耐衝撃性
及び耐候性のバランスに優れている。
【0048】なお、参考例1においては、メチルメタク
リレートの含有量が多くなり、耐衝撃性及び耐熱性に劣
る。参考例2,3においては、ゴム相とマトリックス相
との屈折率の差が0.01を超えることから、透明性が
劣る。
【0049】比較例1〜4 芳香族ビニル重合体を内包する非共役ジエン系ゴム(A
−2)の製造プロセスを省略し、(A−2)の製造で使
用したEPDMラテックス(ゲル含有率:60%,粒子
径:6000Å,エチリデン ノンボルネン使用)(A
−4)又はポリブタジエンラテックス(ゲル含有率:6
0%,粒子径:3200Å)(A−5)を50部(固形
分として)用いたことを除いては、上記実施例又は参考
例と全く同様にしてペレットを得、同様に評価を行なっ
た。
【0050】樹脂組成物の組成及び物性並びに諸特性を
表3に示す。表3から明らかなように、比較例1におい
ては、EPDMゴムの屈折率が低いことから、マトリッ
クス相との屈折率との差が大きく、透明性に劣る。ま
た、比較例2及び3においては、ポリブタジエンゴム使
用のため、耐候性に著しく劣っている。比較例4におい
ては、ゴム相とマトリックス相との屈折率の差が0.0
1を超えることから、透明性が著しく劣る。
【0051】比較例5,6 EPDMゴムラテックスのゲル含有率が、20%又は8
5%のものを用いたことを除けば、実施例2と全く同様
にしてペレットを得、同様に評価を行なった。
【0052】樹脂組成物の組成及び物性並びに諸特性を
表3に示す。表3より明らかなように、比較例5におい
ては、ゲル含有率20%で成型時にゴム形状を維持でき
ないことから、耐衝撃性が著しく劣った。また、比較例
6においては、ゲル含有率85%と非常に高いことか
ら、芳香族ビニル単量体のゴム成分への浸透性が低く、
実質の芳香族ビニル重合体の内包量が少なくなって、ゴ
ム相の屈折率とマトリックス相の屈折率の差が大きく、
透明性が劣る。
【0053】比較例7,8 EPDMゴムラテックスの粒子径が400Å又は110
00Åのものを用いたことを除けば、実施例3と全く同
様にしてペレットを得、同様に評価を行なった。
【0054】樹脂組成物の組成及び物性並びに諸特性を
表3に示す。表3より明らかなように、比較例7におい
ては、ゴム粒子径400Åと非常に小さいことから、十
分な衝撃強度を発現しない。また、比較例8において
は、ゴム粒子径が11000Åと非常に大きく、重合が
不安定となって凝集物等ができやすく、透明性等の外観
が著しく劣る。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の耐候性樹脂
組成物によれば、芳香族ビニル重合体を非共役ジエン系
ゴムに内包することにより、ゴム相の屈折率とマトリッ
クス相の屈折率を近接させることが容易となり、透明性
に優れ、衝撃強度等の物性バランスにも優れた樹脂組成
物を得ることができる。また、非共役ジエン系ゴムを使
用していることから耐候性にも優れた樹脂組成物が得ら
れる。
フロントページの続き (72)発明者 後藤 日出夫 山口県宇部市大字沖宇部字沖の山525− 14 宇部サイコン株式会社宇部工場内 (56)参考文献 特開 平5−59247(JP,A) 特開 平4−351651(JP,A) 特開 平3−174421(JP,A) 特開 平5−17654(JP,A) 特開 昭57−36146(JP,A) 特開 平5−310865(JP,A) 特開 平5−320457(JP,A) 特開 昭59−187012(JP,A) 特開 平4−65451(JP,A) 特開 平3−157444(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/04 - 51/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ビニル重合体を内包してなる、ゲ
    ル含有率30〜80%、ゴム粒子径500〜8000Å
    の非共役ジエン系ゴムに、不飽和カルボン酸アルキルエ
    ステル単量体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル
    単量体のうち、少なくとも不飽和カルボン酸アルキルエ
    ステル単量体を含む単量体をグラフト重合して得られる
    グラフト共重合体を含むことを特徴とする耐候性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組成物において、前記
    グラフト共重合体に、不飽和カルボン酸アルキルエステ
    ル単量体、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量
    体のうち、少なくとも不飽和カルボン酸アルキルエステ
    ル単量体を含む重合体又は共重合体を配合してなること
    を特徴とする耐候性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の組成物において、ゴム
    相とマトリックス相との屈折率の差が0.01以内であ
    ることを特徴とする耐候性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の組成物において、ゴム
    相とマトリックス相との屈折率の差が0.01以内であ
    ることを特徴とする耐候性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の組成物において、前記非共役ジエン系ゴムが、非共役
    ジエン系ゴムラテックスに、芳香族ビニル単量体又は架
    橋剤を含んだ芳香族ビニル単量体と、パーオキシケター
    ル系及び/又はパーオキシエステル系の油溶性有機過酸
    化物を回分的又は非回分的にて添加し、80〜130℃
    で反応させて得られるものであることを特徴とする耐候
    性樹脂組成物。
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