JP3387159B2 - エンジン用回転角度位置検出装置 - Google Patents

エンジン用回転角度位置検出装置

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JP3387159B2 JP19143093A JP19143093A JP3387159B2 JP 3387159 B2 JP3387159 B2 JP 3387159B2 JP 19143093 A JP19143093 A JP 19143093A JP 19143093 A JP19143093 A JP 19143093A JP 3387159 B2 JP3387159 B2 JP 3387159B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン用回転角度
位置検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種のエンジン用回転角度
位置検出装置として、特公平2−38888号公報及び
特開昭61−25017号公報が開示されている。
【0003】即ち、前者公報の回転角度位置検出装置で
は、エンジンの一回転中の基準角度位置で基準パルス信
号を出力するとともに、エンジンが一定角度回転する毎
にパルス信号を出力する回転角センサを備えている。そ
して、CPUは、回転角センサからのパルス信号をカウ
ントするとともに、そのカウント値が所定値になったと
きに、基準パルス信号に応じて基準角度位置を検出する
ようになっている。
【0004】一方、後者公報の回転角度位置検出装置で
は、所謂欠歯タイプのパルサ(回転体)が用いられ、回
転角センサは歯の通過毎にパルス信号を出力する。即
ち、パルサの円周上には等角度で歯が多数形成され、そ
の一部には基準角度位置に相当する欠歯部が設けられて
いる。そして、CPUは、パルス信号の入力毎に、前回
のパルス間隔と今回のパルス間隔とを比較し、両パルス
間隔の比が一定値以上となった場合にその回転角度を基
準角度位置(欠歯部)と判定するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各公報
の回転角度位置検出装置では、以下のような問題が生じ
る。
【0006】先ず、前者公報(特公平2−38888号
公報)では、エンジン始動時における基準角度位置が精
度良く検出できないという問題がある。即ち、エンジン
始動時には、回転開始位置が不明であり、パルス信号の
カウント値が所定値に達する前に基準角度位置が通過す
る場合がある。この場合、基準角度位置を検出すること
ができず、エンジン始動当初のエンジン制御に悪影響を
及ぼすおそれがあった。
【0007】一方、後者公報(特開昭61−25017
号公報)では、パルス信号の入力毎に基準角度位置(欠
歯部)の判定が実施されるため、必要でないとき(基準
角度位置でないとき)もその判定処理が行われることに
なる。その結果、CPUの演算処理負荷が過大になると
いう問題が生じる。特に、近年ではエンジンの噴射制御
の精度や燃費等を向上させるために、パルサの歯数を大
幅に増やし高分解能にする傾向があるが、この場合、パ
ルサを高分解能にする程又はエンジンが高回転になる
程、演算処理負荷の増大という問題が顕著になる。
【0008】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、エンジン始動
時において基準角度位置を確実に検出するとともに、
回転時には基準角度位置の検出処理のための演算処理負
荷を軽減することができるエンジン用回転角度位置検出
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、図9に示すように、円周
上に回転角度を表す歯が等間隔で多数形成されるととも
に、その一部に基準角度位置に相当する欠歯部が設けら
れ、エンジンM1の運転に伴い回転する回転体M2と、
前記回転体M2の回転に伴い、当該回転体M2の歯の通
過毎に信号を出力する回転角センサM3と、前記回転角
センサM3からの信号をパルス信号に波形整形する波形
整形回路M4と、前記波形整形回路M4からのパルス信
号を入力し、同パルス信号の入力毎に前記回転体M2の
回転角度位置の検出のための演算処理を実施する演算処
理手段M5とを備えたエンジン用回転角度位置検出装置
において、前記演算処理手段M5は、エンジンM1の停
止状態からエンジンM1の始動が特定されるまでの間
あれば、前記波形整形回路M4からのパルス信号のパル
ス間隔とその一つ前のパルス間隔との比に応じて前記基
準角度位置を検出する第1の基準位置検出手段M6と、
エンジンM1の始動が特定された後であれば、前記波形
整形回路M4からのパルス信号の入力毎に同パルス信号
をカウントし、そのカウント値が所定値になったときに
はじめてパルス信号のパルス間隔とその一つ前のパルス
間隔との比に応じて前記基準角度位置を検出する第2の
基準位置検出手段M7とからなることを要旨とするもの
である。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発
明において、前記エンジンの停止状態からエンジンの始
動が特定されるまでの間は、エンジンの停止状態から基
準角度位置が確定するまでの間であることを要旨とする
ものである。 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記エンジンの停止状態から正常なる
基準位置検出が複数回連続することにより、基準角度位
置が確定することを要旨とするものである。 請求項4に
記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
発明において、前記第2の基準位置検出手段は、エンジ
ンの始動が特定された後において、前記波形整形回路か
らのパルス信号をカウントすることにより基準角度位置
を推測し、そのカウント値が、基準角度位置が存在する
べきタイミングに対応した値になるときに、パルス信号
のパルス間隔とその一つ前のパルス間隔との比に応じ
前記基準角度位置を検出することを要旨とするものであ
る。 請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明に
おいて、エンジンの始動が特定された後において、前記
基準角度位置が存在するべきタイミングに前記基準角度
位置が検出されない場合には、異常が発生したとみなし
てパルス信号毎に毎回基準角度位置の検出処理を行うこ
とを要旨とするものである。
【0010】
【作用】上記請求項1に記載の発明によれば、エンジン
M1の運転に伴い回転体M2が回転し、回転角センサM
3が回転体M2の歯の通過毎に信号を出力する。波形整
形回路M4は回転角センサM3からの信号を波形整形し
てパルス信号を生成する。演算処理手段M5は、パルス
信号の入力毎に回転体M2の回転角度位置の検出のため
の演算処理を実施する。詳しくは、演算処理手段M5を
構成する第1の基準位置検出手段M6は、エンジンM1
の停止状態からエンジンM1の始動が特定されるまでの
であれば、波形整形回路M4からのパルス信号のパル
ス間隔とその一つ前のパルス間隔との比に応じて基準角
度位置を検出する。又、同じく演算処理手段M5を構成
する第2の基準位置検出手段M7は、エンジンM1の始
動が特定された後であれば、波形整形回路M4からのパ
ルス信号をカウントし、そのカウント値が所定値になっ
たときにはじめてパルス信号のパルス間隔とその一つ前
のパルス間隔との比に応じて基準角度位置を検出する。
【0011】即ち、エンジン始動時においては、パルス
信号の入力毎に基準角度位置の判定処理が実施される。
その結果、エンジン始動時の回転体の停止位置に関係な
く、エンジン始動時における基準角度位置が確実に検出
される。
【0012】又、エンジン始動後においては、所定のパ
ルスカウント周期にて基準角度位置の判定処理が実施さ
れ、基準角度位置の検出時以外ではパルス信号のカウン
ト処理のみが実施される。要するに、基準角度位置の判
定処理は、パルス間隔の演算処理や前後2回のパルス間
隔の比の演算処理を伴うため、パルス信号のカウント処
理に比べて演算処理負荷が大きくなる。そのため、本発
明のように必要時のみに基準角度位置の判定処理を行う
ことで、演算処理負荷の大幅な軽減が図られる。請求項
2に記載の発明によれば、基準角度位置の確定前には、
回転体の停止位置に関係なく精度高く検出処理が行われ
て基準角度位置の確定がなされる。一方、確定後におい
ては、その確定された基準角度位置に基づいて必要な位
置のみの検出処理が可能となり、処理負荷を効率的に低
減できる。 請求項3に記載の発明によれば、基準角度位
置の確定を信頼性高く行うことができる。 請求項4に記
載の発明によれば、基準角度位置として推定されるタイ
ミングを狙って効率的な検出処理を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、推定される基準角度位
置タイミングにおいて、基準角度位置が検出されなかっ
た場合に、迅速にリカバリーが可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明のエンジン用回転角度位置検出
装置をディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ制御装置に
具体化した一実施例について、図面を用いて説明する。
【0014】図1は、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポ
ンプ制御装置の構成を概略的に示した図である。エンジ
ン1のクランク軸1aには、回転体としてのパルサ2が
取り付けられている。パルサ2の円周上には、角度情報
としての「0」番から「6」番までの7個の歯2aが形
成されている。なお、各歯2aは等間隔(45°CA間
隔)で設けられているが、「0」番の歯2aと「6」番
の歯2aとの間には基準角度位置に相当する90°CA
間隔の欠歯部2bが設けられている。又、パルサ2の円
周近くには、回転角センサ3が対向配置されており、パ
ルサ2が図1の時計回り方向に回転すると、回転角セン
サ3はパルサ2の歯2aの通過毎に図2に示す回転角検
出信号を出力する。
【0015】ECU(電子制御装置)4は、波形整形回
路5とCPU(中央処理装置)6とを有しており、回転
角センサ3から出力された回転角検出信号はECU4の
波形整形回路5に入力される。そして、波形整形回路5
は、回転角検出信号を波形整形して図2に示す矩形状の
パルス信号を生成する。このパルス信号はCPU6に割
り込み信号として入力される。
【0016】CPU6は、演算処理手段、第1の基準位
置検出手段及び第2の基準位置検出手段を構成してお
り、メモリに記憶された各種演算プログラムに基づいて
演算処理を行う。そして、CPU6は、前記パルス信号
に基づいてエンジン1の基準角度位置を検出する。又、
CPU6は、燃料噴射ポンプ7の燃料噴射量を算出し、
その燃料噴射量に従い燃料噴射ポンプ7の電磁スピル弁
(図示略)を開閉制御する。
【0017】次いで、図3〜図5のフローチャート及び
図6,図7のタイムチャートを用いてCPU6の処理動
作を説明する。CPU6は、図示しないキースイッチの
オン動作(エンジン始動)に伴い図3に示す燃料噴射ポ
ンプ制御ルーチンを実行する。即ち、図3において、C
PU6はステップ100で燃料噴射ポンプ7の燃料噴射
制御を実施する。詳しくは、CPU6は、図示しない噴
射量二次元マップを用い、エンジン1の運転状態(例え
ば、エンジン回転数及び吸入空気量)に応じた燃料噴射
量を算出する。そして、算出された燃料噴射量に基づい
て燃料噴射ポンプ7の電磁スピル弁を駆動させ、エンジ
ン1に燃料を供給する。
【0018】又、CPU6は、ステップ110にてエン
ジン1が停止状態になったか否かを判別する。具体的に
は、エンジン回転数が所定値(例えば、100rpm)
以下であれば、CPU6はエンジン1が停止状態になっ
たとみなしてステップ110を肯定判別し、ステップ1
20に進む。そして、CPU6はステップ120でエン
ジン停止フラグFENSTを「1」にセットする。な
お、FENST=「1」の状態はキースイッチのオフ後
も保持されるようになっている。
【0019】一方で、CPU6は、波形整形回路5から
のパルス信号の立ち上がりのタイミングにて割り込みを
かけ、図4及び図5に示す基準角度位置の検出ルーチン
を実行する。なお、図6はエンジン始動時におけるCP
U6内の動作を示すタイムチャートであり、図6におい
て時間t1はエンジン始動のタイミング(クランキング
開始のタイミング)を示している。又、図7はエンジン
始動後(通常運転時)におけるCPU6内の動作を示す
タイムチャートである。
【0020】さて、図4,5のルーチンにおいて、CP
U6は、先ずステップ201でエンジン停止フラグFE
NSTが「1」であるか否かを判別する。この場合、F
ENST=「1」であれば、CPU6はエンジン始動時
とみなして図5のステップ210に進み、又、FENS
T=「0」であれば、エンジン始動後とみなしてステッ
プ202に進む。ここで、図4のステップ202〜20
9の処理はエンジン1の通常運転時におけるCPU6の
処理を示し、図5のステップ210〜221の処理はエ
ンジン1の始動運転時における処理を示すものである。
【0021】そして、エンジン1の始動当初(図6の時
間t1)には、FENST=「1」であるため、CPU
6はステップ210に進みパルス間隔TNINTn (図
2に示す隣りあうパルス信号間の所要時間)を算出する
ととも、そのパルス間隔TNINTn を「1/1.5」
倍する。なお、パルス間隔TNINTの添字「n 」は、
今回の処理であることを表している。
【0022】CPU6は、続くステップ211でステッ
プ210にて算出した「TNINTn /1.5」と、前
回処理時のパルス間隔TNINTn-1 とを比較し、(T
NINTn /1.5)>TNINTn-1 であるか否かを
判別する。即ち、このステップ211では、今回と前回
のパルス間隔TNINTn ,TNINTn-1 の比から現
在の回転角位置がパルサ2の欠歯部2bの位置(基準角
度位置)であるか否かが判別される。そして、(TNI
NTn /1.5)≦TNINTn-1 であれば、CPU6
は欠歯部2bの位置でないとみなしてステップ212に
進み、パルスカウンタCNIRQの値が「6」以上であ
るか否を判別する。ここで、パルスカウンタCNIRQ
の値は、本来、パルス信号数に対応しており、CNIR
Q=「6」は6番目のパルス信号に相応するものであ
る。
【0023】そして、ステップ212が否定判別された
場合(CNIRQ<「6」の場合)、CPU6はステッ
プ213にてパルスカウンタCNIRQを「1」インク
リメントした後、ルーチンを終了する。又、ステップ2
12が肯定判別された場合(CNIRQ≧「6」の場
合)、CPU6はステップ214にてパルスカウンタC
NIRQを「0」にクリアした後、ルーチンを終了す
る。
【0024】又、ステップ211で(TNINTn /
1.5)>TNINTn-1 であれば、CPU6は欠歯部
2bの位置であるとみなしてステップ215に進み、パ
ルスカウンタCNIRQの値が「6」以上であるか否か
を判別する。このとき、ステップ215が否定判別され
れば(CNIRQ<「6」の場合)、CPU6は続くス
テップ216で後述するエンジン停止後サイクルカウン
タCENSTを「0」にクリアするとともに、ステップ
217でパルスカウンタCNIRQを「0」にクリアす
る。即ち、図6において、時間t1におけるエンジン1
の停止位置が「4」番目のパルス位置の直前であった場
合、時間t2ではCNIRQ=「3」となる。しかし、
ステップ211で欠歯検出がなされているので、パルス
カウンタCNIRQは「3」から「0」にクリアされ
る。そして、CPU6は、この時間t2の回転角位置を
エンジン始動時における最初の基準角度位置とする。
【0025】その後(図6の時間t2以後)、CPU6
は処理毎にステップ211で欠歯判定を行い、ステップ
211を否定判別した場合、ステップ212〜214に
てパルスカウンタCNIRQのカウント処理を実施す
る。又、ステップ211及び215が共に肯定判別され
ると、即ち、欠歯部2bの位置であり且つCNIRQ≧
「6」となると、CPU6はステップ218に進みエン
ジン停止後サイクルカウンタCENSTを「1」インク
リメントする。なお、エンジン停止後サイクルカウンタ
CENSTは、エンジン始動時における正常なる欠歯検
出回数をカウントするものであって、エンジン始動当初
(図6の時間t1)には「0」にクリアされている。
【0026】その後、CPU6は、ステップ218から
ステップ219に進み、エンジン停止後サイクルカウン
タCENSTの値が「3」以上であるか否かを判別す
る。そして、図6の時間t3,t4では、ステップ21
9が否定判別され(時間t3ではCENST=「1」,
時間t4ではCENST=「2」)、CPU6はステッ
プ217に進んでパルスカウンタCNIRQを「0」に
クリアした後、ルーチンを終了する。なお、図6の時間
t3,t4では、ステップ211及び215が共に肯定
判別されることになり、CPU6はこのときの回転角位
置を基準角度位置とする。
【0027】又、図6の時間t5では、ステップ219
が肯定判別され(CENST=「3」)、CPU6はス
テップ220,221でエンジン停止フラグFENST
及びエンジン停止後サイクルカウンタCENSTを共に
「0」にクリアする。即ち、図6の時間t5では、正常
なる欠歯検出が3回転以上続いたことになり、CPU6
はエンジン停止フラグFENSTを「0」にクリアする
ことで、一連の(ステップ210〜221)のエンジン
始動時における欠歯位置(基準角度位置)の判定処理を
終了する。
【0028】なお、ステップ211が肯定判別されたに
もかかわらず、ステップ215が否定判別された場合
(CNIRQ<「6」の場合)には、CPU6は正常な
る欠歯検出が行われていないものとして、ステップ21
6でエンジン停止後サイクルカウンタCENSTを
「0」にクリアする。そして、ステップ217でパルス
カウンタCNIRQを一旦「0」にクリアした後、ルー
チンを終了する。
【0029】要するに、エンジン始動時には、エンジン
1の停止状態における欠歯部2bの位置が不明になって
いる。そこで、エンジン始動時にはエンジン停止フラグ
FENSTを「1」にセットし、パルス信号の割り込み
処理毎に欠歯判定を行う。そして、欠歯部2bが正常な
位置で3回転以上検出された後に、エンジン停止フラグ
FENSTを「0」にクリアする。
【0030】一方、エンジン停止フラグFENSTのク
リア後(図6の時間t5以後)、CPU6は図4のステ
ップ201からステップ202に進み、パルスカウンタ
CNIRQの値が「6」以上であるか否かを判定する。
そして、ステップ202が否定判別された場合(CNI
RQ<「6」の場合)、CPU6は欠歯判定を行うタイ
ミングではないとみなしてステップ208に進む。又、
ステップ202が肯定判別された場合(CNIRQ≧
「6」の場合)、CPU6はステップ203に進み、ス
テップ203,204にて今回と前回のパルス間隔TN
INTn ,TNINTn-1 に基づいて欠歯判定を行う。
なお、このステップ203,204は、前述した図5の
ステップ210,211と同様の処理であるため、ここ
では説明を省略する。
【0031】そして、ステップ204が肯定判別された
場合(欠歯部2bが検出された場合)、CPU6はステ
ップ207に進み、フェイルフラグFCHKを「0」に
クリアした後、ステップ206に進む。なお、フェイル
フラグFCHKは、パルスカウンタCNIRQの値と欠
歯検出のタイミングとがずれた場合に、即ち、異常が発
生した場合に、「1」にセットされるものである。よっ
て、ステップ202及び204が共に肯定判別される場
合、CPU6は欠歯検出が正常に行われたものとみな
し、FCHK=「0」とする。その後、CPU6は、ス
テップ206でパルスカウンタCNIRQを「0」にク
リアしてルーチンを終了する。
【0032】又、ステップ204が否定判別された場
合、CPU6はステップ205に進み、フェイルフラグ
FCHKを「1」にセットする。即ち、例えば図7の時
間t6でパルス信号にノイズ信号Nが重畳された場合で
あれば、パルスカウンタCNIRQの値が図7に破線で
示す如くカウントされ、CPU6は時間t7でCNIR
Q=「6」と判別する。この場合、CPU6は、パルス
カウンタCNIRQの値と欠歯検出のタイミングとがず
れて異常が発生したとみなして、図7の時間t7でFC
HK=「1」とする。その後、CPU6は、ステップ2
06でパルスカウンタCNIRQを「0」にクリアして
ルーチンを終了する。
【0033】又、CPU6は、ステップ208でフェイ
ルフラグFCHKの状態を判別する。そして、FCHK
=「0」であれば、CPU6はステップ209でパルス
カウンタCNIRQを「1」インクリメントした後、ル
ーチンを終了する。又、FCHK=「1」であれば、C
PU6はステップ203に進み、欠歯判定を行う。即
ち、FCHK=「1」となった場合には、FCHK=
「1」の期間(図7の時間t7〜t8)内で欠歯判定の
処理がパルスカウンタCNIRQの値に関係なく毎回実
施される。そして、FCHK=「0」にクリアされる図
7の時間t8で、CPU6はそのときの回転角位置を基
準角度位置とする。
【0034】次に、エンジン始動後における演算処理の
負荷について説明する。図4にはフローチャート上のス
テップ番号(201〜209)の横に実際のプログラム
上の処理ステップ数を示す(例えば、ステップ201で
の処理ステップ数は「5」)。なお、説明の便宜上、正
常なる処理が実施される場合(FCHK=「0」)につ
いてのみ説明する。又、エンジン始動時には、パルス信
号のパルス間隔が比較的大きく演算処理負荷に関する不
都合が少ないことから、これについても省略する。
【0035】図4に記載した実際のプログラム上の処理
ステップ数によれば、ステップ203,204の欠歯判
定処理の負荷は、他の処理(例えば、パルスカウンタC
NIRQのカウント処理等)に比べてかなり大きいのが
分かる。これは、欠歯判定の際のパルス間隔TNINT
n の演算処理や、前後2回のパルス間隔TNINTn,
TNINTn-1 の比の演算処理にかかる負荷が大きいた
めである。そして、CNIRQ=「0」〜「5」での演
算処理負荷を計算すると、CPU6がステップ201→
202→208→209の順に進むことから、処理ステ
ップ数の合計は「21」ステップとなる。又、CNIR
Q=「6」では、CPU6がステップ201→202→
203→204→207→206の順に進むことから、
処理ステップ数の合計は「61」ステップとなる。従っ
て、エンジン1の一回転当たりの合計処理ステップ数を
計算すると、「187」ステップ(=「21」ステップ
×6回+「61」ステップ)となる。
【0036】これに対して、比較のために示した図8の
従来の演算処理では、CPU6は、処理毎にステップ3
01,302にて欠歯判定を行う。そして、欠歯が検出
された場合にはステップ304に進んでパルスカウンタ
CNIRQを「0」にクリアし、欠歯が検出されない場
合にはステップ303に進んでパルスカウンタCNIR
Qを「1」インクリメントする。この図8の場合、CP
U6は、パルスカウンタCNIRQの値に関係なく、毎
回同じ処理を行うので処理ステップ数は毎割り込み処理
とも同じとなり「45」ステップとなる。又、エンジン
1の一回転当たりの合計処理ステップ数を計算すると、
「315」ステップ(=「45」ステップ×7回)とな
る。
【0037】そして、この従来の数値を本実施例の処理
ステップ数(「187」ステップ)と比較すると、本実
施例の処理では約40%もの処理時間が低減されること
が分かる。即ち、本実施例では、必要時にのみ、演算負
荷の大きいステップ203,204の処理を実施したこ
とにより、全体としての演算負荷の軽減が実現される。
【0038】以上詳述したように、本実施例の回転角度
位置検出装置では、エンジン始動時において、パルス信
号の入力毎に、パルス信号のパルス間隔TNINTn と
その一つ前のパルス間隔TNINTn-1 との比に応じて
基準角度位置(パルサ2の欠歯部2b)を検出するよう
にした。又、エンジン始動後においては、パルス信号の
入力毎にパルス信号をカウントし、そのカウント値が所
定値(CNIRQ=「6」)になるときにパルス信号の
パルス間隔TNINTn とその一つ前のパルス間隔TN
INTn-1 との比に応じて基準角度位置を検出するよう
にした。
【0039】その結果、エンジン始動時には、そのとき
のパルサ2の停止位置に関係なく基準角度位置を確実に
検出することができる。又、エンジン始動後には、演算
負荷の大きい基準角度位置の判定処理を必要時のみ実施
することで、演算負荷の大幅な軽減を図ることができ
る。
【0040】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲内において
次の様態にて具体化してもよい。上記実施例では歯数
「7」のパルサに具体化したが、例えば歯数「100
0」以上の高分解能パルサに具体化してもよい。この場
合、歯数が「1000」であれば、従来の処理(図8の
処理)では「45000」ステップかかるものが、本実
施例の処理(図4の処理)では「21040」ステップ
となり、約55%もの処理時間が低減されることにな
る。即ち、本発明の回転角度位置検出装置では、パルサ
が高分解能になる程、高い効果を得ることができる。
【0041】又、上記実施例では、ディーゼルエンジン
用の燃料噴射制御に用いたが、他の制御、例えばガソリ
ンエンジン用の点火時期制御等に用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、エンジン始動時にお
いて基準角度位置を確実に検出するとともに、高回転時
には基準角度位置の検出処理のための演算負荷を軽減す
ることができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン用回転角度位置検出装置を具
体化した一実施例を概略的に示す構成図である。
【図2】回転角センサと波形整形回路の出力信号を示し
た波形図である。
【図3】燃料噴射ポンプの制御ルーチンを示したフロー
チャートである。
【図4】基準角度位置を検出するための割り込みルーチ
ンを示したフローチャートである。
【図5】図4に引き続き、基準角度位置を検出するため
の割り込みルーチンを示したフローチャートである。
【図6】エンジン始動時におけるCPUの動作を示した
タイミチャートである。
【図7】エンジン始動後におけるCPUの動作を示した
タイムチャートである。
【図8】従来のCPUの処理を示したフローチャートで
ある。
【図9】クレームに対応したブロック図である。
【符号の説明】
1…エンジン、2…回転体としてのパルサ、2a…歯、
2b…欠歯部、3…回転角センサ、5…波形整形回路、
6…演算処理手段,第1の基準位置検出手段,第2の基
準位置検出手段としてのCPU。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−125947(JP,A) 特開 昭61−25017(JP,A) 特開 平1−277662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/22 G01D 5/245 F02D 45/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周上に回転角度を表す歯が等間隔で多
    数形成されるとともに、その一部に基準角度位置に相当
    する欠歯部が設けられ、エンジンの運転に伴い回転する
    回転体と、 前記回転体の回転に伴い、当該回転体の歯の通過毎に信
    号を出力する回転角センサと、 前記回転角センサからの信号をパルス信号に波形整形す
    る波形整形回路と、 前記波形整形回路からのパルス信号を入力し、同パルス
    信号の入力毎に前記回転体の回転角度位置の検出のため
    の演算処理を実施する演算処理手段とを備えたエンジン
    用回転角度位置検出装置において、 前記演算処理手段は、エンジンの停止状態からエンジンの始動が特定されるま
    での間 であれば、前記波形整形回路からのパルス信号の
    パルス間隔とその一つ前のパルス間隔との比に応じて前
    記基準角度位置を検出する第1の基準位置検出手段と、エンジンの始動が特定された後 であれば、前記波形整形
    回路からのパルス信号の入力毎に同パルス信号をカウン
    トし、そのカウント値が所定値になったときにはじめて
    パルス信号のパルス間隔とその一つ前のパルス間隔との
    比に応じて前記基準角度位置を検出する第2の基準位置
    検出手段とからなることを特徴とするエンジン用回転角
    度位置検出装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンの停止状態からエンジンの
    始動が特定されるまでの間は、エンジンの停止状態から
    基準角度位置が確定するまでの間である請求項1に記載
    のエンジン用回転角度位置検出装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジンの停止状態から正常なる基
    準位置検出が複数回連続することにより、基準角度位置
    が確定する請求項2に記載のエンジン用回転角度位置検
    出装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の基準位置検出手段は、エンジ
    ンの始動が特定された後において、前記波形整形回路か
    らのパルス信号をカウントすることにより基準角度位置
    を推測し、そのカウント値が、基準角度位置が存在する
    べきタイミングに対応した値になるときに、パルス信号
    のパルス間隔とその一つ前のパルス間 隔との比に応じて
    前記基準角度位置を検出する請求項1乃至3のいずれか
    1項に記載のエンジン用回転角度位置検出装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの始動が特定された後におい
    て、前記基準角度位置が存在するべきタイミングに前記
    基準角度位置が検出されない場合には、異常が発生した
    とみなしてパルス信号毎に毎回基準角度位置の検出処理
    を行う請求項4に記載のエンジン用回転角度位置検出装
    置。
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