JPH05248304A - 内燃機関のクランク角度検出装置 - Google Patents

内燃機関のクランク角度検出装置

Info

Publication number
JPH05248304A
JPH05248304A JP5172792A JP5172792A JPH05248304A JP H05248304 A JPH05248304 A JP H05248304A JP 5172792 A JP5172792 A JP 5172792A JP 5172792 A JP5172792 A JP 5172792A JP H05248304 A JPH05248304 A JP H05248304A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crankshaft
signal
rotation angle
sensor
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5172792A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Okamoto
岡本  喜之
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP5172792A priority Critical patent/JPH05248304A/ja
Publication of JPH05248304A publication Critical patent/JPH05248304A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク軸とカム軸との回転位相のずれを、
確実に、しかも高精度に検出して、位相異常を正確に判
定できるクランク角度検出装置を提供する。 【構成】 クランク軸の所定回転角度毎にクランク軸の
所定の回転位置を検出可能な回転角信号を発生するクラ
ンク軸センサと、カム軸の所定の回転位置で基準信号を
発生するカム軸センサとを備え、カム軸センサから基準
信号が出力されてからクランク軸センサからの出力信号
によりクランク軸の所定の回転位置(#1:TDC)が
検出されるまでの間のクランク軸の回転角度GAを算出
する(ステップ110〜150)と共に、過去に算出し
た回転角度GAの学習値GAMを算出し(ステップ18
0)、最新の回転角度GAと学習値GAMとの偏差か
ら、クランク軸とカム軸との位相異常を判定する(ステ
ップ160〜200)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク軸の所定回転
角度毎に回転角信号を発生するクランク軸センサと、ク
ランク軸にタイミングベルト等を介して機械的に連結さ
れたカム軸の1回転毎に基準信号を発生するカム軸セン
サとを備えた内燃機関のクランク角度検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】4サイクル内燃機関では、クランク軸の
2回転で吸気から排気までの全行程が完了する。このた
めこの種の内燃機関には、クランク軸の所定回転角度毎
に回転角信号を発生するクランク軸センサと、クランク
軸にタイミングベルト等を介して機械的に連結されたカ
ム軸の1回転毎に基準信号を発生するカム軸センサとが
備えられ、カム軸センサからの基準信号により、クラン
ク軸の基準回転位置(例えば特定気筒の上死点)を検出
し、この検出結果とクランク軸センサからの回転角信号
とに基づき、クランク軸の2回転を1周期としてクラン
ク角度を検出するようにしている。
【0003】ところでカム軸センサが設けられるカム軸
は、内燃機関のクランク軸にタイミングベルト等を介し
て機械的に接続されているため、歯車のバックラッシ
ュ、タイミングベルトの撓み等によって、カム軸とクラ
ンク軸との回転の位相がずれることがある。そしてこう
した回転位相のずれ(位相異常)が発生すると、クラン
ク角度の検出結果に異常が生じ、その検出結果に基づき
点火時期制御等を良好に行なうことができなくなる。
【0004】そこで従来では、例えば特開昭64−68
618号公報に開示されている如く、カム軸センサから
基準信号が出力された後、クランク軸センサから次に回
転角信号が出力されるまでのクランク軸の回転角度を算
出し、この算出結果が予め設定された所定範囲から外れ
ると、上記位相異常が発生したと判断して、機関制御
を、上記各センサにより得られるクランク角度を使用し
ない制御に切り換えることが考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの提案の装置
においては、カム軸センサからの基準信号が、クランク
軸センサからクランク軸の所定回転角度位置で出力され
る2つの回転角信号の間にあることを前提としているた
め、タイミングベルトの歯飛び等により、クランク軸と
カム軸との回転位相のずれが、クランク軸センサの回転
角信号出力間隔に対応したクランク軸の回転角度を越え
た場合には、そのずれ量を正確に検出することができな
いといった問題があった。
【0006】また、クランク軸とカム軸との回転位相の
ずれ量が、クランク軸センサの回転角信号出力間隔に対
応したクランク軸の回転角度或はその倍数になった場合
には、カム軸センサから基準信号が出力された後、クラ
ンク軸センサから次に回転角信号が出力されるまでのク
ランク軸の回転角度が、正常時と同じになるので、上記
位相異常を検出できなくなってしまうといった問題もあ
る。
【0007】また更に、クランク軸とカム軸とはタイミ
ングベルト等を用いて機械的に連結されているので各軸
の回転位相には組付け公差が含まれ、各センサからの検
出信号にもこの組付け公差によって位相のずれが生じる
ため、クランク軸とカム軸との回転位相のずれ量がその
公差内にある場合には、異常判定を行なうことができな
いといった問題もある。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、クランク軸とカム軸との回転位相のずれを、確実
に、しかも高精度で検出して、位相異常を正確に判定す
ることのできる内燃機関のクランク角度検出装置を提供
することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち上記目的を達成する
ためになされた本発明は、図1に例示する如く、内燃機
関のクランク軸に設けられ、該クランク軸の所定回転角
度毎に、クランク軸の基準回転位置を識別可能な回転角
信号を発生するクランク軸センサと、上記クランク軸に
機械的に連結されて該クランク軸の2回転に1回の割で
回転するカム軸に設けられ、該カム軸の所定の回転位置
で基準信号を発生するカム軸センサと、上記クランク軸
センサからの回転角信号に基づき上記クランク軸の基準
回転位置を検出する基準回転位置検出手段と、上記カム
軸センサから基準信号が出力される度に、上記クランク
軸センサから出力される回転角信号に基づき、上記カム
軸センサから基準信号が出力されてから上記基準回転位
置検出手段にて上記クランク軸の基準回転位置が検出さ
れるまでの間の上記クランク軸の回転角度を算出する回
転角度算出手段と、該回転角度算出手段にて過去に算出
された複数の回転角度に基づき、該回転角度を平均化し
た学習値を算出する学習値算出手段と、該学習値算出手
段にて算出された上記回転角度の学習値と、上記回転角
度算出手段にて算出された最新の回転角度とに基づき、
上記カム軸の上記クランク軸に対する回転位相のずれを
検出し、該ずれ量が所定値以上となったとき異常を判定
する異常判定手段と、を備えたことを特徴とする内燃機
関のクランク角度検出装置を要旨としている。
【0010】
【作用】上記のように構成された本発明のクランク角度
検出装置においては、クランク軸センサが、クランク軸
の所定回転角度毎に、クランク軸の基準回転位置を識別
可能な回転角信号を発生し、カム軸センサが、カム軸の
所定の回転位置で基準信号を発生し、基準回転位置検出
手段が、クランク軸センサからの回転角信号に基づきク
ランク軸の基準回転位置を検出する。
【0011】またカム軸センサが基準信号を発生する
と、回転角度算出手段が、クランク軸センサからの回転
角信号に基づき、カム軸センサから基準信号が出力され
てから基準回転位置検出手段にてクランク軸の基準回転
位置が検出されるまでの間のクランク軸の回転角度を算
出し、学習値算出手段が、その回転角度算出手段にて過
去に算出された複数の回転角度に基づき、回転角度を平
均化した学習値を算出する。
【0012】すると異常判定手段が、学習値算出手段に
て算出された学習値と、回転角度算出手段にて算出され
た最新の回転角度とに基づき、カム軸のクランク軸に対
する回転位相のずれを検出して、そのずれ量が所定値以
上となったとき異常を判定する。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図2は本発明が適用された4気筒の内燃機関2
及びその周辺装置を表す概略構成図である。
【0014】図に示す如く内燃機関2には、図示しない
アクセルペダルに連動して開閉されるスロットルバルブ
4、吸気の脈動を除去するためのサージタンク6等が設
けられた吸気管8を介して空気が導入される。また燃料
は、燃料噴射弁10を開弁することにより各気筒毎に供
給され、各気筒に設けられた点火プラグ12により点火
される。そしてこの点火による燃焼後の排気は、排気浄
化のための三元触媒14が設けられた排気管16を通っ
て排出される。
【0015】また各気筒の点火プラグ12には、点火コ
イル18により発生された高電圧がディストリビュータ
20を介して順次分配され、これによって各気筒毎に点
火が実行される。即ち、ディストリビュータ20は、内
燃機関2のクランク軸22にタイミングベルト24を介
して連結されたカム軸26に取り付けられ、カム軸26
がクランク軸22の2回転に1回の割で回転することに
より、点火コイル18が発生した高電圧を各気筒の点火
プラグ12に順次分配する。
【0016】また次に内燃機関2には、その運転状態を
検出するためのセンサとして、吸気温度を検出する吸気
温センサ30、吸気管8に流入する空気量を検出するエ
アフロメータ31、冷却水の温度を検出する水温センサ
32、排気中の酸素濃度から内燃機関2に供給された燃
料混合気の空燃比を検出する空燃比センサ33、クラン
ク軸22に取り付けられ、クランク軸22の所定回転角
毎に回転角信号(以下,Ne信号という。)を発生する
クランク軸センサ34、及び、カム軸26に取り付けら
れ、カム軸26の所定の回転角度位置で基準信号(以
下,G1信号という。)を発生するカム軸センサ36が
備えられている。
【0017】なお、クランク軸センサ34は、所謂磁気
センサであり、図3に示す如く、周囲に等間隔で36個
の突起を形成すると共にその突起を2個だけ削って欠歯
部35aを形成したロータ35をクランク軸22に固定
して、ロータ35周囲の所定位置に固定した検出コイル
34aにより、ロータ35の突起を磁気的に検出するよ
うにされている。また検出コイル34aは、欠歯部35
aの次の突起を内燃機関2の第1気筒#1及び第4気筒
#4の上死点位置で検出するように位置決めされてい
る。このため、クランク軸センサ34からは、図4
(a)に示す如く、欠歯部35aに対応した内燃機関2
の第1気筒#1及び第4気筒#4の上死点前30℃A部
分を除く回転領域で、クランク軸22の10℃A毎にN
e信号が出力されることとなる。
【0018】また、カム軸センサ36は、クランク軸セ
ンサ34と同様、所謂磁気センサであり、図3に示す如
く、周囲に突起が1個形成されたロータ37をカム軸2
6に固定し、その突起をロータ37周囲の所定位置に固
定した検出コイル36aを用いて磁気的に検出するよう
にされている。また検出コイル36aは、内燃機関2の
第1気筒#1の上死点前の所定回転角度でロータ37の
突起を検出するように位置決めされている。このため、
カム軸センサ36からは、図4(g)に示す如く、カム
軸26の1回転に1回,即ちクランク軸22の2回転に
1回,の割で第1気筒#1の上死点前にG1信号が出力
されることとなる。
【0019】次に上記各センサからの検出信号は、電子
制御装置(ECU)40に入力される。ECU40は、
CPU41,ROM42,RAM43,バックアップR
AM44,タイマ45,入出力回路(I/O)46等か
らなる周知のマイクロコンピュータにより構成されてお
り、内燃機関2の運転状態を表す上記各センサからの検
出信号に基づき、内燃機関2に供給される燃料混合気の
空燃比や点火コイル18からの高電圧発生タイミング
(即ち点火時期)等を制御する。
【0020】またECU40の入出力回路46内には、
上記クランク軸センサ34からのNe信号及びカム軸セ
ンサ36からのG1信号を処理して、CPU41にて内
燃機関2を制御するのに使用される各種信号を生成する
信号処理回路が設けられている。
【0021】この信号処理回路は、図3に示す如く、N
e信号及びG1信号を夫々波形整形する波形整形回路4
7,48と、各波形整形回路47,48にて波形整形さ
れたNe信号及びG1信号から、クランク軸30℃A毎
の回転角信号(以下、NE信号という。),各気筒の上
死点を表す上死点信号(以下、TDC信号という。),
及び気筒判別用の気筒判別信号(以下、G2信号とい
う。)を生成する信号生成回路50とから構成されてい
る。
【0022】以下、この信号生成回路50の構成及び動
作について説明する。図3に示す如く、信号生成回路5
0においては、まず波形整形回路47にて波形整形され
た図4(a)に示すNe信号が、欠歯判別回路52に入
力される。欠歯判別回路52は、Ne信号の入力間隔か
ら、欠歯,即ち内燃機関2の第1気筒#1又は第4気筒
#4の上死点を判別する。すると、分周回路54が、そ
の後入力される回転角信号Neを1/3分周することに
より、図4(b)に示すクランク軸22の30℃A毎の
NE信号を生成する。
【0023】また信号生成回路50には、分周回路54
の分周開始時,即ち欠歯判別回路52が欠歯を判別した
時にリセットされ、その後分周回路54から出力される
NE信号によりカウントアップを行ない、図4(c)に
示す如く、カウント値が「23」になると次のNE信号
でカウント値を0にリセットして、再度カウントアップ
を開始する、クランクカウンタ56が設けられている。
このクランクカウンタ56は、図4(d)に示す如く、
カウント値が「5」,「11」,「17」,「23」と
なった次のNE信号により、TDC信号を発生する。
【0024】つまりクランクカウンタ56は、内燃機関
2の第1気筒#1又は第4気筒#4の上死点でリセット
され、その後クランク軸22が2回転するまでの間クラ
ンク軸22の30℃A毎にカウントアップを行なうた
め、そのカウント値により、気筒は特定できないもの
の、各気筒の上死点を検出することができる。そこで本
実施例では、クランクカウンタ56から上記のようにT
DC信号を発生させることにより、CPU41が各気筒
の上死点を正確に検知できるようにしている。
【0025】またクランクカウンタ56は、そのカウン
ト値により第1気筒#1又は第4気筒#4の上死点を検
出できるため、この上死点前の所定回転角度範囲内に入
力されるG1信号を取り込むための図4(e)に示すサ
ンプルゲート信号(以下、SG信号という。)を発生す
る。
【0026】このSG信号は、波形整形回路48を介し
て入力されるG1信号をラッチするDフリップフロップ
回路58をリセットするためのクリアパルス(以下、C
P1信号という。)を生成するCP1生成回路60に入
力される。CP1生成回路60は、内燃機関2の始動時
に入力されるスタータ信号(STA)により、夫々、セ
ット,リセットされ、ECU40内の内部クロック(C
K)により動作するDフリップフロップ回路62,64
と、Dフリップフロップ回路62の出力及びDフリップ
フロップ回路64の反転出力が共にHighレベルであると
きにHighレベルの信号(即ちCP1信号)を出力するア
ンド回路66とから構成されており、上記SG信号がD
フリップフロップ回路62の入力端子Dに入力され、D
フリップフロップ回路62の出力がDフリップフロップ
回路64の入力端子Dに入力にされる。従って、CP1
生成回路60は、図4(f)に示す如く、SG信号の立
上がり時に、内部クロックの周期で決定される所定幅の
CP1信号を生成することとなり、このCP1信号によ
り、Dフリップフロップ回路58がリセットされる。
【0027】一方、Dフリップフロップ回路58には、
波形整形回路48を介して入力される図4(g)に示す
G1信号がクロック信号として入力され、Dフリップフ
ロップ回路58の入力端子Dには、常時電源電圧VCCが
印加されている。このためDフリップフロップ回路58
の出力は、G1信号が入力された時にHighレベルとな
る。また上記のようにDフリップフロップ回路58は、
CP1生成回路60から出力されるCP1信号によりリ
セットされる。従ってDフリップフロップ回路58で
は、G1信号が入力された後CP1信号が入力されるま
での間Highレベルとなる、図4(h)に示すG1ラッチ
信号が生成されることとなる。
【0028】次に、このG1ラッチ信号は、Dフリップ
フロップ回路68の入力端子Dに入力される。Dフリッ
プフロップ回路68は、クランクカウンタ56がNE信
号によりカウント動作を行なう度に発生するNEクロッ
クを受けて動作し、クランクカウンタ56から第1気筒
#1又は第4気筒#4の上死点検出時に出力される図4
(i)に示すクリアパルス(CP2)によりリセットさ
れる。このため、Dフリップフロップ回路68では、G
1ラッチ信号入力後、NE信号と同期して立上がり、そ
の後第1気筒#1又は第4気筒#4の上死点で立ち下が
る(G1信号が正常であれば第1気筒#1の上死点で立
ち下がる)、図4(j)に示す気筒判別用のG2信号が
生成される。
【0029】このように信号生成回路50で生成された
クランク軸30℃A毎のNE信号,各気筒の上死点を表
すTDC信号,及び気筒判別用のG2信号は、波形整形
回路48で波形整形されたG1信号と共にCPU41に
入力される。このためCPU41側では、TDC信号と
G2信号とにより、特定気筒(本実施例では第1気筒#
1)の上死点を検出すると共に、その後入力されるNE
信号やTDC信号により、クランク角度,内燃機関各気
筒の行程等を把握し、燃料噴射弁10の駆動タイミング
や、点火コイル18から高電圧を発生させるタイミング
(点火時期)を制御する。
【0030】次に、CPU41にてクランク軸22とカ
ム軸26との回転位相の異常を検出するために実行され
る異常判定処理について、図5に示すフローチャートに
沿って説明する。なおCPU41は、この異常判定処理
とは別に、波形整形回路48を介して入力されるG1信
号の立上がりタイミングで、現在時刻taをタイマ45
から読出し、記憶する、図示しないG1割込処理を行な
うようにされている。
【0031】図5に示す異常判定処理は、CPU41に
おいて、信号生成回路50からNE信号が入力される度
に実行されるNE割込処理の一つとして実行される処理
であり、処理が開始されると、まずステップ110に
て、現在TDC信号が入力されており、しかも上述のG
2信号が今までHighレベルであったか否かを判断するこ
とにより、現在第1気筒#1が上死点にあるか否かを判
断する。そして、第1気筒#1が上死点でなければ当該
処理を終了し、第1気筒#1が上死点であれば、ステッ
プ120に移行して、現在時刻tbをタイマ45から読
出し、記憶する。
【0032】次にステップ130では、今回記憶した現
在時刻tbと、上述のG1割込処理によりG1信号の立
上がりタイミングで記憶した時刻taとの偏差(即ち、
G1信号入力後第1気筒#1が上死点となるのに要した
時間)△tを求め、次ステップ140にて、この時間△
tを、NE信号の入力周期から求めた内燃機関2の回転
速度に基づき、クランク軸22の回転角度tGAに換算
する。
【0033】また次にステップ150では、予め設定さ
れている図6に示す如きマップを用いて、内燃機関2の
回転速度に基づき位相遅れ角度Cを求め、この位相遅れ
角度Cを用いて上記換算した回転角度tGAを補正する
ことにより、G1信号入力後第1気筒#1が上死点とな
るのに要したクランク軸22の実回転角度GAを算出す
る。
【0034】即ち、NE信号は、クランク軸センサ34
からのNe信号を波形整形回路47で波形整形し、更に
信号生成回路50内で信号処理することにより生成され
るため、クランク軸22の実際の回転角度に対して遅れ
が生じ、その遅れは、図7に示す如く、内燃機関2の回
転速度が高いほど増加する。また同様にG1信号にも遅
れが生じ、しかもG1信号はカム軸26の回転により生
成されるため、その遅れは図7に示す如くNE信号より
更に大きな遅れとなってしまう。従ってこれら各信号の
位相差は、内燃機関2の回転速度に応じて変化し、内燃
機関2の回転速度が高いほど大きくなる。
【0035】そこで本実施例では、こうした各信号の位
相差によって生じる上記回転角度tGAの測定誤差を補
正するため、予め図6に示す内燃機関2の回転速度に対
応した位相遅れ角度を表すマップを作成しておき、この
マップから位相遅れ角度Cを読み取り、この値を用いて
回転角度tGAを補正することにより、G1信号入力後
第1気筒#1が上死点となるのに要したクランク軸22
の実回転角度GAを正確に算出できるようにしている。
【0036】このようにステップ150にて、実回転角
度GAが算出されると、今度はステップ160に移行し
て、後述のステップ180にて過去に算出した実回転角
度GAの学習値GAMと、今回ステップ150で求めた
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値α(例えば50℃A)を越えたか否かを判断する。
またこの偏差(GAM−GA)の絶対値が所定値αを越
えていなければ、ステップ170に移行して、偏差(G
AM−GA)の絶対値が所定値β(例えば15℃A)を
越えたか否かを判断する。
【0037】そしてこの偏差(GAM−GA)の絶対値
が所定値βを越えていなければ、クランク軸22とカム
軸26とはタイミングベルト24により正常に連結され
ており、回転異常はないと判断して、ステップ180に
移行し、今回ステップ150で求めた実回転角度GAと
現在の学習値GAMとに基づき、演算式{GAM=(3
・GAM+GA)/4}を用いて学習値GAMを更新し
て、当該処理を一旦終了する。
【0038】一方ステップ160にて、学習値GAMと
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値αを越えたと判断された場合には、タイミングベル
ト24に係合するカム軸センサ36側のギヤの歯飛びが
発生したと判断して、ステップ190に移行し、その旨
を運転者に報知するための異常検出フラグXDAをセッ
トした後、当該処理を終了する。
【0039】またステップ170にて、学習値GAMと
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値βを越えたと判断された場合には、タイミングベル
ト24の歯飛びが発生したと判断して、ステップ200
に移行し、その旨を運転者に報知するための異常検出フ
ラグXDBをセットした後、当該処理を終了する。
【0040】以上説明したように、本実施例では、図8
(a)に示す如く、カム軸センサ36からG1信号が入
力された時刻taと、その後第1気筒#1が上死点とな
った時刻tbとから、クランク軸22の実回転角度GA
を算出すると共に、この実回転角度GAを上記演算式
{GAM=(3・GAM+GA)/4}を用いて平均化
することにより学習値GAMを算出し、この学習値GA
Mと実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)が所定値
α,βを越えたか否かによって、カム軸センサ36側ギ
ヤ及びタイミングベルト24の歯飛びによる位相異常を
判断するようにしている。
【0041】このため、本実施例によれば、図8(b)
に示す如くG1信号の入力タイミングが進角側にNE信
号の入力間隔に対応した回転角度(30℃A)ずれた場
合であっても、また逆に図8(c)に示す如くG1信号
の入力タイミングが遅角側に30℃Aずれた場合であっ
ても、実回転角度GA1,GA2として、そのずれ量に
対応した値を算出することができ、この実回転角度GA
1,GA2と学習値GAMとを比較することにより、ク
ランク軸22とカム軸26の回転位相の異常を検出する
ことができる。また本実施例では、実回転角度GAを平
均化した学習値GAMを用いて異常判定を行なうため、
クランク軸とカム軸との組付け公差に影響されることな
く、異常判定を行なうことができ、異常判定精度を向上
できる。
【0042】ここで上記実施例では、ステップ180に
おいて、学習値GAMを、上記演算式{GAM=(3・
GAM+GA)/4}を用いた、所謂1/4なましによ
って算出するようにしたが、例えばステップ150にお
いて算出した実回転角度GAを過去複数回分記憶してお
き、これら記憶した実回転角度GA加算して、その記憶
した個数で除算することにより、学習値GAMを算出す
るようにしてもよく、またステップ150において算出
した実回転角度GAの最大値GAmax と最小値GAmin
とを記憶しておき、学習値GAMを、演算式{GAM=
(GAmax +GAmin )/2}により算出するようにし
てもよい。
【0043】また上記実施例では、カム軸センサ36か
らG1信号が入力された時刻ta、及び第1気筒#1が
上死点となった時刻tbをタイマ45から読出して記憶
し、その差(tb−ta)からその間の経過時間△tを
算出して、クランク軸22の回転角度tGAに換算する
ようにしたが、例えば内部クロックによりカウント動作
を行なう計時カウンタを用いて、G1信号入力後第1気
筒#1が上死点となるまでの時間△tを計時するように
してもよい。
【0044】なおこの場合、タイミングベルト24の歯
飛び等で回転角度tGAが大きくなると、特に内燃機関
2の低回転時に、計時カウンタによる計時時間△tが長
くなり、計時カウンタがオーバフローして、回転角度t
GA,延いては実回転角度GAを正確に算出できなくな
ることがある。
【0045】そこでこのように計時カウンタを用いて、
G1信号入力後第1気筒#1が上死点となるまでの時間
△tを計時する場合には、図9に示す如く、G1割込処
理において、CPU41の動作によりNE信号を上記ク
ランクカウンタ56と同様にカウントするカウンタ(C
CRNK)の値が、第1気筒#1の上死点前所定回転角
度を表す所定値A以上、且つ第1気筒#1の上死点を表
す所定値B未満であるか否かを判断し(ステップ21
0)、CCRNKの値がA以上B未満である場合にの
み、計時カウンタによる計時を開始させ(ステップ22
0)、CCRNKの値がA以上B未満でない場合には、
計時カウンタによる計時を禁止して、クランク軸22と
カム軸26とに何等かの位相異常が発生した旨を表す異
常検出フラグXDCをセットする(ステップ230)よ
うにすればよい。
【0046】即ち、図10に示す如く、CCRNKの値
A,Bで決定される第1気筒#1の上死点前の所定回転
角度範囲内でG1信号が入力された場合にのみ、実回転
角度GAの算出動作を行ない、これ以外の場合には、実
回転角度GAの算出を禁止して、異常検出フラグXDC
をセットするのである。そしてこのようにした場合、上
記実施例のようにクランク軸22とカム軸26との回転
位相のずれ量を常時検出することはできないものの、計
時カウンタのオーバフローによる実回転角度GAの誤算
出を防止しつつ、異常判定を正確に行なうことができ
る。
【0047】また更に上記実施例では、G1信号入力後
第1気筒#1が上死点となるまでの時間△tをクランク
軸22の回転角度tGAに換算した後、その値tGA
を、図6に示すマップを用いて求めた位相遅れ角度Cを
用いて補正することにより、実回転角度GAを算出する
ようにしているが、この位相遅れ角度Cのマップは、N
E信号及びG1信号の遅れを実験的に求めて設定される
ため、信号処理回路のばらつき等により、実際の信号遅
れからずれることがある。このため上記実施例で算出さ
れる実回転角度GAは、実際の値からずれることがあ
り、その誤差は、信号の遅れが大きい高回転領域で大き
くなる。
【0048】そこで、例えば図11に示す如く、G1割
込処理において、内燃機関2の回転速度がアイドル回転
速度近傍の所定回転速度範囲N1〜N2(例えば800
〜1200[r.p.m.])内にあるか否かを判断し(ステッ
プ310)、内燃機関2の回転速度がこの範囲N1〜N
2内にあるときにのみ、現在時刻taを記憶し(ステッ
プ320)、内燃機関2の回転速度がこの範囲N1〜N
2から外れた場合には、現在時刻taを記憶するのを中
止して実回転角度GAの算出を禁止するようにすれば、
実回転角度GAの検出精度をより向上することができ
る。
【0049】なおこのステップ310の判定動作は、計
時カウンタのオーバフローを防止する図9に示したG1
割込処理において実行するようにしても、同様の効果が
得られる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のクランク
角度検出装置においては、カム軸センサから基準信号が
出力されてからクランク軸の基準回転位置が検出される
までの間のクランク軸の回転角度を算出すると共に、そ
の算出した回転角度を平均化した学習値を算出し、この
学習値と最新の回転角度とに基づきカム軸のクランク軸
に対する回転位相のずれを検出して、カム軸とクランク
軸との位相異常を判断するようにしている。このため本
発明によれば、クランク軸とカム軸とを連結するタイミ
ングベルトの歯飛び等により、クランク軸とカム軸との
回転位相のずれが、クランク軸センサの回転角信号出力
間隔に対応したクランク軸の回転角度を越えたとして
も、そのずれ量を正確に検出することができ、位相異常
を確実に判断できる。また本発明では、従来装置のよう
に、予め設定された判定基準値と回転角度との比較によ
って異常判定を行なうのではなく、過去に求めた回転角
度を平均化した学習値と最新の回転角度との比較によっ
て異常判定を行なうため、クランク軸とカム軸との組付
け公差に影響されることなく異常判定を行なうことがで
き、異常判定精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の4気筒内燃機関及びその周辺装置を
表す概略構成図である。
【図3】 ECU40の入出力回路46に設けられた信
号処理回路の構成を表す説明図である。
【図4】 信号処理回路の動作を説明するタイムチャー
トである。
【図5】 CPU41にて実行される異常判定処理を表
すフローチャートである。
【図6】 位相遅れ角度C算出用のマップを表す説明図
である。
【図7】 内燃機関の回転速度に対応したNE信号及び
G1信号の遅れを説明する説明図である。
【図8】 実施例の動作を説明する説明図である。
【図9】 回転角度算出のために計時カウンタを用いた
場合のG1割込処理の一例を表すフローチャートであ
る。
【図10】 図9に示したG1割込処理の動作を説明す
る動作説明図である。
【図11】 回転角度の算出精度を向上するためのG1
割込処理の一例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2…内燃機関 22…クランク軸 24…タイミン
グベルト 26…カム軸 34…クランク軸センサ 36…カ
ム軸センサ 34a,36a…検出コイル 35,37…ロータ
35a…欠歯部 40…ECU 41…CPU 46…入出力回路 47,48…波形整形回路 50…信号生成回路
54…分周回路 56…クランクカウンタ 60…CP1生成回路
66…アンド回路 58,62,64,68…Dフリップフロップ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸に設けられ、該ク
    ランク軸の所定回転角度毎に、クランク軸の基準回転位
    置を識別可能な回転角信号を発生するクランク軸センサ
    と、 上記クランク軸に機械的に連結されて該クランク軸の2
    回転に1回の割で回転するカム軸に設けられ、該カム軸
    の所定の回転位置で基準信号を発生するカム軸センサ
    と、 上記クランク軸センサからの回転角信号に基づき上記ク
    ランク軸の基準回転位置を検出する基準回転位置検出手
    段と、 上記カム軸センサから基準信号が出力される度に、上記
    クランク軸センサから出力される回転角信号に基づき、
    上記カム軸センサから基準信号が出力されてから上記基
    準回転位置検出手段にて上記クランク軸の基準回転位置
    が検出されるまでの間の上記クランク軸の回転角度を算
    出する回転角度算出手段と、 該回転角度算出手段にて過去に算出された複数の回転角
    度に基づき、該回転角度を平均化した学習値を算出する
    学習値算出手段と、 該学習値算出手段にて算出された上記回転角度の学習値
    と、上記回転角度算出手段にて算出された最新の回転角
    度とに基づき、上記カム軸の上記クランク軸に対する回
    転位相のずれを検出し、該ずれ量が所定値以上となった
    とき異常を判定する異常判定手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関のクランク角度検出
    装置。
JP5172792A 1992-03-10 1992-03-10 内燃機関のクランク角度検出装置 Pending JPH05248304A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5172792A JPH05248304A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 内燃機関のクランク角度検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5172792A JPH05248304A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 内燃機関のクランク角度検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05248304A true JPH05248304A (ja) 1993-09-24

Family

ID=12894923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5172792A Pending JPH05248304A (ja) 1992-03-10 1992-03-10 内燃機関のクランク角度検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05248304A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7079939B2 (en) 2003-01-28 2006-07-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Stop position estimating apparatus of internal combustion engine
US7806093B2 (en) 2006-07-12 2010-10-05 Denso Corporation Variable valve timing control
JP2012246906A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Ono Sokki Co Ltd 回転角度計測方法、回転角度計測装置、エンジンバルブ制御方法、およびエンジンバルブ制御装置
KR101483645B1 (ko) * 2009-11-17 2015-01-16 현대자동차 주식회사 Gdi 엔진의 고압펌프 진단장치 및 방법
JP2016196819A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 三菱電機株式会社 自動車用エンジン始動装置および自動車用エンジン始動制御方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7079939B2 (en) 2003-01-28 2006-07-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Stop position estimating apparatus of internal combustion engine
US7806093B2 (en) 2006-07-12 2010-10-05 Denso Corporation Variable valve timing control
KR101483645B1 (ko) * 2009-11-17 2015-01-16 현대자동차 주식회사 Gdi 엔진의 고압펌프 진단장치 및 방법
JP2012246906A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Ono Sokki Co Ltd 回転角度計測方法、回転角度計測装置、エンジンバルブ制御方法、およびエンジンバルブ制御装置
JP2016196819A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 三菱電機株式会社 自動車用エンジン始動装置および自動車用エンジン始動制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009121303A (ja) 内燃機関の失火検出装置
KR970008659B1 (ko) 내연기관의 운전 제어방법 및 그 전자제어장치
JPH05248304A (ja) 内燃機関のクランク角度検出装置
JPH1162687A (ja) エンジンの回転方向判別装置
JP2943045B2 (ja) 多気筒内燃機関の失火診断装置
JP4243959B2 (ja) 内燃機関制御装置および内燃機関のクランク角信号処理方法
JP3364946B2 (ja) 内燃機関のクランク角度検出装置
US6553965B2 (en) Control system for internal combustion engine
JP2813665B2 (ja) 点火時期制御装置
JP2000009007A (ja) 内燃エンジンの点火時期制御装置
JP3963054B2 (ja) 回転信号の異常検出装置
JPH05248333A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2010007508A (ja) エンジンの制御装置
JPS61265334A (ja) 内燃機関の空燃比制御方法
JP4286846B2 (ja) 内燃機関のクランク角度検出装置
JPH07174773A (ja) 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置
JP2003247450A (ja) 回転角センサの異常診断装置
JP2000064936A (ja) エンジンの点火制御装置
JP2015094272A (ja) 内燃機関の行程判別装置および行程判別方法
JP2000130249A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JPS63219848A (ja) 内燃機関の燃料供給系異常検出装置
JPH02169875A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2000291482A (ja) エンジンのクランク角位置検出装置
JPH06146992A (ja) 内燃機関制御用回転角検出装置
JPH03267576A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置