JPH05248333A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH05248333A
JPH05248333A JP4700592A JP4700592A JPH05248333A JP H05248333 A JPH05248333 A JP H05248333A JP 4700592 A JP4700592 A JP 4700592A JP 4700592 A JP4700592 A JP 4700592A JP H05248333 A JPH05248333 A JP H05248333A
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JP
Japan
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signal
ignition timing
crankshaft
combustion engine
internal combustion
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JP4700592A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Okamoto
岡本  喜之
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関のクランク軸とカム軸との回転位相
のずれによって生じるディストリビュータ内でのフラッ
シュオーバを防止する。 【構成】 カム軸の回転がクランク軸の回転に対して進
角側にずれているか否かを判断し(ステップ370)、
カム軸の回転が進角側にずれている場合には、そのずれ
量に応じて、点火時期IGtの最進角値IGmax を、通
常時の値BTDC49℃Aより遅角側に補正して(ステ
ップ380)、点火時期IGtを最進角値IGmax より
遅角側に制限する(ステップ390,400)。また逆
にカム軸の回転が遅角側にずれている場合には、そのず
れ量に応じて、点火時期IGtの最遅角値IGmin を、
通常時の値ATDC5℃Aより進角側に補正して(ステ
ップ410)、点火時期IGtを最遅角値IGmin より
進角側に制限する(ステップ420,430)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク軸の所定回転
角度毎に回転角信号を発生するクランク軸センサと、ク
ランク軸にタイミングベルト等を介して機械的に連結さ
れたカム軸の1回転毎に基準信号を発生するカム軸セン
サとを備え、これら各センサからの出力信号に基づき内
燃機関の点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の点火時期制御装置では、カム軸
センサからの基準信号により特定気筒の基準回転位置
(例えばTDC)を検出し、この検出結果とクランク軸
センサからの回転角信号とに基づき、内燃機関各気筒の
点火時期を制御している。
【0003】ところでカム軸センサが設けられるカム軸
は、内燃機関のクランク軸にタイミングベルト等を介し
て機械的に接続されているため、タイミングベルトの歯
飛び等によって、カム軸とクランク軸との回転の位相が
ずれることがある。そしてこうした回転位相のずれ(位
相異常)が発生すると、カム軸センサからの基準信号に
より特定気筒の基準回転位置を正確に検出できなくな
り、点火時期を内燃機関の運転状態に対応した所望の点
火時期に制御することができなくなってしまう。
【0004】そこで従来より、こうしたカム軸とクラン
ク軸との位相異常に伴う点火時期の制御誤差を補正する
ために、例えば特開平2−30979号公報に開示され
ている如く、内燃機関のノックを検出し、その検出結果
に基づき位相異常を検出して、回転位相のすれ量に応じ
て点火時期を補正することが考えられている。また従来
より、例えば特開昭64−68618号公報に開示され
ている如く、クランク軸センサからの回転角信号とカム
軸センサからの基準信号とに基づき、位相異常を検出す
る装置も考えられている。
【0005】つまり、クランク軸センサとカム軸センサ
とを用いて点火時期を制御する装置では、クランク軸と
カム軸との回転の位相のずれによって点火時期を正確に
制御できなくなることがあるため、従来より、こうした
位相のずれを検出して点火時期を補正することにより、
内燃機関各気筒の点火時期を内燃機関の運転状態に応じ
て常に正確に制御できるようにすることが考えられてい
る。従って従来装置では、カム軸の回転がクランク軸の
回転からずれたとしても、点火時期を内燃機関の実際の
回転に応じて正確に制御することができるようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のように点
火時期が内燃機関の回転に応じて正確に制御されても、
この点火時期制御によって発生される点火のための高電
圧は、カム軸の回転により駆動されるディストリビュー
タを介して各気筒の点火プラグに分配されるため、上記
位相異常が発生した場合に、ディストリビュータにより
点火すべき気筒とは異なる気筒に対して高電圧が分配さ
れる、所謂フラッシュオーバが発生することがあった。
【0007】即ち、4気筒内燃機関の場合、ディストリ
ビュータは、例えば図15(a)に示す如く、カム軸9
0に設けられた分配ロータ92の回転(図における右方
向の回転)により、カム軸90の1回転当たりに、第1
気筒#1→第3気筒#3→第4気筒#4→第2気筒#2
といった分配順序で、全気筒の点火プラグに高電圧を分
配するようにされている。また各気筒#1〜#4への高
電圧の分配は、図にAで示す最進角側のロータ位置と図
にBで示す最遅角側のロータ位置とで設定される許容範
囲GAB内で行なうようにされており、各気筒#1〜#4
への点火時期は、制御装置側でこの許容範囲GAB内に制
限される。
【0008】ところが例えば図15(b)に示す如く、
クランク軸の回転をカム軸90に伝達するタイミングベ
ルトの歯飛び等によって、カム軸90の回転位相がクラ
ンク軸に対して△Gだけ遅れると、制御装置側では、最
進角位置Aと最遅角位置Bとで決定される実際の許容範
囲GABに対して、その遅れ量△Gだけ遅れた最進角位置
A′及び最遅角位置B′で決定される許容範囲GAB′内
で点火時期を制御することとなり、制御装置側で点火時
期が最遅角値に設定された場合には、ディストリビュー
タ内では許容範囲GABから遅れ量△G分だけ更に遅れた
位置B′で高電圧を分配してしてしまい、高電圧が次に
点火すべき気筒#3の点火プラグに分配されてしまうこ
とがある。また逆にカム軸90の回転位相がクランク軸
に対して進んだ場合に、制御装置側で点火時期が最進角
値に設定されると、ディストリビュータ内では許容範囲
GABからカム軸の回転位相の進み量だけ進んだ位置で高
電圧を分配してしまい、高電圧が先に点火した気筒#2
の点火プラグに再度分配してしまう、といったことがあ
る。
【0009】特に4気筒内燃機関の場合には、こうした
フラッシュオーバにより、次に点火を行うべき吸気行程
中の気筒に点火することがあり、バックファイヤが発生
するという問題もある。本発明は、こうした問題に鑑み
なされたもので、クランク軸とカム軸の位相異常により
生じるフラッシュオーバを防止することのできる内燃機
関の点火時期制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち上記目的を達成する
ためになされた本発明は、図1に例示する如く、内燃機
関のクランク軸に設けられ、該クランク軸の所定回転角
度毎に回転角信号を発生するクランク軸センサと、上記
クランク軸に機械的に連結されて該クランク軸の2回転
に1回の割で回転するカム軸に設けられ、該カム軸の1
回転毎に基準信号を発生するカム軸センサと、内燃機関
の運転状態に応じて点火時期を算出する点火時期算出手
段と、上記クランク軸センサからの回転角信号に基づ
き、内燃機関の各気筒毎に上記算出された点火時期を検
出して、点火信号を発生する点火信号発生手段と、上記
カム軸に取り付けられ、該カム軸の回転により、上記点
火信号発生手段からの点火信号を内燃機関の各気筒に分
配するディストリビュータと、上記回転角信号と基準信
号とに基づき、上記カム軸の上記クランク軸に対する回
転位相のずれを検出する回転位相検出手段と、該回転位
相検出手段にて上記カム軸の上記クランク軸に対する回
転位相のずれが検出されると、該ずれ量に応じて上記点
火時期算出手段にて算出可能な点火時期の範囲を設定
し、上記点火時期を該範囲内に制限する点火時期制限手
段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制
御装置を要旨としている。
【0011】
【作用】以上のように構成された本発明の点火時期制御
装置においては、点火時期算出手段が、内燃機関の運転
状態に応じて点火時期を算出し、点火信号発生手段が、
上記クランク軸センサからの回転角信号に基づき、内燃
機関の各気筒毎に点火時期算出手段で算出された点火時
期を検出して、点火信号を発生し、ディストリビュータ
が、その点火信号を内燃機関の各気筒に分配する。また
回転位相検出手段が、クランク軸センサからの回転角信
号とカム軸センサからの基準信号とに基づきカム軸のク
ランク軸に対する回転位相のずれを検出し、点火時期制
限手段が、その検出された回転位相のずれ量に応じて、
上記点火時期算出手段にて算出可能な点火時期の範囲を
設定し、点火時期をその設定した範囲内に制限する。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図2は本発明が適用された4気筒の内燃機関2
及びその周辺装置を表す概略構成図である。
【0013】図に示す如く内燃機関2には、図示しない
アクセルペダルに連動して開閉されるスロットルバルブ
4、吸気の脈動を除去するためのサージタンク6等が設
けられた吸気管8を介して空気が導入される。また燃料
は、燃料噴射弁10を開弁することにより各気筒毎に供
給され、各気筒に設けられた点火プラグ12により点火
される。そしてこの点火による燃焼後の排気は、排気浄
化のための三元触媒14が設けられた排気管16を通っ
て排出される。
【0014】また各気筒の点火プラグ12には、点火コ
イル18により発生された高電圧がディストリビュータ
20を介して順次分配され、これによって各気筒毎に点
火が実行される。即ち、ディストリビュータ20は、内
燃機関2のクランク軸22にタイミングベルト24を介
して連結されたカム軸26に取り付けられ、カム軸26
がクランク軸22の2回転に1回の割で回転することに
より、点火コイル18が発生した高電圧を各気筒の点火
プラグ12に順次分配する。
【0015】また次に内燃機関2には、その運転状態を
検出するためのセンサとして、吸気温度を検出する吸気
温センサ30、吸気管8に流入する空気量を検出するエ
アフロメータ31、冷却水の温度を検出する水温センサ
32、排気中の酸素濃度から内燃機関2に供給された燃
料混合気の空燃比を検出する空燃比センサ33、クラン
ク軸22に取り付けられ、クランク軸22の所定回転角
度毎に回転角信号(以下、Ne信号という。)を発生す
るクランク軸センサ34、及び、上記カム軸26に取り
付けられ、カム軸26の1回転に1回,即ちクランク軸
22の2回転に1回,の割で特定気筒(本実施例では第
1気筒#1)の上死点判別用の基準信号(以下、G1信
号という。)を発生するカム軸センサ36、が備えられ
ている。
【0016】これら各センサからの検出信号は、電子制
御装置(ECU)40に入力される。ECU40は、C
PU41,ROM42,RAM43,バックアップRA
M44,タイマ45,入出力回路(I/O)46等から
なる周知のマイクロコンピュータにより構成されてお
り、内燃機関2の運転状態を表す上記各センサからの検
出信号に基づき、内燃機関2に供給される燃料混合気の
空燃比や点火コイル18からの高電圧発生タイミング
(即ち点火時期)等を制御する。
【0017】次にECU40の入出力回路46内には、
上記クランク軸センサ34からのNe信号及びカム軸セ
ンサ36からのG1信号を処理して、CPU41にて内
燃機関2を制御するのに使用される各種信号を生成する
信号処理回路が設けられている。
【0018】この信号処理回路は、図3に示す如く、N
e信号及びG1信号を夫々波形整形する波形整形回路4
7,48と、各波形整形回路47,48にて波形整形さ
れたNe信号及びG1信号から、クランク軸30℃A毎
の回転角信号(以下、NE信号という。),各気筒の上
死点を表す上死点信号(以下、TDC信号という。),
気筒判別のための気筒判別信号(以下、G2信号とい
う。)を生成する信号生成回路50とから構成されてい
る。
【0019】以下、この信号生成回路50の構成及び動
作について説明する。まずクランク軸センサ34は、所
謂磁気センサであり、周囲に等間隔で36個の突起を形
成すると共にその突起を2個だけ削って欠歯部35aを
形成したロータ35を、クランク軸22に固定し、この
ロータ35の突起を、ロータ35周囲の所定位置に固定
した検出コイル34aを用いて磁気的に検出するように
されている。このためクランク軸センサ34からは、欠
歯部35aを除く部分で、クランク軸の10℃A毎にN
e信号が出力されることとなり、信号生成回路50に
は、波形整形回路47を介して、図4(a)に示す如
く、クランク軸22の欠歯部35aに対応した回転角度
では30℃A間隔で、欠歯部35a以外の部分では10
℃A間隔で、Ne信号が入力される。なお検出コイル3
4aは、欠歯部35aの次の突起を内燃機関2の第1及
び第4気筒の上死点位置で検出するように位置決めされ
ている。
【0020】そこで信号生成回路50においては、欠歯
判別回路52により、回転角信号Neの入力間隔から欠
歯,即ち内燃機関2の第1気筒#1又は第4気筒#4の
上死点を判別し、その後入力される回転角信号Neを分
周回路54で1/3分周することにより、図4(b)に
示すクランク軸22の30℃A毎のNE信号を生成す
る。
【0021】また信号生成回路50には、分周回路54
の分周開始時,即ち欠歯判別回路52が欠歯を判別した
時にリセットされ、その後分周回路54から出力される
NE信号によりカウントアップを行ない、図4(c)に
示す如く、カウント値が「23」になると次のNE信号
でカウント値を0にリセットして、再度カウントアップ
を開始する、クランクカウンタ56が設けられている。
【0022】このクランクカウンタ56は、図4(d)
に示す如く、カウント値が「5」,「11」,「1
7」,「23」となった次のNE信号により、TDC信
号を発生する。つまりクランクカウンタ56は、内燃機
関2の第1気筒#1又は第4気筒#4の上死点でリセッ
トされ、その後クランク軸22が2回転するまでの間ク
ランク軸22の30℃A毎にカウントアップを行なうた
め、そのカウント値により、気筒は特定できないもの
の、各気筒の上死点を検出することができる。そこで本
実施例では、クランクカウンタ56から上記のようにT
DC信号を発生させることにより、CPU41が各気筒
の上死点を正確に検知できるようにしている。
【0023】またクランクカウンタ56は、そのカウン
ト値により第1気筒#1又は第4気筒#2の上死点を検
出できるため、この上死点前の所定回転角度範囲内に入
力されるG1信号を取り込むための図4(e)に示すサ
ンプルゲート信号(以下、SG信号という。)を発生す
る。
【0024】このSG信号は、波形整形回路48を介し
て入力されるG1信号をラッチするDフリップフロップ
回路58をリセットするためのクリアパルス(以下、C
P1信号という。)を生成するCP1生成回路60に入
力される。CP1生成回路60は、内燃機関2の始動時
に入力されるスタータ信号(STA)により、夫々、セ
ット,リセットされ、ECU40内の内部クロック(C
K)により動作するDフリップフロップ回路62,64
と、Dフリップフロップ回路62の出力及びDフリップ
フロップ回路64の反転出力が共にHighレベルであると
きにHighレベルの信号(即ちCP1信号)を出力するア
ンド回路66とから構成されており、上記SG信号がD
フリップフロップ回路62の入力端子Dに入力され、D
フリップフロップ回路62の出力がDフリップフロップ
回路64の入力端子Dに入力にされる。このため、CP
1生成回路60は、図4(f)に示す如く、SG信号の
立上がり時に、内部クロックの周期で決定される所定幅
のCP1信号を生成することとなり、このCP1信号に
より、Dフリップフロップ回路58がリセットされる。
【0025】一方カム軸センサ36は、クランク軸セン
サ34と同様に所謂磁気センサであり、周囲に突起が1
個形成されたロータ37をカム軸26に固定し、ロータ
37の突起をロータ37周囲の所定位置に固定した検出
コイル36aを用いて磁気的に検出するようにされてい
る。また検出コイル36aは、内燃機関2の第1気筒#
1の上死点前の所定回転角度でのロータ37の突起を検
出するように位置決めされている。このためカム軸セン
サ36からは、カム軸26の1回転に1回、換言すれば
クランク軸22の2回転に1回、内燃機関2の第1気筒
#1が上死点となる所定回転角度前にG1信号が出力さ
れることとなり、信号生成回路50には、波形整形回路
47を介して、図4(g)に示す如きG1信号が入力さ
れる。
【0026】Dフリップフロップ回路58には、このG
1信号がクロック信号として入力され、Dフリップフロ
ップ回路58の入力端子Dには常時電源電圧VCCが印加
されている。このためDフリップフロップ回路58の出
力は、G1信号が入力された時にHighレベルとなる。ま
た上記のようにDフリップフロップ回路58は、CP1
生成回路60から出力されるCP1信号によりリセット
される。従ってDフリップフロップ回路58では、G1
信号が入力された後CP1信号が入力されるまでの間Hi
ghレベルとなる、図4(h)に示すG1ラッチ信号が生
成されることとなる。
【0027】また次に、このG1ラッチ信号は、Dフリ
ップフロップ回路68の入力端子Dに入力される。Dフ
リップフロップ回路68は、クランクカウンタ56がN
E信号によりカウント動作を行なう度に発生するNEク
ロックを受けて動作し、クランクカウンタ56から第1
気筒#1又は第4気筒#2の上死点検出時に出力される
図4(i)に示すクリアパルス(CP2)によりリセッ
トされる。このため、Dフリップフロップ回路68で
は、G1ラッチ信号入力後、NE信号と同期して立上が
り、その後第1気筒#1又は第4気筒#2の上死点で立
ち下がる(G1信号が正常であれば第1気筒#1の上死
点で立ち下がる)、図4(j)に示す気筒判別用のG2
信号が生成される。
【0028】このように信号生成回路50で生成された
クランク軸30℃A毎のNE信号,各気筒の上死点を表
すTDC信号,及び気筒判別用のG2信号は、波形整形
回路48で波形整形されたG1信号と共にCPU41に
入力される。このためCPU41側では、TDC信号と
G2信号とにより、特定気筒(本実施例では第1気筒#
1)の上死点を検出すると共に、その後入力されるNE
信号やTDC信号により、クランク軸22の回転角度、
内燃機関各気筒の行程等を把握し、燃料噴射弁10の駆
動タイミングや、点火コイル18から高電圧を発生させ
るタイミング(点火時期)を制御する。
【0029】次に、CPU41にて点火時期制御のため
に実行される制御処理について、図5〜図7に示すフロ
ーチャートに沿って説明する。まず図5は、波形整形回
路48を介して入力されるG1信号の立上がりタイミン
グで実行されるG1割込処理を表している。このG1割
込処理は、まずステップ110にて、CPU41の動作
によりNE信号を上記クランクカウンタ56と同様にカ
ウントしたカウンタ(以下、CCRNKという。)の値
が、所定値A以上且つ所定値B未満であるか否かを判断
し、CCRNKの値がA以上B未満である場合に、ステ
ップ120にて、現在時刻taを記憶する、といった手
順で実行される。
【0030】ここで上記所定値Aには、クランク軸22
が第1気筒#1の上死点前の所定回転角度となった時の
CCRNKの値が設定され、所定値Bには、クランク軸
22が第1気筒#1の上死点に対応した回転角度となっ
た時のCCRNKの値が設定されている。つまりG1割
込処理では、図8に示す如く、上記所定値A,Bの値に
より、第1気筒#1の上死点前の所定回転角度から第1
気筒#1の上死点までの間をG1信号入力ゲートとして
設定し、この間にG1信号が入力された場合に、その時
刻taを記憶するようにしている。
【0031】次に図6は、上記信号生成回路50からN
E信号が入力される度に実行されるNE割込処理を表し
ている。このNE割込処理が開始されると、まずステッ
プ210にて、現在TDC信号が入力されており、しか
も上述のG2信号が今までHighレベルであったか否かを
判断することにより、現在第1気筒#1が上死点にある
か否かを判断する。そして、第1気筒#1が上死点でな
ければ当該処理を終了し、第1気筒#1が上死点であれ
ば、ステップ220に移行して、現在時刻tbを記憶す
る。そして続くステップ230にて、今回記憶した現在
時刻tbと、上記G1割込処理で記憶したG1信号入力
時の時刻taとの偏差(即ち、G1信号入力後第1気筒
#1が上死点となるのに要した時間)△tを求め、次ス
テップ240にて、この時間△tを、図示しない処理で
NE信号の入力周期から求めた内燃機関2の回転速度に
基づき、クランク軸22の回転角度tGAに換算する。
【0032】また次にステップ250では、予め設定さ
れている図9に示す如きマップを用いて、内燃機関2の
回転速度に基づき位相遅れ角度Cを求め、この位相遅れ
角度Cを用いて上記換算した回転角度tGAを補正する
ことにより、G1信号入力後第1気筒#1が上死点とな
るのに要したクランク軸22の実回転角度GAを算出す
る。
【0033】即ち、NE信号は、クランク軸センサ34
からのNe信号を波形整形回路47で波形整形し、更に
信号生成回路50内で信号処理することにより生成され
るため、CPU41に入力されるNE信号は、図10に
示す如く、クランク軸22の実際の回転角度に対して遅
れが生じ、しかもその遅れは内燃機関2の回転速度が高
いほど増加する。またCPU41に入力されるG1信号
も、同様に遅れが生じ、しかもG1信号はカム軸26の
回転により生成されるため、NE信号より更に大きな遅
れとなってしまう。従ってこれら各信号の位相差は、内
燃機関2の回転速度に応じて変化し、内燃機関2の回転
速度が高いほど大きくなる。
【0034】そこで本実施例では、各信号の位相差によ
って生じる上記回転角度tGAの測定誤差を補正するた
め、予め図9に示す内燃機関2の回転速度に対応した位
相遅れ角度を表すマップを作成しておき、このマップか
ら位相遅れ角度Cを読み取り、この値を用いて回転角度
tGAを補正することにより、G1信号入力後第1気筒
#1が上死点となるのに要したクランク軸22の実回転
角度GAを正確に算出できるようにしている。
【0035】このようにステップ250にて、実回転角
度GAが算出されると、今度はステップ260に移行し
て、後述のステップ280にて過去に算出した実回転角
度GAの学習値GAMと、今回ステップ250で求めた
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値α(例えば50℃A)を越えたか否かを判断する。
またこの偏差(GAM−GA)の絶対値が所定値αを越
えていなければ、ステップ270に移行して、偏差(G
AM−GA)の絶対値が所定値β(例えば15℃A)を
越えたか否かを判断する。
【0036】そしてこの偏差(GAM−GA)の絶対値
が所定値βを越えていなければ、クランク軸22とカム
軸26とはタイミングベルト24により正常に連結され
ていると判断して、ステップ280に移行し、今回ステ
ップ250で求めた実回転角度GAと現在の学習値GA
Mとに基づき、演算式{GAM=(3・GAM+GA)
/4}を用いて学習値GAMを更新して、当該処理を一
旦終了する。
【0037】一方ステップ260にて、学習値GAMと
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値αを越えたと判断された場合には、タイミングベル
ト24に係合するカム軸センサ36側のギヤの歯飛びが
発生したと判断して、ステップ290に移行し、その旨
を表す異常検出フラグXDAをセットした後、当該処理
を終了する。
【0038】またステップ270にて、学習値GAMと
実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)の絶対値が所
定値βを越えたと判断された場合には、タイミングベル
ト24の歯飛びが発生したと判断して、ステップ300
に移行し、その旨を表す異常検出フラグXDBをセット
した後、当該処理を終了する。
【0039】次に図7は、CPU41にてメインルーチ
ンの一つとして実行される点火時期算出処理を表してい
る。図に示す如く、この点火時期算出処理では、まずス
テップ310にて、内燃機関2の運転状態(回転速度,
吸入空気量等)に基づき、点火時期IGtを算出する点
火時期算出手段としての処理を実行する。そして続くス
テップ320では、上記算出した点火時期IGtが、予
め設定された点火時期の最遅角値ATDC5℃Aより進
角側にあるか否か(−5℃A以上か否か)を判断し、点
火時期IGtが最遅角値ATDC5℃Aより進角側(I
Gt≧−5℃A)にあれば、ステップ340に移行し、
点火時期IGtが最遅角値ATDC5℃Aより更に遅角
側(IGt<−5℃A)にあれば、ステップ330にて
点火時期IGtを最遅角値ATDC5℃Aに設定した
後、ステップ340に移行する。
【0040】次にステップ340では、上記算出した点
火時期IGtが、予め設定された点火時期の最進角値B
TDC49℃Aより進角側にあるか否か(49℃A以下
か否か)を判断し、点火時期IGtが最進角値BTDC
49℃Aより遅角側(IGt≦49℃A)にあれば、ス
テップ360に移行し、点火時期IGtが最進角値BT
DC49℃Aより更に進角側(IGt>49℃A)にあ
れば、ステップ350にて点火時期IGtを最進角値B
TDC49℃Aに設定した後、ステップ360に移行す
る。
【0041】また次にステップ360では、クランク軸
22とカム軸26との回転に位相異常が生じているか否
か、上記NE割込処理において異常検出時にセットされ
る異常検出フラグXDA,XDBを用いて判断する。そ
して異常検出フラグXDA,XDBが共にリセット状態
で、位相異常が検出されていなければ、当該処理を終了
し、逆に異常検出フラグXDA,XDBの何れか一方が
セットされており、位相異常が発生している場合には、
ステップ370に移行して、その位相異常はディストリ
ビュータ20内での高電圧分配タイミングが進角側にず
れる異常であるか否かを判断する。
【0042】このステップ370の処理は、前述の学習
値GAMと実回転角度GAとの偏差(GAM−GA)が
負であるか否かを判断することにより行なわれる。つま
り、G1信号から第1気筒#1までの回転角度の学習値
GAMが図8(a)に示す如くなっている状態で、G1
信号から第1気筒#1までの回転角度が図8(b)に示
すGA1となり、その偏差(GAM−GA1)が負にな
る場合には、カム軸26の回転がクランク軸22の回転
に比べて進んでいるので、点火コイル18から上記算出
した点火時期IGtにて高電圧を発生させると、ディス
トリビュータ20内での高電圧分配タイミングが進角側
にずれてしまう。また逆に、G1信号から第1気筒#1
までの回転角度が図8(c)に示すGA2となり、その
偏差(GAM−GA2)が正になる場合には、カム軸2
6の回転がクランク軸22の回転に比べて遅れているの
で、点火コイル18から上記算出した点火時期IGtに
て高電圧を発生させると、ディストリビュータ20内で
の高電圧分配タイミングが遅角側にずれてしまう。この
ため、上記ステップ370では、学習値GAMと実回転
角度GAとの偏差(GAM−GA)が負か否かにより、
上記算出した点火時期IGtで点火時期制御を行なった
場合にディストリビュータ20内での高電圧分配タイミ
ングが進角側にずれるか否かを判断するのである。
【0043】そしてステップ370にて、ディストリビ
ュータ20内での高電圧分配タイミングが進角側にずれ
ると判断されると、ステップ380に移行して、点火時
期の最進角値IGmax として、予め設定された上述の最
進角値BTDC49℃Aから、上記偏差(GAM−G
A)の絶対値を減じた値を設定し、ステップ390に
て、点火時期IGtがステップ380で設定した最進角
値IGmax より進角側にあるか否か(IGmax 以下か否
か)を判断する。そして、点火時期IGtがこの最進角
値IGmax より遅角側(IGt≦IGmax )にあれば、
当該処理を終了し、点火時期IGtが最進角値IGmax
より進角側(IGt>IGmax )にあれば、ステップ4
00にて、点火時期IGtを今回設定した最進角値IG
max に設定し、当該処理を終了する。
【0044】一方ステップ370にて、ディストリビュ
ータ20内での高電圧分配タイミングが遅角側にずれる
と判断された場合には、ステップ410に移行して、点
火時期の最遅角値IGmin として、予め設定された上述
の最遅角値ATDC5℃Aに、上記偏差(GAM−G
A)の絶対値を加えた値を設定し、ステップ420に
て、点火時期IGtがステップ410で設定した最遅角
値IGmin より進角側にあるか否か(IGmin 以上か否
か)を判断する。そして、点火時期IGtがこの最遅角
値IGmin より進角側(IGt≧IGmin )にあれば当
該処理を終了し、点火時期IGtが最遅角値IGmin よ
り遅角側(IGt<IGmax )にあれば、ステップ43
0にて点火時期IGtを今回設定した最遅角値IGmin
に設定して、当該処理を終了する。
【0045】以上説明したように、本実施例では、カム
軸センサ36からG1信号が入力された後、第1気筒#
1が上死点となるまでの間のクランク軸22の実回転角
度GAを学習し、その学習値GAMと実回転角度GAと
の偏差(GAM−GA)が所定値を越えたか否かによっ
て、カム軸26とクランク軸22との回転の位相異常を
検出し、位相異常を検出すると、その位相異常によって
ディストリビュータ20内での高電圧分配タイミングが
進角側にずれるか遅角側にずれるかを判断して、点火時
期IGtの最進角値又は最遅角値を通常時より更に制限
するようにしている。
【0046】このため図11に示す如く、例えばタイミ
ングベルト24の歯飛びにより、ディストリビュータ2
0内での高電圧の分配タイミングが遅角側に15℃Aず
れる場合には、点火時期の最遅角値IGmin が、設定値
ATDC5℃AからBTDC10℃A(−5℃A+15
℃A)に変更され、逆にディストリビュータ20内での
高電圧の分配タイミングが進角側に15℃Aずれる場合
には、点火時期の最進角値IGmax が、設定値BTDC
49℃AからBTDC34℃A(49℃A−15℃A)
に変更される。
【0047】従って、本実施例によれば、クランク軸2
2とカム軸26との位相異常が生じ、ディストリビュー
タ20内での点火範囲が予め設定された所定範囲からず
れるような場合には、点火時期IGtを補正することに
より、ディストリビュータ20内での点火範囲を所定範
囲内に制限することができ、フラッシュオーバが発生す
るのを防止することができる。特に本実施例のように、
4気筒内燃機関の場合には、フラッシュオーバにより、
吸気行程中の気筒に点火してバックファイヤが発生し、
内燃機関2の2次故障を生じることがあるが、本実施例
では、フラッシュオーバの発生を防止できるので、こう
した問題が発生することもない。
【0048】ここで上記実施例では、ステップ280に
おいて、学習値GAMを、演算式{GAM=(3・GA
M+GA)/4}を用いた、所謂1/4なましによって
算出するようにしたが、例えばステップ250において
算出した実回転角度GAを過去複数回分記憶しておき、
これら記憶した実回転角度GA加算して、その記憶した
個数で除算するといった所謂平均化処理により、学習値
GAMを算出するようにしてもよく、またステップ25
0において算出した実回転角度GAの最大値GAmax と
最小値GAmin とを記憶しておき、学習値GAMを、演
算式{GAM=GAmax +GAmin )/2}により算出
するようにしてもよい。
【0049】また、上記実施例では、クランク軸センサ
34に欠歯部35aを有するロータ35を設け、クラン
ク軸センサ34から出力されるNe信号により第1気筒
#1及び第4気筒#4の上死点を検出するように構成し
たが、クランク軸センサ34には、必ずしもこうした機
能を設ける必要はなく、特開昭64−68618号公報
に開示された装置のように、クランク軸の所定回転角度
毎に回転角信号を発生するクランク軸センサを用いて、
クランク軸とカム軸との回転位相のずれを検出するよう
にしてもよい。
【0050】なお特開昭64−68618号公報に開示
された従来技術では、カム軸センサからのG1信号が入
力されてから次にクランク軸センサからの検出信号が入
力されるまで時間をクランク軸の回転角度に換算して、
その回転角度が所定範囲からずれた場合に、クランク軸
とカム軸との回転位相のずれを検出するようにしている
ため、クランク軸とカム軸との回転位相のずれが、クラ
ンク軸センサからの検出信号の入力間隔(例えば上記実
施例においてNE信号の入力間隔である30℃A)に相
当する場合には、回転位相のずれを検出することができ
なくなってしまう。このためこうした従来技術を用いて
クランク軸とカム軸との回転位相のずれを検出する場合
には、上記実施例のようにクランクカウンタを用いて、
最初にG1信号が入力された後のNE信号の入力数をカ
ウントし、NE信号の入力間隔を越える回転位相の異常
については、そのカウント値から判断するようにするこ
とが望ましい。
【0051】以下、このように異常判定を行なう場合の
制御処理について、図12及び図13に示すフローチャ
ートに沿って説明する。なお以下の説明において、NE
信号は、上記実施例と同様、図14(a)に示す如く、
クランク軸の30℃A毎に入力され、またクランクカウ
ンタ(CCRNK)は、内燃機関の最初の始動時に、最
初に入力されるG1信号によりリセットされ、その後N
E信号が入力される度にカウントアップを行ない、図1
4(b)に示す如く、カウント値が「23」となると次
に入力されるNE信号によりリセットされて、次に入力
されるNE信号により再度カウントアップを開始するよ
うにされている。またカム軸センサは、図14(c)に
示す如く、第1気筒#1の上死点前30℃Aから上死点
までの範囲内(即ち、CCRNKの値が「23」となる
範囲内)の上死点前所定回転角度GAOでG1信号を発
生するように予め設定されている。
【0052】まず図12は、上記実施例の図5と同様、
G1信号の立上がりタイミングで実行されるG1割込処
理を表している。このG1割込処理が開始されると、ま
ずステップ510にて、現在時刻taを記憶し、ステッ
プ520にて、CCRNKの値が、所定値K(K=2
3)であるか否かを判断する。そしてCCRNKの値が
所定値Kであれば、G1信号は第1気筒#1の上死点前
30℃A内に入力されたと判断して、ステップ530に
移行し、G1信号のずれ量△Cとして「0」を設定した
後、当該処理を終了する。
【0053】一方CCRNKの値が所定値Kではないと
判断された場合には、ステップ540に移行して、CC
RNKの値と所定値Kとから、G1信号の入力範囲のず
れ量△Cをクランク軸の30℃Aを1単位として求め、
当該処理を終了する。つまり、本実施例では、G1信号
がCCRNKの値が「23」となるクランク軸30℃A
の範囲内で入力されるようにされており、例えば図14
(d)に示す如く、G1信号入力時のCCRNKの値が
「22」であれば、カム軸の回転がクランク軸に対して
30℃A近く進んでいると判断でき、逆に図14(e)
に示す如く、G1信号入力時のCCRNKの値が「0」
であれば、その値と所定値Kとからカム軸の回転がクラ
ンク軸に対して30℃A近く遅れていると判断できるた
め、ステップ540では、G1信号入力時のCCRNK
の値と所定値Kとから、G1信号のずれ量△C及びその
方向を30℃Aを1単位として算出するのである。
【0054】なお、ステップ540では、CCRNKの
値が「22」であればずれ量△Cとして「+1」を、C
CRNKの値が「21」であればずれ量△Cとして「+
2」を、というように、G1信号の入力がクランク軸の
回転に対して進んでいる場合には、ずれ量△Cに正の値
を設定し、逆にCCRNKの値が「0」であればずれ量
△Cとして「−1」を、CCRNKの値が「1」であれ
ばずれ量△Cとして「−2」を、というように、G1信
号の入力がクランク軸の回転に対して遅れている場合に
は、ずれ量△Cに負の値を設定する。
【0055】次に図13は、上記実施例の図6と同様、
NE信号が入力される度に実行されるNE割込処理を表
している。このNE割込処理が開始されると、まずステ
ップ610にて、現在、G1信号の入力直後であるか否
かを判断し、G1信号の入力直後でなければ、そのまま
当該処理を終了する。
【0056】一方、現在G1信号の入力直後である場合
には、ステップ620にて 現在時刻tbを記憶し、続
くステップ630にて、今回記憶した現在時刻tbとG
1信号入力時にG1割込処理で記憶した時刻taとの偏
差(即ち、G1信号入力後NE信号が入力されるまでの
時間)△tを算出する。
【0057】そして続くステップ640にて、この時間
△tを内燃機関の回転速度に基づきクランク軸の回転角
度tGAに換算し、次ステップ650にて、この算出し
た回転角度tGAと、G1割込処理実行時に算出したG
1信号のずれ量△Cとに基づき、演算式{GA=30・
△C+tGA)を用いて、G1信号の第1気筒#1の上
死点位置からのずれ量を表す回転角度GAを算出する。
【0058】この結果、図14(c),(d)に示す如
く、G1信号が第1気筒#1の上死点に対応するNE信
号より先に入力されている場合には、回転角度GAとし
て正の値が算出され、図14(e)に示す如く、G1信
号が第1気筒#1の上死点に対応するNE信号より後に
入力された場合には、回転角度GAとして負の値が算出
される。
【0059】このようにステップ650にて、回転角度
GAが算出されると、今度はステップ660に移行し
て、上記ステップ260と同様に、予め設定されたG1
信号の入力角度GAO(負の値)と上記算出した回転角
度GAとの偏差(GAO−GA)の絶対値が所定値αを
越えたか否かを判断する。またこの偏差(GAO−G
A)の絶対値が所定値αを越えていなければ、ステップ
670に移行して、上記ステップ270と同様に、偏差
(GAO−GA)の絶対値が所定値βを越えたか否かを
判断する。そしてこの偏差(GAO−GA)の絶対値が
所定値βを越えていなければ、クランク軸22とカム軸
26とはタイミングベルト24により正常に連結されて
いると判断して、そのまま当該処理を終了する。
【0060】一方ステップ660にて、上記偏差(GA
O−GA)の絶対値が所定値αを越えたと判断された場
合には、ステップ690に移行して、上記ステップ29
0と同様に、異常検出フラグXDAをセットした後、当
該処理を終了し、ステップ670にて、上記偏差(GA
O−GA)の絶対値が所定値βを越えたと判断された場
合には、ステップ700に移行して、上記ステップ30
0と同様に、異常検出フラグXDBをセットした後、当
該処理を終了する。このように、クランク軸センサに、
クランク軸の所定回転角度毎に回転角信号を発生だけの
センサを用いた場合には、クランク軸とカム軸との回転
に位相が生じていない最初のG1信号入力時にクランク
カウンタをリセットして、その後入力されるNE信号に
よりクランクカウンタのカウントアップを行なうことに
より、そのカウント値から特定気筒の上死点を検出する
ようにし、その特定気筒の上死点位置とG1信号の入力
タイミングとのずれから、クランク軸とカム軸との回転
位相のずれを求めるようにすれば、位相異常及びそのず
れ量を正確に検出することができる。従って、この検出
結果を用いて、上記実施例と同様の点火時期算出処理
(図7)を実行するようにすれば、上記実施例と同様
に、点火時期IGtをディストリビュータ内での正常時
の点火範囲内に制限することができ、フラッシュオーバ
が発生するのを防止することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の点火時期
制御装置においては、カム軸のクランク軸に対する回転
位相のずれを検出し、その検出された回転位相のずれ量
に応じて点火時期の範囲を制限するようにしている。こ
のため本発明によれば、クランク軸とカム軸との回転の
位相異常によって、ディストリビュータ内でフラッシュ
オーバが発生するのを防止することができる。特に4気
筒内燃機関の場合には、フラッシュオーバにより、吸気
行程中の気筒に点火してバックファイヤが発生して、内
燃機関の2次故障を生じることがあるが、本発明では、
フラッシュオーバの発生を防止できるので、こうした問
題が発生することも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の4気筒内燃機関及びその周辺装置を
表す概略構成図である。
【図3】 ECU40の入出力回路46に設けられた信
号処理回路の構成を表す説明図である。
【図4】 信号処理回路の動作を説明するタイムチャー
トである。
【図5】 CPU41にて実行されるG1割込処理を表
すフローチャートである。
【図6】 CPU41にて実行されるNE割込処理を表
すフローチャートである。
【図7】 CPU41にて実行される点火時期算出処理
を表すフローチャートである。
【図8】 図6に示したNE割込処理の動作を説明する
説明図である。
【図9】 位相遅れ角度C算出用のマップを表す説明図
である。
【図10】 内燃機関の回転速度に対応したNE信号及
びG1信号の遅れを説明する説明図である。
【図11】 実施例の効果を説明する説明図である。
【図12】 G1割込処理の他の例を表すフローチャー
トである。
【図13】 NE割込処理の他の例を表すフローチャー
トである。
【図14】 図13に示したNE割込処理の動作を説明
する説明図である。
【図15】 従来装置においてディストリビュータ内で
発生するフラッシュオーバを説明する説明図である。
【符号の説明】
2…内燃機関 12…点火プラグ 18…点火コイ
ル 20…ディストリビュータ 22…クランク軸 2
4…タイミングベルト 26…カム軸 31…エアフロメータ 34…クラ
ンク軸センサ 36…カム軸センサ 34a,36a…検出コイル
35,37…ロータ 35a…欠歯部 40…ECU 41…CPU
46…入出力回路 47,48…波形整形回路 50…信号生成回路
54…分周回路 56…クランクカウンタ 60…CP1生成回路
66…アンド回路 58,62,64,68…Dフリップフロップ回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸に設けられ、該ク
    ランク軸の所定回転角度毎に回転角信号を発生するクラ
    ンク軸センサと、 上記クランク軸に機械的に連結されて該クランク軸の2
    回転に1回の割で回転するカム軸に設けられ、該カム軸
    の1回転毎に基準信号を発生するカム軸センサと、 内燃機関の運転状態に応じて点火時期を算出する点火時
    期算出手段と、 上記クランク軸センサからの回転角信号に基づき、内燃
    機関の各気筒毎に上記算出された点火時期を検出して、
    点火信号を発生する点火信号発生手段と、 上記カム軸に取り付けられ、該カム軸の回転により、上
    記点火信号発生手段からの点火信号を内燃機関の各気筒
    に分配するディストリビュータと、 上記回転角信号と基準信号とに基づき、上記カム軸の上
    記クランク軸に対する回転位相のずれを検出する回転位
    相検出手段と、 該回転位相検出手段にて上記カム軸の上記クランク軸に
    対する回転位相のずれが検出されると、該ずれ量に応じ
    て上記点火時期算出手段にて算出可能な点火時期の範囲
    を設定し、上記点火時期を該範囲内に制限する点火時期
    制限手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の点火時期制御装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246906A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Ono Sokki Co Ltd 回転角度計測方法、回転角度計測装置、エンジンバルブ制御方法、およびエンジンバルブ制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012246906A (ja) * 2011-05-31 2012-12-13 Ono Sokki Co Ltd 回転角度計測方法、回転角度計測装置、エンジンバルブ制御方法、およびエンジンバルブ制御装置

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