JP2000130249A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2000130249A
JP2000130249A JP10304226A JP30422698A JP2000130249A JP 2000130249 A JP2000130249 A JP 2000130249A JP 10304226 A JP10304226 A JP 10304226A JP 30422698 A JP30422698 A JP 30422698A JP 2000130249 A JP2000130249 A JP 2000130249A
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misfire
misfire detection
signal
ring gear
combustion engine
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Takanori Takahashi
孝典 高橋
Yoshinori Maekawa
佳範 前川
Hisashi Iida
飯田  寿
Masanori Tsuruta
真徳 鶴田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】失火検出の精度を確保し、その信頼性を高め
る。 【解決手段】エンジンには、始動時にスタータモータに
噛み合って同スタータモータの回転をクランク軸6に伝
達するためのリングギア13が取り付けられ、同リング
ギア13に対向して磁気センサ14が設けられる。磁気
センサ14の検出信号は分周回路15に取り込まれ、所
定の分周比にて分周される。ECU20は、エンジン各
気筒の爆発行程毎の回転速度からエンジンの失火を検出
する。またECU20は、リングギア分周信号の入力に
従い、失火検出開始位置のずれ(失火検出期間の位置ず
れ)の有無を判定し、失火検出開始位置がずれていると
判定された時、失火が検出されにくくなるよう気筒別失
火判定値を変更する。かかる場合、リングギア分周信号
の検出位置が一時的にずれても、失火の誤検出が抑制さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の失火検
出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のクランク軸にはリングギアが
取り付けられ、そのリングギアが始動時にスタータモー
タに噛み合って同スタータモータの回転がクランク軸に
伝達される。かかる場合、リングギアはクランク軸の回
転と完全に一致した回転特性を有することから、リング
ギアの多数の歯の通過に伴うリングギア信号を磁気セン
サにて検出し、そのリングギア信号を使ってクランク軸
の回転速度を演算すると共に、該演算した回転速度に基
づいて内燃機関に発生する失火を検出する技術が提案さ
れている(例えば特開平4−113244号公報等)。
【0003】またその他に、特開平4−101071号
公報の装置では、リングギアの摩耗や変形状態を推定す
ると共に、各気筒間の発生トルクの差を求め、これらの
要因に基づいてクランク軸の回転速度データを補正する
ようにしている。そしてこれにより、クランク軸の正確
な回転速度データを取得し、信頼性の高い失火検出を行
うものとしていた。
【0004】またさらに、特開平10−18899号公
報の装置では、カム軸の回転に同期する基準位置信号を
モニタすると共に、リングギア信号のカウント数からク
ランク軸の回転変動を求めて失火検出を行う。また、カ
ム軸に同期する基準位置信号とリングギア信号との相対
位置はずれることが前提となることから、運転毎に失火
検出期間を位置合わせするための学習補正値を求め、該
学習補正を行いつつ失火検出を行うことで、失火検出の
精度低下を抑制していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、内燃機関の
運転中に例えば電気ノイズ等、何らかの原因によって、
クランク信号と同期をとっているはずのリングギア信号
の検出位置が一時的にずれる場合がある。かかる場合、
上記何れの公報の装置においても、正確な失火検出が不
可能になるといった問題が生ずる。つまり、リングギア
信号から求まる機関回転変動に基づいて失火検出を行う
装置において、リングギア信号の検出位置がずれると、
機関の回転変動量が正確に求められず、失火を誤検出す
るおそれが生ずる。仮に上記特開平10−18899号
公報のように、学習補正を行う装置であっても必然的に
学習補正が適正でなくなるために、正確な失火検出が不
可能になる。
【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、失火検出の精度
を確保し、その信頼性を高めることができる内燃機関の
失火検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の失火検出装置は
その前提として、内燃機関のクランク軸に取り付けられ
たリングギアと、そのリングギアの回転に応じたリング
ギア信号を出力するギア信号出力手段とを備え、前記ギ
ア信号出力手段によるリングギア信号に基づいて燃焼毎
に失火検出期間を決定すると共に該失火検出期間内にて
機関回転速度の変動量を算出し、該算出した機関回転速
度の変動量に基づいて内燃機関の失火を検出する。
【0008】そして、上記目的を達成するために請求項
1に記載の発明では、前記ギア信号出力手段によるリン
グギア信号の入力に従い、失火検出期間の位置ずれの有
無を判定する位置ずれ判定手段と、前記位置ずれ判定手
段により失火検出期間の位置ずれがあると判定された
時、失火が検出されにくくなるよう失火検出態様を別の
態様に変更する変更手段とを備える。
【0009】要するに、リングギア信号のように比較的
短い間隔で多数の信号が検出される場合、機関運転中に
発生する電気ノイズ等により、例えば1歯分多く当該信
号が検出されたり、1歯分少なく当該信号が検出された
りする。かかる場合、リングギア信号の検出位置がずれ
ることで、失火検出期間の位置(リングギアの失火検出
開始歯)がずれてしまい、機関回転変動が正確に把握で
きなくなる。これに対し本発明によれば、失火検出期間
の位置ずれが判定され、その位置ずれの際、失火が検出
されにくくなるよう失火検出態様が別の態様に変更され
る。これにより、失火の誤検出が抑制される。その結
果、失火検出の精度を確保し、その信頼性を高めること
ができる。
【0010】より具体的には、請求項2に記載したよう
に、前記変更手段は、失火検出を禁止する。これら何れ
の構成においても、失火の誤検出が抑制される。或い
は、請求項3に記載したように、前記変更手段は、失火
が検出されにくくなるよう失火判定値を変更する。
【0011】但し、失火判定値を変更する程度は、リン
グギア信号の数歯分だけ失火検出期間が短くなったり、
或いは長くなったりすることを想定したものであればよ
く、実際の失火発生時には、変更後の失火判定値によっ
ても失火検出が可能となるとよい。
【0012】請求項4に記載の発明では、前記位置ずれ
判定手段により失火検出期間の位置ずれがあると判定さ
れた後、所定運転条件下で失火検出期間の位置ずれを修
正する位置ずれ修正手段と、当該位置ずれ修正の後、前
記変更手段により変更された失火判定値を元に戻す判定
値復帰手段とを更に備える。
【0013】例えば電気ノイズに起因する失火検出期間
の位置ずれは一時的なものであって、その状態はいずれ
解消されると考えられる。そのため、失火検出期間の位
置ずれを修正した後、失火判定値を元に戻すことで、位
置ずれ発生前と同じ状態で失火検出が再開できる。
【0014】因みに、失火検出期間の位置ずれを修正す
るための所定運転条件とは、例えば内燃機関がアイドル
状態にあることなど、同機関が低負荷・低回転状態であ
ることを含むものである。
【0015】請求項5に記載の発明では、機関始動時に
おいて失火検出期間を初期設定する設定手段を備え、前
記位置ずれ修正手段は、失火検出期間の位置ずれがある
と判定された後に、前記設定手段により初期設定した失
火検出期間に位置合わせする。これにより、機関始動時
と同一条件で失火検出が再開できるようになる。
【0016】位置ずれ判定手段の具体的な形態として
は、以下の請求項6〜請求項8の構成が適用できる。 ・請求項6に記載の発明では、回転角信号にて設定され
る所定のクランク角区間内においてリングギア信号の入
力数と予め設定した所定数とを比較し、その結果、信号
入力数と予め設定した所定数とが不一致であれば、位置
ずれである旨を判定する。 ・請求項7に記載の発明では、基準となる回転角信号の
入力時、或いは当該回転角信号の入力から機関回転数に
依存した所定時間が経過した時点で、リングギア信号の
出力或いは出力変化をモニタすることにより、失火検出
期間の位置ずれの有無を判定する。 ・請求項8に記載の発明では、基準となる回転角信号の
入力時、或いは当該回転角信号の入力から機関回転数に
依存した所定時間が経過した時点で、リングギア分周信
号の論理レベルに基づいて失火検出期間の位置ずれの有
無を判定する。請求項6〜請求項8の何れにおいても、
失火検出期間の位置ずれが正確で且つ簡易的に判定でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明
する。本実施の形態の装置では、内燃機関として車両用
の4気筒4サイクルガソリンエンジンを対象とし、該エ
ンジンの回転変動量に基づいて各気筒で発生する失火を
検出する。
【0018】図1は、失火検出装置及びその周辺装置の
概要を示す構成図である。エンジンにはその運転状態を
検出するためのセンサとして、以下に示す各種センサが
備えられる。つまり、エンジン負荷センサ1は例えば吸
気圧センサからなり、同センサ1は図示しない吸気管内
の圧力を検出する。水温センサ2は、エンジン冷却水の
温度を検出する。スロットル開度センサ3は、図示しな
いスロットル弁の開度を検出する。またこのスロットル
開度センサ3はアイドルスイッチをも内蔵しており、ス
ロットル弁が全閉である旨の検出信号を併せて出力す
る。車速センサ4は車両の速度を検出する。因みに、エ
ンジン負荷センサ1としてはエンジンの吸入空気量を検
出するエアフロメータであってもよい。
【0019】気筒判別センサ11は、エンジンのカム軸
5の回転に伴い、点火気筒判別の基準となるパルス信号
(気筒判別信号)をエンジンの1回転(360°CA)
に1回発生する。詳細には、気筒判別センサ11は、周
縁の2箇所に突起11aが設けられてカム軸5と一体に
回転するカム側円板11bと、突起11aの近接を電磁
的に検出するソレノイドコイル11cとを備えた周知の
電磁ピックアップ式のセンサである。
【0020】回転角信号出力手段としての回転角センサ
12は、エンジンのクランク軸6の回転に伴い、エンジ
ンが所定のクランク角度(本実施の形態では、10°C
A)だけ回転する度にパルス信号を発生する。詳細に
は、回転角センサ12は、10°CA毎に突起12aが
周縁に設けられてクランク軸6と一体に回転するクラン
ク側円板12bと、エンジンに固定されて突起12aの
近接を電磁的に検出するソレノイドコイル12cとを備
えた周知の電磁ピックアップ式のセンサである。気筒判
別センサ11及び回転角センサ12の各検出信号は、図
示しない波形整形回路にて矩形信号に波形整形されるよ
うになっており、その波形整形後の矩形信号が同センサ
から出力される。
【0021】また、エンジンには、始動時に図示しない
スタータモータに噛み合って同スタータモータの回転を
クランク軸6に伝達するためのリングギア13が取り付
けられている。リングギア13にはその全周に亘って例
えば120個の凸状歯が等間隔に刻まれている。ギア信
号出力手段としての磁気センサ14は、リングギア13
の各歯の近接を電磁的に検出する。磁気センサ14の検
出信号は分周回路15に取り込まれ、所定の分周比にて
分周される。
【0022】ここで図2に示されるように、気筒判別セ
ンサ11はエンジンの360°CA毎に気筒判別信号G
を出力し、回転角センサ12は10°CA毎に回転角信
号NEを出力する。また、磁気センサ14は多数のリン
グギア信号を出力し、そのリングギア信号を分周回路1
5が分周してリングギア分周信号を生成する。
【0023】上記各センサ等からの検出信号は、電子制
御ユニット(以下、ECUという)20に入力される。
ECU20はCPU,ROM,RAMを中心とした周知
のマイクロコンピュータにより構成されており、上記各
センサからの検出信号に基づき、イグナイタ21や各気
筒のインジェクタ22に駆動信号を出力する。このと
き、ECU20は、予めROMに記憶されている制御プ
ログラムに従い、エンジンの各気筒に設けられたインジ
ェクタ22からの燃料噴射量や、イグナイタ21の高電
圧の発生タイミング(すなわち、点火時期)を制御する
と共に、エンジン各気筒の爆発行程毎の回転速度からエ
ンジンの失火を検出する。
【0024】また、ECU20は、エンジン始動後にお
いて失火検出の開始が許可されるタイミングで、リング
ギア信号の分周を開始する旨の信号を分周回路15に対
して出力する。
【0025】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。図3は本実施の形態における失火検出の基本処理を
示すフローチャートであり、同処理はECU20により
所定クランク角毎(本実施の形態では、10°CA毎)
に割込み処理として実行される。また、図4、図5及び
図6に示す処理も、ECU20により所定クランク角毎
(本実施の形態では、10°CA毎)に割込み処理とし
て実行される。以下には、図3〜図6の処理を順次説明
する。
【0026】先ずはじめに、失火検出の基本処理につい
て図3のフローチャートを参照しつつ説明する。前記回
転角信号NEに基づき認識されるエンジンのクランク角
が10°CAとなる毎に割込み条件が成立すると、先ず
ステップ101では、失火検出の開始位置(失火検出期
間)がずれていることを示す異常発生フラグXRING
NGが「1」であるか否かを判別する。XRINGNG
=1であれば、すなわち、後述する図5の処理で失火検
出開始位置のずれが検出されていれば、そのまま本処理
を終了する。つまり、失火検出を禁止する。
【0027】そして、XRINGNG=0であることを
条件にステップ102に進み、今回の割込みタイミング
が上死点(TDC)であるか否かを気筒判別信号Gに基
づいて判別する。同割込みタイミングがTDCでなけれ
ば、本処理を一旦終了し、同割込みタイミングがTDC
であれば、ステップ103に進む。
【0028】ステップ103では、今回の燃焼気筒につ
いて所定の失火検出期間内の所要時間Tmfを算出す
る。実際には、失火検出期間内の所定個のリングギア分
周信号のエッジから、クランク軸が所定角度(例えば1
80°CA)だけ回転するのに要した時間Tmfを算出
する。
【0029】さらに、ステップ104では、気筒別にク
ランク軸の角速度(平均回転速度)ωn(n=1〜4)
を算出する。詳細には、前記算出した所要時間Tmfを
用い、これに基づいて、 ωn=KDSOMG/Tmf …(1) といった態様で、平均回転速度ωnを算出する。この
(1)式において、係数KDSOMGは、クランク軸の
回転角速度(rad:ラジアン)を求めるための変換係
数である。
【0030】次に、ステップ105では、下記の(2)
式を用い、今回算出した平均回転速度ωnと、前回、前
々回及び3回前に算出した平均回転速度ωn-1 ,ωn-2
,ωn-3 とに基づいて気筒間の回転変動量Δωnを算
出する。
【0031】 Δωn =(ωn-1 −ωn )−(ωn-3 −ωn-2 ) …(2) ここで、(ωn-1 −ωn )及び(ωn-3 −ωn-2 )は爆
発行程が連続する気筒同士での回転変動量を指し、(ω
n-1 −ωn )は最新の、(ωn-3 −ωn-2 )は360°
CA前の値である。
【0032】その後、ステップ106では、現時点のエ
ンジン運転状態(回転数Ne,吸気管内圧力PM等)を
判別し、ステップ107に進む。ステップ107では、
前記求めた運転状態に基づき、予めROM内に格納され
ている回転数Neと吸気管内圧力PMとをパラメータと
する2次元マップを検索することにより、基本失火判定
値REFを設定する。
【0033】また次に、ステップ108では、平均回転
速度及び回転変動量の今回値ωn,Δωnの算出対象と
なった気筒の番号とその時の回転数Neとに基づき、予
めROM内に格納されている回転数Neと気筒番号とを
パラメータとする2次元マップを検索することにより、
気筒別補正値ΔREFnを設定する。
【0034】その後、ステップ109では、前記設定し
た基本失火判定値REFと気筒別補正値ΔREFnとか
ら、回転変動量の今回値Δωnを算出した気筒に対する
気筒別失火判定値REFnを算出する(REFn=RE
F+ΔREFn)。
【0035】さらに、ステップ110では、回転変動量
Δωnと気筒別失火判定値REFnとを比較することで
失火判定を行う。そして、Δωn>REFnであれば失
火発生と判断してステップ111に進み、該当する気筒
に失火が発生したことを示す失火検出フラグXMFnに
「1」をセットする。また、Δωn≦REFnであれば
失火発生でないと判断してステップ112に進み、失火
検出フラグXMFnを「0」にクリアする。
【0036】なおここで、失火検出フラグXMFnは気
筒毎に設けられ、どの気筒が失火しているかが識別でき
るようになっている。失火検出フラグXMFnに「1」
がセットされた場合には、エミッション悪化や排ガス浄
化用触媒の損傷等の不具合が発生しうるとして、警告ラ
ンプの点灯制御等を通じてその旨を運転者に警報する。
【0037】失火検出フラグXMFnの操作後のステッ
プ113では、次回の処理実行のため、前記ステップ1
04で算出した最新の平均回転速度ωnを前回値ωn-1
に、前回値ωn-1 を前々回値ωn-2 に、前々回値ωn-2
を3回前の値ωn-3 に、それぞれ書き換えてRAMに格
納し、その後本処理を一旦終了する。
【0038】また、前記図3の処理と同様に回転角信号
NEの入力を受けて図4の処理がスタートすると、先ず
ステップ201では、気筒判別信号Gが入力された直後
のNE割込みであるか否かを判別する。同ステップ20
1がNOであれば、ステップ202に進んで回転角カウ
ンタCNEを「1」インクリメントし、その後本処理を
一旦終了する。
【0039】また、ステップ201がYESであれば、
ステップ203に進んでエンジン始動後の気筒判別が既
に終了しているか否かを判別する。ステップ203がN
Oであれば、ステップ204で気筒判別フラグXJDを
「0」から「1」に操作した後、ステップ205で回転
角カウンタCNEを「0」にクリアする。ステップ20
3がYESであれば、そのままステップ205に進んで
回転角カウンタCNEを「0」にクリアする。
【0040】上記図4の処理によれば、回転角信号NE
の入力毎に、すなわち10°CA毎に回転角カウンタC
NEがカウントアップされると共に、気筒判別信号Gの
入力に伴い同カウンタCNEが「0」にクリアされる。
また、エンジン始動後において、最初の気筒判別が終了
すると、気筒判別フラグXJDが初期値「0」から
「1」に操作される。
【0041】図5は、失火検出の位置ずれ判定手順を示
すフローチャートである。この図5の処理は前記図4の
処理の直後に実行される。図5において、先ずステップ
301では、回転角カウンタCNEが「0」であるか否
かを判別し、CNE≠0であればそのまま本処理を一旦
終了する。また、CNE=0であればステップ302に
進む。
【0042】ステップ302では、失火検出が既に開始
されていることを示す失火検出開始済フラグXRING
が「1」であるか否かを判別する。エンジン始動当初は
失火検出開始済フラグXRINGが初期値「0」である
ため、ステップ302がNOとなり、ステップ303に
進む。ステップ303では、失火検出の開始位置がずれ
ていることを示す異常発生フラグXRINGNGが
「0」であるか否かを判別する。エンジン始動当初には
異常発生フラグXRINGNGが初期値「0」で保持さ
れ、ステップ303がYESになってステップ304に
進む。なお、XRINGNG=1の場合には、そのまま
本処理を終了する。
【0043】また、ステップ304では、前記図4の処
理により気筒判別フラグXJDが「0」から「1」に操
作された直後であるか否かを判別する。前述した図4の
処理からも分かるように、エンジン始動後、最初の気筒
判別信号Gで気筒判別フラグXJDが「1」に操作され
るため、最初はステップ304の判別がYESとなり、
ステップ305に進む。そして、ステップ305では、
気筒判別後から最初のリングギア分周信号(実際には、
分周開始前のリングギア信号)が入力されるまでの時間
Taを計測する。すなわち、気筒判別信号の入力から最
初のリングギア信号の入力まで待ち、その間の計測時間
Taを記憶する。
【0044】続くステップ306では、前記計測した時
間Taが予め記憶しておいた所定時間T1よりも大きい
か否かを判別する。所定時間T1は、割込み処理の実施
が許可できることを示す最小時間であり、実際には数1
0μs程度の時間が設定される。
【0045】Ta>T1の場合、ステップ307に進
み、分周回路15によるリングギア信号の分周を開始さ
せる。そして、分周開始後、最初のリングギア分周信号
(基準のNE信号の入力後、1歯目のリングギア信号)
の入力時点で失火検出開始を許可する。このとき、失火
検出開始済フラグXRINGに「1」をセットすると共
に、分周信号カウンタCRINGを「0」にクリアす
る。失火検出開始済フラグXRINGの操作に伴い、次
回の処理実行時にはステップ302がYESとなる。
【0046】また、Ta≦T1の場合、ステップ308
に進み、失火検出の開始タイミングを設定するための待
機タイマCWAITに「T2+Ta」の時間をセットす
る。そしてその後、本処理を一旦終了する。ここで、時
間T2は予め設定される時間であって、分周前のリング
ギア信号の1歯分(3°CA分)の時間に相当する。
【0047】前記ステップ308で待機タイマCWAI
Tがセットされた場合において、それ以降の処理でステ
ップ301がYESとなると、ステップ302→303
→304→309の順に処理が進む。そして、ステップ
309では、前記ステップ308でセットした待機タイ
マCWAITをスタートさせ、同タイマCWAITの時
間「T2+Ta」が「0」になる時点でステップ307
に進む。
【0048】ステップ307では、分周回路15による
リングギア信号の分周を開始させる。そして、分周開始
後、最初のリングギア分周信号(基準のNE信号入力
後、2歯目のリングギア信号)の入力時点で失火検出が
開始できるよう、失火検出開始済フラグXRINGに
「1」をセットすると共に、分周信号カウンタCRIN
Gを「0」にクリアする。
【0049】以上ステップ304〜309の処理によれ
ば、エンジン始動時における失火検出開始位置の設定が
完了する。このとき、基準のNE信号(気筒判別信号G
直後の回転角信号NE)から1歯目又は2歯目のリング
ギア信号(分周前の信号)にて、失火検出が確実に開始
できる。
【0050】一方、ステップ302でXRING=1で
ある旨が判別されると、ステップ310に進み、その時
点で分周信号カウンタCRINGが所定値(本実施の形
態では、30)に一致するか否かを判別する。分周信号
カウンタCRINGは、リングギア分周信号の立上がり
及び立下がりのエッジ毎に「1」ずつカウントアップさ
れるカウンタである。
【0051】そして、CRING=30であれば、失火
検出開始位置がずれていないとみなされ、ステップ31
3で同カウンタCRINGを「0」にクリアした後、本
処理を一旦終了する。
【0052】また、CRING≠30であれば、電気ノ
イズ等に起因して失火検出開始位置がずれているとみな
され、ステップ311,312の処理を実行する。すな
わち、ステップ311では、異常発生フラグXRING
NGに「1」をセットする。また、ステップ312で
は、気筒別失火判定値REFn(図3、ステップ109
の設定値)を変更する。実際には、失火が検出されにく
くなるよう、気筒別失火判定値REFnを引き上げる。
最後にステップ313では、分周信号カウンタCRIN
Gを「0」にクリアし、その後本処理を一旦終了する。
【0053】そして、上記の通り異常発生フラグXRI
NGNGがセットされることにより、前記図3の処理に
おいて失火検出が禁止される。但し、気筒別失火判定値
REFnを変更する程度は、リングギア信号の数歯分だ
け失火検出期間が短くなったり、或いは長くなったりす
ることを想定したものであればよく、実際の失火発生時
には、変更後の失火判定値によっても失火検出が可能と
なる。
【0054】図7は、上記図4及び図5の各処理に伴う
エンジン始動当初の動作を示すタイムチャートである。
図7において、時刻t1ではエンジン始動後、最初の気
筒判別信号Gが入力される。また、G信号の入力直後に
基準の回転角信号NEが入力される時刻t2では、前記
図4及び図5の各処理が実行される。この時刻t2で
は、気筒判別フラグXJDが「0」から「1」に操作さ
れる(前記図4のステップ204)。因みに、回転角信
号NEの個々のパルスに付した番号は回転角カウンタC
NEのカウント数である。
【0055】また、時刻t2では、気筒判別後から最初
のリングギア信号(図では分周信号のエッジ)が入力さ
れるまでの時間Taが計測される(図5のステップ30
5)。そして、この計測時間Taが「T1」よりも大き
ければ、その時点でリングギア信号の分周を開始させる
と共に、失火検出開始済フラグXRINGに「1」をセ
ットする(図5のステップ307)。これにより、気筒
判別信号Gの入力後、1歯目(最初のリングギア信号)
から失火検出が開始される。
【0056】一方、前記計測時間Taが「T1」よりも
小さければ、その時点ではリングギア信号の分周を開始
したり、失火検出開始済フラグXRINGを操作した
り、失火検出を開始したりするといった処理は行わず、
次の気筒判別信号Gが入力された後、時刻t3で、待機
タイマCWAITをスタートさせる。そして、同タイマ
のセット時間「T2+Ta」が経過する時刻t4で、リ
ングギア信号の分周を開始させると共に、失火検出開始
済フラグXRINGに「1」をセットする(図5のステ
ップ309&307)。すなわち、気筒判別信号Gの入
力後、2歯目(2つ目のリングギア信号)から失火検出
が開始される。
【0057】図6は、失火検出開始位置がずれている旨
の判定後(XRINGNG=1の操作後)において、失
火検出開始位置を修正すると共に、気筒別失火判定値R
EFnを元の値に復帰させるための手順を示す。
【0058】図6において、先ずステップ401では、
回転角カウンタCNEが「0」であるか否かを判別す
る。そして、CNE=0である時に、ステップ402〜
405の前提条件を判別する。具体的には、ステップ4
02では、異常発生フラグXRINGNGが「1」であ
るか否かを判別し、ステップ403では、アイドル状態
(アイドルスイッチON)であるか否かを判別し、ステ
ップ404では、エンジン回転数Neが所定値(本実施
の形態では1000rpm)未満であるか否かを判別
し、ステップ405では、車速が0km/h以下である
か否かを判別する。
【0059】ステップ402〜405の何れかがNOで
あれば、そのまま本処理を終了し、同ステップ402〜
405が全てYESであれば、ステップ406に進む。
なお、上記ステップ403〜405がYESになること
は、エンジンが低負荷・低回転状態にあることを示す。
そして、ステップ406以降の処理において、前記図5
(ステップ310,311)で判定した失火検出開始位
置のずれを修正し、エンジン始動時に設定した失火検出
開始位置に位置合わせする。
【0060】つまり、ステップ406では、失火検出開
始済フラグXRINGが「0」であるか否かを判別す
る。通常運転時にはXRING=0であるため、ステッ
プ406がNOとなり、ステップ407に進む。ステッ
プ407では、失火検出開始済フラグXRINGを
「0」にクリアし、続くステップ408では、エンジン
始動当初の気筒判別後から最初のリングギア信号が入力
されるまでの時間Ta(前記図5、ステップ305の計
測時間)が予め記憶しておいた所定時間T1よりも大き
いか否かを判別する。
【0061】Ta>T1の場合、ステップ411に進
み、次のリングギア分周信号(基準のNE信号入力後、
1歯目のリングギア信号)の入力時点で失火検出が開始
できるよう、失火検出開始位置をリセットする。また同
時に、リングギア信号の分周開始位置もリセットする。
このとき、失火検出開始済フラグXRINGに「1」を
セットすると共に、分周信号カウンタCRINGを
「0」にクリアする。また続くステップ412で異常発
生フラグXRINGNGを「0」にクリアする。異常発
生フラグXRINGNGの操作に伴い、次回以降、ステ
ップ402が毎回NOとなる。さらに、ステップ413
では、気筒別失火判定値REFnを、前記図5のステッ
プ313で変更した値から元の値に戻す。異常発生フラ
グXRINGNGのクリアにより前記図3での失火検出
が再開される。
【0062】また、ステップ408でTa≦T1の場
合、ステップ409に進んで失火検出の開始タイミング
を設定するための待機タイマCWAITに「T2+T
a」の時間をセットし、その後、本処理を一旦終了す
る。
【0063】そして前記ステップ409で待機タイマC
WAITがセットされた場合に限り、それ以降、ステッ
プ401〜405→406→410の順に処理が進む
(ステップ406がYES)。ステップ410では、前
記セットした待機タイマCWAITをスタートさせ、同
タイマCWAITの時間「T2+Ta」が「0」になる
とステップ411に進む。
【0064】その後、ステップ411では、基準のNE
信号入力後、2歯目のリングギア信号の入力時点で失火
検出が開始できるよう、失火検出開始済フラグXRIN
Gに「1」をセットすると共に、分周信号カウンタCR
INGを「0」にクリアする。また同時に、リングギア
信号の分周開始位置もリセットする。つまり、ステップ
406〜411によれば、前記図5のステップ304〜
309で初期設定した位置に失火検出開始位置がリセッ
トされる。そしてその後、既述のステップ412,41
3の処理を実行する。
【0065】なお上記の通り異常発生フラグXRING
NG=1の場合には、失火検出開始済フラグXRING
=0で前記図5のステップ302がYESとなっても、
ステップ303がNOになるために、ステップ305〜
309の処理が実施されず、その代わりに前記図6のス
テップ407〜413の処理が実施されることとなる。
【0066】本実施の形態では、前記図5のステップ3
10が請求項記載の位置ずれ判定手段,比較手段に、同
ステップ312及び前記図3のステップ101が変更手
段に、同ステップ304〜309が設定手段に、それぞ
れ相当する。また、前記図6のステップ406〜411
が位置ずれ修正手段に相当し、同ステップ413が判定
値復帰手段に相当する。
【0067】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)リングギア分周信号の入力に従い、失火検出開始
位置のずれ(失火検出期間の位置ずれ)の有無を判定
し、失火検出開始位置がずれていると判定された時、失
火が検出されにくくなるよう気筒別失火判定値REFn
を変更した。かかる場合、リングギア分周信号の検出位
置が一時的にずれても、失火の誤検出が抑制される。そ
の結果、失火検出の精度を確保し、その信頼性を高める
ことができる。
【0068】(b)失火検出開始位置がずれていると判
定された時、失火検出を禁止するようにしたので、より
一層確実に失火の誤検出が抑制される。 (c)失火検出開始位置がずれていると判定された後、
所定運転条件下で失火検出開始位置のずれを修正し、当
該位置ずれ修正の後、一旦変更した気筒別失火判定値R
EFnを元に戻すようにした。この場合、電気ノイズ等
に起因する失火検出開始位置の一時的なずれが発生して
も、その後、位置ずれ発生前と同じ状態で失火検出が再
開できるようになる。
【0069】(d)失火検出開始位置がずれていると判
定された後、エンジン始動時に初期設定した失火検出期
間に位置合わせするようにしたので、エンジン始動時と
同一条件で失火検出が再開できるようになる。
【0070】(e)所定のクランク角区間内においてリ
ングギア分周信号の入力数と予め設定した所定数とを比
較し、その結果、信号入力数と予め設定した所定数とが
不一致であれば、位置ずれである旨を判定するようにし
た。本構成によれば、失火検出開始位置のずれが正確で
且つ簡易的に判定できる。
【0071】(f)回転角センサ12及び磁気センサ1
4は何れもクランク軸6の回転を検出するため、両セン
サ12,14による検出信号の相対位置は運転毎にばら
つかない。従って、前記両センサ12,14による検出
信号の位置合わせが運転毎に必要になるという煩雑さも
ない。
【0072】(g)リングギア13の歯間公差や組付け
公差等により、基準となる回転角信号NEとリングギア
の失火検出開始歯との相対位置がエンジン毎(車両毎)
で不一致になることも考えられるが、本実施の形態で
は、リングギア13の歯間公差や組付け公差があったと
しても、エンジン始動後において常に基準となる回転角
信号NEの入力後、1歯目又は2歯目から失火検出が開
始される。そのため、失火検出開始位置が大きくずれた
ままとなり結果として失火の検出精度が低下するといっ
た不都合が回避できる。
【0073】次に、本発明における第2,第3の実施の
形態を説明する。但し、以下の各実施の形態の構成にお
いて、上述した第1の実施の形態と同等であるものにつ
いては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化
する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を
中心に説明する。
【0074】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、所定のクランク角間(360°CA間)でリン
グギア分周信号の入力数を数え、その信号入力数(分周
信号カウンタCRING)から失火検出開始位置のずれ
を判定したが、本実施の形態では、基準となる回転角信
号NEの入力時、或いは当該回転角信号NEの入力から
エンジン回転数に依存した所定時間が経過した時点で、
リングギア分周信号の出力或いは出力変化をモニタする
ことにより、失火検出開始位置のずれの有無を判定す
る。
【0075】図8は、本実施の形態における失火検出の
位置ずれ判定手順を示すフローチャートであり、同図の
処理は、前記図5の処理に置き換えて実行される。な
お、他の処理は既述の処理(図3,4,6の処理)を流
用する。
【0076】NE割込みにより図8がスタートすると、
先ずステップ501では、回転角カウンタCNEが
「0」であるか否かを判別し、続くステップ502で
は、失火検出開始済フラグXRINGが「1」であるか
否かを判別する。ステップ501がNOの場合には、そ
のまま本処理を一旦終了し、ステップ502がNOの場
合には、前記図5のステップ303以降の処理を実行す
る。
【0077】ステップ501,502が共にYESの場
合、ステップ503に進み、その時のリングギア分周信
号が論理Lレベル(ローレベル)であるか否かを判別す
る。そして、ステップ503がYESであれば、ステッ
プ504に進み、次にリングギア分周信号が論理Lレベ
ルから論理Hレベル(ハイレベル)に移行するまでの時
間Tb(分周信号の立上がりエッジまでの時間)を計測
する。すなわち、次の分周信号の立上がりエッジ入力ま
で待ち、その間の計測時間Tbを記憶する。
【0078】その後、ステップ505では、その時点で
のリングギア分周信号から求まる角速度と、エンジン始
動当初でのリングギア分周信号から求まる角速度とを比
較し、その比較結果からリングギア信号が位置ずれして
いるか否かを判別する。具体的には、前記計測した時間
Tbとその時のエンジン回転数Ne2との積から算出し
た角速度(Tb×Ne2)と、エンジン始動当初の気筒
判別後、最初のリングギア分周信号までの所要時間Ta
(前記図5、ステップ305の計測時間)とその時のエ
ンジン回転数Ne1との積から算出した角速度(Ta×
Ne1)とを比較する。
【0079】ステップ505がYESであれば(Tb×
Ne2≦Ta×Ne1の場合)、ステップ506に進ん
で異常発生フラグXRINGNGを「0」、異常カウン
タCRINGNGを「0」とし、その後本処理を終了す
る。つまり、ステップ503,505が共にYESの場
合、位置ずれしていないとみなされ、その状態のまま失
火検出が継続される。
【0080】一方、前記ステップ503,505の何れ
かがNOの場合、ステップ507に進み、異常カウンタ
CRINGNGの前回値に「1」を加算する。また、続
くステップ508では、異常カウンタCRINGNGが
「3」以上であるか否かを判別する。CRINGNG≧
3であれば、失火検出開始位置がずれているとして、ス
テップ509,510の処理を実行する。すなわち、ス
テップ509では、異常発生フラグXRINGNGに
「1」をセットし、ステップ510では、気筒別失火判
定値REFn(図3、ステップ109の設定値)を変更
する。但し、ステップ509,510の処理は、前記図
5のステップ311,312の処理と同じである。
【0081】上記処理を図9のタイムチャートを用いて
より具体的に説明する。図9では便宜上、回転角信号N
Eとして、気筒判別信号Gの入力直後における基準のN
E信号のみを示し、他のNE信号の図示を省略する。
【0082】図9では、気筒判別信号Gの入力直後にお
けるNE信号割込み時(時刻t11)において、前記図
8のステップ503,505が判別される。このとき、
リングギア分周信号が正常であれば、時刻t11でリン
グギア分周信号が論理Lレベルにあり、且つ図中、Tb
時間から求まるその時の角速度(Tb×Ne2)が小さ
くなる(図8のステップ503,505が共にYE
S)。
【0083】これに対し、例えばノイズ等の影響によ
り、リングギア分周信号の立上がりエッジが分周前のリ
ングギア信号の1歯分だけ早出しになると、時刻t11
において、リングギア分周信号が論理Hレベルとなる
(図8のステップ503がNO)。そして、この状態が
3回以上継続されると、異常発生フラグXRINGNG
のセット、並びに気筒別失火判定値REFnの変更が行
われる(図8のステップ509,510)。
【0084】また、リングギア分周信号の立上がりエッ
ジが分周前のリングギア信号の1歯分だけ遅出しになる
と、図中、Tb時間から求まるその時の角速度(Tb×
Ne2)が大きくなる(前記図8のステップ505がN
O)。そして、この状態が3回以上継続されると、異常
発生フラグXRINGNGのセット、並びに気筒別失火
判定値REFnの変更が行われる(図8のステップ50
9,510)。
【0085】以上第2の実施の形態によれば、上記第1
の実施の形態と同様に、失火検出の精度を確保し、その
信頼性を高めることができる。また本実施の形態では、
基準となる回転角信号NEの入力時(図9の時刻t1
1)において、リングギア分周信号の出力或いは出力変
化をモニタすることにより、失火検出開始位置のずれが
正確で且つ簡易的に判定できる。
【0086】(第3の実施の形態)本実施の形態では、
失火検出開始位置の判定に際し、基準となる回転角信号
NEの入力後、所定時間T3の経過後と、それよりも後
の所定時間T4の経過後とについて、リングギア分周信
号の入力状態から失火検出開始位置のずれを判定する。
【0087】図10は、本実施の形態における失火検出
の位置ずれ判定手順を示すフローチャートであり、同図
の処理は、前記図5又は前記図8の処理に置き換えて実
行される。なお、他の処理は既述の処理(図3,4,6
の処理)を流用する。
【0088】NE割込みにより図10がスタートする
と、先ずステップ601では、回転角カウンタCNEが
「0」であるか否かを判別し、続くステップ602で
は、失火検出開始済フラグXRINGが「1」であるか
否かを判別する。ステップ601がNOの場合には、そ
のまま本処理を一旦終了し、ステップ602がNOの場
合には、前記図5のステップ303以降の処理を実行す
る。
【0089】ステップ601,602が共にYESの場
合、ステップ603に進み、タイマ1,2に所定時間を
それぞれセットすると共に、そのタイマ1,2をスター
トさせる。具体的には、タイマ1に「T3/Ne」をセ
ットし、タイマ2に「T4/Ne」をセットする。ここ
で、時間T3は分周前のリングギア信号の1歯分(3°
CA分)の所要時間に相当し、時間T4は分周前のリン
グギア信号の8歯分(24°CA分)の所要時間に相当
する。
【0090】その後、ステップ604では、タイマ1が
「0」になったか否かを判別し、タイマ1=0の時点で
ステップ605に進み、その時にリングギア分周信号が
論理Hレベルであるか否かを判別する。
【0091】また、ステップ605がYESであること
を条件にステップ606に進み、タイマ2が「0」にな
ったか否かを判別する。そして、タイマ2=0の時点で
ステップ607に進み、その時にリングギア分周信号が
論理Lレベルであるか否かを判別する。
【0092】ステップ607がYESであれば、ステッ
プ608に進んで異常発生フラグXRINGNGを
「0」、異常カウンタCRINGNGを「0」とし、そ
の後本処理を終了する。
【0093】一方、前記ステップ605,607の何れ
かがNOの場合、ステップ609に進み、異常カウンタ
CRINGNGの前回値に「1」を加算する。また、続
くステップ610では、異常カウンタCRINGNGが
「3」以上であるか否かを判別する。CRINGNG≧
3であれば、失火検出開始位置がずれているとして、ス
テップ611,612の処理を実行する。すなわち、ス
テップ611では、異常発生フラグXRINGNGに
「1」をセットし、ステップ612では、気筒別失火判
定値REFn(図3、ステップ109の設定値)を変更
する。但し、ステップ611,612の処理は、前記図
5のステップ311,312の処理と同じである。
【0094】上記処理を図11のタイムチャートを用い
てより具体的に説明する。図11では便宜上、回転角信
号NEとして、気筒判別信号Gの入力直後における基準
のNE信号のみを示し、他のNE信号の図示を省略す
る。
【0095】図11では、気筒判別信号Gの入力直後に
おけるNE信号割込み時(時刻t21)において、タイ
マ1,2がセット、スタートされる(前記図10のステ
ップ603)。
【0096】リングギア分周信号が正常であれば、タイ
マ1のセット時間T3/Neが経過する時刻t22でリ
ングギア分周信号が論理Hレベルとなり、且つタイマ2
のセット時間T4/Neが経過する時刻t23でリング
ギア分周信号が論理Lレベルとなる(図10のステップ
605,607が共にYES)。
【0097】これに対し、例えばノイズ等の影響によ
り、リングギア分周信号の立上がりエッジが分周前のリ
ングギア信号の1歯分だけ早出しになると、時刻t22
でリングギア分周信号が論理Hレベル、時刻t23でも
同分周信号が論理Hレベルとなる(図10のステップ6
05がYES,ステップ607がNO)。そして、この
状態が3回以上継続されると、異常発生フラグXRIN
GNGのセット、並びに気筒別失火判定値REFnの変
更が行われる(図10のステップ611,612)。
【0098】また、リングギア分周信号の立上がりエッ
ジが分周前のリングギア信号の1歯分だけ遅出しになる
と、時刻t22において、リングギア分周信号が論理L
レベルとなる(図10のステップ605がNO)。そし
て、この状態が3回以上継続されると、異常発生フラグ
XRINGNGのセット、並びに気筒別失火判定値RE
Fnの変更が行われる(図10のステップ611,61
2)。
【0099】以上第3の実施の形態によれば、上記各実
施の形態と同様に、失火検出の精度を確保し、その信頼
性を高めることができる。また本実施の形態では、基準
となる回転角信号NEの入力時、或いは当該回転角信号
NEの入力からエンジン回転数に依存した所定時間が経
過した時点で(図11の時刻t22或いはt23)、リ
ングギア分周信号の論理レベルに基づいて失火検出開始
位置のずれの有無を判定するようにした。本構成によれ
ば、失火検出開始位置のずれが正確で且つ簡易的に判定
できる。
【0100】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて具体化できる。上記各実施の形態では、失
火検出開始位置のずれが判定された時、失火検出を禁止
すると共に、気筒別失火判定値REFnを変更するよう
にしたが、この構成を変更する。例えば失火検出を禁止
することを取りやめ、位置ずれの判定後にも失火検出を
継続する。この場合、失火が検出されにくくなるように
気筒別失火判定値REFnが変更されているため、失火
検出が継続されても失火が誤検出されることはない。
【0101】或いは、失火検出開始位置のずれが判定さ
れた時において、気筒別失火判定値REFnを変更する
ことを取りやめてもよい。この場合、失火検出の禁止の
みを行うことでやはり、失火の誤検出が抑制される。
【0102】上記各実施の形態では、前記図3の処理に
見られるように、その時々の回転速度差と360°CA
前の回転速度差とから回転変動量Δωnを求め(ステッ
プ105)、この回転変動量Δωnに基づいて失火の有
無を検出したが、失火検出の手法はこれに限定されず、
他の手法を用いて失火検出を行うようにしてもよい。要
は、失火検出期間内において、リングギア信号に基づい
て燃焼毎の機関回転変動を求め、その回転変動量から失
火の有無を検出するものであればよい。その他、単気筒
エンジンにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態における失火検出装置の概要
を示す構成図。
【図2】各種信号波形を示すタイムチャート。
【図3】失火検出の基本処理を示すフローチャート。
【図4】NE割込み処理を示すフローチャート。
【図5】NE割込み処理を示すフローチャート。
【図6】NE割込み処理を示すフローチャート。
【図7】実施の形態の作用をより具体的に示すタイムチ
ャート。
【図8】第2の実施の形態においてNE割込み処理を示
すフローチャート。
【図9】第2の実施の形態の作用をより具体的に示すタ
イムチャート。
【図10】第3の実施の形態においてNE割込み処理を
示すフローチャート。
【図11】第3の実施の形態の作用をより具体的に示す
タイムチャート。
【符号の説明】
6…クランク軸、12…回転角信号出力手段としての回
転角センサ、13…リングギア、14…ギア信号出力手
段としての磁気センサ、15…分周回路、20…位置ず
れ判定手段,変更手段,位置ずれ修正手段,判定値復帰
手段,設定手段,比較手段としてのECU。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01M 15/00 G01M 15/00 Z // G01P 3/488 G01P 3/488 H (72)発明者 飯田 寿 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 鶴田 真徳 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F077 AA04 NN03 NN21 PP06 QQ17 TT47 TT79 TT81 2G087 AA01 AA16 BB14 CC01 CC05 CC25 CC38 DD03 EE23 FF21 FF32 3G084 DA04 DA27 EA05 EA07 EA09 EA11 EB12 EB16 EB22 FA24 FA34 FA38 FA39

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランク軸に取り付けられたリ
    ングギアと、そのリングギアの回転に応じたリングギア
    信号を出力するギア信号出力手段とを備え、前記ギア信
    号出力手段によるリングギア信号に基づいて燃焼毎に失
    火検出期間を決定すると共に該失火検出期間内にて機関
    回転速度の変動量を算出し、該算出した機関回転速度の
    変動量に基づいて内燃機関の失火を検出する内燃機関の
    失火検出装置であって、 前記ギア信号出力手段によるリングギア信号の入力に従
    い、失火検出期間の位置ずれの有無を判定する位置ずれ
    判定手段と、 前記位置ずれ判定手段により失火検出期間の位置ずれが
    あると判定された時、失火が検出されにくくなるよう失
    火検出態様を別の態様に変更する変更手段とを備えるこ
    とを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】前記変更手段は、失火検出を禁止する請求
    項1に記載の内燃機関の失火検出装置。
  3. 【請求項3】機関回転速度の変動量と失火判定値との比
    較により失火を検出する失火検出装置において、 前記変更手段は、失火が検出されにくくなるよう前記失
    火判定値を変更する請求項1に記載の内燃機関の失火検
    出装置。
  4. 【請求項4】前記位置ずれ判定手段により失火検出期間
    の位置ずれがあると判定された後、所定運転条件下で失
    火検出期間の位置ずれを修正する位置ずれ修正手段と、 当該位置ずれ修正の後、前記変更手段により変更された
    失火判定値を元に戻す判定値復帰手段とを更に備える請
    求項3に記載の内燃機関の失火検出装置。
  5. 【請求項5】機関始動時において失火検出期間を初期設
    定する設定手段を備え、 前記位置ずれ修正手段は、失火検出期間の位置ずれがあ
    ると判定された後に、前記設定手段により初期設定した
    失火検出期間に位置合わせする請求項4に記載の内燃機
    関の失火検出装置。
  6. 【請求項6】内燃機関のクランク軸に取り付けられて該
    クランク軸の回転に応じた回転角信号を出力する回転角
    信号出力手段と、該回転角信号出力手段による回転角信
    号にて設定される所定のクランク角区間内において前記
    ギア信号出力手段によるリングギア信号の入力数をカウ
    ントし、該カウントした信号入力数と予め設定した所定
    数とを比較する比較手段とを備え、 前記位置ずれ判定手段は、前記比較手段による比較の結
    果、信号入力数と予め設定した所定数とが不一致であれ
    ば、位置ずれである旨を判定する請求項1〜請求項5の
    いずれかに記載の内燃機関の失火検出装置。
  7. 【請求項7】内燃機関のクランク軸に取り付けられて該
    クランク軸の回転に応じた回転角信号を出力する回転角
    信号出力手段を備え、 前記位置ずれ判定手段は、基準となる回転角信号の入力
    時、或いは当該回転角信号の入力から機関回転数に依存
    した所定時間が経過した時点で、前記ギア信号出力手段
    によるリングギア信号の出力或いは出力変化をモニタす
    ることにより、失火検出期間の位置ずれの有無を判定す
    る請求項1〜請求項5のいずれかに記載の内燃機関の失
    火検出装置。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の失火検出装置において、 前記リングギア信号を所定の分周比にて分周して論理ハ
    イ又はローレベルの分周信号を生成し、前記位置ずれ判
    定手段が、前記分周信号を用いて位置ずれの判定を行う
    際、基準となる回転角信号の入力時、或いは当該回転角
    信号の入力から機関回転数に依存した所定時間が経過し
    た時点で、リングギア分周信号の論理レベルに基づいて
    失火検出期間の位置ずれの有無を判定する内燃機関の失
    火検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20170056679A (ko) * 2014-10-23 2017-05-23 스카니아 씨브이 악티에볼라그 회전 요소의 속도를 검출하는 장치, 방법 및 차량
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