JPH07174773A - 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置 - Google Patents

多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置

Info

Publication number
JPH07174773A
JPH07174773A JP31851693A JP31851693A JPH07174773A JP H07174773 A JPH07174773 A JP H07174773A JP 31851693 A JP31851693 A JP 31851693A JP 31851693 A JP31851693 A JP 31851693A JP H07174773 A JPH07174773 A JP H07174773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cylinder
combustion engine
rotation speed
internal combustion
combustion state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31851693A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Okamoto
岡本  喜之
Atsushi Suzuki
淳志 鈴木
Masahito Gotouda
優仁 後藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP31851693A priority Critical patent/JPH07174773A/ja
Publication of JPH07174773A publication Critical patent/JPH07174773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基準位置検出用の欠歯部を有するクランク角
センサを用いて、正確な瞬時回転速度を求め、失火判定
やラフアイドル判定を正確に実行する。 【構成】 NE割り込み処理により、120゜CA回転
するのに要する時間tT120と、30゜CA回転する
のに要する時間tT30とを算出する(ステッフ゜2)。ロー
タの欠歯部の前・後のエッジ入力時かどうかを判断し
(ステッフ゜3)、欠歯部前端の歯以外の歯の関係から算出し
たtT120i-1 に基づいて、補正時間△T=0.3/
120×tT120i-1 を算出する(ステッフ゜4)。△Tは
0.3゜CA回転するのに要する時間を意味する。続い
て、tT30−△Tを欠歯部前端エッジのタイミングに
おける瞬時回転速度対応時間T32とする(ステッフ゜5)。
一方、欠歯部後端エッジの場合には、tT30+△Tを
瞬時回転速度対応時間T31とする(ステッフ゜7)。なお、
それ以外のタイミングでは、補正をしない(ステッフ゜8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多気筒内燃機関の各気
筒の燃焼状態を判断する装置に係り、特に、クランク角
基準位置を検出するための欠落部を有する歯付きロータ
を用いた多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クランク軸の回転に合わせて回転
する歯付きロータと、ピックアップとを用いたマグネッ
トピックアップ方式のクランク角センサが知られてい
る。例えば、4つの歯を90度ずつずらして配置したロ
ータを用い、4気筒エンジンのTDC毎に信号を出力す
るようにしたセンサ(特開昭60−108565号公
報)があった。しかし、これでは単に各気筒のTDCを
検出できるのみであったので、多数の等間隔の突起を備
え、その一部だけを欠落部としたロータを用い、この欠
落部によって基準位置(例えばある気筒のTDC)を判
別すると共に、等間隔の突起の信号により刻々のクラン
ク角を検出できるようにしたもの(特開昭62−139
976号公報)もあった。これらの出願では、TDC信
号あるいは基準位置信号に基づいて、エンジンの点火時
期制御を行う技術が開示されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、特開昭62−
139976号公報記載のものでは、突起の間隔がすべ
て等間隔ではないので、例えば図1(a)に示すよう
に、マグネットピックアップ(MPU)から出力される
信号(MPU信号)の周波数が変化する。従って、MP
U信号を電子制御回路(ECU)で受け、波形整形して
矩形波信号を得たとき、図示のように、信号のエッジに
ずれが生じる。このため、図のT1,T2,T3の各時
間が異なり、このままでは各瞬間毎の正確な回転速度を
求めることができない。
【0004】特に、特開昭62−139976号公報記
載の様なセンサに対しては、単に点火時期を設定するた
めだけでなく、刻々のクランク角に基づいて瞬時のエン
ジン回転速度を算出し、多気筒エンジンの各気筒におい
て失火が生じていないか否かや、アイドル時の各気筒の
燃焼状態にばらつきがないかなどといった気筒毎の燃焼
状態を判断するのに使用する要望がある。この要望に応
えるには、所望の瞬間の瞬時回転速度を正確に求めるこ
とが要求される。
【0005】そこで、本発明は、クランク角基準位置を
検出するための欠落部を有する歯付きロータを用いて、
気筒判別をしつつ、各気筒の燃焼状態を正確に判断する
ことのできる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、本発明の多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置は、請
求項1に記載した様に、複数の気筒を有する内燃機関
と、該内燃機関のクランク軸と共に回転するロータと、
該ロータの周囲に、所定クランク角度範囲にわたる欠落
部を除き、等回転角毎に設けられた複数の突起と、前記
ロータの近傍に配置され、磁束変化を捉えることによ
り、前記突起の接近・離間に合わせて変化するピックア
ップ信号を出力するピックアップ手段と、該ピックアッ
プ信号の離間側エッジの間隔に基づいて、内燃機関の瞬
時回転速度を算出する瞬時回転速度算出手段と、該瞬時
回転速度算出手段の算出した瞬時回転速度に基づいて内
燃機関の各気筒の燃焼状態を判断する気筒別燃焼状態判
断手段とを備えた多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置に
おいて、前記欠落部前端の突起との関係で算出される瞬
時回転速度を、該欠落部前端の突起によるピックアップ
信号の離間側エッジの遅れ方向へのずれによる誤差をな
くす方向に補正して前記気筒別燃焼状態判断手段による
燃焼状態の判断をさせる補正手段を備えたことを特徴と
する。
【0007】具体的には、請求項2に記載した様に、こ
の請求項1記載の多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置に
おいて、前記補正手段として、クランク軸が前記欠落部
前端のクランク角になるタイミングを、当該欠落部前端
以外の突起同士のピックアップ信号から算出した瞬時回
転速度に基づいて予測する予測手段と、欠落部前端の突
起との関係で瞬時回転速度を算出する場合に前記予測手
段の予測結果を加味して算出値を増減する増減手段とを
備えることができる。
【0008】これをさらに具体的にするならば、請求項
3に記載した様に、この請求項2記載の多気筒内燃機関
の燃焼状態判断装置において、前記予測手段は、欠落部
前端以外の突起同士のピックアップ信号から算出した瞬
時回転速度に基づいて、欠落部前端の突起によるピック
アップ信号の離間側エッジの遅れ時間を予測する手段と
して構成し、前記増減手段は、欠落部前端の突起との関
係で算出した所定角度を回転するのに要する時間に、前
記遅れ時間を加算又は減算して瞬時回転速度を求める手
段として構成すればよい。
【0009】一方、他の観点に立てば、請求項4に記載
した様に、請求項1記載の多気筒内燃機関の燃焼状態判
断装置において、前記補正手段として、前記欠落部前端
の突起を、その直前の突起に対して近づけて取り付ける
ことによって、該欠落部前端の突起によるピックアップ
信号の離間側エッジの遅れ方向へのずれを相殺させる構
成とすることもできる。
【0010】もちろん、これら請求項2〜4以外の構成
を採用することも妨げられない。
【0011】
【作用】本発明の多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置の
作用を説明する前に、図1(a)に示すような部分的に
突起の欠落した部分を設けたロータの出力する信号につ
いて説明する。本発明者らの実験によれば、図1(b)
にあるように、等間隔部の突起によるMPU信号の後側
の傾きは、欠落部の前端の突起によるMPU信号の後側
の傾きよりも立ち上がることが分かった。従って、期間
T1,T2,T3は、T3<T1<T2となる(T2=
T1+△T,T3=T1−△T)。このため、そのまま
T1,T2,T3から瞬時回転速度を求めると、本当は
回転速度が一定であるのに変動があるかの如く判断され
てしまう場合がある。この逆もあり得る。
【0012】これに対し、本発明の燃焼状態判断装置に
よれば、T2,T3については、この誤差△Tをなくす
方向に瞬時回転速度を補正して気筒別の燃焼状態の判断
をさせるので、本当の瞬時回転速度に基づいて正しい判
断をすることができる。請求項2記載の多気筒内燃機関
の燃焼状態判断装置の場合には、この補正として、図1
(b)中のT1やT4など、欠落部前端以外の突起同士
のピックアップ信号から算出した瞬時回転速度に基づい
て、クランク軸が欠落部前端のクランク角になるタイミ
ングt0を予測する。タイミングt0さえ分かれば、図
のT2ではなく、T2’の方を求めることができ、正し
い判断ができる。ところで、請求項3記載の多気筒内燃
機関の燃焼状態判断装置の場合には、このとき、△T自
体を予測し、T2’=T2−△T、T3’=T3−△T
といった演算をすることになる。
【0013】一方、請求項4記載の多気筒内燃機関の燃
焼状態判断装置によれば、図1(c)に示すように、そ
もそも、MPU信号自体において欠落部前端の突起によ
るピックアップ信号の離間側エッジの遅れ方向へのずれ
が相殺されるので、MPU信号に基づいて正しい瞬時回
転速度をそのままで求めることができるのである。即
ち、ハード自体でMPU信号の方を補正してしまうので
ある。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。実
施例は、図2に示すように、6気筒の内燃機関2及びそ
の周辺装置から構成される。図に示す如く内燃機関2に
は、図示しないアクセルペダルに連動して開閉されるス
ロットルバルブ4、吸気の脈動を除去するためのサージ
タンク6等が設けられた吸気管8を介して空気が導入さ
れる。また燃料は、燃料噴射弁10を開弁することによ
り各気筒毎に供給され、各気筒に設けられた点火プラグ
12により点火される。そしてこの点火による燃焼後の
排気は、排気浄化のための三元触媒14が設けられた排
気管16を通って排出される。
【0015】また各気筒の点火プラグ12には、点火コ
イル18により発生された高電圧がディストリビュータ
20を介して順次分配され、これによって各気筒毎に点
火が実行される。すなわち、ディストリビュータ20
は、内燃機関2のクランク軸22にタイミングベルト2
4を介して連結されたカム軸26に取り付けられ、カム
軸26がクランク軸22の2回転に1回の割で回転する
ことにより、点火コイル18が発生した高電圧を各気筒
の点火プラグ12に順次分配する。
【0016】また次に内燃機関2には、その運転状態を
検出するためのセンサとして、吸気温度を検出する吸気
温センサ30、吸気管8に流入する吸入空気量を検出す
るエアフロメータ31、冷却水の温度を検出する水温セ
ンサ32、排気中の酸素濃度から内燃機関2に供給され
た混合気の空燃比を検出する空燃比センサ33、クラン
ク軸22に取り付けられ、クランク軸22の10゜CA
回転毎に回転角信号(以下、Ne信号と記載)を発生す
るクランク軸センサ34、および、上記カム軸26に取
り付けられ、カム軸26の1回転に1回、すなわちクラ
ンク軸22の2回転に1回、の割で特定気筒(本実施例
では第1気筒)のTDC判別用の基準信号(以下、G1
信号と記載)を発生するカム軸センサ36が備えられて
いる。
【0017】これら各センサからの検出信号は、電子制
御回路(以下、ECUと記載)40に入力される。EC
U40は、CPU41,ROM42,RAM43,バッ
クアップRAM44,タイマ45,入出力回路(I/
O)46等からなる周知のマイクロコンピュータにより
構成されており、内燃機関2の運転状態を表す上記各セ
ンサからの検出信号に基づき内燃機関2をコントロール
する。
【0018】図3は、クランク軸22が10゜CA回転
する毎にNe信号を発生するクランク軸センサ34の構
成を示す。クランク軸22に取り付けられたタイミング
ロータ100は、1ケ所のみ2歯が欠けた構成となって
いる。すなわち、30゜CAの範囲に渡って歯の欠落部
が設けられている。従って、このタイミングロータ10
0との関係より、クランク軸センサ34は、歯の欠落の
無い部分では10゜CA回転する毎にNe信号を出力
し、欠落部では30゜CA回転して初めてNe信号を出
力する。
【0019】クランク軸センサ34の出力を図4(b)
に、カム軸センサ36の出力を同図(a)に示す。タイ
ミングロータ100は、第1気筒の圧縮TDC後180
〜210゜CA位置で歯が欠落している。また、第4気
筒の圧縮TDC後180〜210゜CA位置(第1気筒
の圧縮TDC後540〜570゜CA)も欠歯となる。
カム軸センサ36の出力は、第1気筒の圧縮TDC後、
約630゜CAの位置にある。このシステムではクラン
ク軸センサ34の出力をECU40で受け、この欠落し
た部分がピックアップ位置に来たことを判別する。欠落
部は図4(b)に示すごとく、クランク軸1回転(36
0゜CA)に1回の割合で、特定のクランク角位置に表
われる。欠落した部分を判別してから所定角度後の位置
をTDCとするが、このままでは第1気筒のTDCなの
か第4気筒のTDCなのかの判別がつかない。このた
め、欠落部を検出した後にカム軸センサ36の出力を受
けた場合には、前記所定角度後の位置を第1気筒の圧縮
TDCとし、逆にカム軸センサ36の出力を受けなかっ
た場合には第4気筒の圧縮TDCと判断するようにして
いる。
【0020】ところで、このクランク軸センサ34から
のMPU信号がECU40内で処理される構成をブロッ
ク図で示すと図5のようになる。センサ出力は、図5
(a)に示すように、フィルタ回路40aを介してノイ
ズ成分などを除去した上で、波形整形回路40bに入力
される。ここで、波形整形回路40bでは、図5(b)
に示すような波形信号Aが、同図(c)に示すようなパ
ルス信号Bに波形整形される。このパルス信号Bは、欠
歯検出回路40cに入力される。欠歯検出回路40cで
は、各パルスのエッジ間の時間を求め、直前に求めた時
間との比が所定値(例えば3)以上になった場合、その
位置を欠歯部として検出する。
【0021】欠歯検出回路40cにおいて欠歯を検出し
た後は、分周回路40dにおいてパルス信号Bを、欠歯
部後端のエッジを基準に3分周し、図5(d)のよう
な分周信号Cを出力する。こうして、本実施例では、3
0゜CA毎の回転時間tT30゜を瞬時回転速度として
求めているのである。
【0022】ところで、MPU信号Aをパルス信号Bに
波形整形する場合、所定電圧とMPU信号とを比較する
ことによって実行している。即ち、図6(a)に示すよ
うに、MPU信号Aをスレッショルドレベルとして定め
た比較電圧値V1,V2と比較し、V1を下から上へ越
えるときにロウレベルとなり、V2を上から下へ越える
ときにハイレベルとなるように波形整形をする。なお、
V1,V2を変えてあるのは、チャタリング防止のため
である。
【0023】ここで、10゜CA毎に等間隔で歯がある
部分と30゜CAに渡って欠歯とされている部分とで
は、MPU信号の周波数が異なり、隣接する歯の接近・
離間による磁束変化の影響も相違するため、図示(b)
のように、欠歯部によるパルス信号がそれ以外の部分に
よるパルス信号と異なる信号となる。また、フィルタ回
路40aは、ノイズ除去のためコンデンサ抵抗によって
構成されるので、このフィルタ通過によって波形がなま
される。なまされる程度は周波数によって影響を受け、
周波数の高い高回転で大きく影響する。本発明者らは、
図5のエッジ〜について、エンジン回転数と遅れ角
度との関係を実験したところ、図7に示すようになっ
た。
【0024】全てのエンジン回転数において、エッジ
,,よりも、エッジの方が、やや遅れ気味にな
ることが分かる。そして、このエッジ,,に対す
るエッジの遅れ角度の差は、1000回転以上では
0.3゜CAのほぼ一定値になることを実験で確認し
た。
【0025】このため、図5(d)に示した間の角
度=a、間の角度=b、間の角度=cは、a=
30+0.3=30.3[゜CA]、b=30−0.3
=29.7[゜CA]、c=30[゜CA]となる。と
ころで、ECU40ではa,b,cの角度を測定するこ
とはできず、時間だけが分かる。このため、30゜CA
回転するのに要する時間を検出することで瞬時回転速度
を得ている。ここで、上記の様にa,b,cで角度が異
なるため、このエッジ間の時間をそのまま瞬時回転速度
とすることができない。そこで、本実施例では、エッジ
間、エッジ間でも30゜CA回転時間の正確な
値を得るために、以下の様な補正処理をしている。この
内容を、図8の時間補正フローチャートに従い説明す
る。
【0026】この処理は、NE信号(分周信号C)のエ
ッジが入力された時、CPUのソフトにおいてNE割り
込み処理として実行される。すると、ステップ1におい
て現在入力された時刻と120゜CA前に入力された時
刻の差を算出し、120゜CA回転時間tT120とす
る。また、ステップ2において、現在入力時刻と30゜
CA前に入力された時刻の差を30゜CA回転時間tT
30とする。
【0027】ステップ3においては、CCRNK(これ
は図9に示す様に、クランク軸センサ34出力の欠歯部
の検出結果と、カム軸センサ36の出力の論理より得ら
れる第1気筒のTDCを基準に動くカウンタである。第
1気筒のTDC=0、4第気筒のTDC=12であり、
24でクリアされる)が、6又は18か否かを判定す
る。即ち、欠歯部の前・後のエッジ入力時かどうかの判
断をする。
【0028】CCRNK=6又は18(欠歯部の前エッ
ジ)である場合、ステップ4により補正時間△Tを算出
する。本実施例では、△Tは0.3゜CA回転するのに
要する時間を意味し、次式で算出される。
【0029】
【数1】
【0030】ここで、tT120i-1 とは、1つ前のエ
ッジCCRNK=5又は17で算出されたtT120で
ある。即ち、欠歯部の前端の歯以外の歯の関係から算出
した瞬時回転速度に対応する時間である。続いて、ステ
ップ5に進み、今回算出したtT30から△Tを減算
し、これを欠歯部前端エッジのタイミングにおける瞬時
回転速度対応時間T32とする。一方、ステップ3にて
欠歯部前端エッジでないと判断された場合には、ステッ
プ6に進み、欠歯部後端エッジかどうか、即ち、CCR
NK=7又は19か否かを判断する。欠歯部の後端エッ
ジと判断された場合には、ステップ7に進み、今回算出
されたtT30に△Tを加算し、これを欠歯部後端エッ
ジのタイミングにおける瞬時回転速度対応時間T31と
する。
【0031】ステップ6で「NO」と判定されたものに
ついては、何も補正せず、tT30を瞬時回転速度対応
時間T30として処理を終了する(ステップ8)。ここ
で、30゜CA回転時間に関連して、ここまでに表れた
tT30等及び、これから後の説明で出てくるT33に
ついて、定義をしておく。 tT30:エッジ間により算出される30゜CA回転時
間 T30:BTDC30゜CA 〜TDC間の30゜CA
回転時間 T31:BTDC60゜CA 〜BTDC30゜CA間
の30゜CA回転時間 T32:BTDC90゜CA 〜BTDC60゜CA間
の30゜CA回転時間 T33:BTDC120゜CA(TDC)〜BTDC9
0゜CA間の30゜CA回転時間 次に、こうして補正され、正確な30゜CA回転時間が
得られた後の処理について説明する。本実施例では、こ
の正確な30゜CA回転時間に基づいて、失火判定を行
っている。その処理フローチャートを図10に示す。
【0032】失火判定は、上述のステップ1〜ステップ
8の補正処理が済んでから開始することになる(ステッ
プ10)。まず、BTDC30゜CAタイミングかどう
か判定する(ステップ11)。BTDC30゜CAタイ
ミングであるということは、ステップ10にてT31が
算出されたことになる。そこで、次に、DLT=T33
−T31を算出する(ステップ12)。ここで、図11
に示すように、正常に燃焼が行われた場合には気筒内で
の爆発によってエンジンの瞬時回転速度が上昇し、30
゜CA回転時間がBTDC30゜付近で最小になる(実
線)。一方、失火が起こると、爆発による回転速度上昇
が見られないため、図示一点鎖線若しくは点線の様に3
0゜CA回転時間がそれほど小さくならないか、あるい
は逆に大きくなってしまう。従って、瞬時回転速度を表
す数値の内、T31を調べることによって失火の有無を
判定することができるといえる。ところで、T31の絶
対値だけでは直ちに失火を判定することはできない。こ
れに対し、図11に示す様に、失火が起これば、T33
−T31は負の値をとるか、あるいはある所定値より小
さくなる。ここで、T31とT33は、図11からも明
かな様に、1点火周期間での瞬時回転速度の最高と最低
に該当する。そこで、本実施例ではBTDC30゜CA
のタイミングのときに、失火判定パラメータであるDL
T=T33−T31を算出するようにしているのであ
る。
【0033】こうしてDLTを算出したら、続いて、エ
ンジン回転数NE及び負荷G/Nより、判定レベルTL
VLを算出し(ステップ13)、DLTとTLVLとの
大小を比較する(ステップ14)。ステップ14におい
てDLT<TLVLと判定された場合は失火と判定する
(ステップ15)。以上の様にして、瞬時回転速度を正
しく検出することにより、各気筒にて失火が起こってい
るか否かを正しく判断することができる。次に、今度
は、アイドル時の回転速度の安定化を行うための気筒別
点火時期補正に応用した場合の制御処理について説明す
る。フローチャートを図12に示す。
【0034】この処理も、上述のステップ1〜ステップ
8の補正処理が済んでから開始することになる(ステッ
プ20)。この処理では、時間補正が済んだら、まず、
アイドル時かどうかの判定を行い(ステップ21)、ア
イドル時でない場合にはそのまま処理を終了する。一
方、アイドル時である場合には、BTDC30゜CAの
タイミングでの割り込みかどうかを判定する(ステップ
22)。すなわち、T31を算出できているタイミング
か否かを判定する。BTDC30゜CAのタイミングで
ある場合には、1点火周期間での瞬時回転速度が最高T
31と最低T33の差(T33−T31)を算出する
(ステップ23)。ここで、ステップ23では、(T3
3−T31)を各気筒毎に区別してDLTn(nは気筒
の番号1〜6)を算出する。
【0035】このDLTnの算出例を図13(a)に示
す。この例は第3気筒が失火を起こした場合を表してお
り、DLT3が負の値になっている。なお、失火した気
筒のDLTnは負の値にならないこともあるが、その場
合にはかなり小さな値になっている。このことは、図1
1の一点鎖線からも理解できるであろう。こうして、D
LTnが算出されたら、各DLTnと、DLTnの6気
筒の平均値DLTAVi-1 との差△DLTをとり(ステ
ップ24)、この差△DLTが最大になる気筒を失火気
筒と判定する(ステップ25)。図13(b)に第3気
筒が失火している場合のDLTAVi-1 −DLTnを示
す。この場合、第3気筒が最大の値をとる。 こうし
て、失火気筒が判定できたら、失火気筒への点火時期を
1゜CA進めるため、失火と判定された気筒の点火時期
補正量ACYLnに1゜CAをプラスする(ステップ2
6)。図13(c)に、第3気筒が失火と判定された場
合の、ACYLnを示す。この場合は、ACYL3に1
゜CAがプラスされていることが分かる。
【0036】なお、ここで求められたACYLnは図示
しない点火時期算出ルーチンにおいて、n気筒の点火時
期を設定する時に、点火時期算出値ACALにプラスす
る。即ち、AOP=ACAL+ACYLnの演算を行
う。ここで、AOPは最終点火時期、ACALは回転速
度によって得られる点火時期である。ステップ26にお
いて失火気筒の点火時期補正値ACYLnに1゜CAが
プラスされたら、ACYL1〜ACYL6が全て1゜C
A以上になっているか否かを判定する(ステップ2
7)。そして、全てが1以上であるときには、それぞれ
の補正値ACYLnから1゜CAずつ減算する(ステッ
プ28)。これは、進角側に進み過ぎない様にする処理
である。全てのACYLnが1゜CA以上である場合
は、全てのACYLnから1゜CAマイナスすることで
全体が進角側になることがなくなるのである。
【0037】ところで、全てのACYLnが1以上でな
いときは、このステップ28をパスするので、ACYL
nが進角側へ大きくなり過ぎるおそれがある。そこで、
ステップ29を設けて、進角補正量が大きくなり過ぎな
いように10゜CAでガード処理をする。なお、ステッ
プ28を経て来た場合にもステップ29が実行される
が、この場合にはガード処理はほとんど意味を持たな
い。ステップ28にて1゜CAずつ減算されているから
である。こうしてガード処理も済むと、最後に、ステッ
プ24で使用するDLTnの平均値DLTAVを算出す
る(ステップ30)。
【0038】
【数2】
【0039】ここでは、1/8なましで平均値を算出す
る構成をとっている。なお、なましの程度は1/4でも
1/16でも構わない。このアイドル時の回転速度の安
定化を行うための気筒別点火時期補正処理においても、
時間補正処理によって欠歯部前端エッジとの関係で算出
しなければならないT31が正しく補正されているの
で、正確な失火判定、瞬時回転速度判定ができ、アイド
ル安定化を正しく実行することができる。特に、低回転
(2000rpm以下)では、1点火周期の瞬時回転速
度(6気筒エンジンに対する実施例でいうとtT12
0)を用いるより、30゜CA回転時間で失火を判定す
る方が検出性が良いということが知られている。これ
は、1点火周期経過する間に30゜CA時間は刻々変化
し、爆発の影響を受ける部分が一番回転速度が高くなる
からである。また、TDCの直前・直後が最も回転速度
が低くなる。この様な回転速度の高いところと低いとこ
ろの差を確実に検出することで回転の不安定さ(≒失
火)を判別すると、精度よく判定ができるのである。
【0040】次に、いくつかの変形例について説明す
る。実施例では、時間補正は120゜CA回転時間tT
120に基づいて演算で0.3゜CA回転時間△Tを求
める構成を採用したが、回転数に対するマップをもって
おいて、エンジン回転数をパラメータとして検索するだ
けの構成にしておいてもよい。また、一定回転でエンジ
ンが回転しているときなら、第3気筒、第6気筒につい
ては、他の気筒の同じクランク位置の時間、例えば、C
CRNK=3,11,15,23のタイミングでのT3
1との比較により補正値を学習するように構成してもよ
い。
【0041】さらに、図14に示すように、タイミング
ロータの突起位置を変更する手法もある。欠歯部の前端
の突起自体を、前方へK=0.3゜CAだけずらしてお
けば、欠歯部前端のエッジの遅れを相殺することができ
るので、単純に分周信号の時間間隔だけを検出すれば、
結果的に補正をした30゜CA回転時間が得られる。以
上本発明の実施例及び変形例を説明したが、本発明はこ
れらに限られるものではなく、本発明の要旨の範囲内に
おいて種々なる態様にて実施することができることはも
ちろんである。
【0042】
【発明の効果】本発明の多気筒内燃機関の燃焼状態判断
装置によれば、欠落部前端の突起によるピックアップ信
号の離間側エッジの遅れによる瞬時回転速度算出上の誤
差を解消し、正確な瞬時回転速度を用いて、回転変動な
どを正確に判断することができる。特に、低回転での燃
焼状態の判断を精度よく実行するのに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の作用を示した説明図である。
【図2】 実施例のエンジンの構成図である。
【図3】 実施例におけるクランク軸センサの構成図で
ある。
【図4】 実施例でのセンサ信号とクランク角度の関係
を示すタイミングチャートである。
【図5】 実施例におけるECUの機能を示すブロック
図及び各部での信号を表したタイミングチャートであ
る。
【図6】 実施例における波形整形の模式図である。
【図7】 実施例におけるMPU信号の角度遅れの様子
を示すグラフである。
【図8】 実施例における時間補正処理のフローチャー
トである。
【図9】 実施例におけるNE信号とクランクカウンタ
CCRNKの関係を示す説明図である。
【図10】 実施例における失火判定処理のフローチャ
ートである。
【図11】 実施例における1点火周期における瞬時回
転速度変化の様子を示すグラフである。
【図12】 実施例における気筒別アイドル安定化進角
補正処理のフローチャートである。
【図13】 実施例における気筒別アイドル安定化進角
補正処理の説明図である。
【図14】 変形例としてのタイミングロータの説明図
である。
【符号の説明】
2・・・内燃機関、22・・・クランク軸、24・・・
タイミングベルト、26・・・カム軸、34・・・クラ
ンク軸センサ、36・・・カム軸センサ、40・・・E
CU、40a・・・フィルタ回路、40b・・・波形整
形回路、40c・・・欠歯検出回路、40d・・・分周
回路、100・・・タイミングロータ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒を有する内燃機関と、 該内燃機関のクランク軸と共に回転するロータと、 該ロータの周囲に、所定クランク角度範囲にわたる欠落
    部を除き、等回転角毎に設けられた複数の突起と、 前記ロータの近傍に配置され、磁束変化を捉えることに
    より、前記突起の接近・離間に合わせて変化するピック
    アップ信号を出力するピックアップ手段と、 該ピックアップ信号の離間側エッジの間隔に基づいて、
    内燃機関の瞬時回転速度を算出する瞬時回転速度算出手
    段と、 該瞬時回転速度算出手段の算出した瞬時回転速度に基づ
    いて内燃機関の各気筒の燃焼状態を判断する気筒別燃焼
    状態判断手段とを備えた多気筒内燃機関の燃焼状態判断
    装置において、 前記欠落部前端の突起との関係で算出される瞬時回転速
    度を、該欠落部前端の突起によるピックアップ信号の離
    間側エッジの遅れ方向へのずれによる誤差をなくす方向
    に補正して前記気筒別燃焼状態判断手段による燃焼状態
    の判断をさせる補正手段を備えたことを特徴とする多気
    筒内燃機関の燃焼状態判断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の多気筒内燃機関の燃焼状
    態判断装置において、前記補正手段として、 クランク軸が前記欠落部前端のクランク角になるタイミ
    ングを、当該欠落部前端以外の突起同士のピックアップ
    信号から算出した瞬時回転速度に基づいて予測する予測
    手段と、 欠落部前端の突起との関係で瞬時回転速度を算出する場
    合に前記予測手段の予測結果を加味して算出値を増減す
    る増減手段とを備えたことを特徴とする多気筒内燃機関
    の燃焼状態判断装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の多気筒内燃機関の燃焼状
    態判断装置において、前記予測手段は、欠落部前端以外
    の突起同士のピックアップ信号から算出した瞬時回転速
    度に基づいて、欠落部前端の突起によるピックアップ信
    号の離間側エッジの遅れ時間を予測する手段として構成
    し、 前記増減手段は、欠落部前端の突起との関係で算出した
    所定角度を回転するのに要する時間に、前記遅れ時間を
    加算又は減算して瞬時回転速度を求める手段として構成
    したことを特徴とする多気筒内燃機関の燃焼状態判断装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の多気筒内燃機関の燃焼状
    態判断装置において、前記補正手段として、 前記欠落部前端の突起を、その直前の突起に対して近づ
    けて取り付けることによって、該欠落部前端の突起によ
    るピックアップ信号の離間側エッジの遅れ方向へのずれ
    を相殺させる構成としたことを特徴とする多気筒内燃機
    関の燃焼状態判断装置。
JP31851693A 1993-12-17 1993-12-17 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置 Pending JPH07174773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31851693A JPH07174773A (ja) 1993-12-17 1993-12-17 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31851693A JPH07174773A (ja) 1993-12-17 1993-12-17 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07174773A true JPH07174773A (ja) 1995-07-14

Family

ID=18099990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31851693A Pending JPH07174773A (ja) 1993-12-17 1993-12-17 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07174773A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006275514A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Toyota Motor Corp 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
JP2006284290A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyota Motor Corp 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
US7133766B2 (en) 2004-03-08 2006-11-07 Denso Corporation Engine combustion state detection device
EP1895134A1 (en) * 2006-08-25 2008-03-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Fuel injection control apparatus and method in internal combustion engine

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7133766B2 (en) 2004-03-08 2006-11-07 Denso Corporation Engine combustion state detection device
JP2006275514A (ja) * 2005-03-25 2006-10-12 Toyota Motor Corp 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
JP4543991B2 (ja) * 2005-03-25 2010-09-15 トヨタ自動車株式会社 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
JP2006284290A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Toyota Motor Corp 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
JP4544003B2 (ja) * 2005-03-31 2010-09-15 トヨタ自動車株式会社 回転角度検出装置及び内燃機関の運転制御装置
EP1895134A1 (en) * 2006-08-25 2008-03-05 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Fuel injection control apparatus and method in internal combustion engine
US7644701B2 (en) 2006-08-25 2010-01-12 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki Fuel injection control apparatus and method in internal combustion engine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1672346B1 (en) Knock determining apparatus for internal combustion engine
US7823561B2 (en) Method and apparatus for controlling ignition timing of an internal combustion engine based on engine rotary speed
US5870688A (en) Misfire diagnostic system for internal combustion engine
KR940000346B1 (ko) 내연기관용 녹(Knock) 제어장치
JP2002047996A (ja) 内燃機関用失火検出装置
JP2009293501A (ja) 多気筒内燃機関の失火検出装置
JP3805596B2 (ja) 内燃機関の電子制御装置
JP4073914B2 (ja) エンジン制御装置
JP2009221856A (ja) エンジンの失火診断装置
JPH06101560A (ja) 内燃エンジンの燃焼状態検出装置
JPH06146999A (ja) 内燃エンジンの燃焼状態検出装置
JPH0579396A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JP2004324525A (ja) 内燃機関の失火判定装置
JP5325148B2 (ja) 内燃機関のフェールセーフ制御装置
US20230400002A1 (en) Control apparatus for internal combustion engine
US6975934B2 (en) Control system for correcting a torque variation of an engine
JP2807737B2 (ja) 内燃エンジンの燃焼状態検出装置
JPH0693919A (ja) 内燃エンジンの燃焼状態検出装置
JP2715513B2 (ja) 内燃機関のノッキング検出装置
JP2009138663A (ja) 内燃機関の失火検出装置
JPH07174773A (ja) 多気筒内燃機関の燃焼状態判断装置
EP1384878A1 (en) Control apparatus and control method of engine
JP2005054630A (ja) 内燃機関の燃焼異常判定装置
JP2834937B2 (ja) 内燃機関ノック制御装置
JP2586617B2 (ja) 内燃機関の出力変動検出装置