JP3387002B2 - 棟包み材の取付け構造 - Google Patents
棟包み材の取付け構造Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
屋根の棟包み材の取付け構造に関する。 【0002】 【従来の技術及び課題】例えば住宅の屋根における棟包
み材の取付けは、従来より、棟を閉じた状態に屋根を施
工した後、作業者が屋根の上で棟包み材をカラー釘等に
て木下地に止め付けていくことにより行われている。 【0003】しかしながら、屋根の上での棟包み材の取
付け作業は、転落事故の危険性を伴うなど、安全性に欠
けるものであった。本発明は、このような危険を排除
し、安全に棟包み材の取付けを行うことができ、しか
も、棟包み材の取付けを能率良くスピーディーに遂行し
ていくことができる、棟包み材の取付け構造を提供する
ことを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題は、棟を挟む両
側の屋根材が、それらの間に建物の内部からの人の上半
身の出入りを許容するサイズの棟包み材取付け作業用の
開口部を形成する態様において備えられ、棟包み材が、
棟を挟む両側の屋根材に、それらの上方からわたすよう
に配置され、前記開口部を塞いで棟を包んで取り付けら
れてなることを特徴とする棟包み材の取付け構造によっ
て解決される。 【0005】即ち、上記の構造では、取付け作業者が、
建物の内部から、必要に応じて上半身を棟部の作業用開
口部を通じて屋根上に乗り出しながら、棟包み材の取付
け作業を進めていくことができる。上半身の乗り出しが
可能であれば取付け作業に支障はなく、少なくとも下半
身は常に建物の内部に存置させたままで取付け作業を進
めていくことができ、従って、作業者が屋根からの転落
事故を起こす危険性はなくなり、棟包み材の取付け作業
を安全に進めていくことができる。 【0006】また、棟包み材と屋根材との結合部が、建
物の内部からの結合作業を許容する位置において備えら
れていることにより、結合作業を建物の内部において行
うことができ、作業用開口部を通じて屋根上に上半身を
乗り出す機会も減り、取付け作業をより一層安全に進め
ていくことができる。 【0007】また、棟包み材が、その長手方向において
複数のユニットに分割され、隣り合う棟包みユニット同
士がジョイント金物を介して連結される構造となされる
ことにより、棟包み材の取扱いが容易になり、棟包み材
をユニット単位で容易に屋根上に運んで、容易に取付け
作業を行っていくことができる。しかも、各棟包みユニ
ットが、建物内部から作業用開口部を通じて屋根上に運
び出すことのできるサイズに設計されている場合は、各
棟包みユニットを作業用開口部を通じて屋根上に運び出
すことができ、取付け作業をより一層能率良くかつ安全
に進めていくことができる。そして、上記のようなユニ
ット構造の棟包み材において、ジョイント金物に、棟包
みユニット間からの水を受ける水受け板が備えられてい
るものとすることにより、棟包みユニット同士をジョイ
ント金物を介して連結していくだけで同時にユニット間
が防水され、棟包み材の取付けの施工を、防水処理も含
んで、能率良くスピーディーに遂行していくことができ
る。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明を住宅用屋根におけ
る棟包み材の取付け構造に適用した場合について、図面
に基づいて説明する。 【0009】図1ないし図9に示す棟包み材の取付け構
造において、1は屋根、2は棟包み材である。 【0010】屋根1は、棟3を挟む両側に屋根パネル4
…、4…を配設して形成されたものである。各屋根パネ
ル4は、図2等に示すように、フレーム4aと屋根仕上
げ材4bとによるもので、棟側において、屋根仕上げ材
4bがその先端縁部を左右のフレーム4a,4aの先端
部位置よりも軒側に所定距離、例えば150mmほど後
退させて備えられた構造となっており、これにより、棟
3を挟む両側の屋根パネル4,4間に、建物の内部から
の人5の上半身の出入りを許容する棟包み材取付け作業
用の開口部6が形成されるようになされている。各屋根
パネル4の左右のフレーム4a,4aは鉄系等の金属製
の中空型材あるいは半中空型材によるもので、それら左
右のパネルフレーム4a,4aの棟側先端部の上壁部に
は、取付け用の孔7が形成されると共に、フレーム中空
部内において、この取付け孔7…と同軸状態に棟包み材
取付け用のナット8が点溶接等により取り付けられてい
る(図6等参照)。なお、各屋根パネル4の棟方向にお
ける幅は、例えば800〜900mm程度のものであ
る。 【0011】一方、図1等に示すように、棟包み材2
は、上記の作業用開口部6を塞いで屋根の棟部を包むよ
うに取り付けられるもので、そのため比較的広幅に構成
されている。この棟包み材2は、その長手方向、即ち棟
に沿う方向において複数のユニット9…に分割されてお
り、隣り合う棟包みユニット9,9同士をジョイント金
物10を介して連結して構成されるようになされた、ユ
ニット組み立て式の棟包み材によるものである。 【0012】各棟包みユニット9は、図3(ロ)等に示
すように、所定長さの水受け板11の下面側に、合板等
による下地板12を介して、取付け用のユニットフレー
ム13…を備えさせたものである。なお、下地板12
は、水受け板11のうねりや波打ちを防止すると共に、
結露防止の役目をもつものである。 【0013】水受け板11は、例えば塩ビ鋼板によるも
ので、その幅方向の中央部で山型状に屈曲され、幅方向
における両側縁部が水切り形状に加工されたものであ
る。水受け板11の長さは、概ね、屋根パネル4の2枚
分の合計幅寸法に対応するスパンに設計されており、屋
根パネル2枚に対して一つの棟包みユニット9が使用さ
れるようになっている。 【0014】取付け用ユニットフレーム13は、図4に
示すように、水受け板11の長手方向における中央部と
両端部の3箇所において、水受け板11の下面側に備え
られている。水受け板11の両端部のフレーム13,1
3は、ジョイント金物10との連結及び防水の目的のた
め、水受け板11の端部位置から所定距離だけ内方に離
間して備えられている。 【0015】各ユニットフレーム13…は、水受け板1
1の幅方向中間部領域において、水受け板11の中央部
を挟む両側13a,13aが、水受け板11の下面から
所定距離だけ離間されると共に、この中間部領域を挟む
両側及び中央部が下地板12を介して水受け板11の下
面に沿わされるようになされており、ビス止め14…等
により水受け板11と一体化されて棟包みユニット9を
構成している。そして、このフレーム13の離間板部1
3a,13aに、取付け用のボルト通し孔15,15が
形成され、離間板部13a,13aと水受け板11との
間の空間部を通じて室内側からボルト16の締結作業を
行えるようになっている。 【0016】ジョイント金物10は、隣り合う棟包みユ
ニット9,9の端部の取付け用フレーム13,13を連
結させて、棟包みユニット9,9同士を連結するもの
で、図1、図3(イ)等に示すように、金属板を棟包み
ユニット9の取付け用フレーム13の下面形状に対応す
る形状にプレス成形して製作されたものである。このジ
ョイント金物10の上面側の棟方向における両端部を除
く中間部領域には、棟包みユニット9における水受け板
11とほぼ対応形状の山型状に成形された、同じく塩ビ
鋼板等による水受け板17が取り付けられている。この
水受け板17には、図9に示すように、その両側縁部が
上方に内向き状態に折り返されて形成された2次止水部
17a,17aと、この2次止水部17a,17aの内
方に隣接する位置で隆起状態に形成された1次止水部1
7b,17bとが備えられ、1次止水部17b,17b
間等で受けた水を、これら1次、2次の止水部17b,
17b,17a,17aにてせき止めながら、傾斜方向
下方へと導いていくものとなされている。なお、水受け
板17は、2次止水部17aと1次止水部17bとのい
ずれか一方が備えられたものであってもよく、あるいは
また他の構成態様による止水部が備えられたものであっ
てもよい。そして、このジョイント金物10において、
離間板部10a,10aには、水受け板17側に位置し
て、屋根パネル4のフレーム4a,4aに対する取付け
用の第1ボルト通し孔18,18が形成されると共に、
この第1ボルト通し孔18,18の更に端部側に位置し
て、棟包みユニット9の取付け用フレーム13に対する
取付け用の第2ボルト通し孔19,19が形成されてい
る。 【0017】屋根1への上記棟包み材2の取付けは、例
えば次のようにして行うことができる。 【0018】即ち、屋根パネル4…の施工後、棟3を挟
む屋根パネル4,4間の作業用開口部6を通じて、ジョ
イント金物10を、屋根パネル4のフレーム4a上に配
置し、図6に示すように、ボルト16を上方より第1ボ
ルト通し孔18を通じて屋根パネル4のフレーム4aの
ナット8と螺合させ、ジョイント金物10を屋根フレー
ム4に締結して取り付ける。ジョイント金物10の取付
けは、屋根パネル2枚に対して1つの割合で取り付けて
いけばよい。 【0019】しかる後、棟包みユニット9を、上記作業
用開口部6を通じて屋根上に出し、その両端部に備えら
れている取付け用フレーム13,13をジョイント金物
10に連結すると共に、中央部に備えられている取付け
用フレーム13を屋根パネル4のフレーム4aに取り付
ける。 【0020】ジョイント金物10に対する、棟包みユニ
ット9の端部のフレーム13の取付けは、図7に示すよ
うに、ジョイント金物10の上面側に棟包みユニット9
の取付け用フレーム13を重ね合わせ、棟包みユニット
9における水受け板11とフレーム13の離間板部13
aとの間の空間部を通じて、ボルト21を、取付け用フ
レーム13のボルト通し孔15とジョイント金物10の
第2ボルト通し孔19とに通し下方からナット22を螺
合させて締結することにより行う。この連結状態におい
て、棟包みユニット9の水受け板11の端部は、図9に
示すように、ジョイント金物10における水受け板17
上に位置し、棟包みユニット9,9間は水受け板17に
よって防水される。 【0021】また、屋根パネル4のフレーム4aに対す
る、棟包みユニット9の中央部のフレーム13の取付け
は、図8に示すように、このフレーム13の離間板部1
3a,13aと水受け板11との間の空間部を通じて、
ボルト16を、取付け用フレーム13のボルト通し孔1
5に通し、屋根パネル4のフレーム4aのナット8と螺
合させ、締結するというようにして行う。 【0022】以上のようにして、棟包みユニット9とジ
ョイント金物10とを取り付けていくことにより、棟の
開口部が塞がれ、隣合うユニット9,9間も防水され
て、棟包み材2にて棟が包まれていく。 【0023】以上の取付け作業において、取付け作業者
は、屋根上への棟包みユニット9やジョイント金物10
の運び出しや取付け作業において、下半身は常に建物の
内部に存置させたまま、その上半身を必要に応じて作業
用開口部を通じて屋根上に出して作業を進めていけばよ
く、従って、屋根からの転落の危険はなく、取付け作業
を安全に進めていくことができる。 【0024】しかも、屋根上への棟包みユニット9やジ
ョイント金物10の運出しは、建物の内部から作業用開
口部6を通じて行えばよく、従って、これら部材を建物
の外部から屋根上に運搬していく場合に比べ、安全にか
つ省力にて運出しを行っていくことができる。とりわ
け、棟包み材2が複数のユニット9…を組み合わせた分
割構造のものとされているから、それらの運出しを作業
用開口部6を通じて嵩張らせることなく容易にかつ省力
にて行っていくことができる。また、棟包み材2の取付
けは従来のような釘によるものでなくボルト等による締
結部材にて行うものとなされているから、結合作業をス
ピーディーに遂行していくことができる。また、棟包み
ユニット9、ジョイント金物10及び屋根パネル4の締
結作業はすべて室内側から行えるようになっているか
ら、棟3をすべて包んでしまうところまでの締結作業
を、すべて建物の内部から行うことができ、作業者が屋
根の上に登る必要がない。また、ジョイント金物10に
は水受け板17が備えられているから、棟包みユニット
9…をジョイント金物10…に連結していくだけで、棟
包みユニット9…間が防水され、棟包み材2の取付け作
業を、棟包みユニット9…間の防水も含めて、能率良く
スピーディーに遂行していくことができる。 【0025】以上に、本発明の一実施形態を示したが、
本発明は、これに限定されるものではなく、発明思想を
逸脱しない範囲で各種変更が可能である。例えば、本発
明のは、棟包み材にて包まれる棟部を有する屋根を備え
た各種の建物に広く適用されるものである。また、棟を
挟む両側の屋根材の間に上記のような取付け作業用の開
口部を形成し得るタイプの屋根構造であれば、上記のよ
うな屋根パネルを用いた屋根構造によるものに限られる
ものではなく、各種屋根構造のものに適用が可能であ
る。また、屋根への棟包み材の取付けの具体的構成は、
各種のものが採用されてよい。 【0026】 【発明の効果】以上の次第で、本発明の棟包み材の取付
け構造は、棟を挟む両側の屋根材の間に建物の内部から
の人の上半身の出入りを許容するサイズの棟包み材取付
け作業用の開口部が形成されたものであるから、棟包み
材の取付け作業において、作業者は、建物の内部から、
少なくとも下半身を常に建物の内部に存置させたまま、
必要に応じて上半身を棟部の作業用開口部を通じて屋根
上に乗り出しながら棟包作業を進めていくことができ、
従って、屋根からの転落事故を起こす危険性が排除され
て、取付け作業を安全に進めていくことができる。 【0027】また、棟包み材と屋根材との結合部が、建
物の内部からの結合作業を許容する位置において備えら
れているものとすることにより、結合作業を建物の内部
から行うことができ、取付け作業をより一層安全に進め
ていくことができる。 【0028】また、棟包み材が、その長手方向において
複数のユニットに分割され、隣り合う棟包みユニット同
士がジョイント金物を介して連結され、該ジョイント金
物には、棟包みユニット間からの水を受ける水受け板が
備えられているものとすることにより、棟包み材の取扱
いが容易になり、棟包み材をユニット単位で容易に屋根
上に運んで、容易に取付け作業を行っていくことができ
るのみならず、棟包みユニット同士をジョイント金物を
介して連結していくだけで同時にユニット間が防水さ
れ、棟包み材の取付けの施工を、防水処理も含んで、能
率良くスピーディーに遂行していくことができる。
屋根の棟包み材の取付け構造に関する。 【0002】 【従来の技術及び課題】例えば住宅の屋根における棟包
み材の取付けは、従来より、棟を閉じた状態に屋根を施
工した後、作業者が屋根の上で棟包み材をカラー釘等に
て木下地に止め付けていくことにより行われている。 【0003】しかしながら、屋根の上での棟包み材の取
付け作業は、転落事故の危険性を伴うなど、安全性に欠
けるものであった。本発明は、このような危険を排除
し、安全に棟包み材の取付けを行うことができ、しか
も、棟包み材の取付けを能率良くスピーディーに遂行し
ていくことができる、棟包み材の取付け構造を提供する
ことを課題とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題は、棟を挟む両
側の屋根材が、それらの間に建物の内部からの人の上半
身の出入りを許容するサイズの棟包み材取付け作業用の
開口部を形成する態様において備えられ、棟包み材が、
棟を挟む両側の屋根材に、それらの上方からわたすよう
に配置され、前記開口部を塞いで棟を包んで取り付けら
れてなることを特徴とする棟包み材の取付け構造によっ
て解決される。 【0005】即ち、上記の構造では、取付け作業者が、
建物の内部から、必要に応じて上半身を棟部の作業用開
口部を通じて屋根上に乗り出しながら、棟包み材の取付
け作業を進めていくことができる。上半身の乗り出しが
可能であれば取付け作業に支障はなく、少なくとも下半
身は常に建物の内部に存置させたままで取付け作業を進
めていくことができ、従って、作業者が屋根からの転落
事故を起こす危険性はなくなり、棟包み材の取付け作業
を安全に進めていくことができる。 【0006】また、棟包み材と屋根材との結合部が、建
物の内部からの結合作業を許容する位置において備えら
れていることにより、結合作業を建物の内部において行
うことができ、作業用開口部を通じて屋根上に上半身を
乗り出す機会も減り、取付け作業をより一層安全に進め
ていくことができる。 【0007】また、棟包み材が、その長手方向において
複数のユニットに分割され、隣り合う棟包みユニット同
士がジョイント金物を介して連結される構造となされる
ことにより、棟包み材の取扱いが容易になり、棟包み材
をユニット単位で容易に屋根上に運んで、容易に取付け
作業を行っていくことができる。しかも、各棟包みユニ
ットが、建物内部から作業用開口部を通じて屋根上に運
び出すことのできるサイズに設計されている場合は、各
棟包みユニットを作業用開口部を通じて屋根上に運び出
すことができ、取付け作業をより一層能率良くかつ安全
に進めていくことができる。そして、上記のようなユニ
ット構造の棟包み材において、ジョイント金物に、棟包
みユニット間からの水を受ける水受け板が備えられてい
るものとすることにより、棟包みユニット同士をジョイ
ント金物を介して連結していくだけで同時にユニット間
が防水され、棟包み材の取付けの施工を、防水処理も含
んで、能率良くスピーディーに遂行していくことができ
る。 【0008】 【発明の実施の形態】次に、本発明を住宅用屋根におけ
る棟包み材の取付け構造に適用した場合について、図面
に基づいて説明する。 【0009】図1ないし図9に示す棟包み材の取付け構
造において、1は屋根、2は棟包み材である。 【0010】屋根1は、棟3を挟む両側に屋根パネル4
…、4…を配設して形成されたものである。各屋根パネ
ル4は、図2等に示すように、フレーム4aと屋根仕上
げ材4bとによるもので、棟側において、屋根仕上げ材
4bがその先端縁部を左右のフレーム4a,4aの先端
部位置よりも軒側に所定距離、例えば150mmほど後
退させて備えられた構造となっており、これにより、棟
3を挟む両側の屋根パネル4,4間に、建物の内部から
の人5の上半身の出入りを許容する棟包み材取付け作業
用の開口部6が形成されるようになされている。各屋根
パネル4の左右のフレーム4a,4aは鉄系等の金属製
の中空型材あるいは半中空型材によるもので、それら左
右のパネルフレーム4a,4aの棟側先端部の上壁部に
は、取付け用の孔7が形成されると共に、フレーム中空
部内において、この取付け孔7…と同軸状態に棟包み材
取付け用のナット8が点溶接等により取り付けられてい
る(図6等参照)。なお、各屋根パネル4の棟方向にお
ける幅は、例えば800〜900mm程度のものであ
る。 【0011】一方、図1等に示すように、棟包み材2
は、上記の作業用開口部6を塞いで屋根の棟部を包むよ
うに取り付けられるもので、そのため比較的広幅に構成
されている。この棟包み材2は、その長手方向、即ち棟
に沿う方向において複数のユニット9…に分割されてお
り、隣り合う棟包みユニット9,9同士をジョイント金
物10を介して連結して構成されるようになされた、ユ
ニット組み立て式の棟包み材によるものである。 【0012】各棟包みユニット9は、図3(ロ)等に示
すように、所定長さの水受け板11の下面側に、合板等
による下地板12を介して、取付け用のユニットフレー
ム13…を備えさせたものである。なお、下地板12
は、水受け板11のうねりや波打ちを防止すると共に、
結露防止の役目をもつものである。 【0013】水受け板11は、例えば塩ビ鋼板によるも
ので、その幅方向の中央部で山型状に屈曲され、幅方向
における両側縁部が水切り形状に加工されたものであ
る。水受け板11の長さは、概ね、屋根パネル4の2枚
分の合計幅寸法に対応するスパンに設計されており、屋
根パネル2枚に対して一つの棟包みユニット9が使用さ
れるようになっている。 【0014】取付け用ユニットフレーム13は、図4に
示すように、水受け板11の長手方向における中央部と
両端部の3箇所において、水受け板11の下面側に備え
られている。水受け板11の両端部のフレーム13,1
3は、ジョイント金物10との連結及び防水の目的のた
め、水受け板11の端部位置から所定距離だけ内方に離
間して備えられている。 【0015】各ユニットフレーム13…は、水受け板1
1の幅方向中間部領域において、水受け板11の中央部
を挟む両側13a,13aが、水受け板11の下面から
所定距離だけ離間されると共に、この中間部領域を挟む
両側及び中央部が下地板12を介して水受け板11の下
面に沿わされるようになされており、ビス止め14…等
により水受け板11と一体化されて棟包みユニット9を
構成している。そして、このフレーム13の離間板部1
3a,13aに、取付け用のボルト通し孔15,15が
形成され、離間板部13a,13aと水受け板11との
間の空間部を通じて室内側からボルト16の締結作業を
行えるようになっている。 【0016】ジョイント金物10は、隣り合う棟包みユ
ニット9,9の端部の取付け用フレーム13,13を連
結させて、棟包みユニット9,9同士を連結するもの
で、図1、図3(イ)等に示すように、金属板を棟包み
ユニット9の取付け用フレーム13の下面形状に対応す
る形状にプレス成形して製作されたものである。このジ
ョイント金物10の上面側の棟方向における両端部を除
く中間部領域には、棟包みユニット9における水受け板
11とほぼ対応形状の山型状に成形された、同じく塩ビ
鋼板等による水受け板17が取り付けられている。この
水受け板17には、図9に示すように、その両側縁部が
上方に内向き状態に折り返されて形成された2次止水部
17a,17aと、この2次止水部17a,17aの内
方に隣接する位置で隆起状態に形成された1次止水部1
7b,17bとが備えられ、1次止水部17b,17b
間等で受けた水を、これら1次、2次の止水部17b,
17b,17a,17aにてせき止めながら、傾斜方向
下方へと導いていくものとなされている。なお、水受け
板17は、2次止水部17aと1次止水部17bとのい
ずれか一方が備えられたものであってもよく、あるいは
また他の構成態様による止水部が備えられたものであっ
てもよい。そして、このジョイント金物10において、
離間板部10a,10aには、水受け板17側に位置し
て、屋根パネル4のフレーム4a,4aに対する取付け
用の第1ボルト通し孔18,18が形成されると共に、
この第1ボルト通し孔18,18の更に端部側に位置し
て、棟包みユニット9の取付け用フレーム13に対する
取付け用の第2ボルト通し孔19,19が形成されてい
る。 【0017】屋根1への上記棟包み材2の取付けは、例
えば次のようにして行うことができる。 【0018】即ち、屋根パネル4…の施工後、棟3を挟
む屋根パネル4,4間の作業用開口部6を通じて、ジョ
イント金物10を、屋根パネル4のフレーム4a上に配
置し、図6に示すように、ボルト16を上方より第1ボ
ルト通し孔18を通じて屋根パネル4のフレーム4aの
ナット8と螺合させ、ジョイント金物10を屋根フレー
ム4に締結して取り付ける。ジョイント金物10の取付
けは、屋根パネル2枚に対して1つの割合で取り付けて
いけばよい。 【0019】しかる後、棟包みユニット9を、上記作業
用開口部6を通じて屋根上に出し、その両端部に備えら
れている取付け用フレーム13,13をジョイント金物
10に連結すると共に、中央部に備えられている取付け
用フレーム13を屋根パネル4のフレーム4aに取り付
ける。 【0020】ジョイント金物10に対する、棟包みユニ
ット9の端部のフレーム13の取付けは、図7に示すよ
うに、ジョイント金物10の上面側に棟包みユニット9
の取付け用フレーム13を重ね合わせ、棟包みユニット
9における水受け板11とフレーム13の離間板部13
aとの間の空間部を通じて、ボルト21を、取付け用フ
レーム13のボルト通し孔15とジョイント金物10の
第2ボルト通し孔19とに通し下方からナット22を螺
合させて締結することにより行う。この連結状態におい
て、棟包みユニット9の水受け板11の端部は、図9に
示すように、ジョイント金物10における水受け板17
上に位置し、棟包みユニット9,9間は水受け板17に
よって防水される。 【0021】また、屋根パネル4のフレーム4aに対す
る、棟包みユニット9の中央部のフレーム13の取付け
は、図8に示すように、このフレーム13の離間板部1
3a,13aと水受け板11との間の空間部を通じて、
ボルト16を、取付け用フレーム13のボルト通し孔1
5に通し、屋根パネル4のフレーム4aのナット8と螺
合させ、締結するというようにして行う。 【0022】以上のようにして、棟包みユニット9とジ
ョイント金物10とを取り付けていくことにより、棟の
開口部が塞がれ、隣合うユニット9,9間も防水され
て、棟包み材2にて棟が包まれていく。 【0023】以上の取付け作業において、取付け作業者
は、屋根上への棟包みユニット9やジョイント金物10
の運び出しや取付け作業において、下半身は常に建物の
内部に存置させたまま、その上半身を必要に応じて作業
用開口部を通じて屋根上に出して作業を進めていけばよ
く、従って、屋根からの転落の危険はなく、取付け作業
を安全に進めていくことができる。 【0024】しかも、屋根上への棟包みユニット9やジ
ョイント金物10の運出しは、建物の内部から作業用開
口部6を通じて行えばよく、従って、これら部材を建物
の外部から屋根上に運搬していく場合に比べ、安全にか
つ省力にて運出しを行っていくことができる。とりわ
け、棟包み材2が複数のユニット9…を組み合わせた分
割構造のものとされているから、それらの運出しを作業
用開口部6を通じて嵩張らせることなく容易にかつ省力
にて行っていくことができる。また、棟包み材2の取付
けは従来のような釘によるものでなくボルト等による締
結部材にて行うものとなされているから、結合作業をス
ピーディーに遂行していくことができる。また、棟包み
ユニット9、ジョイント金物10及び屋根パネル4の締
結作業はすべて室内側から行えるようになっているか
ら、棟3をすべて包んでしまうところまでの締結作業
を、すべて建物の内部から行うことができ、作業者が屋
根の上に登る必要がない。また、ジョイント金物10に
は水受け板17が備えられているから、棟包みユニット
9…をジョイント金物10…に連結していくだけで、棟
包みユニット9…間が防水され、棟包み材2の取付け作
業を、棟包みユニット9…間の防水も含めて、能率良く
スピーディーに遂行していくことができる。 【0025】以上に、本発明の一実施形態を示したが、
本発明は、これに限定されるものではなく、発明思想を
逸脱しない範囲で各種変更が可能である。例えば、本発
明のは、棟包み材にて包まれる棟部を有する屋根を備え
た各種の建物に広く適用されるものである。また、棟を
挟む両側の屋根材の間に上記のような取付け作業用の開
口部を形成し得るタイプの屋根構造であれば、上記のよ
うな屋根パネルを用いた屋根構造によるものに限られる
ものではなく、各種屋根構造のものに適用が可能であ
る。また、屋根への棟包み材の取付けの具体的構成は、
各種のものが採用されてよい。 【0026】 【発明の効果】以上の次第で、本発明の棟包み材の取付
け構造は、棟を挟む両側の屋根材の間に建物の内部から
の人の上半身の出入りを許容するサイズの棟包み材取付
け作業用の開口部が形成されたものであるから、棟包み
材の取付け作業において、作業者は、建物の内部から、
少なくとも下半身を常に建物の内部に存置させたまま、
必要に応じて上半身を棟部の作業用開口部を通じて屋根
上に乗り出しながら棟包作業を進めていくことができ、
従って、屋根からの転落事故を起こす危険性が排除され
て、取付け作業を安全に進めていくことができる。 【0027】また、棟包み材と屋根材との結合部が、建
物の内部からの結合作業を許容する位置において備えら
れているものとすることにより、結合作業を建物の内部
から行うことができ、取付け作業をより一層安全に進め
ていくことができる。 【0028】また、棟包み材が、その長手方向において
複数のユニットに分割され、隣り合う棟包みユニット同
士がジョイント金物を介して連結され、該ジョイント金
物には、棟包みユニット間からの水を受ける水受け板が
備えられているものとすることにより、棟包み材の取扱
いが容易になり、棟包み材をユニット単位で容易に屋根
上に運んで、容易に取付け作業を行っていくことができ
るのみならず、棟包みユニット同士をジョイント金物を
介して連結していくだけで同時にユニット間が防水さ
れ、棟包み材の取付けの施工を、防水処理も含んで、能
率良くスピーディーに遂行していくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかるもので、棟包み材と屋根パネ
ルとの連結部を示す分解斜視図である。 【図2】棟包み材取付け前の屋根パネルの取付け状態を
示す斜視図である。 【図3】図(イ)はジョイント金物と水受け板とを分離
状態にして示す斜視図、図(ロ)は棟包みユニットの分
解斜視図である。 【図4】棟包みユニットの全体平面図である。 【図5】連結部の取付け状態を示す平面図である。 【図6】図5のI−I線断面図である。 【図7】図5のII−II線断面図である。 【図8】図5のIII−III線断面図である。 【図9】図5のIV−IV線断面図である。 【符号の説明】 2…棟包み材 3…棟 4…屋根パネル(屋根材) 5…取付け作業者(人) 6…作業用開口部 9…棟包みユニット 10…ジョイント金物 17…水受け板
ルとの連結部を示す分解斜視図である。 【図2】棟包み材取付け前の屋根パネルの取付け状態を
示す斜視図である。 【図3】図(イ)はジョイント金物と水受け板とを分離
状態にして示す斜視図、図(ロ)は棟包みユニットの分
解斜視図である。 【図4】棟包みユニットの全体平面図である。 【図5】連結部の取付け状態を示す平面図である。 【図6】図5のI−I線断面図である。 【図7】図5のII−II線断面図である。 【図8】図5のIII−III線断面図である。 【図9】図5のIV−IV線断面図である。 【符号の説明】 2…棟包み材 3…棟 4…屋根パネル(屋根材) 5…取付け作業者(人) 6…作業用開口部 9…棟包みユニット 10…ジョイント金物 17…水受け板
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
E04D 3/00 - 3/40
E04B 7/06
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 棟包み材(2)が、その長手方向におい
て複数のユニット(9)に分割され、隣り合う棟包みユ
ニット(9)同士をジョイント金物(10)を介して連
結して構成されるようになされており、 棟側において、棟を挟む両側の屋根材(4)の屋根仕上
げ材(4b)の先端縁部が同屋根材(4)のフレーム
(4a)の先端部位置よりも軒側に後退し、該フレーム
(4a)の棟側先端部上に前記ジョイント金物が配置さ
れてフレーム(4a)に締結されて取り付けられ、 前記ジョイント金物(10)の上面側には山型状の水受
け板(17)が取り付けられており、この水受け板(1
7)は、これに備えられた止水部間で受けた水を止水部
(17a,17b)でせき止めながら傾斜方向下方へと
導くようになされており、 前記棟包みユニット(9)は、その水受け板(11)の
端部がジョイント金物(10)の水受け板(17)上に
位置し、棟包みユニット(9)(9)間が前記ジョイン
ト金物(10)の水受け板(17)で防水されるように
ジョイント金物(10)に締結されて取り付けられてい
る ことを特徴とする棟包み材の取付け構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05141798A JP3387002B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 棟包み材の取付け構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05141798A JP3387002B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 棟包み材の取付け構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11229567A JPH11229567A (ja) | 1999-08-24 |
JP3387002B2 true JP3387002B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=12886365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05141798A Expired - Fee Related JP3387002B2 (ja) | 1998-02-17 | 1998-02-17 | 棟包み材の取付け構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3387002B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7288691B2 (ja) * | 2021-03-17 | 2023-06-08 | 昭和ルーフリモ株式会社 | 棟下地、およびそれを用いた屋根 |
-
1998
- 1998-02-17 JP JP05141798A patent/JP3387002B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11229567A (ja) | 1999-08-24 |
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