JP3386315B2 - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JP3386315B2
JP3386315B2 JP13873396A JP13873396A JP3386315B2 JP 3386315 B2 JP3386315 B2 JP 3386315B2 JP 13873396 A JP13873396 A JP 13873396A JP 13873396 A JP13873396 A JP 13873396A JP 3386315 B2 JP3386315 B2 JP 3386315B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の電子写真技術を利用した画像形成装
置の帯電ユニットに用いられる帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術を利用した複写機、ファク
シミリ、プリンタ等における作像プロセスでは、静電潜
像担持体である感光体上を帯電させるプロセスが存在す
る。この帯電プロセスとして、従来は、非接触で帯電安
定性にも優れているコロナチャージャーによって行われ
ていたが、この方式ではオゾンが多く発生するため、最
近では接触帯電方式が検討されており、例えば、特開昭
63−149669号公報に開示されているような接触
帯電方法(導電性ローラを用いたローラ帯電方式であ
り、DC電圧にAC電圧を重畳させて導電性ローラに印
加する方法)や、特開平6−175469号公報に開示
されているようなブラシ帯電装置(導電性ブラシを用い
たブラシ帯電方式であり、導電性ブラシと芯金の間に低
抵抗の中間導電部材を設けて、帯電の環境依存性を無く
し、被帯電物を一定に帯電させる)、が実用化されてき
ている。
【0003】しかし、接触帯電方式では、帯電部材が感
光体に接触しているために帯電部材がトナーなどで汚れ
やすく、その結果、帯電ムラ等の帯電性能の劣化が生じ
てしまう。以上のことから、オゾンレスの非接触帯電方
式が帯電手段としては理想的であると言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたものであって、オゾンレスの非接触帯電方式
の帯電装置を提供することを課題(目的)としている。
以下に、個々の請求項の発明が解決しようとする課題
(目的)を列挙する。
【0005】請求項1の発明では、電磁波によって生成
されたイオンを、静電潜像担持体に付着させるための電
界を、効率よく空間に形成すると共に、帯電ムラの少な
い帯電を実現することを課題(目的)とする。
【0006】請求項2の発明では、請求項1の課題に加
え、静電潜像担持体の裏側電極にバイアスが印加されて
いると、他のプロセス、例えば現像・転写に悪影響を与
える恐れがあるが、これを防止することを課題(目的)
とする。
【0007】請求項3の発明では、請求項1の課題に加
え、発生したイオンのうち、必要なイオンを選択的に効
率よく、静電潜像担持体へ運ぶことを課題(目的)とす
る。
【0008】請求項4の発明では、請求項1の課題に加
え、電磁波照射領域全域に電界を形成することによっ
て、電磁波照射装置とグリッド電極間で発生したイオン
のうち必要な極性のイオンを全て静電潜像担持体へ運ぶ
ことを課題(目的)とする。
【0009】請求項5の発明では、請求項1の課題に加
え、電磁波照射領域全域に電界を形成することによっ
て、電磁波照射装置と静電潜像担持体間で発生したイオ
ンのうち必要な極性のイオンを全て静電潜像担持体へ運
ぶことを課題(目的)とする。さらに、イオンの発生す
る領域全てに電界を形成することによって、一度帯電さ
れた静電潜像担持体が除電されることを防止することを
課題(目的)とする。
【0010】請求項6の発明では、請求項1の課題に加
え、電磁波照射装置の電極から発生した電気力線を、全
て静電潜像担持体へ向かわせることによって、グリッド
電極に吸収されてしまう無駄なイオンを、可能な限り少
なくすることを課題(目的)とする。
【0011】請求項7の発明では、請求項1または6の
課題に加え、電磁波照射装置とグリッド電極間で発生し
たイオンによって、グリッド電極と静電潜像担持体間の
電界が変動することをできるだけ少なくし、帯電を安定
することを課題(目的)とする。
【0012】
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、静電潜像担持体上に均一な初期
帯電を行った後、部分的に初期帯電を消去し、画像信号
に応じて変調した静電荷のパターンを形成し、該静電荷
のパターンをトナーにより現像して記録紙あるいは中間
転写体に転写し、画像を得る画像形成装置の帯電装置で
あり、電磁波照射装置と電界形成手段を備え、該電磁波
照射装置により前記静電潜像担持体上の空間に電磁波を
照射すると共に該電界形成手段で電界を形成することに
よって、前記静電潜像担持体を所望の電位に帯電させる
帯電装置において、前記電磁波照射装置の前記静電潜像
担持体と対向する面に電磁波照射窓を設け、該照射窓の
周囲に電極を配置すると共に、前記電磁波照射装置と前
記静電潜像担持体との間にグリッド電極を設け、該グリ
ッド電極にバイアスVG を印加し、前記電磁波照射装置
の前記静電潜像担持体と対向する面の照射窓と電極にバ
イアスVI を印加し、前記静電潜像担持体の裏側電極に
バイアスVB を印加する構成とした。これにより、電磁
波によって生成されたイオンを、静電潜像担持体に付着
させるための電界を、効率よく空間に形成することがで
きる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の帯電装
置において、前記静電潜像担持体の裏側電極に印加する
バイアスVB を0Vとする構成とした。これにより、静
電潜像担持体の裏側電極の電位は0Vであるから、他の
プロセス、例えば現像や転写時に悪影響を与える恐れが
なくなる。
【0015】請求項3の発明は、請求項1記載の帯電装
置において、前記電磁波照射装置と前記静電潜像担持体
との間のグリッド電極に印加するバイアスVG と、前記
電磁波照射装置の前記静電潜像担持体と対向する面の照
射窓と電極に印加するバイアスVI が、前記静電潜像担
持体を帯電させるべき極性と同極性で、かつ|VG|<
|VI|である条件を満たす構成とした。これにより、
電磁波照射装置からグリッド電極を介して静電潜像担持
体に到る空間に所定の電界が形成され、電磁波によって
発生したイオンのうち、必要なイオンを上記電界の作用
により選択的に効率良く静電潜像担持体へ運ぶことが可
能となる。
【0016】請求項4の発明は、請求項1記載の帯電装
置において、前記電磁波照射装置と前記グリッド電極間
の距離をh1 としたとき、前記電磁波照射装置のバイア
スを印加する面の照射窓を含む電極の幅L1 が、 L1≧2h1・tan(θ/2)+D (ただし、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照
孔の直径または幅) である構成とした。これにより、電磁波照射領域全域に
電界を形成することが可能となり、電磁波照射装置とグ
リッド電極間で発生したイオンのうち必要な極性のイオ
ンを全て静電潜像担持体へ運ぶことが可能となる。
【0017】請求項5の発明は、請求項1記載の帯電装
置において、前記グリッド電極と前記静電潜像担持体間
の距離をh2 としたとき、前記グリッド電極の幅L2
が、 L2≧2(h1+h2)・tan(θ/2)+D (ただし、h1は電磁波照射装置とグリッド電極間の距
離、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照射孔の
直径または幅) である構成とした。これにより、電磁波照射領域全域に
電界を形成することが可能となり、電磁波照射装置と静
電潜像担持体間で発生したイオンのうち必要な極性のイ
オンを全て静電潜像担持体へ運ぶことが可能となる。
【0018】請求項6の発明は、請求項1記載の帯電装
置において、前記グリッド電極が、多数の細長い針金ま
たはそれに類する形状であり、前記静電潜像担持体の帯
電面に略平行に多数配置した構造とし、かつその針金の
直径または幅を2r、各針金の間隔をdと置くとき、
【数2】 (ただし、L=d[0.25ρ2−log(ρ)]/2π、ρ=
2πr/dであり、また、式中のVI、VG、VBは各バ
イアスの絶対値とする)である構成とした。これによ
り、電磁波照射装置の電極から発生した電気力線を、全
て静電潜像担持体へ向かわせることが可能となり、グリ
ッド電極に吸収されてしまう無駄なイオンを、可能な限
り少なくすることが可能となる。
【0019】請求項7の発明は、請求項1または6記載
の帯電装置において、前記グリッド電極の遮蔽不完全度
σを、 σ=L/(h1+L)≒(d/2πh1)log(d/2πr) ・・・(2) と定義したときに、該遮蔽不完全度σが、7%以下であ
る構成とした。これにより、電磁波照射装置とグリッド
電極間で発生したイオンによって、グリッド電極と静電
潜像担持体間の電界が変動することを、できるだけ少な
くすることが可能となる。
【0020】尚、請求項1記載の帯電装置において、前
記グリッド電極が、多数の細長い針金またはそれに類す
る形状のものであり、その針金の長手方向が、前記静電
潜像担持体移動方向とある適宜な角度をなす構成とし
もよい。これにより、グリッド電極のパターンに対応し
て、静電潜像担持体の帯電にムラが発生することを防止
することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0022】まず本発明による非接触帯電方式の原理に
ついて述べる。電磁波が空気中に照射されると、照射さ
れた領域の空気が電離され、正負両極性のイオンが生成
される。したがって、静電潜像担持体(例えば感光体)
上の空間に電磁波照射装置により電磁波を照射して電離
を行い、その空間に電界を作用させることで、所望の極
性のイオンのみを静電潜像担持体に付着させることがで
きる。このような原理で、静電潜像担持体を非接触で帯
電させることができる。本発明における電磁波として
は、紫外線、軟X線、X線、γ線等が使用できるが、電
離効率や安全性の面を考慮すると、軟X線かX線が好ま
しい。
【0023】本発明の帯電装置の基本的な構成として
は、例えば図1に示すような構成が考えられる。図1に
おいて、符号1は電磁波照射装置、2は静電潜像担持体
である。静電潜像担持体2の裏側には電極(以下、裏側
電極という)3が配置されている。また静電潜像担持体
2は図中矢印の方向に移動する。電磁波照射装置1から
照射された電磁波によって、空気中に多数のイオンが形
成され、静電潜像担持体2の裏側電極3と逆極性のイオ
ンが静電潜像担持体2に引き付けられ、静電潜像担持体
2が帯電される。また図2のように、電磁波照射装置1
の照射窓4の周囲に電極5を配置し、照射窓4と電極5
にバイアスVI を印加し、静電潜像担持体2の裏側電極
3を接地する構成がある。この場合、静電潜像担持体2
は、印加したバイアスVI と同極性に帯電する。
【0024】しかしながら、図1、図2の構成では、印
加バイアスに対する帯電電位が低く、また線速が速くな
ると帯電電位が低下するといった不具合が見られる。こ
れは電磁波で発生したイオンのうちの必要な極性のイオ
ンが、十分に静電潜像担持体に運ばれていないためであ
る。また帯電電位の分布は、電磁波の強度分布に比例し
た分布となっており、均一帯電が難しいといった欠点が
ある。
【0025】そこで本発明では、図2の構成に加えて、
電磁波照射装置1と静電潜像担持体2との間にグリッド
電極6を配置し、そのグリッド電極6にバイアスVG を
印加する。図3にその構成例を示す。電磁波照射装置1
の照射窓4ならびに電極5にはバイアスVI を印加し、
また静電潜像担持体2の裏側電極3にはバイアスVBを
印加してある。各バイアスによって形成された電界によ
り、電磁波で生成されたイオンは力を受ける。従って各
バイアスを適当に調整することで、静電潜像担持体2を
所望の電位に帯電させることが可能となる。尚、図3の
構成の場合には、バイアスVG とバイアスVI は正バイ
アスであり、バイアスVB は負バイアスであるから、電
界の作用で正イオンが静電潜像担持体2に付着し、静電
潜像担持体2は正に帯電する。また各バイアスVI ,V
G ,VB の極性を全て反転させると、静電潜像担持体2
は負に帯電する。
【0026】静電潜像担持体2の裏側電極3は、特別な
場合を除いては0Vが望ましい。裏側電極電位VB が0
Vで無い場合には、帯電プロセスの次の現像や転写プロ
セスにおけるプロセス条件が複雑になるためである。よ
って裏側電極電位VB は0V、すなわち静電潜像担持体
2の裏側電極3は、接地されていることが望ましい。た
だし、現像・転写プロセスが特殊な場合には、この限り
ではない。
【0027】また、イオンを静電潜像担持体2まで効率
良く運ぶためには、VI ,VG は、静電潜像担持体2の
帯電電位と同極性である必要がある。さらに、電磁波照
射装置1とグリッド電極6間で発生したイオンを、静電
潜像担持体2まで運ぶためには、|VG|<|VI|でな
ければならない。これは電界の向きを考えれば自明であ
る。
【0028】電磁波照射装置1の照射窓4の周囲に配置
した電極5ならびにグリッド電極6の幅は、電磁波照射
によって発生したイオンを効率良く移動させるために
は、電磁波照射領域よりも広い領域をカバーする必要が
ある。従って、電磁波照射装置側の照射窓4を含む電極
5の幅L1 は、電磁波照射装置1からグリッド電極6間
での電磁波が照射される領域全てに電界を発生させる必
要があるため、図4から明らかなように、電磁波照射装
置側の電極5とグリッド電極6間の距離をh1 としたと
き、少なくとも2h1・tan(θ/2)+Dよりも長い必要
がある。従って、照射窓4を含む電極5の幅L1 は、 L1≧2h1・tan(θ/2)+D である。
【0029】また、グリッド電極6の存在する幅L2
は、グリッド電極6から静電潜像担持体2間での電磁波
照射領域をカバーするためには、グリッド電極6と静電
潜像担持体2間の距離をh2 としたとき、2(h1+h2)
・tan(θ/2)+D よりも広い必要がある。従って、グ
リッド電極6の幅L2 は、 L2≧2(h1+h2)・tan(θ/2)+D である。
【0030】ここで上記の式中のθは電磁波照射角度、
Dは電磁波照射窓4の照射孔の直径である。ただし、電
磁波照射窓4の照射孔の形状は円である必要はなく、楕
円や角型でもよい。その場合には、Dは照射孔断面での
幅となる。
【0031】電磁波照射装置側の電極5から発生した電
気力線は、グリッド電極6に向かうことなく、全て静電
潜像担持体2に向かうことが理想である。そうすれば、
電磁波照射装置1とグリッド電極6間で生成されたイオ
ンは、グリッド電極6に吸収されることなく静電潜像担
持体2に移動するからである。このような条件は、平行
平板型グリッド電離箱での理論が応用でき、以下の条件
のときに達成される。グリッド電極6が、多数の細長い
針金で構成されているとし、静電潜像担持体2の帯電面
に略平行に多数配置した構造とし、かつその針金の直径
を2r、各針金の間隔をdとする。また、L=d[0.
25ρ2−log(ρ)]/2π、 ρ=2πr/d と定義すると、
【数3】 である。ただし、式中のVI、VG、VBは各バイアスの
絶対値とする。上記式(1) を満たすとき、理論上は電磁
波照射装置1とグリッド電極6間で発生したイオンのう
ち、必要なイオンは全て静電潜像担持体2へと移動す
る。
【0032】次にグリッド電極6の遮蔽効果を考える。
電磁波照射装置1とグリッド電極6間に存在するイオン
や電子による電界強度が変動しても、グリッド電極6と
静電潜像担持体2間の電界強度の変動が少ないことが望
ましい。これも平行平板型グリッド電離箱での理論を参
考に、遮蔽不完全度σを導入し、 σ=L/(h1+L)≒(d/2πh1)log(d/2πr) ・・・(2) と定義する。この遮蔽不完全度σは小さい方が帯電ムラ
が少なくなる。本発明者らの実験によるとσ≦7%であ
れば、帯電ムラは実用上問題なく、逆にσ>7%では帯
電ムラによる画像劣化が確認された。
【0033】上記の説明では、グリッド電極6が多数の
針金から構成された場合について述べてきたが、平板状
の金属を並べてグリッド電極とした場合にも同様に適用
できる。この場合には、平板の幅を直径2rと見立て
て、式(1)、式(2)を適用すればよい。
【0034】グリッド電極6を構成する針金の配置は、
静電潜像担持体2の移動方向と略平行の場合には、その
グリッド電極6を構成する針金に対応した帯電ムラが発
生する。これは帯電装置下を通過する際に、静電潜像担
持体2のある部分は針金下を通過し、ある部分は針金の
無い所を通過することによって、差が現われてくるので
ある。これは針金を静電潜像担持体移動方向に対して、
ある角度をもって配置することで解決される。このよう
に配置することによって、静電潜像担持体2のどの場所
でもほぼ同じ割合で針金の下を通過するからである。
【0035】ここで図5にグリッド電極6を構成する針
金の配置例を示す。図5(a)では静電潜像担持体移動
方向に対してA点とB点では帯電電位に差が見られるこ
とが予想される。一方図5(b)ではA点、B点とも
に、ほぼ同じ電位に帯電される。特に静電潜像担持体移
動方向に対して針金のなす角度αが、 cosα≦d/L2 を満たすとき、帯電ムラが少ないことが図5(c)から
理解される。
【0036】尚、グリッド電極6の形状は、必ずしも多
数の針金を一様に並べた形状である必要はなく、網目状
にしたり、金属平板に十分な開口率をもった多数の孔を
有したものでもよい。例えば図6ようなものでも可能で
ある。ただしその場合には請求項6,7を満たさないた
めに、帯電効率が低下する恐れがある。
【0037】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。尚、帯電装置の構成は図3の構成とする。
【0038】[実施例1]静電潜像担持体2としてアル
ミコートされた厚さ25μm、比誘電率3のPETシー
トを、アルミ面を下にして、X軸ステージ上のSUS金
属板(裏側電極3)上に配置して使用した。X軸ステー
ジ移動速度(静電潜像担持体移動速度)は40mm/s
とした。電磁波照射装置1として平均6KeVの軟X線
源を用いた。軟X線の照射角度θは110度、照射孔4
の形状は円で直径DはD=10mmである。静電潜像担
持体2と電磁波照射装置1の間に、半径r=50μmの
針金(ワイヤー)で図5(b)のように構成されたグリ
ッド電極6を配置した。このグリッド電極6のワイヤー
の静電潜像担持体移動方向に対してなす角度αは80
度、ワイヤー間距離dはd=2mmであった。グリッド
電極6と軟X線照射装置1間の距離h1はh1=10m
m、グリッド電極6と静電潜像担持体2間の距離h2は
h2=20mmとした。また軟X線照射装置側の照射窓
4を含む電極5の幅L1はL1=50mm、グリッド電極
6の幅L2はL2=100mmである。軟X線照射孔4は
ベリリウム金属を用いており、電極5と電気的に導通し
ている。この電極5にはバイアスVI=3000Vを、
グリッド電極6にはバイアスVG=1000Vを印加し
た。また静電潜像担持体2の裏側電極3であるSUS金
属板は接地した(バイアスVB=0V)。
【0039】以上の装置構成で、X軸ステージを移動
し、静電潜像担持体2を軟X線照射装置下を通過させ、
表面電位計で電位を測定したところ、平均で約Vs=4
90Vの帯電電位が得られた。そしてカスケード現像を
行ったところ、トナーは静電潜像担持体上にうっすらと
均一に付着し、帯電ムラはほとんどなかった。次にバイ
アスの極性を全て反転させて、同様の実験を行った。す
なわち、VI=−3000V、VG=−1000V、VB
=0Vで帯電を行ったところ、帯電電位Vsの平均はVs
=−492Vとなった。これより、正負どちらでも同様
に帯電可能であり、また帯電効率に差がないことがわか
った。
【0040】[実施例2]実施例1と同様の構成で、軟
X線照射装置1側の電極5の幅L1 を変えて、その影響
を観察した。電極幅L1 を20mm〜70mmの範囲で
変えて、帯電電位を測定した結果が図7である。図7か
ら明らかなように、電極幅L1 が50mm以上になると
帯電電位がほぼ一定となることがわかる。これは電極幅
L1 が小さいと、軟X線が照射されて生成されたイオン
の一部が電界の影響を受けないため、有効に利用されな
いせいと考えられる。
【0041】[実施例3]実施例1と同様の構成で、グ
リッド電極6の幅L2 を変えて、その影響を観察した。
グリッド電極幅L2 を40mm〜140mmの範囲で変
えて、帯電電位を測定した結果が図8である。図8から
明らかなように、グリッド電極幅L2 が100mm以上
になると帯電電位がほぼ一定となることがわかる。これ
はグリッド電極幅L2 が小さいと、一度帯電した領域
が、軟X線は照射されているが電界の無い領域を通過す
るために、除電が行われてしまい、帯電電位が低下する
と考えられる。
【0042】[実施例4]次にグリッド形状の影響につ
いての実験結果を下記の表1示す。表1の実験結果は、
実施例1の構成において、グリッド電極6を構成するワ
イヤーの半径rと、ワイヤー間距離dを変えて、帯電電
位を測定した結果である。尚、表1でβは帯電効率度、
σは遮蔽不完全度と呼ばれる値であり、定義は以下の通
りである。 帯電効率度 :β={h2(VI−VG)/h1(VG−VB)}−
(1+ρ/1−ρ) 遮蔽不完全度:σ=L/(h1+L) ただし、式中のVI、VG、VBは各バイアスの絶対値と
する。また条件によっては、場所によって帯電電位にム
ラが見られた。そこで、帯電電位の最大値と最小値の差
を帯電ムラ電位と定義した。
【0043】
【表1】
【0044】表1より、帯電効率度βが負となると、帯
電電位が大きく低下すること、遮蔽不完全度σが大きく
なると、帯電ムラが大きくなることがわかる。帯電電位
は、帯電開始時点での帯電電位が最も高く、帯電が進む
につれて(すなわちX軸ステージが移動するにつれて)
帯電電位が低下していた。これは軟X線照射装置とグリ
ッド電極間に発生したイオンが、悪影響を与えていると
考えられる。また遮蔽不完全度σ≦7であれば、帯電ム
ラは10%以内に収まることが期待される。
【0045】[実施例5]次に実施例1と同様の構成
で、グリッド電極6のワイヤーのなす角αを90度、す
なわち進行方向と平行にワイヤーを張った場合の結果を
示す。ただし、なす角αは図5(b)で示した角とす
る。帯電電位は平均約490Vであり、実施例1と同様
の結果であった。カスケード現像を行ったところ、2m
mピッチでの筋状の帯電ムラが確認された。これはグリ
ッド電極6のワイヤーに対応しており、前述のような理
由で帯電ムラが発生したと考えられる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の帯
電装置においては、前記電磁波照射装置の前記静電潜像
担持体と対向する面に電磁波照射窓を設け、該照射窓の
周囲に電極を配置すると共に、前記電磁波照射装置と静
電潜像担持体との間にグリッド電極を設け、該グリッド
電極にバイアスVG を印加し、前記電磁波照射装置の前
記静電潜像担持体と対向する面の照射窓と電極にバイア
スVI を印加し、前記静電潜像担持体の裏側電極にバイ
アスVB を印加する構成としたので、電磁波によって生
成されたイオンを、静電潜像担持体に付着させるための
電界を、効率よく空間に形成することができると共に、
帯電ムラの少ない帯電を実現することができる。
【0047】請求項2記載の帯電装置においては、前記
静電潜像担持体の裏側電極に印加するバイアスVB を0
Vとする構成としたので、静電潜像担持体の裏側電極に
バイアスが印加されていると他のプロセス、例えば現像
や転写等に悪影響を与える恐れがあるという問題を防止
することができる。
【0048】請求項3記載の帯電装置においては、前記
電磁波照射装置と前記静電潜像担持体との間のグリッド
電極に印加するバイアスVG と、前記電磁波照射装置の
静電潜像担持体と対向する面の照射窓と電極に印加する
バイアスVI が、前記静電潜像担持体を帯電させるべき
極性と同極性で、かつ|VG|<|VI|である条件を満
たす構成としたので、電磁波照射装置からグリッド電極
を介して静電潜像担持体に到る空間に所定の電界が形成
され、電磁波によって発生したイオンのうち、必要なイ
オンを上記電界の作用により選択的に効率良く静電潜像
担持体へ運ぶことができる。
【0049】請求項4記載の帯電装置においては、前記
電磁波照射装置と前記グリッド電極間の距離をh1 とし
たとき、前記電磁波照射装置のバイアスを印加する面の
照射窓を含む電極の幅L1 が、 L1≧2h1・tan(θ/2)+D (ただし、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照
孔の直径または幅) である構成としたので、電磁波照射領域全域に電界を形
成することが可能となり、電磁波照射装置とグリッド電
極間で発生したイオンのうち必要な極性のイオンを全て
静電潜像担持体へ運ぶことができる。
【0050】請求項5記載の帯電装置においては、前記
グリッド電極と前記静電潜像担持体間の距離をh2 とし
たとき、前記グリッド電極の幅L2 が、 L2≧2(h1+h2)・tan(θ/2)+D (ただし、h1は電磁波照射装置とグリッド電極間の距
離、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照射孔の
直径または幅) である構成としたので、電磁波照射領域全域に電界を形
成することができ、電磁波照射装置と静電潜像担持体間
で発生したイオンのうち必要な極性のイオンを全て静電
潜像担持体へ運ぶことができる。さらに、イオンの発生
した領域全てに電界を形成することによって、一度帯電
された静電潜像担持体が除電されることを防止すること
が可能となる。
【0051】請求項6記載の帯電装置においては、前記
グリッド電極が、多数の細長い針金またはそれに類する
形状であり、前記静電潜像担持体の帯電面に略平行に多
数配置した構造とし、かつその針金の直径または幅を2
r、各針金の間隔をdと置くとき、
【数4】 (ただし、L=d[0.25ρ2−log(ρ)]/2π、ρ=
2πr/dであり、また、式中のVI、VG、VBは各バ
イアスの絶対値とする)である構成としたので、電磁波
照射装置の電極から発生した電気力線を、全て静電潜像
担持体へ向かわせることができ、グリッド電極に吸収さ
れてしまう無駄なイオンを、可能な限り少なくすること
ができる。
【0052】請求項7記載の帯電装置においては、前記
グリッド電極の遮蔽不完全度σを、 σ=L/(h1+L)≒(d/2πh1)log(d/2πr) と定義したときに、該遮蔽不完全度σが、7%以下であ
る構成としたので、電磁波照射装置とグリッド電極間で
発生したイオンによって、グリッド電極と静電潜像担持
体間の電界が変動することを、できるだけ少なくするこ
とができる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る帯電装置の基本構成例を示す帯電
装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る帯電装置の別の基本構成例を示す
帯電装置の概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示す帯電装置の概
略構成図である。
【図4】図3に示す帯電装置の電磁波照射装置とグリッ
ド電極及び静電潜像担持体の配置位置関係と、電磁波照
射装置側電極幅及びグリッド電極幅の関係を説明するた
めの図である。
【図5】グリッド電極の構成例を示す図であって、グリ
ッド電極を構成する針金の配置方法の説明図である。
【図6】グリッド電極の別の構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施例1の構成で電磁波照射装置側電
極の幅を変えて静電潜像担持体の帯電電位を測定した結
果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例1の構成でグリッド電極の幅を
変えて静電潜像担持体の帯電電位を測定した結果を示す
グラフである。
【符号の説明】
1 電磁波照射装置 2 静電潜像担持体 3 静電潜像担持体の裏側電極 4 電磁波照射窓 5 電磁波照射装置側の電極 6 グリッド電極
フロントページの続き (72)発明者 平野 雅之 静岡県浜松市市野町1126番地の1・浜松 ホトニクス株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−3925(JP,A) 特開 平8−262845(JP,A) 実開 平2−39254(JP,U) 米国特許2701764(US,A) 米国特許2900515(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 G03G 15/22 107

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像担持体上に均一な初期帯電を行っ
    た後、部分的に初期帯電を消去し、画像信号に応じて変
    調した静電荷のパターンを形成し、該静電荷のパターン
    をトナーにより現像して記録紙あるいは中間転写体に転
    写し、画像を得る画像形成装置の帯電装置であり、電磁
    波照射装置と電界形成手段を備え、該電磁波照射装置に
    より前記静電潜像担持体上の空間に電磁波を照射すると
    共に該電界形成手段で電界を形成することによって、前
    記静電潜像担持体を所望の電位に帯電させる帯電装置に
    おいて、前記電磁波照射装置の前記静電潜像担持体と対向する面
    に電磁波照射窓を設け、該照射窓の周囲に電極を配置す
    ると共に、 前記電磁波照射装置と前記静電潜像担持体と
    の間にグリッド電極を設け、該グリッド電極にバイアス
    VG を印加し、前記電磁波照射装置の前記静電潜像担持
    体と対向する面の照射窓と電極にバイアスVI を印加
    、前記静電潜像担持体の裏側電極にバイアスVB を印
    加することを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の帯電装置において、前記静
    電潜像担持体の裏側電極に印加するバイアスVB を0V
    とすることを特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の帯電装置において、前記電
    磁波照射装置と前記静電潜像担持体との間のグリッド電
    極に印加するバイアスVG と、前記電磁波照射装置の前
    記静電潜像担持体と対向する面の照射窓と電極に印加す
    るバイアスVI が、前記静電潜像担持体を帯電させるべ
    き極性と同極性で、かつ|VG|<|VI|である条件を
    満たすことを特徴とする帯電装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の帯電装置において、前記電
    磁波照射装置と前記グリッド電極間の距離をh1 とした
    とき、前記電磁波照射装置のバイアスを印加する面の
    射窓を含む電極の幅L1 が、 L1≧2h1・tan(θ/2)+D (ただし、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照
    孔の直径または幅) であることを特徴とする帯電装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の帯電装置において、前記グ
    リッド電極と前記静電潜像担持体間の距離をh2 とした
    とき、前記グリッド電極の幅L2 が、 L2≧2(h1+h2)・tan(θ/2)+D (ただし、h1は電磁波照射装置とグリッド電極間の距
    離、θは電磁波照射角度、Dは電磁波照射窓の照射孔の
    直径または幅) であることを特徴とする帯電装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の帯電装置において、前記グ
    リッド電極が、多数の細長い針金またはそれに類する形
    状であり、前記静電潜像担持体の帯電面に略平行に多数
    配置した構造とし、かつその針金の直径または幅を2
    r、各針金の間隔をdと置くとき、 【数1】 (ただし、L=d[0.25ρ2−log(ρ)]/2π、ρ
    =2πr/dであり、また、式中のVI、VG、VBは各
    バイアスの絶対値とする) であることを特徴とする帯電装置。
  7. 【請求項7】請求項1または6記載の帯電装置におい
    て、前記グリッド電極の遮蔽不完全度σを、 σ=L/(h1+L)≒(d/2πh1)log(d/2πr) ・・・(2) と定義したときに、該遮蔽不完全度σが、7%以下であ
    ることを特徴とする帯電装置。
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