JP2000122378A - 帯電装置、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

帯電装置、現像装置および画像形成装置

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JP2000122378A
JP2000122378A JP10304796A JP30479698A JP2000122378A JP 2000122378 A JP2000122378 A JP 2000122378A JP 10304796 A JP10304796 A JP 10304796A JP 30479698 A JP30479698 A JP 30479698A JP 2000122378 A JP2000122378 A JP 2000122378A
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Akihiko Noda
明彦 野田
Shota Oba
正太 大場
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被帯電物に単極性の電荷を付与することがで
きる小型で低コストの帯電装置を提供する。また、この
帯電装置を現像用トナーの帯電装置又はトナー像の転写
装置として用い、像の乱れのない現像装置又は画像形成
装置を提供する。 【解決手段】 絶縁性基体11上に、給電電極12aと
その表面の半導電性部材12bとからなる電荷付与部材
12が形成され、この電荷付与部材の周りに絶縁性のス
ペーサー13が形成される。このスペーサーの表面には
網状の電界制御部材14が当接され、長手方向に張力が
導入された状態で支持される。この電荷付与部材、スペ
ーサー及び電界制御部材は無機材料で形成されている。
電荷付与部材12と電界制御部材14との間には、持続
的な放電が生じるような電圧が印加され、電界制御部材
14と導電性基体との間には、所望の極性のイオン又は
電子を導電性基体側に誘導する電界を生じるような電圧
が印加される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置や静
電記録装置等に用いられる帯電装置及び該帯電装置をト
ナーの帯電に使用した現像装置、さらに該帯電装置を転
写装置として使用した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
においては、感光体又は像担持体の帯電にコロナ放電装
置が一般的に用いられている。このコロナ放電装置には
コロトロン方式とスコロトロン方式がある。図11はコ
ロトロン方式のコロナ放電装置を示す概略構成図であ
る。このコロナ放電装置は、被帯電体101と対向する
ように張架された放電ワイヤ102と、この周囲を覆う
ように配置された導電性シールド103とで主要部が構
成されている。上記放電ワイヤ102は、線径が数十μ
m程度であり、被帯電体101との間に電源104から
高電圧が印加される。そして、コロナ放電によって放電
ワイヤ102の周囲にイオンを生じさせ、その移動によ
り被帯電体101を帯電させるようになっている。この
ようなコロナ放電装置は、簡単な構造で充分な量の放電
電荷を絶縁性の被帯電体に付与することができる。
【0003】しかし、コロトロン方式の放電装置では、
放電電荷が被帯電体の載った電極側以外にも向かうため
それを防止する必要があることと、放電の安定化のため
に導電性シールド103を設けること等が必要である。
このシールドを放電ワイヤ102に近づけすぎると両者
の間で火花放電が発生してしまうために、両者の間隔を
あまり小さくすることができず、小型化に適していない
という欠点がある。
【0004】また、感光体を帯電する他の装置として、
特開昭50−843号公報、特開昭50−13661号
公報、特開昭64−73367号公報、特開昭58−1
50975号公報、特開平4−51266号公報、4−
249270号公報等に開示されているものがある。特
開昭50−843号公報、特開昭50−13661号公
報、特開昭64−73367号公報に開示されている装
置は、抵抗体であるロールを感光体に接触させ、このロ
ールと感光体との間に電圧を印加し、微小間隙内で持続
的な放電を生じさせて帯電を行なうものである。また、
特開昭58−150975号公報、特開平4−5126
6号公報、4−249270号公報等に開示されている
装置は、高抵抗で導電性のフイルムを感光体に接触さ
せ、感光体との間に電圧を印加して微小間隙内での放電
を起こさせるものである。
【0005】このように接触によって帯電させる方式の
装置は、抵抗体に被帯電体の載った電極を近づけ、その
電極に向かう電界によって放電させて電荷の付与を行う
ものである。このため、放電電界を形成するために両者
の間隙を非常に狭くしなければならず、多くの場合は接
触しているため、放電電極側への異物付着によって帯電
特性を乱してしまう。つまり、感光体上に残留するトナ
ー含有物や紙粉などの付着、又は感光体表面の摩耗によ
って、帯電特性が変化したり、不均一になってしまうと
いう欠点がある。
【0006】一方、トナーを帯電するための装置として
は、特開昭60−83972号公報、特開昭54−17
030号公報、特開昭62−291678、特開昭64
−62675号公報等に開示されるものがある。特開昭
60−83972号公報に開示される装置は、絶縁性の
基板上に複数の電極を並列するように積層し、これをト
ナーの薄層が形成された現像ロールに対向させ、上記電
極間に放電電圧を印加することによって、現像ロール上
のトナーを帯電するものである。
【0007】また、特開昭54−17030号公報、特
開昭62−291678、特開昭64−62675号公
報等に開示される装置は、図12(a),(b)に示す
ように、現像ロール111上のトナー層に電圧を印加し
たロール状の電極112又はブレード状の電極113を
接触させ、微小間隙で生じる放電によってトナーを帯電
するものである。
【0008】しかし、このような帯電装置では、図13
(a),(b)に示すように、電圧が印加された抵抗体
電極をトナー層に接触させ、電極と現像ロールの間で放
電現象を発生させているため、トナーは両者間で発生す
る放電現象の中に存在しており、帯電されたトナ−は所
望の極性に揃わず、いわゆる逆極性トナ−が発生してし
まう。
【0009】この逆極性トナーの発生機構としては、次
のような現象が考えられる。放電にともなう電離により
電子雪崩現象が発生しており、プラスイオンと電子また
はマイナスイオンという相反する極性の電荷が発生す
る。しかも、トナーは、図10に示すように、その放電
領域に存在するためにプラスイオンと電子又はマイナス
イオンの両者ともがトナーに電荷を付与することにな
り、逆極性のトナーが発生する。
【0010】例えば、文献「放電現象」(東京電機大学
出版、本田侃士著、64ページ)に基づいて平行する2
つの電極間に発生している電子とプラスイオンの相対密
度を計算してみると、図14に示すように、プラスイオ
ンは陽極(現像剤担持体)の極近傍にも存在し、トナー
の大きさ(7〜10μm)において、電子の数千倍もあ
ることが示される。また、文献「最近の電子写真現像シ
ステムとトナ−材料の開発・実用化」[日本科学情報
(株)出版部、竹内学、303ページ]に記載された方
法で、トナ−粒子1個1個の極性と帯電量を分布として
計測した結果によれば、逆極性トナ−は20wt%であ
る。さらに、特開昭60−83972号公報に記載の帯
電装置においても同様の問題点がある。
【0011】一方、放電を用いない小型のトナー帯電方
法としては、トナー層規制部材との摩擦帯電による方法
が良く知られている。トナー層規制部材として剛体を用
いた場合には、トナーとトナー層規制部材との接触確率
が小さく、トナーはあまり帯電されない。これに対し
て、トナーとトナー層規制部材がより接触する方法とし
て、現像ロールに弾性部材からなるブレードを接触さ
せ、現像ロール上に一成分のトナー層を形成すると同時
に、ブレードによりトナーを摩擦帯電し、トナーに電荷
を与える方法がある。
【0012】しかし、このような装置では、すべてのト
ナーを十分に帯電することが難しく、所望の極性とは逆
に帯電した所謂逆極性トナーが存在し、その逆極性トナ
ーにより地かぶりが発生するという欠点を有する。すな
わち、ブレードでの摩擦帯電においては、トナーがブレ
ードと接触する確率が低く、特に微小トナーは摩擦帯電
されずに層形成箇所を通過してしまい、トナーが帯電さ
れないことがある。そこで、摩擦帯電を促進するために
トナー層規制部材のトナーへの圧力を増加することが考
えられるが、摩擦熱によりトナーのバインダー樹脂が溶
け、ブレード詰まりにより白筋が発生するという問題が
生じる。従って、トナー層規制部材を用いた摩擦による
トナー帯電方法では、信頼性を保ちつつ逆極性トナーを
なくすことができない。
【0013】そこで、トナーに対して単極性の電荷を付
与することができる装置として、特開平10−3962
4号公報に記載の技術が提案されている。この装置は、
図15(a)に示すように、現像ロール121との対向
部で電界を生じさせる電荷付与部材122と、該電荷付
与部材122上に絶縁部材123を介して積層され、電
荷付与部材の電位と現像ロールの電位との中間の電位が
付与されることによって前記電界内で生じる放電の電離
領域を制限する電界制御部材124とを有している。さ
らに、電荷付与部材122の背面側には、電荷付与部材
に電位を付与する給電部材125を備えている。また、
図15(b)に示す装置のように、電荷付与部材132
上の絶縁部材133及び電界制御部材134が配置され
た領域の外側に給電部材135を設け、該給電部材13
5により電荷付与部材132に電位を付与する方式もあ
る。
【0014】このような装置では、電荷付与部材に放電
開始電位以上の電位を印加するとともに、電界制御部材
に現像ロールと電荷付与部材との間の電位を印加する。
そして、電荷付与部材と電界制御部材との間で高電界を
発生させて電離状態を形成し、一方、電界制御部材と現
像ロールとの間には弱電界を形成して上記電離状態の高
電界内で発生した所望の極性の電荷のみを現像ロール側
に誘導するものである。これにより、現像ロール上のト
ナーを所望の極性に帯電し、逆極性トナーの発生を防止
することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
(a),(b)に示す従来の帯電装置では、次のような
問題点がある。上記帯電装置では、電荷付与部材と電界
制御部材との間で放電を発生させ、そのうちの単極性電
荷だけを電界制御部材と現像ロールとの間の電界によっ
て現像ロール上のトナーに付与しているが、火花放電を
発生させずに持続的な放電を生じるために、電荷付与部
材と電界制御部材のいずれか一方は、体積抵抗率が10
5 〜1010Ωcm程度の半導電性である必要がある。特
に、高電圧を印加する電荷付与部材が半導電性であるほ
うが被帯電物への火花放電は起こりにくい。このため電
荷付与部材としては、例えば、導電性粉を分散させたS
iゴムやEPDMゴムなどの半導電性を持つ抵抗体が用
いられ、体積抵抗率が上記範囲に、望ましくは106
108 Ωcm程度に設定されている。
【0016】しかし、このような半導電性の抵抗体は、
放電時に電子やイオンが衝突することにより劣化しやす
いという問題がある。このため、帯電電位を長期間にわ
たってほぼ一定に保つことが困難である。
【0017】また電荷付与部材又は電界制御部材の材料
として、上記のような有機物を用い、両部材の間に絶縁
部材を介在させる構成では、電荷付与部材上に絶縁部材
を接着剤により貼着する方法が一般的である。しかし、
この方法では接着剤のはみ出しによって電荷付与部材表
面が塞がれやすいという欠点がある。
【0018】これに対して特開平10−115969号
公報に記載の帯電装置では、図16(a),(b)に示
すように、絶縁基板145上にほぼ平行に配列した電荷
付与部材142と電界制御部材144とが設けられてお
り、電荷付与部材142は、導電性層142aとその表
面を被覆する半導電性層142bとから構成されてい
る。このような帯電装置では、両部材をほぼ平行に配列
することによって、電荷付与部材142の表面が塞がれ
るのを回避できるという利点がある。しかし、この装置
では、電荷付与部材142と電界制御部材144との間
で横方向に流れる電流が多く、被帯電物を十分に帯電す
るために大きな電圧を印加して多くの電流を流さなけれ
ばならない。このため、帯電効率が悪いという問題があ
る。
【0019】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、電荷付与部材や電界制御
部材の劣化を防止して長期にわたり安定した帯電を行う
ことができる帯電装置を供給すること、これに加えて帯
電効率が良く、低コスト化および小型化が可能な帯電装
置を供給することである。さらに、この帯電装置を現像
装置内でトナーの帯電に用いる場合に、逆極性のトナー
の発生を防止して、現像時に画質劣化のない良好なトナ
ー像が得られる現像装置を提供することである。さら
に、上記帯電装置を画像形成装置内でトナー像の転写装
置として用いる場合に、長期にわたり安定した画質の画
像形成を可能とする画像形成装置を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、 導電性基体上に形成さ
れた被帯電体層と近接し対向するように配置され、前記
導電性基体との間に電界を生じさせる電荷付与部材と、
該電荷付与部材と前記被帯電体層との間に配置され、
該電荷付与部材の電位と該導電性基体の電位との間の電
位が付与されて、該電荷付与部材と該導電性基体との間
で生じる放電の電離領域を該電荷付与部材付近に制限す
る電離領域制御部材とを有する帯電装置であって、 前
記電荷付与部材は、絶縁性基体上に形成された導電性層
を抵抗体層で被覆したものであり、 前記電離領域制御
部材は、導電性材料の網状体又は多数の小さな開口を有
する薄板部材からなるものであり、 前記絶縁性基体上
の前記電荷付与部材の周辺位置に、該電荷付与部材の層
厚より高く絶縁体層が形成され、前記電離領域制御部材
が、該絶縁体層の頂部に当接し、前記電荷付与部材と非
接触に支持されている帯電装置を供給するものである。
【0021】このような帯電装置では、絶縁性基体上の
電荷付与部材の周辺位置に、該電荷付与部材の層厚より
高く絶縁体層が形成され、電離領域制御部材が該絶縁体
層の頂部に当接して電荷付与部材と非接触に支持されて
いるので、電荷付与部材と電離領域制御部材との位置制
御を容易に行うことができ、製造コストを低減すること
ができる。さらに、電荷付与部材と電離領域制御部材と
の間隙を小さくすることができ、より低い電圧で所望の
電流を得ることができる。
【0022】すなわち、電荷付与部材と電離領域制御部
材との間に上記電圧を印加することで、両者の間に安定
した放電を発生させる。この放電により電離が起こり、
電子なだれとなって、両者間にプラスイオンと電子又は
マイナスイオンが発生する。一方、電離領域制御部材と
導電性基体との間では放電を生じないような弱電界を形
成し、この電界作用によって、所望の極性の電荷のみを
導電性基体上の被帯電体層に誘導する。これにより、被
帯電体層をほぼ均一に帯電させることが可能となる。
【0023】請求項2に記載の発明は、 前記絶縁体層
は、前記電離領域制御部材を構成する網状又は薄板状部
材の縁辺より外側にまで形成されており、 前記電離領
域制御部材は、前記絶縁性基体の表面と平行に張力が導
入された状態で支持されているものとする。このような
帯電装置では、電離領域制御部材を絶縁性基体の表面と
平行に適度な張力で支持することにより、電荷付与部材
と電離領域制御部材との間隔をほぼ一定に保持すること
ができ、均一な放電を安定して得ることができる。
【0024】請求項3に記載の発明は、 前記電荷付与
部材、前記電離領域制御部材又は前記絶縁体層が無機材
料で形成されていることを特徴とする。これにより、こ
れらの部材が放電時の電子やイオンの衝突により劣化す
るのを防止することができ、長期維持性を達成すること
ができる。
【0025】請求項4に記載の発明は、 前記導電性基
体は、所定幅の無端状周面を有し、該周面が周回するよ
うに駆動されるものであり、 前記電荷付与部材は、前
記導電性基体の周面と対向し、該周面の周回進行方向と
ほぼ直角方向に長い帯状に形成され、 該電荷付与部材
の導電性層は長手方向にほぼ一定の幅を有するものであ
ることを特徴とする。このような帯電装置では、電荷付
与部材と電離領域制御部材との間の放電が長手方向にお
いてほぼ均一となり、導電性基体上に形成された被帯電
体層の周回進行方向と直角方向における帯電均一性を確
保することができる。また、電荷付与部材の抵抗体層と
して用いられる半導電性材料は高価であるが、上記のよ
うに絶縁性基体上に、導電性層とその表面に被覆された
抵抗体層とからなる電荷付与部材を長手方向に帯状に形
成し、その周辺位置に該電荷付与部材の層厚より高く絶
縁体層を形成して、該絶縁体層によって電離領域制御部
材を支持するので、半導電性材料の必要量を減らすこと
ができ、コストを低減することができる。
【0026】請求項5に記載の発明は、 前記導電性基
体は、所定幅の無端状周面を有し、該周面が周回するよ
うに駆動されるものであり、 前記電荷付与部材及び前
記絶縁体層は、前記導電性基体の周面と対向し、該周面
の周回進行方向とほぼ直角方向に長い帯状に形成され、
該電荷付与部材の導電体層及び前記絶縁体層は、これ
らの長手方向にほぼ均一な層厚で形成され、該導電体層
と前記電離領域制御部材との間隔がほぼ一定に設定され
ているものとする。このような帯電装置では、電荷付与
部材の導電性層と電離領域制御部材との間隔が長手方向
にほぼ一定に保持されるので、電荷付与部材と電離領域
制御部材との間の放電がほぼ均一となり、被帯電体層の
周回進行方向と直角方向における帯電均一性を確保する
ことができる
【0027】請求項6に記載の発明は、 表面に静電電
位の差による潜像が形成された像担持体と対向する位置
に配置され、現像部材の周回移動する無端状周面に形成
された現像剤層からトナーを前記像担持体に転移して前
記潜像を可視化する現像装置において、 前記現像部材
にトナーを供給する無端状周面を備えた現像剤搬送部材
又は前記現像部材の周面と対向して、請求項1から請求
項6までのいずれかに記載の帯電装置が配置され、 前
記現像部材又は前記現像剤搬送部材上に形成されたトナ
ー層を所定の極性に帯電するものとする。このような現
像装置では、電荷付与部材と電離領域制御部材との間の
放電により電離状態を形成し、電離領域制御部材と現像
部材又は現像剤搬送部材との間の電界により上記電離状
態の電界内で発生した所望の極性の電荷のみをトナー層
に誘導することができ、逆極性のトナー粒子の発生を防
止して、ほぼ均一な極性にトナーを帯電させることが可
能となる。さらに前記帯電装置が、トナー層を形成する
層形成部材と一体となるように支持される構成とするこ
とにより、帯電装置の設置スペースを節約でき、現像装
置の小型化、低コスト化が可能となる。
【0028】請求項7に記載の発明は、 無端状の周面
に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体上の潜像を、トナーの付着により可視化す
る現像装置と、 前記トナーの付着により形成されたト
ナー像を、受像体に転写する転写装置とを有する画像形
成装置において、 前記転写装置は、前記像担持体に前
記受像体が当接される位置で、該像担持体と対向するよ
うに、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の帯
電装置を配置したものであることを特徴とする。このよ
うな画像形成装置では、転写装置により受像体を長手方
向にほぼ均一に帯電することができ、これによって像担
持体上のトナー像が安定して受像体に転写される。この
ため、長手方向にほぼ均一な転写画像を得ることができ
る。
【0029】請求項8に記載の発明は、前記画像形成装
置において、 前記帯電装置の前記電荷付与部材であっ
て、前記受像体搬送方向における最上流側にあるもの
は、前記受像体が前記像担持体と密着するニップ部の上
流端と対向する位置にあることを特徴とする。このよう
な画像形成装置では、受像体が像担持体と密着するニッ
プ部へ進入する直前の像担持体上のトナーに対しては、
帯電装置による電界の作用が及ばなくなり、ニップ部の
手前でトナーが受像体に転写されてしまうことによるト
ナーの飛び散りを大幅に減少させることができる。これ
により、トナー像の転写を確実に行うことができ、画質
劣化のない良好な画像を得ることができる。
【0030】請求項9に記載の発明は、前記画像形成装
置において、 前記帯電装置の前記電荷付与部材であっ
て、前記受像体搬送方向における最下流側にあるもの
は、前記受像体が前記像担持体と密着するニップ部の下
流端と対向する位置にあることを特徴とする。このよう
な画像形成装置では、ニップ部の下流側で受像体に転写
されたトナーに電界の作用が及ぶのを防止することがで
き、受像体上のトナーの飛び散りを減少させることがで
きる。これにより、転写後のトナー像の画質劣化を防止
することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は請求項6に記載の発
明の第1の実施形態である現像装置を示す概略構成図で
あり、図2はこの現像装置で用いられる帯電装置であっ
て、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載
の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図で
ある。この帯電装置が用いられている現像装置2は、電
子写真装置又は静電記録装置における像担持体1にトナ
ーを選択的に転移して、像担持体1上の静電潜像を可視
化するものであり、図1に示すように、周面にトナーの
薄層を担持しながら回転し、像担持体1と対向する現像
領域で像担持体にトナーを転移させる現像ロール3を備
えている。この現像ロール3には電源4からバイアス電
圧が印加され、像担持体との間に電界を形成して電荷を
有するトナーを像担持体に転移させるものである。した
がって、トナーは適切な電荷を有していることが必要と
なり、トナーの各粒子が適切な電荷を保持するように帯
電を行なう装置として本実施形態の帯電装置5が用いら
れている。
【0032】この帯電装置5は、現像ロール3と近接・
対向するように配設されており、図2(a)に示すよう
に、絶縁基板11上に形成された給電電極12aとこれ
を被覆する半導電性部材(抵抗体層)12bとからなる
電荷付与部材12が、絶縁基板11の表面を覆うように
設けられている。電荷付与部材12の半導電性部材12
bの表面には、図2(b)に示すように、給電電極12
aを長手方向及び幅方向に囲むように長い帯状のスペー
サー13が形成されている。このスペーサー13は絶縁
性材料からなるものであり、スペーサー13の頂部に
は、導電性の網状部材からなる電界制御部材14が当接
され、絶縁基板11の表面とほぼ平行に張力が導入され
た状態で支持されている。また給電電極12aと電界制
御部材14には、直流電圧を印加する電源6,7が接続
されている。
【0033】上記電荷付与部材12及びスペーサー13
の層厚は、絶縁基板11の長手方向にほぼ均一に形成さ
れており、この電荷付与部材12とスペーサー13との
高さの差により電荷付与部材12と電界制御部材14と
の間隔がほぼ一定に保たれている。電荷付与部材12を
構成する給電電極12aは、長手方向にほぼ一定の層厚
及び幅を有しており、給電電極12aと電界制御部材1
4との間隔が、絶縁基板11の長手方向にほぼ一定とな
るように設定されている。
【0034】上記帯電装置5では、電界制御部材14を
スペーサーに押しつけながら張架することが電界制御部
材14と電荷付与部材12との間隙を保持するためには
有効な手段となる。このとき、電界制御部材14を帯電
装置5の幅方向(長手方向と直角な方向)に張架しても
よいが、その場合には電界制御部材14が動きにくくな
るため、温度の変動による伸縮によってたるみが生じ易
い。そこで、長手方向に張架することが、より簡単で有
効な手段となる。また、電界制御部材14に張力を受け
ない部分があってもその面積が小さければ、電荷付与部
材12と電界制御部材14への電圧印加による応力によ
って電界制御部材が電荷付与部材側へ引き付けられるた
め、必ずしも電界制御部材14の全面積に張力が及ぶ必
要はない。このとき、張架するために電界制御部材14
がスペーサー13から浮き上がらないことが重要であ
る。
【0035】そのために本実施形態では、図3に示すよ
うに、電界制御部材14の長手方向における両側に、動
き易い樹脂テープ15が貼り付けられ、この樹脂テープ
15が絶縁基体11の両側に装着された板バネ材16に
接着されている。このとき板バネ材16は帯電装置の外
側へ曲折され、その曲折部に樹脂テープ15が取り付け
られている。この板バネ材16の弾性により、電界制御
部材14が絶縁スぺーサー13側に押し付けられ、電界
制御部材14は絶縁基板11と平行に張力が導入された
状態で支持される。上記樹脂テープ15としてはポリイ
ミドテープが用いられ、帯電制御部材14としては厚さ
20μmのSUSなどが用いられる。なお、電界制御部
材14を直接スぺーサー13に接着してしまうと、温度
変化による伸縮のために電界制御部材14にたるみが生
じてしまい、電界制御部材14と電荷付与部材12との
間隙がムラになるため好ましくない。
【0036】また、図4に示すように、電界制御部材の
長手方向端部がスペーサーよりもはみ出して存在し、そ
の部分に張力が加わる場合には、電界制御部材の弾性に
よって電界制御部材が絶縁スぺーサーから浮いてしまう
ため帯電ムラを生じてしまう。このため、図3に示すよ
うに、電界制御部材14の長手方向端部がスペーサー1
3よりもはみ出さないように配置することが好ましい。
【0037】上記絶縁基板11はセラミックからなり、
上記電荷付与部材12はアルミやニッケルといった金属
や導電成分を多く混入したガラス等からなる導電性の給
電電極12aに、導電成分を混入したガラスからなる半
導電性部材12bを被覆したものである。電荷付与部材
12bの厚さは30μmであり、半導電性部材12bの
体積抵抗率は約106 Ω・cmとなっている。なお、半
導電性部材12bとして、上記材料のほかアモルファス
シリコンを用いることもできる。上記スぺーサー13は
ガラスからなり、上記電界制御部材14は導電成分を混
入した半導電性ガラスからなるものである。スぺーサー
13の厚さは50μmで幅は1mmであり、電界制御部
材14の厚さは30μmで電界制御部材14の幅は2m
mとなっている。また、電界制御部材14の開口幅は1
00μmとなっている。
【0038】このような帯電装置5は、現像ロール3の
軸線方向のほぼ全域にわたって対向し、図2(a)に示
すようなほぼ均等な断面を有している。なお、上記帯電
装置5では、電界制御部材14を支えるためにスペーサ
ー13が電荷付与部材12の周囲に存在している必要が
あるが、少なくとも電界制御部材14が存在している部
分の高さに大きなムラがあると帯電均一性を損なってし
まう。電荷付与部材を構成する半導電性部材12bの厚
さについても同様である。このため、スペーサー13や
電荷付与部材を構成する半導電性部材12bの厚さの均
一性には十分に注意する必要がある。
【0039】また、上記のように電荷付与部材12をガ
ラス系材料によって作成する場合には、セラミックから
なる絶縁基板11上に、溶剤にガラス系材料の微粉末を
混合させたペーストを用いてスクリーン印刷などによっ
て印刷し、乾燥、焼成を経て構築されるが、横方向に数
十μm単位の制御は困難を伴いコスト高を免れない。し
かし、図2(a)に示すような高さ方向の制御について
はスクリーンの選択によって行うことができ、しかも均
一で十μm以下の単位での制御が可能である。したがっ
て、本実施形態の帯電装置は製造コストの低減に大きく
寄与するものである。
【0040】上記現像ロール3に印加されているバイア
ス電圧の直流成分は−400Vとなっており、上記電荷
付与部材12及び電界制御部材14には電源6,7から
電圧が印加され、電荷付与部材12の電位は電源6,7
により−1300Vに、電界制御部材14の電位は電源
7により−700Vに設定されている。
【0041】このような帯電装置5では、電荷付与部材
12と電界制御部材14との間で持続的な放電が生じ、
これらの電極間で電子なだれが生じて、電離によるイオ
ンと電子とが発生する。一方、電界制御部材14と現像
ロール3との間では弱電界が形成され、上記電離により
発生したイオンと電子のうち、マイナスイオンと電子の
みが現像ロール3に誘導される。そして、このマイナス
イオンと電子とが現像ロール3上に薄層となって担持さ
れているトナー粒子に付着し、トナーを帯電させる。
【0042】このように帯電装置5から現像ロール3側
に移動する電荷はマイナスのイオンと電子に限られるの
で、現像ロール上のトナー粒子はほとんどすべてがマイ
ナスに帯電され、逆極性に帯電したトナー粒子が現像ロ
ール3上にほとんど存在しない状態となる。このように
適切に帯電されたトナーは、現像領域で像担持体1に転
移される。このとき、十分な電荷を有しているので像担
持体1上の潜像に適切な量のトナーが転移し、良好な画
像が形成される。また、逆極性のトナーが背景部に転移
してかぶりを生じるようなこともない。
【0043】上記帯電装置5では、電荷付与部材12及
び電界制御部材14を構成する材料として無機材料が用
いられているが、一般的には、図15に示す従来の帯電
装置のように、半導電性部材として有機材料が用いられ
ている。しかし、有機材料からなる半導電性部材では、
放電時のイオンや電子の衝突により劣化し易いという欠
点があり、このため本実施形態のように無機材料を用い
ることが長期維持性を達成する上で有効である。無機材
料として、例えばガラス、セラミック、金属なども使用
できるが、半導電性部材としてはアモルファスシリコン
やガラス中に導電性物質を混入したものが有効である。
【0044】その際、図15(a)又は図15(b)に
示す従来の帯電装置と同様の構成で、電荷付与部材又は
電界制御部材を無機材料で形成することも考えられる。
しかし、このような構成では、特にガラス系材料を用い
た場合に、図9(a),(b)に示すように焼成時のダ
レや収縮によって寸法変動が生じ、電界制御部材の開口
幅の制御が困難になるという問題がある。さらに、図9
(a)に示すように焼成時のダレのために電界制御部材
の開口幅を広く取る必要もある。
【0045】図10(a)は電界制御部材の開口幅を変
化させたときに被帯電体側に流れる電流値を示すもので
ある。この実験では、図10(b)に示すように、図1
5(a)と同様の構成を有する帯電装置30をアルミプ
レート35に対向させ、電荷付与部材32と電界制御部
材34とに電位を付与するものである。そして、アルミ
プレート35は接地してアースに流れる電流値を測定す
るための電流計36を設けている。このような装置によ
り電流値を測定したところ、図10(a)に示すよう
に、電界制御部材の開口幅が広がるほど被帯電体側に流
れる電流値が小さくなり、帯電能力が低下することが分
かる。これは開口幅が広がることによって電荷付与部材
の表面近傍の電界が低下することによると考えられる。
さらに、焼成、冷却時の膨張又は収縮によって電界制御
部材の位置制御も困難である。
【0046】また、図16に示す従来の帯電装置と同様
の構成で、電荷付与部材又は電界制御部材を無機材料で
形成することも考えられる。この場合は、電荷付与部材
と電界制御部材とが絶縁基板上で独立に間隔をおいて形
成されているため、特にガラス系材料を用いる場合に焼
成、冷却時の膨張又は収縮をあまり考慮しなくても位置
精度を出せることから製造が容易である。しかし、電荷
付与部材と電界制御部材とが横に並んでいるため、高い
電圧を印加する必要があり、帯電効率を低下させてしま
うという欠点がある。
【0047】これに対し、本実施形態の帯電装置5で
は、図2(a)に示すように、電荷付与部材12の表面
を囲むようにスぺーサー13が配置され、このスぺーサ
ー13の上に電界制御部材14が張力をかけた状態で支
持されているので、スぺーサー13により電荷付与部材
12と電界制御部材14との絶縁性が保たれる。このた
め、両電極間の距離を小さくしてより低い電圧で使用す
ることができる。また、電荷付与部材12は導電性の給
電電極表面を半導電性部材で被覆した構成であるので、
焼成時のダレ等による寸法変動を最小限に抑えることが
できる。さらに電界制御部材14は網状部材であるの
で、独自に開口部の寸法設定が可能となり、安定して帯
電均一性を確保することができる。
【0048】図5は、請求項1、請求項2、請求項3、
請求項4又は請求項5に記載の発明の一実施形態である
帯電装置を示す概略構成図である。この帯電装置は、絶
縁基板21上に給電電極22aとこれを被覆する半導電
性部材12bとからなる帯状の電荷付与部材22が設け
られており、この電荷付与部材22の両側の絶縁基板2
1上に、該電荷付与部材2の厚さよりも厚いスペーサー
23が設けられている。このスペーサー23の頂部には
スクリーン状の電界制御部材24が当接され、絶縁基板
21と平行に張力が導入された状態で支持されている。
【0049】上記電界制御部材24には、ステンレスが
用いられているが、このほか導電性粉を混入した導電性
ガラスなどを用いることもできる。また上記帯電装置
は、現像ロールの軸線方向のほぼ全域にわたって対向し
ており、図5(a)に示すようなほぼ均等な断面を有し
ている。なお、この帯電装置の他の構成は図2に示す帯
電装置と同じである。また、電界制御部材24の支持構
造も図3に示すものと同じである。
【0050】このような帯電装置では、電荷付与部材2
2と電界制御部材24との間の電界により持続的な放電
が生じ、これらの電極間で電子なだれが生じて電離によ
るイオンと電子とが発生する。一方、電界制御部材24
と現像ロールとの間では弱電界が形成され、上記電離に
より発生したマイナスイオンと電子とが現像ロール3に
誘導される。そして、このマイナスイオンと電子とが現
像ロール3上に薄層となって担持されているトナーを帯
電させる。
【0051】このような帯電装置では、スぺーサー23
により電荷付与部材22と電界制御部材24との絶縁性
が保たれるため、両電極間の距離を小さくしてより低い
電圧で使用することができる。また、スペーサー23が
絶縁基板上に直接構築されており、より高価な電荷付与
部材の半導電性部材22bの必要量を減らすことができ
る。
【0052】次に、上記実施形態の帯電装置の効果を確
認するために行った実験について説明する。まず、図2
及び図5に示す帯電装置と同様の構成で、半導電性部材
に無機材料を用いた場合と有機材料を用いた場合とで帯
電維持性を比較する実験を行った。この実験では、電界
制御部材に印加する電圧を一定とし、初期の被帯電物の
帯電量が一定となるように電荷付与部材に印加する電圧
条件を調整し、以後同一の電圧条件で被帯電物に流れる
電流が半減するまでの連続帯電時間を測定した。
【0053】その結果、図2及び図5に示す帯電装置に
おいて、電荷付与部材を構成する半導電性部材及び電界
制御部材に有機材料として導電性粉を混入したEPDM
ゴムを用いた場合は、電流が半減するまでの連続帯電時
間は2〜5時間であった。
【0054】一方、電荷付与部材の半導電性部材にアモ
ルファスシリコン又は導電成分を混入した半導電性ガラ
ス、スペーサーにガラスを用い、さらに電界制御部材に
導電性の給電部材を導電成分を混入したガラスで被覆し
た電極、ステンレス又は導電成分を混入した導電性ガラ
スを用い、各部材の組み合わせを変えて上記と同様の連
続帯電を行った。その結果、電流が半減するまでの連続
帯電時間は15時間以上であり、40時間の帯電におい
ても半減しない条件があった。
【0055】次に、図2に示す帯電装置と、比較のため
の図15(a)、図15(b)及び図16に示す帯電装
置を用いて、印加電圧に対するアルミニウムプレートへ
の流れ込み電流を測定する実験を行った。この実験で
は、電荷付与部材の給電電極及び電界制御部材に導電成
分を混入した導電性ガラスを、電荷付与部材の半導電性
部材に導電成分を混入した半導電性ガラスを、スペーサ
ーにガラスを用いた。
【0056】また、図15(a)及び図15(b)に示
す帯電装置は、スペーサーの厚さを50μm、電界制御
部材間の距離を200μmとした。電界制御部材に挟ま
れた放電部は、電極断面図の横方向に10組とした。図
16に示す帯電装置は、電荷付与部材の幅を200μ
m、電荷付与部材と電界制御部材との絶縁基板上におけ
る水平距離を100μmとした。電界制御部材に挟まれ
た放電部は、図16に示す電極断面図の横方向に5組と
した。図2に示す帯電装置は、電荷付与部材の幅(長手
方向と直角方向の幅)を2mmとし、スペーサーの厚さ
を50μmとし、1mm幅で電荷付与部材を仕切り、周
囲にも幅1mm以上で存在するような構成とした。
【0057】図6は、このときの印加電圧と電流値との
関係を示すグラフである。この図に示すように、図2に
示す帯電装置では、他の帯電装置と比較して帯電能力の
点で全く支障がなく、十分な帯電が可能であることが確
認された。
【0058】次に、図2又は図5に示す帯電装置を収容
した現像装置を用い、該現像装置を図1に示すように像
担持体に対向させて10000枚のコピー動作を行った
実験について説明する。この実験では、電荷付与部材の
給電電極には−1300Vの電位を、電界制御部材には
−700Vの電位を印加し、電界制御部材と現像ロール
との間隔を3mm、1コピー動作ごとに電圧をON/O
FFした。その結果、10000枚のコピー動作の間、
トナーの帯電量には逆極性の分布がなく、しかも帯電量
が低下することがなかった。このとき用いた帯電装置の
全幅(現像ロール周方向における幅)は5mmであり、
装置全体を小型化できるとともに、トナー帯電量の長期
維持性を実現することができた。
【0059】図7は、請求項7、請求項8又は請求項9
に記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す概
略構成図である。この画像形成装置は、一様帯電により
像光を照射して表面に帯電電位の差による潜像を形成す
る像担持体51と、この像担持体51の周囲に、像担持
体51の表面をほぼ一様に帯電する帯電装置52と、像
担持体51の表面に画像情報に対応する像光を照射をす
る露光装置53と、像担持体51上に形成された潜像を
トナーの付着により可視化してトナー像を形成する現像
装置54と、像担持体51上のトナー像を受像体55上
に転写する転写装置56とを備えている。
【0060】この画像形成装置では、像担持体51を帯
電する帯電装置52、及びトナー像を転写する転写装置
56として、図2に示す帯電装置と同じ構成のものが用
いられている。上記帯電装置52では、電荷付与部材6
2によりトナーと同極性の電荷を像担持体51に与え、
一方、転写装置56では、受像体55の背面側(トナー
と反対側の面)から、電荷付与部材67によりトナーと
逆極性の電荷を受像体55に与える。また、上記転写装
置56では、受像体55の搬送方向における最上流側の
電荷付与部材67の縁部が、受像体55が像担持体51
と密着するニップ部の上流側端部と対向するように配置
されている。さらに、受像体55の搬送方向における最
下流側の電荷付与部材67の縁部が、受像体55が像担
持体51と密着するニップ部の下流側端部と対向するよ
うに配置されている。
【0061】上記帯電装置52では、電荷付与部材62
と電界制御部材64との間の放電により発生したイオン
と電子のうち、マイナスイオンと電子が電界制御部材6
4と像担持体51との間に形成される電界により像担持
体51に誘導される。そしてこれらのマイナスイオンと
電子により像担持体51が帯電される。
【0062】また、上記転写装置56では、電荷付与部
材67と電界制御部材69との間の放電により発生した
イオンと電子のうち、プラスイオンが電界制御部材69
と像担持体51との間に形成される電界により受像体5
5側へ誘導される。そして、このプラスイオンにより受
像体55が帯電されて像担持体上のトナー像が受像体に
転写される。
【0063】このような画像形成装置では、帯電装置5
2及び転写装置56の全体の厚みを薄く、かつ横幅を狭
くすることができるので、これらの装置の小型化が可能
である。また、転写装置56では、受像体搬送方向にお
ける最上流側の電荷付与部材67の縁部が、受像体55
と像担持体51とが密着するニップ部の上流側端部と対
向するように配置されているので、ニップ部に進入する
直前の像担持体51上のトナーに対しては電界の作用が
及ばなくなり、ニップ部の直前にトナーが受像体55に
転写されてしまうことによるトナーの飛び散りを大幅に
減少させることができる。このため、画質劣化を防止し
てトナー像の転写を確実に行うことができる。また、受
像体搬送方向における最下流側の電荷付与部材67の縁
部が、受像体55と像担持体51とのニップ部の下流側
端部と対向するように配置されているので、トナーの飛
び散りを更にいくらか減少させることができる。
【0064】図8は、請求項7、請求項8又は請求項9
に記載の発明の他の実施形態である画像形成装置を示す
概略構成図である。この画像形成装置は、支持ロール7
8により無端移動が可能に張架された転写ベルト77を
備えており、像担持体71上に形成されたトナー像を、
転写ベルト77上を搬送される受像体75上に転写する
ものである。転写装置76は転写ベルト75を介して像
担持体71の反対側に配置されており、転写装置76に
より受像体55が帯電されて像担持体上のトナー像が受
像体に転写される。また帯電装置72には、図7に示す
帯電装置52に代えて、図11に示すようなワイヤーを
張架したコロトロンが用いられている。なお、この画像
形成装置の他の構成は図6に示す画像形成装置と同じで
ある。
【0065】上記図7及び図8に示す画像形成装置を用
いてプリントテストを行ったところ、転写装置56、7
6により受像体55、75がほぼ均一に帯電され、受像
体上にトナーの飛び散り等のない良好な画像が得られる
ことが確認された。また図7に示す画像形成装置では、
帯電装置52により像担持体51がほぼ一様に帯電さ
れ、帯電不良による画質劣化がないことが確認された。
【0066】なお、上記実施形態の現像装置、画像形成
装置で用いられる現像剤は一成分系のトナーであり、ス
チレン樹脂、アクリル樹脂もしくはポリエステル樹脂等
の各種熱可塑性樹脂中に顔料や含金属アゾ染料等の極性
制御剤を分散し、粉砕、分級により3〜20μm(平均
粒径7μm)の大きさにしたものである。また、電荷制
御剤が添加され、負極性の電荷が付与されている。電荷
制御剤としては、疎水化処理したシリカ、アルミナ、チ
タン等の粒径0.1μm以下の微粒子が用いられるが、
疎水性シリカがもっとも望ましい。また、トナーの流動
性助剤が外添されている。なお、上記実施形態の画像形
成装置で用いられる像担持体としては、セレン系感光体
や有機感光体が用いられ、感光体と現像ロールとは接触
しても良いし、あるいは100μm〜400μm程度の
間隙をおいて対向させてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本願に係る発明の
帯電装置では、製造上容易に電荷付与部材、電離領域制
御部材などの位置精度を制御することができ、均一な放
電を低消費電力で効率よく発生させ、安定した帯電を行
うことができる。さらに、電荷付与部材、電離領域制御
部材及び絶縁体層などを無機材料で形成することによ
り、長期に渡って安定した帯電特性を示す小型の帯電装
置を実現することができる。上記帯電装置をトナーの帯
電に利用した現像装置では、逆極性のトナーの発生を防
止して信頼性の高い装置を実現できるとともに、装置の
小型化が可能である。さらに上記帯電装置を転写装置に
利用した画像形成装置では、転写装置を大幅に小型化で
きるとともに、転写時のトナーの飛び散りを防止して高
品質な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項6に記載の発明の一実施形態である現像
装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す現像装置に用いられる帯電装置であ
って、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記
載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図
である。
【図3】図2に示す帯電装置で用いられる電界制御部材
の支持構造を示す概略図である。
【図4】図2に示す帯電装置で用いられる電界制御部材
の支持状態を比較例を用いて説明する図である。
【図5】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は
請求項5に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示
す概略構成図である。
【図6】図2に示す帯電装置及び比較例の帯電装置を用
いて行なった実験の結果を示す図であって、電荷付与部
材に印加する電圧と電流量との関係を示す図である。
【図7】請求項7、請求項8又は請求項9に記載の発明
の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図であ
る。
【図8】請求項7、請求項8又は請求項9に記載の発明
の他の実施形態である画像形成装置を示す概略構成図で
ある。
【図9】半導電性部材として無機材料を用いた場合の問
題点を示す概略図である。
【図10】電界制御部材の開口幅と電流値との関係を示
す図である。
【図11】従来から知られているコロナ放電装置を示す
概略構成図である。
【図12】従来から知られている、トナーの帯電機能を
有する現像装置の例を示す概略構成図である。
【図13】図12に示す現像装置で用いられれる帯電装
置の問題点を説明する概略図である。
【図14】図12に示す現像装置で用いられる帯電装置
における電荷付与部材と現像剤担持体との間の電荷密度
を示す図である。
【図15】従来から知られている、電荷付与部材と電界
制御部材とを用いた帯電装置の例を示す概略構成図であ
る。
【図16】従来から知られている、電荷付与部材と電界
制御部材とを用いた帯電装置の他の例を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1 像担持体 2 現像装置 3 現像ロール 4 電源 5 帯電装置 6,7 電源 11,21 絶縁基板 12,22 電荷付与部材 13,23 スぺーサー 14,24 電界制御部材 15 樹脂テープ 16 板バネ材 51,71 像担持体 52,72 帯電装置 53,73 露光装置 54,74 現像装置 55,75 受像体 56,76 転写装置 62,67 電荷付与部材 64,69 電界制御部材 77 転写ベルト 78 支持ロール

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に形成された被帯電体層
    と近接し対向するように配置され、前記導電性基体との
    間に電界を生じさせる電荷付与部材と、 該電荷付与部材と前記被帯電体層との間に配置され、該
    電荷付与部材の電位と該導電性基体の電位との間の電位
    が付与されて、該電荷付与部材と該導電性基体との間で
    生じる放電の電離領域を該電荷付与部材付近に制限する
    電離領域制御部材とを有する帯電装置であって、 前記電荷付与部材は、絶縁性基体上に形成された導電性
    層を抵抗体層で被覆したものであり、 前記電離領域制御部材は、導電性材料の網状体又は多数
    の小さな開口を有する薄板部材からなるものであり、 前記絶縁性基体上の前記電荷付与部材の周辺位置に、該
    電荷付与部材の層厚より高く絶縁体層が形成され、前記
    電離領域制御部材が、該絶縁体層の頂部に当接し、前記
    電荷付与部材と非接触に支持されていることを特徴とす
    る帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体層は、前記電離領域制御部
    材を構成する網状又は薄板状部材の縁辺より外側にまで
    形成されており、 前記電離領域制御部材は、前記絶縁性基体の表面と平行
    に張力が導入された状態で支持されていることを特徴と
    する請求項1に記載の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記電荷付与部材、前記電離領域制御
    部材又は前記絶縁体層が無機材料で形成されていること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帯電装置。
  4. 【請求項4】 前記導電性基体は、所定幅の無端状
    周面を有し、該周面が周回するように駆動されるもので
    あり、 前記電荷付与部材は、前記導電性基体の周面と対向し、
    該周面の周回進行方向とほぼ直角方向に長い帯状に形成
    され、 該電荷付与部材の導電性層は長手方向にほぼ一定の幅を
    有するものであることを特徴とする請求項1、請求項2
    又は請求項3に記載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 前記導電性基体は、所定幅の無端状
    周面を有し、該周面が周回するように駆動されるもので
    あり、 前記電荷付与部材及び前記絶縁体層は、前記導電性基体
    の周面と対向し、該周面の周回進行方向とほぼ直角方向
    に長い帯状に形成され、 該電荷付与部材の導電体層及び前記絶縁体層は、これら
    の長手方向にほぼ均一な層厚で形成され、該導電体層と
    前記電離領域制御部材との間隔がほぼ一定に設定されて
    いることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3
    に記載の帯電装置。
  6. 【請求項6】 表面に静電電位の差による潜像が形成
    された像担持体と対向する位置に配置され、現像部材の
    周回移動する無端状周面に形成された現像剤層からトナ
    ーを前記像担持体に転移して前記潜像を可視化する現像
    装置において、 前記現像部材にトナーを供給する無端状周面を備えた現
    像剤搬送部材又は前記現像部材の周面と対向して、請求
    項1から請求項6までのいずれかに記載の帯電装置が配
    置され、 前記現像部材又は前記現像剤搬送部材上に形成されたト
    ナー層を所定の極性に帯電することを特徴とする現像装
    置。
  7. 【請求項7】 無端状の周面に静電電位の差による潜
    像が形成される像担持体と、 前記像担持体上の潜像を、トナーの付着により可視化す
    る現像装置と、 前記トナーの付着により形成されたトナー像を、受像体
    に転写する転写装置とを有する画像形成装置において、 前記転写装置は、前記像担持体に前記受像体が当接され
    る位置で、該像担持体と対向するように、請求項1から
    請求項6までのいずれかに記載の帯電装置を配置したも
    のであることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の画像形成装置におい
    て、 前記帯電装置の前記電荷付与部材であって、前記受像体
    搬送方向における最上流側にあるものは、前記受像体が
    前記像担持体と密着するニップ部の上流端と対向する位
    置にあることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の画像形成装置におい
    て、 前記帯電装置の前記電荷付与部材であって、前記受像体
    搬送方向における最下流側にあるものは、前記受像体が
    前記像担持体と密着するニップ部の下流端と対向する位
    置にあることを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013083809A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Fuji Xerox Co Ltd 帯電装置、カートリッジ及び画像形成装置

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