JP3387226B2 - 静電記録装置 - Google Patents

静電記録装置

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JP3387226B2
JP3387226B2 JP18314494A JP18314494A JP3387226B2 JP 3387226 B2 JP3387226 B2 JP 3387226B2 JP 18314494 A JP18314494 A JP 18314494A JP 18314494 A JP18314494 A JP 18314494A JP 3387226 B2 JP3387226 B2 JP 3387226B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電記録装置に関す
るものであり、更に詳細には現像剤担持体上に形成され
た帯電現像剤の薄層を、画像信号に応じて現像剤を選択
的に記録紙上に転移させて画像の記録を行なう静電記録
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から普通紙に画像を記録する静電記
録方式に関する技術としては、カールソン・プロセスを
利用した電子写真方式が主流である。この電子写真方式
に関する技術は、既に複写機やプリンター等として製品
化されているものが多数ある。この電子写真方式を採用
した装置は、例えば、感光体ドラムを一様に帯電させた
後、この一様に帯電された感光体ドラムの表面に、原稿
の反射光像や、レーザーあるいはLED等から出射され
る光エネルギーによって選択的に除電して静電潜像を形
成し、この画像情報に応じて形成された静電潜像を着色
されたトナー粒子によって現像して、記録用紙上に転写
することにより記録像を得るように構成したものであ
る。
【0003】上記電子写真方式を採用した装置では、構
成上重要な感光体や現像剤に寿命がある他、定期的に帯
電器やクリーナなどのメンテナンスを行う必要があると
いう問題点がある。また、上記電子写真方式を採用した
装置の場合には、無機化合物や有機化合物等からなる感
光体を使用するため、感光体を交換する際の廃棄等に伴
う環境に対する安全性などの問題点も有している。これ
らの問題点を解決する技術の開発は活発に行われている
が、出力画像の品質、信頼性の面で、電子写真方式にか
わる静電記録技術はいまだ確立されていないのが現状で
ある。
【0004】たとえば、感光体を用いずに画像の記録を
行う方式としては、ドラム状の誘電体上に静電潜像を書
き込む方式が提案されている。誘電体を用いるメリット
は、メンテナンスの簡素化だけでなく、誘電体は信頼性
が高いので機器の長寿命化も期待できるほか、圧力によ
る転写定着が行えるという利点をも有している(特開昭
57−501348号公報)。
【0005】また、誘電体に静電潜像を書き込む方式と
しては、大きく分けて多針電極による電荷注入を用いる
もの(特開昭61−36751)と、放電によるイオン
流を制御して誘電体に静電潜像を書き込む方式(特開昭
56−49281)とに二分される。このうち多針電極
を用いる方式は、多針電極の電気制御機構が複雑になる
ため高価になる上、繰り返し画像出力を行っているうち
に電極表面の電気特性が劣化していくという問題点があ
る。さらに、この方式は、多針電極を用いているため、
微細な多針電極を高密度に精度よく配列することが困難
であり、高解像度化も難しいという問題点を有してい
る。
【0006】一方、イオン流を制御する方式の場合に
は、上記のような問題点がなく、トナー像が形成された
誘電体に対して用紙を圧力をかけて押し付けることで、
画像の転写同時定着も可能であり(特開平03−216
354)、高速・高信頼の画像出力装置としても実用化
が期待されている。これらの方式に用いるイオンヘッド
としては、イオン通過孔の両側に電極を設け、電圧の印
加によりイオンの通過を制御するもの(特開昭56−1
68664)、イオン通過スリットにくし形電極を装着
するもの(特開昭61−255870)、画素の記録時
のみイオンを発生させる方法(特開昭60−1936
3)、さらには感光スクリーン全面に露光を行って帯電
像によりイオンを制御するもの(特開昭50−2363
8)、誘電体メッシュにイオンで画像を記録してそれを
増幅する方式(特開昭55−17139)など、種々の
方式が既に提案されている。しかし、このイオン流を制
御する方式の場合には、ドラム状の誘電体の他に現像器
等の部材を必要とするため、装置がその分大型化せざる
を得ないという問題点がある。
【0007】さらに、上記以外の静電記録の方式として
は、現像剤を選択的に開口部を通過させて記録体への飛
翔を行わせる方式(米国特許3689935)がある
が、この方式の場合には、開口部の目詰まりの問題点が
ある。また、光導電性の現像剤を用いる方式(特開昭5
9−137968)は、現像剤の製法が難しいという問
題点を有している。そのため、これらのいずれも研究開
発が行われているものの、いまだ実用化の段階に至って
いない。
【0008】また、別の静電記録方式として、現像剤の
薄層に静電潜像を形成し、現像剤を選択的に記録用紙へ
転写して画像を得る方式は、感光体、誘電体等のドラム
を用いることなく、またクリーナーや帯電器等も必要な
く簡易なプロセスとして注目されている。この静電記録
方式においては、例えば、現像剤の薄層に多針電極によ
り電荷を注入して選択的に転写を行う方式(特開昭55
−84955)も提案されているが、書き込み素子への
現像剤付着による劣化、潜像を書き込んだ現像剤層から
書き込み手段への電荷の逆注入による画像劣化の問題点
をかかえている。
【0009】そこで、この種の静電記録方式の優位点を
生かし、かつ書き込み手段の劣化のない方法として、イ
オンによって現像剤層に静電潜像を書き込み方式が既に
提案されている(特開昭61−25166)。この静電
記録方式では、潜像書き込み手段が現像剤層と非接触で
あるため、安定して画像を書き込むことができる。
【0010】しかしながら、現像剤の薄層に静電潜像を
形成するこの静電記録方式に共通する課題として、現像
剤層から記録媒体への現像剤の選択的転写が困難である
という問題点を有している。
【0011】すなわち、光導電性の現像剤層から現像剤
を転写する方法(特開昭59−137968)では、転
写シートの背面にコロナチャージャを配置して、転写シ
ートを転写したい現像剤と逆の極性に帯電させて転写を
行っているが、この方式では、転写シートと現像剤層と
が接触することによって、転写シートの背景部に現像剤
が付着する所謂かぶりが避けられないという問題点を有
している。そこで、転写シートと現像剤層との接触を避
けるために所定の間隙をもって転写シートを搬送する方
法も考えられるが、コロナチャージャのような非接触の
転写手段の場合には、転写シートと現像剤層との距離精
度を保つことが難しいほか、コロナチャージャの内部に
記録シートが詰まる所謂ペーパージャムが発生する虞れ
があるため、カット紙の使用が困難である。また、イオ
ンにより静電潜像を形成し、その一部を記録媒体に転写
するもの(特開昭62−75699、特開平2−248
969)の場合にも、コロナチャージャによる転写方式
を採用しているため、同様の問題点を有している。
【0012】また、現像剤の薄層に多針電極により電荷
を注入して選択的に転写を行う方式(特開昭55−15
7753)では、転写ロールを用いて転写媒体を現像剤
層と接触させているため、背景部の現像剤の中で帯電量
が小さく現像剤搬送ロールとの付着力の弱いものや、圧
力で転写媒体に押しつけられて転写してしまう現像剤が
あり、背景部のかぶりが発生するという問題点を有して
いる。
【0013】そこで、現像剤層と転写紙との接触による
かぶりを問題を解決する手段としては、ソフトロールに
よる転写手段(特開平1−276152)との併用によ
るいくつかの手段が開示されている。この中には、現像
剤搬送ロールの表面に抵抗性樹脂層を設ける、あるいは
半導体の表面層を持つ現像剤搬送ロールによって、搬送
ロールと現像剤粒子の付着力を大きくしてかぶりを防止
する対策が用いられている。さらに、現像剤に粒径の大
きな導電性粒子を混合して、静電潜像の形成された現像
剤層と転写紙との間に一定の間隙を設けて転写を行うこ
とで、現像剤層と転写紙との接触そのものを避けようと
する方式もある。
【0014】しかし、これらの方法でも、現像剤層が単
層の時は有効であるが、何かの原因によって現像剤層の
上にさらに現像剤粒子が載ってしまった場合や、逆極性
に帯電している現像剤粒子などがある場合には、この方
法によってかぶりを防止することはできない。特に、現
像剤層の複層化、すなわち現像剤担持体上の現像剤搬送
量過多や、現像剤粒子の逆極性帯電は、現像剤の粒径の
ばらつきや摩擦帯電のムラなどに起因し、帯電ブレード
などの層形成手段を用いている以上避けられない現象で
あるため、上記の方法も問題点を有しているといえる。
【0015】また、現像剤層からの転写に対し、以上の
ような問題点を解決する手段として、背景部に相当する
部分の現像剤を転写前に取り除く方法(特開昭61−1
93161)や、背景部の付着力の弱い現像剤を除去す
る手段(特開昭60−149258)、イオンによる潜
像書き込み前に帯電器によって一様に現像剤層を帯電し
てしまい逆極性の現像剤をなくしてしまう方法(特開平
3−97574)などが既に提案されているが、これら
の場合には、帯電器やクリーナーなどの付加装置が必要
となり、装置の複雑化、コストアップにつながる。
【0016】そこで、根本的にかぶりを解決する手段と
して、静電潜像の形成された現像剤層から非接触で記録
用紙上に転写する方式が有効となってくる。この場合に
は、記録用紙と現像剤層を接触させずに、現像剤担持体
と転写手段との間に記録用紙を通過させなくてはなら
ず、記録用紙の搬送精度の確保という別な課題が生じて
くる。
【0017】これらの問題点を解決する手段として、本
出願人は、転写手段の近傍に記録用紙の吸着手段を設け
る方式を既に提案している(特開平4−44059)。
【0018】この特開平4−44059号に係る静電記
録装置は、帯電された現像剤の薄層をその表面に担持す
る現像剤担持体と、この現像剤担持体上に担持された現
像剤の薄層に対して画像情報に応じて変調されたイオン
流を照射するイオン流変調手段と、上記現像剤担持体上
に担持された現像剤を選択的に記録媒体上に転写させる
転写手段とを具備する静電記録装置において、上記転写
手段の近傍に記録媒体を吸着する吸着手段を設けるよう
に構成したものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記従来の現像剤担持体上の現像剤層と記録用
紙とを非接触で転写を行うこれらの方式に関しては、現
像剤担持体と記録用紙表面の距離精度確保という非常に
難しい課題を有している。
【0020】これらに対しては、上記特開平4−440
59号公報に、転写手段をトラッキングロールを介して
現像剤担持体の表面に当接させて、現像剤担持体と記録
用紙表面の距離精度を確保する手段についても開示され
ている。上記現像剤担持体と転写手段との間隙を例えば
距離200μmに設定した場合には、普通紙の厚さが種
類により60〜120μmというように変化すると、記
録用紙表面と現像剤担持体との距離が割合的にも大きく
変わるため、現像剤に作用する電界の強度が大きく変化
してしまう。その結果として、記録用紙の種類によって
出力画像の濃度が一定とならないという問題点が発生す
る。
【0021】そこで、かかる記録用紙の厚さの変化に伴
う転写画像の濃度変化が発生するのを防止するために
は、記録用紙の厚さを検知して転写電圧を調整する方法
(特開平4−198764)も既に提案されている。
【0022】しかし、この場合でも、同一の記録用紙を
用いても、記録用紙の表面が波打っていたり、折れ目が
入っていたりすると、濃度の不均一が起こるばかりか、
現像剤層との接触によりかぶりが発生してしまうという
問題点がある。
【0023】この現象を説明したものが図6であり、図
において、100は導電性の現像剤担持体、101は非
磁性の現像剤、102は記録用紙、103は導電性の転
写電極、104は現像剤担持体100と転写電極103
間の空間Aに高電圧を印加する転写電源を示している。
【0024】ここで、現像剤粒子101は、粒径が5〜
15μm程度の絶縁性の粒子であり、画像部の現像剤粒
子101の帯電量は、粒子1個当たり−20〜−1f
(フェムト=10-15 )C程度の帯電電荷を有してい
る。また、非画像部(背景部)の現像剤粒子101の帯
電電荷は+1〜20fC程度である。
【0025】この従来の転写電極103を用いて、実験
により転写された画像の濃度を反射濃度計によって測定
したものが図7のグラフである。このときの現像剤担持
体100と転写電極103間に印加した転写電源104
の電圧は1000Vである。また、出力画像のスペック
濃度は1.0以上、さらに余裕をみた十分な濃度は1.
2以上である。
【0026】実験の結果、図6から明らかなように、転
写媒体である記録用紙102の厚さL2が厚いほど、し
かも現像剤担持体100と記録用紙102表面との距離
L1が大きいほど画像濃度が低下することが分かった。
記録用紙103の厚さL2が50μmの場合には、十分
な画像濃度が得られる範囲は距離L1が50〜100μ
mであった。また、空気間隙Aの距離L1を50μm未
満にすると、転写電極103と現像剤担持体100の間
で火花放電してしまい、記録用紙102と現像剤層にダ
メージを与えてしまう。同様に、記録用紙102の厚さ
L2が100μmの時は、L1が40〜70μm、記録
用紙102の厚さL2が150μmの時は、L1が30
〜40μmの範囲でしか十分な濃度が得られなかった。
【0027】図8は、図6の転写手段における現像剤担
持体100と転写電極103間の空間Aの電界強度を、
電気工学でよく知られたコンデンサの近似によって計算
したものである。記録紙102の比誘電率は測定値から
4として計算した。その結果、空気間隙Aの電界は、間
隙Aの距離L1によって影響を受けやすく、L1が大き
いほど電界強度が減少する傾向があることがわかる。
【0028】図8の計算結果と、出力画像濃度の実験の
結果図7とを比較して、従来技術での転写できる範囲に
ついて考察したところ、十分な濃度を得られる電界強度
は、10×106 〜15×106 V/mである。これは
次のように説明される。
【0029】現像剤粒子101は、鏡像力からなる静電
的付着力と、ファンデルワールス力などによる非静電的
付着力とで導電性の現像剤担持体100の表面に付着し
ている。この現像剤粒子101に電界を印加すると、静
電的付着力と非静電的付着力との和による付着力に対し
て、電界によって現像剤粒子101を現像剤担持体10
0から引き離すクーロン力が作用する。電界強度5×1
6 V/mを印加すると、帯電量の小さな現像剤粒子1
01はクーロン力が勝り現像剤担持体100から離脱し
はじめる。電界強度が10×106 V/mになると、ほ
とんどの現像剤粒子101が記録紙102側へ転写され
る。このため、画像濃度は10×106V/m以上にな
って十分な値となる。ただし、現像剤の転写量が記録紙
102上で1層以上になると、光学的な画像濃度は一定
値に達し、画像濃度はそれ以上上昇しない。
【0030】また、空気間隙Aの火花放電による破壊限
界(図6中の破線)は、パッシェンの法則として物理学
ではよく知られており(「気体放電現象」東京電気大学
出版局、等参照)、距離L1が100μmでは15×1
6 V/m程度である。すなわち、現像剤の転写できる
電界強度の範囲は5×106 〜15×106 V/mであ
る必要がある。
【0031】以上のように、現像剤層から記録紙上へ選
択的に転写するには非接触で行うことがかぶりを発生さ
せない条件となるが、従来の技術による転写手段では、
記録紙と現像剤担持体との距離の適正な範囲が50μm
程度しかなく、記録紙の搬送精度が非常に高く、部品が
高価にならざるを得ない。また、波打ちのある記録紙や
封筒のように段差のある記録紙には出力が困難である。
さらには、火花放電により記録紙と現像剤層にダメージ
を与えてしまうことも大きな問題点である。
【0032】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたもので、その目的とすると
ころは、現像剤担持体と記録媒体が非接触の状態で、当
該現像剤担持上の選択的に帯電された現像剤を記録媒体
に転写させて画像の記録を行う際に、現像剤担持体と記
録媒体表面との距離が変化しても、転写される画像の濃
度変換が少なく、しかも記録媒体上にかぶりが発生する
のを確実に防止することができるとともに、火花放電が
発生するのを確実に防止可能な静電記録装置を提供する
ことにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、この発明の静電記録装置は、帯電された現像剤の
薄層をその表面に担持する現像剤担持体と、この現像剤
担持体上に担持された現像剤の薄層に対して画像情報に
応じて変調されたイオン流を照射するイオン流変調手段
と、上記現像剤担持体上に担持された現像剤を、当該現
像剤担持体と空気間隙を介して非接触状態に配置される
記録媒体上に選択的に転写させる転写手段とを具備する
静電記録装置において、上記記録媒体及び空気間隙を介
して現像剤担持体と対向する転写手段には、記録媒体と
接触する側の表面に絶縁層を設けるように構成されてい
る。
【0034】また、前記絶縁層の体積抵抗値としては、
例えば、109 Ω・cm以上に設定される。
【0035】さらに、前記絶縁層の厚さは、例えば、記
録媒体の厚さ以上に設定される。
【0036】
【作用】上記技術的手段は以下のように作用する。図1
はこの発明に係る静電記録装置の要部を示す構成図であ
る。図において、01は現像剤担持体、02はこの現像
剤担持体01上に担持された現像剤粒子、03は記録用
紙、04は導電性の転写電極、05は当該転写電極04
の表面に設けられた絶縁層、06は現像剤担持体01と
転写電極04との間に転写用の電界を形成するための転
写用電源を表している。そして、上記絶縁層05が静電
気的に緩衝材の役割をなし、空気間隙Aの距離L1が変
化しても空気間隙A内部の電界強度の変化を小さくする
ことができるようになっている。すなわち、空気間隙A
の距離L1の変化の割合を、記録用紙03の厚みL2と
絶縁層05の厚みL3を含めた厚みに対して小さくする
ことができるため、全体の厚み(L1+L2+L3)か
ら見たL1あるいはL2の変化を小さいものとすること
ができる。
【0037】従来技術の中で説明したものと同様な計算
により、図1中の空気間隙Aの電界強度を計算したもの
が図2である。このときの絶縁層05の厚みL3は1m
m、比誘電率は3、現像剤担持体01と転写電極04間
に印加した電位差は5000Vである。印加した電位差
の8割を、絶縁層05内部の電位勾配によって吸収して
いるため、空気間隙Aの静電容量は絶縁層05に比べて
小さく、その距離L1が変化しても、空気間隙Aの内部
の電界の変化は小さい。このため、転写される画像の濃
度は、空気間隙Aの距離L1が変化してもほとんど影響
を受けることはない。さらには、記録用紙03の厚みL
2の変化に対しても、同様の理由により空気間隙Aの内
部の電界の変化は小さい。
【0038】この効果は、絶縁層05の厚みL3が大き
いほど、また絶縁層05の比誘電率が小さいほど大き
い。絶縁層05の比誘電率が小さいと、絶縁層05の見
掛け上の厚みを、実際の厚みより大きいものとして扱え
るからである。ただし、転写用電源06によって印加す
る電位差は、電界強度の範囲は、5×106 〜15×1
6 V/mになるように、絶縁層05の厚みL3が大き
いほど大きくする必要がある。
【0039】また、上記現像剤02の薄層を担持した現
像剤担持体01と記録用紙03とは、空気間隙Aを介し
て対向配置されており、非接触状態に保持されているた
め、記録用紙03の非画像部にかぶりが発生するのを確
実に防止することができる。
【0040】さらには、絶縁層05を通して電流が流れ
ることができないため、火花放電が発生せず、記録用紙
03や現像剤担持体01にダメージを与えることがな
い。
【0041】
【実施例】以下にこの発明を図示の実施例に基づいて説
明する。
【0042】図3はこの発明に係る静電記録装置の一実
施例を示すものである。
【0043】図3において、1は非磁性の一成分現像剤
2を収容したホッパーを示しており、このホッパー1の
一側面には、側方に向けて開口した開口部が設けられて
いる。このホッパー1の開口部には、現像剤担持体とし
ての現像剤担持体ロール4が回転可能に配置されてい
る。上記現像剤担持体ロール4は、導電性の円筒もしく
は導電性円筒の表面に誘電体層を設けて構成されてい
る。この現像剤体ロール4としては、例えばアルミニウ
ムの合金等からなる導電性円筒の表面に、熱硬化性フェ
ノール樹脂等からなる誘電体層を形成したものが用いら
れる。また、この現像剤担持体ロール4の導電性円筒に
は、イオン取り出し用電源14によって所定の負極性の
電圧が印加されている。さらに、上記ホッパー1の内部
には、現像剤2を攪拌するとともに、現像剤担持体ロー
ル4の表面に新たな現像剤2を供給するための補助ロー
ル3が回転可能に配置されている。
【0044】また、上記ホッパー1の開口部の上部に
は、現像剤担持体ロール4の表面に現像剤2の薄層を均
一に形成するとともに、現像剤2を所定の極性(例え
ば、負極性)に摩擦帯電する層形成部材5が設けられて
いる。この層形成部材5としては、例えばバネ性を有す
る金属板5aの先端にシリコンゴム等の弾性体5bを貼
着したものが用いられ、この弾性体5bは、現像剤2と
接触することによってこの現像剤2を摩擦帯電するもの
である。また、上記層形成部材5は、弾性体5bが現像
剤担持体ロール4の表面に所定の圧接力で接触するよう
に、装置の固定部(図示せず)に一端が固定されてい
る。
【0045】上記ホッパー1内に収容される現像剤2と
しては、現像剤担持体ロール4上に担持可能なものであ
れば、上述したように、トナーのみからなる非磁性一成
分系の現像剤であっても、あるいはトナーとキャリアか
らなる二成分系の現像剤であっても良い。また、この現
像剤2は、磁性あるいは非磁性のいずれのものであって
もよい。
【0046】一成分系の現像剤2を用いる場合には、図
3に示すように、現像剤担持体ロール4上に供給される
現像剤2に直接接触し、この現像剤2を摩擦帯電すると
ともに同時に薄層形成する層形成部材5によって、現像
剤2の薄層を形成する。また、二成分系の現像剤2を用
いる場合は、公知の電子写真複写機用の二成分現像器を
用い、この現像器の現像ロールと現像剤担持体ロール4
とを対向あっせ、両者の間にバイアス電圧を印加するこ
とによって現像剤2を現像剤担持体ロール4上に均一に
現像させる手段等により、現像剤2の薄層を形成する。
【0047】さらに、上記の如く現像剤2の薄層を担持
した現像剤担持体ロール4と対向する位置には、現像剤
2の薄層に対して画像情報に応じて変調されたイオン流
を照射するイオン流変調手段6が配置されている。
【0048】このイオン流変調手段6は、現像剤担持体
ロール4の近傍に配置されるイオン発生器61と、この
イオン発生器61に隣接して設けられるイオン流制御ス
リット80の両側に配置される制御電極8、8…及び対
向電極81と、各制御電極8、8…に画像情報に応じた
電圧を印加する制御用電源12とで構成されている。
【0049】上記イオン発生器61は、放電ワイヤ7及
びこれを取り囲むシールド62とからなり、上記シール
ド62内には、図示しないコンプレッサーから圧縮空気
が導入される空気導入用スリット63と連続したチャン
バー63が形成されるとともに、上記シールド62の下
端部開口は、発生イオンが排出されるイオン排出スリッ
ト64として形成される。なお、上記放電ワイヤ15に
は、正極性の高電圧がイオン発生用高圧電源13によっ
て+2.8kVの高電圧が印加されている。
【0050】また、上記シールド62の下端部には、図
示しない絶縁性のスペーサを介してガラス等からなる絶
縁性基板9が離間配置されており、この絶縁性基板9の
中央部が前記イオン流制御スリット80として現像剤担
持体ロール4に向かって形成されている。そしてまた、
上記制御電極8、8…は、所定の解像度に応じたピッチ
で絶縁性基板9のスリット80の周囲に蒸着等の手段に
よって形成されている。尚、上記制御電極8、8…とイ
オン流制御スリット80を介して対向する位置には、対
向電極81がやはり蒸着等の手段によって一体的に形成
されている。
【0051】上記の如く構成されるイオン流変調手段6
と現像剤担持体ロール4とは、1mmの距離に保持され
ており、前述した電源14によって現像剤担持体ロール
4をイオン流変調手段6に対し−1kVに保っている。
また、上記チャンバー63内部の空気圧力は、30mm
2 Oに設定されている。
【0052】さらに、上記現像剤担持体ロール4の下部
には、当該現像剤担持体ロール4と記録媒体としての記
録用紙18を挟んで対向するように、所定の間隙(例え
ば、180μm)を隔てて転写電極17が配設されてい
る。この転写電極17は、平板状の電極によって形成さ
れており、この転写電極17には、前記イオン取り出し
用電源14に直列に接続された転写用の高圧電源16が
接続されている。
【0053】ところで、この実施例では、記録媒体を介
して現像剤担持体と対向する転写手段には、記録媒体と
接触する側の表面に絶縁層が設けられている。
【0054】すなわち、上記現像剤担持体ロール4と記
録用紙18を挟んで対向するように配設された転写電極
17の表面には、厚さ1mmのポリエチレン製の絶縁層
20が設けられている。この絶縁層20の体積抵抗値
は、例えば、1012Ω・cm以上に設定され、比誘電率
は3である。
【0055】また、上記転写電極17は、現像剤担持体
ロール4との間に電源16によって+5kVの電圧が印
加されており、現像剤担持体ロール4に対し常に一定の
電位に保たれており、現像剤2層に形成された静電潜像
を記録用紙18上に転写するようになっている。
【0056】ここで、上記現像剤2層に形成された静電
潜像は、記録用紙18上へ転写され、図示されない定着
手段によって記録用紙18上に定着される。なお、記録
用紙18上に転写されず現像剤担持体ロール4上に残っ
た現像剤2は、現像剤担持体ロール4の回転によって再
びホッパー1内へ回収される。
【0057】次に、この実施例による静電記録装置によ
って、記録した画像の濃度を測定したものが図4であ
る。厚さL2が50、100、150μmの記録用紙1
8を用いて、現像剤担持体ロール4と記録用紙18表面
との空気間隙の距離L1を20〜160μmまで変化さ
せて画像濃度を測定した結果、L1、L2の変化によら
ず、ほとんど一定の画像濃度を得ることができた。ま
た、空気間隙Aの距離L1を小さくした時も火花放電が
発生せず、どの距離においても十分な濃度の鮮明な画像
を得ることができた。
【0058】また、この実施例において使用できる現像
剤は、前述したように、非磁性の現像剤に限らず、磁性
の現像剤でも構わない。その際は、現像剤担持体ロール
4の内部に磁極を配置するなどして、現像剤を搬送する
こともできる。また、現像剤担持体の材質も、導電性の
ものに限らず樹脂等を用いることができるが、現像剤の
帯電極性の正負にかかわらず、現像剤の静電気力による
付着力(鏡像力による)が大きいために導電性のもので
あることが望ましい。ただし、現像剤担持体の表面に絶
縁性の物質を設けた場合でも、現像剤担持体と記録紙と
の距離が変化に対する本発明の効果に変わりないこと
は、本発明の作用の考察の結果明らかなことである。
【0059】さらに、この発明における現像剤担持体の
材質は、いかなるものであっても構わないが、この実施
例の装置を用いて、いかなる種類の絶縁層20がこの発
明に有効か調べたところ、絶縁層20の材質としては、
抵抗値が109 Ω/cm以上のものであれば、合成樹
脂、セラミックス、ガラス材等いかなるものでも用いる
ことができる。また、絶縁層20の比誘電率について
も、通常の誘電体であれば用いることができるが、前に
述べた考察の結果では、比誘電率εが10以下となる物
質が望ましい。
【0060】さらに、この発明において用いることので
きる転写電極の形態としては、本実施例のような構成に
限るものではなく、その形状は板状、棒状、記録紙との
接触面を曲面にしたもの、記録紙との接触面の面積を小
さくするため、記録紙との接触面に向かってテーパーを
設けたもの等を用いることができる。さらには、この発
明の転写電極は、固定式のものだけでなく回転式であっ
てもその効果には変わりはない。
【0061】特に、記録紙との接触面を小さくした場
合、その接触面に電界が集中する作用があり、実際に現
像剤粒子が電界からクーロン力を受けて、記録紙表面に
転写される領域を狭くすることができる。このため、こ
のような形状の転写電極を用いた場合には、記録紙上で
の現像剤のバラつきを抑える効果や、細線の濃度を高く
保つ効果も得られる。
【0062】また、転写電極を回転可能に支持して、記
録紙の移動に同期させて回転させた場合、記録紙の搬送
時の紙詰まり(ペーパージャム)を防止できるという効
果も有する。ただし、この場合は、棒状の導電体からな
る転写電極の周囲に、一様に絶縁層を設ける必要があ
る。
【0063】また、絶縁層20の厚さL3を変えて、十
分な濃度を得ることができるL1の上限と、火花放電あ
るいは現像剤層との接触によるL1の下限の範囲を調べ
た。その結果を図5に示す。図5において、横軸は絶縁
層20の厚さL3を記録用紙17の厚さL2との比をと
ってある。この実験の結果、絶縁層20の存在によっ
て、有効なL1の範囲は広がることが分かった。図中L
3/L2=1の部分に矢印で示したように絶縁層20の
厚さL3が記録用紙17の厚さL2以上であれば、有効
なL1の範囲は従来の絶縁層20がない場合(L3/L
2=0)の2倍に広がることがわかる。さらに、絶縁層
20の厚さL3がこれ以上の厚さになれば、空気間隙A
の距離L1の範囲を飛躍的に広げることが可能となるこ
とが確認された。
【0064】
【発明の効果】この発明は、以上の構成及び作用よりな
るもので、記録媒体を介して現像剤担持体と対向する転
写手段には、記録媒体と接触する側の表面に絶縁層を設
けることにより、非接触で、かつ現像剤担持体と記録媒
体との距離が変化しても、画像濃度の変化することがな
く、しかも記録媒体上にかぶりが発生するのを確実に防
止することができるとともに、現像剤担持体と記録媒体
との距離が小さくなっても火花放電が発生しない安定し
た画像出力が実現できる静電記録装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明に係る静電記録装置の要部を
示す概念構成図である。
【図2】 図2はこの発明に係る静電記録装置の作用を
示すグラフである。
【図3】 図3はこの発明に係る静電記録装置の一実施
例を示す構成図である。
【図4】 図4はこの発明に係る静電記録装置の一実施
例の作用を示すグラフである。
【図5】 図5は絶縁層の厚さL3と記録用紙の厚さL
2の比と、有効な空気間隙Aの距離L1との関係を示す
グラフである。
【図6】 図6は従来の静電記録装置の要部を示す構成
図である。
【図7】 図7は空気間隙Aの距離L1と出力画像濃度
とを、記録用紙の厚さL2毎に示すグラフである。
【図8】 図8は空気間隙Aの距離L1と電界強度との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
01 現像剤担持体、02 現像剤粒子、03 記録媒
体、04 転写電極、05 絶縁層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−186387(JP,A) 特開 平6−110281(JP,A) 特開 平5−249782(JP,A) 特開 昭52−45339(JP,A) 特開 昭59−113469(JP,A) 特開 平7−253704(JP,A) 特開 平6−274046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/05 G03G 15/14 G03G 15/16 102 G03G 15/22 107

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電された現像剤の薄層をその表面に担
    持する現像剤担持体と、この現像剤担持体上に担持され
    た現像剤の薄層に対して画像情報に応じて変調されたイ
    オン流を照射するイオン流変調手段と、上記現像剤担持
    体上に担持された現像剤を、当該現像剤担持体と空気間
    隙を介して非接触状態に配置される記録媒体上に選択的
    に転写させる転写手段とを具備する静電記録装置におい
    て、上記記録媒体及び空気間隙を介して現像剤担持体と
    対向する転写手段には、記録媒体と接触する側の表面に
    絶縁層を設けたことを特徴とする静電記録装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層の体積抵抗値が109 Ω・c
    m以上であることを特徴とする請求項第1項記載の静電
    記録装置。
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