JP3039040B2 - 静電記録装置 - Google Patents

静電記録装置

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JP3039040B2
JP3039040B2 JP26652291A JP26652291A JP3039040B2 JP 3039040 B2 JP3039040 B2 JP 3039040B2 JP 26652291 A JP26652291 A JP 26652291A JP 26652291 A JP26652291 A JP 26652291A JP 3039040 B2 JP3039040 B2 JP 3039040B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電記録装置に係り、
特に、現像剤を帯電することにより形成された帯電現像
剤の薄層上に、イオン流変調手段によって変調されたイ
オン流を照射して画像信号に応じた静電潜像を形成し、
この静電潜像を記録媒体上に転写して画像を得る静電記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像信号に応じた静電潜像を形成し、こ
れを記録媒体上に転写することで画像再生を行なう,所
謂静電記録装置としては、従来から様々な方式が知られ
ている。従来この種の静電記録方法の一方式として、米
国特許第3689935号明細書に開示されているよう
に、現像剤供給源より現像剤(トナー)を供給し、絶縁
層を介して対向するアレイ状の開口電極対から成る制御
素子によって、上記帯電した現像剤の通過量を制御し、
記録部材上に画像信号に応じた現像剤の画像を形成する
ものが提案されている。
【0003】しかし、上記の記録方法では、制御素子の
上記開口部に現像剤が付着して該開口部周辺を汚染し、
ひどい場合には目詰まりを起こしてしまうという欠点
や、記録速度が低い等の問題から実用化がなされていな
い。また、特公昭58−33550号公報に示されたも
のでは、イオン変調素子によってイオン流を画像信号に
応じて変調し、該イオン変調素子と記録媒体との間に固
体あるいはエーロゾル状の現像剤粒子を供給し、この現
像剤粒子を画像信号に応じて帯電させ、帯電した現像剤
粒子を電界によって記録部材上に付着させることによっ
て画像信号に応じた現像剤像を記録部材上に形成させて
いる。
【0004】しかしながらこの方法では、現像剤粒子を
均一に供給する手段を構成することが困難で、かつ記録
装置の機内に現像剤粒子が飛散して汚染をもたらす等の
問題を有している。上述したような問題点を解消する記
録方法として、現像剤担持体上に形成された一様に帯電
された現像剤の薄層に、画像信号に応じて変調されたイ
オン流を供給し、現像剤の帯電性を変化させて画像情報
に対応した静電潜像を形成するようにしたものが特開昭
61−25166号公報に開示されている。
【0005】また、特開昭61−169853号公報に
は、上記の方法により形成した静電潜像を、所謂背面電
極により記録紙上に転写するようにした静電記録装置が
開示されている。これらの静電記録装置の特徴は、レー
ザやLED等の光により感光体に静電潜像を形成する方
式と異なり、現像剤の薄層に直接静電潜像を形成するも
のであるため、感光体が不要となり、小型で簡易な粉体
マーキング装置,すなわち粉体現像剤を用いた記録装置
を実現できることにある。
【0006】図13は従来のこの種の静電記録装置の一
構成例の説明図であって、01は現像剤を貯留するホッ
パー、02は現像剤、03は補助ロール、04は現像剤
担持体、05は現像剤の薄層を形成するための層形成部
材、06はイオン流発生手段であるイオンヘッド、07
はイオン源(コロナ放電器)、08は主走査方向に櫛型
配置した多数の電極からなるイオン流変調電極、08’
はイオン流変調電極08に対向して配置された単一の導
電体からなる対向電極(以下では、特に必要のない限り
イオン流変調電極08とその対向電極08’からなる電
極をイオン流制御電極08として説明する)、09は変
調電極基板(絶縁基板)、012は画像信号に応じてイ
オン流変調電極08に変調電圧を与える信号電源、01
3はイオン源用高圧電源、014はイオン取り出し量を
増加させるための直流電源、016は転写用電源、01
7は転写電極、018は記録媒体である記録紙である。
そして、上記イオンヘッド06とイオン流変調手段08
とで変調イオン流供給手段を構成する。
【0007】ホッパー01内の現像剤02は、補助ロー
ル03の回転により現像剤担持体04上へ供給される。
現像剤担持体04上には、層形成部材05が所定の圧力
にて押圧されており、現像剤担持体04の回転によって
この部分を通過する現像剤02を均一に薄層化するとと
もに、摩擦によって電荷を付与する。この現像剤の薄層
には、信号電源012から印加される画像信号に応じて
イオンヘッド06のイオン出口開口部分に主走査方向に
設置された多数のイオン流変調電極08によりイオン流
を通過またはせき止めることで画像信号に応じてイオン
流を変調し、この変調イオン流を現像剤の薄層に照射す
る。
【0008】イオン流を照射された現像剤の薄層には、
層形成部材05の摩擦による元の帯電電荷を持った現像
剤粒子と、イオン流の照射によって帯電極性の反転した
現像剤粒子とが混在しており、この静電潜像の形成され
た現像剤の薄層は、現像剤担持体04の回転によって転
写部へと搬送される。転写部は、記録紙018を介して
現像剤担持体04と対向するように配置された転写電極
017によって構成される。転写電極017は、現像剤
担持体04の長手方向(回転軸方向)に一様な導電体に
より構成され、転写用電源016から印加される電圧で
形成される電界によって現像剤薄層内に形成された静電
潜像を選択的に記録紙018側に引きつけて画像の顕像
化を行うようになっている。
【0009】記録紙018に転写された現像剤の像は図
示しない後段の定着部で加熱処理等で定着される。ま
た、図14は従来のこの種の静電記録装置の他の構成例
の説明図であって、図13と同一符号は同一機能部分に
対応し、010は絶縁スペーサ、011は圧縮空気供給
源(コンプレッサ)である。
【0010】この形式の静電記録装置は、イオンヘッド
06に圧縮空気供給源011から供給される空気流でイ
オンを現像剤担持体04の方向に指向するようにした空
気支援型静電記録装置であり、前記従来例と同様に、一
様に帯電された現像剤の薄層が現像剤担持体04上に形
成され、該現像剤担持体04の回転により画像書き込み
部分(イオンヘッド06と対向する位置)に搬送され
る。
【0011】画像書き込み部分では、圧縮空気供給源0
11からの空気流で現像剤担持体04に指向されるイオ
ン流を信号電源012からの画像信号で変調し、変調し
たイオン流を現像剤担持体04に形成された現像剤の薄
層に照射することで画像信号の静電潜像を形成する。以
下、上記従来例と同様にして、転写部において記録紙0
18上に現像剤の静電潜像が転写され、後段の定着器で
定着処理される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の構成においては、変調イオン流供給手段と現像
剤との薄層が近接して配置されているため、現像剤担持
体04側から変調イオン流供給手段への現像剤付着が発
生する場合がある。従来の装置では、変調イオン流供給
手段を構成するイオンヘッド6からのイオン取り出し量
を増加させるために、現像剤担持体04とイオンヘッド
06との間に直流電源014による直流電界を印加して
いる。
【0013】この電界により、イオン流は現像剤担持体
04上の現像剤薄層へと導かれる。この電界の強さが強
いほど、イオンヘッド06からのイオン取り出し量は多
くなるが、この電界によって現像剤担持体04の現像剤
はイオンヘッド06方向への力を受けることになる。例
えば、現像剤の帯電極性がマイナスで、画像を書き込む
イオンの極性がプラスであるとき、現像剤が現像剤担持
体04に付着する方向に働く力としては、非静電的な付
着力に加え、現像剤自身のもつ電荷による鏡像力が作用
している。逆に、現像剤担持体04から離れる方向に働
く力としては、重力以外に電界によるクーロン力が作用
する。
【0014】現像剤のもつ電荷量が大きい場合には、電
界によるクーロン力に比べて付着力が勝るため、現像剤
は現像剤担持体上に保持されている。ところが、プラス
のイオンの書き込みによって、現像剤の持つ帯電量が0
に近づいてくると、現像剤担持体04への付着力が低下
し、現像剤担持体04から離れ易い現像剤が現れてく
る。
【0015】これら現像剤担持体04から離れ易くなっ
た現像剤の一部は、印加される電界によるクーロン力が
鏡像力と非静電的付着力(物理的な付着力)とに打ち勝
って、現像剤担持体04上から離脱し、イオン流変調電
極08のイオン出口開口部63を含む変調電極基板09
周辺に付着し、さらにイオンヘッド06に侵入したり、
また機内に飛散して機内汚染を招き、画像形成に様々な
障害を招く。
【0016】この状態を放置しておくと、変調電極基板
09外側への現像剤付着量は増大し、電極の開口部を通
過するイオンの移動に影響を及ぼし、画像の乱れや濃度
低下等の障害が発生する。本発明の目的は、現像剤担持
体上からの現像剤の離脱・飛散を阻止し、現像剤による
変調電極やイオンヘッドの汚れ、あるいは機内汚染の発
生を防止して、画像品質の維持性を向上させた静電記録
装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、現像剤担持体とイオン流変調手段との間
に形成される電界を制御する電界制御電極を設けたこと
を特徴とする。すなわち、本発明は、図1に示したよう
に、帯電された現像剤の薄層をその表面に担持する現像
剤担持体4と、該現像剤担持体4上の現像剤薄層に向け
てイオン流を供給するイオン流発生手段(イオンヘッド
6)とこのイオン流を画像信号に応じて変調するイオン
流変調手段(イオン流変調電極8とその対向電極8’)
とからなる変調イオン流供給手段と、該現像剤担持体4
上の現像剤を選択的に記録媒体(記録紙18)に転写さ
せる転写手段(転写電極17)とを具備する静電記録装
置において、前記現像剤担持体4と前記変調イオン流供
給手段との間にイオン流の経路となる部分にのみ電界を
形成し且つイオン流による現像剤担持体上への画像の書
込みを行う領域以外において現像剤担持体上の現像剤の
前記変調イオン流供給手段方向への移動を抑制する電界
を形成する電界制御電極20または30を設けたことを
特徴とする。
【0018】上記電界制御電極20はイオンヘッド6の
イオン出口開口部63と現像剤担持体4との間に設置し
たイオン通過用スリットを備えた平板状あるいは現像剤
担持体4の円筒曲面に沿った曲面を有する部分円筒状の
導電体で構成される。また、上記電界制御電極30はイ
オンヘッド6のイオン出口開口部63の下流側に上記イ
オンヘッド6と絶縁材を介して一体的に設置された導電
体で構成される。
【0019】
【作用】上記構成において、プラスまたはマイナスに一
様に帯電された現像剤薄層に対して、イオンヘッド6と
イオン流変調電極8(対向電極8’を含む)とからなる
変調イオン供給手段により当該現像剤の帯電極性とは逆
極性のイオン流を照射して静電潜像を書き込む。このと
き、イオン流は、変調イオン流供給手段と現像剤担持体
4との間に形成された電界によって移動する。
【0020】電界制御電極20または30が設置されて
いない場合、変調イオン流供給手段と現像剤担持体4の
間の広い範囲に電界が形成され、いたるところで付着力
の弱い現像剤粒子が存在するようになり、現像剤担持体
4の表面上の広い範囲で上記付着力の弱い現像剤粒子の
離脱が起こる。しかし、電界制御電極20または30を
設置したことにより、変調イオン流供給手段と現像剤担
持体4の間のイオン流の経路となる部分のみに電界が形
成され、イオン流による画像の書込みが行われる領域の
前後(画像の書込みが行われる領域の副走査方向,すな
わち現像剤担持体4の回転方向の前後)では現像剤担持
体4から現像剤粒子を引き離す方向に作用する電界が存
在ないため、現像剤の飛散や変調イオン流供給手段ある
いは装置機内の汚染は発生しない。
【0021】また、電界制御電極20あるいは30の電
位は、独立した電源によって調整可能であるため、現像
剤が現像剤担持体4から剥離しない最適値に設定でき
る。このように、現像剤担持体4と変調イオン流供給手
段(イオンヘッド6,イオン流変調電極8と対向電極
8’)との間に形成される電界を制御する電界制御電極
20,または30は、イオン流による現像剤担持体4上
への画像の書込みを行なう領域以外において該現像剤担
持体4上の現像剤が変調イオン流供給手段方向への移動
を抑制する電界を形成し、現像剤が現像剤担持体4から
離脱して変調イオン流供給手段に付着したり、機内に飛
散することを防止する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照し
て詳細に説明する。図2は本発明による静電記録装置の
第1実施例の構成の説明図であって、前記図1と同様
に、1は現像剤を貯留するホッパー、2は現像剤、3は
補助ロール、4は現像剤担持体、5は現像剤の薄層を形
成するための層形成部材(成層摩擦部材)、6はイオン
流発生手段であるイオンヘッド、7はイオン源、8は主
走査方向に櫛型配置した多数の電極からなるイオン流変
調電極、8’はイオン流変調電極8に対向して配置され
た単一の導電体からなる対向電極で、イオンヘッド6の
筐体(シールド)に直接接続されるか、または適宜の手
段でイオンヘッド6と電気的に接続してある(以下で
は、特に必要のない限りイオン流変調電極8とその対向
電極8’からなる電極をイオン流変調電極08として説
明する)、9は制御電極基板(絶縁基板)、12は画像
信号に応じてイオン流変調電極8に変調電圧を与える信
号電源、13はイオン源用高圧電源、14はイオン取り
出し量を増加させるための直流電源、16は転写用電
源、17は転写手段である転写電極、18は記録媒体で
ある記録紙、20は電界制御電極である。
【0023】同図において、現像剤担持体4は、円筒型
もしくは無端ベルト状の導電性の部材、あるいは導電性
の基体表面に誘電体層を設けたもので形成される。この
誘電体としては、低抵抗から高抵抗までいずれの値を持
つ部材でもよい。ホッパー1内の現像剤2は、補助ロー
ル3の回転で現像剤担持体4上に供給され、層形成部材
5により薄層化されると共に帯電される。
【0024】現像剤担持体4上に供給された現像剤2は
現像剤担持体4の回転、あるいは移動によって搬送さ
れ、表面に接触して配置された層形成部材5の摺動等に
よって所定の電荷を付与されると共に均一な現像剤の薄
層を現像剤剤担持体4上に形成する。なお、上記現像剤
2は現像剤担持体4上に担持されるものであれば一成分
系、二成分系のいずれであっても差支えなく、また、磁
性,非磁性のいずれであってもよい。現像剤が一成分系
のときは直接現像剤担持体に供給され現像剤担持体上の
現像剤に接触して摩擦帯電電荷を付与する方式の層形成
手段によって現像剤薄層を形成する。
【0025】また、二成分系の現像剤を用いる場合は、
電子写真用の二成分現像器の現像ロールと、現像剤担持
体とを対向させ、両者の間にバイアス電圧を印加して現
像剤を現像剤担持体上に均一に付着させる等の方法によ
って現像剤担持体上に帯電された現像剤の薄層を形成す
る。このようにして得られた現像剤の薄層に対して、イ
オン流発生手段により供給されるイオン流を画像に応じ
て変調し、これを現像剤の薄層に与えてその帯電状態を
変化させ、画像信号に応じた静電潜像を形成する。
【0026】現像剤担持体4上に形成された現像剤の静
電潜像は、現像剤担持体4の回転により転写手段である
転写電極17の位置に移動され、現像剤担持体4と転写
電極17との間に搬送される転写紙18に転写されて顕
像となる。転写紙18上に転写された顕像は、図示しな
い定着手段で加熱固定されて機外に排出される。
【0027】なお、イオン流供給手段はイオン源7をも
つイオンヘッド6と絶縁基板(制御電極基板)9に形成
したイオン流変調電極8とから構成され、上記した如く
イオンヘッド6の開口部から流出するイオン流を画像信
号に応じた電圧信号を出力する信号電源12に接続した
イオン流変調電極8により画像信号に従って変調し、こ
れを現像剤担持体4上に供給することによって、現像剤
担持体4上の現像剤薄層に静電潜像を形成する。なお、
対向電極8’はイオンヘッド6と同電位の接地電位(0
V)とされている。
【0028】同図においては、変調イオン流供給手段を
イオンヘッド6とイオン流変調電極8とで構成し、イオ
ンヘッド6は内部にイオン供給源として高圧電源13に
接続した放電ワイヤーなどで構成されるコロナ放電器形
式のイオン源7を有するものとして示してあるが、画像
信号に応じてその外部にイオン流を選択的に供給できる
ものならば、どのような形式のものであってもよい。
【0029】図3は変調イオン流供給手段の種々の構成
例の説明図であって、例えば、同図(a)に示す変調イ
オン流供給手段は、平面電極123を埋設した誘電体1
21とこの誘電体121の外部表面に形成された放電電
極122とで構成されるイオン源を用いている。このイ
オン源では、埋設された平面電極123と放電電極12
2の間に高圧の交番電界を印加し、沿面放電によって発
生するイオンのうち、正あるいは負のイオンを電界によ
り取り出すことができる。取り出されたイオンは、対向
する記録体との間に設けられた開口部において、絶縁基
板113に形成されたイオン流変調電極を構成する電極
111とその対向電極112との間の画像信号に応じた
電界によって変調され、現像剤担持体方向への通過あい
るいはせき止めにより現像剤担持体上の現像剤薄層上に
画像信号に応じたイオン流を供給する。
【0030】また、同図(b)に示す変調イオン供給手
段は、筐体(シールド)132に対して高電圧を印加し
たワイヤー131によるコロナ放電器と、上記(a)と
同様の開口部をもつ変調電極部とで構成されるもので、
(a)に比べて構造が簡単である。ワイヤーのコロナ放
電によって発生したイオン流を電界によって外部へ取出
す過程で、イオン出口開口部に設置したイオン流変調電
極111とその対向電極112間に印加した電圧によ
り、画像信号に応じたイオン流を取り出すことができ
る。
【0031】また、同図(c)は空気流支援型イオンヘ
ッドと称する変調イオン流供給手段であり、この変調イ
オン流供給手段は、高電圧を印加したコロナ放電器13
1とシールド132とで構成されるイオン発生部に、圧
縮空気供給源141から空気流を供給し、イオン流変調
電極方向にイオン流を搬送するようにしたものであり、
構造は複雑になるが前記(b)に示した構造のものより
もイオン取出し量が大きいという特徴をもつ。
【0032】以上のような変調イオン流供給手段から供
給されるイオン流は、図2の電源14によって現像剤担
持体4との間に形成された電界により現像剤担持体4上
の現像剤層へと移動する。電界制御電極20は、アルミ
ニウム板,ステンレス鋼(SUS)板等の導電性の部
材,あるいは絶縁性の基板上に導電層を形成したもの
等、導電性を有する部材を少なくとも内部に有している
構成の電極である。
【0033】この電界制御電極20は、変調イオン流供
給手段のイオン流変調電極と現像剤担持体4との間に設
置されるが、現像剤担持体上の現像剤層との干渉を防ぐ
ために、現像剤層とは接触しないように保持する必要が
ある。さらにこの電界制御電極20は、イオンヘッド6
のイオン出口開口部63においてイオン流変調電極8の
開口部から現像剤担持体4へ移動するイオン流を遮らな
いように、イオンヘッド6のイオン出口開口部63のス
リット幅と同じか、あるいはそれ以上の幅の開口部を有
し、その形状は任意であるが、本発明の効果を有効に得
るためには、当該開口部の幅は5mm以内であることが
望ましい。しかし、局所的にその効果を得る目的であれ
ば、形状や開口部の有無、設置位置はまったく任意であ
る。
【0034】また、この電界制御電極20の電位は、現
像剤担持体4と同電位、または現像剤担持体4側からみ
てイオンヘッド6と逆の極性であることが必要である。
これは、現像剤担持体4上の現像剤が該現像剤担持体4
から離脱するような電界を発生させないようにするため
である。ただし、電界制御電極20の電位と現像剤担持
体4とを同電位とすれば電気回路上の構成を単純化でき
る。
【0035】以下、上記構成の作用を図4と共に説明す
る。図4は本発明による静電記録装置における電界制御
電極の作用説明図であって、前記図2において説明した
ように、現像剤担持体4上に担持される現像剤2は、層
形成部材5により一様な厚さに薄層化されると共に、プ
ラスまたはマイナスに帯電される。上記層形成部材5
は、装置の固定部(図示せず)に一端が固定された弾性
支持材と、他端部に装着された例えばシリコンゴム製の
成層摩擦部材とで構成されている。
【0036】一方、イオンヘッド6により発生するイオ
ンは現像剤の薄層が持つ帯電極性とは逆極性である。イ
オンヘッド6のイオン出口開口部63には、画像信号に
応じて通過あるいはせき止める電界を発生するためのイ
オン流変調電極8(その対向電極8’も含む)が設けら
れている。
【0037】そして、イオンヘッド6(イオンヘッド6
の筐体)と現像剤担持体4との間には直流電源14によ
り直流電圧が印加されて、イオンヘッド6から現像剤担
持体4に向けてイオン流が供給される。このとき、イオ
ンは、イオンヘッド6と現像剤担持体4との間に形成さ
れた上記直流電圧によって生成された電界によって移動
される。
【0038】電界制御電極20を持たない場合、イオン
ヘッド6と現像剤担持体4との間には電源14により図
4(b)に示した様な平行電界が形成されており、イオ
ンヘッド6と対向する側のいたるところで、付着力の弱
い現像剤粒子が現像剤担持体4の表面上から離脱し易く
なっている。これに対し、電界制御電極20を設けた場
合には、この電界制御電極20により形成される電界が
図4(a)に示したごとく、イオン流の経路となる部分
のみイオンヘッド6と現像剤担持体4間にイオン流引出
し用の電界が形成されている。
【0039】したがって、現像剤層上にイオン書き込み
が行なわれている領域の前後(現像剤担持体4の回転方
向前後:副走査方向前後)では、当該現像剤担持体4上
から現像剤粒子を引き離す方向に作用する電界が存在せ
ず、現像剤の飛散やイオン発生手段の汚染、あるいは機
内への飛散は発生しない。また、電界制御電極20の電
位は電源22を設けることによって調整可能とすること
ができ、この電源22による上記電界制御電極20と現
像剤担持体4との間の電界強度を調整することで、現像
剤をさらに離脱し難くすることができる。
【0040】図5は本発明による静電記録装置の第2実
施例の構成図であって、前記図2と同一部分には同一符
号を付している。同図において、非磁性の一成分現像剤
2を収容するホッパー1の開口側に現像剤担持体4を回
転可能に配設すると共に、現像剤担持体4の上方側表面
に層形成部材5を接触して成り、また、現像剤担持体4
と対向させてイオン流発生手段であるイオンヘッド6を
配置し、さらに、現像剤担持体4の下方の対向する近接
部位に記録紙18を搬送させると共に、記録体の背部に
転写手段(転写電極)17を配置して成る。
【0041】現像剤担持体4は導電性を有するアルミニ
ウム製円筒であり、この現像剤担持体4には、層形成部
材5の他にホッパー1から現像剤2を補給するための補
助ロール3が回転可能に配設されている。上記層形成部
材5は、前記実施例と同様に、装置の固定部(図示せ
ず)に一端が固定された弾性支持材と、他端部に装着さ
れた例えばシリコンゴム製の成層摩擦部材とで構成され
ている。
【0042】イオンヘッド6は、空気の流入口と流出口
とを連通する通路の一部にチャバー61を有する筐体す
なわちシールド62と、シールド62内に張設されたイ
オン源である放電ワイヤー7とで構成される放電部と、
シールド62内に空気流を供給する手段である圧縮空気
供給手段(コンプレッサ)11とで構成されている。ま
た、イオンヘッド6のイオン出口開口部63の一側には
絶縁スペーサ10を介してイオン流変調電極8を備えた
絶縁基板9が配設されると共に、イオン流変調電極8に
変調制御用の信号電源12が接続されてイオン流変調制
御手段が構成されている。この構成では、変調電極8の
対向電極8’はイオンヘッド6の筐体すなわちシールド
62の変調電極8と対向する部分で形成される。
【0043】この場合、放電部の放電ワイヤー7とシー
ルド62の間には直流電源13が接続されて放電ワイヤ
ー7とシールド62との間でプラス放電が行なわれるよ
うになっている。イオンヘッド6と現像剤担持体4との
中間には、例えば厚さ0.1mmの非磁性ステンレス製
の電界制御電極20が支持されている(支持部は図示せ
ず)。
【0044】この電界制御電極20は、イオンヘッド6
のイオン出口開口部63の中心に合わせて設置された、
例えば幅1.5mmのスリットが主走査方向(紙面と垂
直な方向)に形成されている。さらに、この電界制御電
極20は直流電源14に接続されており、現像剤担持体
4と同一電位に保たれている。
【0045】現像剤担持体4と記録紙18を挟んで対向
配設された転写電極17には、現像剤担持体4との間に
直流電源16による電圧が印加され、現像剤担持体4に
対し常に一定の電位に保たれており、現像剤層に形成さ
れた潜像を記録紙18上に転写するようになっている。
上記のように構成された静電記録装置において、ホッパ
ー1内に収容された現像剤2は補助ロール3により現像
剤担持体4上に供給されて現像剤担持体4の表面に付着
された後、該現像剤担持体4の矢印方向の回転に伴い、
層形成部材5によって一様に薄層化されると共に摩擦帯
電電荷が付与される。
【0046】一方、イオンヘッド6においては、放電ワ
イヤー7に直流電源13から高電圧が印加されることに
よってイオンが発生される。このイオンは、、コンプレ
ッサ11から供給される空気流によってイオン出口開口
部63方向に向かうイオン流となる。発生したイオン流
は、イオン変調電極8とイオンヘッド6のシールド62
との間で形成される変調電界によって、画像信号に応じ
て変調された後、高圧電源14からの電圧の印加による
電界の力を受けて現像剤担持体4側へ移動し、薄層化さ
れた現像剤層の帯電を変化させて画像信号に対応した所
定の静電潜像を形成する。
【0047】イオン書き込みが行われている現像剤担持
体4の回転方向(副走査方向)前後の部分では、電界制
御電極20が存在することにより、帯電された現像剤を
現像剤担持体4から剥離するような電界が形成されない
ため、現像剤担持体4上の現像剤層が当該現像剤担持体
4から引き離されることはない。また、コンプレッサ1
1からの空気流はイオンヘッド6のイオン出口開口部6
3において噴流を形成するが、この空気流の噴流方向は
イオン流の移動方向とは異なる。すなわち、該空気流は
出口開口部63の下流側のシールド62の外壁面に沿っ
て矢印Aで示したように流れるため、空気流が現像剤担
持体上に形成された現像剤の薄層には影響を及ぼすこと
がない。
【0048】上記のようにして静電潜像が書き込まれた
現像剤層は、現像剤担持体4の回転によって転写電極1
7と対向する転写部へと搬送される。ここで該静電潜像
は直流電源16で形成される転写電界により記録紙18
上に転写され、後段に設置した図示しない定着器によっ
て記録紙上に定着される。記録紙18上に転写されずに
現像剤担持体4上に残った現像剤は、現像剤担持体4の
回転によって再びホッパー1内へ回収される。
【0049】次に、上記第2実施例で説明した構成の静
電記録装置について実施した記録試験の結果について説
明する。テストに当たっては、下記のような条件設定を
行なった。 イオンヘッド6の出口開口部63から現像剤担持体までの距離: 1.0mm イオンヘッド6と現像剤担持体4間の電位(イオンヘッド6の電位をOVと して): −1.0kV イオンヘッド6と電界制御電極20との距離: 0.5mm 画像信号書き込み周波数: 300Hz 書き込み速度: 25mm/sec ワイヤー7の放電電圧: +3.4kV イオンヘッド6内の空気圧力: 100mmH2 O 上記の条件で現像剤層上に形成された静電潜像を記録体
18上に転写して、その画像を調べたところ、ホッパー
1内の現像剤2を完全に消費するまで非常に鮮明な画像
を連続して得ることができた。
【0050】また、記録装置の作動中に、現像剤層の乱
れや、イオンヘッド6やイオン流変調電極8等の現像剤
2による汚損も発生せず、さらに機内への現像剤の飛散
も認められなかった。図6は本発明による静電記録装置
の第3実施例の構成図であって、前記図5と同一部分に
は同一符号を付してある。
【0051】この実施例と前記第2実施例との差異は、
電界制御電極20の形状とそれに対する電圧印加構成の
みなので、その他の部分の説明は省略する。同図におい
て、電界制御電極20は、内径20.2mm、厚さ0.
5mmの非磁性ステンレス製円筒外郭で、現像剤担持体
4の軸方向の両端で、現像剤担持体軸受け部に支持され
ている(支持部は図示せず)。なお、上記数値は一例で
あり、使用する現像剤担持体4の寸法に応じて設定され
るものであることはいうまでもない。
【0052】また、この電界制御電極20の周方向長さ
は現像剤担持体4の中心軸からみて、その角度にして略
々90度とするのが好適であり、イオンヘッド6と対向
する部分に合わせて取り付けられている。しかし、上記
周方向長さは、これに限定されるものではない。さら
に、イオンヘッド6のイオン出口開口部63の中心に合
わせて、主走査方向に例えば幅2.0mmのスリット2
01が形成されている。
【0053】電界制御電極20は電源22に接続されて
おり、現像剤担持体4からみて、イオンヘッド6とは逆
の極性の電位に保たれている。この実施例の場合、電界
制御電極20は電界による現像剤飛散防止の機能の他
に、現像機側すなわち現像剤担持体4とホッパー1側を
覆うカバーの役割も有しており、メンテナンス時の現像
剤こぼれや現像剤担持体4の保護等機能もある。
【0054】次に、上記第3実施例について記録試験を
行った結果について説明する。この試験にあたっては、
下記のような条件を設定した。 イオンヘッド6のイオン出口開口部63から現像剤担持体4までの距離: 1.5mm 現像剤担持体4の電位(イオンヘッド6の電位を0Vとして): −1.5kV イオンヘッド6と電界制御電極20との距離: 0.5mm 電界制御電極20の電位(イオンヘッド6の電位をOVとして): −1.05kV 画像信号書き込み周波数: 300Hz 書き込み速度: 25mm/sec ワイヤー7の放電電圧: +3.4kV イオンヘッド6内の空気圧力: 100mmH2 O 上記の設定条件で現像剤の薄層層上に形成された静電潜
像を記録紙18上に転写して、その値画像を調べたとこ
ろ、ホッパー1内の現像剤2を完全に消費するまで非常
に鮮明な画像を連続して得ることができた。
【0055】また、装置の作動中、現像剤層の乱れや、
イオンヘッド6やイオン流変調電極8付近の現像剤2に
よる汚損も発生せず、さらに機内への現像剤の飛散も認
められなかった。さらに、電源22により現像剤担持体
4と電界制御電極20との間に形成される電界の効果に
よって、画像記録の行われていない時でも現像剤のこぼ
れや、飛散によるイオンヘッド6,イオン流変調電極8
等の汚れや機内汚染の発生もみられなかった。
【0056】図7は上記各実施例におけるイオンヘッ
ド,電界制御電極および現像剤担持体部分の要部配置図
であって、上記実施例と同一符号は同一部分を示す。同
図に示したように、イオン流変調電極8は主走査方向X
に沿って配置された複数の電極群からなり、その対向電
極8’はイオンヘッド6の筺体(シールド)62の上記
イオン流変調電極8と対向する部分に相当する。
【0057】本発明の上記各実施例において用いられる
電界制御電極20は、現像剤担持体4とイオン流変調電
極8との間に制御電界を形成するように設けられ、現像
剤担持体4上に形成された現像剤の薄層から非接触に支
持されている。また、現像剤担持体4とイオン流変調電
極8との間に設けたこの電界制御電極20は、イオン流
変調電極8のイオン出口開口部63の幅(副走査方向Y
の間隔)と同じか、もしくはそれ以上の幅の開口部20
1を持つ。
【0058】そして、現像剤担持体4とイオン流変調電
極8との間に設けたこの電界制御電極20の電位を、現
像剤担持体4と同電位,ないしは現像剤担持体4側から
みてイオンヘッド6とは逆の極性としたことによって、
当該現像剤担持体4の表面に成層された現像剤のイオン
ヘッド6あるいはイオン流変調電極8付近(絶縁基板9
等)への飛散を防止し、イオン流による静電潜像の形成
に影響を及ぼすことなく、また静電記録装置の機内の汚
染を防止し、形成する画像の品質を高く維持できる。
【0059】図8は本発明による静電記録装置の第4実
施例の構成図であって、前記実施例と同一符号は同一部
分に対応し、30は本実施例の特徴である電界制御電極
を示す。同図に示したように、本実施例の静電記録装置
において、非磁性の一成分系現像剤2を収容するホッパ
ー1の開口側には、現像剤担持体4が回転可能に配置さ
れている。現像剤担持体4の上方側表面には層形成部材
5が接触して配置され、また現像剤担持体4の対向する
近接部位に変調イオン流供給手段を構成するイオンヘッ
ド6を配し、さらに現像剤担持体4の下方の対向する近
接部位に記録紙18を搬送させると共に、記録紙18の
背面に転写電極17を配置してなる。
【0060】現像剤担持体4は導電性を有する例えばア
ルミニウム製の円筒であり、この現像剤担持体4には層
形成部材5の他にホッパー1から現像剤担持体4に現像
剤2を補給するための補助ロール3が回転可能に配置さ
れている。層形成部材5は、静電記録装置の図示しない
固定部に一端が固定された弾性支持材に例えばシリコン
ゴム製の成層摩擦部材とで構成される。
【0061】現像剤担持体4に対して記録紙18を挟ん
で対向配置された転写電極17は、現像剤担持体4との
間に電源16から例えば−1kVの直流電圧が印加され
ており、現像剤担持体4に対して一定の電位に保たれ、
現像剤の薄層に形成された静電潜像を記録紙18に転写
するようになっている。変調イオン流供給手段を構成す
るイオンヘッド6には、空気の流入口と流出口とを連通
する通路の一部にイオン源である放電ワイヤー7を張架
した放電部、および発生したイオンを画像信号に応じて
変調するイオン流変調部(制御電極8,対向電極8’)
方向に搬送する圧縮空気供給装置(コンプレッサ)11
が接続してあり、イオンヘッド6内に空気流が供給され
る構成となっている。
【0062】また、イオン流変調部には、例えば厚さ1
00μmの絶縁スペーサ10’を介して櫛型配置された
複数のイオン流変調電極8を有する絶縁基板9が配置さ
れ、対向電極8’と共にイオン流制御スリット(イオン
出口開口部63)を形成している。このイオン流変調電
極8には、制御用の信号電源12が接続されており、上
記イオン出口開口部63を通過するイオン流を画像信号
に応じて変調する。
【0063】イオンヘッド6のシールド62の一部で構
成される対向電極8’側の下流には、現像剤担持体4と
同電位に保たれた電界制御電極30が配置されている。
図9は図8における電界制御電極30部分の側面図であ
って、イオンヘッド6のアルミニウム製のシールド62
の一部で構成される対向電極8’にポリカーボネート等
からなる例えば厚さ1.5mmの絶縁スペーサ10’を
介して例えばアルミニウム製の導体板を張り合わせた構
造を有している。
【0064】上記のように構成された静電記録装置にお
いて、ホッパー1内に収容された現像剤2は補助ロール
3によって現像剤担持体4に供給され、その表面上に付
着する。付着した現像剤2は現像剤担持体4が矢印方向
に回転することで層形成部材5との接触摺動により一様
な薄層に成層されると共に、摩擦帯電による電荷が付与
される。
【0065】一方、イオンヘッド6では、直流電源13
からの高電圧の印加によるイオンが発生する。このイオ
ンはコンプレッサ11から供給される空気流でイオン流
となり、イオン出口開口部63においてイオン流変調電
極8とその対向電極8’との間に形成される変調電界に
より画像信号に応じた変調がなされた後、高圧電源14
によって印加された電界による力を受けて現像剤担持体
4側に移動して現像剤の薄層に所定の静電潜像を形成す
る。
【0066】図10は電界制御電極30の作用の説明図
であって、(a)に示した本実施例の構成において、イ
オン流による書込みが行われているイオン出口開口部6
3の下流の部分では、電界制御電極30が設置されてい
ることにより、現像剤担持体4とイオンヘッド6との間
に電界が存在しない。そのため、現像剤担持体4上の現
像剤薄層には現像剤粒子を引き離す力が作用することが
ない。これに対して(b)に示した従来技術では、イオ
ン流による書込みが行われているイオン出口開口部63
の下流の部分の広い範囲において現像剤担持体4とイオ
ンヘッドとの間に電界が存在し、現像剤担持体4上の現
像剤薄層に現像剤粒子を引き離す力が作用するため、現
像剤粒子がイオンヘッドやイオン流変調電極8を形成し
た絶縁基板9に付着したり、機内に飛散してしまう。
【0067】すなわち、本実施例によれば、上記(b)
で説明したような従来技術の欠点を解消できる。また、
図8に示したコンプレッサ11からの空気流はイオンヘ
ッド6のイオン出口開口部63において噴流を形成する
が、この空気流の噴流の移動方向はイオンヘッド6のイ
オン出口開口部63の下流側壁面に沿って流れるため、
現像剤担持体4の表面上に成層された現像剤の薄層には
影響を及ぼさない。
【0068】上記のようにして静電潜像が書き込まれた
現像剤の薄層は、現像剤担持体4の回転によって転写電
極16と対向する転写部に搬送されて記録紙18に転写
される。記録紙18に転写されず現像剤担持体4上に残
留した現像剤は現像剤担持体4の回転により再びホッパ
ー1内に回収される。なお、記録紙18に転写された現
像剤像は図示しない後段の定着器において加熱等の処理
が施されて定着される。
【0069】上記した本実施例の構成を有する静電記録
装置を用いて記録試験を行った。この記録試験における
設定条件は下記のとおりである。 イオンヘッド6のイオン出口開口部63から現像剤担持体4までの距離: 1.0mm イオンヘッド6と現像剤担持体4間の電位(イオンヘッド6側を0Vとし て): −1.0kV 画像書込み周波数: 300Hz 画像書込み速度: 25mm/sec ワイヤー7の放電電圧: +3.4kV イオンヘッド6内の空気圧力: 100mmH2O この記録試験を行った結果、装置の作動中に現像剤薄層
の乱れや変調イオン供給源を構成するイオンヘッドおよ
びその周りに現像剤粒子による汚染は発生されず、また
装置機内への現像剤の飛散も認められず、前記実施例と
同様の良好な画質の記録が得られた。
【0070】また、ホッパー1内の現像剤2を完全に消
費するまで非常に鮮明な画像を連続して得ることができ
た。図11,図12は電界制御電極30の他の構造例を
説明する側面図であって、図11に示したものは絶縁部
材10”の一部表面に導電層30’を設け、導電層3
0’がイオン出口開口部63の下流側に位置するように
対向電極8’を形成するシールド62に張り付けたもの
である。
【0071】また、図12はシールド62の対向電極
8’を構成する部分をブロック化し、その一部表面に絶
縁層10”’を介して導電層30”を設け、これをイオ
ンヘッド6の構造体としたものである。上記電界制御電
極30は、イオンヘッド6のイオン出口開口部63にあ
る対向電極8’部分の下流側に設けられ、その材質は上
記したアルミニウムに限らず、銅,ステンレス鋼,その
他導電性を有しているものであればよく、電源14によ
って任意の電位を持たせることができるように絶縁部材
10”あるいは絶縁層10”’により対向電極8’(シ
ールド62)と電気的に絶縁されている。すなわち、電
界制御電極30の電位を変化させることにより、イオン
ヘッド6とイオン流変調電極8とから構成される変調イ
オン流供給手段と現像剤担持体4との間に印加される電
界を制御できるように設置される。
【0072】なお、この電界制御電極30は、対向電極
8’(シールド62)に対して電気的に絶縁された状態
で当該イオンヘッド6の外壁を構成するように構成する
ものであれば、その構造の詳細は任意である。このよう
な構成すなわち、変調イオン流供給手段を構成するイオ
ンヘッド6と制御電極8に対して本実施例のごとく電界
制御電極30を一体化したものにおいては、装置の組
立,調整時において現像剤担持体4に対する電界制御電
極30の位置決め作業が不要となり、イオン流と空気流
および現像剤薄層間に相互干渉を起こすおそれがないと
いう大きな効果もある。
【0073】なお、本実施例では、前記実施例と同様
に、対向電極8’は、絶縁基板9上に主走査方向の画素
数に応じた数の櫛型配置された複数の変調電極8と対向
して配置され、変調電極8との間にイオン流制御スリッ
トを形成する。このスリット部分では、信号電源12か
らの画像信号に応じた制御電圧による制御電界が印加さ
れ、制御電界のオン/オフによりイオン流をせき止め、
あるいは通過させてイオン流の変調を行う。
【0074】イオン源7は、前記図3において説明した
各種の形式のものを用いることができる。また。現像剤
担持体4は円筒型として図示しているが、前記実施例で
も説明したように無端ベルト状であってもよく、導電性
の部材、あるいは導電性の基体表面に誘電体層を設けた
もので構成される。この場合の誘電体としては、低抵抗
から高抵抗までの何れの抵抗値をもつ誘電体材料をもち
いてもよい。
【0075】本実施例において用いる現像剤も、一成分
系,二成分系に何れでもよいことは前記実施例と同様で
ある。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現像剤であるトナーの薄層を担持する現像剤担持体と画
像信号に応じて静電潜像を形成するための変調イオン流
供給手段との間の電界を制御する電界制御電極を設けた
ことによって、当該イオン流による現像剤担持体上への
画像の書込みを行なう領域以外において現像剤担持体上
の現像剤が変調イオン流供給手段方向へ移動することを
抑制し、現像剤が現像剤担持体から飛散することを防止
することにより、変調イオン流供給源の汚染や機内への
飛散を無くして高画質の画像を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による静電記録装置の基本構成の説明
図である。
【図2】 本発明による静電記録装置の第1実施例の構
成の説明図である。
【図3】 本発明の実施例に用いる変調イオン流供給手
段の種々の構成例の説明図である。
【図4】 本発明による静電記録装置における電界制御
電極の作用説明図である。
【図5】 本発明による静電記録装置の第2実施例の構
成図である。
【図6】 本発明による静電記録装置の第3実施例の構
成図である。
【図7】 本発明の実施例におけるイオンヘッド,電界
制御電極および現像剤担持体部分の要部配置図である。
【図8】 本発明による静電記録装置の第4実施例の構
成図である。
【図9】 本発明の第4実施例における電界制御電極部
分の側面図である。
【図10】 本発明の第4実施例における電界制御電極
の作用の説明図である。
【図11】 本発明の第4実施例における電界制御電極
の他の構造例を説明する側面図である。
【図12】 本発明の第4実施例における電界制御電極
のさらに他の構造例を説明する側面図である。
【図13】 従来技術による静電記録装置の一構成例の
説明図である。
【図14】 従来技術による静電記録装置の他の構成例
の説明図である。
【符号の説明】
1・・・・現像剤を貯留するホッパー、2・・・・現像
剤、3・・・・補助ロール、4・・・・現像剤担持体、
5・・・・層形成部材、6・・・・イオン流発生手段で
あるイオンヘッド、7・・・・イオン源である放電ワイ
ヤー、8・・・・イオン流変調電極、8’・・・・イオ
ン流変調電極8の対向電極、9・・・・変調電極基板
(絶縁基板)、12・・・・画像信号に応じて制御電極
に変調電圧を与える信号電源、13・・・・イオン源用
高圧電源、14・・・・イオン取り出し量を増加させる
ための直流電源、16・・・・転写用電源、17・・・
・転写手段(転写電極)、18・・・・記録媒体である
記録紙、20,30・・・・電界制御電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 圭一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (72)発明者 渡辺 正信 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社 海老名事業所内 (56)参考文献 特開 平3−102363(JP,A) 特開 昭61−169853(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/415

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電された現像剤の薄層をその表面に担
    持する現像剤担持体と、該現像剤担持体上の現像剤薄層
    に向けてイオン流を供給するイオン流発生手段とこのイ
    オン流を画像信号に応じて変調するイオン流変調手段と
    からなる変調イオン流供給手段と、前記現像剤担持体上
    の現像剤を選択的に記録媒体に転写させる転写手段とを
    具備する静電記録装置において、 前記現像剤担持体と前記変調イオン流供給手段との間
    に、イオン流の経路となる部分にのみ電界を形成し且つ
    イオン流による現像剤担持体上への画像の書込みを行う
    領域以外において現像剤担持体上の現像剤の前記変調イ
    オン流供給手段方向への移動を抑制する電界を形成する
    電界制御電極を設けたことを特徴とする静電記録装置。
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