JP3583253B2 - 帯電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術を利用した複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置は、一般に、感光体ドラム、感光体ベルトなどの感光体からなる静電像担持体上に帯電装置により均一な処理帯電を行った後に、露光装置により静電像担持体に画像信号に応じた露光を行って静電像担持体の帯電を消去することで、静電荷のパターン(静電潜像)を形成し、この静電荷のパターンを現像装置でトナーにより現像して転写手段により記録紙などの記録部材に転写するという作像プロセスを行っている。
【0003】
この画像形成装置では、作像プロセスには静電像担持体を帯電装置により帯電させる帯電プロセスが存在し、この帯電プロセスは従来は帯電装置として非接触で帯電安定性にも優れているコロナチャージャを用いて行われていた。しかし、コロナチャージャはオゾンを多く発生するので、最近では接触帯電方式の帯電装置が検討されており、例えば特開昭63ー149669号公報に記載されているような接触帯電方法や、特開平6ー175469号公報に記載されているようなブラシ帯電装置が実用化されてきている。
【0004】
ここに、特開昭63ー149669号公報には、DC電圧にAC電圧を重畳して帯電ローラに印加する接触帯電方法が記載されている。また、特開平6ー175469号公報には、導電性ブラシとその芯金との間に低抵抗の中間導電部材を設けて帯電の環境依存性を無くすようにしたブラシ帯電装置が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記コロナチャージャでは、オゾンを多く発生するという不具合がある。また、上記接触帯電方式の帯電装置では、帯電部材が静電像担持体に接触するので、帯電部材がトナーなどで汚れやすく、その結果、帯電ムラ等の帯電性能の劣化が生じて静電像担持体を十分に帯電させることができなくなってしまう。
本発明は、オゾンを発生せず、静電像担持体を十分に帯電させることができる非接触方式の帯電装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、移動する静電像担持体上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体の表面に沿って前記静電像担持体の移動方向と垂直な方向に配置された複数の電磁波照射装置からなり電磁波照射孔から前記静電像担持体上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体に対して略垂直に照射して付着させるための電界を形成する電界形成手段とを備え、前記複数の電磁波照射装置と前記電磁波照射孔とが1対1に対応し、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置の電磁波照射孔に電圧を印加し、前記個々の電磁波照射装置の間の空間に前記電磁波照射孔と平行で電圧が印加される電極を設けたものであり、効率良く帯電電界を形成することができると共に、帯電の均一性を向上させることができ、更に印加電圧の極性により帯電極性を任意に決めることが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
まず、本発明による非接触帯電方式の帯電装置の原理について述べる。電磁波が空気中に照射されると、その電磁波が照射された領域の空気が電離され、正負両極性のイオンが生成される。したがって、静電像担持体(例えば感光体)上の空間に電磁波照射装置により電磁波を照射して空気を電離させ、その空間に電界を作用させることで、所望の極性のイオンのみを静電像担持体に付着させることができる。本発明による非接触帯電方式の帯電装置は、このような原理により静電像担持体を非接触で帯電させることができる。本発明における電磁波としては、紫外線、軟X線、X線、γ線等を使用できるが、電離効率や安全性の面を考慮すると、軟X線かX線が好ましい。
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の概略を示す。図1において、1は帯電可能な感光体などからなる静電像担持体、21,22・・・は電磁波照射装置、3はグリッドからなる電界形成手段、41,42・・・は電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔、5は直流電源である。グリッド3は、静電像担持体1と電磁波照射装置21,22・・・との間に配置され、直流電源5から直流電圧が印加される。静電像担持体1は、裏側が接地され、駆動部により駆動されて図示矢印方向へ移動する。
【0019】
電磁波照射装置21,22・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンはグリッド3と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられ、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。図1に示すように電磁波照射装置21,22・・・を静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向に複数配置して電磁波照射装置群を構成すると、イオンの発生量が増加するために静電像担持体1の高速帯電が可能となる。
【0020】
本発明の第2実施形態では、上記第1実施形態において、図2に示すように電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔41,42・・・を形成する部材が接地され、静電像担持体1の裏側に直流電源5から直流電圧が印加されることにより、グリッド3と静電像担持体1との間の空間に電界が形成されてこの電界によりイオンが静電像担持体1の表面に引き付けられる。
【0021】
本発明の第3実施形態では、上記第1実施形態において、図3に示すように電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔41,42・・・を形成する部材に直流電源5から直流電圧が印加され、静電像担持体1の裏側が接地されることにより、グリッド3と静電像担持体1との間の空間に電界が形成されてこの電界によりイオンが静電像担持体1の表面に引き付けられる。
【0022】
このように、第1実施形態〜第3実施形態は、移動する静電像担持体1上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体1の移動方向に複数設けられた電磁波照射装置21,22・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体1に付着させるための電界を形成する電界形成手段としてのグリッド3とを備えたので、オゾンを発生せず、静電像担持体の移動方向に電磁波照射密度が増加し、電磁波によって生成されるイオンが増加することにより、高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができる。
【0023】
図4は本発明の第4実施形態の概略を示す。この第4実施形態は、円筒状の静電像担持体1を帯電する帯電装置の実施形態である。静電像担持体1は駆動部により回転駆動され、静電像担持体1の上には静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の長手方向(静電像担持体1の移動方向と垂直な幅方向)に複数個の電磁波照射装置21,22,23・・・が一列に配置される。
【0024】
また、静電像担持体1と電磁波照射装置21,22,23・・・との間にはグリッド3が配置される。静電像担持体1は中心部分が接地され、グリッド3には直流電源5から直流電圧が印加される。電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンはグリッド3と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0025】
図4に示すように電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向と垂直な幅方向に複数配置して電磁波照射装置群を構成すると、静電像担持体1の帯電幅を大きくすることができるだけでなく、各電磁波照射装置21,22,23・・・から照射された電磁波が重なり合うことにより静電像担持体1上の空間の電磁波照射密度が増加し、かつ、静電像担持体1の長手方向についての帯電の一様性が増加する。また、イオンの発生量が増加し、高速帯電が可能となる。
【0026】
静電像担持体1の長手方向に配置する電磁波照射装置21,22,23・・・の数は、静電像担持体1の帯電幅あるいは静電像担持体1の長さにもよるが、静電像担持体1の全幅Lを帯電させるためには、
n・(D+G)>L・・・(1)
但し、G:電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔
D:電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・の直径
n:静電像担持体1の長手方向に配置する電磁波照射装置21,22,23・・・の数
を満たす個数nだけ電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の長手方向に配置する必要がある。
【0027】
また、各電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔Gは、小さくすることが好ましく、望むらくは図5に示すように
G≦D+2・h・tan(θ/2)・・・(2)
但し、h:電磁波照射孔41,42,43・・・と静電像担持体1との距離
θ:電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射角
という条件を満たすことが好ましい。
【0028】
この条件を外れると、静電像担持体1上の空間で電磁波が照射されない部分が出てしまい、静電像担持体1の帯電ムラの原因になる。本実施形態においては、上式(2)を満たすように電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の長手方向に並べることで、電磁波照射装置21,22,23・・・からの電磁波が静電像担持体1上の空間に、静電像担持体1の全幅にわたって照射され、静電像担持体1の均一な帯電が可能となる。また、Gを更に小さくすることによって各電磁波照射装置21,22,23・・・から照射される電磁波の重なり合いが多くなり、イオンがより多く発生するようになる。したがって、静電像担持体1の帯電効率が向上し、帯電速度が向上する。
【0029】
この第4実施形態は、移動する静電像担持体1上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体1の表面に沿って前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に複数設けられた電磁波照射装置21,22,23・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体1に付着させるための電界を形成する電界形成手段としてのグリッド3とを備えたので、オゾンを発生せず、幅の広い静電像担持体の一様な帯電を可能にすると共に、静電像担持体の表面に沿って静電像担持体の移動方向と垂直な方向に電磁波照射密度が増加し、電磁波によって生成されるイオンが増加することにより、高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができる。
【0030】
また、第4実施形態は、前記電磁波照射装置21,22,23・・・は電磁波を前記静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射する構成とし、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・の直径をD、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・と前記静電像担持体1との距離をh、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射角をθとしたとき、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔Gが、
G≦D+2・h・tan(θ/2)
を満たすので、オゾンを発生せず、電磁波によって生成されるイオンが増加し、高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができ、更に帯電の均一性を向上させることができる。
【0031】
図6は本発明の第5実施形態の概略を示す。この第5実施形態は、電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の移動方向に複数設けると共に、電磁波照射装置21,22,23・・・から電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射する帯電装置の実施形態であり、静電像担持体1は駆動部により駆動されて図示矢印方向へ移動する。
【0032】
静電像担持体1の上には静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向に複数個の電磁波照射装置21,22,23・・・からなる電磁波照射装置群が一列に配置される。この電磁波照射装置21,22,23・・・は電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射するように配置され、帯電電界を形成するための電極61,62,63・・・は電磁波照射装置21,22,23・・・が電磁波を照射する空間において静電像担持体1と対向するように配置される。
【0033】
この電極61,62,63・・・は接地され、静電像担持体1は裏側に直流電源5から直流電圧が印加される。電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは電極61,62,63・・・と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0034】
この第5実施形態では、電磁波照射装置21,22,23・・・を電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射するように配置した構成により、電磁波照射装置21,22,23・・・からの電磁波の静電像担持体1への直射を軽減することができ、この構成は静電像担持体1の材料が電磁波の照射によって劣化する材料である場合には有効な手段となる。このような構成は静電像担持体1に対する電磁波の直射を軽減することが目的であるので、電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射方向は静電像担持体1に対して略平行、又はやや上向きが好適である。
【0035】
また、本発明の第6実施形態は、上記第5実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射角が大きい場合であって、図7に示すように電磁波遮蔽部材71,72,73・・・が各電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射角をそれぞれ絞るように設けられ、この電磁波遮蔽部材71,72,73・・・により電磁波照射装置21,22,23・・・から静電像担持体1へ直射される電磁波が遮断される。この電磁波遮蔽部材71,72,73・・・の材質は、電磁波の波長によって異なるが、例えば電磁波としてX線や軟X線を用いる場合には鉛板、鋼板アルミニウム板、塩化ビニル板、アクリル板等のX線や軟X線を効果的に吸収する元素を多量に含むものが好適である。
【0036】
このように、第5実施形態及び第6実施形態は、電磁波照射装置群21,22,23・・・は電磁波を前記静電像担持体1の帯電面に対して略平行に照射するので、オゾンを発生せず、電磁波照射密度が増加し、電磁波によって生成されるイオンが増加することにより、高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができると共に、静電像担持体の電磁波による劣化を軽減乃至は防止することができ、装置の長寿命化を実現することができる。
【0037】
図8は本発明の第7実施形態の概略を示す。この第7実施形態は、電磁波照射装置21,22,23・・・からなる電磁波照射装置群と、電磁波照射装置81,82,83・・・からなる電磁波照射装置群とをその電磁波照射孔41,42,43・・・、91,92,93・・・(電磁波照射面)が向き合うように配置し、かつ、各々の電磁波照射装置21,22,23・・・、81,82,83・・・を電磁波を静電像担持体1の帯電面に対して略平行に照射するように配置した帯電装置の実施形態である。
【0038】
この第7実施形態では、上記第5実施形態において、一方の電磁波照射装置群は静電像担持体1の上に静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の長手方向(静電像担持体1の移動方向と垂直な幅方向)に一列に配置された複数の磁波照射装置21,22,23・・・からなり、他方の電磁波照射装置群は静電像担持体1の上に静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の長手方向(静電像担持体1の移動方向と垂直な幅方向)に一列に配置されると共に電磁波照射孔91,92,93・・・が磁波照射装置群21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・とそれぞれ向き合うように配置された複数の磁波照射装置81,82,83・・・からなる。
【0039】
電極61,62,63・・・はそれぞれ電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・と電磁波照射装置81,82,83・・・の電磁波照射孔91,92,93・・・との各間の空間を介して静電像担持体1の帯電面と対向するように配置される。電極61,62,63・・・は直流電源5から直流電圧が印加され、静電像担持体1は裏側が接地される。
【0040】
電磁波照射装置21,22,23・・・と電磁波照射装置81,82,83・・・とは、静電像担持体1上の互いに向い合う空間に電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは電極61,62,63・・・と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0041】
この第7実施形態では、一対の電磁波照射装置群21,22,23・・・、81,82,83・・・をその電磁波照射孔41,42,43・・・、91,92,93・・・が向き合うように配置したことにより、帯電装置全体をコンパクトにすることができる。また、転写電界を形成するための電極61,62,63・・・は一対の電磁波照射装置21,22,23・・・、81,82,83・・・毎に一つあればよいので、数を減らすことができる。さらに、外部に対する電磁波の遮蔽効果が得られる。
【0042】
このように、第7実施形態は、第5実施形態において、電磁波照射装置群21,22,23・・・、81,82,83・・・は電磁波を前記静電像担持体1の帯電面に対して略平行に照射するので、オゾンを発生せず、電磁波照射密度が増加し、電磁波によって生成されるイオンが増加することにより、高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができると共に、静電像担持体の電磁波による劣化を軽減ないしは防止することができ、装置の長寿命化を実現することができる。
【0043】
また、第7実施形態は、移動する静電像担持体1上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体1の表面に沿って前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に複数設けられた電磁波照射装置21,22,23・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる第1の電磁波照射装置群と、この第1の電磁波照射装置群と電磁波照射面が向い合うように配置されて前記静電像担持体1の表面に沿って前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に複数設けられた電磁波照射装置81,82,83・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる第2の電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体1に付着させるための電界を前記第1の電磁波照射装置群と前記第2の電磁波照射装置群との間に形成する手段としての電極61,62,63・・・とを備えたので、オゾンを発生せず、幅の広い静電像担持体の一様な帯電を可能にすると共に、コンパクトな構成で、電磁波によって生成されるイオンが増加して高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができ、更に静電像担持体の電磁波による劣化を防止することができる。
【0044】
図9は本発明の第8実施形態の概略を示す。この第8実施形態では、上記第4実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・は電磁波を静電像担持体1の帯電面と略平行に照射するように静電像担持体1の長手方向に複数配置され、グリッド3の代りに電極6が用いられる。この電極6は電磁波照射装置21,22,23・・・が電磁波を照射する空間において静電像担持体1と対向するように配置される。
【0045】
電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を静電像担持体1に対して略平行に照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは電極61,62,63・・・と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0046】
この第8実施形態では、電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の長手方向に複数配置したことにより、静電像担持体1の帯電幅を大きくすることができ、各電磁波照射装置21,22,23・・・から照射された電磁波が重なり合うことにより静電像担持体1上の空間の電磁波照射密度が増加し、帯電効率が向上する。
【0047】
また、電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射方向が静電像担持体1に略平行であるので、静電像担持体の電磁波直射による劣化を防止することができる。なお、電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射方向が静電像担持体1に略平行である場合にも、各電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔は小さくすることが好ましい。
【0048】
図24は第8実施形態の帯電装置を静電像担持体1端面側から見た図である。第8実施形態においては、図24に示すように電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射方向に測った電磁波照射孔41,42,43・・・と電極6の終端との間の距離をWとすると、電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔gが、
g≦D+2・W・tan(θ/2)・・・(3)
であるという条件を満たすことが好ましい。
【0049】
この条件を外れると、静電像担持体1上方の空間部分に電磁波が照射されなくて静電像担持体1に帯電されない部分が出てしまい、静電像担持体1の帯電ムラの原因になる。本実施形態においては、上式(3)を満たすように電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の長手方向に並べることで、電磁波照射装置21,22,23・・・からの電磁波が静電像担持体1上の空間に、静電像担持体1の全幅にわたって照射され、静電像担持体1の均一な帯電が可能となる。また、gを更に小さくすることによって各電磁波照射装置21,22,23・・・から照射される電磁波の重なり合いが多くなり、イオンがより多く発生するようになる。したがって、静電像担持体1の帯電効率が向上し、帯電速度が上がる。
【0050】
このように、第8実施形態は、前記電磁波照射装置21,22,23・・・は電磁波を前記静電像担持体1の帯電面に対して略平行に照射する構成とし、前記電界形成手段は電極6からなり、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・の直径をD、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・と前記電極6との電磁波照射方向の距離をW、前記電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射角をθとしたとき、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置21,22,23・・・の間隔gが、
g≦D+2・W・tan(θ/2)
を満たすので、オゾンを発生せず、電磁波によって生成されるイオンが増加して高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができ、帯電の均一性を向上させることができ、更に静電像担持体の電磁波による劣化を防止することができる。
【0051】
図10は本発明の第9実施形態の概略を示す。高速で回転する幅の広い静電像担持体1の帯電を実現するには、静電像担持体1の移動方向及び幅方向の両方向に電磁波照射装置を並べればよい。第9実施形態では、上記第4実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・は静電像担持体1の移動方向及び幅方向の両方向に並べられる。電磁波照射装置21,22,23・・・と静電像担持体1との間には、グリッド3が帯電面に平行に設けられる。
【0052】
静電像担持体1は中心部分に直流電源5から直流電圧が印加され、グリッド3は接地される。電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンはグリッド3と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0053】
図11は本発明の第10実施形態の概略を示す。この第10実施形態では、上記第4実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1の移動方向及び幅方向の両方向に並べられ、かつ、静電像担持体1の移動方向に向い合うように配置される。また、グリッド3の代りに電極6が用いられ、この電極6は電磁波照射装置21,22,23・・・が静電像担持体1の移動方向に向い合って形成される空間を介して静電像担持体1の帯電面と対向するように配置される。
【0054】
電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは電極6と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0055】
これらの第9実施形態及び第10実施形態は、上記第1実施形態乃至第4実施形態と同様に高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができ、幅の広い静電像担持体の一様な帯電が可能になる。
【0056】
静電像担持体1の移動方向及び幅方向の両方向に電磁波照射装置を並べる場合には、電磁波照射装置を千鳥状に配置することが好ましい。図12は本発明の第11実施形態の概略を示す。この第11実施形態は、上記第10実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の幅方向に千鳥状に配置したものであり、静電像担持体1の長手方向の帯電をより均一化することができる。
【0057】
図13は本発明の第12実施形態の概略を示す。この第12実施形態では、上記第11実施形態において、電磁波照射装置21,22,23・・・は電磁波照射方向が静電像担持体1の帯電面に略垂直になるように千鳥状に配置される。静電像担持体1は中心部分に直流電源5から直流電圧が印加され、電極6の代りにグリッド3が用いられる。このグリッド3は、電磁波照射装置21,22,23・・・と静電像担持体1との間に配置され、接地される。この第12実施形態では、電磁波照射装置21,22,23・・・を集積しやすくなり、帯電装置を小型化することができる。
【0058】
これらの第11実施形態及び第12実施形態は、移動する静電像担持体1上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体1の表面に沿って前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に千鳥状に配列された複数の電磁波照射装置21,22,23・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体1に付着させるための電界を形成する電界形成手段としての電極6又はグリッド3とを備えたので、オゾンを発生せず、幅の広い静電像担持体の一様な帯電を可能にすると共に、コンパクトな構成で、電磁波によって生成されるイオンが増加して高速に移動する静電像担持体を十分な電位に帯電させることができ、更に帯電の均一性を向上させることができる。
【0059】
これまで説明してきたように本発明の実施形態は、帯電電界を形成する電界形成手段として、グリッド3を用いるものと、電極6を用いるものとがある。まず、グリッド3としては、開口率の大きな網状の導電板か、電磁波の透過性に優れている導電板であることが好ましい。電磁波の透過性に優れている導電板の材料としては、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)、カーボン等がある。
【0060】
これらの材料を単体でグリッド3に用いることはもちろんのこと、これらの材料を塗布した絶縁体フィルムや合金、化合物等でも十分にグリッド3を形成することができる。いずれの材料でグリッド3を形成するにせよ、グリッド3の厚さは薄い方が帯電効率が高くなる。また、電磁波照射領域に一様な帯電電界が形成されることが好ましいため、グリッド3は静電像担持体1上の電離領域の静電像担持体1に対する投影面積よりも広いことが好ましい。
【0061】
一方、電極6に用いる材料としては、基本的に導電体であればよいが、望むらくは電磁波を吸収する材料であることが好ましい。このような材料を電極6に用いることにより、電極6を透過する電磁波が減少し、帯電装置の安全性を高めることができる。したがって、電極6の材料としては、前に列挙した電磁波の透過性に優れた材料以外の金属板であることが好ましく、また、金属を塗布した樹脂、セラミックス等でもよい。この電極6は、電磁波の吸収を多くした方が良いため、厚くした方がよい。
【0062】
図14は本発明の第13実施形態の概略を示す。上記第2実施形態、上記第3実施形態のように電磁波照射装置の電磁波照射孔を構成する部材に電圧を印加して帯電電界を形成する方式の場合は、電磁波照射装置群を構成する各電磁波照射装置の間隔が比較的大きい場合には、一様な帯電電界ができない。
【0063】
そこで、第13実施形態では、上記第3実施形態において、静電像担持体1上における各電磁波照射装置21,22,23・・・の間の空間及び電磁波照射装置群の外側の空間に電磁波照射孔41,42,43・・・を構成する部材と平行に補助電極101,102,103・・・を設け、この補助電極101,102,103・・・に直流電源5から直流電圧を印加することにより、静電像担持体1と電磁波照射孔41,42,43・・・を構成する部材及び補助電極101,102,103・・・との間に一様な帯電電界を形成する。
【0064】
このように、第13実施形態は、上記第3実施形態において、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置21,22,23・・・の電磁波照射孔41,42,43・・・に電圧を印加する構成とし、前記個々の電磁波照射装置21,22,23・・・の間の空間に前記電磁波照射孔41,42,43・・・と平行で電圧が印加される電極としての補助電極101,102,103・・・を設けたので、オゾンを発生せず、効率良く帯電電界を形成することができると共に、帯電の均一性を向上させることができ、更に印加電圧の極性により帯電極性を任意に決めることが可能になる。
【0065】
図25は、本発明の第14実施形態の概略を示す。この第14実施形態は、電磁波照射装置21と電磁波照射装置22とが対となり、電磁波照射中心が静電像担持体1側で交差するように傾いて静電像担持体1の移動方向に並べて設けられた帯電装置の実施形態である。静電像担持体1の裏面には直流電源5が接続され、電磁波照射孔41,42は接地されている。したがって、静電像担持体1と電磁波照射装置21,22との間の空間には帯電電界が形成される。この空間に電磁波が電磁波照射装置21、22から照射されると、空気が電離して正負のイオンが発生し、帯電電界に引かれて所望の極性のイオンだけが静電像担持体1に移動するため、静電像担持体1が帯電する。この第14実施形態の場合には、静電像担持体1が負極性に帯電する。
【0066】
この第14実施形態では、一対の電磁波照射装置21,22の電磁波照射中心が静電像担持体1側で交差するように傾けて設けられるので、例えば図2のような構成のものに比べて電磁波の重なり合う部分を大きくすることができる。したがって、静電像担持体1上の空間の電磁波照射密度が増大し、電磁波照射量を損なわずに照射領域を狭くすることができる。このように電磁波照射中心を静電像担持体1側で交差させる構成は、静電像担持体1として小径の感光体を用いる場合等には、特に有効である。
【0067】
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、本発明の第1実施例を図2に基づいて説明する。この第1実施例は請求項1に係る発明の実施例である。この第1実施例では、上記第2実施形態において、静電像担持体1にはベルト状の有機感光体(OPC)を用い、電磁波照射装置21,22・・・としてはピークエネルギーが約1.5[keV]の軟X線を照射する軟X線源を用いた。
【0068】
感光体1と電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔41,42・・・との距離は10[mm]とし、感光体1の裏側に直流電源5から印加する直流電圧を3[kV]にして感光体1を駆動部により移動させながら感光体1の帯電を行ない、その帯電量の評価を行なった。この評価は、感光体1を−500[V]に帯電することのできる感光体線速の最大値(以後、この値を最大帯電速度と称する)の比較で行った。
【0069】
電磁波照射装置21,22・・・の個数と最大帯電速度との関係を調べた結果が図15である。図15より感光体1の移動方向に配置した電磁波照射装置21,22・・・の数が多いほど、帯電速度が向上する結果となり、電磁波照射装置21,22・・・の複数配置の有効性が確認できた。
【0070】
次に、本発明の第2実施例を図16に基づいて説明する。この第2実施例では、上記第4実施形態において、静電像担持体1にはプラス帯電する直径100[mm]、長さ320[mm]のSeからなる感光体を用い、電磁波照射装置21,22・・・には波長が10のマイナス10乗[m]程度のX線を照射するX線照射装置を使用した。このX線照射装置21,22,23・・・のX線照射角は110度である。
【0071】
このようなX線照射装置21,22,23・・・は感光体1の長手方向に等間隔で配置した。グリッド3は、厚さが100[μm]のベリリウム(Be)板を用い、感光体1から5[mm]離して配置して直流電源5から2[kV]の電圧を印加した。なお、X線照射装置21,22,23・・・とグリッド3との間の距離は5[mm]にした。
【0072】
このような構成の第2実施例の帯電装置において、X線照射装置21,22,23・・・の設置間隔Gと最大帯電速度との関係を調べることで、帯電性能を評価した。間隔Gを5[mm]刻みに45[mm]〜75[mm]の範囲で第2実施例の帯電性能を評価した結果が図17である。図17より設置間隔Gが小さくなるほど最大帯電速度が大きくなり、帯電性能が向上する結果が得られた。
【0073】
次に、第2実施例において、感光体1をOPCにし、グリッド3へ直流電源5から印加する電圧を−2[kV]にした本発明の第3実施例について同様の評価を行なった。この第3実施例では、X線照射装置21,22,23・・・の間隔と帯電性能との関係は、感光体1としてSe感光体を用いた第3実施例の場合と同傾向の結果が得られたが、感光体1の多数回帯電を繰り返すと、感光体1の除電性能が低下する問題が生じた。これは、X線の多数回にわたる直射により感光体1が劣化し、感光体1中に残留電荷が残ってしまうためと考えられる。
【0074】
そこで、本発明の第4実施例では、第3実施例において、図18に示すように感光体1の帯電面に対してX線が平行に照射されるようにX線照射装置21,22,23・・・の向きを変更した。また、帯電電界を形成するために、グリッド3の代りに厚さ1[mm]の黄銅板からなる電極6を用いてこれをX線照射装置21,22,23・・・のX線照射孔の上端より約5[mm]上方の位置からX線照射方向に設け、直流電源5から電極6に−5[kV]を印加した。
【0075】
さらに、X線照射装置21,22,23・・・のX線照射孔の下端には厚さ3[mm]のアクリル板を電磁波遮蔽分材7として設けた。
このような構成の第4実施例により感光体1の帯電を行なったところ、多数回の帯電に対しても感光体1が劣化することがなく、感光体1の全幅に良好な帯電状態を得ることができた。
【0076】
次に、本発明の第5実施例について説明する。この第5実施例では、上記第8実施形態において、図19に示すように静電像担持体としてのOPCからなる感光体1の上方に、電磁波照射装置としての軟X線照射装置21,22,23・・・を感光体1の長手方向へ、電磁波を感光体1の帯電面と略平行に照射するような向きに複数個配置した。軟X線照射装置21,22,23・・・としては、軟X線照射孔の直径が約30[mm]で、ピークエネルギーが約6[keV]の軟X線を110度の角度で照射する軟X線源を用いた。電極6としては、直流電源5から−5[kV]の電圧が印加される厚さ1[mm]、幅20[mm]の黄銅板を軟X線照射装置21,22,23・・・の軟X線照射孔の上端より約15[mm]上方の位置から軟X線照射方向に設けた。
【0077】
このような構成の第5実施例の帯電装置において、軟X線照射装置21,22,23・・・の設置間隔gと最大帯電速度との関係を調べ、帯電性能を評価した。設置間隔gを5[mm]刻みに65[mm]〜95[mm]の範囲で第5実施例の帯電性能を評価した結果が図20である。図20から分かるように設置間隔gが90[mm]の場合と設置間隔gが95[mm]の場合とでは感光体1の長手方向に帯電ムラが発生したが、設置間隔gが65[mm]〜85[mm]の範囲では感光体1の全幅にわたってむらなく帯電することができた。また、設置間隔gが小さくなるほど最大帯電速度が大きくなり、帯電性能が向上する結果が得られた。
【0078】
次に、第5実施例において、図21に示すように感光体1の長手方向に並べた軟X線照射装置21,22,23・・・を電極6と感光体1との間の空間を挾んで2列に向い合わせて本発明の第6実施例を構成した。この第6実施例では、g=80[mm]とし、2つの軟X線照射装置群21,22,23・・・、211,212,213・・・を感光体1の長手方向に0〜g/2(40[mm])の範囲で10[mm]づつずらしながら感光体1を帯電する実験を行なった。
【0079】
その結果、2つの軟X線照射装置群21,22,23・・・、211,212,213・・・の感光体長手方向のずれ量aと最大帯電速度との関係は図22に示すようになった。図20と図22を比較して明らかなように、第6実施例では、軟X線照射装置群21,22,23・・・、211,212,213・・・を2列設けたために、イオンの発生量が増加し、全体的に帯電性能が向上した。また、aの値が大きいほど感光体1の帯電が感光体長手方向に均一に行なわれやすくなり、a=g/2の時に最も良好な結果が得られた。
【0080】
次に、本発明の第7実施例について説明する。この第7実施例では、上記第12実施形態において、図23に示すように静電像担持体1には、直径100[mm]、長さ320[mm]のOPCを用い、電磁波照射装置21,22,23・・・としてはピークエネルギーが約1.5[keV]の軟X線源を用いた。この軟X線源21,22,23・・・は、軟X線照射孔の直径が40[mm]で、軟X線照射角が110度である。
【0081】
この軟X線源21,22,23・・・は80[mm]間隔で感光体1の長手方向及び感光体1の回転方向に複数個千鳥状に配列してコンパクトな構成とした。軟X線源21,22,23・・・の軟X線照射孔は感光体1と平行にし、感光体1の表面からの距離を10[mm]とした。また、軟X線源21,22,23・・・の軟X線照射孔を構成する部材には−3[kV]の電圧を印加して帯電電界を形成した。
このような構成の第7実施例は、感光体1を駆動部により線速150[mm/s]で回転させながら感光体1の帯電を行なったところ、帯電ムラが発生することなく感光体1の全体を−500[V]以上に帯電させることができた。
【0082】
次に、第7実施例において、図14のように軟X線源21,22,23・・・の間及び外側の空間に軟X線源21,22,23・・・の軟X線照射孔と平行かつ同じ高さに補助電極101,102,103・・・として厚さ1[mm]の黄銅板を設け、この黄銅板101,102,103・・・に直流電源5から−3[kV]を印加するようにした本発明の第8実施例にて感光体1の帯電を行なった。その結果、この第8実施例では、感光体1の帯電電位が補助電極101,102,103・・・を設けない第7実施例より約10[%]向上した。
【0083】
次に、本発明の第9実施例について説明する。図26に示すように直径が15[mm]の電磁波照射孔を有する電磁波照射装置21,22を直径100[mm]の感光体1の上方15[mm]の位置に感光体1の回転方向に水平に2つ並べ、線速50[mm/S]で感光体1を回転させながら帯電を行った。電磁波としては、ピークエネルギーが約1.5[keV]の軟X線を使用し、感光体1の裏側に+2.5[kV]を印加し、電磁波照射孔41,42は接地電位にした。
【0084】
電磁波照射装置21,22の両側面には電磁波遮蔽部材7を設け、2つの電磁波遮蔽部材7の距離xを100[mm]〜30[mm]に変位させた場合の感光体1の帯電量の変化を調べたところ、x>60[mm]では帯電電位は変化しなかったが、xを更に小さくした場合にはxの減少に伴って帯電電位は減少し、x=30[mm]の時には約30[%]帯電電位が小さくなった。
【0085】
次に、図27のように電磁波照射装置21,22を電磁波照射孔41,42が向き合う向きにそれぞれ約15度傾け、同様の実験を行ったところ、x<50[mm]あたりから帯電電位の減少が始まった。x=30[mm]で帯電電位が最少になったが、帯電電位の減少率は20[%]程度であった。図27のように電磁波照射孔41,42を帯電領域の中心に向けたことにより、帯電領域の電磁波照射密度が増加し、上記のように帯電幅が減少した場合の帯電量の減少が軽減されたものと考えられる。この効果は、記録装置の小形化により感光体1を小径化した場合には、帯電幅が小さくなるので、大きな効果である。
【0086】
ところで、帯電装置を用いる複写機等の画像形成装置では、様々なサイズの記録部材に対応するため、静電像担持体の大きさ、特に静電像担持体の移動方向と垂直な方向の長さはA3サイズの記録部材の幅(短辺)以上となっていることが多い。上記各実施形態及び実施例では、電磁波照射装置から照射される電磁波はその強度が如何に微小であっても人体への影響が懸念されるので、可能な限り不必要な電磁波を照射しないようにすべきである。上記各実施形態及び実施例を用いた画像形成装置においては、記録紙などの記録部材の幅(搬送方向と垂直な方向の長さ)が小さい場合には、静電像担持体を移動方向と垂直な方向について記録部材の幅よりも大きな領域まで帯電させるため、電磁波照射装置から画像形成に不必要な電磁波が照射されることになり、また、電磁波照射装置から電磁波を照射するために消費電力が大きくなる。
【0087】
そこで、本発明の第15実施形態は、記録部材のサイズに対応して複数の電磁波照射装置を選択的に動作させることにより静電像担持体の移動方向と垂直な方向について静電像担持体上の略静電潜像形成領域を帯電させる制御手段を設け、画像形成に必要な最小限の電磁波照射で静電像担持体を帯電させ、消費電力を低減させるようにしたものである。
【0088】
この第15実施形態においては、図28に示すように、駆動部により回転駆動される感光体、例えば感光体ドラムからなる静電像担持体1と、静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向と垂直な方向(静電像担持体1の軸方向)に一列に配置された電磁波照射孔41,42・・・を有する電磁波照射装置21,22・・・と、グリッドからなる電界形成手段3と、直流電源5とを有する。グリッド3は、静電像担持体1と電磁波照射装置21,22・・・との間に配置され、直流電源5から直流電圧が印加される。静電像担持体1は、裏側が接地され、駆動部により駆動されて図示矢印方向へ移動する(回転する)。
【0089】
電磁波照射装置21,22・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンはグリッド3と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられ、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。電磁波照射装置21,22・・・を静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に複数配置して電磁波照射装置群を構成したことにより、イオンの発生量が増加するため、静電像担持体1の高速帯電が可能となる。
【0090】
この第15実施形態を用いた画像形成装置の一実施形態は、電子写真方式画像形成装置である。この電子写真方式画像形成装置は、静電像担持体1上に第15実施形態の帯電装置により均一な帯電処理を行った後に、露光手段により静電像担持体1に画像信号に応じた露光を行って静電像担持体1の帯電を消去することで、静電荷のパターン(静電潜像)を形成し、この静電荷のパターンを現像手段でトナーにより現像して転写手段により記録部材供給手段としての給紙装置からの記録紙、OHPシートなどの記録部材に転写するという画像形成プロセス(作像プロセス)を行う。
【0091】
給紙装置は複数の異なるサイズの記録部材をそれぞれ収納した複数の給紙装置からなり、図示しない制御装置は操作部で選択されたサイズ又は自動的に選択したサイズの記録部材を給紙装置から給紙させ、あるいは操作部で選択された給紙装置又は自動的に選択した給紙装置から記録部材を給紙させる。この記録部材は、上記転写手段により静電像担持体上のトナー像が転写されて定着装置によりトナー像が定着され、外部へ排出される。
【0092】
本発明の第16実施形態では、上記第15実施形態において、図29に示すように電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔41,42・・・を形成する部材が接地され、静電像担持体1の中心部に直流電源5から直流電圧が印加されることにより、電磁波照射孔41,42・・・と静電像担持体1との間の空間に電界が形成されてこの電界によりイオンが静電像担持体1の表面に引き付けられる。
【0093】
本発明の第17実施形態では、上記第15実施形態において、図30に示すように電磁波照射装置21,22・・・の電磁波照射孔41,42・・・を形成する部材に直流電源5から直流電圧が印加され、静電像担持体1の中心部が接地されることにより、電磁波照射孔41,42・・・と静電像担持体1との間の空間に電界が形成されてこの電界によりイオンが静電像担持体1の表面に引き付けられる。
【0094】
本発明の第18実施形態では、上記第15実施形態において、図31に示すように静電像担持体1の上には静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の長手方向(静電像担持体1の移動方向と垂直な幅方向)に複数個の電磁波照射装置21,22,23・・・が一列に配置される。静電像担持体1と電磁波照射装置21,22,23・・・との間にはグリッド3が配置され、静電像担持体1は中心部分が接地される。グリッド3は直流電源5から直流電圧が印加される。
【0095】
電磁波照射装置21,22,23・・・は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンはグリッド3と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0096】
この第18実施形態では、電磁波照射装置21,22,23・・・を静電像担持体1の表面に沿って静電像担持体1の移動方向と垂直な長手方向に複数配置して電磁波照射装置群を構成したことにより、静電像担持体1の帯電幅を大きくすることができるだけでなく、各電磁波照射装置21,22,23・・・から照射される電磁波が重なり合うので、電磁波照射密度が増加し、かつ、静電像担持体1の長手方向に帯電の一様性が増加する。さらに、イオンの発生量が増加して高速帯電が可能となる。
【0097】
上記第16実施形態乃至第18実施形態は、上記第15実施形態を用いた電子写真方式画像形成装置と同様な電子写真方式画像形成装置に用いられる。これらの画像形成装置において、図32に示すように静電像担持体1上の画像形成領域(静電潜像を形成する領域)1aが小さい場合には、静電像担持体1上の非画像形成領域(静電潜像を形成しない領域)1bを帯電する必要はない。
【0098】
静電像担持体1上の非画像形成領域1b上にて第15実施形態乃至第18実施形態の電磁波照射装置21,22・・・により電磁波を照射すると、不要な電磁波が照射されることになり、無駄であると共に、消費電力が増大して不都合である。例えば第18実施形態では、図32に示すように電磁波照射装置21〜25のうち静電像担持体1上の画像形成領域1aに対応した電磁波照射装置22〜24から電磁波を照射すれば静電像担持体1上の画像形成領域1aを十分に帯電させることができ、電磁波照射装置21、25は電磁波を照射しない方がよいことになる。
【0099】
そこで、第18実施形態では、上記制御手段は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取り、その信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて電磁波照射装置21〜25のうちの静電像担持体1上の画像形成領域1aを十分に帯電させるものだけを動作させるように電磁波照射装置21〜25を制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域1aのみ帯電させる。
【0100】
従って、電磁波照射装置21〜25は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて、静電像担持体1上の画像形成領域1aの帯電に必要でないものが不動作となり、画像形成に必要な最小限の電磁波照射で静電像担持体1を帯電させることができ、消費電力を低減させることができる。
【0101】
また、上記第16実施形態乃至第18実施形態では、同様に上記制御手段は、それぞれ、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取り、その信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて電磁波照射装置21,22・・・のうちの静電像担持体1上の画像形成領域を十分に帯電させるものだけを動作させるように電磁波照射装置21,22・・・を制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域のみ帯電させる。
【0102】
第18実施形態は5個の電磁波照射装置21〜25を有するが、電磁波照射装置の個数がそれより多い場合には、上記制御手段は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取ってその信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて多数の電磁波照射装置のうちの静電像担持体1上の画像形成領域を十分に帯電させるものだけを動作させるように多数の電磁波照射装置を細かく制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域のみ帯電させることが可能になり、必要最小限の個数の電磁波照射装置で効率良く静電像担持体1の必要な領域を帯電させることが可能となる。
【0103】
図33は本発明の第19実施形態の概略を示す。この第19実施形態では、上記第17実施形態において、電磁波照射装置21〜216が静電像担持体1の移動方向及び幅方向の両方向に並べられる。グリッド3は省略され、電磁波照射装置21〜216は個々に電磁波照射孔41,42・・・が電極により形成される。これらの電極はそれぞれ直流電源から直流電圧が印加される。
【0104】
電磁波照射装置21〜216は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは、電磁波照射装置21〜216の各電極と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0105】
この第19実施形態は上記第15実施形態を用いた電子写真方式画像形成装置と同様な電子写真方式画像形成装置に用いられる。上記制御手段は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取ってその信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて多数の電磁波照射装置21〜216のうちの静電像担持体1上の画像形成領域を十分に帯電させるもの及びこれらに付属する電極だけを動作させるように電磁波照射装置21〜216と、直流電源から電磁波照射装置21〜216の各電極への直流電圧を制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域のみ帯電させる。
【0106】
例えば静電像担持体1上の画像形成領域1aを帯電させる場合には、上記制御手段は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取ってその信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに対応する画像形成領域1aに応じて電磁波照射装置21〜216のうちの静電像担持体1上の画像形成領域1aを十分に帯電させるもの25〜212だけを動作させるように電磁波照射装置21〜216と、直流電源から電磁波照射装置21〜216の各電極への直流電圧を制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域1aのみを帯電させる。
【0107】
電磁波照射装置21〜216は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて、静電像担持体1上の画像形成領域1aの帯電に必要でないものが非駆動となり、画像形成に必要な最小限の電磁波照射で静電像担持体1を帯電させることができ、消費電力を低減させることができる。
【0108】
上記第15実施形態乃至第19実施形態は電磁波照射装置が静電像担持体1と対向する構成となっているが、本発明の第20実施形態では、図34に示すように電磁波照射装置21〜25、211〜215が静電像担持体1と対向しない構成となっている。この第20実施形態では、上記第15実施形態において、電磁波照射装置21〜25、211〜215は、静電像担持体1の幅方向に千鳥状に配置され、かつ、静電像担持体1の移動方向に向い合うように配置される。また、グリッド3の代りに電極6が用いられ、この電極6は電磁波照射装置21〜25、211〜215が静電像担持体1の移動方向に向い合って形成される空間を介して静電像担持体1の帯電面と対向するように配置される。
【0109】
電磁波照射装置21〜25、211〜215は、静電像担持体1上の空間に電磁波を照射して空気を電離させることにより、空気中に正負両極性のイオンを多数生成させる。このイオンは電極6と静電像担持体1との間の空間に形成される電界によって静電像担持体1に引き付けられて静電像担持体1の帯電面に対して略垂直に照射され、静電像担持体1の表面が均一に帯電される。
【0110】
この第20実施形態は上記第15実施形態を用いた電子写真方式画像形成装置と同様な電子写真方式画像形成装置に用いられる。上記制御手段は、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズを示す信号を上記制御装置から受け取ってその信号により、複数の給紙装置から選択的に給紙される記録部材のサイズに応じて多数の電磁波照射装置21〜25、211〜215のうちの静電像担持体1上の画像形成領域を十分に帯電させるものだけを動作させるように電磁波照射装置21〜25、211〜215を制御して静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について静電像担持体1上のほぼ画像形成領域のみ帯電させる。
【0111】
上記第15実施形態乃至第20実施形態は、移動する静電像担持体1に対して均一な初期帯電を行った後に露光手段により露光を行って静電潜像を形成し、この静電潜像を現像手段により現像して転写手段により記録部材に転写する画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向に前記静電像担持体1に沿って複数設けられた電磁波照射装置21,22・・・からなり前記静電像担持体1上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体1に付着させるための電界を形成する電界形成手段としてのグリッド3又は電極6と、前記記録部材のサイズに対応して前記複数の電磁波照射装置21,22・・・を選択的に動作させることにより前記静電像担持体1の移動方向と垂直な方向について前記静電像担持体上の略静電潜像形成領域を帯電させる制御手段とを備えたので、画像形成に必要な最小限の電磁波照射で静電像担持体を帯電させることができ、消費電力を低減させることができる。
【0112】
上記第15実施形態乃至第20実施形態では、静電像担持体1の非画像形成領域を帯電させないので、第15実施形態乃至第20実施形態を使用する画像形成装置の現像手段がネガーポジ現像方式である場合には、静電像担持体1の非画像形成領域は現像手段によりトナーが多数付着してしまい、不要なトナー消費をしてしまって排トナーが増大する。
【0113】
そこで、本発明の他の実施形態は、上記第15実施形態乃至第20実施形態をそれぞれ、現像手段がポジーポジ現像方式である画像形成装置に用いるようにしたものである。この画像形成装置は、例えば上述した電子写真方式画像形成装置において、現像手段としてポジーポジ現像方式の現像手段を備えたものである。従って、静電像担持体1の非画像形成領域は現像手段によるトナー付着がなくなり、不要なトナー消費が無くなって排トナーが減少する。
【0114】
このように、この実施形態は、上記第15実施形態乃至第20実施形態において、前記現像手段は前記静電像担持体上の前記静電潜像をポジーポジ現像方式で現像するので、不要なトナー消費を防止することができる。
【0115】
図35は、上記第19実施形態において、電磁波照射装置21〜216のうちの駆動する電磁波照射装置の数を変えて静電像担持体1の長軸方向(移動方向と垂直な方向)の電位分布を測定した結果を示す。ここに、電磁波照射装置21〜216としてはピークエネルギーが約1.5[keV]の軟X線を照射する軟X線源を用い、静電像担持体1と電磁波照射装置21〜216の電磁波照射孔との距離を10[mm]とし、各電磁波照射装置21〜216の電極には−3[KV]の電圧を印加した。
【0116】
静電像担持体1は、半径40mm、長さ340mmのOPCを用いた。静電像担持体1は200mm/sの線速で移動させながら帯電し、途中で静電像担持体1を停止させて静電像担持体1上の電位を測定した。この測定の条件1は電磁波照射装置21〜216全て及びこれらに付属する電極全てを駆動した場合である。測定の条件2は、電磁波照射装置21〜216のうち4つの電磁波照射装置21,22,215,216を非駆動とし、かつ、これらの電磁波照射装置21,22,215,216に付属する電極を非駆動とした。稼動した電磁波照射装置は12個の電磁波照射装置23〜214である。
【0117】
測定の条件3は、電磁波照射装置21〜216のうち8つの電磁波照射装置21〜24,213〜216を非駆動とし、かつ、これらの電磁波照射装置21〜24,213〜216に付属する電極を非駆動とした。これらの測定では、トレック社の表面電位計(model344)を用い、静電像担持体1の長軸方向に1cmのピッチで移動させながら静電像担持体1上の電位を測定した。
【0118】
図35から分かるようにOPCが450V以上に帯電する幅は、条件1では約300mm、条件2では230mm、条件3では130mmとなった。例えば記録部材として葉書(100×150mm)程度のサイズのものを用いる場合には、条件2又は条件3で十分であることが分かる。この場合、条件2を用いるか、条件3を用いるかは記録部材の通紙方向によって(短辺と長辺のいずれを搬送方向とするかによって)決まる。消費電力に関しては、条件1に比較して、条件2では3/4、条件3では1/2となり、かなりの省エネルギー化ができた。
【0119】
【発明の効果】
以上のように請求項1に係る発明によれば、移動する静電像担持体上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体の表面に沿って前記静電像担持体の移動方向と垂直な方向に配置された複数の電磁波照射装置からなり電磁波照射孔から前記静電像担持体上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体に対して略垂直に照射して付着させるための電界を形成する電界形成手段とを備え、前記複数の電磁波照射装置と前記電磁波照射孔とが1対1に対応し、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置の電磁波照射孔に電圧を印加し、前記個々の電磁波照射装置の間の空間に前記電磁波照射孔と平行で電圧が印加される電極を設けたので、オゾンを発生せず、効率良く帯電電界を形成することができると共に、帯電の均一性を向上させることができ、更に印加電圧の極性により帯電極性を任意に決めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す概略図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す概略図である。
【図5】同第4実施形態の一部を示す概略図である。
【図6】本発明の第5実施形態を示す概略図である。
【図7】本発明の第6実施形態を示す概略図である。
【図8】本発明の第7実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明の第8実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の第9実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の第10実施形態を示す概略図である。
【図12】本発明の第11実施形態を示す概略図である。
【図13】本発明の第12実施形態を示す概略図である。
【図14】本発明の第13実施形態を示す概略図である。
【図15】本発明の第1実施例における電磁波照射装置の個数と最大帯電速度との関係を調べた結果を示す図である。
【図16】本発明の第2実施例を示す概略図である。
【図17】同第2実施例の帯電性能を評価した結果を示す図である。
【図18】本発明の第4実施例を示す概略図である。
【図19】本発明の第5実施例を示す概略図である。
【図20】同第5実施例の帯電性能を評価した結果を示す図である。
【図21】本発明の第6実施例を示す概略図である。
【図22】同第6実施例における2つの軟X線照射装置群の感光体長手方向のずれ量と最大帯電速度との関係を示す図である。
【図23】本発明の第7実施例を示す概略図である。
【図24】上記第8実施形態を静電像担持体1端面側から見た概略図である。
【図25】本発明の第9実施例を示す概略図である。
【図26】同第9実施例を説明するための図である。
【図27】同第9実施例を説明するための図である。
【図28】本発明の第15実施形態を示す概略図である。
【図29】本発明の第16実施形態を示す概略図である。
【図30】本発明の第17実施形態を示す概略図である。
【図31】本発明の第18実施形態を示す概略図である。
【図32】同第18実施形態を説明するための図である。
【図33】本発明の第19実施形態を示す概略図である。
【図34】本発明の第20実施形態を示す概略図である。
【図35】上記第19実施形態において電磁波照射装置の駆動数を変えて静電像担持体長軸方向の電位分布を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 静電像担持体
1a 画像形成領域
1b 非画像形成領域
21,22,23・・・、81,82,83・・・ 電磁波照射装置
3 グリッド
41,42,43・・・、91,92,93・・・ 電磁波照射孔
5 直流電源
6、61,62,63・・・ 電極
7、71,72,73・・・ 電磁波遮蔽部材
101,102,103・・・ 補助電極
Claims (1)
- 移動する静電像担持体上に均一な帯電を行う画像形成装置の帯電装置であって、前記静電像担持体の表面に沿って前記静電像担持体の移動方向と垂直な方向に配置された複数の電磁波照射装置からなり電磁波照射孔から前記静電像担持体上の空間に電磁波を照射してイオンを生成させる電磁波照射装置群と、前記イオンを前記静電像担持体に対して略垂直に照射して付着させるための電界を形成する電界形成手段とを備え、前記複数の電磁波照射装置と前記電磁波照射孔とが1対1に対応し、前記電磁波照射装置群を構成する個々の電磁波照射装置の電磁波照射孔に電圧を印加し、前記個々の電磁波照射装置の間の空間に前記電磁波照射孔と平行で電圧が印加される電極を設けたことを特徴とする帯電装置。
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