JP2004157393A - コロナ帯電装置及びこれを備える画像形成装置及びプロセスユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の汚れによる帯電効率低下の少ない放電部材を備えるコロナ帯電装置を提供する。
【解決手段】コロナ帯電装置のシールド内の所定方向に張設され、高電圧を印加して被帯電体に放電する放電部材14を、導電性部材のワイヤー若しくはリボン状シート材で形成し、この放電部材14に螺旋状の放電表面を形成することにより、被放電体に対して広角的に放電領域が形成され放電面積も拡大することによって、表面の汚れが進行しても良好な放電状態が持続される。したがって、長期間に亘って高画質化が実現できる。
【選択図】 図2
【解決手段】コロナ帯電装置のシールド内の所定方向に張設され、高電圧を印加して被帯電体に放電する放電部材14を、導電性部材のワイヤー若しくはリボン状シート材で形成し、この放電部材14に螺旋状の放電表面を形成することにより、被放電体に対して広角的に放電領域が形成され放電面積も拡大することによって、表面の汚れが進行しても良好な放電状態が持続される。したがって、長期間に亘って高画質化が実現できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被帯電体、例えば、像担持体としての感光体ドラム表面を帯電させるコロナ帯電装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コロナ帯電装置、例えば、コロトロン或いはスコロトロンチャージャー装置では、シールド内に放電ワイヤーを張設し、この放電ワイヤーから感光体ドラムの表面に放電して帯電する。このコロナ帯電装置の放電ワイヤーは線径0.1〜1.0mmの導電性部材(例えば、タングステン等)の1本の線材で形成されており、シールド内の両側に設けられている支持部材に支持され、一端部をバネ部材により付勢され張設されている(例えば、特許文献1参照。)。この放電ワイヤーの表面が汚れると、帯電効率が低下し画質の低下を招くため、定期的にクリーニング装置により自動あるいは手動でクリーニングしていた。
【0003】
また、クリーニング装置は、一対のCRゴム材等のクリーニングパッドを備え、これらのクリーニングパッドで放電ワイヤーを挟圧しながら放電ワイヤーの長さ方向に移動することにより、放電ワイヤーをクリーニングする。また、クリーニング操作時に、放電ワイヤー表面に圧接するクリーニングパッドの接触位置を変化させるクリーニング装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10―78692号公報(図2、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように1本の放電ワイヤーを張設しているコロナ帯電装置では、その放電ワイヤーの表面はトナーの機内での飛散あるいは、紙粉、放電生成物(例えば、Nox等)等の付着により汚れる。放電ワイヤーの表面が汚れると放電が不安定となり帯電効率が低下し、画質不良が発生していた。つまり、画像形成時において、感光体ドラムの回転方向に局部的な帯電不良となり、現像装置により感光体ドラム表面に画像信号に含まれない感光体ドラムの回転方向にトナー画像(縦スジ)が形成され、このトナー画像が用紙表面に転写されて、画像情報に無い画像(例えば、縦スジや細線)として用紙P表面に現れ画質不良となっていた。そのため、機内のトナー飛散を抑える空気流路を形成して放電ワイヤーへの異物付着の抑制と、機内での帯電装置の配置位置およびクリーニング方法等を改善して画質不良の低減を図っていた。
【0006】
また、上記の特許文献1に示されるクリーニング装置は、クリーニング部材の一ヶ所を集中的に汚すことなく操作して、クリーニングパッドの耐久性を改善することでクリーニング性を維持している。しかしながら、画像形成開始時点から放電ワイヤーの汚れを定期的にクリーニングしないで連続して画像形成すると、良好な画質で画像形成される用紙の枚数を増大させることが出来なかった。
【0007】
さらに、画像形成装置において、トナーに外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤を用いる現像方式の現像装置が開発されている。この外添磁性粉体は、トナーの平均粒径より小粒径の微粉体であることから、トナーより剥離飛翔し易く放電ワイヤーが汚れ易かった。さらに、外添磁性粉体は金属粉末の磁性材料で形成されており、この外添磁性粉体が放電ワイヤーの表面に付着すると、トナー、放電生成物等の汚れよりも早期に放電不良を発生させる問題があった。また、付着した磁性粉体は、クリーニング装置による除去および清掃が困難という問題があった。また、放電ワイヤーのクリーニングの回数を重ねる毎に、良好な画質で画像形成される積算枚数が除々に減少する傾向にあった。つまり、クリーニングの回数を重ねる毎にクリーニング性が低下する問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、表面の汚れによる帯電効率低下の少ない放電部材を備えるコロナ帯電装置を提供し、また、画質不良の発生を抑えて長期間に亘り高画質化を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたコロナ帯電装置で、シールドケース内の所定方向に張設され、高電圧を印加して放電により被帯電体を帯電する導電性部材の放電部材に、螺旋状の放電表面が形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は上述のコロナ帯電装置と現像装置とを像担持体の周囲に配置するプロセスユニットを装置本体に着脱自在に装着して、装置本体の下方部に設けられた給紙装置から像担持体方向に供給される用紙を略縦搬送路に沿って搬送し、コロナ帯電装置により帯電される像担持体に露光装置により形成される静電潜像が現像されて、現像されて形成されたトナー像を転写装置により転写して、転写されたトナー像を定着装置により定着された用紙を装置本体外に排出する画像形成装置である。そして、上述の像担持体が、回転自在に支持されている感光体ドラムで構成され、この感光体ドラム表面に残留するトナーを掻き落とためのクリーニング装置を前記感光体ドラム上方に設け、このクリーニング装置のクリーニングブレードと同一極方向で、感光体ドラムの回転方向に対してクリーニング装置の下方の放電部材から感光体ドラム中心を俯瞰する位置に、上述のコロナ帯電装置を配設することを特徴としている。
【0011】
以上構成の本発明によれば、コロナ帯電装置の放電部材の汚れが進行しても良好な放電状態が長期間持続され、長期間に亘り高画質化を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による実施の形態を、図面に沿って説明する。図1は本発明の実施形態に係るコロナ帯電装置を備える画像形成装置の構成要素の配置を示す概略構成図、図2は本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図、図3は本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図、図4は本発明の実施形態に係るコロナ帯電装置と従来のコロナ帯電装置ごとの連続通紙試験の結果を示したグラフである。
【0013】
図1において、図中の1は例えば複写機として構成される画像形成装置本体(以下、装置本体と称する)である。一点鎖線で示す2は装置本体1の画像形成手段を構成するプロセスユニットで、像担持体としての外径30mmの感光体ドラム3が回転自在に設けられている。感光体ドラム3の周囲には、その回転方向(矢印3a)に沿って、被帯電体としての感光体ドラム3を所定の電位に帯電するコロナ帯電装置4と、プロセスユニット2に隣接して配設されているレーザスキャンユニット7と、このレーザスキャンユニット7から仰角方向に照射されるレーザビームの露光により、感光体ドラム3に形成された静電潜像にトナーを供給することで現像を行う現像装置5と、この現像装置5により現像されて感光体ドラム3に形成されたトナー像を用紙Pの表面に転写させる転写装置10と、感光体ドラム3の表面に残ったトナーを掻き落とすクリーニング装置6が配設されている。
【0014】
上述のプロセスユニット2には感光体ドラム3の周辺に、コロナ帯電装置4、現像装置5およびクリーニング装置6が一体的に組込まれ、若しくは連結可能に形成された支持手段(図示しない)により支持されて、装置本体1に着脱自在に装着されている。上述の現像装置5の内部では、別途設けられているトナー容器(図示しない)から補給されるトナーと外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤が現像ローラ5aに攪拌搬送されている。
【0015】
装置本体1の機内には制御装置15が設けられている。この制御装置15は、図示しない外部装置(例えば、コネクタ15aに接続するホストコンピュータ等)との間の画像情報等の送受信処理と、外部装置の画像情報および読取装置16の読取画像情報に基づく画像信号の生成処理と、装置本体1の構成機構部の駆動制御と画像形成タイミングに基づく画像形成処理動作等を制御する。この制御装置15により生成される画像信号は上述のレーザスキャンユニット7に送信され、このレーザスキャンユニット7は画像形成タイミングに従って画像信号に基づいたレーザビームを照射して感光体ドラム3に静電潜像を形成する。
【0016】
装置本体1の上部には、原稿を読取面16aに載置し、原稿面を走査して画像を読み取る読取装置16が設けられている。さらに、装置本体1の下方部で、プロセスユニット2の下方に給紙装置8を備え、制御装置15の制御により用紙Pを感光体ドラム2に向かって供給する。この給紙装置8は、印字される用紙Pの種類に応じて複数の給紙装置8a、8bが増設可能に形成されている。9は略縦搬送経路で、給紙装置8により供給された用紙Pを、矢印方向9aに所定の印字タイミングに従い感光体ドラム3と転写装置10との間隙に搬送し、画像形成後の用紙Pを排出ローラ対12まで搬送する。この略縦搬送経路9には、図示しない搬送ローラ対や案内手段が設けられている。転写装置10は、シールドケース内に放電ワイヤー10aが張設され、図示しない定電流発生装置に接続され、所定の転写バイヤスが印加されるようになっている。11は転写装置10により用紙P表面に転写されたトナー画像を定着する定着装置である。12は定着装置11によりトナー画像を定着された用紙Pの画像面を下方にして排出(矢印方向12aに)する排出ローラ対である。13は胴内排紙載置部で、排出ローラ対12により排出され積載される用紙Pの先端が用紙Pの後端側より高位置になるような傾斜部分が設けられている。
【0017】
さらに、上述のコロナ帯電装置4は、感光体ドラム3の回転軸3bより上方に配置されたクリーニング装置6に備えられるクリーニングブレード6aと同一極方向で、このクリーニング装置6に対して感光体ドラム3の回転方向の下流側下方に配設され、且つ、放電部材14から感光体ドラム3の回転軸3b中心を俯瞰する位置に配設されている。また、コロナ帯電装置4内の本発明に係る放電部材14は、装置本体1の機内に設けられている高電圧発生装置(図示しない)に接続され、制御装置15による画像形成タイミングに基づき所定の電位が印加される。そして、この放電部材14は、コロナ帯電装置4の内に用紙Pの搬送方向に対して直交している感光体ドラム3の回転軸方向に張設されている。
【0018】
図2(a)は本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置4の構成を示すものである。また、図2(a)のA―A断面を図2(b)に示した。本発明によるコロナ帯電装置4は、断面略コ字状のシールドケース17と、開口側にグリッドシート20を備え、このシールドケース17内に放電部材として、線径0.7mmの2本の酸化タングステンワイヤー14a、14bで形成されているスパイラルチャージワイヤー14(以下、チャージワイヤー14と称す)が、シールドケース17の両端部に設けられている支持ブロック19a、19bに支持され、一端部をコイルスプリング18により付勢されて張設されている。このチャージワイヤー14は、長さの調整された酸化タングステンワイヤー(14a≦14b)で構成され、タングステンワイヤー14aを主軸として酸化タングステンワイヤー14bを密着して絡めて、若しくは縄状に絡ませて螺旋状の放電表面を形成している。
【0019】
このチャージワイヤー14の他端は、図1に示す装置本体1の筐体内部に設けられる高電圧発生装置に電気的に接続されている。さらに、グリッドシート20には、図示しないグリッド電圧発生装置からグリッド電圧が印加される。また、シールドケース17にはチャージワイヤー14をクリーニングするための開口孔17aが設けられている。装置本体1が通常動作時には、開口孔17aの防塵のために遮蔽する図示しない遮蔽手段が設けられている。
【0020】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置40を示すものである。なお、上述の図2に示した第1の実施形態と同一の構成は同一符号を用いて説明する。コロナ帯電装置40は、断面略コ字状のシールドケース17とグリッドシート20を備える。このシールドケース17内に放電部材として、材厚0.5mmで、幅3.0mmの酸化タングステン製のリボン状シート材からなるスパイラルリボンチャージワイヤー14c(以下、チャージワイヤー14cと称す)が、シールドケース17の両端部に設けられている支持ブロック19a、19bに支持され、一端部をコイルスプリング18により付勢されて張設さている。このチャージワイヤー14cは、上述の酸化タングステン製シート材を0.5〜2.0mmの範囲で等寸法の間隙14dを設けて、螺旋状にカールして成形されている。ここでは、外径が略2.0mmの略パイプ状にフォーミングされて螺旋状の放電表面を形成している。
【0021】
このチャージワイヤー14cの他端は、図1に示す装置本体1の筐体内部に設けられる高電圧発生装置に電気的に接続されている。さらに、グリッドシート20には、図示しないグリッド電圧発生装置からグリッド電圧が印加される。また、シールドケース17にはチャージワイヤー14cをクリーニングするための開口孔17aが設けられている。装置本体1が通常動作時には、開口孔17aの防塵のために遮蔽する図示しない遮蔽手段が設けられている。
【0022】
次に、図1乃至図4を参照して、画質不良の発生頻度を比較するために行った連続通紙試験の結果について説明する。図4は連続通紙試験の結果を示したグラフである。即ち、上述のトナーに外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤を用いた現像装置5と、図2に示した本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置4(以下、第1の実施形態と称する)と、図3に示した本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置40(以下、第2の実施形態と称する)および従来のコロナ帯電装置(以下、放電ワイヤーと称する)と、を備える各々のプロセスユニット2を装置本体1に装着し、同一環境条件下で所定の画像密度パターンの連続通紙試験を行い、画質不良の発生しなかった用紙Pの枚数を計数した結果を示した。従来の放電ワイヤーは、線径0.7mmの酸化タングステンワイヤーで形成されたものを用いている。同試験では、装置本体1のグリッド電圧発生装置よりグリッドシート20に印加するグリッドバイヤス電圧を―700〜―800Vに調整しながら、高電圧発生装置から略―700μAの定電流が導通するように印加される高電圧により各々の放電部材を介して、感光体ドラム3に供給される表面電位(帯電電位)は、―650Vに設定されている。
【0023】
上述の帯電条件下で、第1の実施形態のチャージワイヤー14を定期的にクリーニングせずに、帯電効率低下による画質不良(縦スジ、細線等)が発生するまで連続通紙し、画質不良発生直後にチャージワイヤー14の1回目のクリーニングを行い再び画質不良が発生するまで連続通紙し、同様にして、2回目のクリーニング以降もクリーニング直後から再び画質不良が発生するまで連続通紙を繰り返し行った。クリーニング後から画質不良発生後に行う次のクリーニングまでの間(以下、クリーニング間隔と称する)に、帯電効率低下を原因とする画質不良の無い良好な画質で通紙された用紙Pの枚数を計数して、クリーニング間隔毎の通紙枚数と通紙積算枚数を図4に示した。これら通紙試験は、良好な画質で通紙された用紙Pの積算枚数が、装置本体1の製品仕様(プロセスユニット2の画質保障枚数)として定められている通紙積算枚数33,000枚に対して、略2倍の積算枚数60,000枚に到達するまでを目処として連続通紙試験を行った。
【0024】
さらに、本発明の第2の実施形態と、従来の放電ワイヤーを備えるプロセスユニット2についても、上述と同様の方法で連続通紙試験を行い、帯電効率低下を原因とする画質不良が発生するまでに通紙された用紙Pの枚数を計数し、クリーニング間隔毎の良好な画質で通紙された用紙Pの枚数と通紙積算枚数を図4に示した。
【0025】
図4によると、従来の放電ワイヤーでは初期通紙枚数が7,600枚未満であったのに対して、第1の実施形態では初期通紙枚数が略15,000枚と略2倍の枚数となっている。また、第2の実施形態においても略13,000枚となっている。したがって、本発明の第1、第2の実施形態ともに、帯電効率低下による画質低下の発生までの間隔が従来の実施形態に比べて大幅に拡大されており、長期に亘り高画質化が実現する。
【0026】
さらに、第1の実施形態におけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数15,000枚から、13,200枚、14,000枚、14,000枚、12,400枚となり、5回目のクリーニング時までに積算枚数が68,600枚に到達した。第2の実施形態におけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数13,000枚から、12,600枚、12,600枚、10,600枚、9,600枚となり、5回目のクリーニング時までに積算枚数が58,400枚に到達した。しかしながら、従来の放電ワイヤーにおけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数7,600枚から、7,400枚、6,000枚、5,400枚、4,800枚、4,600枚、4,200枚、3,800枚となり除々に減少する傾向を示した。そして、8回目のクリーニング時点で到達した積算枚数は43,800枚であった。
【0027】
そして、第1、第2の実施形態ともに連続通紙の積算枚数33,000枚には2回目のクリーニング後に到達したが、従来の放電ワイヤーおいては5回目のクリーニング後に到達している。つまり、本発明の第1、第2の実施形態のいずれにおいても、上述の画質保障枚数に到達するまでに要するクリーニング回数が、従来に比して5回から2回に低減している。したがって、ユーザーあるいはサービスマンの定期的なメンテナンスによるクリーニングの煩わしさが軽減されサービス性の向上が図れるとともに、長期に亘って良好な画像を得ることが出来る
【0028】
なお、連続通紙試験では、トナーに外添磁性粉体のキャリヤーを含む現像剤の現像装置5を用いたが、作用効果はこれらの組み合わせに限定されるものではなく、他の現像方式(例えば、非磁性二成分の現像剤)からなる現像装置を具備するプロセスユニットのコロナ帯電装置4に適用しても良い。上述したように、金属粉末の外添磁性粉体はトナーより剥離飛翔し易く放電ワイヤーに付着し易い特性を有しているが、外添磁性粉体を用いない他の現像装置を具備するプロセスユニットの場合、チャージャーワイヤー14をクリーニングせずに、プロセスユニットの画質保障枚数(30,000枚)以上の連続通紙ができた。したがって、現像剤の異なる現像装置を備えるプロセスユニットでは、放電部材のクリーニング装置が不要である。つまり、本発明のコロナ帯電装置と種々の現像剤および現像装置との組合せによっては、放電部材のクリーニング装置の廃止、或いは簡素化が図れる。
【0029】
さらに、第1、第2の実施形態で示したチャージワイヤー14、14cの外形寸法を限定するものではなく、各種現像方式や現像剤等により異なる感光体ドラムの適正な帯電電位に応じて調整可能である。さらに、上述の本発明の実施形態では、コロナ帯電装置の被帯電体を感光体ドラムとしたが、感光体ベルト等の像担持体のコロナ帯電装置にも適用できる。また、転写装置10内に張設され、所定の転写バイヤスを印加して放電する放電ワイヤー10aに適用しても良い。
【0030】
また、本発明の第1、第2の実施形態において、導電性部材として、酸化タングステン製のワイヤーとリボン状シート材を用いたが、金属製の導電性部材に限定されるものではない。他に、導電性材料を合成樹脂内に分散させた非金属製の導電性部材、金属製若しくは非金属製の導電性部材の表面にさらに高導電率の金属皮膜が形成された高導電性部材および金属合金等の種々の導電性部材から形成された放電部材をシールド内に張設して、高電圧を印加して像担持体表面を帯電するコロナ帯電装置に適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、コロナ帯電装置のシールド内の所定方向に張設され、高電圧を印加して被帯電体に放電する放電部材を、導電性部材のワイヤー(線材)、若しくはリボン状シート材で形成し、この放電部材に螺旋状の放電表面を形成することにより、被放電体に対して広角的に放電領域が形成され放電面積も拡大することによって、放電部材の表面の汚れが進行しても長期に亘り良好な放電状態が持続される。したがって、放電部材のクリーニングの回数も低減され、長期間に亘って高画質化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコロナ帯電装置を備える画像形成装置の構成要素の配置を示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図。
【図4】コロナ帯電装置ごとの連続通紙試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ・・画像形成装置
2 ・・プロセスユニット
3 ・・感光体ドラム
4、40 ・・本発明の帯電装置
5 ・・現像装置
6 ・・クリーニング装置
7 ・・レーザスキャンユニット
8a,8b ・・給紙装置
10 ・・転写装置
11 ・・定着装置
12 ・・排出ローラ対
13 ・・胴内排紙載置部
14、14c ・・チャージャーワイヤー(放電部材)
17 ・・シールドケース
18 ・・コイルスプリング
19a,19b・・支持ブロック
20 ・・グリッドシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、被帯電体、例えば、像担持体としての感光体ドラム表面を帯電させるコロナ帯電装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コロナ帯電装置、例えば、コロトロン或いはスコロトロンチャージャー装置では、シールド内に放電ワイヤーを張設し、この放電ワイヤーから感光体ドラムの表面に放電して帯電する。このコロナ帯電装置の放電ワイヤーは線径0.1〜1.0mmの導電性部材(例えば、タングステン等)の1本の線材で形成されており、シールド内の両側に設けられている支持部材に支持され、一端部をバネ部材により付勢され張設されている(例えば、特許文献1参照。)。この放電ワイヤーの表面が汚れると、帯電効率が低下し画質の低下を招くため、定期的にクリーニング装置により自動あるいは手動でクリーニングしていた。
【0003】
また、クリーニング装置は、一対のCRゴム材等のクリーニングパッドを備え、これらのクリーニングパッドで放電ワイヤーを挟圧しながら放電ワイヤーの長さ方向に移動することにより、放電ワイヤーをクリーニングする。また、クリーニング操作時に、放電ワイヤー表面に圧接するクリーニングパッドの接触位置を変化させるクリーニング装置が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10―78692号公報(図2、図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように1本の放電ワイヤーを張設しているコロナ帯電装置では、その放電ワイヤーの表面はトナーの機内での飛散あるいは、紙粉、放電生成物(例えば、Nox等)等の付着により汚れる。放電ワイヤーの表面が汚れると放電が不安定となり帯電効率が低下し、画質不良が発生していた。つまり、画像形成時において、感光体ドラムの回転方向に局部的な帯電不良となり、現像装置により感光体ドラム表面に画像信号に含まれない感光体ドラムの回転方向にトナー画像(縦スジ)が形成され、このトナー画像が用紙表面に転写されて、画像情報に無い画像(例えば、縦スジや細線)として用紙P表面に現れ画質不良となっていた。そのため、機内のトナー飛散を抑える空気流路を形成して放電ワイヤーへの異物付着の抑制と、機内での帯電装置の配置位置およびクリーニング方法等を改善して画質不良の低減を図っていた。
【0006】
また、上記の特許文献1に示されるクリーニング装置は、クリーニング部材の一ヶ所を集中的に汚すことなく操作して、クリーニングパッドの耐久性を改善することでクリーニング性を維持している。しかしながら、画像形成開始時点から放電ワイヤーの汚れを定期的にクリーニングしないで連続して画像形成すると、良好な画質で画像形成される用紙の枚数を増大させることが出来なかった。
【0007】
さらに、画像形成装置において、トナーに外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤を用いる現像方式の現像装置が開発されている。この外添磁性粉体は、トナーの平均粒径より小粒径の微粉体であることから、トナーより剥離飛翔し易く放電ワイヤーが汚れ易かった。さらに、外添磁性粉体は金属粉末の磁性材料で形成されており、この外添磁性粉体が放電ワイヤーの表面に付着すると、トナー、放電生成物等の汚れよりも早期に放電不良を発生させる問題があった。また、付着した磁性粉体は、クリーニング装置による除去および清掃が困難という問題があった。また、放電ワイヤーのクリーニングの回数を重ねる毎に、良好な画質で画像形成される積算枚数が除々に減少する傾向にあった。つまり、クリーニングの回数を重ねる毎にクリーニング性が低下する問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、表面の汚れによる帯電効率低下の少ない放電部材を備えるコロナ帯電装置を提供し、また、画質不良の発生を抑えて長期間に亘り高画質化を実現できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたコロナ帯電装置で、シールドケース内の所定方向に張設され、高電圧を印加して放電により被帯電体を帯電する導電性部材の放電部材に、螺旋状の放電表面が形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は上述のコロナ帯電装置と現像装置とを像担持体の周囲に配置するプロセスユニットを装置本体に着脱自在に装着して、装置本体の下方部に設けられた給紙装置から像担持体方向に供給される用紙を略縦搬送路に沿って搬送し、コロナ帯電装置により帯電される像担持体に露光装置により形成される静電潜像が現像されて、現像されて形成されたトナー像を転写装置により転写して、転写されたトナー像を定着装置により定着された用紙を装置本体外に排出する画像形成装置である。そして、上述の像担持体が、回転自在に支持されている感光体ドラムで構成され、この感光体ドラム表面に残留するトナーを掻き落とためのクリーニング装置を前記感光体ドラム上方に設け、このクリーニング装置のクリーニングブレードと同一極方向で、感光体ドラムの回転方向に対してクリーニング装置の下方の放電部材から感光体ドラム中心を俯瞰する位置に、上述のコロナ帯電装置を配設することを特徴としている。
【0011】
以上構成の本発明によれば、コロナ帯電装置の放電部材の汚れが進行しても良好な放電状態が長期間持続され、長期間に亘り高画質化を実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による実施の形態を、図面に沿って説明する。図1は本発明の実施形態に係るコロナ帯電装置を備える画像形成装置の構成要素の配置を示す概略構成図、図2は本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図、図3は本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図、図4は本発明の実施形態に係るコロナ帯電装置と従来のコロナ帯電装置ごとの連続通紙試験の結果を示したグラフである。
【0013】
図1において、図中の1は例えば複写機として構成される画像形成装置本体(以下、装置本体と称する)である。一点鎖線で示す2は装置本体1の画像形成手段を構成するプロセスユニットで、像担持体としての外径30mmの感光体ドラム3が回転自在に設けられている。感光体ドラム3の周囲には、その回転方向(矢印3a)に沿って、被帯電体としての感光体ドラム3を所定の電位に帯電するコロナ帯電装置4と、プロセスユニット2に隣接して配設されているレーザスキャンユニット7と、このレーザスキャンユニット7から仰角方向に照射されるレーザビームの露光により、感光体ドラム3に形成された静電潜像にトナーを供給することで現像を行う現像装置5と、この現像装置5により現像されて感光体ドラム3に形成されたトナー像を用紙Pの表面に転写させる転写装置10と、感光体ドラム3の表面に残ったトナーを掻き落とすクリーニング装置6が配設されている。
【0014】
上述のプロセスユニット2には感光体ドラム3の周辺に、コロナ帯電装置4、現像装置5およびクリーニング装置6が一体的に組込まれ、若しくは連結可能に形成された支持手段(図示しない)により支持されて、装置本体1に着脱自在に装着されている。上述の現像装置5の内部では、別途設けられているトナー容器(図示しない)から補給されるトナーと外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤が現像ローラ5aに攪拌搬送されている。
【0015】
装置本体1の機内には制御装置15が設けられている。この制御装置15は、図示しない外部装置(例えば、コネクタ15aに接続するホストコンピュータ等)との間の画像情報等の送受信処理と、外部装置の画像情報および読取装置16の読取画像情報に基づく画像信号の生成処理と、装置本体1の構成機構部の駆動制御と画像形成タイミングに基づく画像形成処理動作等を制御する。この制御装置15により生成される画像信号は上述のレーザスキャンユニット7に送信され、このレーザスキャンユニット7は画像形成タイミングに従って画像信号に基づいたレーザビームを照射して感光体ドラム3に静電潜像を形成する。
【0016】
装置本体1の上部には、原稿を読取面16aに載置し、原稿面を走査して画像を読み取る読取装置16が設けられている。さらに、装置本体1の下方部で、プロセスユニット2の下方に給紙装置8を備え、制御装置15の制御により用紙Pを感光体ドラム2に向かって供給する。この給紙装置8は、印字される用紙Pの種類に応じて複数の給紙装置8a、8bが増設可能に形成されている。9は略縦搬送経路で、給紙装置8により供給された用紙Pを、矢印方向9aに所定の印字タイミングに従い感光体ドラム3と転写装置10との間隙に搬送し、画像形成後の用紙Pを排出ローラ対12まで搬送する。この略縦搬送経路9には、図示しない搬送ローラ対や案内手段が設けられている。転写装置10は、シールドケース内に放電ワイヤー10aが張設され、図示しない定電流発生装置に接続され、所定の転写バイヤスが印加されるようになっている。11は転写装置10により用紙P表面に転写されたトナー画像を定着する定着装置である。12は定着装置11によりトナー画像を定着された用紙Pの画像面を下方にして排出(矢印方向12aに)する排出ローラ対である。13は胴内排紙載置部で、排出ローラ対12により排出され積載される用紙Pの先端が用紙Pの後端側より高位置になるような傾斜部分が設けられている。
【0017】
さらに、上述のコロナ帯電装置4は、感光体ドラム3の回転軸3bより上方に配置されたクリーニング装置6に備えられるクリーニングブレード6aと同一極方向で、このクリーニング装置6に対して感光体ドラム3の回転方向の下流側下方に配設され、且つ、放電部材14から感光体ドラム3の回転軸3b中心を俯瞰する位置に配設されている。また、コロナ帯電装置4内の本発明に係る放電部材14は、装置本体1の機内に設けられている高電圧発生装置(図示しない)に接続され、制御装置15による画像形成タイミングに基づき所定の電位が印加される。そして、この放電部材14は、コロナ帯電装置4の内に用紙Pの搬送方向に対して直交している感光体ドラム3の回転軸方向に張設されている。
【0018】
図2(a)は本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置4の構成を示すものである。また、図2(a)のA―A断面を図2(b)に示した。本発明によるコロナ帯電装置4は、断面略コ字状のシールドケース17と、開口側にグリッドシート20を備え、このシールドケース17内に放電部材として、線径0.7mmの2本の酸化タングステンワイヤー14a、14bで形成されているスパイラルチャージワイヤー14(以下、チャージワイヤー14と称す)が、シールドケース17の両端部に設けられている支持ブロック19a、19bに支持され、一端部をコイルスプリング18により付勢されて張設されている。このチャージワイヤー14は、長さの調整された酸化タングステンワイヤー(14a≦14b)で構成され、タングステンワイヤー14aを主軸として酸化タングステンワイヤー14bを密着して絡めて、若しくは縄状に絡ませて螺旋状の放電表面を形成している。
【0019】
このチャージワイヤー14の他端は、図1に示す装置本体1の筐体内部に設けられる高電圧発生装置に電気的に接続されている。さらに、グリッドシート20には、図示しないグリッド電圧発生装置からグリッド電圧が印加される。また、シールドケース17にはチャージワイヤー14をクリーニングするための開口孔17aが設けられている。装置本体1が通常動作時には、開口孔17aの防塵のために遮蔽する図示しない遮蔽手段が設けられている。
【0020】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置40を示すものである。なお、上述の図2に示した第1の実施形態と同一の構成は同一符号を用いて説明する。コロナ帯電装置40は、断面略コ字状のシールドケース17とグリッドシート20を備える。このシールドケース17内に放電部材として、材厚0.5mmで、幅3.0mmの酸化タングステン製のリボン状シート材からなるスパイラルリボンチャージワイヤー14c(以下、チャージワイヤー14cと称す)が、シールドケース17の両端部に設けられている支持ブロック19a、19bに支持され、一端部をコイルスプリング18により付勢されて張設さている。このチャージワイヤー14cは、上述の酸化タングステン製シート材を0.5〜2.0mmの範囲で等寸法の間隙14dを設けて、螺旋状にカールして成形されている。ここでは、外径が略2.0mmの略パイプ状にフォーミングされて螺旋状の放電表面を形成している。
【0021】
このチャージワイヤー14cの他端は、図1に示す装置本体1の筐体内部に設けられる高電圧発生装置に電気的に接続されている。さらに、グリッドシート20には、図示しないグリッド電圧発生装置からグリッド電圧が印加される。また、シールドケース17にはチャージワイヤー14cをクリーニングするための開口孔17aが設けられている。装置本体1が通常動作時には、開口孔17aの防塵のために遮蔽する図示しない遮蔽手段が設けられている。
【0022】
次に、図1乃至図4を参照して、画質不良の発生頻度を比較するために行った連続通紙試験の結果について説明する。図4は連続通紙試験の結果を示したグラフである。即ち、上述のトナーに外添磁性粉体のキャリヤーが含まれる現像剤を用いた現像装置5と、図2に示した本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置4(以下、第1の実施形態と称する)と、図3に示した本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置40(以下、第2の実施形態と称する)および従来のコロナ帯電装置(以下、放電ワイヤーと称する)と、を備える各々のプロセスユニット2を装置本体1に装着し、同一環境条件下で所定の画像密度パターンの連続通紙試験を行い、画質不良の発生しなかった用紙Pの枚数を計数した結果を示した。従来の放電ワイヤーは、線径0.7mmの酸化タングステンワイヤーで形成されたものを用いている。同試験では、装置本体1のグリッド電圧発生装置よりグリッドシート20に印加するグリッドバイヤス電圧を―700〜―800Vに調整しながら、高電圧発生装置から略―700μAの定電流が導通するように印加される高電圧により各々の放電部材を介して、感光体ドラム3に供給される表面電位(帯電電位)は、―650Vに設定されている。
【0023】
上述の帯電条件下で、第1の実施形態のチャージワイヤー14を定期的にクリーニングせずに、帯電効率低下による画質不良(縦スジ、細線等)が発生するまで連続通紙し、画質不良発生直後にチャージワイヤー14の1回目のクリーニングを行い再び画質不良が発生するまで連続通紙し、同様にして、2回目のクリーニング以降もクリーニング直後から再び画質不良が発生するまで連続通紙を繰り返し行った。クリーニング後から画質不良発生後に行う次のクリーニングまでの間(以下、クリーニング間隔と称する)に、帯電効率低下を原因とする画質不良の無い良好な画質で通紙された用紙Pの枚数を計数して、クリーニング間隔毎の通紙枚数と通紙積算枚数を図4に示した。これら通紙試験は、良好な画質で通紙された用紙Pの積算枚数が、装置本体1の製品仕様(プロセスユニット2の画質保障枚数)として定められている通紙積算枚数33,000枚に対して、略2倍の積算枚数60,000枚に到達するまでを目処として連続通紙試験を行った。
【0024】
さらに、本発明の第2の実施形態と、従来の放電ワイヤーを備えるプロセスユニット2についても、上述と同様の方法で連続通紙試験を行い、帯電効率低下を原因とする画質不良が発生するまでに通紙された用紙Pの枚数を計数し、クリーニング間隔毎の良好な画質で通紙された用紙Pの枚数と通紙積算枚数を図4に示した。
【0025】
図4によると、従来の放電ワイヤーでは初期通紙枚数が7,600枚未満であったのに対して、第1の実施形態では初期通紙枚数が略15,000枚と略2倍の枚数となっている。また、第2の実施形態においても略13,000枚となっている。したがって、本発明の第1、第2の実施形態ともに、帯電効率低下による画質低下の発生までの間隔が従来の実施形態に比べて大幅に拡大されており、長期に亘り高画質化が実現する。
【0026】
さらに、第1の実施形態におけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数15,000枚から、13,200枚、14,000枚、14,000枚、12,400枚となり、5回目のクリーニング時までに積算枚数が68,600枚に到達した。第2の実施形態におけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数13,000枚から、12,600枚、12,600枚、10,600枚、9,600枚となり、5回目のクリーニング時までに積算枚数が58,400枚に到達した。しかしながら、従来の放電ワイヤーにおけるクリーニング間隔毎の通紙枚数は、初期通紙枚数7,600枚から、7,400枚、6,000枚、5,400枚、4,800枚、4,600枚、4,200枚、3,800枚となり除々に減少する傾向を示した。そして、8回目のクリーニング時点で到達した積算枚数は43,800枚であった。
【0027】
そして、第1、第2の実施形態ともに連続通紙の積算枚数33,000枚には2回目のクリーニング後に到達したが、従来の放電ワイヤーおいては5回目のクリーニング後に到達している。つまり、本発明の第1、第2の実施形態のいずれにおいても、上述の画質保障枚数に到達するまでに要するクリーニング回数が、従来に比して5回から2回に低減している。したがって、ユーザーあるいはサービスマンの定期的なメンテナンスによるクリーニングの煩わしさが軽減されサービス性の向上が図れるとともに、長期に亘って良好な画像を得ることが出来る
【0028】
なお、連続通紙試験では、トナーに外添磁性粉体のキャリヤーを含む現像剤の現像装置5を用いたが、作用効果はこれらの組み合わせに限定されるものではなく、他の現像方式(例えば、非磁性二成分の現像剤)からなる現像装置を具備するプロセスユニットのコロナ帯電装置4に適用しても良い。上述したように、金属粉末の外添磁性粉体はトナーより剥離飛翔し易く放電ワイヤーに付着し易い特性を有しているが、外添磁性粉体を用いない他の現像装置を具備するプロセスユニットの場合、チャージャーワイヤー14をクリーニングせずに、プロセスユニットの画質保障枚数(30,000枚)以上の連続通紙ができた。したがって、現像剤の異なる現像装置を備えるプロセスユニットでは、放電部材のクリーニング装置が不要である。つまり、本発明のコロナ帯電装置と種々の現像剤および現像装置との組合せによっては、放電部材のクリーニング装置の廃止、或いは簡素化が図れる。
【0029】
さらに、第1、第2の実施形態で示したチャージワイヤー14、14cの外形寸法を限定するものではなく、各種現像方式や現像剤等により異なる感光体ドラムの適正な帯電電位に応じて調整可能である。さらに、上述の本発明の実施形態では、コロナ帯電装置の被帯電体を感光体ドラムとしたが、感光体ベルト等の像担持体のコロナ帯電装置にも適用できる。また、転写装置10内に張設され、所定の転写バイヤスを印加して放電する放電ワイヤー10aに適用しても良い。
【0030】
また、本発明の第1、第2の実施形態において、導電性部材として、酸化タングステン製のワイヤーとリボン状シート材を用いたが、金属製の導電性部材に限定されるものではない。他に、導電性材料を合成樹脂内に分散させた非金属製の導電性部材、金属製若しくは非金属製の導電性部材の表面にさらに高導電率の金属皮膜が形成された高導電性部材および金属合金等の種々の導電性部材から形成された放電部材をシールド内に張設して、高電圧を印加して像担持体表面を帯電するコロナ帯電装置に適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、コロナ帯電装置のシールド内の所定方向に張設され、高電圧を印加して被帯電体に放電する放電部材を、導電性部材のワイヤー(線材)、若しくはリボン状シート材で形成し、この放電部材に螺旋状の放電表面を形成することにより、被放電体に対して広角的に放電領域が形成され放電面積も拡大することによって、放電部材の表面の汚れが進行しても長期に亘り良好な放電状態が持続される。したがって、放電部材のクリーニングの回数も低減され、長期間に亘って高画質化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るコロナ帯電装置を備える画像形成装置の構成要素の配置を示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るコロナ帯電装置の構成を示す概略断面図。
【図4】コロナ帯電装置ごとの連続通紙試験結果を示すグラフ。
【符号の説明】
1 ・・画像形成装置
2 ・・プロセスユニット
3 ・・感光体ドラム
4、40 ・・本発明の帯電装置
5 ・・現像装置
6 ・・クリーニング装置
7 ・・レーザスキャンユニット
8a,8b ・・給紙装置
10 ・・転写装置
11 ・・定着装置
12 ・・排出ローラ対
13 ・・胴内排紙載置部
14、14c ・・チャージャーワイヤー(放電部材)
17 ・・シールドケース
18 ・・コイルスプリング
19a,19b・・支持ブロック
20 ・・グリッドシート
Claims (8)
- シールドケース内の所定方向に張設され、高電圧を印加して放電により被帯電体を帯電する放電部材を備えるコロナ帯電装置において、
導電性部材の前記放電部材に、螺旋状の放電表面が形成されていることを特徴とするコロナ帯電装置。 - 前記螺旋状の表面状態が、少なくとも2本以上の導電性ワイヤーを絡めて形成されていること特徴とする請求項1記載のコロナ帯電装置。
- 前記螺旋状の表面状態が、導電性部材のリボン状シート材を螺旋状に巻き上げて略パイプ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコロナ帯電装置。
- 前記放電部材が、表面に酸化皮膜の形成された金属製の導電性部材により形成されていること特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコロナ帯電装置。
- 前記放電部材が、導電性材料を合成樹脂内に分散させた非金属製の導電性部材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコロナ帯電装置。
- 前記放電部材が、金属製、若しくは非金属製の導電性部材の表面に、さらに高導電率の金属皮膜が形成された高導電性部材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のコロナ帯電装置。
- シールドケース内の所定方向に張設され、放電により被帯電体を帯電する螺旋状の放電表面が形成された放電部材を備えるコロナ帯電装置と、
前記コロナ帯電装置を具備し、装置本体に着脱自在に装着されるプロセスユニットと、
このプロセスユニットに設けられ、前記放電部材の放電により帯電される被帯電体としての像担持体と、
前記放電部材の放電により帯電された前記像担持体上に露光を行って静電潜像を形成する露光装置と、
前記プロセスユニットに設けられ、前記露光装置により前記像担持体に形成されている静電潜像にトナーを供給して現像する現像装置と、
前記現像装置により現像されたトナー像を搬送されている用紙に転写する転写装置と、
前記転写装置により前記用紙に転写されたトナー像を定着する定着装置と、
前記定着装置から搬送される前記用紙を装置本体外に排出する排出手段と、
装置本体の下方部に設けられ、前記用紙を像担持体方向に供給する給紙装置と、
前記給紙装置から供給される前記用紙を、上方に配置される前記転写装置と前記定着装置を経て前記排出手段までの略縦搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、
を具備することを特徴とする画像形成装置。 - 被記録媒体の略縦搬送路を備える画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスユニットであって、
像担持体としての感光体ドラムと、
前記感光体ドラムにトナーを供給して現像する現像装置と
前記感光体ドラムの上方に設け、前記感光体ドラム表面に残留するトナーを掻き落すためのクリーニング装置と、
シールドケース内の所定方向に張設され、放電により被帯電体を帯電する螺旋状の放電表面が形成された放電部材を備えるコロナ帯電装置と
を備え、前記クリーニング装置の下方で、前記コロナ帯電装置の放電部材から前記感光体ドラム中心を俯瞰する位置に前記コロナ帯電装置を配設することを特徴とするプロセスユニット。
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---|---|---|---|
JP2002324073A JP2004157393A (ja) | 2002-11-07 | 2002-11-07 | コロナ帯電装置及びこれを備える画像形成装置及びプロセスユニット |
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JP (1) | JP2004157393A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100465807C (zh) * | 2004-07-14 | 2009-03-04 | 施乐公司 | 具有两个销阵列的静电印刷充电装置 |
-
2002
- 2002-11-07 JP JP2002324073A patent/JP2004157393A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100465807C (zh) * | 2004-07-14 | 2009-03-04 | 施乐公司 | 具有两个销阵列的静电印刷充电装置 |
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