JP3385804B2 - フッ化物光ファイバ製造装置 - Google Patents

フッ化物光ファイバ製造装置

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JP3385804B2
JP3385804B2 JP16899295A JP16899295A JP3385804B2 JP 3385804 B2 JP3385804 B2 JP 3385804B2 JP 16899295 A JP16899295 A JP 16899295A JP 16899295 A JP16899295 A JP 16899295A JP 3385804 B2 JP3385804 B2 JP 3385804B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長距離伝送、赤外
光透過、光増幅等に用いられるフッ化物光ファイバの製
造装置に関し、特に強度の高いフッ化物光ファイバを製
造し得る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、希土類元素をコア中に添加した多
成分ガラス光ファイバ、特にフッ化物光ファイバはレー
ザや光ファイバ増幅器の活性媒体として注目されてお
り、その中でも、特にPr3+(プラセオジムイオン)を
コア中に添加したフッ化物光ファイバは光通信に重要な
波長帯である1.3μm帯において光増幅作用があるこ
とから、光ファイバ増幅器としての研究開発が盛んであ
る(例えば、応用物理、第62巻、第1号、1993、
大石 他、p.36参照)。
【0003】ところで、光ファイバを実用に供するため
には、機械的強度が重要なパラメータとなる。石英系の
光ファイバでは5〜6GPa(ギガパスカル)程度の強
度が得られている。これに対し、フッ化物系の光ファイ
バの場合は、そのフッ化物ガラス自体の固有の機械的強
度が石英ガラスの約3分の1程度と低いこと、並びにフ
ッ化物ガラス自体が結晶化し易く、光ファイバ製造時の
母材の加熱延伸工程あるいは線引き工程においてガラス
の一部が結晶化してしまう不都合があることから、これ
までの光ファイバ増幅器に用いられたフッ化物単一モー
ド光ファイバの機械的強度は300MPa(メガパスカ
ル)程度であり、実装に耐え得るレベルには達していな
いのが現状である。
【0004】しかるに、発明者はフッ化物光ファイバの
強度が十分でない原因として、従来の線引き装置が線引
き炉内部に外気が混入しやすい構造となっており、線引
き時に外気中に含まれる水分との反応によって酸化物結
晶がファイバ表面に発生し、このことがファイバの強度
を大きく劣化させていることを見いだした。この知見に
基づき、発明者は特開平7−61833号公報記載の発
明のように、従来の線引き装置に対し、線引き炉内部の
雰囲気を高純度化する(露点を下げる)改良を行った。
【0005】即ち、母材支持棒と、母材を加熱線引きす
る線引き炉と、線引きされたファイバに被覆を施すコー
ティング部とを少なくとも有するフッ化物光ファイバ製
造装置において、前記コーティング部を内部に露点−6
0℃以下の不活性ガスが供給されるグローブボックスで
構成し、かつ該グローブボックスと線引き炉とを連結
し、母材支持棒には支持棒表面を外気から遮断するため
の支持棒覆いを設けるという改良を行った。
【0006】この改良によって線引き炉内への外気の混
入を防ぎ、もって線引き炉内の雰囲気の露点を下げるこ
とにより、母材表面での結晶の発生を抑制し、高強度の
フッ化物ファイバを製造するようになした。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た装置では、線引き炉内への外気の混入は防止できたも
のの、線引き炉全体がベーキングできる構造となってい
なかったため、線引き炉の炉心管あるいは母材支持棒の
表面に吸着している水分の除去が不十分であり、さらな
る高強度ファイバの製造は困難であった。また、前記の
装置においてはグローブボックス内の雰囲気を循環精製
する装置がなかったため、グローブボックス内部の露点
を向上するには、高純度の不活性ガスを長時間流し続け
なくてはならないという問題があった。
【0008】本発明の目的は、高強度のフッ化物光ファ
イバを製造できる装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、コーティング部内部
の露点を効率良く向上でき、線引き炉における露点への
影響も少ない装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、フッ化物ファイバ母材を保持する母材
支持棒と、フッ化物ファイバ母材を加熱する線引き炉
と、該線引きされたフッ化物光ファイバをコーティング
するコーティング部とを少なくとも有するフッ化物光フ
ァイバ製造装置において、母材支持棒周囲の雰囲気と、
線引き炉内部の雰囲気と、コーティング部の雰囲気を外
気から遮断するための覆いを設けるとともに、コーティ
ング部の雰囲気を循環精製する装置を設け、さらに、内
部に加熱部材を有する母材支持棒を用いた。
【0011】これによって、ファイバ母材を加熱線引き
しコーティングを施すまでの一連の工程を外気から遮断
された高純度のガス雰囲気下で行うことができ、ファイ
バ母材の表面で雰囲気中に含まれる水分との反応によっ
て発生する結晶の析出を抑制することが可能となり、高
強度のフッ化物光ファイバを製造できる。また、コーテ
ィング部内部の雰囲気を強制的に循環精製する装置を設
けたことにより、コーティング部から線引き炉内へのガ
ス混入による露点の劣化を防止するとともに、コーティ
ング部の雰囲気を高純度化するのに要する時間を短縮す
ることが可能となる。また、内部に加熱部材を有する母
材支持棒を用いたことにより、母材支持棒をベーキング
してその表面に吸着している水分の量を減少させること
が可能となり、該母材支持棒が線引き炉中に侵入してき
た場合においても、線引き炉内の雰囲気を劣化させるこ
となく、高純度の雰囲気を保持して線引きすることが可
能となる。
【0012】
【0013】
【0014】また、前記課題を解決するため、本発明で
は、フッ化物ファイバ母材を保持する母材支持棒と、フ
ッ化物ファイバ母材を加熱する線引き炉と、該線引きさ
れたフッ化物光ファイバをコーティングするコーティン
グ部とを少なくとも有するフッ化物光ファイバ製造装置
において、母材支持棒周囲の雰囲気と、線引き炉内部の
雰囲気と、コーティング部の雰囲気を外気から遮断する
ための覆いを設けるとともに、コーティング部の雰囲気
を循環精製する装置を設け、さらに、炉心管の全長に亘
って加熱部材を有する線引き炉を用いた。 これによっ
て、ファイバ母材を加熱線引きしコーティングを施すま
での一連の工程を外気から遮断された高純度のガス雰囲
気下で行うことができ、ファイバ母材の表面で雰囲気中
に含まれる水分との反応によって発生する結晶の析出を
抑制することが可能となり、高強度のフッ化物光ファイ
バを製造できる。また、コーティング部内部の雰囲気を
強制的に循環精製する装置を設けたことにより、コーテ
ィング部から線引き炉内へのガス混入による露点の劣化
を防止するとともに、コーティング部の雰囲気を高純度
化するのに要する時間を短縮することが可能となる。
た、炉心管の全長に亘って加熱部材を有する線引き炉を
用いたことにより、炉心管の全てを加熱ベーキングする
ことが可能となり、炉心管内面に吸着している水分を脱
離し、もって線引き炉内部の雰囲気をより高純度の状態
に保つことが可能となる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0019】図1は本発明のフッ化物光ファイバ製造装
置の一形態を示すもので、図中、1,2,3は第1,第
2,第3のフランジ、4はクランプ、5は支持棒覆い、
6は母材支持棒、7は線引き炉、8は線径測定機、9は
グローブボックス、10はコーティング用ダイス、11
は紫外線硬化炉、12は張力計、13はキャプスタン、
14はファイバ巻き取り機、15はガス精製機である。
【0020】線引き炉7は、第2のフランジ2と第3の
フランジ3との間に、石英管に加熱部材を巻くことによ
って構成され、上部を第1のフランジ1に達する支持棒
覆い5により、また、下部をグローブボックス9により
覆われることによって外気から遮断されている。
【0021】母材支持棒6は、第1のフランジ1の上部
に位置するクランプ4によって保持され、第2のフラン
ジ2及び第3のフランジ3を連通してグローブボックス
9の内部まで移動することが可能である。グローブボッ
クス9の内部にはファイバ素線に樹脂コーティングを施
すためのダイス10が位置しており、表面に樹脂が貼付
されたファイバは、グローブボックス9下部に連通して
位置する紫外線硬化炉11内を通過する際に固化し、張
力計12、キャプスタン13を経由してファイバ巻き取
り機14によってボビンに巻き取られる。
【0022】このように本装置においては、ファイバ線
引きから樹脂コーティングまでの一連の作業を外気から
遮断された高純度の雰囲気下で行うことが可能となって
いる。また、グローブボックス9は2本のパイプによっ
てガス精製機15と連結されており、グローブボックス
9内部の雰囲気を強制的に循環精製することによって高
純度の雰囲気を実現している。なお、ファイバの線径は
線引き炉7下部に位置する線径測定機18によって外径
が測定される。
【0023】また、図2は図1中のAの部分を拡大した
もので、図中、16はフッ化物ファイバ母材である。こ
のフッ化物ファイバ母材16は母材支持棒6によって保
持される。この母材支持棒6は中空の構造になってお
り、その上部に接続される図示しない真空排気装置によ
って内部を真空排気できる構造になっている。さらに該
母材支持棒6の内部には支持棒表面をベーキングするた
めの支持棒加熱ヒーター17が埋め込まれている。
【0024】支持棒覆い5は第1の支持棒覆い5a及び
第2の支持棒覆い5bとからなる2重構造となってお
り、それぞれの内部には2つのガス導入口18より独立
して露点−60℃以下の不活性ガスが供給され、母材支
持棒6の表面を高純度の雰囲気に保つように構成されて
いる。この支持棒覆い5の内部に供給される不活性ガス
は、それぞれ2つのガス排気口19より排出される。な
お、支持棒覆いを2重にしたのはいずれかの覆いが破損
しても母材支持棒表面を高純度の雰囲気に保持するため
である。
【0025】線引き炉7は、炉心管20、ベーキング用
ヒーター21及び母材加熱ヒーター22によって構成さ
れており、炉心管20の全長に亘ってベーキングするこ
とが可能な構造となっている。炉心管20は第2のフラ
ンジ2とOリングを介してシールされて接続されてお
り、その内部には炉内ガス導入口23より炉内雰囲気と
して露点−100℃の高純度アルゴンガスが供給されて
いる。また、炉心管20の下部には内部にシャッター2
4が組み込まれた第3のフランジ3がOリングによりシ
ールされて接続されており、前記シャッター24により
線引き炉7内部の雰囲気が高純度に保たれるようにグロ
ーブボックスと分離されている。
【0026】
【実施例1】本実施例においては、ファイバ母材として
内径7mmのモールドを用いて、コアが56.5ZrF
4 −12BaF2 −17.5PbF2 −3.5LaF3
−2YF3 −2.5AlF3 −6LiF(mol%)、
クラッドが46.5ZrF4−23.5BaF2 −3.
5LaF3 −2.5YF3 −4.5AlF3 −20Na
F(mol%)からなるフッ化物ガラス母材(外径7.
0mm、長さ150mm、比屈折率差Δn=4.2%)
をサクション・キャスティング法で作製し、また、内径
15mmのモールドを用いて、母材のクラッドガラスと
同一組成のフッ化物ジャケット管(外径15mm、内径
7.0mm、長さ150mm)をローテーショナル・キ
ャスティング法で作製した。
【0027】ガラス母材及びジャケット管の外面を研磨
・エッチングした後、両者を真空脱気することにより表
面の水分を除去した。グローブボックス内でジャケット
管内にガラス母材を挿入することによって組み上げられ
たガラス母材は延伸装置にセットされ、加熱炉中で軟化
させて下方に引っ張ることにより外径4mmに延伸され
た。このように延伸された母材のうちコア径が0.2m
mの部分を2本切り出し、延伸母材とした。
【0028】次に、この2本の延伸母材のうちの1本
と、外径12mm、内径4mmのジャケット管の表面を
研磨・エッチングし、真空乾燥を行った後、F2 及びH
Fの混合ガス雰囲気中で2時間の加熱処理を行い、表面
に吸着している水分を除去した。このような表面処理が
施された延伸母材及びジャケット管を、グローブボック
ス9内でジャケット管内に延伸母材を挿入することによ
ってファイバ母材を組み上げた。
【0029】組み上げられたファイバ母材はグローブボ
ックス9内部まで下げられた母材支持棒6にセッティン
グされて、ジャケット管の内部を真空排気した後、線引
き炉7の上部に引き上げられた。引き上げられたファイ
バ母材は毎分3mmの割合で母材加熱ヒーター22内に
送り込まれ、該母材加熱ヒーター22によって加熱軟化
されたファイバ母材の下端を下方に引っ張ることによっ
て光ファイバに線引きされた。
【0030】線引きされた光ファイバの表面にはグロー
ブボックス9内においてUV樹脂がコートされ、続いて
紫外線硬化炉11中で硬化された後、巻き取り機14に
巻き取られた。この時、線引き炉7内には露点−100
℃の高純度Arガスが毎分300ccの割合で流され、
また、母材加熱ヒーター22の温度は280℃であっ
た。
【0031】このようにして作製されたUV樹脂コート
フッ化物光ファイバを、引っ張り強度試験機によってそ
の引っ張り強度を測定したところ、最高1GPaの高い
強度が実現された。
【0032】本実施例では、予め支持棒加熱ヒーター1
7、ベーキング用ヒーター21、母材加熱ヒーター22
に通電することによって24時間以上ベーキングを行っ
た。また、第1及び第2の支持棒覆い5a及び5bの内
部には露点−80℃の高純度窒素ガスを毎分1リットル
の割合で流し、グローブボックス9は連結するガス精製
機15を運転することによって露点−80℃まで高純度
化を行った。
【0033】
【比較例】本比較例では実施例1で用いた装置におい
て、グローブボックス9に連結するガス精製機15を停
止し、予め行っていた支持棒加熱ヒーター17、ベーキ
ング用ヒーター21、母材加熱ヒーター22によるベー
キング処理を行わない状態で使用した。
【0034】実施例1において作製した、延伸母材のう
ち残りの1本と、外径12mm、内径4mmのジャケッ
ト管の表面を研磨・エッチングし、真空乾燥を行った
後、実施例1と同様のF2 及びHFの混合ガス雰囲気中
で2時間の加熱処理を行い、表面に吸着している水分を
除去した。このような表面処理を行った延伸母材及びジ
ャケット管を、グローブボックス9内でジャケット管内
に延伸母材を挿入することによってファイバ母材を組み
上げた。
【0035】組み上げられたファイバ母材はグローブボ
ックス9内部まで下げられた母材支持棒6にセッティン
グされて、ジャケット管内部を真空排気した後、線引き
炉7の上部に引き上げられた。引き上げられたファイバ
母材は毎分3mmの割合で母材加熱ヒーター22内に送
り込まれ、該母材加熱ヒーター22によって加熱軟化さ
れたファイバ母材の下端を下方に引っ張ることによって
光ファイバに線引きされた。
【0036】線引きされた光ファイバの表面にはグロー
ブボックス9内においてUV樹脂がコートされ、続いて
紫外線硬化炉11中で硬化された後、巻き取り機14に
巻き取られた。この時、線引き炉7内には露点−100
℃の高純度Arガスが毎分300ccの割合で流され、
また、母材加熱ヒーター22の温度は280℃であっ
た。
【0037】このようにして作製されたUV樹脂コート
フッ化物光ファイバを、引っ張り強度試験機によってそ
の引っ張り強度を測定したところ、強度は最高500M
Paと実施例1に比べて半減した。
【0038】本比較例で用いたファイバ母材の引き残り
の表面をSEMによって観察したところ、鱗状の結晶の
発生が認められた。これは、線引き炉7内あるいは母材
支持棒6の表面に吸着していた水分が、母材加熱ヒータ
ー22による母材加熱時に表面から脱離し、あるいはグ
ローブボックス9内の露点の低い雰囲気が線引き炉7内
に混入し、フッ化物ガラス母材表面上で反応し、酸化物
結晶をファイバ表面に発生させたためである。
【0039】なお、以下の実施例においては実施例1と
同様、装置に対し予め24時間以上のベーキング処理を
行い、グローブボックスに連結するガス精製機を運転し
た状態で使用するものとする。
【0040】
【実施例2】本実施例においては、内径7mmのモール
ドを用いて、コアが35InF3 −20ZnF2 −22
BaF2 −10SrF2 −5YF3 −3PbF2 −5N
aF(mol%)、クラッドが35InF3 −20Zn
2 −20BaF2 −10SrF2 −5YF3 −5Al
3 −5NaF(mol%)からなるインジウム系フッ
化物ガラス母材(外径7.0mm、長さ150mm、比
屈折率差Δn=1.2%)をサクション・キャスティン
グ法で作製し、また、内径15mmのモールドを用い
て、母材のクラッドガラスと同一組成のフッ化物ジャケ
ット管(外径15mm、内径7.0mm、長さ150m
m)をローテーショナル・キャスティング法で作製し
た。
【0041】ガラス母材及びジャケット管の外面を研磨
・エッチングした後、両者を真空脱気することにより表
面の水分を除去した。次に、露点−90℃以下のN2
スが供給されているグローブボックス内でジャケット管
内にガラス母材を挿入することによって組み上げられた
ガラス母材は延伸装置にセットされ、加熱炉中で軟化さ
せて下方に引っ張ることにより外径4mmに延伸され
た。このように延伸された母材のうちコア径が0.2m
mの部分を切り出し、延伸母材とした。
【0042】次に、この延伸母材と、外径12mm、内
径4mmのインジウム系フッ化物ガラスジャケット管の
表面を研磨・エッチングし、真空乾燥を行った後、F2
及びHFの混合ガス雰囲気中で2時間の加熱処理を行
い、表面に吸着している水分を除去した。このような表
面処理が施された延伸母材及びジャケット管を、グロー
ブボックス9内でジャケット管内に延伸母材を挿入する
ことによってファイバ母材を組み上げた。
【0043】組み上げられたファイバ母材はグローブボ
ックス9内部まで下げられた母材支持棒6にセッティン
グされて、ジャケット管内部を真空排気した後、線引き
炉7内に引き上げられた。引き上げられたファイバ母材
は毎分3mmの割合で母材加熱ヒーター22内に送り込
まれ、該母材加熱ヒーター22によって加熱軟化された
ファイバ母材の下端を下方に引っ張ることによって光フ
ァイバに線引きされた。
【0044】線引きされた光ファイバの表面にはグロー
ブボックス9内においてUV樹脂がコートされ、続いて
紫外線硬化炉11中で硬化された後、巻き取り機14に
巻き取られた。この時、線引き炉7内には露点−100
℃の高純度Arガスが毎分300ccの割合で流され、
また、母材加熱ヒーター22の温度は320℃であっ
た。
【0045】このようにして作製されたUV樹脂コート
フッ化物光ファイバを、引っ張り強度試験機によってそ
の引っ張り強度を測定したところ、最高1GPaの高い
強度が実現された。
【0046】この外、アルミ系フッ化物ガラス、鉛系フ
ッ化物ガラス、さらには表面結晶の発生し易い塩素イオ
ンをドープしたフッ化物ガラス、塩化物ガラス等につい
ても同様の方法により、表面結晶の発生を抑制した高強
度の光ファイバを作製することができた。
【0047】
【実施例3】内径5mmのモールドを用いて、56Zr
4 −14BaF2 −15PbF2−3.5LaF3
2YF3 −2.5AlF3 −7LiF(mol%)から
なる組成のコア用のガラスロッド(外径5.0mm、長
さ50mm)を作製した。クラッド用のガラス管は、内
径20mmのモールドを用いて、46.5ZrF4 −2
3.5BaF2 −3.5LaF3 −2.5YF3 −4.
5AlF3 −20NaF(mol%)組成のガラスロッ
ドを作製し、超音波加工により内径0.5mmの穴をあ
けた。
【0048】コア用ガラスロッドの外面を研磨・エッチ
ングした後、真空脱気することにより表面の水分を除去
し、延伸装置にセットし、加熱炉中で軟化させて下方に
引っ張ることにより外径0.5mmに延伸した。延伸し
たコア用ガラスロッドと、外面を研磨・エッチングした
クラッド用ガラス管をF2 及びHFの混合ガス雰囲気中
で2時間の加熱処理を行い、表面に吸着している水分を
除去した。この表面処理を施したコア用ガラスロッド及
びジャケット管を、グローブボックス9内でジャケット
管内にコア用ガラスロッドを挿入することによってファ
イバ母材を組み上げた。
【0049】組み上げられたファイバ母材はグローブボ
ックス9内部まで下げられた母材支持棒6にセッティン
グされて、ジャケット管の内部を真空排気した後、線引
き炉7内に引き上げられた。線引き炉7内で加熱軟化さ
れたファイバ母材は毎分3mmの割合で母材加熱ヒータ
ー22内に送り込まれ、ファイバ母材の下端を下方に引
っ張ることによって外径125μmの光ファイバに線引
きされた。
【0050】得られた光ファイバは、長さ500m、コ
ア径1.7μm、0.95μmにカットオフ波長を持つ単一
モード光ファイバで、1.3μmでの損失値は0.2d
B/mと低損失であった。また、得られた光ファイバは
750MPaの高い引っ張り強度を示した。
【0051】
【実施例4】内径5mmのモールドを用いて、コアがP
3+を500ppmドープした56ZrF4 −14Ba
2 −15PbF2 −3.5LaF3 −2YF3 −2.
5AlF3 −7LiF(mol%)、クラッドが46.
5ZrF4 −23.5BaF2 −3.5LaF3 −2.
5YF3 −4.5AlF3 −20NaF(mol%)か
らなるフッ化物ガラス母材(外径5.0mm、長さ15
0mm、比屈折率差Δn=4.2%)をサクション・キ
ャスティング法で作製し、内径15mmのモールドを用
いて、母材のクラッドガラスと同一組成のフッ化物ジャ
ケット管(外径15mm、内径5.0mm、長さ150
mm)をローテーショナル・キャスティング法で作製し
た。実施例1と同様の延伸及び表面処理を行った後、グ
ローブボックス9内でファイバ母材を組み上げ、実施例
1と同様の条件で線引きを行い、外径125μmの光フ
ァイバを得た。
【0052】得られた光ファイバは、長さ500m、コ
ア径1.7μm、0.95μmにカットオフ波長を持つ単一
モード光ファイバで、1.3μmでの損失値は図3に示
すように、0.2dB/mと低損失であった。なお、図
3中の大きなピークはPr3+に起因する吸収である。
【0053】また、得られた光ファイバの引っ張り強度
は750MPaと高い強度を示した。また、本実施例で
得られた光ファイバを用いて、波長1.017 μmの光励起
による波長1.31μmの信号光の増幅器を構成したとこ
ろ、0.2dB/mWの利得係数が得られた。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、母材
支持棒周囲の雰囲気と、線引き炉内部の雰囲気と、コー
ティング部の雰囲気を外気から遮断するための覆いを設
けることにより、線引き炉の炉心管あるいは母材支持棒
の表面に吸着している水分を十分除去でき、母材表面で
の結晶を発生を極力抑えることができ、高強度で低損失
なフッ化物光ファイバを製造できる。従って、フッ化物
光ファイバの実用化、例えば光増幅器等に実装すること
が可能となり、光通信システムの低コスト化及び高性能
化に寄与することができる。
【0055】また、コーティング部の雰囲気を循環精製
する装置を設けることにより、コーティング部から線引
き炉内へのガス混入による露点の劣化を防止するととも
に、コーティング部の雰囲気を高純度化するのに要する
時間を短縮することが可能となり、コーティング部内部
の露点を効率良く向上でき、線引き炉における露点への
影響も少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化物光ファイバ製造装置の実施の
形態を示す概略構成図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】実施例4で得られた光ファイバの損失特性図
【符号の説明】
1,2,3…フランジ、5…支持棒覆い、6…母材支持
棒、7…線引き炉、9…グローブボックス、10…コー
ティング用ダイス、11…紫外線硬化炉、14…ファイ
バ巻き取り機、15…ガス精製機、16…フッ化物ファ
イバ母材、17…支持棒加熱ヒーター、20…炉心管、
21…ベーキング用ヒーター、22…母材加熱ヒータ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 照沼 幸雄 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 中川 幸一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 星野 耕一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 須藤 昭一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−247739(JP,A) 特開 平6−210157(JP,A) 特開 平4−240129(JP,A) 特開 昭53−24429(JP,A) 特開 平7−61833(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 37/00 - 37/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化物ファイバ母材を保持する母材支
    持棒と、フッ化物ファイバ母材を加熱する線引き炉と、
    該線引きされたフッ化物光ファイバをコーティングする
    コーティング部とを少なくとも有するフッ化物光ファイ
    バ製造装置において、 母材支持棒周囲の雰囲気と、線引き炉内部の雰囲気と、
    コーティング部の雰囲気を外気から遮断するための覆い
    を設けるとともに、 コーティング部の雰囲気を循環精製する装置を設け さらに、内部に加熱部材を有する母材支持棒を用い たこ
    とを特徴とするフッ化物光ファイバ製造装置。
  2. 【請求項2】 フッ化物ファイバ母材を保持する母材支
    持棒と、フッ化物ファイバ母材を加熱する線引き炉と、
    該線引きされたフッ化物光ファイバをコーティングする
    コーティング部とを少なくとも有するフッ化物光ファイ
    バ製造装置において、 母材支持棒周囲の雰囲気と、線引き炉内部の雰囲気と、
    コーティング部の雰囲気を外気から遮断するための覆い
    を設けるとともに、 コーティング部の雰囲気を循環精製する装置を設け さらに、炉心管の全長に亘って加熱部材を有する線引き
    炉を用い たことを特徴とするフッ化物光ファイバ製造装
    置。
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