JP3384907B2 - 新規ビフィズス菌及びその利用 - Google Patents

新規ビフィズス菌及びその利用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血清コレステロール上
昇抑制作用を有すると共に発酵乳製品中での生残性が高
いビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium l
ongum) SBT10254 (FERM P-14820)に関する。また、本発
明は、このビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobac
terium longum) SBT10254 (FERM P-14820)を含有する発
酵乳用スターターに関する。さらに、本発明は、このビ
フィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longu
m) SBT10254 (FERM P-14820)を含有する発酵乳用スター
ターを用いた発酵乳製品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビフィズス菌は、人間の腸内細菌におけ
る主要菌叢であり、人間の健康に有益な効果があるとさ
れている。この有益な効果としては、血清コレステロー
ル上昇抑制作用、免疫賦活作用、抗変異原性、抗腫瘍性
などの生理効果や下痢治癒、便秘改善、腸内有害物質の
低減などの整腸効果などが挙げられる。
【0003】このような効果を有するビフィドバクテリ
ウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)の中、ビフィ
ドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) S
BT2933R (FERM P-8743) には、菌体及びその培養物に強
い血清コレステロール上昇抑制作用があることが知られ
ており [青江誠一郎ら, 第6回日本ビフィズス菌センタ
ー学術集会予稿集, p.18, 1987] 、この菌体や培養物を
血清コレステロール上昇抑制剤として利用することが提
案されている [特開昭 62-258323号公報] 。しかしなが
ら、このビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacte
rium longum) SBT2933R (FERM P-8743) で代表される血
清コレステロール上昇抑制作用を有するビフィズス菌は
発酵乳製品中における生残性が低く、このビフィズス菌
を含有する発酵乳用スターターで製造した発酵乳製品中
では、賞味期限である製造より14日の保存期間中、ビフ
ィズス菌の生菌数を107/g 以上に維持できない場合が多
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
問題に鑑み、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidob
acterium longum) SBT2933R (FERM P-8743) で代表され
る血清コレステロール上昇抑制作用を有するビフィズス
菌の発酵乳製品中での生残性を向上させるべく、鋭意研
究を進めたところ、育種改良することにより、血清コレ
ステロール上昇抑制作用を有すると共に発酵乳製品中で
の生残性の高いビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifid
obacterium longum)を取得することができることを見出
した。そして、このビフィドバクテリウム・ロンガム(B
ifidobacterium longum)を含有する発酵乳用スターター
を調製し、この発酵乳用スターターを用い発酵乳製品を
製造したところ、10℃、14日間の保存後もビフィズス菌
の生菌数が107/g 以上に維持されていることを見出し、
本発明を完成するに至った。したがって、本発明は、血
清コレステロール上昇抑制作用を有すると共に発酵乳製
品中での生残性の高いビフィドバクテリウム・ロンガム
(Bifidobacterium longum)を提供することを課題とす
る。また、本発明は、血清コレステロール上昇抑制作用
を有すると共に発酵乳製品中での生残性の高いビフィド
バクテリウム・ロンガム(Bifidobacteriumlongum)を含
有する発酵乳用スターターを提供することを課題とす
る。さらに、本発明は、血清コレステロール上昇抑制作
用を有すると共に発酵乳製品中での生残性の高いビフィ
ドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)を
含有する発酵乳用スターターを用い発酵乳製品を製造す
る方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、血清コレス
テロール上昇抑制作用を有すると共に発酵乳製品中で生
残性の高いビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobac
terium longum)を得るために、血清コレステロール上昇
抑制作用を有するビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT2933R (FERM P-8743) の育種
改良を試みた。次に、この育種改良法について説明す
る。
【0006】発酵乳を遠心分離して得られる上清に血清
コレステロール上昇抑制作用を有するビフィドバクテリ
ウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT2933R (F
ERMP-8743) を懸濁し、10℃、7日間保存した後、生残
した菌を回収した。さらに、この菌を同様に懸濁し、保
存した後、回収するという操作を繰り返し、生残性の高
い菌株を得た。そして、この菌株をビフィドバクテリウ
ム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 と命
名した。このビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidob
acterium longum) SBT10254 の菌学的性質を次に示す。
【0007】分類学的性状 (1)菌形 BL寒天平板培地を用い、37℃、72時間スチールウール
法により嫌気培養したとき、 大きさ: 0.3〜0.8 × 4〜10μm 形状:桿菌で多形性 (棍棒型、Y字型など) (2)グラム染色性 (1)と同一条件で培養したとき、陽性を示す。 (3)コロニー形態 (1)と同一条件で培養したときのコロニー形態は次の
通りである。 形状:円形 隆起:半球状に隆起 周縁:波状 大きさ:1〜4mm 色調:黄褐色 表面:円滑 (4)芽胞形成:陰性 (5)ガス産生:なし (6)運動性:なし (7)カタラーゼ活性:陰性 (8)脱脂乳凝固性:凝固 (9)ゼラチン液化性:なし (10)硝酸塩還元性:なし (11)インドール産生:なし (12)硫化水素産生:なし (13)酢酸/L (+) 乳酸のモル比: 1.5以上 (14)酢酸生成性:あり (15)糖の発酵性
【0008】光岡の方法 [光岡知足, 臨床検査,vol.1
8, pp.1163-1172, 1974] に従って実施した。 1.アラビノース + 2.キシロース − 3.リボース − 4.グルコース − 5.マンノース + 6.フラクトース − 7.ガラクトース − 8.シュクロース − 9.マルトース − 10.セロビオース − 11.ラクトース + 12.トレハロース − 13.メリビオース − 14.ラフィノース − 15.メレジトース − 16.デンプン − 17.グリコーゲン − 18.イヌリン − 19.マンニット − 20.ソルビット − 21.イノシット − 22.エスクリン − 23.サリシン − 24.アミグダリン − (+は発酵性ありを示し、−は発酵性なしを示す。)
【0009】(16)DNAホモロジー試験 ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium lon
gum) SBT10254 、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT2933R 、基準株のビフィドバ
クテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) ATCC1
5707及び標準コントロールとして大腸菌(Escherichia c
oli)のDNAを抽出、精製し、ホモロジー試験を行った
結果を図1に示す。基準株のビフィドバクテリウム・ロ
ンガム(Bifidobacterium longum) ATCC15707のホモロジ
ーを 100%とし、大腸菌(Escherichia coli)のホモロジ
ーを0%としたとき、取得したビフィドバクテリウム・
ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 は70%以
上の高いホモロジーを示した。
【0010】上記した性状の中、糖の発酵性では、典型
的なビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)としての糖の発酵性を示すビフィドバクテリウ
ム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT2933R に比
べ、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum) SBT10254 は陽性となった項目が少なく、異な
る性質を示したが、その他の菌学的性質は、Bergey's M
anual of SystematicBacteriology, vol.2, 1986 の分
類基準に従うとビフィドバクテリウム(Bifidobacteriu
m) としての性質を示しており、さらに、DNAホモロ
ジー試験においてビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum)としてのホモロジーを示すことか
ら取得した菌株は、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B
ifidobacterium longum)であると同定した。このビフィ
ドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) S
BT10254 は、血清コレステロール上昇抑制作用を有する
と共に発酵乳製品中での生残性が高いという点では新規
である。そして、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT10254 は、(FERM P-14820)と
して寄託されている。次に、実施例を挙げて本発明を具
体的に説明する。
【0011】
【実施例1】血清コレステロール上昇抑制作用を有する
ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium lon
gum) SBT2933R (FERM P-8743) を親株とし、血清コレス
テロール上昇抑制作用を有すると共に発酵乳製品中での
生残性の高い育種株であるビフィドバクテリウム・ロン
ガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (FERM P-1482
0)を得た。すなわち、発酵乳 (無脂乳固形分 9.5%、脂
肪 3.2%) を遠心分離して得られた上清をpH 4.0に調整
して除菌フィルターで濾過して得た濾液に、TGAM培
地(日水製薬社製)にトマトジュースを添加した培地で
培養したビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacte
rium longum) SBT2933R (FERM P-8743)の菌体を懸濁
し、10℃で7日間保存した後、BL寒天平板培地(日水
製薬社製)に塗抹し、37℃で72時間嫌気培養して生残菌
を回収した。この生残菌をTGAM培地で培養し、同様
の濾液に懸濁し、同様に保存し、回収するという操作を
繰り返すことにより生残性の高いビフィドバクテリウム
・ロンガム(Bifidobacteriumlongum) SBT10254 (FERM P
-14820)を取得した。
【0012】
【試験例1】本発明の血清コレステロール上昇抑制作用
を有すると共に発酵乳製品中での生残性の高いビフィド
バクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT
10254 (FERM P-14820)と従来の血清コレステロール上昇
抑制作用を有するビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT2933R (FERM P-8743) につい
て、発酵乳製品中での生残性を確認した。
【0013】脱脂粉乳 11.53%、酵母エキス 0.5%及び
アスコルビン酸0.03%を含有する還元脱脂乳培地に各ビ
フィズス菌を接種し、37℃で16時間培養してバルクスタ
ーターとした。なお、このバルクスターターの乳酸酸度
は約 1.3%であった。一方、脱脂粉乳 11.53%、酵母エ
キス 0.5%を含有する還元脱脂乳培地にラクトバチルス
・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus) SBT206
2 (FERM P-10730)及びストレプトコッカス・サリバリウ
ス・サブスピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus s
alivarius subsp. thermophilus) SBT1021A (FERM P-10
658)を接種し、32℃で16時間培養してバルクスターター
とした。なお、このバルクスターターの乳酸酸度は1.20
〜1.40%であった。
【0014】生乳及び脱脂粉乳からなる原料ミックスに
ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acido
philus) SBT2062 (FERM P-10730)及びストレプトコッカ
ス・サリバリウス・サブスピーシズ・サーモフィルス(S
treptococcus salivarius subsp. thermophilus) SBT10
21A (FERM P-10658)からなるバルクスターターを5%添
加し、さらに、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifid
obacterium longum) SBT10254 (FERM P-14820)又はビフ
ィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacteriumlongum)
SBT2933R (FERM P-8743) からなるバルクスターターを
5%添加した後、それぞれ、38℃で乳酸酸度が0.80%に
なるまで発酵させて発酵乳製品を製造した。これらの発
酵乳製品について、10℃で保存し、経時的に発酵乳製品
中のビフィズス菌数を測定した。その結果を図2に示
す。育種株であるビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT10254 (FERM P-14820)は、10
℃、14日間の保存後も 107/g以上の生菌数を維持してお
り、親株であるビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifid
obacterium longum) SBT2933R (FERM P-8743) に比べて
生残性が改善されていることが判る。
【0015】
【試験例2】本発明の血清コレステロール上昇抑制作用
を有すると共に発酵乳製品中での生残性の高いビフィド
バクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT
10254 (FERM P-14820)と従来の血清コレステロール上昇
抑制作用を有するビフィドバクテリウム・ロンガム(Bif
idobacterium longum) SBT2933R (FERM P-8743) につい
て、血清コレステロール上昇抑制作用を確認した。
【0016】8%濃度の還元チーズホエーのpHを1Nアン
モニア水で 6.8〜7.0 に調整し、不溶解物を遠心分離し
て除去した後、コッホ殺菌器で15分間加熱し、再び遠心
分離して沈澱を除去した。このようにして得られたホエ
ーに、アスコルビン酸ナトリウム0.05%及び酵母エキス
0.2%を添加し、オートクレーブで 121℃、15分間滅菌
したものを培地として用いた。この培地に、予め同培地
中で前培養したビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifid
obacterium longum) SBT10254 (FERM P-14820)又はビフ
ィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)
SBT2933R (FERM P-8743) を2%接種し、37℃で18時間
培養した。なお、培養中は培地のpHが 6.5〜6.8 となる
ようpHスタットを用い1Nアンモニア水で中和した。培養
終了後、遠心分離して菌体を集め、生理食塩水で2回洗
浄した後、得られた菌体をグルタミン酸ナトリウムを1
%添加した10%濃度の還元脱脂乳培に分散して凍結乾燥
した。そして、この凍結乾燥菌体を血清コレステロール
上昇抑制作用を確認するための試料とした。なお、この
試料中の菌数は1010/gであった。
【0017】表1に示した配合のコレステロール負荷飼
料に上記した試料を添加し、実験動物へ給与して血清コ
レステロール値を測定した。また、対照として上記の試
料に代えて同量の脱脂粉乳を添加したものについても同
様に測定した。
【0018】
【表1】 ──────────────────────────────────── 成分 試験群(SBT10254) 試験群(SBT2933R) 対照群 ──────────────────────────────────── カゼイン 22 22 22 ラード 9 9 9 コーン油 1 1 1 ミネラル混合物 * 4 4 4 ビタミン混合物 * 0.85 0.85 0.85 コレステロール 1 1 1 コール酸ナトリウム 0.25 0.25 0.25 塩化コリン 0.15 0.15 0.15 ショ糖 60.8 60.8 60.8 試料 (乾燥菌体) 0.95 0.95 − 脱脂粉乳 − − 0.95 ──────────────────────────────────── * : ハーパーの混合物 [Harper, A.E., Journal of Nutrition, vol.68, pp.4 05-418, 1959]
【0019】SD系雄ラット(4週令) を市販飼料 (CE
-2、日本クレア社製) で7日間予備飼育した後、体重が
ほぼ平均化するように1群8匹に群分けし、各群に上記
各飼料を自由に摂取させた。ラットの1日平均飼料摂取
量及びコレステロール負荷量は、群間で差は認められな
かった。そして、自由摂取開始12日目から24時間絶食さ
せ、13日目に断頭採血し、血清コレステロール値を測定
した。なお、対照群の平均血清コレステロールに対する
試験群の平均血清コレステロールの上昇抑制率(%)は
次式で求めた。{(対照群の平均血清コレステロール
値)−(試験群の平均血清コレステロール値)}÷(対
照群の平均血清コレステロール値)× 100その結果、試
験群の血清コレステロールの上昇抑制率は、親株である
ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium lon
gum) SBT2933R (FERM P-8743) の凍結乾燥試料摂取群が
25%であるのに対し、育種株であるビフィドバクテリウ
ム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (FER
M P-14820)の凍結乾燥試料摂取群は26%であり、同等の
血清コレステロール上昇抑制作用を有していることが判
る。
【0020】
【実施例2】脱脂粉乳 11.53%、酵母エキス 0.5%及び
アスコルビン酸0.03%を含有する還元脱脂乳培地5kg
に、本発明の血清コレステロール上昇抑制作用を有する
と共に発酵乳製品中での生残性の高いビフィドバクテリ
ウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (F
ERM P-14820)の前培養物を3%接種し、37℃で16時間培
養して発酵乳用スターターを調製した。なお、この発酵
乳用スターターの乳酸酸度は1.25%であった。
【0021】
【実施例3】脱脂粉乳 11.53%、酵母エキス 0.5%を含
有する還元脱脂乳培地5kgに、ラクトバチルス・アシド
フィルス(Lactobacillus acidophilus) SBT2062 (FERM
P-10730)及びストレプトコッカス・サリバリウス・サブ
スピーシズ・サーモフィルス(Streptococcus salivariu
s subsp. thermophilus) SBT1021A (FERM P-10658)の前
培養物をそれぞれ 1.5%接種し、32℃で16時間培養して
発酵乳用スターターを調製した。なお、この発酵乳用ス
ターターの乳酸酸度は1.30%であった。
【0022】生乳及び脱脂粉乳からなる原料ミックス 1
00kgに、上述したラクトバチルス・アシドフィルス(Lac
tobacillus acidophilus) SBT2062 (FERM P-10730)及び
ストレプトコッカス・サリバリウス・サブスピーシズ・
サーモフィルス(Streptococcus salivarius subsp. the
rmophilus) SBT1021A (FERM P-10658)からなる発酵乳用
スターター5kgを添加し、さらに、実施例2で得られた
ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium lon
gum) SBT10254 (FERM P-14820)からなる発酵乳用スター
ター5kgを添加した後、38℃で乳酸酸度が0.75%になる
まで発酵させ、酸素透過性容器に充填して発酵乳製品を
製造した。この発酵乳製品中のビフィズス菌数は、製造
直後で 7.0×108cfu/gであり、10℃で14日間保存後で
3.0×107cfu/gであった。また、この発酵乳製品は通常
の製品と何ら変わらないものであった。
【0023】
【発明の効果】本発明の血清コレステロール上昇抑制作
用を有すると共に発酵乳製品中での生残性が高いビフィ
ドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum) S
BT10254 (FERM P-14820)を用いることにより、優れた血
清コレステロール上昇抑制作用を有すると共にビフィズ
ス菌の生残性の高い発酵乳製品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】DNAホモロジー試験の結果を示す。
【図2】試験例1における保存中の発酵乳製品に生残す
るビフィズス菌数を示す。
【符号の説明】
○はビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum) SBT10254 (FERM P-14820)の生残する菌数を示
す。△はビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacte
rium longum) SBT2933R (FERM P-8743) の生残する菌数
を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:01) C12R 1:01 (72)発明者 青山 顕司 埼玉県狭山市東三ツ木183−4 シャト レー新狭山201 (72)発明者 小久保 江美子 埼玉県川越市上野田町1−5 (56)参考文献 特開 昭62−258323(JP,A) 特開 昭61−271223(JP,A) 特開 昭61−109729(JP,A) 特開 昭58−224685(JP,A) 特開 平5−41981(JP,A) 特開 平5−23107(JP,A) 特開 平4−112744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/00 - 1/38 A61K 35/74 A23C 9/00 - 9/127 JICSTファイル(JOIS) BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の性質を有するビフィドバクテリウム
    ・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (FERM
    P-14820)。 (1)血清コレステロール上昇抑制作用を有する。 (2)発酵乳製品中で10℃、14日間保存後の生菌数が 1
    07/g以上である。
  2. 【請求項2】 次の性質を有するビフィドバクテリウム
    ・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (FERM
    P-14820)を含有することを特徴とする発酵乳用スタータ
    ー。 (1)血清コレステロール上昇抑制作用を有する。 (2)発酵乳製品中で10℃、14日間保存後の生菌数が 1
    07/g 以上である。
  3. 【請求項3】 次の性質を有するビフィドバクテリウム
    ・ロンガム(Bifidobacterium longum) SBT10254 (FERM
    P-14820)を含有する発酵乳用スターターを添加して培養
    することを特徴とする発酵乳製品の製造法。 (1)血清コレステロール上昇抑制作用を有する。 (2)発酵乳製品中で10℃、14日間保存後の生菌数が 1
    07/g 以上である。
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