JP3384270B2 - 都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法 - Google Patents

都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法

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JP3384270B2 JP03616397A JP3616397A JP3384270B2 JP 3384270 B2 JP3384270 B2 JP 3384270B2 JP 03616397 A JP03616397 A JP 03616397A JP 3616397 A JP3616397 A JP 3616397A JP 3384270 B2 JP3384270 B2 JP 3384270B2
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ焼却灰に
含まれる銅などの有価金属を効率よく回収する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】都市から排出されるゴミの量は増加の一
途を辿っており、ゴミ処理問題が深刻化している。従
来、ゴミ焼却後、埋立て処理されていたが、ゴミの量が
急増して埋立て地の確保が難しいことや、二次公害の防
止および資源の再利用などを図る必要から、ゴミの焼却
灰についても、これを溶融して減容化する処理方法が実
施されはじめている。その一例として、ゴミを分別後、
粉砕して、磁性物とアルミ類、不燃物と可燃物に分離
し、鉄屑などの磁性物やアルミ類は資源として回収する
と共に可燃物は焼却炉で燃焼処理し、焼却灰は溶融炉に
送り、焼却炉で生じた熱を給湯や暖冷房に利用する一方
この熱を利用して発電を行ない、溶融炉の焼却灰をアー
ク放電、抵抗炉等、プラズマ炉などにより溶融処理する
ことにより無害化と共に減容化するゴミ処理システムが
実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な処理システム
では、都市ゴミの焼却灰を1300〜1600℃で溶融
処理することにより、焼却灰をスラグ化して容量を半減
させている。現在の処理システムでは、この溶融スラグ
を水砕して粒状化し、埋立て処理などにより最終的に処
分している。ところで、上記溶融スラグはその大部分が
ケイ酸スラグであるが、5〜20%程度の金属分を含ん
でいる。現在の処理システムではスラグ中の金属分はケ
イ酸分と一体に水砕され破棄処分されており、資源の有
効利用を図る観点からは上記金属成分を回収して再利用
することが望まれる。
【0004】 都市ゴミの焼却灰を電気炉等で、135
0〜1650℃程度で溶融処理すると、もともと金属成
分が存在するうえに、電極のカーボンや、未燃ゴミ中の
カーボン等によって酸化物が還元され、スラグ層以外に
メタルも生成する。もともと有価金属であるCuとか貴
金属Au,Agは還元され易いが、焼却灰中には酸化鉄
とか、SiO2が大量に存在するため、これらの金属(特
に鉄)も一部還元されてしまい、有価金属中に混入し、
または別のメタル層を形成してしまう。これらのメタル
層を回収する方法として、磁選機により鉄を含む金属相
を回収する方法が考えられるが、メタル層中の鉄と有価
金属であるCu、Ag、Au等は合金化しておらず、炉
内で比重差により分離し、炉底に比重の大きい銅等の有
価金属が溜り、その上に鉄が堆積している。従ってこれ
を単に冷却粉砕し、磁選機にかけても鉄の水砕物は回収
出来るが、銅等の有価金属に富んだ下層は磁石に吸引さ
れないため、ケイ酸質のスラグ中に混在し回収が難し
い。
【0005】
【発明が解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決する手段として、焼却灰溶融物中の鉄金属を磁選
により回収する手段と併用して残ったケイ酸質スラグよ
り重量差を利用して有価金属を回収するか、或は焼却灰
溶融物中に酸素分を吹き込み溶融物中の金属Siを酸化
させ、ケイ酸質スラグと鉄分及び有価金属とに分け、鉄
分を磁力により選別し、ケイ酸質スラグと有価金属分と
を重量差を用いて有価金属を回収する方法を発明し特願
平8ー268478号で出願している。そこで本発明者
等は、更に簡単な方法で上記金属中の有価金属を回収す
る方法について研究を行った結果、都市ゴミの焼却灰を
溶融後粉砕し、比重差を利用した方法で選別するか、或
は、該焼却灰中の有価金属含有量が低い場合は、溶融化
処理するさい、鉄分を積極的に酸化させスラグ化し、有
価金属の含有量を引き上げた後、粉砕し、該粉砕物中の
スラグと有価金属を含有するメタルとを比重差を利用し
た選別方法で選別すると、有価金属を含有するメタルを
効率よく回収し、銅精練の原料の一部とし利用する事に
より有価金属中の銅、金、銀を回収する方法を発明し
た。回収メタル中の銅品位が高い程、銅製錬での回収コ
ストが安く、採算がとれるので好適である。
【0006】回収するメタル中の銅品位が所望値以上の
場合には、溶融したスラグとメタルは、同じく炉出口か
ら抜出し、同時に連続で冷却水砕し、有価金属を含有す
るメタルを比重差分離したものを利用出来るが、銅等の
有価金属の含有率が低い場合は、溶融スラグの下層に生
成した鉄を多く含有したメタル層に酸素または空気を所
定量以上吹き込み、該メタルに含有されている鉄金属を
積極的に酸化し、スラグ化した後、溶融物として生成さ
れたスラグと有価金属であるCuと貴金属Au,Agを
含むメタルとを、冷却水砕し、比重差により選別し、銅
の品位が所望の値以上の、銅製錬用原料メタルが得られ
る技術が確立された。また上記有価金属の回収方法は、
連続的に回収する方法を対象としているが、バッチ式に
も採用可能である。即ち、バッチ式においては、都市ゴ
ミ焼却灰を溶融炉に投入し、該溶融炉の炉底側に所定量
の有価金属を含有したメタルを溜めた後、該溶融炉の炉
底近傍に設けた抜き出し口または該溶融炉を傾ける等の
方法により該メタルを抜き出し、急冷粉砕または破砕し
た後、必要に応じて比重差等を用いた方法により分離す
れば良い。
【0007】本発明は上記技術に基づくものであり、本
発明によれば以下の構成からなる有価金属の回収方法が
提供される。なお、本発明において%は特に示さない限
り質量%であり、重量%と表示されているものは質量%
を意味する。また、鉄金属とは金属状態の鉄あるいは鉄
系合金などの鉄分を云う。 (1)都市ゴミ焼却灰を溶融処理する際に、炉内の溶融
スラグ層の下側に形成された溶融メタル層に、酸素また
は空気を吹き込んで該溶融メタル層に含まれる鉄分を酸
化してスラグ化することによって溶融メタル層の有価金
属品位を高め、の溶融スラグ層と溶融メタル層とを連
続的に溶融炉から抜き出して冷却粉砕し、メタル粉砕物
を他の粉砕物から比重差を利用して選別することによ
り、メタルに含まれる有価金属を分離回収することを特
徴とする都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法。 (2)所定量の都市ゴミ焼却灰をバッチ式で溶融処理す
際に、炉内の溶融スラグ層の下側に形成された溶融メ
タル層に、酸素または空気を吹き込んで該溶融メタル層
の鉄分を酸化してスラグ化することによって溶融メタル
層の有価金属品位を高めた後に、溶融操業を停止して上
側の溶融スラグ層と下側の溶融メタル層をおのおの抜き
出し、これを冷却粉砕し、メタル粉砕物を他の粉砕物か
ら比重差を利用して選別することにより、メタルに含ま
れる有価金属を分離回収することを特徴とする都市ゴミ
焼却灰中の有価金属の回収方法。 (3)溶融メタル層に酸素または空気を吹き込んで該溶
融メタル層の銅品位を15〜95%、鉄品位を70%以
下にする上記(1)または(2)に記載する有価金属の回収方
法。 (4)上記(3)に記載する有価金属の回収方法におい
て、メタル層から回収した有価金属を銅製錬の原料とし
て用いる方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、説明する。本発明の対象となる都市ゴミ焼却灰と
は、自動車等のシュレッターダストを含む金属分を含有
した広範囲の都市ゴミ焼却灰を対象としたものであり、
これらの都市ゴミ焼却灰の所定量を用意し、これを溶融
炉で1350℃〜1650℃で溶融処理し、回収したメ
タル層中の銅品位が15%以上の場合は、この状態で溶
融したスラグとメタルを同じ炉出口から抜き出し、同時
に連続して、冷却水砕し、有価金属を多く含有するメタ
ルを他の水砕物と比重差選別法により分離回収する。ま
た上記回収したメタル中の銅品位が15%未満の場合
は、溶融処理中に、溶融スラグの下層に生成したメタル
層に酸素(または空気)を吹き込み、該メタル層に含ま
れる鉄金属を酸化しスラグ化することにより残るメタル
層での銅品位を、所望値以上に引き上げ、この様にして
生成したスラグと有価金属を含有するメタルとを同時に
冷却水砕し、比重選別法により、分離回収する。
【0009】上記せる比重差選別の方法としては、スラ
グの真比重が約3g/cm3、メタル真比重が約7g/
cm3であることを利用出来る比重差選別法を用いるの
が最も良い。比重差選別方として、通常遠心分離法、動
力沈澱法、テーブル分離法、浮遊又は沈降選別やサイク
ロン法等が用いられる。ここにテーブル分離法は、振動
している傾斜ある板にスラリーを流すと、比重の軽い粉
末と重い粉末が分離する現象を利用しての分離法であ
る。またサイクロン法は、冷却水砕したスラグとメタル
をそのまま、ポンプで液体サイクロンにて送液し、遠心
力によりスラグとメタルとに分離する方法で、簡単な設
備で、大量処理できるが、分離は粗く、粗分離としては
最適な方法であり、他の分離法と組み合わせて利用する
ことにより有効な選別法となり得る。
【0010】上記せる回収方法は、連続操業の場合であ
るが、バッチ式の回収方法においても応用可能である。
即ち所定量の都市ゴミ焼却灰を溶融炉で溶融し、該溶融
炉の炉底に有価金属を含有するメタルが溜った時点で、
炉への都市ゴミの投入を中止、炉底より有価金属を含有
したメタルを抜き出し、冷却粉砕または破砕するもので
あるが、炉底に溜ったメタルは、比重差により下層側に
金、銀及び銅等の有価金属、上層側に鉄金属が溜ってい
るので、最初に抜き出されるメタル組成は、金、銀及び
銅等の有価金属を多く含んだ組成を有しているので、有
価金属として採取する量を管理することにより、容易に
有価金属の含有量をアップさせることができる。溶融炉
の下層に溜った有価金属を多く含んだメタルを抜き出す
方法として、次の方法に限定されるものでなく、いかな
る方法を用いても良いが、まず溶融炉の炉底とその上部
に抜き出し口を少なくとも2か所以上設け、上部側抜き
出し口より主としてケイ酸質スラグを抜き出し、例えば
該抜き出し口より有価金属を含むメタル分の排出が確認
された(確認される以前でも良い)時点で、溶融炉の操
業を中止し、炉底より炉内に溜った該メタルを抜き出す
様にすれば一バッチ当たりの処理量をアップすることが
できる。更に、取り出す該メタルの銅含有量が高い場合
は、選別工程を省略することも可能である。また、溶融
炉の下層に溜った有価金属を含有したメタルを抜き出す
別の方法として、炉への都市ゴミ焼却灰の投入を中止し
た後、炉を傾けてゆきながら、まず上層部のケイ酸質ス
ラグを、次に鉄金属、最後に銅等の有価金属を炉より排
出(抜き出し)する方法をとることができ、炉自体に抜
き出し口を設ける必要ないので有用な方法である。炉の
傾斜を管理することにより有価金属の回収量を管理する
ことが可能であり、また炉の傾きにより炉より排出する
溶融物の粉砕方法を変更することも可能であり有効な方
法である。抜き出した有価金属は上記と同様に冷却粉砕
した後必要に応じて比重差選別を行えば良い。
【0011】 なお、上記せるメタル層を含む溶融スラ
グを粉砕する手段としては、特に限定されないが、通常
良く用いられているのが水を用いた急冷粉砕であり、そ
の代表的な水アトマイズ法を利用すれば容易に所定の粒
度に粉砕することが出来る。具体的には、例えば、上記
溶融スラグとメタルとを水砕槽に導き、水を噴射して急
激に水冷すれば自砕する。水で水砕すると比熱の差、表
面張力の差等からスラグ塊とメタル球に自然と分離した
混合体となっているので、これを比重差を利用して分離
する。また別の方法として、空気等の気体を利用した急
冷粉砕方法、或は両者を併用した急冷粉砕方法等がある
が、何れの方法を採用するかは、粉砕工程後の工程また
は粉砕物の取扱を考慮して決めれば良い。空気等の気体
を利用した粉砕方法は、風砕といわれており、溶融メタ
ルに空気等の気体を噴射して、該溶融メタルを急冷して
自砕するものであり、粉砕物が乾燥状態で取扱が可能で
あると共に、粉砕に利用した空気は、溶融物との熱交換
により温度が上昇しており、燃焼用の二次空気とし利用
出来る。粉砕する粒度については、特に限定されない
が、銅精練用の原料として使用する場合には、2mm以
下に粉砕するのが望ましく、ケイ酸質スラグとメタルと
を別個に溶融炉より取り出すことが可能であれば、取り
扱い易い様にケイ酸質スラグ等は徐冷後に破砕してもよ
い。
【0012】上記の如く、有価金属を含有するメタルと
して、回収されるメタル中の銅の品位は、15重量%以
上が望ましく15重量%未満では、銅製錬向けの原料と
しては、有価金属の回収コストが高くなり、採算に合わ
ないので望ましくない。また 都市ゴミ焼却灰を溶融処
理する際に、溶融スラグの下層に生成したメタル層に酸
素(又は空気)を吹き込んで、メタル層中の鉄金属を酸
化させスラグ化させることにより、最終的に生成するメ
タル層での銅の含有量を容易に95重量%程度までアッ
プすることができ、回収されるメタル中での銅の含有量
を15〜95重量%をすることが可能である。この際、
吹き込む酸素量としてはゴミ焼却灰100Kgに対して
1.0Kg以上とすることが望ましく、1.0Kg以下
ではメタル中の鉄金属を十分酸化することが困難な場合
もある。また、回収するメタル中の鉄の含有量を70重
量%以下とすることにより、ほぼ所望の銅含有量とする
ことが可能である。バッチ方式においても、炉底のメタ
ルに酸素(または空気)を吹き込むことは、回収するメ
タルの銅含有量をアップすることができるので、有効な
手段であるある。特に操業中に溶融炉よりスラグを抜き
出す場合においては、一操業当たりの、回収する有価金
属を含むメタルの量が多くなり好適であり、必要に応じ
て酸素を吹き込む様にすれば良い。上記水準のメタルを
銅製錬の原料として用いることにより、製錬工程におい
て、銅およびその他有価貴金属Au,Agを経済的に回
収することが出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について、具体的に説
明する。 [実施例1]まづ、都市ゴミ焼却灰100kgを用意
し、電気炉で、1550℃で溶融処理し、溶融物:8
6.2Kgを水砕槽に導き、水アトマイズ法により水を
噴射し急激に水冷し、破砕し、この水砕物を、ポンプで
液体サイクロンにて送液し粗分離した、ついで此等を夫
々テーブル法により選別分離してスラグ79.2kgと
メタル7.0kgを得た。このさい、水アトマイズ法に
て得られた水砕物の粒度は、0.5〜2.0mmであっ
た。次いで、使用した焼却灰、得られたスラグ及びメタ
ルの化学分析をその結果を表1に示した。同時に夫々の
品位を計算した値を、夫々同じく表1に示した。銅品位
は23.7重量%と銅製錬の原料としては、多少低いと
はいえ、十分に原料として使える有価金属を含んだメタ
ルが得られた。
【0014】
【表1】
【0015】[実施例2]都市ゴミ焼却灰100kgを
用意し、電気炉で1600℃で溶融処理する際に、溶融
スラグの下層のメタル層に空気をトータルで3350l
吹き込んでFe,Siを酸化し、スラグ化した後、得ら
れた溶融物87.2kgを水砕槽に導き、実施例1と同
様にして、水破砕し、同方法で比重差選別して、スラグ
83.2kgとメタル4kgを得た。実施例1と同様に
化学分析、品位計算を行い、その結果を表2に示した。
メタル中の銅品位は41.0重量%まで上昇した。A
u,Ag,Cuの回収率も、表2から判る通り、90%以
上の収率で回収出来た。
【0016】
【表2】
【0017】[実施例3]実施例1と実施例2と同一条
件で都市ゴミ焼却灰を溶融し、得られた溶融物を溶融炉
の炉底に設けた抜き出し口より、最初に各4kg抜き出
し水砕槽にて水砕し、残りの溶融物を水槽に投入した。
得られた水砕物を分析した結果は、表3に示す通りであ
り、何れも銅の回収率は90%以上であった。尚、表3
の試験1は実施例1と、試験2は実施例2と同一溶融条
件(粉砕前まで)での結果である。
【0018】
【表3】
【0019】[比較例]つい で、比較のために、都市
ゴミ焼却灰100Kgを用意し実施例1と同様の方法で
得た水砕物を、磁選機にかけてメタル部分を分離回収し
た。結果を表4に示す。この様に磁選ではメタルが5.
7Kg回収出来たものの、スラグ側に銅等を含んだ有価
金属が移行するため、回収ロスが多く、その銅品位は、
7.2重量%と低く、銅製錬での回収はコスト的に無理
である。また回収率もCu:23%,Au:25%,A
g:25%と低い。
【0020】
【表4】
【0021】
【発明の効果】本発明の回収方法によれば、都市ゴミ焼
却灰の溶融スラグから銅などの有価金属を効率よく回収
することが出来る。しかも本発明の回収方法は、焼却灰
の溶融の際に必要に応じて酸素(または空気)を溶融ス
ラグの下層に生成したメタル層に吹き込み、該メタル層
中の鉄金属の酸化を速進せしめスラグ化することによ
り、該メタル層中の銅の含有量を銅精練用の原料として
使用可能な範囲まで向上させることができ、該溶融物を
冷却水砕後、比重差を利用した簡便な方法で、大がかり
な設備を必要とせず、処理コストも極めて低く有価金属
を含有するメタルの回収を実施し易いうえに、従来は経
費をかけて廃棄していたものから経済性のある資源を回
収出来るので、実用上の利点が大きい。また回収したス
ラグは金属分の含有量が少ないので、建築用レンガの材
料等に適し、有効に利用し易い。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00 B09B 3/00 B09B 5/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】都市ゴミ焼却灰を溶融処理する際に、炉内
    の溶融スラグ層の下側に形成された溶融メタル層に、酸
    素または空気を吹き込んで該溶融メタル層に含まれる鉄
    分を酸化してスラグ化することによって溶融メタル層の
    有価金属品位を高め、この溶融スラグ層と溶融メタル層
    とを連続的に溶融炉から抜き出して冷却粉砕し、メタル
    粉砕物を他の粉砕物から比重差を利用して選別すること
    により、メタルに含まれる有価金属を分離回収すること
    を特徴とする都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法。
  2. 【請求項2】 所定量の都市ゴミ焼却灰をバッチ式で溶
    融処理する際に、炉内の溶融スラグ層の下側に形成され
    溶融メタル層に、酸素または空気を吹き込んで該溶融
    メタル層の鉄分を酸化してスラグ化することによって溶
    融メタル層の有価金属品位を高めた後に、溶融操業を停
    止して上側の溶融スラグ層と下側の溶融メタル層をおの
    おの抜き出し、これを冷却粉砕し、メタル粉砕物を他の
    粉砕物から比重差を利用して選別することにより、メタ
    ルに含まれる有価金属を分離回収することを特徴とする
    都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法。
  3. 【請求項3】 溶融メタル層に酸素または空気を吹き込
    んで該溶融メタル層の銅品位を15〜95%、鉄品位を
    70%以下にする請求項1または2の有価金属の回収方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載する有価金属の回収方法に
    おいて、メタル層から回収した有価金属を銅製錬の原料
    として用いる方法。
JP03616397A 1997-02-20 1997-02-20 都市ゴミ焼却灰中の有価金属の回収方法 Expired - Lifetime JP3384270B2 (ja)

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