JP3335256B2 - 金属廃材の再利用装置 - Google Patents

金属廃材の再利用装置

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JP3335256B2
JP3335256B2 JP18866094A JP18866094A JP3335256B2 JP 3335256 B2 JP3335256 B2 JP 3335256B2 JP 18866094 A JP18866094 A JP 18866094A JP 18866094 A JP18866094 A JP 18866094A JP 3335256 B2 JP3335256 B2 JP 3335256B2
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裕彦 杉田
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株式会社スタンド
株式会社吉田火工機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、アルミニウム
合金製品の廃材の中に鉄製品の廃材が混入している状態
のプレス材からアルミニウム合金のみを回収する金属廃
材の再利用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、資源の有効利用のために使用済ア
ルミニウム缶のリサイクルが行なわれている。このリサ
イクルにおけるアルミニウム缶の回収率は、1993年
度実績で57.8%である。このリサイクルは通常、図6
に示すような手順で行なわれている。
【0003】同図に示すように、飲料缶などに使用され
るアルミニウム缶は、消費者によって使用された後、一
般家庭やその他の場所でゴミとして廃棄される。その
後、自治会、リサイクルセンターおよび廃棄物処理業者
などによりアルミニウム缶のみが選別され、選別された
使用済アルミニウム缶は回収業者により運搬などの都合
上3〜30kgまでの塊にプレスされ、アルミニウム缶再
生のための原材料として再生加工業者に送られる。この
使用済アルミニウム缶のプレス材(以下、単にプレス材
と称する)中には、上記選別が確実に行われないこと、
また選別を確実に行うのが困難なことにより、通常、1
〜3%のスチール缶が混入している。
【0004】このため、再生加工業者においては、上記
プレス材から再利用に適するアルミニウム合金再生塊を
得るのに、図6に示す「プレス材を分割」から「再生
塊」に至る処理工程(破線にて囲んだ部分)が行なわれ
ている。この処理をさらに具体的に示すと図7に示すも
のとなる。以下、この図7に示した処理について説明す
る。
【0005】(イ)まず、上記プレス材を用意する。こ
のプレス材としては、スチール缶等の混入が特に少な
く、選別が特に良く行なわれたものを購入する。
【0006】(ロ)次に、上記プレス材をブレーカーに
より、瞬間的に大きな衝撃を加えて小割りにする。この
ブレーカーは、例えば分断刃により上記プレス材をシュ
レッダーにて処理可能な大きさに解体するものである。
【0007】(ハ)次に、ブレーカーにて小割りにされ
たプレス材をシュレッダーにて10mm程度の細かい小片
に寸断する。この寸断材には、アルミニウム缶寸断片、
スチール缶寸断片および異物などが混在している。
【0008】(ニ)次に、缶表面の塗装膜などを回転キ
ルンにて焙焼し除去する。この工程は、溶解されたとき
のアルミニウム合金の組成が特に重要ではない場合、省
略されることがある。
【0009】(ホ)次に、磁力により材料の選別を行う
磁選機にて、上記寸断材からスチール缶寸断片を取り除
く。
【0010】(へ)次に、スチール缶寸断片が除去され
た寸断材から、ガラスおよび砂などの微細な異物を篩に
より取り除く。
【0011】(ト)次に、異物が除去された寸断材を溶
解炉に投入して溶解する。
【0012】(チ)次に、溶解されたアルミニウム合金
材を鋳型に鋳込み再生塊を得る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
方法では、ブレーカーにより上記プレス材をシュレッダ
ーにて処理可能な大きさに分割しているため、ブレーカ
ーには瞬間的に大きな力が必要となる。このため、ブレ
ーカーは処理量に対して過大なものになりがちである。
また、ブレーカーを常時運転させずに備えることは、設
備の負担を大きくし、大きなコストアップを招来するも
のとなっている。また、上記ブレーカーやシュレッダー
は、衝撃を繰り返すことにより刃物等の欠けや磨耗、あ
るいは機械の損傷などが生じ易い。このため消耗品購入
の費用や設備補修のための維持費がかかる上、大きな衝
撃音による騒音が発生するので設置場所が限定されると
いう問題点を有している。
【0014】また、上記プレス材をブレーカーおよびシ
ュレッダーにて処理した場合、これにより得られる寸断
片においては、例えばスチール缶寸断片がアルミニウム
缶寸断片にて覆われる状態、およびこれら両寸断片同士
が絡み合う状態が生じ易い。このため、上記磁選機によ
る選別工程(ホ)においては、スチール缶寸断片を十分
には除去することができなくなっている。
【0015】ここで、アルミニウム缶胴部用3004J
IS規格材の組成は、下記の表1の(A)に示すような
規格になっている。また、上記アルミニウム缶胴部用3
004JIS規格材用として受け入れられるアルミニウ
ム合金再生塊としては、一般に、(B)の規格を満たす
必要がある。従って、上記のようにスチール缶寸断片を
十分には除去することができないことによって、成分中
に鉄などを(B)の規格以上含んだアルミニウム合金再
生塊は、アルミニウム缶胴部用としては使用できず、製
鋼用の脱酸剤として使用されるか、ダイキャスト用2次
合金として使用される。このため、回収されたアルミニ
ウム缶のうち本来のアルミニウム缶に還元されるのは、
回収時に混入する異物などのためわずかに30%前後に
とどまっているのが現状である。
【0016】一方、スチール缶寸断片が混入したアルミ
ニウム合金材料をアルミニウム缶胴部の上記受入れ規格
に適合させる場合には、溶解したアルミニウム合金材料
中に純アルミニウムを加え、鉄などのアルミニウム以外
の成分を希釈する必要がある。しかしながら、このよう
な希釈に要する純アルミの分量が多ければ多いほど生産
されたアルミニウム合金再生塊は高コストのものにな
る。
【0017】また、混入している鉄分を薄めるために純
アルミニウムを添加して成分調整を行なった場合、アル
ミニウム缶胴部用の成分として必要なマンガン、マグネ
シウムの含有量が少なくなってしまい、さらにマンガ
ン、マグネシウムを追加する必要がある。このようにし
て作られたアルミニウム合金再生塊は、新しいアルミ塊
より価格が高くなってしまうことにもなる。
【0018】また、上記従来の方法では、上記のよう
に、スチール缶寸断片の除去を十分に行うことができな
いので、アルミニウム缶の選別が比較的良くできたプレ
ス材を購入する必要がある。しかしながら、このような
プレス材は割高であり、かつ量の確保が困難なものとな
っている。
【0019】
【表1】
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の金属廃材の再利
用装置は、上記の課題を解決するために、円筒状をな
し、その軸心を中心として回転し、一端側の投入口から
投入された、回収すべき回収金属材とこの回収金属材よ
りも融点が高い1種類以上の非回収金属材とが混合して
いる状態で押し固められたプレス材を他端側の排出口方
向へ移動させ、回収金属材が脆性領域の温度に加熱され
る加熱位置よりも投入口寄り位置に、上記プレス材の塗
膜が燃焼することにより生じるダストを回転キルン内か
ら排出する排出部が設けられている横置きの、複数個を
縦一列に同心状に連結した回転キルンと、溶解炉の排気
ガスを温度調整して上記回転キルンの排出口から投入口
方向へ送り込むことにより、回転キルン内に投入された
上記プレス材が、回転キルンの回転による落下衝撃と熱
膨張とにより解体する温度に、上記プレス材を加熱する
とともに、この加熱位置よりも排出口寄り位置にて、回
転キルン内の回収金属材が固相と液相との中間相である
脆性領域の温度となるように回収金属材を加熱する加熱
手段と、上記回転キルンの排出口から排出された回収金
属材と非回収金属材とを分別して回収金属材を取り出す
分別手段と、この分別手段により取り出された回収金属
材を溶解する溶解炉と、異物を回収する上記回転キルン
の連結部とを備えていることを特徴としている。
【0021】
【作用】上記の構成によれば、溶解炉の排気ガスが温度
調整された後、回転キルンの排出口から投入口方向へ送
り込まれることにより、回転キルンのプレス材が加熱さ
れる。上記プレス材は、回転キルンの回転による落下衝
撃と加熱による熱膨張とにより解体され、次に、回収金
属材が上記脆性領域の温度に加熱されることにより破砕
する。その後、回転キルンの排出口から排出された回収
金属材と非回収金属材とのうち、回収金属材は分別手段
にて取り出される。この取り出された回収金属材は、溶
解炉に投入されて溶解される。その後、溶解された回収
金属は、例えば、鋳型に鋳込まれて再生塊とされる。ま
た、上記プレス材の塗膜が燃焼することにより生じるダ
ストは、回収金属材が脆性領域の温度に加熱される加熱
位置よりも投入口寄り位置に設けられた排出部から回転
キルン外へ排出される。
【0022】このように、本再利用装置においては、回
転キルン内での一連の処理により、上記プレス材から回
収金属材を回収するようになっているので、各処理段階
毎の材料の移動等が不要となり、効率の良い処理が可能
である。また、ブレーカーやシュレッダーなどを使用せ
ずに処理を行うものであるため、ランニングコストを低
減することができ、低コストでの処理が可能であるとと
もに、大きな衝撃音も生じず、低騒音化を図ることがで
きる。また、回収金属材を高い純度で得ることができ、
成分調整等に要する費用を低減することができる。ま
た、回収金属材を高い純度で得ることができるので、非
回収金属材の混入量が少ない高価なプレス材を購入する
必要がなく、安価なプレス材を使用することができる。
【0023】また、プレス材の塗膜が燃焼することによ
り生じるダストは、回収金属材が破砕される前に回転キ
ルン外へ排出されるので、ダストが混入していないさら
に高純度の回収金属材を得ることができる。加熱手段
は、溶解炉の高温の排気ガスを利用して上記プレス材を
加熱するものであるから、装置全体のエネルギー消費量
が少なくて済み、これによってもランニングコストを低
減することができる。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図5に基づい
て以下に説明する。図1に示すように、本実施例の金属
廃材の再利用装置には、第1〜第3回転キルン1〜3が
縦一列に同心状に設けられている。これら第1〜第3回
転キルン1〜3は、この順に順次連結され、第1回転キ
ルン1の投入口が第3回転キルン3の排出口よりも上方
に位置するように傾斜して配されるとともに、一体的も
しくは個別に回転するようになっている。これら第1〜
第3回転キルン1〜3は、投入されたプレス材を回転し
ながら熱処理するもの、即ち回転による衝撃と熱とによ
り処理し、これにより得られた処理済材料を排出口から
排出するものである。
【0025】上記第1回転キルン1と第2回転キルン2
との連結部、および第2回転キルン2と第3回転キルン
3との連結部からは、この連結部が排出部としての例え
ばメッシュ構造、あるいはパンチング構造となっている
ことにより、細かな異物等を排出可能となっている。
尚、上記連結部からは処理すべき材料が落下しないよう
になっている。
【0026】第1回転キルン1の投入口側には、複数種
類の金属の廃材が押し固められた状態のプレス材を投入
するための投入コンベア16が設けられている。本実施
例において、上記プレス材は、回収金属材としての使用
済アルミニウム缶に、これよりも融点が高い非回収金属
材としての少なくとも使用済スチール缶がいくつか混入
した状態のものとなっている。
【0027】第1回転キルン1と第2回転キルン2との
連結部下方には、ホッパー6が設けられている。また、
第2回転キルン2と第3回転キルン3との連結部下方に
は篩5aが設けられ、この篩5aの斜め下方には、磁選
機4aが設けられている。また、第3回転キルン3の排
出口下方には分別手段としての篩5bが設けられ、この
篩5bの斜め下方には、分別手段としての磁選機4bが
設けられている。
【0028】上記ホッパー6は、第1回転キルン1と第
2回転キルン2との連結部から落下するペンキダストや
砂などの異物を回収するためのものである。上記篩5a
は、第2回転キルン2と第3回転キルン3との連結部か
ら落下する、アルミニウム缶蓋部の破砕片と、これより
も小さいガラス片、鉄片等とを分離するためのものであ
る。上記篩5bは、図4に示すような、第3回転キルン
3で破砕されチップ状になったアルミニウム缶胴部と、
図3に示すようなスチール缶とを分離するためのもので
ある。上記磁選機4a・4bは、磁力により鉄材料を吸
着して除去するものである。
【0029】また、本再利用装置は、上記篩5bから篩
落とされた材料、即ちアルミニウム合金材料を溶解する
ための溶解炉7を備えている。この溶解炉7には熱交換
器9が接続されている。この熱交換器9は、溶解炉7に
供給する空気を溶解炉7からの排熱によって加熱するた
めのものである。
【0030】上記溶解炉7は、図2に示すように、燃焼
室7dの側壁にバーナー32を備えている。バーナー3
2は、熱交換器9により加熱されて燃焼室7dに取り入
れられた新鮮な空気により燃料を燃焼させ、燃焼室7d
内を加熱するものである。この溶解炉7は、溶湯の温度
が約750℃になるように温度制御されている。また溶
解炉7の下方には、溶湯を撹拌してその温度分布を均一
にするための電磁撹拌装置31が設けられている。この
電磁撹拌装置31は、渦電流の作用により溶湯を撹拌す
るものである。また、溶解炉7の上部には排気口7cが
設けられており、バーナー32により発生した高温の排
気ガスは、この排気口7cから煙道を通って煙突または
温度制御チャンバー10に達するようになっている。
【0031】温度制御チャンバー10は第3回転キルン
3の排出口と接続されており、溶解炉7から供給される
約1000℃の加熱空気を、例えば約650℃に温度制
御して第3回転キルン3の排出口に供給している。
【0032】上記温度制御チャンバー10には、熱風発
生炉11とブロア8cとが接続されている。この熱風発
生炉11は、上記加熱空気の温度が第3回転キルン3内
部を加熱するのに十分ではない場合に補助的に使用さ
れ、フィルター12を通して取り入れた空気を補助バー
ナーより加熱し、温度制御チャンバー10へ送り込むた
めのものである。
【0033】上記のように、本再利用装置においては、
回転キルン1〜3内部の材料の加熱が上記溶解炉7の排
熱を利用して行われている。即ち、溶解炉7の排熱が、
温度制御チャンバー10、第3回転キルン3、第2回転
キルン2、第1回転キルン1の経路にて伝達されるよう
に構成されている。従って、本実施例においては、溶解
炉7、温度制御チャンバー10およびブロア8cにより
加熱手段が構成されている。
【0034】尚、第1および第2回転キルン1・2内で
の加熱空気の温度低下が困難である場合、第1および第
2回転キルン1・2内の温度制御を排気口15d・15
cの位置から第1および第2回転キルン1・2内へ常温
の空気を取り込むことにより行うようにしてもよい。
【0035】第3回転キルン3は、温度制御チャンバー
10により、約650℃に調整された加熱空気が排出口
から送り込まれた場合に、内部の材料を約630℃に加
熱するように設定されている。また、第2回転キルン2
は、第3回転キルン3から上昇してきた加熱空気によ
り、内部の材料を約600℃に加熱するように設定され
ている。また、第1回転キルン1は、第2回転キルン2
から上昇してきた加熱空気により、内部の材料を約45
0℃に加熱するように設定されている。
【0036】上記第1回転キルン1の投入口上方には、
排気口15aが設けられ、この排気口15aにはブロア
8fが接続されている。また、第2回転キルン2と第1
回転キルン1との連結部上方、第3回転キルン3と第2
回転キルン2との連結部上方には、それぞれ排気口15
b・15cが設けられている。上記排気口15aは第1
回転キルンの投入口からの排気ガスをブロア8fにより
煙道へ排出するためのものである。また、上記排気口1
5b・15cは、それぞれ第2回転キルン2と第1回転
キルン1との連結部および第3回転キルン3と第2回転
キルン2との連結部からの排気ガスをブロア8e・8d
により煙道へ排出するためのものである。
【0037】上記排気口15b・15cは、それぞれブ
ロア8e・8dを介してサイクロン13c・13bに接
続されている。また、上記ブロア8f、サイクロン13
c・13bは、ブロア8aを介して、サイクロン13a
に接続されている。このサイクロン13aは、バックフ
ィルタ14に接続され、このバックフィルタ14は、ブ
ロア8bを介して煙突に接続されている。上記サイクロ
ン13c・13bは、それぞれ上記排気口15b・15
cからの排気ガスからガス中に浮遊している粉塵を除去
するためのものである。上記サイクロン13c・13b
にて粉塵を除去された排気ガスは、前記排気口15aか
らの排気ガスと合流し、ブロア8aに接続されたサイク
ロン13aに送られる。このサイクロン13aに送られ
た排気ガスは、再度粉塵が除去された後、ブロア8bに
よりバックフィルタ14へと取り込まれ、各サイクロン
13a・13b・13cにて除去されなかったさらに細
かい粉塵が除去された後、大気中に放出される。
【0038】上記の構成において、本再利用装置の処理
は基本的に図5に示す工程により行われる。本再利用装
置での上記プレス材の処理の際には、温度制御チャンバ
ー10に溶解炉7より高温の排気ガスが供給され、この
排気ガス、即ち加熱空気が、温度制御チャンバー10に
て所定温度に制御され、第3回転キルン3の排出口から
それぞれ回転する第3回転キルン3内、第2回転キルン
2内、第1回転キルン1内へと順次供給される。これに
より、第1〜第3回転キルン1〜3内が前記所定温度に
加熱される。
【0039】この状態において、第1回転キルン1の投
入口から投入された上記プレス材は、表2に示すよう
に、第1回転キルン1内において、例えば投入後約1〜
3分にて約100〜150℃に加熱される。これによ
り、プレス材に含まれる水分が蒸発して、除去される。
【0040】その後、上記プレス材は、例えば投入後4
〜8分にて350〜450℃に加熱される。これによ
り、プレス材におけるアルミニウム缶およびスチール缶
の表面塗装膜や内部塗膜が焙焼され、これらの成分が揮
発し、あるいはダストとなる。上記揮発成分は排気口1
5aを通じて第1回転キルン1から排出される。一方、
缶表面に付着している上記ダストは、上記プレス材が第
1回転キルン1の回転に伴い上方位置から落下して衝撃
を受けること、および上記プレス材が第1回転キルン1
の内壁に摺接することにより、缶表面から離脱する。こ
のダストは、第1回転キルン1の回転および傾斜によ
り、第1回転キルン1と第2回転キルン2との連結部か
ら、プレス材の隙間等に存在していた砂等と共に、ホッ
パー6内に落下する。
【0041】次に、上記プレス材は、第1回転キルン1
の傾斜と回転とにより、第1回転キルン1内から第2回
転キルン2内へと送り込まれ、例えば投入後8〜12分
にて550〜600℃に加熱される。この第2回転キル
ン2内において、上記プレス材は、第2回転キルン2の
回転に伴う落下衝撃と加熱による熱膨張とにより、塊の
状態からほぐれた状態、即ち解体された状態となり、一
体化されていたアルミニウム缶とスチール缶とが分かれ
る。
【0042】尚、この温度帯は、アルミニウム缶の蓋部
を構成する合金材料が固相と液相との中間相の脆性領域
となる温度帯であるので、上記蓋部が第2回転キルン2
の回転による落下衝撃にて細片に破砕される。
【0043】第2回転キルン2と第3回転キルン3との
連結部からは、第2回転キルン2の傾斜と回転とによ
り、上記蓋部の破砕片、およびアルミニウム缶内に混入
していた例えばガラス粒や鉄粒等が排出される。これら
は篩5a上に落下し、この篩5aによりガラス粒や鉄粒
等の粒状体が上記蓋部の破砕片中から除去される。篩5
a上に残った上記蓋部の破砕片はさらに磁選機4aに送
られ、この磁選機4aにより鉄片が除去される。
【0044】次に、第2回転キルン2内において解体さ
れたアルミニウム缶およびスチール缶を含む材料は、第
2回転キルン2の傾斜と回転とにより、第2回転キルン
2内から第3回転キルン3内へと送り込まれ、例えば投
入後13〜17分にて約610〜630℃の温度帯に加
熱される。この温度帯は、アルミニウム缶の胴部を構成
する合金材料が固相と液相との中間相の脆性領域となる
温度帯であるので、上記胴部が第2回転キルン2の回転
による落下衝撃にて細片に破砕される。
【0045】第3回転キルン3内におけるアルミニウム
缶の破砕片とスチール缶とは、第3回転キルン3の傾斜
と回転とにより排出口から篩5b上に排出される。この
篩5bからはアルミニウム缶の上記破砕片のみが篩落と
され、溶解炉7の投入口7aに投入される。一方、篩5
b上に残ったスチール缶は、磁選機4bにより、それ以
外の非鉄金属類と分別され、別途回収される。
【0046】
【表2】
【0047】上記アルミニウム缶の破砕片は、上記篩4
bから例えばパイプ状の通路を通じて溶解炉7へ投入さ
れる。これにより、上記破砕片は、温度が極端に低下す
ることなく、例えば約300℃の温度で溶解炉7へ投入
され、溶解炉7での溶解動作に悪影響が及ばないように
なっている。溶解炉7にて溶解されたアルミニウム缶の
破砕片は、その後、溶解炉7の取出口7bから溶湯とし
て取り出され、再生塊とされる。
【0048】ここで、本再利用装置を使用して上記プレ
ス材を処理した場合と、上記プレス材を処理せずにその
まま溶解炉7に投入した場合との比較試験を行った結果
を表3に示す。
【0049】表3に示すように、本再利用装置による処
理を行った場合には、未処理の場合と比べ、アルミニウ
ム合金再生塊を1kgを得るために必要な燃料を70l 節
約できることがわかる。また、混入するスチール缶の選
別が十分に行なわれていないプレス材を40%使用した
にもかかわらず、本再利用装置においては、未処理の場
合より溶解歩留りが7%も改善され、希釈材として投入
された純アルミニウムの使用比率も25%少なくて済む
ことが確認された。
【0050】
【表3】
【0051】上記のように本実施例の構成においては、
回転キルン内において、上記プレス材からアルミニウム
材を回収するための一連の処理が行われるようになって
いるので、各処理段階毎の材料の移動等が不要となり、
効率の良い処理が可能である。
【0052】また、本実施例の構成では、上記プレス材
からアルミニウム材を回収する一連の処理中において、
アルミニウム缶およびスチール缶の塗装膜などが除去さ
れるようになっているので、効率の良い処理が可能とな
っている。
【0053】また、ブレーカーやシュレッダーなどを使
用せずに処理を行うものであるため、ランニングコスト
を低減することができ、低コストでの処理が可能である
とともに、大きな衝撃音も生じず、低騒音化を図ること
ができる。さらに、回収を目的とする材料を高い純度で
得ることができ、成分調整等に要する費用を低減するこ
とができる。
【0054】また、上記のように、回収を目的とする材
料を高い純度で得ることができるので、例えば鉄の混入
が少ない、即ちアルミニウムの純度が高い高価なプレス
材を購入する必要がなく、安価なプレス材を使用するこ
とができる。
【0055】また、熱源として溶解炉7の排気ガスを利
用しているので、装置全体のエネルギー消費量が少なく
て済み、これによってもランニングコストを低減するこ
とができる。
【0056】尚、本実施例においては、アルミニウム缶
中にスチール缶が混入した状態のプレス材の処理につい
て示しているが、本再利用装置は、これに限定されるこ
となく、その他のアルミニウム製品に鉄製品が混入して
いる状態のプレス材、例えばアルミニウム製型材にこれ
に付属する鉄製品が混入している状態のプレス材の処理
等にも使用可能である。さらには、アルミニウム材およ
び鉄材に限定されることなく、前記脆性領域を有する回
収すべき金属材と、この金属材よりも融点が高い他の複
数の金属材とからなるプレス材から、回収すべき上記金
属材を得る場合にも適用可能である。
【0057】また、本実施例においては、独立した3個
の回転キルンを備えた構成について例示したが、上記3
個の回転キルンに相当する1個の回転キルンを備えた構
成とすることも可能である。
【0058】また、本実施例においては、篩5bを通過
したアルミニウム缶の破砕片をそのまま溶解炉7に投入
するようにしているが、篩5bを通過したアルミニウム
缶の破砕片からさらに磁選機にて鉄分を除去するように
すれば、アルミニウム缶の破砕片をさらに高い純度で回
収することが可能となる。
【0059】
【発明の効果】本発明の金属廃材の再利用装置は、以上
のように、円筒状をなし、その軸心を中心として回転
し、一端側の投入口から投入された、回収すべき回収金
属材とこの回収金属材よりも融点が高い1種類以上の非
回収金属材とが混合している状態で押し固められたプレ
ス材を他端側の排出口方向へ移動させ、回収金属材が脆
性領域の温度に加熱される加熱位置よりも投入口寄り位
置に、上記プレス材の塗膜が燃焼することにより生じる
ダストを回転キルン内から排出する排出部が設けられて
いる横置きの、複数個を縦一列に同心状に連結した回転
キルンと、溶解炉の排気ガスを温度調整して上記回転キ
ルンの排出口から投入口方向へ送り込むことにより、回
転キルン内に投入された上記プレス材が、回転キルンの
回転による落下衝撃と熱膨張とにより解体する温度に、
上記プレス材を加熱するとともに、この加熱位置よりも
排出口寄り位置にて、回転キルン内の回収金属材が固相
と液相との中間相である脆性領域の温度となるように回
収金属材を加熱する加熱手段と、上記回転キルンの排出
口から排出された回収金属材と非回収金属材とを分別し
て回収金属材を取り出す分別手段と、この分別手段によ
り取り出された回収金属材を溶解する溶解炉と、異物を
回収する上記回転キルンの連結部とを備えている構成で
ある。
【0060】これにより、本再利用装置では、回転キル
ン内での一連の処理により、上記プレス材から回収金属
材を回収するようになっているので、各処理段階毎の材
料の移動等が不要となり、効率の良い処理が可能であ
る。また、ブレーカーやシュレッダーなどを使用せずに
処理を行うものであるため、ランニングコストを低減す
ることができ、低コストでの処理が可能であるととも
に、大きな衝撃音も生じず、低騒音化を図ることができ
る。また、回収金属材を高い純度で得ることができ、成
分調整等に要する費用を低減することができる。また、
回収金属材を高い純度で得ることができるので、非回収
金属材の混入量が少ない高価なプレス材を購入する必要
がなく、安価なプレス材を使用することができる。
【0061】また、プレス材の塗膜が燃焼することによ
り生じるダストは、回収金属材が破砕される前に回転キ
ルン外へ排出されるので、ダストが混入していないさら
に高純度の回収金属材を得ることができる。加熱手段
は、溶解炉の高温の排気ガスを利用して上記プレス材を
加熱するものであるから、装置全体のエネルギー消費量
が少なくて済み、これによってもランニングコストを低
減することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の金属廃材の再利用装置を示
す模式図である。
【図2】図1に示した溶解炉の拡大図である。
【図3】上記再利用装置により除去されるスチール缶を
示す斜視図である。
【図4】上記再利用装置により得られるアルミニウム缶
破砕片を示す説明図である。
【図5】上記再利用装置での処理工程を示すフローチャ
ートである。
【図6】一般的なアルミニウム缶再生の経路を表す説明
図である。
【図7】従来のプレス材の再利用工程を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 第1回転キルン 2 第2回転キルン 3 第3回転キルン 4a 磁選機 4b 磁選機 5a 篩 5b 篩(分別手段) 6 ホッパー 7 溶解炉(加熱手段) 7c 排気口 7d 燃焼室 9 熱交換器 10 温度制御チャンバー(加熱手段) 11 熱風発生炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−80210(JP,A) 実開 昭50−67103(JP,U) 特公 平5−67687(JP,B2) 特公 昭44−9965(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00,5/00 C22B 21/00 C22B 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状をなし、その軸心を中心として回転
    し、一端側の投入口から投入された、回収すべき回収金
    属材とこの回収金属材よりも融点が高い1種類以上の非
    回収金属材とが混合している状態で押し固められたプレ
    ス材を他端側の排出口方向へ移動させ、回収金属材が脆
    性領域の温度に加熱される加熱位置よりも投入口寄り位
    置に、上記プレス材の塗膜が燃焼することにより生じる
    ダストを回転キルン内から排出する排出部が設けられて
    いる横置きの、複数個を縦一列に同心状に連結した回転
    キルンと、 溶解炉の排気ガスを温度調整して上記回転キルンの排出
    口から投入口方向へ送り込むことにより、回転キルン内
    に投入された上記プレス材が、回転キルンの回転による
    落下衝撃と熱膨張とにより解体する温度に、上記プレス
    材を加熱するとともに、この加熱位置よりも排出口寄り
    位置にて、回転キルン内の回収金属材が固相と液相との
    中間相である脆性領域の温度となるように回収金属材を
    加熱する加熱手段と、 上記回転キルンの排出口から排出された回収金属材と非
    回収金属材とを分別して回収金属材を取り出す分別手段
    と、 この分別手段により取り出された回収金属材を溶解する
    溶解炉と 異物を回収する上記回転キルンの連結部と を備えている
    ことを特徴とする金属廃材の再利用装置。
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