JP3383836B2 - 地中マット及びそれによる地中灌漑・汚水処理システム - Google Patents
地中マット及びそれによる地中灌漑・汚水処理システムInfo
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Description
木)等の植物の根に水分を直接供給する地中潅漑と、汚
水の浄化処理と、の組み合わせ処理が可能な地中マット
及びそれによる地中潅漑・汚水処理システムに関する。
定量の水を溜めて、その毛管上昇作用を利用して作物へ
の灌漑を行なう方法や、埋設した有孔地中管により作物
の根に直接水分を供給する方法があり、主に、水田の転
換畑や施設園芸で利用されている。
来、地中に埋設した陶管内に汚水を流して地中に浸潤さ
せ、土壌微生物によって浄化する、いわゆる毛管浸潤ト
レンチ方式の方法があった。
は、地中に多量の水を溜めておく必要があり、地中管か
ら水が下方に浸透して流出してしまったり、地中管の目
が詰まる等の問題点があった。
処理技術は、トレンチの底および埋設管を水平に設置す
る必要があり、傾斜地では利用できないばかりでなく、
現地の土壌をそのまま利用しなければならない場合が多
く、土壌によっては汚水処理能力が左右され、場所の選
定に大きな制約がある等の問題点があった。さらに従
来、地中灌漑技術と汚水処理技術とを効果的に組み合わ
せた技術はなかった。
問題点を解決するためになされたもので、その目的とす
るところは、節水潅漑に好適な地中潅漑環境を作ると共
に、土壌微生物が繁殖し易い汚水処理環境を作ることに
より、地中潅漑と汚水処理を同時に且つ効果的に行うこ
とのできる地中マット及びそれによる地中潅漑・汚水処
理システムを提供することにある。
潅漑及び汚水処理の対象地の地中に布設される地中マッ
トであって、その底面と側面を囲むように敷設された不
透水シートと、該不透水シート内に配置されると共に、
管内から管外への通水および通気能力が低い多孔質の給
水管と、地中マットの形状を保持する固定枠と、上記不
透水シート内に均一かつ密に充填された均一な粒度の土
壌改良資材と、上面に覆設された不織布から構成される
ことを特徴とする。上記給水管の外端部から通気管を分
岐させたことも特徴とするものである。
・汚水処理システムは、上記地中マットと、配水管を介
して該地中マットの給水管に水を供給する水源部と、水
の供給を制御する制御装置から構成されることを特徴と
する。上記地中マットの近くにセンサーを設けて、地中
環境情報を上記制御装置に入力することも特徴とする。
上記配水管に流量計を設けて流量情報を上記制御装置に
入力することも特徴とするものである。
しながら説明する。
象地であって、その地中に地中マットMが布設されてい
る。地中マットMは、図2に示すように、不透水シート
1と給水管2と固定枠3と土壌改良資材4と不織布5か
ら構成されている。なお、図2(A)において、土壌改
良資材4は省略されている。
中での耐久性に優れた防水シートであって、地中マット
Mの底面および両側面(端面を含む)を囲むように敷設
されている。
し、管内から管外への通水および通気能力が低いフレキ
シブルな多孔質の管体である。給水管2は、適当な間隔
をあけて2本配置されている。なお、給水管2は、2本
に限定するものではない。地中マットMの両端部から延
出している給水管2には、通気管2′が分岐して取り付
けられている。これらの給水管2および通気管2′に
は、各々切換バルブ2a、2bが設けられている。
持すると共に、上記給水管2を所定位置に固定する。
オライト、木炭・活性炭、礫など土壌微生物が繁殖し易
く、吸着性に富んだ多孔質の資材や、浮石土壌(鹿沼土
・味噌土、水土)など化学的吸着性の高い資材などであ
って、上記不透水シート1内に、均一且つ密に充填され
る。土壌改良資材4は、上記給水管2の微小孔を塞いだ
り土壌改良資材4自体が目詰まりを起こさないよう、均
一な粒度のものを使用する。土壌改良資材4の種類や構
成は、処理しようとする汚水の種類、水質、周辺の土壌
条件、地表部の植生等の仕様および環境条件や目的に応
じたものを使用する。
うように敷設される。該不織布5の両端縁は上記不透水
シート1の側面の立上り端縁と一体にされている。
て、水源部7の水(汚水を含む)を上記給水管2に供給
する。該水源部7には、水の他に、液肥や温冷水を入れ
る。液肥は作物等の植物の種類や栽培育成目的に応じて
選択する。温冷水は特に汚水浄化に役立つ土壌微生物の
活動水温を調節するために使用する。8はポンプであ
り、必要に応じて空気を圧送する場合もある。9は開閉
バルブ、10は流量計である。なお、上記ポンプ8は、
水源部7が高所にある場合のように、その水圧が利用で
きる場合には、省略してもよい。
M付近に設置したセンサー12からの地中環境情報(例
えば、土壌水分量や水質や地中温度)や、上記水源部7
からの水質情報や、上記流量計10からの流量情報の他
に、管理目的に応じた制御条件を入力し、上記ポンプ8
に対する給水・給気時間や水圧等の条件や上記開閉バル
ブ9に対する開閉の指令信号を出力する。なお、高精度
の処理を要しない場合には、上記センサー12は省略し
てもよい。
て説明する。まず、ポンプ8を稼動させると共に開閉バ
ルブ9および配水管側の切換バルブ2aを開いて、水源
部7内の水を地中マットMの給水管2に供給する。この
時、通気管2′の切換バルブ2bは閉じておく。また、
終端部の切換バルブ2a、2bも閉じておく。
微小孔から土壌改良資材4内に少しずつ滲出する。土壌
改良資材4内に滲出した水は、さらに、図3に示すよう
に、不織布5を透過して周囲の土壌中に浸潤する。土壌
中に浸潤した水は植物Pの根に吸収される。このように
して、地中潅漑が行われる。
の土壌中に浸潤した水は、それが汚水の場合には、土壌
改良資材4や土壌内に棲息する土壌微生物により浄化さ
れる。このようにして、土壌改良資材4や土壌による汚
水の浄化処理が行われる。
水能が小さいので、給水管2の距離が長く、ある程度勾
配があっても、管内水圧の損失水頭が少なく、水の浸出
量は給水管2のどの部分でもほぼ等しくなり、地中マッ
トMの全域にわたり同量の水を万遍なく供給することが
できる。従って、傾斜地における地中灌漑が可能であ
る。
7による水圧を変えることにより調整することができる
ので、地中の水分条件に応じた水の供給が可能となる。
従って、傾斜地においても、平坦地と同様に地中灌漑お
よび汚水処理が可能である。
の付着により目詰まりを生ずる場合があるが、そのよう
な恐れがある場合には、2本の給水管2のうち1本を休
止させて、交互に使用してもよい。休止する給水管2
は、その両端の切換バルブ2aを閉じて、両端の通気管
2′の切換バルブ2bを開き、給水管2内に外気を導入
して、管に付着した物を分解しておく。また、上記配水
管6等の給水装置にろ過手段を設けて管内の目詰まりを
防止するようにしてもよい。
びその周辺の土壌中に棲息する好気性微生物を活性化
し、汚水処理能力を高める効果があるだけでなく、植物
の根群域に酸素を供給して、その育成促進効果も期待で
きる。なお、通気は上記通気管2′からの大気圧下で行
なう場合の他に、ポンプ8等の動力により圧力をかけて
行ってもよい。
材4を除いて一体構造とし、あらかじめ布設現場以外の
場所で製作しておき、対象地A内に布設する。その後、
土壌改良資材4を空気圧送により地中マット内に充填す
る。これにより、土壌改良資材4を地中マット内に均一
に充填することができ、施工性もよい。
ことができる。従って、汚水を利用した緑化、農作物の
栽培が可能となり、水資源の有効利用および環境保全を
図ることができる。 2)地中潅漑方式であるため、潅水した水が直接大気中
に蒸発する恐れがなく、地表からの潅漑に比べて水の使
用量が少なくて済む。また、地中マットの底面および側
面に不透水シートを使用しているので、水の下方浸透を
抑制し、保水性を高めることができる。従って、節水潅
漑が可能となる。 3)施工が容易で、傾斜地での利用が可能である。 4)目詰まりを起こしにくく、長期間の使用が可能であ
る。 5)土壌改良資材の種類や構成を変えることにより、広
範囲の条件での地中潅漑および汚水処理が可能である。 6)次のような用途に応用できる。 (a)ゴルフ場の芝やその他植栽の栽培・管理・汚水処
理 (b)生活排水を利用した都市部での緑化(公園、街路
樹等) (c)パーキングエリア等から出る汚水を利用した高速
道路の中央分離帯等の緑化 (d)節水潅漑が可能なので、乾燥地域での農業、緑化
のための潅漑
成図である。
である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 潅漑及び汚水処理の対象地の地中に布設
される地中マットであって、その底面と側面を囲むよう
に敷設された不透水シートと、該不透水シート内に配置
されると共に、管内から管外への通水および通気能力が
低い多孔質の給水管と、地中マットの形状を保持する固
定枠と、上記不透水シート内に均一かつ密に充填された
均一な粒度の土壌改良資材と、上面に覆設された不織布
から構成されることを特徴とする地中マット。 - 【請求項2】 上記給水管の外端部から通気管を分岐さ
せたことを特徴とする請求項1に記載の地中マット。 - 【請求項3】 上記請求項1または2に記載の地中マッ
トと、配水管を介して該地中マットの給水管に水を供給
する水源部と、水の供給を制御する制御装置から構成さ
れることを特徴とする地中マットによる地中潅漑・汚水
処理システム。 - 【請求項4】 上記地中マットの近くにセンサーを設け
て、地中環境情報を上記制御装置に入力することを特徴
とする請求項3に記載の地中マットによる地中潅漑・汚
水処理システム。 - 【請求項5】 上記配水管に流量計を設けて流量情報を
上記制御装置に入力することを特徴とする請求項3また
は4に記載の地中マットによる地中潅漑・汚水処理シス
テム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26042493A JP3383836B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 地中マット及びそれによる地中灌漑・汚水処理システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26042493A JP3383836B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 地中マット及びそれによる地中灌漑・汚水処理システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0787857A JPH0787857A (ja) | 1995-04-04 |
JP3383836B2 true JP3383836B2 (ja) | 2003-03-10 |
Family
ID=17347747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26042493A Expired - Lifetime JP3383836B2 (ja) | 1993-09-27 | 1993-09-27 | 地中マット及びそれによる地中灌漑・汚水処理システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3383836B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09191780A (ja) * | 1996-01-23 | 1997-07-29 | Hasegawa Taiiku Shisetsu Kk | 土系グラウンド表層の給水設備 |
JP5011860B2 (ja) | 2006-07-14 | 2012-08-29 | トヨタ自動車株式会社 | 植栽基盤、植栽体、植栽基盤ユニット、植栽システムおよび植栽方法 |
DE102007036018B4 (de) * | 2007-07-30 | 2012-04-19 | Igg Internationale Geotextil Gmbh | Bewässerungsmatte zur großflächigen Verteilung von Wasser |
JP6094787B2 (ja) * | 2012-05-23 | 2017-03-15 | 株式会社パディ研究所 | 地下灌漑用部材およびそれを用いた地下灌漑システム |
CN109052630A (zh) * | 2018-08-31 | 2018-12-21 | 中国环境科学研究院 | 一种解决污水农灌季节性问题的污水处理装置 |
-
1993
- 1993-09-27 JP JP26042493A patent/JP3383836B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0787857A (ja) | 1995-04-04 |
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