JPH09191780A - 土系グラウンド表層の給水設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】広大なグラウンドに均一にしかも効率よく水分
を補給し、乾燥防止効果が持続し、障害物とならない土
系グラウンド表層の給水設備を得る。 【解決手段】土系のグラウンド表層の給水設備におい
て、下層路盤１の上層の表層材、例えば、芝生舗装グラ
ウンドの場合、芝生６のための床土５の中間に透水性の
高い材料を全面的に敷きつめ、この中間透水層としての
砂層２及び／又は不織布又はペーパーシート２ａに、パ
イプの長さに沿って等間隔に水滲出孔を設けた給水パイ
プ３を一様な平面パターンで配管し、この給水パイプ配
管から中間透水層２及び／又は２ａに水又は液肥を含有
する水を滲み出させ、湿潤した中間透水層２及び／又は
２ａから表層５全体に水分を補給したり、施肥を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は土系グラウンド、例
えば、クレー系舗装したクレーグラウンド又は芝生舗装
した芝生グラウンドにおける乾燥による発塵又は荒廃を
防止するためグラウンド表層に給水し、グラウンドコン
ディションを良好に保つための設備に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】最近、運動公園や、学校の校庭グラウン
ドにおいて、全天候型グラウンドに代わって、天然の風
合いを持つクレー系舗装グラウンドや芝生舗装グラウン
ドのよさが見直され、これらクレー系舗装及び芝生舗装
を含む土系グラウンドが増加している。

【０００３】このような土系グラウンドのコンディショ
ンを良好に維持するためには定期的に散水を施して乾燥
を防止することが必要である。この乾燥防止には以下の
ような方法をとっていた。即ち、クレー系舗装グラウン
ド： 1)表層材に塩化マグネシウム、塩化カリウム等を混ぜた
り、散布したりする。 2)保水性の高い材料を使用する。 3)スプリンクラー又はホースによるグラウンド上での散
水を行う。芝生舗装グラウンド： 1)中間層に吸水性の高い材料を使用する。 2)スプリンクラー又はホースによるグラウンド上からの
散水を行う。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のグラウ
ンド上からの散水には、以下のような問題があった。即
ち、 1)広大なグラウンドに均一に散水することが難しい。 2)散水に手間と時間がかかり、効率的な水の利用ができ
ない。 3)散水時には、プレイを中断しなければならない。 4)スプリンクラーヘッドや、給水栓ボックス等の存在が
グラウンドでの障害物となる。 5)散水間隔が長いと、グラウンドの発塵が増え、プレー
ヤの障害となる。

【０００５】従って、本発明の目的は、広大なグラウン
ドに均一にしかも効率よく水分を補給し、乾燥防止効果
が持続し、グラウンドでプレーするプレーヤ又はプレー
を補佐する審判員等にとって障害とならない土系グラウ
ンド表層の給水設備を得るにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の土系グラウンド表層の給水設備は、前記グ
ラウンドの中間層に透水性の高い材料を全面的に敷きつ
め、この中間透水層に、パイプの長さに沿って等間隔に
水滲出孔を設けた給水パイプを一様な平面パターンで配
管し、この給水パイプ配管から前記中間透水層に水を滲
み出させ、湿潤した前記中間透水層から表層全体に水分
を補給することを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明を実施するにあたり、土系
グラウンドはクレー系舗装グラウンド又は芝生舗装グラ
ウンドとする。芝生舗装グラウンドの場合、給水パイプ
により芝生の養分を含む水を給水すると好適である。

【０００８】また、本発明を実施するにあたり、給水パ
イプは水を滲出する点滴給水ホースとすると好適であ
る。更に、透水層は砂層及不織布層の少なくとも一方に
より構成すると好適である。

【０００９】このように本発明によれば、従来の散水方
法のようにグラウンド上から散水するのではなく、地中
の中間透水層に水分を徐々に滲み出させ、水が均等に浸
透した中間透水層を介してグラウンド表層全体にわたり
水分を均一にかつ持続して補給する。

【００１０】

【実施例】次に、図面につき本発明の好適な実施例を説
明する。

【００１１】図１には、本発明給水設備を具えるクレー
系舗装グラウンドの部分縦断面を示す。このクレー系舗
装グラウンドとして例えば、室内クレーグラウンドに本
発明給水設備を設けると好適である。

【００１２】本発明によれば、グラウンドの下層路盤１
上に透水性のある中間透水層２を所定の厚さで敷き込
む。この中間透水層２に給水パイプ３を一様な平面パタ
ーンで、例えば互いに平行に隣接する給水パイプ３の間
隔が３０〜２００ｃｍとなるよう平行配列にして配管す
る。更に、給水パイプ３を設けた中間透水層２の上に表
層材４を敷き込む。この給水パイプは、適切に区割りし
たブロック毎に配管すると好適である。

【００１３】下層路盤１の上面から表層材４の上面まで
の厚さは約１００ｍｍが一般的である。この下層路盤１
は表層から伝達される荷重を支えるとともに排水の役目
も備えている。

【００１４】透水性のある中間透水層としては、例え
ば、砂層２を２０〜１００ｍｍ程度の厚さで敷き込む。
給水パイプ３は、図示のように砂層２内に埋設するか、
又は砂層２上に給水パイプ３を配置する。

【００１５】給水パイプ３はパイプの長さに沿って互い
に等間隔離れた多数の水滲出孔を設けたものとする。こ
の水滲出孔の目詰まりを防止するため、水滲出孔を下向
きにして給水パイプ３を設置すると好適である。

【００１６】更に、砂層２の代わりに、透水性のある厚
さ２〜２０ｍｍの不織布シート又は透水性のある厚さ２
〜５ｍｍのペーパーシートを下層路盤１上に敷き込み、
給水パイプ３をこのようなシート上又はシートの下側に
配置するか、上下２枚のシート間にサンドイッチ状に配
置することもできる。更に、図１及び図２に示すように
砂層２と不織布又はペーパーシート２ａを併用すること
もできる。

【００１７】図２は、本発明給水設備を具える芝生舗装
系グラウンドの部分縦断面を示す。この場合、下層路盤
１上の芝生用床土層５の中間に中間透水層２として砂層
又は不織布シート又はペーパーシートを配置する。即
ち、下層路盤１上に芝生生育のための下層床土５ａ上に
中間透水層２を配置し、この中間透水層２に給水パイプ
３を配置する。

【００１８】給水パイプ３を中間透水層２に配置した
後、芝生生育のための上層床土５ｂを配置し、この上層
床土５ｂの表面に芝生６を植え付ける。中間透水層２に
おける給水パイプ３の配置及び配管方法は図１のクレー
系舗装グラウンドで説明したのと同じである。中間透水
層２を設けるのは芝生上面の下方約１５０ｍｍの深さの
位置とするとよい。

【００１９】図１及び図２の実施例の場合も、給水パイ
プ３は、パイプの長さに沿って一定間隔毎に設けた水滲
出孔から水が滲出するパイプ例えば、点滴給水ホースと
するとよい。水滲出孔を有するパイプの場合、水圧がほ
とんどなく、水が滲出するため水流出出口付近の土を傷
めることがない。

【００２０】給水パイプによる必要給水量はリットル／
時間×水滲出孔の数×給水時間で算出することができ、
また床土や表層材の状態に応じて水滲出孔ピッチ及びパ
イプの埋設間隔を選択するとよい。

【００２１】給水パイプ３から滲出した水は、透水性の
ある砂層、不織布シート又はペーパーシートの中間透水
層２に均一に浸透する。この均一に水を含んだ中間透水
層２から水分が毛細管現象で表層材４又は上層床土５ｂ
の表面に向かって上昇し、表層材又は上層床土の表面全
体を均一に適度に湿らせて乾燥を防止し、発塵を防止し
かつグラウンドコンディションを調整する。

【００２２】給水パイプへの送水は、一般水道又は貯水
槽から自然流下又はポンプ送給で行い、送水制御は、グ
ラウンドの条件に応じて自動的、半自動的又は手動で行
うようにする。

【００２３】芝生舗装グラウンドでは、給水する水に液
肥を含有させることによって、灌水の他に施肥も同時に
かつ均一に行うことができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、グラウンド表層の下方
に設けた中間透水層に給水パイプを均一に配管し、この
中間透水層に給水パイプから滲出した水を浸透させるこ
とにより、グラウンド表層の全面にわたり均一な適度な
水分補給をゆっくりとかつ持続して行い、従って、持続
しかつムラのない乾燥防止及び発塵防止を行い、グラウ
ンドコンディションを良好に保つことができるという効
果が得られる。

【００２５】また本発明によれば、地中給水のため、地
表からの散水のように水分の蒸発や水の局所集中がな
く、ムダなく効果的に水分補給を行うことができ、節水
効果がある。更に、自動給水も行うことができ、従来の
地表から散水する場合のようなプレー中断がなく、給水
中でもプレーを続行することができるとともに、芝生舗
装グラウンドの場合、灌水、施肥を給水と同時に行うこ
とができ、灌水、施肥の手間も大幅に削減でき、省力化
を達成することができる。

【００２６】また、給水ブロックを自在に区割りできる
ため、ブロック毎のコンディション管理も可能であり、
グラウンドコンディションの整備が容易になる。

【００２７】更に、地表から散水する従来の設備のよう
にスプリンクラーヘッドや、給水栓ボックス等の障害物
をグラウンド表面に設ける必要がないため、安全なグラ
ウンドを提供するとともに、従来のような散水直後の蒸
し返し現象が発生することはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による給水設備を有するクレー系舗装グ
ラウンドの線図的部分縦断面図である。

【図２】本発明による給水設備を有する芝生舗装グラウ
ンドの線図的部分縦断面図である。

【符号の説明】

１ 下層路盤 ２ 砂層（中間透水層） ２ａ 不織布又はペーパーシート（中間透水層） ３ 給水パイプ ４ 表層材 ５ 芝生用床土 5a 下層床土 5b 上層床土 ６ 芝生

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 土系のグラウンド表層の給水設備におい
   て、前記グラウンドの中間層に透水性の高い材料を全面
   的に敷きつめ、この中間透水層に、パイプの長さに沿っ
   て等間隔に水滲出孔を設けた給水パイプを一様な平面パ
   ターンで配管し、この給水パイプ配管から前記中間透水
   層に水を滲み出させ、湿潤した前記中間透水層から表層
   全体に水分を補給することを特徴とする土系グラウンド
   表層の給水設備。
2. 【請求項２】 前記土系グラウンドはクレー系舗装グラ
   ウンドとした請求項１記載の給水設備。
3. 【請求項３】 前記土系グラウンドは芝生舗装グラウン
   ドとした請求項１記載の給水設備。
4. 【請求項４】 前記給水パイプにより芝生のための液肥
   を含む水を給水する請求項３記載の給水設備。
5. 【請求項５】 前記透水層は砂層及不織布層の少なくと
   も一方により構成した請求項１〜４のうちのいずれか一
   項に記載の給水設備。