JP3383391B2 - 抗切創布帛状物 - Google Patents
抗切創布帛状物Info
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Description
触しても破れたり、穴が開いたりせずに手や身体を防護
し、着用しやすい手袋や作業衣、防護衣に関する。
林での作業等では刃物や金属、木や石の鋭角部分に接触
して手を切創することから防護するため、手袋を2枚重
ねて着用したり、実開昭62-75013号に見られるようなケ
ブラー等のヤング率の高い繊維で作った編織物による手
袋が使用されている。しかしこれだけでは十分ではな
い。従って特公昭59-28641号公報に見られるようにケブ
ラー繊維にステンレス等の金属をヨリ込んだり、ひき揃
えて編み込む等の手袋が提案されている。しかし2枚重
ねの手袋では厚さが増して作業性が悪くなる欠点があ
り、またヤング率の高い繊維は刃物などによる切創抵抗
が高く大きな効果があるが価格が高く、ケブラー繊維に
ステンレス等の金属をヨリ込んだ手袋は使用中にステン
レス線が切断し、切れたステンレスが手に刺さるなどの
欠点があった。
の手袋の欠点に鑑み、耐切創性を向上し、柔軟で手や身
体に刺さったりせず、取扱いやすい布帛状物、特に手袋
や作業衣として有効なものを提供せんとするものであ
る。
成するために、次のような構成を有する。
帛状物に、スプリング式硬さが50以上である無機物お
よびスプリング式硬さが50以上である合成樹脂から選
ばれた少なくとも1種からなる粉体であって、かつ、そ
の粒径が20μmを越え300μm以下である粉体を含
有せしめたことを特徴とするものである。
合は通常の軍手編み機で編成されたもののほか、指部分
等を縫製してつくる手袋や、不織布から成る手袋も含
み、布帛は一般的な織物、編み物から成り、いずれの場
合も使用する原糸のヤング率が5000Kg/mm2 以上の
繊維を少なくとも20重量%以上含むことが望ましい。
ヤング率が5000Kg/mm2 の繊維としては、例えばア
ラミド繊維(ケブラー、テクノーラ)、ポリアリレート
繊維(ベクトラン)や、ポリエチレン繊維(ダイニー
マ)の他、ポリビニルアルコール繊維等がある。これら
の繊維は紡績糸でもフィラメント糸でも良い。手袋の構
造は通常の平編みでも織物から成るものでもよく、また
布帛の織り組織や編み物の組織等を限定するものではな
いが、いずれにしても、ヤング率が5000Kg/mm2 以
上の繊維を20重量%以上含ませることによって、本発
明の上記効果をより一層発揮する布帛状物を提供するこ
とができるので好ましい。すなわち、20重量%未満の
場合は、耐切創性を向上させるためにより多くの粉体を
接着させる必要があり、そのために手袋の目付が大きく
なりすぎたり、剛くなって、手袋を着用したときの作業
性が悪くなる傾向が出てくる。これらヤング率が500
0Kg/mm2 以上の繊維と混紡または引き揃え、交撚され
る糸の素材は、特に限定するものではないが、ヤング率
が高い糸のほうが好ましい。
手袋に付着させる粉体は、粒径が20μmを越え300
μm以下のものを使用する必要があり、粒径が大きすぎ
ると手袋への粒子分布の均一性が悪くなり、加工後の手
袋が厚く、硬くなる等の欠点が生じる。後述の実施例か
らも明らかなように、特に好ましくは40〜100μm
の範囲のものを使用するのがよい。粒径が小さくなる
と、粉体の量を多く付着させなければ耐切創性効果を発
揮しないし、また、それだけ布帛状物が硬くなる欠点が
惹起する。本発明において、かかる粉体の形状は問わな
いが、粒径は各粒子の長さと幅の平均径で表す。
50以上であるものであればよく、例えば、鉄、アル
ミ、銅、ニッケル、鉛等の金属や、合金、金属の酸化
物、セラミックス、ケイ砂、コロイダルシリカなどの無
機物のほか、スプリング式硬さが50以上であるポリエ
ステルやエポキシ等の合成樹脂でもよく、これらは単独
で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用しても
よい。粉体の硬度は粉体にする前の状態で試験したもの
で、一般的にゴム、プラスチックなどの硬さを試験する
時に用いるJIS -K- 6301の硬さ試験のスプリング式
硬さ試験によるものである。また粉体を手袋や布帛に付
着させる方法は、特に限定するものではないが、例えば
サンドブラスト法によって粉体をエァーの圧力で吹き付
けたり、粉体と手袋とをオムニーミキサーで撹拌して付
着させた後、例えばアクリルやウレタンなどの樹脂液中
に浸漬して手袋に付着した粉体の脱落を防止する方法
や、樹脂液中に粉体を混入したものを手袋や布帛に加工
する方法でも良い。粉体と樹脂を布帛に接着させる時、
加工剤(樹脂や粉体を含む)、特に粉体の重量は多いほ
うが切創効果は大きい。加工剤の付着量は少なくとも5
重量%が好ましく、後述の実施例から明らかなように粉
体の付着量は、好ましくは5〜20重量%、より好まし
くは10〜20重量%であるのが切創効果の点からよ
い。
明する。
綿糸を2本引き揃え、S方向に8.4回のヨリを与え、
この糸を5本引き揃えて手袋編み機(株式会社島精機製
作所製)で7ゲージの手袋を編成した。この手袋とアル
ミナの200メッシュ(粒径50〜60μm)の粒子
を、オムニーミキサーに入れて15分間撹拌した。この
手袋を軽くはたいて重量を測定した結果、20%のアル
ミナ粉末が付着していた。この手袋をさらに、ボンコー
ト3256(大日本インキ株式会社のアクリル樹脂)の5重
量%水溶液中に5分間浸漬し、マングルで絞り圧2Kg/
mm2で絞った後風乾した。この手袋の特性を表1の1に
示す。
クス20L(日産化学株式会社製、二酸化ケイ素、平均粒
子径40μm)の固形分20重量%溶液中に実施例1で
使用したアクリル樹脂5重量%水溶液を、重量比1対1
の割合で混合し、この液中に手袋を5分間浸漬し、マン
グルで絞り圧2Kg/mm2 で絞った後風乾した。この手袋
の特性を表1の2に示す。
/mm2 のケブラー糸で20番手の紡績糸を試作し、実施
例1と同様に手袋を編成した。この手袋に実施例1と同
じ加工を施し表1の3の手袋を得た。
と同じスノーテックスを用いた加工を施し、表1の4の
手袋を得た。
で使用したアルミナ粉末をオムニーミキサーに入れて1
5分間撹拌して付着させた後、手袋のはたき程度を変更
してアルミナの付着率が、20重量%、10重量%、5
重量%の手袋をそれぞれ得た後、パーマリンUC-20 (三
菱化成株式会社製ウレタン樹脂)の5重量%水溶液で樹
脂加工し、マングルで絞った後風乾し、表1の5、6、
7の手袋を得た。
20番手双糸の綿糸2本を引き揃えて7ゲージの手袋を
編成し、実施例5と同じ加工を施し、表1の8の手袋を
得た。
Z方向のヨリ数を19回与えて30番手の紡績糸を得た
後、これを2本引き揃えてS方向に11回/インチのヨ
リを与え、さらに5本引き揃えて10ゲージで手袋に編
成した。この手袋に実施例5と同じ加工を施し、表1の
9の手袋を得た。
44(本/インチ)の織物にナニワブラスト工業株式会
社のFS−8型ブラストマシンを用い、エァー圧3Kg/
mm2 で1分間、実施例1で使用したアルミナ粉末を吹き
付けた後、軽くはたいて重量を測定した結果、アルミナ
粉末の付着率は約15重量%であり、この布帛を実施例
5で使用したウレタン樹脂5重量%液で加工し、表1の
10の布帛を得た。
品を、比較例2として実施例3のケブラー手袋の未加工
品を、比較例3として実施例6の手袋の未加工品を、比
較例4として実施例7の未加工品を、比較例5として綿
手袋に粉体を加工せず、実施例1で使用したアクリル樹
脂を実施例1と同じ処方で加工した手袋を、また比較例
6として実施例8の未加工布帛を、それぞれ表1の1
1、12、13、14、15、16に示す。
刃法によるもので、この方法は、60度の角度を有する
カッター刃を引張試験機の治具に装着し、水平に保持し
たでサンプルに50cm/分の速度でカッター刃を押しこ
んで切断するときに、最初に切断する糸の抵抗値を示し
たものであり、数値が高いものほど耐切創性が優れ、刃
物で切れにくいことを表すものである。
ミナやスノーテックスを加工した実施例1〜10のもの
が高く、糸素材との関係では、綿100%に加工した実
施例1よりもケブラー糸を60重量%混入して加工した
実施例6の方がより高く、さらにケブラー糸100重量
%に加工した実施例3、5の方が高く優れている。また
アルミナの付着率との関係をみると、実施例5で見られ
るように、アルミナの付着率の多い表1の5は表1の
6、7よりも切創抵抗が高い。この結果から判るように
手袋や布帛に使用する糸の素材、番手、手袋の編成密度
(ゲージ)、織物密度、加工剤の粉体の種類、および付
着量、加工樹脂の種類によって耐切創性は自由に調整す
ることができる。
の切創性はより向上することはもちろんであるが、本発
明を綿などの手袋に加工したり、細番手や、ゲージの異
なった手袋や布帛への応用によって柔軟で作業性が良
く、吸湿性も備え、切創抵抗の高い安全な手袋や作業
衣、防護衣が得られる。
Claims (8)
- 【請求項1】 布帛状物に、スプリング式硬さが50以
上である無機物およびスプリング式硬さが50以上であ
る合成樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる粉体で
あって、かつ、その粒径が20μmを越え300μm以
下である粉体を含有せしめたことを特徴とする抗切創布
帛状物。 - 【請求項2】 該粉体が、40〜100μmの粒径を有
するものである請求項1記載の抗切創布帛状物。 - 【請求項3】 該粉体が、該布帛重量の5重量%以上含
有されている請求項1または2記載の抗切創布帛状物。 - 【請求項4】 該粉体が、該布帛重量の5〜20重量%
含有されている請求項1または2記載の抗切創布帛状
物。 - 【請求項5】 該粉体が、該布帛重量の10〜20重量
%含有されている請求項1または2記載の抗切創布帛状
物。 - 【請求項6】 該布帛状物が、ヤング率が5000Kg/
mm2 以上の繊維を、布帛重量の少なくとも20重量%含
むものである請求項1〜5のいずれかに記載の抗切創布
帛状物。 - 【請求項7】 該粉体が、接着剤で固定されている請求
項1〜6のいずれかに記載の抗切創布帛状物。 - 【請求項8】 該布帛状物が、手袋、作業衣、または、
防護衣のいずれかを構成するために使用されるものであ
る請求項1〜7のいずれかに記載の抗切創布帛状物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33684793A JP3383391B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 抗切創布帛状物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33684793A JP3383391B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 抗切創布帛状物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07189116A JPH07189116A (ja) | 1995-07-25 |
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JP33684793A Expired - Fee Related JP3383391B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 抗切創布帛状物 |
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Country | Link |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1005731C2 (nl) * | 1997-04-04 | 1998-10-07 | Zeffex Plastics Bv | Lichtgewicht en flexibel niet-metallisch steekwerend materiaal. |
JP6465480B2 (ja) * | 2015-01-16 | 2019-02-06 | 東レ・デュポン株式会社 | 紡績糸、繊維構造物および防護材 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33684793A patent/JP3383391B2/ja not_active Expired - Fee Related
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