JP3382759B2 - ポンプ及びインクジェット型プリンタ - Google Patents

ポンプ及びインクジェット型プリンタ

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JP3382759B2
JP3382759B2 JP23730695A JP23730695A JP3382759B2 JP 3382759 B2 JP3382759 B2 JP 3382759B2 JP 23730695 A JP23730695 A JP 23730695A JP 23730695 A JP23730695 A JP 23730695A JP 3382759 B2 JP3382759 B2 JP 3382759B2
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基人 村木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンをシリン
ダ内で摺動させて流体を吸入排出するポンプ及び噴射ノ
ズル清掃用の吸引ポンプを用いたインクジェット型プリ
ンタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット型プリンタの噴射
ノズルを清掃して、その詰まりを防止したり解消したり
する装置として、シリンダとその内部に摺動可能に配置
されたピストンとにより容積可変のポンプ室が形成され
た噴射ノズル清掃用の吸引ポンプが知られていた。この
吸引ポンプにおいては、図8(a)の正面図およびその
X−X断面図である図8(b)に示すごとく、その駆動
は、ピストン200,201に連動する駆動軸202,
203の各先端の摺動ピン202a,203aが、回転
するカム204に設けられたカム溝206,207に誘
導されて、シリンダ208内の2つのピストン200,
201の間のポンプ室の容積と位置とを変化させること
によりなされ、この変化により図示しない噴射ノズルに
密着している吸引用キャップから吸引チューブ209を
介してインクを吸引し、そのインクを更に廃液ホームへ
排出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、カム204の
周縁部よりも外側に配置されているシリンダ208内の
ピストン200,201を、カム204のカム溝20
6,207に誘導させるためには、一方のピストン20
0およびその駆動軸202内を、他方のピストン201
の駆動軸203を通過させる必要が有り、どうしてもシ
リンダ208の内径が大きくならざるを得ない。このた
め、微妙な吸引量の調節をしたい場合には、カム204
にてピストン200,201を極めて微小な距離移動さ
せなくてはならず、回転駆動機構上の精度、あるいは設
計上や組立時の誤差を考慮すると、そのような微小な制
御は極めて困難であった。
【0004】また、このように、一方のピストン200
およびその駆動軸202内を、他方のピストン201の
駆動軸203を通過させているため、部品の形状が複雑
になり、設計や部品製造上のコストが高くなる問題、部
品の共通化が困難である問題、更に部品組み付けに長時
間を要する問題もあった。
【0005】更に、カム204の周縁部より外側から、
駆動軸202,203が、カム溝206,207まで伸
び出しているので、ポンプ全体の寸法が大きくなり、イ
ンクジェット型プリンタ等に組み込んだ場合に、全体の
小型化が困難となるという問題があった。
【0006】本発明は、前述の問題点を解決し、シリン
ダの内径を小さくし、全体の小型化を可能とし、更に部
品の形状が簡単となり、部品組立が容易となるポンプの
提供を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】請求項1
記載の発明は、シリンダとその内部に摺動可能に配置さ
れた2つのピストンとにより容積可変のポンプ室が形成
され、この各ピストンがカム上に形成されたガイドに誘
導されることにより、前記カムの回転動作に連動して前
記各ピストンが前記シリンダ内で摺動されて流体を吸入
排出するポンプにおいて、前記各ピストンが、前記ガイ
ドの誘導を受けるために、前記ポンプ室とは反対方向か
ら前記シリンダ外に伸びて前記ガイドに達する駆動軸
有し、前記カムが、前記シリンダと垂直な回転軸を有す
る1つの円盤状をなし、前記各ピストンの駆動軸がその
カムの径方向と平行に位置し、各駆動軸の端部が前記カ
ムの直径方向において互いに反対側でそのカムと連結さ
れていることを特徴とするポンプである。
【0008】請求項3記載の発明は、噴射ノズルを有す
るインク噴射ヘッドと、その噴射ノズルに密着可能なキ
ャップ部と、前記噴射ノズルに密着したキャップ部から
インクを吸引するポンプと、 前記キャップ部及び前記ポ
ンプを駆動するカムとを備えるインクジェット型プリン
タにおいて、前記ポンプは、シリンダとその内部に摺動
可能に配置された2つのピストンとにより容積可変のポ
ンプ室が形成され、前記各ピストンがそれぞれ前記ポン
プ室とは反対方向から前記シリンダ外に伸びる駆動軸を
有し、前記カムは、前記シリンダと垂直な回転軸を有す
る1つの円盤状をなし、前記各ピストンの駆動軸がその
カムの径方向と平行に位置し、各駆動軸の端部が前記カ
ムの直径方向において互いに反対側でそのカムと連結さ
れ、前記キャップ部は、前記カムの、前記各ピストンの
駆動軸が位置する側とは反対側において、そのカムと連
結されていることを特徴とするインクジェット型プリン
である。
【0009】ここで、 請求項1のポンプは、シリンダと
その内部に摺動可能に配置された2つのピストンそれぞ
れが、カム上に形成されたガイドの誘導を受けるため、
ピストン間に形成されているポンプ室とは反対方向から
前記シリンダ外に伸びて前記ガイドに達する駆動軸を有
する。
【0010】 このように、2つのピストンそれぞれが、
間に存在するポンプ室とは反対方向に駆動軸を伸ばして
いるため、シリンダ中でピストンや駆動軸同士が交叉す
ることはない。したがって、一方のピストンおよびその
駆動軸内を、他方のピストンの駆動軸が通過する必要が
無い。このため、部品の形状を複雑にすることなく、設
計や部品製造上のコストが低減し、部品の共通化も容易
となり、更に部品組み付けに長時間を要することもな
い。
【0011】 また、このことから、ピストンの径が小さ
くて済み、小さい内径のシリンダが可能となるので、カ
ムの比較的大きな制御量で微小な吸入排出量の制御が可
能となり、精密な制御が容易にできる。
【0012】更に、シリンダの両側から伸び出す駆動軸
が一つのカムのガイドに誘導されるように配置すると、
当然に、シリンダは、カムの周縁部より内側に配置され
ることになる。したがって、シリンダ、2つのピストン
および2つの駆動軸は共に、ほぼ、カムの周縁部内に収
まり、ポンプ全体の寸法が小さくなる。このため、イン
クジェット型プリンタ等に組み込んだ場合に、全体の小
型化が可能となる。
【0013】カムとしては円盤状をなすものを用い、各
ピストンはそれぞれカムの径方向とほぼ平行に配置され
る。また前記ガイドとしてはカムの表面に形成された溝
が用いられる。前記ガイドとしては突条も用いることが
できる。この場合には駆動軸の先が、その突条を挟むよ
うにあるいは突条の側面に接触するように構成されてい
ることにより、ガイドに誘導される。
【0014】尚、各ピストンの駆動軸が、前記ガイドの
誘導を受けるために、前記ポンプ室とは反対方向から前
記シリンダ外に伸びて前記ガイドに達する構成であるた
め、シリンダは前述したごとく、カムの周縁部内に収ま
る。したがって、カムの回転軸部分に配置することも可
能である。このため、シリンダの外周面とカムの回転軸
とが結合された構成、すなわちシリンダの外周面上にカ
ムの回転軸が突出して設けられた構成とすることもでき
る。このような構成とすることにより、カムに対してシ
リンダを組み付けた場合に、カムに対するシリンダの配
置精度が非常に高いものとなり、吸入排出量も一層高精
度に制御することができる。しかも、このような精度の
高い組み立てが容易にできる。
【0015】このようなポンプは、インクジェット型プ
リンタにてインク噴射ヘッドからインクを吸引するため
に用いられると、前述したごとく、設計や部品製造上の
コストも高くならず、更に部品組み付けに長時間を要す
ることもなく、微小な吸入排出量の制御が可能となって
精密な制御が容易にでき、インクジェット型プリンタの
全体の小型化が可能となり、特に有用である。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されたイン
クジェット型プリンタ2の要部を示している。プラテン
4は軸方向に伸びた円筒状をなし、図示しない軸を介し
てフレーム6に矢印H方向に回転可能に取り付けられて
いる。このプラテン4に対向してインク噴射ヘッド8が
設けられている。
【0017】インク噴射ヘッド8はキャリッジ10上に
載置されている。キャリッジ10はプラテン4の軸に平
行に設けられたガイドロッド12に摺動可能に支持され
ると共に、一対のプーリ14,16に巻き付けられたタ
イミングベルト18に係合されている。一方のプーリ1
4がキャリッジ駆動モータ20により回転され、タイミ
ングベルト18が送られることにより、キャリッジ10
はプラテン4に沿って矢印K方向へ移動される。
【0018】インク噴射ヘッド8は、記録時には、予め
定められた記録範囲内において往復動される。インク噴
射ヘッド8は、図示しない多数個のインク流路と、それ
らインク流路に対応して設けられた多数個のインク噴射
口をそれぞれ持つ複数個例えば4個の噴射ノズル9を含
むものである。インク流路には、フレーム6に固定さ
れ、あるいはキャリッジ10に載置された図示しないイ
ンク供給装置からインクが供給される。インク流路の壁
は振動板によって形成され、その振動板が図示しない制
御装置の指令に基づいて図示しない駆動回路により変形
されると、その変形に起因する圧力変化によりインクが
噴射ノズル9から噴射される。インクは、プラテン4と
インク噴射ヘッド8との間に供給される記録用紙22
に、キャリッジ10の移動に伴って噴射され、それによ
り1行分の画像が形成される。1行分の画像形成が終了
したならば、プラテン4の回転により記録用紙22が1
行分送られ、再び1行分の画像の形成が行われる。この
繰り返しにより、記録用紙22全体の画像形成が行われ
る。
【0019】記録用紙22は、フレーム6の後方の図示
しない用紙供給口から矢印L方向から供給され、プラテ
ン4の回転によって矢印M方向に送られ、図示しない用
紙排出口から排出される。非記録位置にあるインク噴射
ヘッド8に対向する位置にはキャップ装置24が設けら
れている。キャップ装置24はプラテン4の側方に設け
られており、その表面にゴム製のキャップ26を備えて
いる。キャップ26には、噴射ノズル9の個数と対応し
た4つの矩形の凹部28が形成されている。印刷動作停
止時に、キャリッジ10がキャップ装置24の位置まで
移動して来た場合に、キャップ装置24の突出係合部3
0にキャリッジ10の一部が係合してキャップ装置24
をキャリッジ10と共に移動させる。この移動に応じて
図示しない機構によりキャップ26がインク噴射ヘッド
8の噴射ノズル9側に突出して、その凹部28がインク
噴射ヘッド8の噴射ノズル9にそれぞれ液密状態に嵌合
する。
【0020】また、プラテン4に隣接して、ワイパー装
置32が設けられ、そのゴム製のワイパーブレード34
をN方向に前進させて後述するインク吸引装置50にて
吸引された後の各噴射ノズル9の先端面に残っているイ
ンクを拭き取る作用をなしている。
【0021】このワイパー装置32とキャップ装置24
との間には、インク吸引装置50が設けられている。こ
のインク吸引装置50の詳細を図2〜図4に示す。図2
はその正面図、図3は図2のA−A断面図、図4は背面
図である。インク吸引装置50は、吸引部52、カム5
4、ポンプ56および廃液ホーム58を備えている。吸
引部52はプラテン4とキャップ装置24との間にイン
ク噴射ヘッド8側に向けて配置され、インク噴射ヘッド
8側に向けて開口する収納室60には、移動体62がイ
ンク噴射ヘッド8方向に摺動可能に収納されている。こ
の移動体62はキャップ部64および移動体駆動軸66
を備えている。このキャップ部64には、インク噴射ヘ
ッド8側に向けて開口する凹部68が設けられ、その凹
部68にはゴム製のキャップ70が嵌合されている。キ
ャップ70の前端面には、吸引時にインク噴射ヘッド8
の噴射ノズル9に密着して、インクを吸引するための吸
引凹部72が設けられている。吸引凹部72の下方端に
はキャップ部64の凹部68に連通する貫通孔74が設
けられている。凹部68の底面には、インク排出孔78
が設けられており、ポンプ56から伸びている吸引チュ
ーブ80が接続されている。尚、吸引部52の本体52
aと、移動体62のキャップ部64との間には、圧縮状
態のコイルバネ82が配置されており、移動体62全体
を本体52aから突出させる方向へ付勢している。
【0022】キャップ部64と一体に形成されている移
動体駆動軸66は、本体52aを摺動自在に貫通してお
り、その先端が直角方向に突出するカムフォロワ66a
を形成している。このカムフォロワ66aは、カム54
の一面に環状に設けられている突条54aの内面54b
に、コイルバネ82の付勢力により当接した状態にあ
る。したがって、カム54の回転位置に応じて、カム5
4の回転中心から突条54aの内面54bまでの距離が
変化すると、その変化に応じてキャップ部64が矢印P
方向に移動するので、カム54の回転により、突出量を
調節することができる。
【0023】カム54は、裏面の外周近くに円形に配列
された歯列54cにて歯車としても構成されており、こ
の歯列54cに噛み合わされた駆動力伝達歯車86を介
して、制御装置により制御されたモータから駆動力を伝
達されると矢印S方向へ回転する。尚、カム54には外
周の一部に切欠54dが設けられている。この切欠54
dはカム54の所定の回転位相位置でリミットスイッチ
55とカム54との接触が断たれることにより、制御装
置にカム54の基準とする回転位相を検出させることが
できる。
【0024】ポンプ56は、シリンダ88、その内部に
摺動可能に配置された第1ピストン90,第2ピストン
92、第1ピストン90の第1駆動軸94,第2ピスト
ン92の第2駆動軸96、第1軸受98および第2軸受
99を備えている。図5の分解斜視図にも示すごとく、
シリンダ88は円筒状をなし、内部には、それぞれゴム
製の第1ピストン90および第2ピストン92が、シリ
ンダ88の軸方向に摺動可能に配置されている。第1駆
動軸94の一端は第1ピストン90に取り付けられ、他
端は第1摺動板94aに取り付けられている。第2駆動
軸96の一端は第2ピストン92に取り付けられ、他端
は第2摺動板96aに取り付けられている。第1摺動板
94aの外周には円周部94b、2つの回転規制突起9
4c,94d、および回転規制突起94c,94dの間
に配置された第1摺動ピン100が設けられている。第
2摺動板96aの外周には円周部96b、2つの回転規
制突起96c,96d、および回転規制突起96c,9
6dの間に配置された第2摺動ピン102が設けられて
いる。
【0025】第1軸受98の内部は、断面半円形の内面
98aとその上下両側からカム54側へ伸びる2つの平
面98b,98cが形成されている。この内面98aに
は、第1ピストン90をシリンダ88内に挿入した場
合、第1摺動板94aの円周部94bが接触し、平面9
8b,98cには回転規制突起94c,94dの先端が
それぞれ接触する。同様に、第2軸受99の内部は、断
面半円形の内面99aとその両側からカム54側へ伸び
る2つの平面99b,99cが形成されている。この内
面99aには、第2ピストン92をシリンダ88内に挿
入した場合、第2摺動板96aの円周部96bが接触
し、平面99b,99cには回転規制突起96c,96
dの先端がそれぞれ接触する。この回転規制突起94
c,94d,96c,96dの先端が平面98b,98
c,99b,99cに接触しているため、各駆動軸9
4,96は、シリンダ88の軸回りの回転が阻止され、
シリンダ88の軸に沿った方向のみ摺動することが可能
となる。
【0026】また、シリンダ88のほぼ中央にはフレー
ム6側の軸受6aに嵌合するカム54用の回転軸89が
垂直に突出して設けられ、回転軸89の先端には抜け止
めのフック部89aが設けられている。したがって、ポ
ンプ56の組み付けは、回転軸89にてカム54の中心
孔54eを貫通させて軸受6aの軸孔6bにフック部8
9aを挿入して係止するとともに、各軸受98,99の
外側に張り出している嵌合鍔部98d,99dが、廃液
ホーム58のカム54側の縁58aに設けられている嵌
合部58b,58cとその縁58aとの間に嵌合される
ことにより行われる。このとき、シリンダ88はその一
部が、カム54の中心孔54eの周囲に形成された円形
凹部に非接触状態で挿入される。また、両駆動軸94,
96はカム54の径方向とほぼ平行に配置され、それぞ
れ反対方向からシリンダ88外に伸びる。
【0027】このポンプ56の組み付けにより、第1摺
動ピン100はカム54の表面側に設けられたガイドす
なわち第1カム溝104に摺動可能状態で挿入され、第
2摺動ピン102はカム54の表面側に設けられたガイ
ドすなわち第2カム溝106に、カム54の直径方向に
おいて第1摺動ピン100とは反対側において摺動可能
状態で挿入される。前述したごとく各駆動軸94,96
は軸回りに回転することが阻止されているので、カム5
4が回転することにより、両摺動ピン100,102の
位置で、カム54の回転中心と第1カム溝104および
第2カム溝106との距離の変化が生じ、この変化に応
じて、摺動ピン100,102が回転軸89に接近する
方向またはその反対方向に摺動する。
【0028】この各摺動ピン100,102の摺動によ
り、第1駆動軸94および第2駆動軸96を介して、第
1ピストン90および第2ピストン92がシリンダ88
内で軸方向に摺動して、シリンダ88側面の吸入孔88
aに設けられた接続パイプ88bに接続されている吸引
チューブ80を介して、キャップ70の吸引凹部72の
下方から内部の流体、ここではインクを吸入する。ポン
プ56に吸入されたインクは、シリンダ88の下部に設
けられた排出孔110から廃液ホーム58の縁58aに
設けられたインク受部58dに排出される。
【0029】ワイパー装置32は、フレーム6に固定さ
れた支持部32aの摺動部32bに摺動体32cが配置
されており、支持部32aの上下ガイド面32dと規制
片32eにて摺動体32cの上下の各ガイド辺32fを
ガイドすることにより、摺動体32cは矢印P方向に摺
動可能に支持されている。この摺動体32cの先端部に
はゴム製のワイパーブレード34が配置されている。ま
た基端部側では、その突条32g部分で、軸受6a側に
設けられたガイド溝6cにて矢印P方向に摺動可能に支
持されている。
【0030】また、摺動体32cの基端部には、直角に
カム54方向に突出するカムフォロワ32hが設けられ
ている。このカムフォロワ32hは、カム54の裏面に
環状に設けられているカム溝109に挿入されている。
したがって、カム54の回転位置に応じて、カム54の
回転中心からカム溝109までの距離が変化すると、そ
の変化に応じて摺動体32cが矢印P方向に移動するの
で、カム54の回転により、ワイパーブレード34の突
出量を調節することができる。
【0031】次に図6,7に基づいて、カム54の回転
に伴うポンプ56の動作を説明する。まず、図6(a)
に示すごとく、カム54が基準位置にある場合には、第
1ピストン90と第2ピストン92との間のポンプ室1
08の容積は最小の状態にある。この状態から、カム5
4が回転することにより、まずキャップ70が前進して
噴射ノズル9に密着するとともに、第2カム溝106に
挿入されている第2摺動ピン102は、第2カム溝10
6の径方向の移動に伴って回転軸89側とは反対側に移
動する。したがって第2駆動軸96を介して連動する第
2ピストン92も回転軸89側とは反対側に移動し、第
1ピストン90との間のポンプ室108の容積が増大す
る。このとき、排出孔110は第1ピストン90によっ
て閉塞されている。そして、第2ピストン92が回転軸
89側とは反対側に更に移動することにより、図6
(b)に示すごとく、吸入孔88aが開口されて、負圧
となっているポンプ室108内に、吸引チューブ80を
介して、吸引部52のキャップ70が密着している噴射
ノズル9からインクが吸引される。
【0032】次に、図6(c)に示すごとく、第1カム
溝104と第2カム溝106とが間隔を維持して図左側
に移動することにより、吸入孔88aを閉塞し、排出孔
110が開口するまで第1ピストン90と第2ピストン
92との間隔を維持して、すなわちポンプ室108の容
積を維持して、両ピストン90,92は図左側に移動す
る。このとき、キャップ70が後退し、噴射ノズル9か
ら離れる。
【0033】排出孔110が開口すれば、図7(d)に
示すごとく、第2カム溝106のみ回転軸89側へ近付
けて、第1ピストン90に第2ピストン92を近付け
る。このことにより、ポンプ室108内のインクを排出
孔110から廃液ホーム58へ排出する。排出されたイ
ンクは廃液ホーム58内部のインク吸着材58eに吸着
される。
【0034】そして、図7(e)に示すごとく、第1カ
ム溝104と第2カム溝106とが、図右側に間隔を維
持して共に移動することにより、第1ピストン90と第
2ピストン92とが間隔を維持して基準位置に戻り、最
初の図6(a)に示す状態に戻る。
【0035】その後、ワイパーブレード34が前進する
とともに、キャリッジ10が移動し、ワイパーブレード
34で噴射ノズル9の端面に付着しているインクを払拭
する。このようにして、カム54の1回転により、両カ
ム溝104,106の回転軸89からの距離が変化し、
このことにより、前述したごとく第1ピストン90およ
び第2ピストン92が移動して吸引ポンプの役目を果た
す。
【0036】このポンプ56は、前述したごとく、各ピ
ストン90,92が、ガイドとしての両カム溝104,
106の誘導を受けるために、ポンプ室108とは反対
方向からシリンダ88外に伸びて各摺動ピン100,1
02を介して各カム溝104,106に達する駆動軸9
4,96を有している。
【0037】このように、2つのピストン90,92そ
れぞれが、間に存在するポンプ室108とは反対方向に
駆動軸94,96を伸ばしているため、シリンダ88中
にてピストン90,92や駆動軸94,96同士が交叉
することはない。したがって、一方の第1ピストン90
およびその第1駆動軸94内を、他方の第2ピストン9
2の第2駆動軸96が通過する必要が無い。このため、
部品の形状を複雑にすることがないので、設計や部品製
造上のコストが低減し、更に部品組み付けに長時間を要
することもない。
【0038】また、図示するごとく第1ピストン90と
第2ピストン92とは同形状であるので、部品の共通化
も可能となる。また、第1駆動軸94と第2駆動軸96
とは長さのみ異なるので、シリンダ88の配置や各カム
溝104,106の配置によっては、第1駆動軸94と
第2駆動軸96との長さを同一とすることもでき、ピス
トン90,92とともに駆動軸94,96も共通化する
ことができる。
【0039】また、駆動軸94,96の一方を他方の駆
動軸94,96やピストン90,92の内部を貫通させ
る必要が無いことから、ピストン90,92の径が小さ
くて済み、小さい内径のシリンダ88が可能となるの
で、カム54の比較的大きな制御量で微小な吸入排出量
の制御が可能となり、精密な制御が容易にできる。
【0040】更に、シリンダ88の両側から伸び出す駆
動軸94,96が一つのカム54の各カム溝104,1
06に誘導されるように配置されているので、当然に、
シリンダ88は、カム54の周縁部の内側に配置される
ことになる。したがって、シリンダ88、2つのピスト
ン90,92および2つの駆動軸94,96は共に、ほ
ぼ、カム54の周縁部内に収まり、ポンプ56全体の寸
法が小さくなる。このため、このポンプ56を組み込ん
だインクジェット型プリンタは全体に小型となる。
【0041】尚、シリンダ88は前述したごとく、カム
54の周縁部内に収まる。したがって、図示のごとくカ
ム54の回転軸89をシリンダ88の外周面に設けるこ
とができる。このような構成とすることにより、カム5
4に対してシリンダ88を組み付けた場合に、カム54
に対するシリンダ88の配置精度が非常に高いものとな
り、吸入排出量も一層高精度に制御することができる。
更に、回転軸89を、カム54を貫通して軸受6aの軸
孔6bに挿入して、フック部89aで係止するのみで組
み付けられるので、精度の高い組み立てが極めて容易に
でき、組み付け効率が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたインクジェット型プリン
タの要部構成図である。
【図2】 インク吸引装置の正面図である。
【図3】 インク吸引装置のA−A断面図である。
【図4】 インク吸引装置の背面図である。
【図5】 ポンプの組み付け状態を説明する分解斜視図
である。
【図6】 ピストンの動作の説明図である。
【図7】 ピストンの動作の説明図である。
【図8】 従来のポンプにおけるシリンダ内の2つのピ
ストンの配置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
2…インクジェット型プリンタ 4…プラテン
6…フレーム 6a…軸受 6b…軸孔 8…インク噴射ヘッ
ド 9…噴射ノズル 32…ワイパー装置 34…ワイ
パーブレード 50…インク吸引装置 52…吸引部 54…カム
54c…歯列 54d…切欠 54e…カムの中心孔 55…リミ
ットスイッチ 56…ポンプ 58…廃液ホーム 58e…インク
吸着材 58a…縁 58b,58c…嵌合部 58d…イ
ンク受部 64…キャップ部 70…キャップ 72…吸引凹
部 80…吸引チューブ 86…駆動力伝達歯車 88
…シリンダ 88a…吸入孔 88b…接続パイプ 89…回転
軸 89a…フック部 90…第1ピストン 92…第
2ピストン 94…第1駆動軸 94a…第1摺動板 94b…
円周部 94c,94d…回転規制突起 96…第2ピストン 96…第2駆動軸 96a…第2摺動板 96b…
円周部 96c,96d…回転規制突起 98…第1軸受
98a…内面 98b,98c…平面 98d,99d…嵌合鍔部
99…第2軸受 99a…内面 99b,99c…平面 100…第1
摺動ピン 102…第2摺動ピン 104…第1カム溝 106…
第2カム溝 108…ポンプ室 110…排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−99052(JP,A) 特開 平9−79136(JP,A) 実開 昭57−63982(JP,U) 実開 昭61−73084(JP,U) 実開 平6−37577(JP,U) 実開 昭64−53473(JP,U) 実公 昭11−8742(JP,Y1) 特許174154(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 9/00 - 15/08 F04B 53/00 - 53/22 B41J 2/175

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダとその内部に摺動可能に配置さ
    れた2つのピストンとにより容積可変のポンプ室が形成
    され、この各ピストンがカム上に形成されたガイドに誘
    導されることにより、前記カムの回転動作に連動して前
    記各ピストンが前記シリンダ内で摺動されて流体を吸入
    排出するポンプにおいて、 前記各ピストンが、前記ガイドの誘導を受けるために、
    前記ポンプ室とは反対方向から前記シリンダ外に伸びて
    前記ガイドに達する駆動軸を有し、 前記カムが、前記シリンダと垂直な回転軸を有する1つ
    の円盤状をなし、前記各ピストンの駆動軸がそのカムの
    径方向と平行に位置し、各駆動軸の端部が前記カムの直
    径方向において互いに反対側でそのカムと連結されてい
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 【請求項2】 前記シリンダの外周面上に前記カムの回
    転軸が突出して設けられたことを特徴とする請求項1に
    記載のポンプ。
  3. 【請求項3】 噴射ノズルを有するインク噴射ヘッド
    と、その噴射ノズルに密着可能なキャップ部と、前記噴
    射ノズルに密着したキャップ部からインクを吸引するポ
    ンプと、前記キャップ部及び前記ポンプを駆動するカム
    とを備えるインクジェット型プリンタにおいて、 前記ポンプは、シリンダとその内部に摺動可能に配置さ
    れた2つのピストンとにより容積可変のポンプ室が形成
    され、前記各ピストンがそれぞれ前記ポンプ室とは反対
    方向から前記シリンダ外に伸びる駆動軸を有し、 前記カムは、前記シリンダと垂直な回転軸を有する1つ
    の円盤状をなし、前記各ピストンの駆動軸がそのカムの
    径方向と平行に位置し、各駆動軸の端部が前記カムの直
    径方向において互いに反対側でそのカムと連結され、 前記キャップ部は、前記カムの、前記各ピストンの駆動
    軸が位置する側とは反対側において、そのカムと連結さ
    れていることを特徴とするインクジェット型プリンタ。
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