JP3382680B2 - スリップキャスト成形用アルミナ、アルミナ組成物、アルミナ成形体およびアルミナ焼結体 - Google Patents

スリップキャスト成形用アルミナ、アルミナ組成物、アルミナ成形体およびアルミナ焼結体

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JP3382680B2 JP24948893A JP24948893A JP3382680B2 JP 3382680 B2 JP3382680 B2 JP 3382680B2 JP 24948893 A JP24948893 A JP 24948893A JP 24948893 A JP24948893 A JP 24948893A JP 3382680 B2 JP3382680 B2 JP 3382680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スリップキャスト成形
用のアルミナ、それを用いて得られるスリップキャスト
成形用アルミナ組成物、アルミナ成形体およびアルミナ
焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】スリップキャスト成形法(泥漿鋳込成形
法ともいわれる)は粉体を分散媒中に分散させて吸水性
のある鋳込成形型、例えば石膏型などに流し込み、目的
の形状、厚さに固化させて、乾燥して成形体を得る方法
であり、アルミナの成形を中心に研究され、実用化され
てきている。特に最近では、比較的に簡単な設備で複雑
な形状のものや大型の製品が製造でき、しかも自動化も
可能であること、また、各種の材料面における改良によ
りさらに発展している。スリップキャスト成形法により
製造されている製品としては理化学用や産業用の容器
(例えば、坩堝など)や保護管、箱型隔膜、糸道、各種
の電子部品、バイオセラム、タービンエンジン、ターボ
ローターなどがある。
【0003】しかしながら、従来のα−アルミナ粉末
は、粒子の形状が不均一、また微粒や粗粒が多く粒度分
布が広い、或いは板状の粒子が混在しているなどの理由
で、高濃度で低粘度のスリップキャスト成形用のスラリ
ーを調製することが難しく、それから成形される成形体
は成形体密度が高くなりにくく、また、欠陥がなく均質
で、反り等がなく寸法精度の優れた焼結体を得にくい問
題があった。すなわち、スリップキャスト成形において
は、成形体密度の向上、焼結時の反りの低減化による焼
結体の寸法精度の向上、焼結体の機械的強度の向上、表
面平滑性の向上が強く望まれていた。特に、焼結時の反
りの低減による寸法精度の向上が重要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
上記した課題を解決しようとするものである。すなわ
ち、均質で密度が高い成形体を与え、焼結時の反りが少
なく寸法精度の優れた焼結体を得ることができる、スリ
ップキャスト成形用として適した粒子径や形状の制御さ
れた均質なα−アルミナ粒子からなる粒度分布の狭いア
ルミナを提供するものである。また、本発明はそのアル
ミナから得られるスリップキャスト成形用アルミナ組成
物、アルミナ成形体およびアルミナ焼結体を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はつぎの発明から
なる。 (1)粒子の最も短い直径を短径、最も長い直径を長径
としたとき、短径/長径比が0.3以上1以下の粒子の
集合体であり、累積粒度分布の微粒側から累積10%、
累積90%の粒径をそれぞれD10、D90としたと
き、D90/D10が5以下であるα−アルミナ粉末か
らなることを特徴とするスリップキャスト成形用アルミ
ナ。 (2)多面体形状を有し、六方最密格子であるα−アル
ミナの六方格子面に平行な最大粒子径をD、六方格子面
に垂直な粒子径をHとしたとき、D/H比が0.5以上
3.0以下の粒子の集合体である前記(1)記載のスリ
ップキャスト成形用アルミナ。
【0006】(3)粒子の真密度が3.95g/cm3
以上である前記(1)または(2)記載のスリップキャ
スト成形用アルミナ。 (4)粒子の真密度が3.97g/cm3 以上である前
記(1)または(2)記載のスリップキャスト成形用ア
ルミナ。 (5)粒子の数平均粒子径が0.1μm以上5μm以下
である前記(1)または(2)記載のスリップキャスト
成形用アルミナ。 (6)アルミナ純度が99.90重量%以上である前記
(1)または(2)記載のスリップキャスト成形用アル
ミナ。
【0007】(7)前記(1)または(2)記載のスリ
ップキャスト成形用アルミナ、分散媒、分散剤およびバ
インダーを主成分として含有することを特徴とするスリ
ップキャスト成形用アルミナ組成物。 (8)前記(7)記載のスリップキャスト成形用アルミ
ナ組成物をスリップキャスト成形して得られることを特
徴とするアルミナ成形体。 (9)前記(8)記載のアルミナ成形体を加熱焼成して
得られることを特徴とするアルミナ焼結体。
【0008】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明のスリップキャスト成形用アルミナは、遷移アルミ
ナまたは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ原料
を以下に述べる方法により焼成して製造することができ
る。ここで遷移アルミナとは、Al2 3 として表され
る多形を有するアルミナのうち、α形以外の全てのアル
ミナを意味する。具体的には、γ−アルミナ、δ−アル
ミナ、θ−アルミナを例示することができる。
【0009】遷移アルミナおよび熱処理により遷移アル
ミナとなるアルミナ原料の合成方法は特に限定されな
い。例えば、水酸化アルミニウムはバイヤー法、有機ア
ルミニウム化合物(アルミニウムイソプロポキシド等)
の加水分解法あるいはコンデンサー等のエッチング廃液
から得られるアルミニウム化合物を出発原料として合成
する方法等により得ることができる。
【0010】遷移アルミナは、水酸化アルミニウムを熱
処理する方法、硫酸アルミニウムの分解法、明バン分解
法、塩化アルミニウムの気相分解法あるいはアンモニウ
ムアルミニウム炭酸塩の分解法等により得られる。明バ
ン、硫酸アルミニウムについてはそのまま原料として使
用することもできる。
【0011】本発明のα−アルミナの粒径を以下に述べ
る適切な範囲に制御するために、上記したアルミナ原料
に種晶を添加し混合することができる。用いる種晶は必
ずしも限定されないが、例えばα−アルミナを使用する
ことにより、数平均粒径を好ましい範囲である0.1〜
5μmとすることができる。
【0012】アルミナ原料と種晶の混合方法としては、
ボールミル混合や超音波分散等の方法が使用できる。種
晶を添加するかわりに、混合装置の材料の磨耗物を利用
して目的とするα−アルミナの粒径を制御することも可
能である。例えば、アルミナボールを用いボールミル混
合することによりアルミナボールの磨耗物を種晶として
原料に混合することができる。
【0013】遷移アルミナまたは熱処理により遷移アル
ミナとなるアルミナ原料を、雰囲気ガスの全体積に対し
て塩化水素ガスを0.1体積%以上、好ましくは0.5
体積%以上、さらに好ましくは1体積%以上を含有した
雰囲気ガス中にて、500℃以上、好ましくは600℃
以上の温度で、1分以上、好ましくは10分以上の時間
をかけて焼成する。ここで、雰囲気ガス中には水分、空
気等を含んでいても問題はない。
【0014】塩化水素ガスの代わりに塩素ガスおよび水
蒸気の混合ガスを用いることもできる。遷移アルミナま
たは熱処理により遷移アルミナとなるアルミナ原料を塩
素ガスおよび水蒸気を導入した雰囲気ガス中、雰囲気ガ
スの全体積に対して、塩素ガスを0.1体積%以上、好
ましくは0.5体積%以上、さらに好ましくは1体積%
以上と水蒸気を0.01体積%以上、好ましくは0.1
体積%以上、さらに好ましくは0.5体積%以上とを導
入して、500℃以上、好ましくは600℃以上の温度
で、1分以上、好ましくは10分以上の時間をかけて焼
成する。
【0015】雰囲気ガスである塩化水素ガスまたは導入
する塩素ガスおよび水蒸気の希釈ガスとしては、窒素、
水素あるいはアルゴン等の不活性ガスおよび空気を用い
ることができる。雰囲気ガスの圧力は特に限定されず、
工業的に用いられる範囲において任意に選ぶことができ
る。
【0016】雰囲気ガスである塩化水素ガスまたは導入
する塩素ガスの濃度が0.1体積%より低い場合は、α
−アルミナ粒子の結晶成長が不安定になり、不均一な形
状の粒子しか得られない。上記の条件にて焼成すること
により微細な一次粒子が安定に結晶成長する。その成長
速度は速く、焼成温度や焼成時間の影響をあまり受けな
い。これは工業的に有利な特徴である。
【0017】昇温速度は工業的に利用されている焼成炉
で実施可能な速度の範囲でよい。昇温速度が速すぎると
形状が若干不均一になる傾向があるので、用途により、
より均一な形状の粒子が要求される場合には、好ましく
は500℃/時間程度の昇温速度が選ばれる。降温速度
については特に限定はなく、工業的に利用されている焼
成炉で実施可能な速度の範囲でよい。
【0018】雰囲気ガスの供給源や供給方法は特に限定
されない。遷移アルミナ等の原料が存在する反応系に上
記の雰囲気ガスを導入することができればよい。例え
ば、供給源としては通常はボンベガスを用いることがで
きるが、塩酸溶液や塩化アンモニウム等の塩素化合物あ
るいは塩素含有高分子化合物等を塩化水素ガス等の原料
として用いることもできる。
【0019】焼成装置は必ずしも限定されず、いわゆる
焼成炉を用いることができる。焼成炉は塩化水素ガス、
塩素ガス等に腐食されない材質で構成されていることが
望ましく、さらには雰囲気を調整できる機構を備えてい
ることが望ましい。また、塩化水素ガスや塩素ガス等の
酸性ガスを用いるので、焼成炉には気密性があることが
好ましい。工業的には連続方式で焼成することが好まし
く、例えば、トンネル炉、ロータリーキルンあるいはプ
ッシャー炉等を用いることができる。製造工程の中で用
いられる装置の材質としては、酸性の雰囲気中で反応が
進行するので、アルミナ製、石英製、耐酸レンガあるい
はグラファイト製の坩堝やボート等を用いることが望ま
しい。
【0020】上記の製造方法により粒度分布の狭い本発
明に用いられるα−アルミナ粉末を得ることができる。
用いる原料あるいは製造条件によっては凝集が発生し、
粒度分布が広くなることもあるが、その場合においても
凝集は軽度なものであり、簡単な解砕を行うことによ
り、微粒子を出さないで、容易に、粒度分布が狭い、本
発明に用いられるアルミナを製造することができる。
【0021】本発明のスリップキャスト成形用アルミナ
は、粒子の最も短い直径を短径、最も長い直径を長径と
したとき、短径/長径比が0.3以上1以下である粒子
の集合体であり、累積粒度分布の微粒側から累積10
%、累積50%、累積90%の粒径を、それぞれD1
0、D50、D90としたとき、D90/D10が5以
下であり、好ましくはD50/D10が2.5以下であ
るα−アルミナ粒子からなる。
【0022】また本発明のスリップキャスト成形用アル
ミナは、その粒子が多面体形状を有する場合には、均質
で、六方最密格子であるα−アルミナの六方格子面に平
行な最大粒子径をD、六方格子面に垂直な粒子径をHと
したとき、D/Hが0.5以上3.0以下である粒子の
集合体であり、累積粒度分布の微粒側から累積10%、
累積50%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D5
0、D90としたとき、D90/D10が5以下であ
り、好ましくはD50/D10が2.5以下であるα−
アルミナ粒子からなる。
【0023】本発明のスリップキャスト成形用アルミナ
として用いるα−アルミナ粉末を構成する粒子は均質
で、真密度が好ましくは3.95g/cm3 以上、より
好ましくは3.97g/cm3 以上である。また、本発
明のスリップキャスト成形用アルミナとして用いるα−
アルミナ粉末を構成する粒子の数平均粒子径は、好まし
くは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜5μmで
ある。0.1μm未満の場合は着肉速度が遅くなり、ま
た、焼結に際してバインダー等の抜けが悪くなる。5μ
mを越えると焼結性が低下する傾向がある。また、アル
ミナ純度は好ましくは99.90重量%以上、さらに好
ましくは99.95重量%以上である。
【0024】得られたα−アルミナに分散媒、分散剤お
よびバインダー等を添加、混合してスリップキャスト成
形用アルミナ組成物を調製する。スリップキャスト成形
用アルミナ組成物は、その組成は必ずしも限定されず、
α−アルミナ粉末100重量部に対して、分散媒を20
〜100重量部、好ましくは30〜60重量部、分散剤
を0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜0.5
重量部、バインダーを0.01〜2.0重量部、好まし
くは0.1〜0.5重量部、さらに必要に応じて消泡剤
を0.01〜1.0重量部、好ましくは0.1〜0.3
重量部からなるものを例示することができる。本発明の
スリップキャスト成形用アルミナ組成物には、必要に応
じて従来から鋳込成形法で用いられているその他の各種
の添加剤を配合することができる。
【0025】これらのスリップキャスト成形用アルミナ
組成物を構成する各成分として用いられる具体的な化合
物等は特に限定されず、アルミナのスリップキャスト成
形において従来から知られている各種の化合物等を用い
ることができる。分散媒としては、例えば、水またはエ
タノール、石油エーテル、イソブチルアセテート、トル
エン、グリセリン等の有機溶媒を用いることができる。
分散剤としては、ポリカルボン酸、ポリアクリル酸、ワ
ックスエマルジョン等を、バインダーとしては、ポリビ
ニルアルコール、アクリル系ポリマー、ポリビニルブチ
ラール等を例示することができる。消泡剤としては、ワ
ックス系エマルジョン等を用いることができる。
【0026】スリップキャスト成形用アルミナ組成物を
従来公知のスリップキャスト工程に適用して、本発明の
アルミナ成形体を得ることができる。用いる鋳込成形型
としては、石膏型、プラスチック型、木型、ゴム型等を
用いることができる。なかでも石膏型が好ましい。
【0027】このようにして得られるアルミナ成形体は
均質で高い成形体密度を有する。得られたアルミナ成形
体を、通常の焼結工程により、1400〜1650℃の
温度で空気中または還元雰囲気中にて焼成することによ
り、反りの少ない寸法精度の優れた均質なアルミナ焼結
体を得ることができる。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、本発明における各種の測定はつぎのように
して行った。 1.α−アルミナの数平均粒径と粒度分布の測定 (1)(D90/D10)および(D50/D10)値
は、レーザー散乱法を測定原理とするマスターサイザー
(マルバーン社製)を用いて測定した。 (2)数平均粒径は、α−アルミナのSEM(走査型電
子顕微鏡、日本電子株式会社製:T−300)写真を写
し、その写真から80ないし100個の粒子を選び出し
て画像解析を行い、円相当径の平均値とその分布を求め
た。円相当径とは、面積が等しい真円の直径に換算した
値をいう。
【0029】2.α−アルミナの結晶形状としての(短
径/長径比)および(D/H)の測定 本発明において(短径/長径比)とは、粒子の最も短い
直径を短径、最も長い直径を長径としたとき、短径/長
径値をいう。また、本発明において(D/H)比とは、
六方最密格子であるα−アルミナの六方格子面に平行な
最大粒子径をD、六方格子面に垂直な粒子径をHとした
ときのD/H比をいう。(D/H)は、α−アルミナの
SEM(走査型電子顕微鏡、日本電子株式会社製:T−
300)写真を写し、その写真から5ないし10個の粒
子を無作為に選び出して画像解析を行い、その平均値と
して求めた。
【0030】3.アルミナ純度の測定 発光分析により不純物イオンの混入量を測定し、不純物
含有量を酸化物換算して求めた。塩素含有量は電位差滴
定法により求めた。このようにして求められた不純物含
有量の合計量(重量%)を100重量%から差し引いて
アルミナ純度とした。
【0031】4.アルミナ粒子の真密度の測定 装置:湯浅アイオニクス社製ペンタピクノメーター 原理:Heガス気相置換法(圧力比較法) 前処理:2μm以下の粉末は約19mmφ−8mmtの
ペレットに成形し、6μm以上の粉末はそのままサンプ
ルとした。105℃にて乾燥後、パルス法(15回)に
てパージして測定した。
【0032】5.成形体密度および焼結体密度の測定 アルキメデス法を原理とする固体比重測定装置((株)
島津製作所製)を用いて行った。 6.アルミナ焼結体の反りの評価 40mm×40mm×5mmのシート状の成形体を焼結
し、得られた焼結体を定盤に置き、最も高い点と最も低
い点の差(単位mm)を反りとした。この値が大きい程
反りが大きいことになる。
【0033】実施例1 (スリップキャスト成形用アルミナとしてのα−アルミ
ナの合成)遷移アルミナ粉末として、アルミニウム有機
化合物の加水分解法による遷移アルミナ、商品名AKP
−G15(住友化学工業株式会社製)を用いた。種晶と
しては、α−アルミナ、商品名AKP−30(住友化学
工業株式会社製)を用い、遷移アルミナ粉末に混合し
た。遷移アルミナ粉末と種晶の混合物約200gをグラ
ファイトボートに充填し、石英製炉芯管を用いた管状炉
にて焼成した。窒素ガスを流通させつつ、昇温速度50
0℃/時間にて昇温し、800℃になったときボンベ塩
化水素ガスを導入した。雰囲気ガス濃度の調整は、流量
計によりガス流量の調整により行った。雰囲気ガスの流
量は、線流速を20mm/分に調整した。雰囲気ガスの
全圧はすべて大気圧であった。1100℃に到った後は
その温度にて30分間保持した後自然放冷し、ついで解
砕して目的とする短径/長径比が約1、D/H比が約
1、数平均粒子径が0.6μm、D90/D10値が
3、D50/D10値が1.9である多面体形状を有す
るα−アルミナ粒子からなる本発明のスリップキャスト
成形用アルミナを得た。アルミナ純度は99.95重量
%以上、α−アルミナ粒子の真密度は3.98g/cm
3 であった。
【0034】実施例2 (スリップキャスト成形用アルミナ組成物の調製)実施
例1で得られたα−アルミナ粉末100重量部に水40
重量部、アクリル系分散剤0.1重量部、ポリビニルア
ルコール系バインダー0.1重量部および消泡剤として
アンチフロスF102(商品名、第一工業製薬(株)
製)0.1重量部を2時間ボールミル混合し、本発明の
スリップキャスト成形用アルミナ組成物を得た。
【0035】実施例3 (スリップキャスト成形法によるアルミナ成形体の作
製)実施例2で得られたスリップキャスト成形用アルミ
ナ組成物を石膏型を用いてスリップキャストし、40m
m×40mm×5mmのシート状のアルミナ成形体を得
た。得られたアルミナ成形体の密度を測定し、結果を表
1に記した。
【0036】実施例4 (アルミナ焼結体の製造)実施例3で得られたアルミナ
成形体を、大気中1600℃で2時間焼成することによ
りアルミナ焼結体を得た。得られたアルミナ焼結体の密
度および反りを測定し、結果を表1に記した。焼結時の
収縮率は、焼結前後の密度から求めることができる。
【0037】比較例1 実施例1で用いた遷移アルミナ、商品名AKP−G15
を空気中にて焼成してα−アルミナ粉末(数平均粒径は
0.3μm、粒子が凝集しているため短径/長径比およ
びD/H比は不均一なものであった。アルミナ純度は9
9.95重量%以上であった。)を得た。このα−アル
ミナ粉末は球状のα−アルミナ粒子の凝集粒子からなっ
ていた。このα−アルミナ粉末を原料として用い、実施
例2および実施例3と同様の操作を行い、アルミナ成形
体ついでアルミナ焼結体を得た。得られた成形体と焼結
体の密度および焼結体の反りを測定し、それらの結果を
表1にあわせて記した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のスリップキャスト成形用アルミ
ナおよびスリップキャスト成形用アルミナ組成物を用い
て得られるアルミナ成形体は、均質な成形体で、高い成
形体密度を有しており、焼結時の反りや収縮率が小さ
く、寸法精度の優れたアルミナ焼結体を与える。寸法精
度に優れていることから、大きく複雑な形状の製品の製
造が可能であり、焼結後の加工が容易である等の優れた
特徴を有している。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 - 35/50 C04B 35/622 - 35/638 C04B 33/28 B28B 1/26 C01F 7/02

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子の最も短い直径を短径、最も長い直径
    を長径としたとき、短径/長径比が0.3以上1以下の
    粒子の集合体であり、累積粒度分布の微粒側から累積1
    0%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D90とし
    たとき、D90/D10が5以下であるα−アルミナ粉
    末からなることを特徴とするスリップキャスト成形用ア
    ルミナ。
  2. 【請求項2】多面体形状を有し、六方最密格子であるα
    −アルミナの六方格子面に平行な最大粒子径をD、六方
    格子面に垂直な粒子径をHとしたとき、D/H比が0.
    5以上3.0以下の粒子の集合体である請求項1記載の
    スリップキャスト成形用アルミナ。
  3. 【請求項3】粒子の真密度が3.95g/cm3 以上で
    ある請求項1または2記載のスリップキャスト成形用ア
    ルミナ。
  4. 【請求項4】粒子の真密度が3.97g/cm3 以上で
    ある請求項1または2記載のスリップキャスト成形用ア
    ルミナ。
  5. 【請求項5】粒子の数平均粒子径が0.1μm以上5μ
    m以下である請求項1または2記載のスリップキャスト
    成形用アルミナ。
  6. 【請求項6】アルミナ純度が99.90重量%以上であ
    る請求項1または2記載のスリップキャスト成形用アル
    ミナ。
  7. 【請求項7】請求項1または2記載のスリップキャスト
    成形用アルミナ、分散媒、分散剤およびバインダーを主
    成分として含有することを特徴とするスリップキャスト
    成形用アルミナ組成物。
  8. 【請求項8】請求項7記載のスリップキャスト成形用ア
    ルミナ組成物をスリップキャスト成形して得られること
    を特徴とするアルミナ成形体。
  9. 【請求項9】請求項8記載のアルミナ成形体を加熱焼成
    して得られることを特徴とするアルミナ焼結体。
JP24948893A 1993-07-27 1993-10-05 スリップキャスト成形用アルミナ、アルミナ組成物、アルミナ成形体およびアルミナ焼結体 Expired - Fee Related JP3382680B2 (ja)

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