JP3381394B2 - 故障診断装置 - Google Patents

故障診断装置

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JP3381394B2
JP3381394B2 JP16187494A JP16187494A JP3381394B2 JP 3381394 B2 JP3381394 B2 JP 3381394B2 JP 16187494 A JP16187494 A JP 16187494A JP 16187494 A JP16187494 A JP 16187494A JP 3381394 B2 JP3381394 B2 JP 3381394B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体の回転状態を検
出し、断線時の故障を確実に検出可能な故障診断装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図13及び図14に示すような機
械的及び電気的な構成からなる内燃機関制御装置が知ら
れている。
【0003】図13において、1は内燃機関、2はピス
トン、3は点火プラグ、4は排気マニホールド、5は排
気マニホールドに備えられ、排ガス中の残存酸素濃度を
検出する酸素センサ、6は内燃機関1の吸入空気中に燃
料を噴射する燃料噴射弁、7は吸気マニホールド、8は
内燃機関1に送られる吸入空気の温度を検出する吸気温
センサ、9は内燃機関冷却水の温度を検出する水温セン
サ、10はスロットルバルブ、11はスロットルバルブ
10に連動し、スロットルバルブ10の開度を検出して
信号を出力すると共にスロットルバルブ10がほぼ全閉
状態ではアイドルスイッチIDLとしてのオン信号を出
力するスロットル開度センサ、14は吸入空気量を測定
するカルマン渦型流量センサ、15は吸入空気の脈動を
吸収するサージタンクである。
【0004】16は点火に必要な高電圧を出力するイグ
ナイタ、17は図示しないクランク軸に連動しイグナイ
タ16で発生した高電圧を各気筒の点火プラグ3に分配
供給するディストリビュータ、18はディストリビュー
タ17内に取付けられ、ディストリビュータ17の1回
転、即ち、クランク軸の2回転に24発のパルス信号を
出力し、回転角と回転速度とを検出する回転角センサ、
19はディストリビュータ17の1回転に1発のパルス
信号を出力する気筒判別センサ、20はECU(Electr
onic Control Unit:電子制御装置)、21はキースイッ
チ、22はスタータモータである。26は車軸に連動
し、車速に応じたパルス信号を発信する車速センサであ
る。
【0005】図14は図13のECU20の内部構成を
示すブロック図である。
【0006】図14において、30は各センサより出力
されるデータを制御プログラムに従って入力及び演算す
ると共に、各種装置を作動制御等するための処理を行う
CPU、31は制御プログラム及び初期データを格納す
るROM、32はECU20に入力されるデータや演算
制御に必要なデータを一時的に格納するRAM、33は
キースイッチ21がオフされても以後の内燃機関作動に
必要なデータを保持するようにバッテリによってバック
アップされた不揮発性メモリとしてのバックアップRA
M、35〜37,44は各センサの出力信号のバッフ
ァ、38は各センサの出力信号をCPU30に選択的に
出力するマルチプレクサ、39はアナログ信号をディジ
タル信号に変換するA/D変換器、40はバッファ37
を介してまたはバッファ35,36、マルチプレクサ3
8及びA/D変換器39を介して各センサ信号をCPU
30に送ると共にCPU30からのマルチプレクサ3
8、A/D変換器39のコントロール信号を出力する入
出力ポートである。
【0007】41は酸素センサ5の出力信号をコンパレ
ータ42に送るバッファ、43はカルマン渦型流量セン
サ14、回転角センサ18及び気筒判別センサ19の出
力信号の波形を整形する波形整形回路である。コンパレ
ータ42の出力、波形整形回路43の出力、キースイッ
チ21のオンオフ信号及びスロットル開度センサ11の
アイドルスイッチ信号は入出力ポート46に入力され、
この入出力ポート46を介して各信号がCPU30に送
られる。更に、47,48は出力ポート49,50を介
してCPU30からの信号によって燃料噴射弁6、イグ
ナイタ16を駆動するそれぞれの駆動回路である。ま
た、51は信号やデータの通路となるバスライン、52
はCPU30を始めROM31、RAM32等に所定の
間隔で制御タイミングとなるクロック信号を送るクロッ
ク回路である。
【0008】図13の回転角センサ18で発生される回
転信号は、MPU(Magnet Pick-Up:マグネットピックア
ップ)に磁性体からなる回転体の突起部が周期的に接近
するときのMPUコイルの起電力を利用したもので、そ
の波形形状は図16にMPU出力として示されている。
このMPU出力は波形整形回路43に入力され、図16
に示すようなパルス(矩形波)である波形整形出力に変
換される。この場合のパルス状の波形整形出力は、内燃
機関1のクランク軸1回転で12周期分が発生される。
【0009】このように構成された内燃機関制御装置に
おける回転体の回転角と回転速度とを検出する回転角セ
ンサ18の故障診断装置としては、以下に説明するよう
な方法が知られている。
【0010】一般に、回転角センサ18を構成するMP
U自体及びその信号線の断線検出として、所定期間信号
が検出されなかったときに、その直前に記憶された回転
速度が所定値以上であると断線とみなすものである。こ
の方法は、通常の回転体の停止ではイナーシャにより徐
々に回転速度が落ちていくのに対して、断線が生じると
突然にMPU出力がなくなるという現象を利用したもの
である。
【0011】上述したように、回転体の回転に伴う回転
角センサ18からのMPU出力は、図15に示すような
内部構成からなる波形整形回路43で処理され、波形整
形出力に変換されたのちCPU30に入力される。この
波形整形回路43のコンパレータ436で設定されてい
るMPU出力波形に対する閾値(Threshold:スレッショ
ルド)である判定レベルMPUthは、例えば、入力信号
の立上がり時で50mV、立下がり時で5mVに設定さ
れる。ここで、波形整形回路43には抵抗431とコン
デンサ433とからなるCRフィルタがノイズによる誤
動作を防止するために設けてあり、この時定数は例え
ば、抵抗431が10kΩ、コンデンサ433が0.0
1μFのとき0.1ms程度となる。
【0012】次に、CPU30の処理について図17及
び図18のフローチャートに基づいて説明する。なお、
図17は波形整形回路43からの波形整形出力の立上が
りエッジによる割込み処理ルーチン、図18は16ms
毎のタイマ割込み処理ルーチンである。また、図16に
示す判定用カウンタは図18の処理ルーチンと同様に1
6ms毎にカウントアップされ、図17と同様に波形整
形回路43からの波形整形出力の立上がりエッジにより
クリアされる。
【0013】図17において、ステップS101で、割
込み開始である今回のエッジ時刻からRAM32の所定
領域に記憶された前回のエッジ時刻が減算され、今回の
波形整形出力の所要時間TMPU としてRAMの所定領域
に記憶される。次にステップS102に移行して、今回
のエッジ時刻が前回のエッジ時刻としてRAM32の所
定領域に記憶され、本プログラムを終了する。
【0014】図18において、ステップS201で判定
用カウンタの値から100ms以上の時間、MPU出力
に基づく波形整形出力の立上がりエッジがないかが判定
される。ステップS201の判定条件が成立しないとき
には、本プログラムを終了する。即ち、MPU出力に基
づく波形整形出力の立上がりエッジが100ms以内に
あるときには、MPU断線は生じていないとしてその判
定処理がバイパスされるのである。そして、ステップS
201の判定条件が成立するときには、ステップS20
2に移行し、図17のステップS101で記憶された波
形整形出力の所要時間TMPU が予め設定された所定回転
数の逆数で設定される時間未満であるかが判定される。
ステップS202の判定条件が成立しないときには、本
プログラムを終了する。即ち、MPU出力に基づく波形
整形出力の立上がりエッジが100ms以上なくて、波
形整形出力の所要時間TMPU が所定回転数の逆数で設定
される時間以上であるときにも、MPU断線は生じてい
ないとしてその判定処理がバイパスされるのである。こ
こで、ステップS202の判定条件が成立するときに
は、ステップS203に移行し、MPU出力に基づく波
形整形出力の立上がりエッジが100ms以上なく、波
形整形出力の所要時間TMPU が十分小さいとして、MP
Uの断線であるとする判定処理が実行される。この処理
では、回転角センサ18及びその信号線を含めた系統が
断線しているとしてバックアップRAM33内にその内
容が記憶されると共に、メータ内の警告灯が点灯された
のち、本プログラムを終了する。
【0015】上述したように、MPUに断線が生じると
突然入力がなくなるため、最新の波形整形出力の所要時
間TMPU として十分に小さい値が記憶されていれば入力
の断線とみなし、運転者による内燃機関の通常の停止で
あれば機関回転数はゆっくりと下がり、機関停止直前に
記憶された最新の波形整形出力の所要時間TMPU の値は
十分大きな値となっているため、入力の断線とはみなさ
れない。このように、機関停止直前の最新の波形整形出
力の所要時間TMPU の大小により入力の断線を判定して
いた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図16に示
す断線に伴った最新のMPU出力波形は、前述したよう
に、ノイズ除去のための図15の波形整形回路43の抵
抗431とコンデンサ433とからなるCRフィルタの
時定数の影響を受ける。そして、コンパレータ436の
反転入力側の波形はゆっくりと0に近づいて行き、それ
までの波形とは異なった減衰波形となる。このため、M
PU出力に対する波形整形回路43における判定レベル
MPUthによる波形整形出力の矩形波の立上がりエッジ
間隔に基づく最新の波形整形出力の所要時間TMPU が前
回の所要時間TMPU-1 より長くなり不正確になってしま
う。このような現象に起因して、上記所要時間TMPU が
長い方にずれると実際には断線であっても、所要時間T
MPU から算出された回転速度を低回転とみなしてしまう
こととなり正確な断線判定をすることができないという
不具合があった。
【0017】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、回転体からの回転信号を入
力する信号線の断線検出における誤判定を防止した故障
診断装置の提供を課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる故障診
断装置は、回転体の回転角度に同期した出力信号の周期
の所要時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手
段で計測される所要時間を記憶する時間記憶手段と、予
め設定された所定時間内に前記時間計測手段で前記所要
時間が計測できなかったときには、前記時間記憶手段に
記憶された前回の所要時間の大きさに基づいて前記回転
体に対する信号線を含めた系統の断線を判定する判定手
段とを具備するものである。 請求項2にかかる故障診
断装置は、請求項1の具備する手段に加えて、前記判定
手段が、前記時間計測手段で計測された所要時間の大き
さに対応して断線を判定するための判定用時間を変更す
るものである。
【0019】請求項3にかかる故障診断装置は、回転体
の回転角度に同期した出力信号の周期の所要時間を計測
する時間計測手段と、前記時間計測手段で計測される所
要時間を記憶する時間記憶手段と、予め設定された所定
時間内に前記時間計測手段で前記所要時間が計測できな
かったときには、前記時間記憶手段に記憶された前回の
所要時間の大きさと前回以前の複数の所要時間を平均し
た平均所要時間の大きさとに基づいて前記回転体に対す
る信号線を含めた系統の断線を判定する判定手段とを具
備するものである。
【0020】請求項4にかかる故障診断装置は、回転体
の回転角度に同期した出力信号をコンパレータを介して
波形整形する波形整形回路と、前記波形整形回路の前記
コンパレータの一方の入力側の閾値電位を他方の入力側
に対して低くなるようにオフセットし、正電源のみで負
の判定レベルを設定する判定レベル設定手段と、前記判
定レベル設定手段で設定された負の判定レベルに基づき
前記出力信号の周期の所要時間を計測する時間計測手段
と、前記時間計測手段で計測される所要時間を記憶する
時間記憶手段と、予め設定された所定時間内に前記時間
計測手段で前記所要時間が計測できなかったときには、
前記時間記憶手段に記憶された最新の前記所要時間の大
きさに基づいて前記回転体に対する信号線を含めた系統
の断線を判定する判定手段とを具備するものである。
【0021】
【作用】請求項1においては、時間計測手段で計測され
る回転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、時間
記憶手段に記憶される。そして、判定手段では所定時間
内に所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信
号が途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶され
ている前回の所要時間の大きさが所定回転数に対応する
時間より短いときには回転体に対する信号線を含めた系
統の断線であると判定される。
【0022】請求項2の故障診断装置の判定手段は、請
求項1の作用に加えて、判定手段では所定時間内に所要
時間が計測できなくなると回転体からの出力信号が途絶
えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されている前
回の所要時間の大きさが所要時間が計測される度に更新
される判定用時間より短いときには回転体に対する信号
線を含めた系統の断線であると判定される。
【0023】請求項3においては、時間計測手段で計測
される回転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、
時間記憶手段に記憶される。そして、判定手段では所定
時間内に所要時間が計測できなくなると回転体からの出
力信号が途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶
されている前回の所要時間の大きさが所定回転数に対応
する時間より短く、更に、前回以前の複数の平均所要時
間が所定回転数に対応する時間より短いときには回転体
に対する信号線を含めた系統の断線であると判定され
る。
【0024】請求項4においては、回転体からの出力信
号の周期の所要時間が波形整形回路のコンパレータの一
方の入力側の閾値電位を他方の入力側に対して低くなる
ようにオフセットさせることで、正電源のみで設定され
る負の判定レベルに基づき時間計測手段で計測され、随
時、時間記憶手段に記憶される。そして、判定手段では
所定時間内に所要時間が計測できなくなると回転体から
の出力信号が途絶えたとし、このときに時間記憶手段に
記憶されている最新の所要時間の大きさが所定回転数に
対応する時間より短いときには回転体に対する信号線を
含めた系統の断線であると判定される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0026】〈第一実施例〉図1は本発明の第一実施例
にかかる故障診断装置におけるMPU出力と波形整形出
力とを示すタイミングチャート、図2及び図3は本発明
の第一実施例にかかる故障診断装置における断線判定フ
ローチャートである。ここで、図2は波形整形回路43
からの波形整形出力の立上がりエッジによる割込み処理
ルーチン、図3は16ms毎のタイマ割込み処理ルーチ
ンである。また、処理ルーチン中で使用されている判定
用カウンタは、図16に示された判定用カウンタと同
様、16ms毎にカウントアップされ、波形整形回路4
3からの波形整形出力の立上がりエッジによりクリアさ
れる。なお、本実施例の故障診断装置が使用される内燃
機関制御装置の機械的及び電気的な構成は、図13及び
図14に示された従来装置と同様であり、また、図13
の波形整形回路43の内部構成も図15に示された従来
構成と同様であり、それらの詳細な説明を省略する。
【0027】図14のCPU30における本実施例の処
理について図2及び図3のフローチャートに基づいて説
明する。
【0028】図2において、まず、ステップS11で、
RAM32の所定領域に記憶された所要時間TMPU が前
回の波形整形出力の所要時間TMPUoldにシフトされRA
M32の所定領域に記憶される。次にステップS12に
移行して、割込み開始である今回のエッジ時刻からRA
M32の所定領域に記憶された前回のエッジ時刻が減算
され、今回の波形整形出力の所要時間TMPU としてRA
Mの所定領域に記憶される。次にステップS13に移行
して、今回のエッジ時刻が前回のエッジ時刻にシフトさ
れRAM32の所定領域に記憶され、本プログラムを終
了する。
【0029】図3において、ステップS21で判定用カ
ウンタの値から100ms以上の時間、MPU出力に基
づく波形整形出力の立上がりエッジがないかが判定され
る。ステップS21の判定条件が成立しないときには、
本プログラムを終了する。即ち、MPU出力に基づく波
形整形出力の立上がりエッジが100ms以内にあると
きには、MPU断線は生じていないとしてその判定処理
がバイパスされるのである。そして、ステップS21の
判定条件が成立するときには、ステップS22に移行
し、図2のステップS11で記憶された前回の波形整形
出力の所要時間TMPUoldが予め設定された所定回転数の
逆数で設定される時間未満であるかが判定される。ステ
ップS22の判定条件が成立しないときには、本プログ
ラムを終了する。即ち、MPU出力に基づく波形整形出
力の立上がりエッジが100ms以上なくて、前回の波
形整形出力の所要時間TMPUoldが所定回転数の逆数で設
定される時間以上であるときにも、MPU断線は生じて
いないとしてその判定処理がバイパスされるのである。
ここで、ステップS22の判定条件が成立するときに
は、ステップS23に移行し、MPU出力に基づく波形
整形出力の立上がりエッジが100ms以上なく、波形
整形出力の所要時間TMPUoldが十分小さいとして、MP
Uの断線であるとする判定処理が実行される。この処理
では、回転角センサ18及びその信号線を含めた系統が
断線しているとしてバックアップRAM33内にその内
容が記憶されると共に、メータ内の警告灯が点灯された
のち、本プログラムを終了する。
【0030】上述したように、MPUに断線が生じると
突然入力がなくなるが、最新の波形整形出力の所要時間
TMPU には、波形整形回路43のCRフィルタの時定数
によりゆっくりと0に近づくことにより断線時のMPU
出力に基づく波形整形出力が反映されない。
【0031】そこで、断線時の不正確な波形整形出力の
所要時間は必ず1発のみであるということを利用し、本
実施例では最新の波形整形出力の所要時間TMPU を無視
し、前回の波形整形出力の所要時間TMPUoldを比較判定
に用い、その所要時間TMPUoldの大小により入力の断線
が判定される。
【0032】このように、本実施例の故障診断装置は、
内燃機関1のクランク軸に連動して回転するディストリ
ビュータ17内の回転体の回転角度に同期した出力信号
の周期の所要時間を計測する回転角センサ18及びEC
U20内の波形整形回路43、入出力ポート46、バス
ライン51、CPU30にて達成される時間計測手段
と、前記時間計測手段で計測される所要時間TMPU,TMP
Uoldを記憶するECU20内のRAM32にて達成され
る時間記憶手段と、予め設定された所定時間(100m
s)内に前記時間計測手段で前記所要時間が計測できな
かったときには、前記時間記憶手段に記憶された前回の
所要時間TMPUoldの大きさに基づいて前記回転体に対す
る回転角センサ18の信号線を含めた系統の断線を判定
するECU20内のCPU30にて達成される判定手段
とを具備するものであり、これを請求項1の実施例とす
ることができる。
【0033】したがって、時間計測手段で計測される回
転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、時間記憶
手段に記憶される。そして、判定手段では所定時間内に
所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信号が
途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されてい
る前回の所要時間TMPUoldの大きさが所定回転数に対応
する時間より短いときには回転体に対する回転角センサ
18の信号線を含めた系統の断線であると判定される。
【0034】故に、MPU出力信号に基づき随時計測さ
れる所要時間のうち断線判定では、信頼性の低い今回
(最新)の所要時間TMPU が無視され、MPU出力信号
の安定状態において計測された前回の所要時間TMPUold
の大きさに基づいて判定される。これにより、断線検出
における誤判定要因が除去されるため、断線判定が極め
て正確となる。
【0035】〈第二実施例〉図4は本発明の第二実施例
にかかる故障診断装置におけるMPU出力と波形整形出
力とを示すタイミングチャート、図5及び図6は本発明
の第二実施例にかかる故障診断装置における断線判定フ
ローチャートである。ここで、図5は波形整形回路43
からの波形整形出力の立上がりエッジによる割込み処理
ルーチン、図6は16ms毎のタイマ割込み処理ルーチ
ンである。また、処理ルーチン中で使用されている判定
用カウンタは、図16に示された判定用カウンタと同
様、16ms毎にカウントアップされ、波形整形回路4
3からの波形整形出力の立上がりエッジによりクリアさ
れる。なお、本実施例の故障診断装置が使用される内燃
機関制御装置の機械的及び電気的な構成は、図13及び
図14に示された従来装置と同様であり、また、図13
の波形整形回路43の内部構成も図15に示された従来
構成と同様であり、それらの詳細な説明を省略する。
【0036】図14のCPU30における本実施例の処
理について図5及び図6のフローチャートに基づいて説
明する。
【0037】図5において、まず、ステップS31で、
RAM32の所定領域に記憶された過去の波形整形出力
の所要時間TMPUoldi が更に、1つずつ過去の所要時間
にシフト(TMPUoldi-1 ←TMPUoldi )され、RAM3
2の所定領域に記憶される。次にステップS32に移行
して、所要時間TMPU として記憶された値が前回の波形
整形出力の所要時間TMPUold1 にシフトされRAMの所
定領域に記憶される。次にステップS33に移行して、
過去の4つのTMPUold1 〜TMPUold4 が加算されTMPUo
ld′としてRAM32の所定領域に記憶される。次にス
テップS34に移行して、割込み開始である今回のエッ
ジ時刻からRAM32の所定領域に記憶された前回のエ
ッジ時刻が減算され、今回の波形整形出力の所要時間T
MPU としてRAMの所定領域に記憶される。次にステッ
プS35に移行して、今回のエッジ時刻が前回のエッジ
時刻にシフトされRAM32の所定領域に記憶され、本
プログラムを終了する。
【0038】図6において、ステップS41で判定用カ
ウンタの値から100ms以上の時間、MPU出力に基
づく波形整形出力の立上がりエッジがないかが判定され
る。ステップS41の判定条件が成立しないときには、
本プログラムを終了する。即ち、MPU出力に基づく波
形整形出力の立上がりエッジが100ms以内にあると
きには、MPU断線は生じていないとしてその判定処理
がバイパスされるのである。そして、ステップS41の
判定条件が成立するときには、ステップS42に移行
し、図5のステップS32で記憶された前回の波形整形
出力の所要時間TMPUold1 が予め設定された所定回転数
1の逆数で設定される時間未満であるかが判定される。
ステップS42の判定条件が成立しないときには、本プ
ログラムを終了する。即ち、MPU出力に基づく波形整
形出力の立上がりエッジが100ms以上なくて、前回
の波形整形出力の所要時間TMPUold1 が所定回転数1の
逆数で設定される時間以上であるときにも、MPU断線
は生じていないとしてその判定処理がバイパスされるの
である。
【0039】一方、ステップS42の判定条件が成立す
るときには、ステップS43に移行し、図5のステップ
S33でRAM32の所定領域に記憶された過去の4つ
の波形整形出力の所要時間TMPUold′を4で除算した値
が予め設定された所定回転数2の逆数で設定される時間
未満であるかが判定される。ステップS43の判定条件
が成立しないときには、本プログラムを終了する。即
ち、MPU出力に基づく波形整形出力の立上がりエッジ
が100ms以上なくて、前回の波形整形出力の所要時
間TMPUold′を4で除算した値が所定回転数2の逆数で
設定される時間以上であるときにも、MPU断線は生じ
ていないとしてその判定処理がバイパスされるのであ
る。なお、所定回転数1及び所定回転数2は例えば、6
00rpm ,1000rpm または600rpm ,600rpm
等の回転数が設定される。
【0040】一方、ステップS43の判定条件が成立す
るときには、ステップS44に移行し、MPU出力に基
づく波形整形出力の立上がりエッジが100ms以上な
く、波形整形出力の所要時間TMPUold1 及びTMPUold′
/4が十分小さいとして、MPUの断線であるとする判
定処理が実行される。この処理では、回転角センサ18
及びその信号線を含めた系統が断線しているとしてバッ
クアップRAM33内にその内容が記憶されると共に、
メータ内の警告灯が点灯されたのち、本プログラムを終
了する。
【0041】上述したように、MPUに断線が生じると
突然入力がなくなるが、最新の波形整形出力の所要時間
TMPU には、波形整形回路43のCRフィルタの時定数
によりゆっくりと0に近づくことにより断線時のMPU
出力に基づく波形整形出力が反映されない。
【0042】そこで、断線時の不正確な波形整形出力の
所要時間は必ず1発のみであるということを利用し、本
実施例では最新の波形整形出力の所要時間TMPU を無視
し、前回の波形整形出力の所要時間TMPUold1 及び過去
の4つの波形整形出力の所要時間の平均値TMPUold′/
4を比較判定に用い、その所要時間TMPUold1 及びTMP
Uold′/4の大小により入力の断線が判定される。
【0043】このように、本実施例の故障診断装置は、
内燃機関1のクランク軸に連動して回転するディストリ
ビュータ17内の回転体の回転角度に同期した出力信号
の周期の所要時間を計測する回転角センサ18及びEC
U20内の波形整形回路43、入出力ポート46、バス
ライン51、CPU30にて達成される時間計測手段
と、前記時間計測手段で計測される所要時間TMPU,TMP
Uold1,TMPUold2,TMPUold3,TMPUold4 を記憶するEC
U20内のRAM32にて達成される時間記憶手段と、
予め設定された所定時間(100ms)内に前記時間計
測手段で前記所要時間が計測できなかったときには、前
記時間記憶手段に記憶された前回の所要時間TMPUold1
の大きさと前回以前の4つの所要時間TMPUold′を平均
した平均所要時間TMPUold′/4の大きさとに基づいて
前記回転体に対する回転角センサ18の信号線を含めた
系統の断線を判定するECU20内のCPU30にて達
成される判定手段とを具備するものであり、これを請求
項3の実施例とすることができる。
【0044】したがって、時間計測手段で計測される回
転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、時間記憶
手段に記憶される。そして、判定手段では所定時間内に
所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信号が
途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されてい
る前回の所要時間TMPUold1 の大きさが所定回転数1に
対応する時間より短く、更に、前回以前の4つの平均所
要時間TMPUold′/4が所定回転数2に対応する時間よ
り短いときには回転体に対する回転角センサ18の信号
線を含めた系統の断線であると判定される。
【0045】故に、MPU出力信号に基づき随時計測さ
れる所要時間のうち断線判定では、信頼性の低い今回
(最新)の所要時間TMPU が無視され、MPU出力信号
の安定状態において計測された前回の所要時間TMPUold
及び前回以前の4つの平均所要時間TMPUold′/4の大
きさに基づいて判定される。したがって、平均周期も合
わせて判定されることで、上記第一実施例による効果に
加えて、ノイズによりTMPUoldに誤差を生じた場合にも
誤判定を防止することが可能である。
【0046】〈第三実施例〉図7は本発明の第三実施例
にかかる故障診断装置におけるMPU出力と波形整形出
力とを示すタイミングチャート、図8は本発明の第三実
施例にかかる故障診断装置で用いられる波形整形回路4
3のコンパレータ436の内部等価回路を示す回路図で
ある。なお、本実施例の故障診断装置が使用される内燃
機関制御装置の機械的及び電気的な構成は、図13及び
図14に示された従来装置と同様であり、また、図13
の波形整形回路43の内部構成も図15に示された従来
構成と同様であり、それらの詳細な説明を省略する。
【0047】本実施例は、図15に示す波形整形回路4
3の抵抗431及びコンデンサ433からなるCRフィ
ルタの時定数の影響により、コンパレータ436の反転
入力(−)側の波形がゆっくりと0に近づき、波形整形
回路43のコンパレータ436で設定されているMPU
出力波形に対する判定レベルMPUthを横切るのに時間
がかかることに起因する不具合に対処するものである。
【0048】図8において、I1,I2,I3 は電流源、T
r1〜Tr6はトランジスタ、Rは抵抗である。ここで、ト
ランジスタTr1とトランジスタTr2、トランジスタTr3
とトランジスタTr4、トランジスタTr5とトランジスタ
Tr6はそれぞれ特性が等しくなるように構成されてい
る。この回路では、ベースを非反転入力(+)側に接続
されたトランジスタTr4のエミッタとトランジスタTr1
のベースとの間にオフセット設定用の抵抗Rが挿入接続
されている。ここで、例えば、抵抗R=3kΩ、電流源
I1 =10μAとすると、相対的にトランジスタTr4の
ベース電位は抵抗Rを挿入しない場合に比べ、3kΩ×
10μA=30mVだけ下がることになる。したがっ
て、反転入力(−)側を0mVとした場合には、非反転
入力(+)側の判定レベル(閾値)は−30mVとな
り、負の判定レベルMPU-th (図7参照)を実現する
ことができる。
【0049】このため、図7に破線で示すように、MP
U出力波形に対する正の判定レベルMPUthに対応して
出力されていた従来の波形整形出力の立上がりエッジが
発生しなくなる。したがって、本実施例においては、C
PU30の処理ルーチンとして、従来の図17及び図1
8を用い、今回(最新)の所要時間TMPU の大きさに基
づいて正確なMPU断線判定処理が実行できる。なお、
図17及び図18の各処理ルーチンの説明は省略する。
【0050】このように、本実施例の故障診断装置は、
内燃機関1のクランク軸に連動して回転するディストリ
ビュータ17内の回転体の回転角度に同期した出力信号
をコンパレータ436を介して波形整形する波形整形回
路43と、波形整形回路43のコンパレータ436の非
反転入力(+)側の電位をその反転入力(−)側に対し
て低くなるようにオフセットし、正電源(+5V)のみ
で負の判定レベルMPU-th を設定する図8の等価回路
からなる判定レベル設定手段と、前記判定レベル設定手
段で設定された負の判定レベルMPU-th に基づき前記
出力信号の周期の所要時間を計測する回転角センサ18
及びECU20内の波形整形回路43、入出力ポート4
6、バスライン51、CPU30にて達成される時間計
測手段と、前記時間計測手段で計測される所要時間TMP
U を記憶するECU20内のRAM32にて達成される
時間記憶手段と、予め設定された所定時間(100m
s)内に前記時間計測手段で前記所要時間が計測できな
かったときには、その直前に計測された最新の所要時間
TMPU の大きさに基づいて前記回転体に対する回転角セ
ンサ18の信号線を含めた系統の断線を判定するECU
20内のCPU30にて達成される判定手段とを具備す
るものであり、これを請求項4の実施例とすることがで
きる。
【0051】したがって、時間計測手段で計測される回
転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、時間記憶
手段に記憶される。そして、判定手段では所定時間内に
所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信号が
途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されてい
る直前に計測された最新の所要時間TMPU の大きさが所
定回転数に対応する時間より短いときには回転体に対す
る回転角センサ18の信号線を含めた系統の断線である
と判定される。
【0052】故に、MPU出力信号に基づき随時計測さ
れる所要時間のうち今回(最新)の所要時間TMPU の信
頼性が高くなり、断線判定ではその所要時間TMPU の大
きさに基づいて判定される。これにより、断線検出にお
ける誤判定要因が除去されるため、断線判定が極めて正
確となる。
【0053】ところで、上記実施例の判定レベル設定手
段は、コンパレータにおける負の判定レベルを正電源の
みを用いて設定するものであればよく、本発明を実施す
る場合には、図8の等価回路に限定されることなく、コ
ンパレータの一方の入力側の閾値電位を他方の入力側に
対して低くなるようにオフセットできればよい。
【0054】〈第四実施例〉図9は本発明の第四実施例
にかかる故障診断装置におけるMPU出力と波形整形出
力とその波形整形出力に対する判定用時間TMPUth を示
すタイミングチャート、図10及び図11は本発明の第
四実施例にかかる故障診断装置における断線判定フロー
チャートである。ここで、図10は波形整形回路43か
らの波形整形出力の立上がりエッジによる割込み処理ル
ーチン、図11は16ms毎のタイマ割込み処理ルーチ
ンである。また、処理ルーチン中で使用されている判定
用カウンタは、図16に示された判定用カウンタと同
様、16ms毎にカウントアップされ、波形整形回路4
3からの波形整形出力の立上がりエッジによりクリアさ
れる。また、図12は機関回転数NEと判定用時間TMP
Uth との関係を示す対応図である。なお、本実施例の故
障診断装置が使用される内燃機関制御装置の機械的及び
電気的な構成は、図13及び図14に示された従来装置
と同様であり、また、図13の波形整形回路43の内部
構成も図15に示された従来構成と同様であり、それら
の詳細な説明を省略する。
【0055】図14のCPU30における本実施例の処
理について図10及び図11のフローチャートに基づい
て説明する。
【0056】図10において、まず、ステップS51
で、RAM32の所定領域に記憶された所要時間TMPU
が前回の波形整形出力の所要時間TMPUoldにシフトされ
RAM32の所定領域に記憶される。次にステップS5
2に移行して、割込み開始である今回のエッジ時刻から
RAM32の所定領域に記憶された前回のエッジ時刻が
減算され、今回の波形整形出力の所要時間TMPU として
RAMの所定領域に記憶される。次にステップS53に
移行して、今回のエッジ時刻が前回のエッジ時刻として
RAM32の所定領域に記憶される。次にステップS5
4に移行して、予め設定された判定用時間TMPUth と今
回の波形整形出力の所要時間TMPU とを加算して2で除
算した値〔(TMPUth +TMPU )/2〕にて判定用時間
TMPUth を更新し、本プログラムを終了する。なお、上
述のステップS54では、所謂1/2なましの手法を用
いて最新の所要時間TMPU で判定用時間TMPUth を更新
しているが必要に応じて〔(TMPUth *3+TMPU )/
4〕の1/4なまし等の手法を用いてもよい。また、判
定用時間TMPUth は、図12に示すように、車速センサ
26(図13参照)からの機関回転数NE信号に基づき
所定の回転数NEbを屈曲点として低回転側では一定、
高回転側では徐々に長くなるように変移される。
【0057】図11において、ステップS61で判定用
カウンタの値から100ms以上の時間、MPU出力に
基づく波形整形出力の立上がりエッジがないかが判定さ
れる。ステップS61の判定条件が成立しないときに
は、本プログラムを終了する。即ち、MPU出力に基づ
く波形整形出力の立上がりエッジが100ms以内にあ
るときには、MPU断線は生じていないとしてその判定
処理がバイパスされるのである。そして、ステップS6
1の判定条件が成立するときには、ステップS62に移
行し、図10のステップS51で記憶された前回の波形
整形出力の所要時間TMPUoldが図10のステップS53
で更新された判定用時間TMPUth ×α未満(TMPUold<
TMPUth ×α)であるかが判定される。ここで、αは安
全係数であり、1よりやや大きな値の例えば、1.2に
設定される。ステップS62の判定条件が成立しないと
きには、本プログラムを終了する。即ち、MPU出力に
基づく波形整形出力の立上がりエッジが100ms以上
なくて、前回の波形整形出力の所要時間TMPUoldが判定
用時間TMPUth ×α以上であるときにも、MPU断線は
生じていないとしてその判定処理がバイパスされるので
ある。
【0058】一方、ステップS62の判定条件が成立す
るときには、ステップS63に移行し、MPU出力に基
づく波形整形出力の立上がりエッジが100ms以上な
く、前回の波形整形出力の所要時間TMPUoldが十分小さ
いとして、MPUの断線であるとする判定処理が実行さ
れる。この処理では、回転角センサ18及びその信号線
を含めた系統が断線しているとしてバックアップRAM
33内にその内容が記憶されると共に、メータ内の警告
灯が点灯されたのち、本プログラムを終了する。
【0059】上述したように、MPUに断線が生じると
突然入力がなくなるが、最新の波形整形出力の所要時間
TMPU には、波形整形回路43のCRフィルタの時定数
によりゆっくりと0に近づくことにより断線時のMPU
出力に基づく波形整形出力が反映されない。
【0060】そこで、断線時の不正確な波形整形出力の
所要時間は必ず1発のみであるということを利用し、本
実施例では最新の波形整形出力の所要時間TMPU を無視
し、前回の波形整形出力の所要時間TMPUoldを比較判定
に用い、その所要時間TMPUoldと所要時間TMPU が計測
される度に更新される判定用時間TMPUth との大小関係
により入力の断線が判定される。
【0061】このように、本実施例の故障診断装置にお
けるECU20内のCPU30にて達成される判定手段
は、回転角センサ18及びECU20内の波形整形回路
43、入出力ポート46、バスライン51、CPU30
にて達成される時間計測手段で計測された所要時間TMP
U の大きさに対応して断線を判定するための判定用時間
TMPUth を変更するものであり、これを請求項2の実施
例とすることができる。
【0062】したがって、時間計測手段で計測される回
転体からの出力信号の周期の所要時間が随時、時間記憶
手段に記憶される。そして、判定手段では所定時間内に
所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信号が
途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されてい
る前回の所要時間TMPUoldの大きさが所要時間が計測さ
れる度に更新される判定用時間TMPUth より短いときに
は回転体に対する回転角センサ18の信号線を含めた系
統の断線であると判定される。
【0063】故に、MPU出力信号に基づき随時計測さ
れる所要時間のうち断線判定では、信頼性の低い今回
(最新)の所要時間TMPU が無視され、MPU出力信号
の安定状態において計測された前回の所要時間TMPUold
と所要時間が計測される度に更新される判定用時間TMP
Uth との大きさに基づいて判定される。これにより、内
燃機関が高回転から低回転に遷移するときの断線検出に
おける誤判定要因が除去されるため、断線判定が極めて
正確となる。
【0064】ところで、上記各実施例の時間計測手段
は、回転体の回転角度に同期した出力信号の1周期の所
要時間を計測するものであるが、本発明を実施する場合
には、特定の周期を基準にすればよいから1周期に限定
されることなく、その長短に拘束されることなく、周期
が特定され、既知であればよい。
【0065】また、上記各実施例の時間記憶手段は、時
間計測手段で計測される所要時間のうち今回、前回また
は前回以前の複数の所要時間を記憶するものであるが、
結果的に、計測された周期を記憶できればよい。
【0066】更に、上記各実施例の判定手段は、回転体
として内燃機関のクランク軸の回転に同期して回転する
ディストリビュータ内の回転軸に対する回転角センサの
信号線を含めた系統の断線を判定するとしているが、本
発明を実施する場合には、これに限定されるものではな
く、通常の回転停止ではイナーシャ等により回転数がゆ
っくりと下がるような回転体であれば全て適用すること
ができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の故障診
断装置によれば、時間計測手段で計測される回転体から
の出力信号の周期の所要時間が随時時間記憶手段に記憶
され、判定手段で所定時間内に所要時間が計測できなく
なると回転体からの出力信号が途絶えたとし、このとき
に時間記憶手段に記憶されている前回の所要時間の大き
さが所定回転数に対応する時間より短いときには回転体
に対する信号線を含めた系統の断線であると判定され
る。即ち、この断線判定では、信頼性の低い今回の所要
時間が無視され、出力信号の安定状態において計測され
た前回の所要時間の大きさに基づいて判定される。これ
により、断線検出における誤判定要因が除去されるた
め、断線判定を極めて正確に行うことができる。
【0068】請求項2の故障診断装置によれば、請求項
1の効果に加えて、判定手段で所定時間内に所要時間が
計測できなくなると回転体からの出力信号が途絶えたと
し、このときに時間記憶手段に記憶されている前回の所
要時間の大きさが所要時間が計測される度に更新される
判定用時間より短いときには回転体に対する信号線を含
めた系統の断線であると判定される。即ち、この断線判
定では、信頼性の低い今回の所要時間が無視され、出力
信号の安定状態において計測された前回の所要時間と所
要時間が計測される度に更新される判定用時間との大き
さに基づいて判定される。これにより、内燃機関が高回
転から低回転に遷移するときの断線検出における誤判定
要因が除去されるため、断線判定を極めて正確に行うこ
とができる。
【0069】請求項3の故障診断装置によれば、時間計
測手段で計測される回転体からの出力信号の周期の所要
時間が随時時間記憶手段に記憶され、判定手段で所定時
間内に所要時間が計測できなくなると回転体からの出力
信号が途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶さ
れている前回の所要時間の大きさが所定回転数に対応す
る時間より短く、更に、前回以前の複数の平均所要時間
が所定回転数に対応する時間より短いときには回転体に
対する信号線を含めた系統の断線であると判定される。
即ち、この断線判定では、信頼性の低い今回の所要時間
が無視され、出力信号の安定状態において計測された前
回の所要時間及び前回以前の複数の平均所要時間の大き
さに基づいて判定される。これにより、請求項1による
効果に加えて、更に、ノイズにより前回の所要時間に誤
差を生じた場合にも誤判定を防止することができる。
【0070】請求項4の故障診断装置によれば、波形整
形回路のコンパレータの一方の入力側の閾値電位が他方
の入力側に対して低くなるようにオフセットされ、正電
源のみで設定された負の判定レベルに基づき時間計測手
段で計測される回転体からの出力信号の周期の所要時間
が随時時間記憶手段に記憶され、判定手段で所定時間内
に所要時間が計測できなくなると回転体からの出力信号
が途絶えたとし、このときに時間記憶手段に記憶されて
いる直前に計測された最新の所要時間の大きさが所定回
転数に対応する時間より短いときには回転体に対する信
号線を含めた系統の断線であると判定される。即ち、波
形整形回路のコンパレータに設定された負の判定レベル
に基づき随時計測される出力信号の所要時間は、最新の
所要時間の信頼性が高くなり、断線判定ではその所要時
間の大きさに基づいて判定される。これにより、断線検
出における誤判定要因が除去されるため、断線判定を極
めて正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例にかかる故障診断装
置におけるMPU出力と波形整形出力とを示すタイミン
グチャートである。
【図2】図2は本発明の第一実施例にかかる故障診断装
置における断線判定フローチャートである。
【図3】図3は本発明の第一実施例にかかる故障診断装
置における断線判定フローチャートである。
【図4】図4は本発明の第二実施例にかかる故障診断装
置におけるMPU出力と波形整形出力とを示すタイミン
グチャートである。
【図5】図5は本発明の第二実施例にかかる故障診断装
置における断線判定フローチャートである。
【図6】図6は本発明の第二実施例にかかる故障診断装
置における断線判定フローチャートである。
【図7】図7は本発明の第三実施例にかかる故障診断装
置におけるMPU出力と波形整形出力とを示すタイミン
グチャートである。
【図8】図8は本発明の第三実施例にかかる故障診断装
置における波形整形回路のコンパレータの等価回路を示
す回路図である。
【図9】図9は本発明の第四実施例にかかる故障診断装
置におけるMPU出力と波形整形出力と判定用時間とを
示すタイミングチャートである。
【図10】図10は本発明の第四実施例にかかる故障診
断装置における断線判定フローチャートである。
【図11】図11は本発明の第四実施例にかかる故障診
断装置における断線判定フローチャートである。
【図12】図12は本発明の第四実施例にかかる故障診
断装置における機関回転数と判定用時間との関係を示す
対応図である。
【図13】図13は従来及び本発明の第一実施例乃至第
四実施例にかかる故障診断装置が使用される内燃機関制
御装置の機械的構成を示す概略図である。
【図14】図14は図13のECUの内部構成を示すブ
ロック図である。
【図15】図15は図14の波形整形回路の内部構成を
示す回路図である。
【図16】図16は従来の故障診断装置におけるMPU
出力と波形整形出力と判定用カウンタを示すタイミング
チャートである。
【図17】図17は従来の故障診断装置における断線判
定フローチャートである。
【図18】図18は従来の故障診断装置における断線判
定フローチャートである。
【符号の説明】
1 内燃機関 17 ディストリビュータ 18 回転角センサ 20 ECU(電子制御装置) 30 CPU 43 波形整形回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G08C 25/00 G08C 25/00 G H02P 5/00 H02P 5/00 T (56)参考文献 特開 昭63−58167(JP,A) 特開 昭63−42473(JP,A) 実開 昭62−67262(JP,U) 実開 昭64−37668(JP,U) 特公 平4−43829(JP,B2) 特公 平6−14087(JP,B2) 実公 平7−49866(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08C 19/00 F02D 41/00 F02D 45/00 G01B 7/30 G01B 21/00 G08C 25/00 H02P 5/00 G01P 3/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の回転角度に同期した出力信号の
    周期の所要時間を計測する時間計測手段と、 前記時間計測手段で計測される所要時間を記憶する時間
    記憶手段と、 予め設定された所定時間内に前記時間計測手段で前記所
    要時間が計測できなかったときには、前記時間記憶手段
    に記憶された前回の所要時間の大きさに基づいて前記回
    転体に対する信号線を含めた系統の断線を判定する判定
    手段とを具備することを特徴とする故障診断装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記時間計測手段で計
    測された所要時間の大きさに対応して断線を判定するた
    めの判定用時間を変更することを特徴とする請求項1に
    記載の故障診断装置。
  3. 【請求項3】 回転体の回転角度に同期した出力信号の
    周期の所要時間を計測する時間計測手段と、 前記時間計測手段で計測される所要時間を記憶する時間
    記憶手段と、 予め設定された所定時間内に前記時間計測手段で前記所
    要時間が計測できなかったときには、前記時間記憶手段
    に記憶された前回の所要時間の大きさと前回以前の複数
    の所要時間を平均した平均所要時間の大きさとに基づい
    て前記回転体に対する信号線を含めた系統の断線を判定
    する判定手段とを具備することを特徴とする故障診断装
    置。
  4. 【請求項4】 回転体の回転角度に同期した出力信号を
    コンパレータを介して波形整形する波形整形回路と、 前記波形整形回路の前記コンパレータの一方の入力側の
    閾値電位を他方の入力側に対して低くなるようにオフセ
    ットし、正電源のみで負の判定レベルを設定する判定レ
    ベル設定手段と、 前記判定レベル設定手段で設定された負の判定レベルに
    基づき前記出力信号の周期の所要時間を計測する時間計
    測手段と、 前記時間計測手段で計測される所要時間を記憶する時間
    記憶手段と、 予め設定された所定時間内に前記時間計測手段で前記所
    要時間が計測できなかったときには、前記時間記憶手段
    に記憶された最新の前記所要時間の大きさに基づいて前
    記回転体に対する信号線を含めた系統の断線を判定する
    判定手段とを具備することを特徴とする故障診断装置。
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