JP3381314B2 - 累進焦点レンズ - Google Patents

累進焦点レンズ

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JP3381314B2
JP3381314B2 JP18441193A JP18441193A JP3381314B2 JP 3381314 B2 JP3381314 B2 JP 3381314B2 JP 18441193 A JP18441193 A JP 18441193A JP 18441193 A JP18441193 A JP 18441193A JP 3381314 B2 JP3381314 B2 JP 3381314B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼の調節力の補助とし
て使用する累進焦点レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】眼の調節力が衰退して近方視が困難にな
った場合の調節力の補助用眼鏡レンズとして、装用時に
おいて上方に位置する遠用視矯正領域(以下、「遠用
部」という)と、下方の近用視矯正領域(以下、「近用
部」という)と、双方の領域の間において連続的に屈折
力が変化する累進領域(以下、「中間部」という)とを
備えた累進焦点レンズが種々知られている。なお、本発
明において「上方」、「下方」、「水平」および「鉛
直」等は、装用時のレンズにおける位置関係を示すもの
であって、たとえば遠用部の下方とは遠用部の領域内に
あって中間部に近い領域を示す。また、近用度数と遠用
度数の差を加入度と呼ぶ。
【0003】累進焦点レンズにおいて、遠用部および近
用部の明視域を広く確保してその間を累進領域(累進
帯)で結ぶと、累進帯の側方領域にレンズ収差が集中す
るようになる。この結果、特に累進帯の側方領域におい
て結像不良(像のボケ)および像の歪みが発生し、この
ような領域で視線を振ったり移動したりすると装用者に
は像の歪みが像のゆれとして知覚され、装用感の悪い不
快な感じを抱くことになる。
【0004】このような視覚特性の課題を解決するため
に、公知の累進焦点レンズにおいては様々な観点に基づ
く設計および評価がなされている。図1は、対称に設計
された累進焦点レンズの領域区分の概要を示す図であ
る。図示の累進焦点レンズは、装用時において上方に位
置する遠用部Fと、下方の近用部Nと、双方の領域の間
において連続的に屈折力が変化する中間部Pとを備えて
いる。レンズ面の形状に関しては、レンズ面のほぼ中央
を上方から下方にかけて鉛直に走る子午線に沿った断面
と物体側レンズ面との交線MM′がレンズの加入度など
の仕様を表すための基準線として用いられ、レンズの設
計においても重要な基準線として用いられている。この
ように対称設計された累進焦点レンズでは、遠用部Fの
遠用中心OF、遠用アイポイントE、レンズ面の幾何中
心OGおよび近用中心(すなわち近用アイポイント)O
Nは、基準となる中心線MM′上にある。
【0005】また、図2に示すように、レンズの装用状
態において近用部Nが鼻側に寄ることを考慮して、近用
部Nおよび中間部Pを非対称に配置した累進焦点レンズ
(以下、「非対称型累進焦点レンズ」という)が提案さ
れている。このような非対称型累進焦点レンズにおいて
も、遠用部Fの遠用中心OF、遠用アイポイントE、レ
ンズ面の幾何中心OGおよび近用中心ONを通る断面と
物体側レンズ面との交線からなる中心線MM′が基準線
として用いられる。本発明においては、これらの基準線
を総称して「主子午線曲線」という。このように、対称
設計された累進焦点レンズ(以下、「左右対称型累進焦
点レンズ」または単に「対称型累進焦点レンズ」とい
う)では、主子午線曲線MM′がレンズ屈折面を鼻側領
域と耳側領域とに対称的に分割するが、非対称型累進焦
点レンズでは、中間部Pおよび近用部Nにおいて主子午
線曲線MM′が鼻側に変位している。
【0006】従来の累進焦点レンズとしては、左右対称
型累進焦点レンズであって非点隔差の分布が図3に示す
ように主子午線曲線MM′に関して左右対称のものが知
られている。なお、図3に示す等非点隔差曲線は0.5
0ディオプターの非点隔差を有する点を結んだ曲線であ
り、この等非点隔差曲線より主子午線曲線側の領域は明
視域である。通常の視生活において、このような対称型
累進焦点レンズを装用して両眼視する場合、遠方視から
近方視への視線の移動に伴う眼の輻輳を考慮して、図4
に示すようにレンズを約8°乃至10°だけ回転させて
装用している。換言すれば、破線で示すようにレンズを
枠入れした装用状態では、上述した主子午線曲線MM′
が装用状態における鉛直方向に対して右目では図中反時
計周りに左目では図中時計周りに約8°乃至10°だけ
傾いている。
【0007】この結果、両眼視時における左右眼がそれ
ぞれ異なる非点隔差の領域を通して対象物を見ることに
なってしまう。このため、たとえば無限遠方右側側方を
両眼視した場合を想定すると、右目に対して左目の方が
非点隔差の大きい領域を通して見ることになるので、装
用者に不快感を与えることになる。この点について図4
を参照してさらに具体的に説明すると、無限遠方右側側
方を両眼視した場合の視線通過位置は右目では点A、左
目では点Bとなる。点Aおよび点Bは、図中破線で示す
水平線C上にある。上述したように、主子午線曲線M
M′が右目では図中反時計周りに左目では図中時計周り
に傾いているので、右目の視線通過位置Aが図中の明視
域内にあるのに対し、左目の視線通過位置Bは明視域外
に位置する。このように、対称型累進焦点レンズでは、
右目に対して左目の方が非点隔差の大きい領域を通して
対象物を見ることになるので、この領域における非点隔
差をできるだけ小さくすることが望ましい。
【0008】そこで、装用状態での不快感を改善するた
めに、中間部および近用部において主子午線曲線を鼻側
に変位させて、装用状態における水平方向の収差分布の
対称性を確保して視覚性能の向上を図った種々の非対称
型累進焦点レンズが知られている。このような非対称型
累進焦点レンズとして、たとえば特公昭47−9626
号公報、特公平2−39767号公報、特公昭64−5
682号公報に開示された累進焦点レンズがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の非対称
型累進焦点レンズでは、一応の視覚性能の向上を図るこ
とが可能であるが、最適な視覚性能を得るには未だ不十
分なものであった。すなわち、特公昭47−9626号
公報に開示の非対称型累進焦点レンズでは、装用状態で
の非点隔差分布が水平方向に対称となっているが、遠用
部領域および近用部領域においてレンズ屈折面を球面と
しており、遠用部領域と近用部領域とを滑らかに接続す
る中間部領域における明視域の幅が広くとれないという
不都合があった。
【0010】また、特公昭64−5682号公報に開示
の非対称型累進焦点レンズでは、装用状態両眼視時の視
線移動を考慮し、主子午線曲線が鼻側に変位している領
域において水平方向に左右それぞれ15mm以内の非点
隔差の分布を左右非対称にしたものである。このような
構成によって、両眼視時の視線移動に対して非点隔差の
絶対値が左右眼でほぼ等しくなるようにすることが可能
になるが、非点隔差の密度が耳側では疎になり、鼻側で
は密になってしまう。その結果、非点隔差密度が最も密
に分布する中間部領域の明視域のすぐ側方領域では、却
ってゆれ、歪みに起因する不快感が増加するという不都
合があった。
【0011】さらに、特公平2−39767号公報に開
示の累進焦点レンズでは、レンズ屈折面の全面において
主子午線曲線を基準として水平方向および鉛直方向に同
じ距離だけ離れた点における非点隔差の値を近似的に等
しく構成し、両眼視時の視覚性能の向上を図っている。
しかしながら、遠用部領域および近用部領域の明視域の
幅を広くしているため、中間部領域での明視域の幅が狭
くなり、また最大非点隔差の値が大きくなるという不都
合があった。
【0012】上述のように、従来の非対称型累進焦点レ
ンズでは、ある程度の視覚性能を確保することができる
ものの、その視覚性能は実用上未だ不十分なものであっ
た。本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであ
り、上述のような従来の非点隔差分布に関する不都合を
解消して、明視域が広く安定した中間部領域および近用
部領域を有し、最大非点隔差の値が低減され、遠用部領
域の明視域も十分に広く且つ側方視においても違和感お
よび不快感を感ずることのないような非対称型累進焦点
レンズを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、レンズ屈折面を鼻側領域と耳側
領域とに分割する主子午線曲線に沿って遠景に対応する
屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有す
る近用部と、前記遠用部と前記近用部との間において両
部の屈折力を連続的に接続する中間部とを備えた累進焦
点レンズであって、前記主子午線曲線は、前記中間部お
よび近用部において装用状態の鉛直方向に対して鼻側に
変位しており、前記中間部において、水平方向の非点隔
差分布が前記主子午線曲線に関して左右対称であり、前
記主子午線曲線から水平方向に等距離にある鼻側領域の
点での非点隔差と耳側領域の点での非点隔差との差が
0.13ディオプター以内であり、前記近用部において
前記主子午線曲線に関して左右非対称であることを特徴
とする累進焦点レンズを提供する。
【0014】また、本発明の好ましい態様において、前
記装用状態の水平方向に対する非点隔差分布が、前記遠
用部Fにおいて前記主子午線曲線に関して左右非対称で
ある。さらに具体的には、前記近用部Nおよび遠用部F
の少なくともいずれか一方における非点隔差の分布は、
前記鼻側領域よりも耳側領域の方が疎であり、前記近用
部Nおよび遠用部Fの少なくともいずれか一方における
明視域は、鼻側領域よりも耳側領域の方が広いのが好ま
しい。
【0015】
【作用】本発明は、レンズ屈折面を鼻側領域と耳側領域
とに分割する主子午線曲線MM′に沿って遠景に対応す
る屈折力を有する遠用部Fと、近景に対応する屈折力を
有する近用部Nと、前記遠用部Fと前記近用部Nとの間
において両部の屈折力を連続的に接続する中間部Pとを
備えた図2に示すような非対称型累進焦点レンズにおい
て、屈折表面の非点隔差について最適分布を見い出し、
屈折面全域に亘って収差バランスの最適化を図るもので
ある。具体的には、本発明において最適な非点隔差分布
は、中間部Pにおいて主子午線曲線に関して左右対称で
あり、近用部Nにおいて左右非対称である。また、好ま
しくは、遠用部Fにおいて主子午線曲線に関して水平非
対称である。さらに、近用部Nおよび遠用部Fにおける
非点隔差分布は、鼻側領域よりも耳側領域の方が疎であ
る構成が好ましい。
【0016】一般に非対称型累進焦点レンズでは、中間
部Pおよび近用部Nにおいて主子午線曲線に関して左右
非対称であり、図2より明らかなように鼻側領域と耳側
領域では面積が異なる。収差補正の観点からすると、面
積の狭い鼻側領域は収差補正上不利であり、面積の広い
耳側領域は有利である。このような非対称型累進焦点レ
ンズにおいて、非点隔差分布を主子午線曲線に関して水
平方向に左右対称に構成すると、領域的に狭い鼻側の密
な非点隔差分布に耳側の非点隔差分布を一致させること
になる。以下、非対称型累進焦点レンズの非点隔差分布
の水平対称性(主子午線曲線に関して水平方向に左右対
称なこと)について考察する。
【0017】まず、近用部N領域において非点隔差を水
平対称に構成すると、すなわち主子午線曲線に対して鼻
側領域および耳側領域の双方における非点隔差分布をほ
ぼ同じにすると、設計的には耳側領域に必要以上の非点
隔差を与えることになり、明視域の横幅も必要以上に制
限されることになる。図5に示すように、そもそも人間
の視野は鼻側より耳側の方が広いので、耳側の明視域を
広く設計することにより左右眼の近方視野を重ね合わせ
て両眼視したときの両眼視野をより広いものにすること
ができる。
【0018】このように、近方視野の横幅を広くし良好
な視覚性能を得るためには、耳側の近用明視域を広くす
ることが有効である。上述したように、非対称型累進焦
点レンズでは近用部Nにおいて、耳側領域の方が鼻側領
域に比べて面積が大きいので、耳側の明視域を広くし且
つ非点隔差の分布も疎にすることが容易であり、その結
果、視覚性能が向上する。
【0019】次いで、中間部領域Pは焦点距離(または
屈折力)を累進的に変化させる部分であるため、中間部
Pの明視域の側方に非点隔差分布が最も密になる領域が
ある。すなわち、中間部Pの明視域の横幅には制約があ
る。累進焦点レンズの累進帯(すなわち中間部P)側方
領域にレンズ収差が集中するのは、累進焦点レンズの避
けられない特性である。したがって、累進焦点レンズの
視覚性能をいかに向上させるかという課題は、この領域
に集中し易いレンズ収差の分布をいかに構成するかとい
うことに帰着する。中間部領域Pを通して両眼視する時
には、左右眼が明視域の水平中心すなわち主子午線曲線
に沿った領域を利用することが望ましい。両眼視時にお
ける中間部領域Pでの明視域の横幅をできるだけ広くし
良好な視覚性能を得るためには、中間部Pの両側方領域
における非点隔差分布の密度を主子午線曲線に関して左
右等しく且つ疎にするとともに、最大非点隔差の値を可
能な限り小さくして、非点隔差分布をほぼ水平対称にす
ることが有効である。
【0020】上述の中間部領域Pにおける非点隔差分布
の水平対称性を保つために、遠用部領域Fでは必然的に
水平方向に非点隔差分布の非対称性が生じる。しかしな
がら、遠用部領域Fの非点隔差分布を水平対称にして効
果があるのは無限遠方を両眼視した時だけである。通常
の視生活における両眼視時には、無限遠方ではなく様々
な有限距離を見ることがほとんどである。したがって、
遠用アイポイントE付近の領域では、近用部領域Nと同
様、耳側の明視域を鼻側より広くすることにより両眼視
時の視野を広くする効果がある。このように、装用状態
における両眼視時の視覚性能を最適化するには、近用部
領域Nにおいて非点隔差分布を主子午線曲線に関して水
平対称にし、中間部領域Pにおいては水平対称にし、遠
用部領域Fにおいては水平非対称にすることが重要であ
ることがわかった。
【0021】以上説明したように、本発明の非対称型累
進焦点レンズでは、近用部Nにおいて屈折表面の非点隔
差分布を耳側で疎な左右非対称としたまま、近用アイポ
イント(すなわち近用中心ON)付近の特に耳側の明視
域の幅を広く確保することができ、図5に示すように両
眼視時の近方視野を広くすることができるとともに、側
方領域での非点隔差の集中が緩和される。さらに、最大
非点隔差の値も低減することができ、近用アイポイント
付近の明視域を広くしたまま非点隔差の勾配を緩やかに
することも可能となる。次いで、中間部Pにおいては、
屈折表面の非点隔差分布を左右対称にすることにより、
水平方向の非点隔差の勾配を緩やかにするとともに、明
視域の横幅を広くすることが可能になる。
【0022】最後に、遠用部Fにおいては、屈折表面の
非点隔差分布を耳側の明視域の方が広いような左右非対
称にすることにより、遠用アイポイントE周辺での明視
域を十分広く確保しつつ、中間部Pとの接続を滑らかに
行う屈折面形状を実現することができる。このように、
視覚性能としては、両眼視時において広い明視域を得ら
れるにもかかわらず、側方領域での像のゆれ、ゆがみ等
を緩和して違和感および不快感を最小限に抑えることが
できる。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面に基づいて説明
する。上述のような屈折面形状を有する本発明の実施例
にかかる累進焦点レンズについて、性能評価を行った。
結果を図6の等非点隔差曲線図に示す。図6において、
等非点隔差曲線は0.5ディオプターごとに示されてい
る。また、本実施例の非対称型累進焦点レンズでは、遠
用部Fのベースカーブが3.50ディオプターであり、
加入度が2.5ディオプターである。
【0024】図6から明らかなように、遠用部領域Fお
よび近用部領域Nにおいて、耳側(図中右側)の明視域
(非点隔差が0.5ディオプター以下の範囲)が広くな
っていることがわかる。また、特に近用部領域Nにおい
ては非点隔差の勾配が耳側の方が緩やかになっているた
め、非点隔差の密度は耳側の方が疎に分布している。さ
らに、加入度が2.5ディオプターの場合、従来の累進
焦点レンズでは最大非点隔差の値が2.50ディオプタ
ー以上であるのに対し、本実施例の非対称型累進焦点レ
ンズでは最大非点隔差の値が2.00ディオプターと低
減されているのがわかる。
【0025】さらに図6より、中間部領域Pにおいて明
視域の横幅が広いことがわかる。一方、装用状態におけ
る中間部領域Pの水平方向での非点隔差の分布は、図6
の等非点隔差曲線図ではわかりにくいので、主子午線曲
線から装用状態水平方向に耳側および鼻側にそれぞれ等
距離だけ間隔を隔てた点における非点隔差の絶対値を中
間部領域Pのほぼ中心水平位置(幾何中心OGから下方
(近用部Nに向かって)に6mmおよび8mmの水平位
置)で評価した。結果を次の表1に示す。表1におい
て、Hは主子午線曲線からの水平方向の距離(mm)を
表し、Lは非点隔差の絶対値(ディオプター)を示して
いる。
【0026】
【表1】 (幾何中心から下方6mmの水平位置) 鼻側 耳側 H -30 -24 -18 -12 -6 +6 +12 +18 +24 +30 L 2.00 1.85 1.91 2.08 1.64 1.62 2.03 1.92 1.87 1.87 (幾何中心から下方8mmの水平位置) 鼻側 耳側 H -30 -24 -18 -12 -6 +6 +12 +18 +24 +30 L 1.99 1.85 1.97 2.11 1.62 1.66 2.08 1.91 1.86 1.88
【0027】表1より、非点隔差の絶対値の差(水平方
向に等距離にある点における非点隔差の絶対値の差)
は、最大で0.13ディオプターとなっている。この値
は十分小さい値であり、装用状態水平方向の非点隔差分
布は主子午線曲線に関してほぼ左右対称であることがわ
かる。また、上述したように、従来の累進焦点レンズに
おいて加入度が2.5ディオプターであれば最大非点隔
差の値もほぼ2.5ディオプターであったのに対し、本
実施例の非対称型累進焦点レンズでは加入度が同じく
2.5ディオプターでありながら最大非点隔差の値がほ
ぼ2.00ディオプターに抑えられていることもわか
る。
【0028】なお、本実施例では、主子午線曲線MM′
が図2に示すように直線的であるような非対称型累進焦
点レンズの等非点隔差曲線図を例にとって本発明を説明
したが、図7に示すように鼻側に向かってS字形に湾曲
した主子午線曲線MM′を有する非対称型累進焦点レン
ズにも本発明を適用することができることは明らかであ
る。
【0029】
【効果】以上説明したごとく、本発明によれば、実用上
十分に広い明視域を遠用部に確保したまま、広く安定し
た明視域を中間部および近用部に確保し、側方領域での
像のゆれ、ゆがみ等を緩和して違和感および不快感を感
じることのない、収差的にバランスのとれた非対称型累
進焦点レンズを実現することができる。したがって、こ
の種の累進焦点レンズを初めて装用する人にも違和感お
よび不快感のない、常用累進焦点レンズを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の左右対称型累進焦点レンズの領域区分を
示す図である。
【図2】本発明の非対称型累進焦点レンズの領域区分を
示す図である。
【図3】従来の左右対称型累進焦点レンズの主子午線曲
線に対する典型的な等非点隔差分布を模式的に示す図で
ある。
【図4】従来の左右対称型累進焦点レンズの装用状態を
説明する図である。
【図5】本発明の累進焦点レンズの近用部で両眼視した
場合の明視域の概念図である。
【図6】本発明の実施例にかかる累進焦点レンズについ
ての等非点隔差曲線図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかる非対称型累進焦点
レンズの領域区分を示す図である。
【符号の説明】
F 遠用部 N 近用部 P 中間部 OF 遠用中心 ON 近用中心(近用アイポイント) OG 幾何中心 E 遠用アイポイント MM′主子午線曲線 H 主子午線曲線からの水平方向距離 L 非点隔差の絶対値の値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 7/04 G02C 7/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ屈折面を鼻側領域と耳側領域とに
    分割する主子午線曲線に沿って遠景に対応する屈折力を
    有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部
    と、前記遠用部と前記近用部との間において両部の屈折
    力を連続的に接続する中間部とを備えた累進焦点レンズ
    であって、 前記主子午線曲線は、前記中間部および近用部において
    装用状態の鉛直方向に対して鼻側に変位しており、前記中間部において、水平方向の非点隔差分布が前記主
    子午線曲線に関して左右対称であり、前記主子午線曲線
    から水平方向に等距離にある鼻側領域の点での非点隔差
    と耳側領域の点での非点隔差との差が0.13ディオプ
    ター以内であり、 前記近用部において前記主子午線曲線に関して左右非対
    称であることを特徴とする累進焦点レンズ。
  2. 【請求項2】 前記近用部における非点隔差の分布は、
    前記鼻側領域よりも耳側領域の方が疎であることを特徴
    とする請求項1に記載の累進焦点レンズ。
  3. 【請求項3】 前記近用部における明視域は、前記鼻側
    領域よりも耳側領域の方が広いことを特徴とする請求項
    1または2に記載の累進焦点レンズ。
  4. 【請求項4】 前記装用状態の水平方向に対する非点隔
    差分布が、前記遠用部において前記主子午線曲線に関し
    て左右非対称であることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載の累進焦点レンズ。
JP18441193A 1993-06-29 1993-06-29 累進焦点レンズ Expired - Lifetime JP3381314B2 (ja)

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