JP3381170B2 - 無電解メッキ方法及び無電解メッキ装置 - Google Patents

無電解メッキ方法及び無電解メッキ装置

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JP3381170B2
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秀雄 池田
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敬一郎 安田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解メッキ方法及
び無電解メッキ装置に関するものであり、例えば、多層
回路基板等の配線層或いはその下地となるメッキシード
層を無電解メッキ法によって成膜する際に、無電解メッ
キ浴を安定に保つための無電解メッキ浴中の溶存酸素量
を制御するための手段に特徴のある無電解メッキ方法及
び無電解メッキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、パーソナルコンピュータ等の
電子機器を構成する際に、半導体集積回路装置等の電子
部品を搭載するためにプリント基板やTCP(Tape
Carrier Package)等の高密度薄膜多
層回路基板が用いられている。
【0003】この様なプリント基板或いはTCP等にお
いては絶縁性のベース層の回路面に配線層を形成するた
めの導電性皮膜をメッキ処理によって形成しており、例
えば、ベース層の表面の全面に触媒を形成し、無電解メ
ッキ法によってメッキシード層を形成した後、電解メッ
キ法によって導電性皮膜を形成し、次いで、通常のフォ
トリソグラフィー工程を用いて導電性皮膜を所定回路パ
ターンにエッチングして配線層を形成している。
【0004】この様な工程に用いる無電解メッキにおい
て、一般にCu2+等の価電子数が2以上の金属を用いる
場合、メッキ浴中において安定な金属錯体を形成するた
めに、メッキ浴中に酸素を供給する必要があることが知
られている。
【0005】この事情を無電解銅メッキを例に説明する
と、無電解メッキ浴中において酸化第1銅(Cu2 O)
が形成され、形成されたCu2 Oの不均化反応によっ
て,メッキ浴中に金属銅粉末が析出し、メッキ浴の安定
性が著しく低下するという問題がある。
【0006】即ち、メッキ浴中において、 2Cu2++HCHO+5OH- →Cu2 O+HCOO
- +3H2 O の反応でCu2 Oが形成され、 Cu2 O+H2 O→Cu+Cu2++2OH- の不均化反応によって、Cu、即ち、金属銅粉末が析出
することになる。
【0007】しかし、メッキ浴中の酸素濃度が十分高い
場合には、 Cu2 O+1/2O2 +2H2 O→2Cu2++4OH
- の反応が起こり、上記のの不均化反応が抑制され、
の反応によって形成されたCu2+、即ち、Cu2価イオ
ンはメッキ浴中に含まれている錯化剤と反応しキレート
錯体を形成するため、メッキ浴中において金属銅粉末の
析出を起こすことなく安定に存在する。
【0008】このの反応によってメッキ浴中の溶存酸
素量は減少するため、メッキ浴を安定に保つためには、
外部より酸素を供給する必要がある。因に、メッキ浴温
度=60℃、PH=12.5、メッキ負荷量=0.5d
2/リットルの条件で、空気攪拌なしで無電解メッキ
処理を行った場合、メッキ開始時における2.88pp
mの溶存酸素が、20分間で1.4ppmに低下した。
【0009】そこで、従来においては、各種の方法で無
電解メッキ浴中に空気を導入して酸素を供給することが
提案されており、特に、溶存酸素濃度をより高めるため
に、微小気泡径の空気を導入することが提案されている
(必要ならば、特開平6−97632号公報及び特開平
9−59780号公報参照)。
【0010】図4参照 図4は、従来の無電解メッキ装置の一例の概略的構成図
であり(特開平6−97632号公報参照)、メッキ浴
62を収容する主メッキ槽61、主メッキ槽61に付随
するオーバーフロー部63、オーバーフロー部63から
オーバーフローしたメッキ浴62を循環供給する外部循
環用流路64、及び、メッキ浴62に空気をバブリング
供給するエア攪拌用配管65によって構成される。
【0011】このエア攪拌用配管65の先端部には複数
の孔66が設けられており、この孔66を介して多数の
気泡がメッキ浴62中に供給される。一方、外部循環用
流路64には、循環ポンプ67、フィルタ68、及び、
ミキサー69が設けられており、ミキサー69に接続す
るエアポンプ70から循環するメッキ液に空気が導入・
混合され、空気の混合されたメッキ液が主メッキ槽61
に再び供給される。
【0012】この様に、メッキ浴中に空気、即ち、酸素
を送り込むことによって、メッキ浴中の溶存酸素量を増
大させ、安定した無電解メッキ処理を行うことができ、
特に、低温薄付けの無電解メッキ処理においては、メッ
キ浴中の溶存酸素濃度を十分なレベルで制御することが
できる。
【0013】なお、この様な溶存酸素量の増大の必要性
は無電解銅メッキ処理に限られるものではなく、錯体形
成によりメッキ浴を安定化する必要のある、他の金属の
無電解メッキ処理、例えば、Ni、Co、Zn、Sn、
Pb、Fe、Ag、Au等の無電解メッキ処理において
も事情は同じである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の溶存酸
素濃度の制御方法では、3〜10μm/時の成膜速度で
5〜30μmの膜厚のメッキ層を成膜する高速厚付けの
無電解メッキ処理においては、メッキ浴中の溶存酸素濃
度を十分に高く制御することが困難であるという問題が
ある。
【0015】即ち、メッキ析出速度を高めて高速メッキ
を行うためには、メッキ浴の温度を高くする必要がある
が、そうすると必然的にメッキ浴の飽和酸素濃度が低く
なり、特に、メッキ浴の温度が50℃を越えるとメッキ
浴の安定性が悪くなる。
【0016】また、上述の溶存酸素濃度の制御方法にお
いては、酸素分圧が約20%の大気を導入しているの
で、メッキ浴中の溶存酸素濃度の増加には限界があると
いう問題もある。
【0017】したがって、本発明は、高速厚付けの無電
解メッキ処理においてもメッキ浴を安定に保つことが可
能になるように、メッキ浴中の溶存酸素濃度を制御する
ことを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、無電解メッキ方法において、少なくと
もメッキ槽1を含む系内の雰囲気中の酸素分圧を大気の
酸素分圧より高くし、前記雰囲気中の酸素分圧との平衡
状態を利用してメッキ液2中の溶存酸素濃度を制御する
ことを特徴とする。
【0019】一般に、溶液中の飽和溶存酸素濃度C
O2は、溶液を覆う雰囲気中の酸素分圧P O2との間に、k
を比例定数とすると、 CO2=k×PO2(Henryの法則) の関係があるので、メッキ槽1を含む系内の雰囲気中の
酸素分圧を、大気の酸素分圧より高くすることによって
メッキ液2中の溶存酸素濃度を従来よりも高めることが
でき、それによって、Cu2 Oの不均化反応等の不所望
な反応を抑制することができるので、メッキ浴を安定に
保つことができる。
【0020】
【0021】
【0022】()また、本発明は、上記()におい
て、メッキ液2中の溶存酸素濃度を計測し、計測結果に
基づいて溶存酸素濃度が予め設定した値に保たれるよう
に大気より酸素分圧の高い雰囲気ガスの導入量を制御す
ることを特徴とする。
【0023】この様に、メッキ液2中の溶存酸素濃度を
計測することによって、メッキ液2中の溶存酸素濃度を
より精度良く制御することができる。
【0024】この場合、メッキ液2中の溶存酸素濃度
を、2〜20ppmに制御することが望ましい。
【0025】一般に、無電解メッキ液2中の溶存酸素濃
度は、無電解メッキ処理工程の開始にともなって、溶存
酸素がCu2+等の金属多価イオンを形成するための反応
に消費され、2ppm未満になるので、2ppm以上に
制御することが必要になる。なお、溶存酸素濃度が20
ppmを越えた場合には、逆にホルムアルデヒド等の還
元剤の酸化が進行して、金属多価イオンの還元反応が抑
制され、メッキ皮膜の析出が困難になるので、溶存酸素
濃度を20ppm以下にする必要がある。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】()また、本発明は、上記(1)または
(2)において、メッキ槽1の底部側に、大気の酸素分
圧以上の酸素分圧のガスを導入することを特徴とする。
【0031】一般に、メッキ液2の表面の酸素と、メッ
キ液2中の溶存酸素との交換が遅いので、メッキ液2中
の溶存酸素濃度を迅速に制御するためには、メッキ槽1
の底部側から大気の酸素分圧以上の酸素分圧のガスを導
入してメッキ液2を攪拌することによって、メッキ液2
の表面の酸素とメッキ液2中の溶存酸素との交換をスム
ーズに行うことができる。
【0032】なお、上記(1)乃至()のいずれかに
おいて、メッキ液2の液温を、50℃〜90℃にするこ
とが望ましい。
【0033】上記の構成を採用することによって、高温
においてもメッキ液2中の溶存酸素濃度を十分高く保つ
ことができるので、メッキ液2の液温を50℃〜90℃
にすることができ、それによって、メッキの析出速度が
上がるので精度の高い安定した高速厚付けが可能にな
る。
【0034】()また、本発明は、無電解メッキ装置
において、少なくともメッキ槽1中のメッキ液2が直接
外部大気に触れることを防止し且つ雰囲気中の酸素分圧
とメッキ液中の溶存酸素濃度とを平衡状態にする雰囲気
カバー3を設けるとともに、雰囲気カバー3内に大気よ
り酸素分圧の高い雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入
手段4を設けたことを特徴とする。
【0035】
【0036】
【0037】
【発明の実施の形態】ここで、図2を参照して、本発明
の第1の実施の形態の無電解メッキ装置を説明する。 図2参照 図2は本発明の第1の実施の形態の無電解メッキ装置の
概略的構成図であり、無電解メッキ装置は、硫酸銅系の
無電解Cuメッキ浴12を収容する耐薬液性樹脂製のメ
ッキ槽11、無電解Cuメッキ浴12の底部側からO2
とN2 の混合ガスを供給するエア攪拌用配管13、メッ
キ槽11に収容された無電解Cuメッキ浴12の表面が
直接外部の大気に触れることを防止する雰囲気カバー1
4、雰囲気カバー14内にO2 とN2 の混合ガスを供給
する混合ガス供給管15、及び、無電解Cuメッキ浴1
2中の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計16によ
って構成される。この場合、雰囲気カバー14内は密閉
される必要はなく、供給された混合ガスは、雰囲気カバ
ー14とメッキ槽11との間の間隙から大気中に放出さ
れる。また、図示を省略しているが、メッキ槽11には
温度コントローラ及びチラーが設けられており、これら
によって、無電解Cuメッキ浴12の液温が制御され
る。
【0038】また、エア攪拌用配管13には、夫々流量
計17を介して酸素ボンベ18及び窒素ボンベ19が接
続されており、制御用コンピュータ20によってバルブ
21を制御することによってO2 ガスとN2 ガスの供給
比率を制御するとともに、電動流量計22を制御するこ
とによってO2 とN2 の混合ガスの流量を制御する。
【0039】また、混合ガス供給管15にも、夫々流量
計23を介して酸素ボンベ24及び窒素ボンベ25が接
続されており、制御用コンピュータ20によってバルブ
26を制御することによってO2 ガスとN2 ガスの供給
比率を制御するとともに、電動流量計27を制御するこ
とによってO2 とN2 の混合ガスの流量を制御する。
【0040】この場合のO2 ガスとN2 ガスの供給比
率、即ち、混合比、及び、混合ガスの流量は、溶存酸素
濃度計16によって、無電解Cuメッキ浴12中の溶存
酸素濃度を計測して、無電解Cuメッキ浴12中の溶存
酸素濃度が常に一定になるように、例えば、2〜20p
pmになるように制御するものである。
【0041】また、この場合の混合ガス供給管15から
供給する混合ガスのO2 ガスとN2ガスの混合比は、空
気の酸素分圧以上、即ち、O2 :N2 =22:78(酸
素分圧22%)〜100:0(酸素分圧100%)、よ
り好適にはO2 :N2 =30:70(酸素分圧30%)
〜60:40(酸素分圧60%)の範囲で制御するもの
であり、供給量は、無電解Cuメッキ浴12中の溶存酸
素濃度が例えば、2〜20ppmになるように、雰囲気
カバー14が形成する内部容積に応じて決定する。
【0042】なお、上述のHenryの法則から明らか
なように、無電解Cuメッキ浴12中の飽和溶存酸素濃
度CO2は、供給される混合ガスの酸素分圧PO2に比例す
るが、比例定数kは温度依存性を有するので、混合ガス
の混合比及び供給量は無電解Cuメッキ浴12の液温に
も依存するものである。
【0043】また、エア攪拌用配管13から、供給する
混合ガスのO2 ガスとN2 ガスの混合比は、O2 :N2
=20:80〜100:0の範囲で制御するものであ
り、O 2 :N2 =20:80、即ち、大気を供給するの
であれば、酸素ボンベ18及び窒素ボンベ19を取外
し、エアポンプによって直接大気を供給するようにして
も良い。
【0044】また、供給量は、酸素分圧によるが、例え
ば、1リットルの無電解Cuメッキ浴12に対して、酸
素分圧が35%(O2 :N2 =35:65)の混合ガス
を10〜20sccm供給するものであり、いずれにし
ても、無電解Cuメッキ浴12中の溶存酸素濃度が例え
ば、2〜20ppmになるように制御すれば良い。因
に、65℃の液温の無電解Cuメッキ浴12に対して、
酸素分圧35%の混合ガスを15sccm/リットル供
給した場合、無電解Cuメッキ浴12中の溶存酸素濃度
は3.2ppmとなった。
【0045】この様に、本発明の第1の実施の形態にお
いては、メッキ槽11を覆う雰囲気カバー14を設け、
雰囲気カバー14内に酸素分圧が30%以上の混合ガス
を供給して、無電解Cuメッキ液12の表面が大気に直
接触れないようにしているので、Cu2 Oの不均化反応
を抑制することができ、それによって、無電解Cuメッ
キ液12を安定に保つことができる。
【0046】また、本発明の第1の実施の形態において
は、無電解Cuメッキ液12の底部側からも酸素分圧が
20%以上の混合ガスを供給してバブリングを行ってい
るので、無電解Cuメッキ浴12中においてCu2 Oの
還元反応によって消費された溶存酸素を早急に補充する
ことが可能になる。
【0047】したがって、無電解Cuメッキ浴12の温
度を高めた状態でも無電解Cuメッキ浴12中の溶存酸
素濃度を十分高く維持することができるので、高速厚付
けが可能になる。
【0048】次に、図3を参照して、本発明の第2の実
施の形態の無電解メッキ装置を説明するが、この第2の
実施の形態の無電解メッキ装置は、無電解メッキを行な
う噴流式のメッキ槽に無電解Cuメッキ液を循環供給す
るメッキ液タンク部を設けたものであり、メッキ液タン
ク部の構成として、上記の第1の実施の形態と実質的に
同様の溶存酸素濃度制御機構を設けるとともに、メッキ
槽側にも溶存酸素濃度制御機構を設けたものである。
【0049】図3参照 図3は本発明の第2の実施の形態の無電解メッキ装置の
概略的構成図であり、無電解メッキ装置は、メッキ槽部
とメッキ液タンク部によって構成されるものである。
【0050】まず、メッキ槽部の構成は、硫酸銅系の無
電解Cuメッキ浴32を収容する耐薬液性樹脂からなる
噴流式のメッキ槽31、オーバーフロー部33、及び、
雰囲気カバー34から構成され、メッキ槽31にはメッ
キ液タンク部を構成するメッキ液収容槽38に繋がる配
管35が接続され、循環ポンプ36によってメッキ液収
容槽38内の溶存酸素濃度の制御された無電解Cuメッ
キ浴39が循環供給される。なお、図示を省略している
が、メッキ液収容槽38、或いは、メッキ液収容槽38
とメッキ槽31の双方には温度コントローラ及びチラー
が設けられており、これらによって、無電解Cuメッキ
浴32及び無電界Cuメッキ液39の液温が制御され
る。
【0051】また、このメッキ槽部には、上記の第1の
実施の形態と同様に、雰囲気カバー34内には、混合ガ
ス供給管55から、夫々流量計50を介して酸素ボンベ
51及び窒素ボンベ52が接続されており、制御用コン
ピュータ47によってバルブ53を制御することによっ
てO2 ガスとN2 ガスの供給比率を制御するとともに、
電動流量計56を制御することによって雰囲気カバー3
4内に供給されるO2とN2 の混合ガスの流量を制御す
る。この場合も、雰囲気カバー34内は密閉される必要
はなく、供給された混合ガスは、雰囲気カバー34とメ
ッキ槽31との間の間隙から大気中に放出される。
【0052】一方、メッキ液タンク部の構成は、上記の
第1の実施の形態の無電解メッキ装置の構成と実質的に
同一であり、硫酸銅系の無電解Cuメッキ液39を収容
する耐薬液性樹脂製のメッキ液収容槽38、収容された
無電解Cuメッキ液39の底部側からにO2 とN2 の混
合ガスを供給するエア攪拌用配管40、雰囲気カバー4
1、雰囲気カバー41内にO2 とN2 の混合ガスを供給
する混合ガス供給管55に繋がる配管42、及び、無電
解Cuメッキ液39中の溶存酸素濃度を測定する溶存酸
素濃度計43によって構成される。
【0053】また、エア攪拌用配管40には、夫々流量
計44を介して酸素ボンベ45及び窒素ボンベ46が接
続されており、制御用コンピュータ47によってバルブ
48を制御することによってO2 ガスとN2 ガスの供給
比率を制御するとともに、電動流量計49を制御するこ
とによってO2 とN2 の混合ガスの流量を制御する。な
お、この場合も、雰囲気カバー41内は密閉される必要
はなく、供給された混合ガスは、雰囲気カバー41とメ
ッキ液収容槽38との間の間隙から大気中に放出され
る。
【0054】この場合の混合ガス供給管55から供給す
る混合ガスの混合比及び流量、混合ガス供給管42から
供給する混合ガスの混合比及び流量、及び、エア攪拌用
配管40から供給する混合ガスの混合比及び流量の制御
の仕方は、上記の第1の実施の形態と基本的に同様であ
り、無電解Cuメッキ浴32の量、液温、メッキ液タン
ク系の空間の容量、循環量等に応じて無電解Cuメッキ
浴32中の溶存酸素濃度が2〜20ppmになるように
制御する。
【0055】この第2の実施の形態においては、メッキ
液タンク部を設け溶存酸素濃度を高めた無電解Cuメッ
キ液39をメッキ槽31の底部から噴流式に供給し、オ
ーバーフローした無電解銅メッキ浴32をオーバーフロ
ー部33及び配管37を介してメッキ液収容槽38へ循
環させているので、メッキ槽31中に供給される無電解
Cuメッキ浴32中の溶存酸素濃度をより正確に且つ迅
速に制御することができる。
【0056】以上、本発明の各実施の形態を説明してき
たが、本発明は各実施の形態に記載された構成・条件に
限られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の各実施の形態においては、メッキ槽部或いは
メッキ液タンク部において、雰囲気カバー14,41内
と、無電解Cuメッキ浴12或いは無電解Cuメッキ液
39の底部側からの両方から酸素を含む混合ガスを供給
しているが、いずれか一方からの供給でも良いものであ
る。但し、無電解Cuメッキ浴12或いは無電解Cuメ
ッキ液39の底部側からのみ供給する場合には、混合ガ
スの酸素分圧を30%以上にする必要がある。
【0057】また、上記の各実施の形態においては、無
電解Cuメッキ方法として説明しているが、無電解Cu
メッキに限られるものではなく、Ni,Co,Zn,S
n,Pb,Fe,Ag,Au等の他の各種金属及びその
合金の無電解メッキ方法にも適用されるものである。
【0058】また、上記の各実施の形態の説明において
は、メッキ液中の溶存酸素濃度を精度良く制御するため
に、溶存酸素濃度計16,43を用いているが、定常状
態における混合ガスの混合比及び流量と、溶存酸素濃度
との関係が取得できる場合には、予め取得したデータに
基づいて、混合ガスの混合比及び流量を固定的に設定し
ても良いものである。
【0059】また、上記の各実施の形態においては、メ
ッキ槽等を耐薬液性樹脂で構成しているが、耐薬液性樹
脂に限られるものではなく、表面を耐薬液処理した金属
製槽を用いても良いものである。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともメッキ液を
収容したメッキ槽を覆うように雰囲気カバーを設け、雰
囲気カバー内に大気より高い酸素分圧の混合ガスを導入
しているので、メッキ液中の溶存酸素濃度を十分高く保
持することができ、それによって、良好な特性を有する
導電性皮膜を高速で成膜することが可能になり、ひいて
は、薄膜多層回路基板等の高性能化、低コスト化に寄与
するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の無電解メッキ装置
の概略的構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の無電解メッキ装置
の概略的構成図である。
【図4】従来の無電解メッキ装置の概略的構成図であ
る。
【符号の説明】
1 メッキ槽 2 メッキ液 3 雰囲気カバー 4 雰囲気ガス導入手段 5 雰囲気ガス導入管 6 酸素ガス 7 窒素ガス 11 メッキ槽 12 無電解Cuメッキ浴 13 エア攪拌用配管 14 雰囲気カバー 15 混合ガス供給管 16 溶存酸素濃度計 17 流量計 18 酸素ボンベ 19 窒素ボンベ 20 制御用コンピュータ 21 バルブ 22 電動流量計 23 流量計 24 酸素ボンベ 25 窒素ボンベ 26 バルブ 27 電動流量計 31 メッキ槽 32 無電解Cuメッキ浴 33 オーバーフロー部 34 雰囲気カバー 35 配管 36 循環ポンプ 37 配管 38 メッキ液収容槽 39 無電解Cuメッキ液 40 エア攪拌用配管 41 雰囲気カバー 42 混合ガス供給管 43 溶存酸素濃度計 44 流量計 45 酸素ボンベ 46 窒素ボンベ 47 制御用コンピュータ 48 バルブ 49 電動流量計 50 流量計 51 酸素ボンベ 52 窒素ボンベ 53 バルブ 54 電動流量計 55 混合ガス供給管 56 電動流量計 61 主メッキ槽 62 メッキ浴 63 オーバーフロー部 64 外部循環用流路 65 エア攪拌用配管 66 孔 67 循環ポンプ 68 フィルタ 69 ミキサー 70 エアポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 501080321 株式会社熊防メタル 熊本県熊本市長峰西1丁目4番15号 (72)発明者 新宮原 正三 広島県東広島市鏡山1−4−1 広島大 学内 (72)発明者 王 増林 熊本県上益城町田原2081−10 財団法人 熊本テクノポリス財団内 (72)発明者 池田 秀雄 熊本県熊本市世安町335番地 株式会社 野田市電子内 (72)発明者 古屋 明彦 東京都台東区1丁目5番1号 凸版印刷 株式会社内 (72)発明者 安田 敬一郎 熊本県熊本市上熊本2−9−9 緒方工 業株式会社内 (72)発明者 馬場 知幸 熊本県熊本市長峰西1丁目4番15号 熊 本防▲錆▼工業株式会社内 (72)発明者 萩原 宗明 熊本県上益城町田原2081−10 財団法人 熊本テクノポリス財団内 (56)参考文献 特開 平9−25580(JP,A) 特開 平2−290977(JP,A) 特開 平9−59781(JP,A) 特開2000−169970(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/40 C23C 18/31 H05K 3/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともメッキ槽を含む系内の雰囲気
    中の酸素分圧を大気の酸素分圧より高くし、前記雰囲気
    中の酸素分圧との平衡状態を利用してメッキ液中の溶存
    酸素濃度を制御することを特徴とする無電解メッキ方
    法。
  2. 【請求項2】 上記メッキ液中の溶存酸素濃度を計測
    し、計測結果に基づいて溶存酸素濃度が予め設定した値
    に保たれるように上記大気より酸素分圧の高い雰囲気ガ
    スの導入量を制御することを特徴とする請求項1記載の
    無電解メッキ方法。
  3. 【請求項3】 上記メッキ槽の底部側に、大気の酸素分
    圧以上の酸素分圧のガスを導入することを特徴とする請
    求項1または2に記載の無電解メッキ方法。
  4. 【請求項4】 少なくともメッキ槽中のメッキ液が直接
    外部大気に触れることを防止し且つ雰囲気中の酸素分圧
    とメッキ液中の溶存酸素濃度とを平衡状態にする雰囲気
    カバーを設けるとともに、前記雰囲気カバー内に大気よ
    り酸素分圧の高い雰囲気ガスを導入する雰囲気ガス導入
    手段を設けたことを特徴とする無電解メッキ装置。
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