JP2001335952A - 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法 - Google Patents

無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001335952A
JP2001335952A JP2000161666A JP2000161666A JP2001335952A JP 2001335952 A JP2001335952 A JP 2001335952A JP 2000161666 A JP2000161666 A JP 2000161666A JP 2000161666 A JP2000161666 A JP 2000161666A JP 2001335952 A JP2001335952 A JP 2001335952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring device
copper
catalyst
plating
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000161666A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sugiura
修 杉浦
Keiichiro Nishikawa
恵一郎 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rikogaku Shinkokai
Original Assignee
Rikogaku Shinkokai
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rikogaku Shinkokai filed Critical Rikogaku Shinkokai
Priority to JP2000161666A priority Critical patent/JP2001335952A/ja
Publication of JP2001335952A publication Critical patent/JP2001335952A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無電解めっき法による銅の選択的堆積ができ
る、配線装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 配線装置5は以下ものもを含んである。
基板1、基板1表面に付着する触媒核2、触媒核2が付
着した基板1上に形成された配線4、および、触媒核2
が付着した基板1上のうち、配線4が形成された領域以
外の領域に形成された絶縁膜3である。配線4は銅から
なる。触媒核2は白金とパラジウムとの合金からなる。
触媒核2の量は、隣接する触媒核2の粒子間距離が触媒
核2の粒径よりも大きくなる範囲とする。配線装置5の
製造方法は、つぎのとおりである。スパッタ法により、
基板1に触媒核2を付着させる。基板1上に絶縁膜3を
形成する。フォトリソグラフィ法により絶縁膜3にパタ
ーニングを施し、絶縁膜3の一部を除去して溝を形成し
触媒核2を露出させる。無電解めっきにより、触媒核2
が露出した溝に金属膜4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解めっき方
法、並びに、配線装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集積回路構造は微細化の一途をた
どり、配線幅、配線間隔ともますます小さくなってい
る。これらはそれぞれ配線抵抗、配線間容量の増大を招
き、結果として回路の配線遅延を増大させている。微細
化によるMOSゲート長短縮などにより、構成素子自体
の動作速度はむしろ向上するため、集積回路の動作速度
は配線遅延による影響が大きくなる。配線遅延は配線間
容量Cと配線抵抗Rの積にほぼ比例することから、C,
Rどちらかあるいは両方を小さくすることで配線遅延増
の抑制をはかることが可能である。
【0003】配線抵抗を減らす方法として、現在使用さ
れているAl(バルク抵抗率2.7*10-6(Ωc
m),20℃)よりも抵抗率の低い金属材料(Cu,A
g,Au)を使用する方法がある。例えば、現在もっと
も有望視されているCu(バルク抵抗率1.7*10-6
(Ωcm),20℃)の場合、遅延は単純計算で約6割
にまで減少することになる。低抵抗率から検証するとA
gが最も低いが、コストが高いため、Agについで抵抗
率の低いCu配線技術を研究する意義がある。
【0004】近年、配線幅が小さくなるに従い、エレク
トロマイグレーション(以下、「EM」と略記する。)
現象が大きな問題となっている。これは、配線部を高密
度の電流が流れることにより配線を構成する原子が移動
してしまい、ついには配線の破壊につながる現象であ
る。Cuを始めとする低抵抗金属は一般にAlより重い
ため、EMによる応力の影響が相対的に少なく、EMに
対する耐性が優れていることが期待されている。以上の
観点からもCu配線技術は重要である。
【0005】銅配線は、デジタル集積回路分野だけでな
く、その他の分野についても応用が期待される。その一
例としてマイクロ波集積回路が挙げられる。現段階でマ
イクロ波集積回路は、微細集積回路ほど微細な配線を必
要としていないが、銅配線を使用することで、低損失な
線路やインダクタが実現できるという利点をもたらす。
【0006】銅を堆積する方法には、スパッタ法、CV
D法、電解めっき法、無電解めっき法などがある。それ
ぞれについて特徴を説明する。
【0007】スパッタ法とは、イオンの衝突によりはじ
き出された金属原子を試料上に堆積させる方法である。
減圧状態でターゲット電極(陽極)と陰極の間に高電圧
を印加して気体分子(Arなど)を電離する。電離され
たイオンは電界で加速され、ターゲットに衝突する。こ
の衝突でターゲットの金属原子がはじき出され、試料上
に堆積する。スパッタ法はAl配線において広く使用さ
れている方法であり、Cu配線においては、後述の電解
めっきに先立ち、表面に薄いCu層を堆積させる場合に
広く用いられている。
【0008】CVD(Chemical Vapor
Deposition)法は、試料を入れたチャンバー
内に堆積したい物質を含む気体化合物を導入し、熱やプ
ラズマによって化合物を反応または分解することで試料
に物質を堆積するものである。
【0009】この方法はSiO2 やSi3 4 を堆積す
るのに広く使われているが、Cuの有機化合物(ヘキサ
フルオロアセチルアセトネイト銅Cu(HFA)2
ど)を材料に使用することでCuの堆積が可能である。
現在のところ、集積回路へのCu堆積法として、後述の
電解めっきとともに検討されている方法である。
【0010】電解めっき法とは、目的の金属のイオンを
含む電解液中に直流電流を流し、一方の電極に金属を析
出させるというものである。銅めっきの場合、陽極はC
u板を使用し、銅めっきする試料が陰極となる。このと
き以下の反応が起こり、陰極側にCuがめっきされる。 陽極:Cu→Cu2++2e- 陰極:Cu2++2e- →Cu
【0011】電解めっき法の半導体プロセスへの応用に
際しては、まず表面に金属薄膜(シード層)を形成する
必要がある。これは電解めっきの陰極とするため、基板
表面に電気伝導性が必要であるためである。この薄膜は
Cuをスパッタ法を用いて形成することが多い。電解め
っき法は堆積速度が大きく、また単純な装置で実現でき
る反面、前もって電極としてのシード層形成が必要であ
り、また析出量が電流密度に比例するため、複雑な形状
への埋め込みに難がある。
【0012】無電解めっき法は、金属イオンと還元剤を
同時に含む、めっき液を用いる。このめっき液は単独で
は化学平衡が成立して安定である。この液に触媒活性な
被加工物を浸漬することで表面において反応が起こり、
金属イオンが還元されて析出する。
【0013】銅のめっき液にはいくつかの種類がある。
銅イオン源として硫酸銅、還元剤としてホルムアルデヒ
ド、水酸化銅の生成を防ぐ錯化剤として、EDTA(エ
チレンジアミン四酢酸)を使用し、pH=13程度に調
整しためっき液が代表的である。錯化剤には、めっき液
の副反応を抑制し、溶液を安定化する役割もある。
【0014】無電解めっき法は、電解めっきと違い、絶
縁膜上にも触媒活性な微小金属核(Pdなど)を付着さ
せることでめっきが可能になる。ここで、金属核は金属
イオン含有液への浸漬などにより、容易に付与できる。
また、電解めっきと違い電流密度の要素がないため、複
雑な形状への埋め込み性がよいとされる〔1〕。
【0015】ここで、無電解めっきは化学平衡の移動に
より堆積が生じるため、めっき液の反応活性の度合いが
特に重要となる。活性が低すぎる場合はめっき反応が起
こらない。一方活性が高すぎる場合は副反応が発生し、
溶液中に酸化銅の粉状析出が起こり、また析出する膜質
も劣化する。反応活性は、反応成分の濃度やpH、液温
の増加により大きくなり、EDTAの増加により小さく
なる。めっきにあたっては、この反応活性を適切な範囲
にすることが重要である。
【0016】めっき法は、他のプロセスと異なり高温や
高真空を必要としない。したがって、他の堆積プロセス
よりもはるかに簡単な装置で実現でき、また、一度に多
くの基板を処理できる。そのため、他方法よりはるかに
低コストのプロセスが実現できる。
【0017】さらに電解めっきに比べても、無電解めっ
きはシード層が不要であり、また電流密度の要素がない
ため、複雑な形状への堆積に適するとされている。ま
た、触媒活性な部分のみに析出するため、選択的堆積が
可能である。
【0018】無電解銅めっきにおいては、触媒核として
通常Pdが用いられる。工業的なPd核の付着法として
は、水溶液浸漬によるものが一般的である。これは、被
加工物をSn2+,Pd2+を含む水溶液に浸漬し、ついで
酸処理を行うことで、表面にPd核を吸着させる方法で
ある(〔1〕)。ここでPd2+は、Sn2+といったん錯
体を形成して被加工物表面に吸着されるが、つぎの酸処
理によりPd単体に還元される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水溶液法は、
触媒核の付着力が弱いという欠点がある。また、水溶液
法においては、不純物が混入しやすいという欠点があ
る。
【0020】一方、配線応用をめざした銅堆積の研究は
すでに行われており、一部は実用化されつつある
(〔2〕,〔3〕)。これらの堆積法にはさまざまな種
類が存在するが、表面全体に銅を堆積させ、最後に不要
部分の銅をCMP法などで研磨して除去する点は共通す
る。この方法は、不要部分に堆積が生じるため、将来的
にAuなどの貴金属を堆積することを考えた場合、コス
ト高になる。また、エッチングや研磨のプロセスが必要
であり、工程が複雑になるという短所をもつ。
【0021】さらに、めっき法は、本来、金属表面加工
の分野に属する技術である。そのためこれを集積回路プ
ロセスに採用するにあたっては、デバイス構造への影響
など、半導体分野特有の問題が生じてくるため、これを
解決する必要がある。
【0022】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、被加工物上に金属膜を形成することがで
きる新たな無電解めっき方法を提供することを目的とす
る。さらに、本発明はエッチングや研磨を必要しない簡
潔な工程により、無電解銅めっき法による銅の選択的堆
積ができる、配線装置の製造方法およびその方法により
製造される配線装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の無電解めっき方
法は、以下の工程を含む。すなわち、(イ)スパッタ法
により、被加工物に触媒核を付着させる第1の工程と、
(ロ)無電解めっきにより、上記触媒核が付着された上
記被加工物に金属膜を形成する第2の工程である。上述
の無電解めっき方法は、金属膜が、銅、金、銀、パラジ
ウム、白金、ニッケル、コバルト、スズのうちいずれか
1種類、またはこれらのうちの2種類以上の組み合わせ
からなる。または、金属膜が銅からなる。
【0024】上述の無電解めっき方法は、触媒核が、
金、白金、パラジウムの単体金属、または白金とパラジ
ウムとの合金からなる。または、触媒核が、白金とパラ
ジウムとの合金からなる。上述の無電解めっき方法は、
スパッタ量が、隣接する触媒核の粒子間距離が触媒核の
粒径よりも大きくなる範囲とする。上述の無電解めっき
方法は、被加工物の表面が、プラスチックまたは無機化
合物からなる。または、被加工物の表面がポリイミドか
らなる。
【0025】本発明の無電解めっき方法によれば、スパ
ッタ法により被加工物に触媒核を付着させた後に、無電
解めっきにより被加工物に金属膜を形成するので、金属
の析出反応は被加工物表面に存在する触媒核を中心に開
始され、さらにこの析出した金属自身が触媒作用をもつ
ため金属の堆積が継続する。
【0026】本発明の配線装置は、以下のものを含む。
すなわち、(イ)基板と、(ロ)上記基板表面に付着す
る触媒核と、(ハ)上記触媒核が付着した基板上に形成
された配線と、(ニ)上記触媒核が付着した基板上のう
ち、上記配線が形成された領域以外の領域に形成された
絶縁膜である。上述の配線装置は、配線が、銅、金、
銀、パラジウム、白金、ニッケル、コバルト、スズのう
ちいずれか1種類、またはこれらのうちの2種類以上の
組み合わせからなる。または、配線が銅からなる。
【0027】上述の配線装置は、触媒核が、金、白金、
パラジウムの単体金属、または白金とパラジウムとの合
金からなる。または、触媒核が、白金とパラジウムとの
合金からなる。上述の配線装置は、触媒核の量が、隣接
する触媒核の粒子間距離が触媒核の粒径よりも大きくな
る範囲とする。上述の配線装置は、基板の表面が、プラ
スチックまたは無機化合物からなる。または、基板の表
面がポリイミドからなる。
【0028】本発明の配線装置の製造方法は、以下の工
程を含む。すなわち、(イ)スパッタ法により、基板に
触媒核を付着させる第1の工程と、(ロ)上記基板上に
絶縁膜を形成する第2の工程と、(ハ)フォトリソグラ
フィ法により上記絶縁膜にパターニングを施し、上記絶
縁膜の一部を除去して溝を形成し上記触媒核を露出させ
る第3の工程と、(ニ)無電解めっきにより、上記触媒
核が露出した上記溝に金属膜を形成する第4の工程であ
る。
【0029】上述の配線装置の製造方法は、金属膜が、
銅、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル、コバルト、
スズのうちいずれか1種類、またはこれらのうちの2種
類以上の組み合わせからなる。または、金属膜が銅から
なる。上述の配線装置の製造方法は、触媒核が、金、白
金、パラジウムの単体金属、または白金とパラジウムと
の合金からなる。または、触媒核が、白金とパラジウム
との合金からなる。
【0030】上述の配線装置の製造方法は、スパッタ量
が、隣接する触媒核の粒子間距離が触媒核の粒径よりも
大きくなる範囲とする。上述の配線装置の製造方法は、
第3の工程の後に、プラズマ処理をする。上述の配線装
置の製造方法は、第4の工程においては、めっき液に間
欠的に空気を吹き込み、めっき液をかくはんする。この
とき、隣接する溝の間隔が200μm以上である。
【0031】上述の配線装置の製造方法は、第4の工程
においては、めっき液に一定時間経過後から空気を吹き
込み、めっき液をかくはんする。このとき、隣接する溝
の間隔が50μm以上である。上述の配線装置の製造方
法は、第4の工程の後に、研磨により溝以外の領域の金
属を除去する。上述の配線装置の製造方法は、基板の表
面が、プラスチックまたは無機化合物からなる。また
は、基板の表面は、ポリイミドからなる。
【0032】本発明の配線装置およびその製造方法によ
れば、フォトリソグラフィ法により絶縁膜にパターニン
グを施し、絶縁膜の一部を除去して溝を形成し触媒核を
露出させるので、絶縁膜を除去した領域では触媒核が露
出し、その他の領域では触媒核は絶縁膜の下に埋もれ露
出していない。また、金属核は分散している状態であ
り、連続膜を形成していない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。最初に、スパッタ法による触媒核付与と、
選択性を利用した銅堆積プロセスについて説明する。
【0034】本実施の形態で用いた無電解めっき法にお
いては、銅の析出反応は被加工物表面に存在する触媒核
を中心に開始される。ここで、触媒核となりうる金属に
はPd,Pt,Cuなどが挙げられ、析出した銅自身が
触媒核作用を持つため、銅の堆積が継続する。そのた
め、銅の析出反応は触媒核付着部のみに起こり、触媒核
のない部分には析出しない。このため、必要な部分のみ
に触媒核を付着させれば、図2のように、必要な部分の
みに銅を堆積することが可能となる。これを無電解めっ
きの選択性という。本実施の形態では銅めっきのみ取り
扱うが、この選択性は、無駄な部分への析出をなくし原
料を節約できるため、貴金属層を堆積する場合に有益な
性質である。
【0035】触媒核を付着させる方法には、上述した水
溶液法に対し、触媒核をスパッタ法で試料表面に付着さ
せる方法がある。この方法は電子顕微鏡観察の際Pt/
Pd合金をコーティングして帯電を防止する目的で使用
されている手段である。Pt/Pdの堆積速度を下げて
実効膜厚を粒径よりも小さくすればPt/Pd合金粒子
が試料表面に分散した形で付着させることができる。本
実施の形態では、これを無電解めっきの触媒核に使用す
ることとした。
【0036】水溶液法に比べ、スパッタ法は触媒核をよ
り強く付着させることが期待できる。また、低圧Arガ
ス中において、ターゲットの触媒金属を直接付着させる
ため、水溶液法に比べ不純物の混入を防止しやすい。こ
れは将来、集積回路応用を考えた場合有益である。
【0037】本実施の形態では、絶縁膜の候補として、
有機膜の一種であるポリイミドを検討した。ポリイミド
は低誘電率(後述するメーカーのカタログ表示値3.
5)をはじめとして、耐熱性、機械的強度などにも優れ
る材料である。そのため、配線フィルムや緩衝保護膜な
どに広く使用されている。本実施の形態では、めっき液
中の塩基への耐性に着目した。また、感光性をもつポリ
イミドが市販されており、後述のようにフォトリソグラ
フィ法による直接パターニングが可能である。
【0038】ここで本実施の形態で用いたポリイミド層
の作製を簡単に説明する。ポリイミド層の作製法は、通
常のフォトレジスト形成と類似しており、ポリイミドワ
ニスをスピンコート後、ベークすることによって行う。
このとき、ベーク温度は最大320(℃)である。ま
た、ベークの過程で酸が生成する。なお、ポリイミド層
の作製については、後に詳述する。
【0039】銅配線形成法については、従来の方法に対
し、前に述べた無電解銅めっきの選択性を利用すること
で銅の選択的堆積が可能であると考えられる。この実現
可能性を見出すため、本実施の形態では図3のようなプ
ロセスにより絶縁膜上への銅の堆積実験を行った。
【0040】この銅配線形成法は、触媒核付与の工程、
絶縁膜堆積、パターン形成の工程、無電解めっきの工程
からなる。触媒核付与の工程では、絶縁膜上に前述のス
パッタ法により触媒核を付着させる。絶縁膜堆積、パタ
ーン形成の工程では、表面全体に絶縁膜を堆積し、つい
で絶縁膜の一部を除去する。この部分の触媒核は再び露
出し、めっき過程により銅の析出が生じることを期待で
きる。本実施の形態においては絶縁膜として、めっき液
のアルカリへの耐性から、感光性ポリイミドを採用し
た。また、感光性を利用してフォトリソグラフィ法によ
って除去過程を実現した。
【0041】無電解めっきの工程では、無電解銅めっき
を行い、触媒核露出部に銅を堆積させる。この方法の特
長として、必要な部分のみに銅が堆積するため、不要部
分のエッチングを省略できることがあげられる。まため
っき液を変更することで、同様のプロセスによりAuな
どの貴金属の堆積が、無駄な析出をせずに得られるとい
う点で非常に有用である。本実施の形態では、提案した
プロセスによる選択的銅堆積を試み、その実現性ととも
に、課題を明らかにすることを目指した。
【0042】つぎに、無電解めっき方法に係る発明の実
施の形態について説明する。本実施の形態においては、
無電解めっきの選択性を活用したプロセスの提案とその
実現性について検討した。ここでは、無電解めっきのプ
ロセス条件について検討した結果を述べる。これまでに
無電解銅めっき法を使用した銅堆積についての報告はい
くつかされている(例えば〔1〕,〔2〕,〔3〕)
が、実際にめっきプロセスを行うためには不明な点が多
い。そのため、本実施の形態ではまずこれらの要素につ
いて実験を行い、その結果から標準のめっきプロセスを
定めることとした。
【0043】本実施の形態では、感光性ポリイミド上に
無電解銅めっきを行い、めっきプロセスの諸パラメータ
と堆積状態の関係について検証した。また、堆積した銅
の膜厚や抵抗率を評価した。本実施の形態における実験
に使用した試料は、Siウエハ全体に感光性ポリイミド
をスピンコートしキュアしたものを用い、必要な大きさ
に切りわけて使用した。ポリイミド層の形成方法につい
ては、後述する配線装置およびその製造方法に係る発明
の実施の形態において詳細に説明する。
【0044】なお、先立って行った数々の予備実験の結
果をもとに、最適と思われる標準プロセスとして、表1
の条件を定めた。実験は該当するパラメータのみを可変
することで行い、同時に標準プロセス条件の妥当性を確
認した。なお、溶液の調製法については後に詳述する。
【0045】
【表1】
【0046】つぎに、めっき液について説明する。本実
施の形態で用いた無電解銅めっきにおいては、つぎのよ
うな反応により銅単体が析出する。 Cu2++2HCHO+4OH- =Cu+2HCOO-
2 +2H2 O つまり、銅イオン1molがHCHO2molによって
還元され、1molの銅とともに2molの蟻酸イオ
ン、1molの水素が発生する。なお、この反応には水
酸化物イオンが関与しているため、めっき液には塩基性
が必要である。
【0047】一方、めっき液中では、上記の反応の他に
も、以下の副反応が起こる。これらは反応物質の消耗や
浴の不安定化を促進する。 2HCHO+OH- =CH3 OH+HCOO- 2Cu2++HCHO+5OH- =Cu2 O+HCOO-
+3H2
【0048】本実施の形態で使用しためっき液は、参考
文献〔1〕で紹介されているものを元に、いくつかの改
良を加えて調製した。本実施の形態では、銅イオン源と
して硫酸銅CuSO4 の五水和物を使用する。まためっ
き液を塩基性にするための塩基としてテトラエチルアン
モニウムヒドロキシド(C2 5 4 NOHを使用す
る。この塩基は有機塩基であるため、集積回路に悪影響
を及ぼすアルカリ金属(Na,Kなど)を含まないとい
う特長がある。
【0049】ここで、溶液は塩基性であるため、このま
までは水酸化銅Cu(OH)2 の沈殿が生成してしま
う。これを防ぐため、錯化剤の添加がなされる。錯化剤
としては、安定度定数の高いEDTA(エチレンジアミ
ン四酢酸)が使用されている(〔1〕)。
【0050】ここで錯化剤は、水酸化銅の生成防止だけ
でなく、溶液中に存在する銅の大部分を錯化して安定状
態とするため、溶液の反応活性を抑制する働きを持つ。
これにより、溶液中への銅の不安定な析出を防ぎ、浴を
安定化させるという点で重要な役割を持っている。
【0051】本実施の形態において標準としためっき条
件は表1に示したとおりである。混合液は、使用しため
っき液からHCHO,ビピリジル(添加剤であり、後に
詳述する。)を除いて調製したものであり、残りの成分
は実験時に加えた。これは前者は保存時の副反応進展を
防ぐため、後者は室温で溶解しにくいためである。
【0052】実際のめっきにおいては、さらにビピリジ
ルやPEGなどの添加剤を微量添加する。これらの添加
剤は溶液中に生成する酸化銅を不活性化し、めっき浴を
安定化する働きがあり〔1〕、また、きめの細かいめっ
き皮膜とする効果もあるが、微量の添加で十分であり、
逆に過剰の場合めっき反応が進展しなくなる。また、め
っき皮膜中に添加剤が含まれ、膜質の悪化を招くとされ
ている〔4〕。
【0053】めっき液中の溶存酸素は時間経過にともな
い減少する傾向がある。これは以下のように、いったん
生成したCu2 Oを銅イオンに還元する過程で酸素が消
費されるためである。 Cu2 O+1/2O2 +2H2 O=2Cu2++4OH- 酸素濃度が不足すると、Cu2 Oが残留し、めっき膜表
面に析出したり、浴中に粉末状に析出してしまうなどの
問題を及ぼす。これを防ぐためには、溶液中に空気を送
り込むことが有効である。今回の実験では、めっき液に
間欠的に空気を吹き込み、めっき液をかくはんした。す
なわち、送気量750(sccm)のエアポンプを使用
し、15分経過するごとに1分間空気を送り込むことで
実現した。なお、後述する、配線装置およびその製造方
法に係る発明の実施の形態においては持続的に空気を送
り込むことも検討した。
【0054】本実施の形態で使用した基本のめっき液
は、以下のように調製した。ここで、前もって一部の成
分を除く混合液を調製しておくこととした。これは前述
のように副反応進展を防止するためである。なお、残り
の成分はめっきプロセスを行うときに加えた。
【0055】まず、CuSO4 5H2 Oを3.00
(g)、EDTAを7.07(g)それぞれ少量の純水
に溶解する。つぎに2液を混合する。このとき、混合す
ると溶液は濃い青色になる(銅が錯化したため)。この
とき、未反応のEDTAが溶け残る(EDTAは水に難
溶のため)。
【0056】つぎに、純水を加え、全量を300(m
l)にする。DETAの沈殿は残る。つぎに、20%の
(C2 5 4 NOH水溶液90(ml)を加え、軽く
混ぜる(塩基を加えるに従い、溶液の青色はいったん濃
くなるが、溶液が塩基性になると再び少し薄くなる)。
少し置いておくと、これまで生じていたEDTAの沈殿
はほぼ完全に溶け(塩基とEDTAの化合物ができるた
め)、透明な青色の溶液となる。この状態の溶液のpH
はおよそ13である。これにより390(ml)の混合
液ができる。一回の実験では50(ml)を使用した。
【0057】めっき時には以下のように調合する。ま
ず、混合液50(ml)をめっきプロセスを行う温度ま
で加熱する前にビピリジル8(mg)(これは、1mm
ol/lに相当する。)を加える。ここで常温で溶けず
に残っているビピリジルは、70℃付近で溶解する(添
加量が多い場合には、一部が油状に浮かぶため、軽く攪
拌して使う。)。つぎに、サンプルをめっき液に浸す直
前に3.7(%)のHCHO水溶液1.5(ml)を加
え、軽く攪拌する。なお、3.7%のHCHO水溶液
は、ホルマリン試薬(37%HCHO水溶液)を10倍
に希釈したものを使用した。
【0058】つぎに、めっき装置について説明する。本
実施の形態における無電解めっきは、めっき液を約70
℃に加熱して行った。これにより、めっき液の反応活性
が大きくなるだけでなく、膜質の改善を図った。使用し
た装置は、無電解めっきを行うめっき液加熱装置と、温
度制御を行うための制御装置からなり、図4のように結
線されている。
【0059】本実施の形態においては、めっき液を約7
0℃に加熱してめっきを行った。この加熱は図5のよう
に、めっき液を入れたビーカーを150mlの湯浴で湯
せんすることで行った。この湯浴は、ステンレス製容器
にヒーターを沈めた、500mlの湯浴でさらに加熱し
ており、二重の湯せん構造となっている。また、不純物
の混入を防ぐため、湯せんには純水を使用した。なお、
ヒーター出力は100(W)である。
【0060】本実施の形態においては、実験中のめっき
液温を一定に保つ必要がある。そのため、熱電対により
内側の湯浴の温度を測定し、制御装置によりヒーターの
オンオフを制御することで行った。使用した制御装置は
温度調整器TTM−104とSSR(Solid St
ate Relay)回路から構成ささている。TTM
−104は測定した温度に対し、設定温度に近づくよ
う、PID制御に基づく制御信号を出力する機器であ
り、制御信号により加熱装置を制御し、設定温度に到達
させる。本装置においては、熱電対により温浴温度を測
定し、SSR回路用制御信号を出力している。これは、
TTM−104の設計上、ヒーター電流を直接オンオフ
できないためである。SSR回路は半導体回路により機
械式リレーと同等の機能を実現するもので、本装置では
TTM−104の制御出力信号でヒーター電流をオン、
オフする役割を果たす。
【0061】この装置においては、50mlのめっき液
を、合計650mlの湯浴により湯せんしていることに
なり、直接めっき液のみを加熱する場合にくらべ、熱容
量が大きい系となっている。このため、サンプル投入や
空気かくはんによるめっき液の温度低下を抑える効果が
大きい。
【0062】つぎに、スパッタ法における、Pt/Pd
合金のスパッタ量について説明する。本実施の形態で
は、めっき反応を開始するために必要な触媒核を、スパ
ッタ装置(E−1030)により付着させた。後述す
る、配線装置およびその製造方法に係る発明の実施の形
態でめざす選択的銅堆積法の場合、銅を堆積させない部
分の触媒核は、ポリイミドの下に埋まったまま残留す
る。このため、触媒核の付着量が多い場合、連続膜とな
って配線間のリーク電流経路となると予想される。よっ
て、触媒核付与量は少ないほうがよく、粒子として表面
上に点在している状態を実現するのが望ましい。一方、
触媒核の量が過少であった場合、めっき反応の開始が妨
げられる。この影響は、まず銅が析出しない部分を生じ
させ、ついには析出しなくなるという形で現れる。
【0063】そのため、スパッタ条件を調節することで
ポリイミド上への触媒核(Pt/Pd合金(Pt=80
%、Pd=20%))の付着量を変化させ、銅めっきを
試み、表面全体に銅析出を得ることのできる最小量を調
べた。これにより、最適な触媒核付着量を探った。
【0064】実験を行ったスパッタ量は、膜厚換算値で
75(オングストローム),7.5(オングストロー
ム),0.6(オングストローム),0.3(オングス
トローム)、0.06(オングストローム),0.03
(オングストローム)の6種類である。それぞれのスパ
ッタ量に対応する設定条件を表2にしめす。電極間距離
は、装置の表示から、スパッタ時に使用した台の高さに
よる差異5(mm)を差し引いたものである。
【0065】
【表2】
【0066】実験結果は表3のようになり、75(オン
グストローム)から0.6(オングストローム)までス
パッタ量を減少させても試料全体に銅の析出が得られ
た。さらにスパッタ量を減少させると0.3(オングス
トローム)の試料ははっきりとした未析出部を生じ、
0.06(オングストローム)以下の試料に関しては銅
の析出は生じなかった。
【0067】
【表3】
【0068】つぎに、四探針測定により、シート抵抗を
測定したところ、数値はスパッタ量を減少させるほど微
増し、0.6(オングストローム)の試料は75(オン
グストローム)のものに比べ14.7(%)の増加を示
し、スパッタ量が減少するほど銅の堆積が少なくなる傾
向があった。しかし、この変化は、めっきプロセス毎の
ばらつきの大きさや、スパッタ量の変化に比べ非常に小
さく、スパッタ量を減少させることによる効果のほうが
大きい。
【0069】以上の結果より、本めっきプロセス条件に
最適なPt/Pdスパッタ量は0.6(オングストロー
ム)であると判断した。
【0070】なお、この値は触媒核粒径よりあきらかに
小さいため、触媒核は表面全体を覆うことなく、粒子と
して点在する状態にあると考えられる。このときの粒子
間の平均距離を見積もる。
【0071】ここで図6のように、半径rの粒子を中心
に半径Rの大円を描き、この円が互いに接している場合
を考えたとき、粒子の断面積sと円の面積SについてS
/s=(R/r)2 が成立する。よって、粒子間の距離
はD=2R=2r(S/s) 1/2 となる。
【0072】本実施の形態において、スパッタ量(膜厚
換算)をw(オングストローム)、Pt/Pd粒子半径
をr(オングストローム)とした時、粒子は試料表面の
うちw/2rの面積を占めていると考えることができ
る。よってS/s=2r/wとなる。これを代入するこ
とで、D=2r(2r/w)1/2 と表される。
【0073】ここでw=0.6(オングストローム)で
あり、触媒核の粒径2r=20(オングストローム)と
見積もると、本実施の形態における粒子間距離は、D=
115(オングストローム)と求められる。これはPt
/Pd核の粒径の約5倍であり、粒子が互いに分散して
いる状態を表現している。この結果、スパッタ量は、隣
接する触媒核の粒子間距離が触媒核の粒径よりも大きく
なる範囲となっている。
【0074】つぎに、めっき液における添加剤の有無の
検討結果について説明する。めっきプロセスにおいて
は、めっき液に各種の添加剤を加えることが多い。この
目的として、めっき液の安定化や析出物質の改善が挙げ
られる。本実施の形態においては、無電解銅めっきに広
く使用されている2,2′−ビピリジルを加え、膜質の
改善をねらった。ここで、ビピリジルの添加による効果
として、めっき浴を安定化するとともに析出する銅の平
均粒径を小さくし、堆積する銅を緻密にすることが報告
されている(〔4〕)。
【0075】本実施の形態ではビピリジル添加量を変化
させ、析出銅の膜質への変化を調べた。なお、評価は析
出部の観察のほか、シート抵抗について行った。また、
実験で用いた添加量は8(mg),78(mg)の2種
類である。これはおよそ1(mmol/l),10(m
mol/l)のめっき液中濃度に相当する。さらに、P
t/Pdスパッタ量として、標準値の0.6(オングス
トローム)とともに、0.3(オングストローム)の試
料についても同時に実験を行った。
【0076】60minのめっき後の結果は表4のよう
になった。なお、表中の記号の意味は、○:全体析出
(光沢)、△1 :全体析出(赤茶色)、△2 :一部析
出、×:析出なし、である。
【0077】
【表4】
【0078】添加剤を加えない場合、0.6(オングス
トローム),0.3(オングストローム)サンプルとも
に、ざらついた赤茶色の析出となり、銅は荒い粒子とし
て析出していることが分かる。
【0079】添加剤1(mmol/l)の場合は、スパ
ッタ量0.6(オングストローム)のサンプルにおいて
は光沢のある析出を得ることができ、緻密な析出が生じ
た。一方、スパッタ量0.3(オングストローム)のサ
ンプルにおいてはごく一部の面積についてのみ析出が生
じ、四探針測定に必要な面積の析出を得られなかった。
【0080】さらに、添加剤10(mmol/l)の場
合は、スパッタ量0.6(オングストローム)のサンプ
ルには光沢のある析出を得たものの、スパッタ量0.3
(オングストローム)のサンプルには析出を生じなかっ
た。この結果は、ビピリジルの添加により銅の析出反応
が抑制されることを示している。
【0081】つぎに、四探針抵抗と試料形状による補正
係数よりシート抵抗を算出した。このとき、添加剤のな
い試料は、1(mmol/l)添加したものに比べて明
らかに大きな抵抗値を示した。これは、膜の抵抗率が大
きいことによると言え、添加剤を加えない場合、見た目
に荒い析出であるだけでなく、導体としての膜質も劣る
ことを示している。また、添加剤10(mmol/l)
の試料もシート抵抗が増加したが、これは析出反応が抑
制されて膜厚が減少したこと、過剰なビピリジルが膜内
に含まれ抵抗率を増大させたことが考えられる。これら
の結果より、微量の添加剤はめっき状態を改善させる
が、過多であると逆に悪影響を及ぼすことが分かる。
【0082】つぎに、得られた銅堆積について、めっき
速度、抵抗率を評価した。まず、めっき速度の評価につ
いて説明する。めっき開始後、初期段階においては表面
に付着した触媒核を中心にめっき反応が起こり、銅が析
出する。さらに時間が経過すると、析出した銅の触媒作
用により、堆積反応が継続し、銅層は成長していく。
【0083】一定時間ごとのめっき状態を計測すること
で、膜成長の速度、さらには成長速度の時間依存性を調
べた。計測点は15minごとに90minまで取り、
6枚のスパッタ済み試料を、それぞれ該当する時間に一
枚ずつ取り出して評価することで行った。
【0084】各めっき時間の試料の膜厚をSEM断面像
により測定したところ、図7のようになった。この結果
より、膜の成長速度はほぼ一定と言ってよい。これは一
定速度で堆積反応が継続していることを示している。平
均の成長速度を計算したところ、1.51(μm/ho
ur)と求められた。
【0085】つぎに、抵抗率の評価について説明する。
めっき時間の影響について調べた試料について、シート
抵抗値を計算したところ、図8のようになった。この抵
抗値と膜厚より、膜の抵抗率を計算したところ、図9の
ように表された。ここで、算出された抵抗率は2.08
(μΩcm)から2.48(μΩcm)の範囲に分布す
るが、これは主に誤差(測定点の表面状態、抵抗値や補
正係数に含まれる読み取り誤差)によるばらつきと考え
られ、本質的な変化ではない。そのため、本実験におい
て膜の抵抗率はほぼ一定であると見なすことができる。
【0086】この結果より、平均の抵抗率を計算する
と、ρ=2.30(μΩcm)と求められた。なお、バ
ルクのCu,Alの抵抗率は、20(℃)においてそれ
ぞれρ Cu=1.7(μΩcm)、ρAl=2.7(μΩc
m)である。
【0087】これにより、堆積した銅の抵抗率はバルク
値よりも大きいものの、バルクAlよりも小さいことが
分かる。これにより本プロセスにより、Al配線よりも
抵抗率の低い配線が実現できることが示された。
【0088】つぎに、無電解めっき銅についてのX線回
折結果について説明する。標準プロセスにより堆積した
無電解めっき銅について、XRD装置によりX線解析を
行い、得られた析出の面方位を評価した。得られた結果
は、図10のようになった。これにより、堆積した銅は
主に(111)構造であり、一部(200)や(22
0)構造が含まれることが分かる(〔3〕)。
【0089】つぎに、絶縁膜に対する銅層の接着性につ
いて説明する。一般に、金属は絶縁膜との接着性が悪い
ことが知られており、ポリイミド/銅間の接着力が弱い
ことが懸念されている。本実験において、めっき時間7
5(min),90(min)の試料において、堆積し
た銅が下地ポリイミドより浮き上がっている部分が見ら
れた。このことから、銅の膜厚が約2(μm)よりも厚
くなると、絶縁膜との間に発生する応力にくらべて接着
性が不足し、はがれを生じ易くなることが分かった。し
かし、通常必要とされる膜厚1(μm)程度ならば影響
がないレベルと言える。
【0090】以上のことから、本実施の形態によれば、
本実験で用いた標準プロセスにより、絶縁膜上に金属膜
を無電解めっきすることができた。絶縁膜表面全体に、
光沢のある緻密な金属膜を均一に析出させることができ
た。スパッタ法で付着させたPt/Pd触媒核量は膜厚
換算0.6(オングストローム)まで下げても均一な銅
めっきを実現できた。この付着量は、試料表面にPt/
Pd核が分散して存在している状態であり、連続膜を形
成していないと予想されるので、絶縁膜に埋め込んでも
リーク電流経路をつくらないと考えられる。また、ビピ
リジル1(mmol/l)の添加により、膜質改善を実
現した。これらの結果より、標準めっきプロセス条件の
妥当性を確認した。
【0091】つぎに、配線装置およびその製造方法に係
る発明の実施の形態について説明する。本実施の形態で
は、一部のみ触媒核を露出させたポリイミド上に無電解
銅めっきを試み、選択的析出を試みた。なお、無電解め
っきプロセスは、上述の無電解めっき方法に係る実施の
形態のめっき実験の場合と同一である。
【0092】つぎに、試料の作成について説明する。本
実施の形態のめっき実験には、図11のように、Si基
板に一層のポリイミドを形成し、表面に触媒核を付着さ
せ、再びもう一層のポリイミド層を形成した試料を使用
した。ここで上部のポリイミド層はフォトリソグラフィ
法によりパターニングを施してあり、一部面積において
下部ポリイミド層が現れ、触媒核が露出している。一
方、その他の部分は触媒核は上部ポリイミドの下に埋も
れ、表面に露出していない。
【0093】ここで、ポリイミド層の形成方法について
説明する。本実施の形態で使用したポリイミドは、感光
性ポリイミドワニスPL−5035(HDマイクロシス
テム社製)である。PL−5035は特性の劣化を防ぐ
ため冷凍庫内において保管し、使用する15分ほど前に
容器ごと取り出して室温にもどす。また、感光性をもつ
ため、容器は遮光性のある褐色瓶を用い、必ず黄色光下
で取り扱う。本実施の形態では、スピンコート後ポスト
ベークまでの工程を、すべて露光室内で行った。
【0094】具体的な作製工程は図12に示すとおりで
ある。なお、下部ポリイミドの形成時においては、パタ
ーニングを行う必要がないため、プレベーク後、露光と
現像、リンスの過程を省略してポストベーク工程に移っ
た。上述の無電解めっき方法に係る実施の形態のめっき
実験の場合もこれと同様に行った。
【0095】図12において、スピンコートの工程で
は、PL−5035をスポイトで試料上に適宜滴下し、
スピナーによって試料全面にスピンコートする。なお、
スピンコートする試料は、円形ウエハをそのままカット
せず使用した。これは、カット後の試料にスピンコート
を行うと、ポリイミドワニスの粘性により、エッジ部に
膜厚が厚い部分が生じてしまうためである。そのため、
実際の実験では、円形のままポリイミド層の形成とスパ
ッタを行い、その後必要に応じてカットしてめっきを行
った。使用したスピンコートの条件は、500rpm*
5sec+4000rpm*25secとした。この条
件により、ポストベーク後において約6(μm)のポリ
イミド膜が得られた。
【0096】プレベークの工程では、スピンコート後の
試料を、95℃のホットプレート上で5min間加熱す
る。これにより、ポリイミドワニスに含まれている溶媒
を蒸発させる効果がある。
【0097】露光の工程では、プレベーク後、クロムマ
スクを重ねて露光機で露光する。PL−5035はネガ
型の感光性を持つため、露光部は現像液に難溶となる。
そのため、マスク上の遮光部が凹部となる。本実施の形
態においては、フォトレジスト露光用のマスクアライナ
装置を使用し、露光時間は4secとした。
【0098】現像、リンスの工程では、露光した試料は
ただちに現像液に浸け、未露光部を除去する。その後リ
ンス液により現像液を洗い流す。現像液、リンス液はそ
れぞれ、PL−Developer−2N,IPAを使
用した。前者はメタノールを30%含む有機溶媒であ
る。
【0099】実際の工程においては、現像1minのの
ちリンス15sec、その後エアガンでいったん乾燥
後、再び現像30sec、リンス15secを行った。
これにより、一回目の現像作業後に見られた黄白色の析
出(ポリイミド残滓であると考えられる)は消えた。
【0100】ポストベークの工程では、現像によりパタ
ーン形状を作製した試料をホットプレートで再びベーク
する。このとき反応が起こり、形成したポリイミド層は
安定な絶縁膜になる。まず200℃において30min
加熱ののち、5minごとに25℃ずつホップレートの
設定温度を上昇させ、320℃に到達させる。そののち
320℃加熱を続け、合計120minのベークを行
う。通常のフォトレジストに比べ、高温かつ長時間のベ
ークをおこなっている。そのため、完成したポリイミド
は強固な層間絶縁膜となる。このような工程によって作
製したポリイミド層は、やや茶色みがかった透明膜とな
り、複雑な干渉縞が確認できる。
【0101】本実施の形態における試料としては、幅1
00(μm)の短冊状パターンが間隔50(μm)で並
ぶマスクを使用した。また、このほかに、短冊状パター
ンの間隔が100(μm)のものと、200(μm)の
ものを使用した。これにより、短冊状の溝を持つポリイ
ミドパターンが形成できる。なお、図13で示すよう
に、パターニング試料には、パターンのエッジに10
(μm)程度の傾斜部が生じており、得られるパターン
の寸法は、マスク寸法よりやや大きい。これは使用した
現像プロセスによるものと考えられるが、本実施の形態
では深く扱わなかった。また、現像残りがあることを考
え、めっき前に酸素プラズマ処理を行った。なお、プラ
ズマ処理の条件は、プラズマ電力500(W)、圧力
0.5(Torr)で共通である。
【0102】上述のようなパターニング済み試料を使用
して、標準めっきプロセス(表1)によりめっきを試み
た。パターンの間隔が50(μm)の試料を用いて、プ
ラズマ処理時間を変化させたものについて析出の有無を
調べたところ、その結果は表5のようになった。なお、
この表5における「選択的析出」は一見してパターン集
合の形状に沿って堆積が生じているか否かで分類した。
そのため、実際には後述のように、接近するパターン間
に短絡を生じている場合も含む。
【0103】
【表5】
【0104】プラズマ処理を行わない試料については、
選択性に劣るものの析出を生じた。これにより、上部ポ
リイミドパターニング時の現像が十分に行われ、O2
ラズマ処理をしない場合でもパターン溝部(選択析出す
るべき部分)の触媒核が露出していることが確認され
た。さらに、プラズマ処理時間10sec,30sec
の試料については、ある程度の選択的析出が見られた。
しかし、処理1minの試料ははみ出しを生じ、処理2
min以上の試料には析出が生じなかった。
【0105】プラズマ処理なしの試料におけるはみだし
は、パターニング時の現像リンス過程において触媒核が
付着し、それを中心に銅が析出したことが理由と考えら
れる。また、プラズマ処理1minの試料については、
プラズマ処理において、触媒核付着部のポリイミドが削
られる時、触媒核の一部が周囲に飛散したことが考えら
れる。
【0106】また、処理時間2min以上で析出が生じ
なかった理由として、過度の酸素プラズマ処理によって
触媒核が酸化され、触媒能力が不十分になったこと、ま
たポリイミドのエッチングとともに触媒核部分が除去さ
れてしまったことが挙げられる。
【0107】この結果より、本実施の形態で提案する方
法により、選択的銅析出が可能であることが示された。
ただし、つぎのように、微細部分における鮮明な選択性
を得るには問題を残している。
【0108】プラズマ処理時間10sec,30sec
の、一応選択性を示している試料について、光学顕微鏡
による表面の観察を行ったところ、それぞれの試料につ
いて、隣接パターン間(間隔50(μm))にまたがっ
た析出を生じていることが観察された。
【0109】前述の2パターンの試料(プラズマ処理1
0sec,30sec)について、さらにパターン間の
短絡の程度を比較したところ、プラズマ処理時間が短い
試料ほど、隣接パターン間における短絡部分の割合が多
かった。これは、スパッタにより強く下部ポリイミドに
付着した触媒核は今回行った程度のプラズマ処理では除
去されなかったのに対し、プロセス中に上部ポリイミド
表面にたまたま付着していた少量の触媒核が、短時間の
酸素プラズマ処理により除去あるいは不活性化されたこ
とが原因と考えられる。
【0110】また、SEMにより撮影したものを検討し
た結果、隣接パターンの間隔が100μmでプラズマ処
理時間が10secのもの、および隣接パターンの間隔
が100μmでプラズマ処理時間が30secのもの
は、両方とも上部ポリイミド上への銅の析出が確認され
た。一方、隣接パターンの間隔が200μmでプラズマ
処理時間が10secのもの、および隣接パターンの間
隔が200μmでプラズマ処理時間が30secのもの
は、両方とも上部ポリイミド上への析出はなく、クリア
な選択性を示していることが分かった。これは、パター
ン間隔が200(μm)以上のオーダーに対しては、選
択性が十分であることを示している。
【0111】本実施の形態の実験により、提案した方法
で選択的銅堆積が可能であるが、100(μm)以下の
狭いパターンにおいては、パターン間の短絡が生じるが
明らかになった。この原因としては、めっきプロセス自
体の限界と考える他、一連のプロセス中に触媒核が析出
不要部(上部ポリイミド表面)に付着したことが考えら
れる。本実施の形態で用いためっきプロセスにおいて
は、微量付着の触媒核を中心に反応が開始するため、プ
ロセス中にごく微量付着した触媒核によっても析出が生
じてしまう。そこで、不要部に付着した触媒核のみを除
去することをめざし、以下のような実験を行った。
【0112】ここでは、めっき液の空気かくはんについ
て検討した。本実施の形態で用いた標準めっきプロセス
は、15minごとに1minの空気吹き込みを行って
いる。ここで空気かくはんにより、試料付近の溶液が流
動し、試料表面の触媒核の一部を流し去ることが予想さ
れる。これにより不要部分に付着する触媒核を除去し、
選択性向上が期待できる。同時に、空気かくはんにより
溶存酸素濃度が増大することで一部の触媒核が酸化さ
れ、めっき析出を抑制する効果があるため、これにより
析出不要部分での反応開始が防止できることが期待でき
る。
【0113】本実施の形態では、空気かくはんの度合い
と選択性の関係を探った。隣接パターンの間隔が50μ
mの試料について、めっき開始後、空気かくはんを始め
るまでの時間Tを変化させ、得られた析出の選択性を調
べた。なお、評価する試料はめっき前に酸素プラズマ処
理30(sec)を施したものを使用した。
【0114】空気かくはんを常時行ったところ(T=0
に相当する)、選択性が改善した。しかし同時にパター
ン溝部への析出が不十分となることが明らかとなった。
この対策として、めっき開始後一定時間経過してから空
気かくはんを開始することを考えた。これによりパター
ン溝部の銅成長を妨げることなく、不要部分における銅
の成長を防ぐことをねらった。
【0115】実験の結果、かくはん開始時間Tが大きい
ものほどパターン溝への埋め込みが良好になるが、同時
にパターン間のオーバーラップが生じ易くなるという結
果を得た。ここで、許容できる程度か否かで分類したも
のを表6に示す。なお、表中の記号の意味は以下の通り
である。
【0116】「埋め込み」の欄においては、○:パター
ン溝内全体に表面が均一な析出、△:パターン溝部のほ
ぼ全体へ析出、パターンの端部は析出膜がやや薄いが実
用上は問題なし、×:全く析出しないパターン溝が多く
見られる、である。「選択性」の欄においては、○:隣
接パターン間においてオーバーラップがない、△:隣接
パターン間にオーバーラップが目立つ、である。
【0117】
【表6】
【0118】これにより、本実験においてはT=2また
は5(min)の場合において、埋め込み性と選択性に
ついて良好な銅析出を実現できた。
【0119】かくはん開始時間T=1,5(min)の
それぞれについてSEMにより表面像を観察した。T=
1(min)の試料はパターン溝部への埋め込み性に支
障を来していることが分かった。一方、T=5(mi
n)の試料は埋め込み性、選択性どちらも良好なレベル
であった。間欠的空気かくはんを行った試料に比べ、選
択性が改善していることが分かった。
【0120】これらの結果から、めっきプロセスにおい
て、めっき開始後一定時間経過後、持続して空気かくは
んを行うことにより、選択性を向上させることが分かっ
た。これは析出不要部の、少量かつ弱く付着している触
媒核だけを除去、または不活性化したためと考えられ
る。ただし、空気かくはんの開始が早すぎる場合、パタ
ーン溝部への析出を妨げることも示された。これはパタ
ーン溝における析出が成長する前に空気かくはんが始ま
り、以降めっき反応が進展しなくなってしまったためと
考えられる。
【0121】つぎに、パターン間のリーク電流について
検討した結果を説明する。本実施の形態のプロセスは、
ポリイミド表面に触媒核を付着させているため、パター
ン間にリークパスを生じ、絶縁性に影響を生じているこ
とが懸念される。これによりるリーク電流が実用上問題
を生じるレベルであるか否かを調べるため、試料各部の
電流−電圧特性を測定した。ここで、正確には電極間に
は数多くの電流経路(近隣電極を迂回する経路など)が
考えられ、さらに測定誤差の影響により、正確なリーク
電流の計算は非常に困難である。一方、ここでの目的は
リーク電流が実用上問題ない程度であるか探ることにあ
るため、単純なモデルと適宜近似を用いて計算を行い、
電流を見積もった。
【0122】図14のような、パターン溝部に銅を堆積
したものを電極とし、電極1−裏面,電極2−裏面、電
極2−電極1間の電流i1 ,i2 ,iall −電圧V特性
を測定した。使用した試料は、パターニング後そのまま
標準めっきプロセスを行ったものを使用し、正しく選択
析出している部分を使用した。
【0123】なお、印加電圧の基準は裏面(i1 ,i2
測定時)、電極1(iall 測定時)にとった。また、電
極間測定の場合の電流の方向を考慮し、i1 の数値は他
と逆方向の電圧印加により測定した。さらに、電極2−
電極1間の電流測定時は、試料をガラス板上に載せるこ
とで、試料裏面から下部電極へと電流が流れることを防
いだ。
【0124】結果は図15のようになった。この結果よ
り、電極1直下の絶縁膜(リーク電流i1 に対応)にく
らべ、電極2直下の絶縁膜(リーク電流i2 )は絶縁性
が劣ることがわかる。なお、印加電圧の正負について測
定された電流が非対称であるため、両方向の電圧につい
てそれぞれ計算する。
【0125】正方向電圧の場合について考える。i1
2 の大きさを比較すると、電極2直下のポリイミド部
分のコンダクタンスは、電極1直下のものに比べ、印加
電圧100(V)においておよそ約120倍であること
がわかる。よって、電極間測定において印加した電圧の
うち、電極1直下のポリイミドには約120/(120
+1)の電圧が印加されることになる。
【0126】つぎに、得られた電流電圧特性について、
横軸を電極下ポリイミドにかかる電界強度に取り直し、
さらにiall 付近を拡大すると、図16のように表され
た。なお、電極間測定の電界強度は、電極1下の部分に
ついて、印加電圧のうち、先に求めた分担分120/1
21が印加されるものとして計算した。また、ポリイミ
ド膜厚はSEM断面像より6(μm)であった。この結
果より、印加電圧100(V)における電極間リーク電
流iall =4*10-13 (A)と求められた。
【0127】ここで、改めて図16を見ると、iall
2 よりもわずかに小さい数値となっている。これはi
all がibypass=i2 (電極1直下へ流れ、Si基板表
面を迂回して電極2へ流れ込む)に本来のリーク電極i
L (触媒核存在領域を流れる)が加わったものと仮定す
ると矛盾を生じている。このような結果となった原因を
考察すると、i1 ,i2 測定時に想定した経路以外への
リーク電流が流れたことが考えられる。このような想定
外のリーク電流は今回のように測定する電流が小さい場
合、装置上影響が避けられない。ただし、今回のように
電流オーダーを見積もることには問題がない。以下で用
いる仮定は各部の電流を実際よりも多く見積もってい
る。
【0128】つぎに、絶縁膜の評価結果について説明す
る。電極下の絶縁膜の抵抗率を求める。なお、前述のよ
うに電流値i1 ,i2 には測定系による誤差が含まれて
いる。しかし、ここでは理想化してすべての電流が該当
部分を流れるものとして計算を行う。そのため実際の抵
抗率は求めた値よりも大きい(絶縁性が良い)ことが予
想される。
【0129】印加電圧100(V)の点において(図1
5)、電極面積から電極1,2下部のポリイミドの抵抗
率を計算すると、それぞれρ1 =5*1015(Ωc
m),ρ 2 =5*1013(Ωcm)と求められ、ポリイ
ミドはプロセス後もある程度の絶縁性を保っていると言
える。
【0130】一方、電極間電流iall がすべて触媒核存
在部を横方向に流れると仮定すると、横方向の電界か
ら、ポリイミド横方向のシート抵抗のオーダーを求める
と、R L =1*1015〜2*1015(Ω/□)となる。
実際には、すべての電流iallが該当部分を流れている
わけではなく、実際にはシート抵抗はこれよりも大きい
値であると考えられる。また、このデータは周囲の電極
を経由する電流経路を考えていないが、この影響は無視
できる。
【0131】同様に、印加電圧−100(V)の場合に
ついて計算を行ったところ、それぞれiall =3*10
-13 (A),ρ1 =5*1015(Ωcm),ρ2 =4*
10 11(Ωcm)、さらに横方向シート抵抗RL =1*
1015〜2*1015(Ω/□)となった。
【0132】これらの数値は正電圧印加の場合と若干の
差異を生じているが、どちらの場合に関しても絶縁性に
問題の生じるようなオーダーには達していない。また、
別途にめっき堆積を行った試料についても同様の測定を
行い、リーク電流の大きさを見積もったが、いずれも膜
厚方向のリーク電流(i1 ,i2 に対応)以下のオーダ
ーにとどまった。
【0133】これにより、本プロセスはポリイミドの横
方向の絶縁性に若干の影響を及ぼしているものの、リー
ク電流の大きさを多く見積もったとしても実用上影響な
いオーダーであることが確認された。
【0134】以上のことから、本実施の形態で提案した
プロセスにより、スパッタ後にポリイミドをパターニン
グした試料について、無電解銅めっき法による銅の選択
的堆積が可能であることが示された(図1参照)。この
方法は、エッチングや研磨を必要せずに銅パターンを形
成できる。したがって、工程が簡潔となる。この方法を
適応できる最小パターンサイズは、隣接する配線の間隔
が50(μm)まで可能となった。
【0135】めっき直前に酸素プラズマ処理を10〜3
0sec行うことで選択析出性の改善が見られた。めっ
き開始後一定時間経過してから空気かくはんを連続して
行うことによって選択性の改善が見られた。本実験で
は、めっき開始後2(min)から空気かくはんを行う
ことで埋め込み性、選択性を両立する析出が得られた。
本プロセスによって堆積した銅を電極とし、電極間のリ
ーク電流を見積もった。その結果、本プロセスによりポ
リイミドの絶縁性は実用上問題ないレベルであった。
【0136】ここで、さらなるプロセスの改善により、
より狭いパターンにおいて確実に選択析出を得ることが
できれば、配線幅が数μmオーダーであるMMIC(マ
イクロ波モノリシック集積回路)への応用が可能とな
り、例えばインダクタの低損失化が実現できる。また、
今回使用したプロセスは、めっき液の変更により、A
g,Auなど貴金属のめっきプロセスに適応可能であ
る。この場合、不要な析出がないという点で非常に有効
な方法である。
【0137】なお、上述の実施の形態では、隣接するパ
ターンの間隔が50μmまでは、上部ポリイミドに銅の
析出がなかったことが確認された。さらに、隣接するパ
ターンの間隔が50μ未満ものでもCMP法などの研磨
を施すことにより上部ポリイミドに析出した金属を除去
することができる。このように研磨を施せば、隣接する
パターン間隔が0.2μmのように狭いものでも確実な
選択性を得ることができる。
【0138】また、上述のように、ポリイミドのポスト
ベーク時には酸が発生する。そのため、今回用いた銅堆
積法を多層配線に応用する場合、そのままでは新たなポ
リイミド層形成時に既存の銅が酸化してしまうことが懸
念されている。この対策としては、図17に示すよう
に、銅堆積後にAuなどのバリア層を薄く堆積すること
が挙げられる。ここでAuはめっき触媒として働くた
め、新たPt/Pdスパッタをせずにビア(Via)配
線部のめっき堆積を行うことができる。
【0139】また、上述の実施の形態では、金属膜とし
て銅を使用したが、これに限定されるわけではない。金
属膜としては、銅、金、銀、パラジウム、白金、ニッケ
ル、コバルト、スズのうちいずれか1種類、またはこれ
らのうちの2種類以上の組み合わせからなる合金、並び
にその他の金属であって通常無電解めっきに用いること
ができる金属を採用することができる。
【0140】また、上述の実施の形態では、触媒核とし
て白金とパラジウムとの合金を使用したが、これに限定
されるわけではない。触媒核としては、金、白金、パラ
ジウムの単体金属、または白金とパラジウムとの合金を
採用することができる。
【0141】また、上述の実施の形態では、めっき液
は、銅イオン源として硫酸銅を、還元剤としてホルムア
ルデヒドを、塩基としてテトラエチルアンモニウムヒド
ロキシドを成分とするものを用いたが、これに限定され
るわけではない。めっき液としては、無電解めっきに通
常使用することができるものであって、被加工物(基
板)の表面を浸食しないものであれば採用することがで
きる。
【0142】また、上述の実施の形態では、被加工物
(基板)の表面として、ポリイミドを使用したが、これ
に限定されるわけではない。被加工物(基板)の表面と
しては、ポリイミドなどのプラスチック、または酸化シ
リコン、窒化シリコンなどの無機化合物その他の無電解
めっきに通常使用できる材料を採用することができる。
【0143】また、上述の実施の形態ではパターンニン
グ用の絶縁膜として、感光性のポリイミドを使用した例
について説明したが、これに限定されるわけではない。
パターンニング用の絶縁膜としては、感光性を有し、か
つ絶縁性を有するものであれば、通常使用されるこのほ
かの材料を採用することができる。
【0144】また、本発明は上述の実施の形態に限らず
本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採
り得ることはもちろんである。
【0145】参考文献 〔1〕電気鍍金研究会編:“めっき教本”、第5章、日
刊工業新聞社(1992) 〔2〕Pei-Lin Pai,Chiu H.Ting,Chien Chiang,Chin-Sh
in Wei and David B.Fraser."Copper interconnection
for VISI and beyond",Mat.Res.Soc.Symp.Proc.VLSI V.
P.359-367(1990) 〔3〕縄舟秀美、中尾誠一郎、水元省三、村上義樹、橋
本伸:“中性無電解銅めっきによるULSI銅配線の形
成”表面技術,50,4,P374−377(199
9) 〔4〕渡辺恭一、松田直樹、仁科辰夫、末永智一、内田
勇:“In Situ XRD 測定法による銅の無電解析出過程の
検討”表面技術,43,5,P451−455(199
2)
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。
スパッタ法により被加工物に触媒核を付着させた後に、
無電解めっきをすることにより、被加工物上に金属膜を
形成することができる。フォトリソグラフィ法により絶
縁膜にパターニングを施し、絶縁膜の一部を除去して溝
を形成し触媒核を露出させるので、エッチングや研磨を
必要しない簡潔な工程により、無電解銅めっき法による
銅の選択的堆積ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】配線装置に係る発明の実施の形態の一例を示す
斜視図である。
【図2】無電解めっきの選択性をモデル的に示す図であ
る。
【図3】配線装置の製造方法に係る実施の形態におい
て、提案する銅堆積法を示す図である。
【図4】めっき液の温度コントロールに用いる、制御装
置の回路の配線を示す図である。
【図5】配線装置の製造方法に係る実施の形態で用い
る、めっき液加熱装置を示す図である。
【図6】触媒核の粒子間距離の見積もりに用いる、触媒
核の分散状態をモデル的に示す図である。
【図7】めっき時間と膜厚の関係を示す図である。
【図8】めっき時間とシート抵抗の関係を示す図であ
る。
【図9】めっき時間と抵抗率の関係を示す図である。
【図10】標準プロレスにより得られた、銅析出物のX
線分析結果を示す図である。
【図11】配線装置の製造方法の実施の形態においる、
使用した試料の構造を示す図である。
【図12】基板の上に設ける、ポリイミド層の形成工程
を示す図である。
【図13】マスクパターンと実際のパターンとのパター
ンサイズの関係を示す図である。
【図14】電極間のリーク電流を評価するのに用いる、
モデル的な電流の経路を示す図である。
【図15】リーク電流を評価するために計測した、印加
電圧Vと電流Iの関係を示す図である。
【図16】リーク電流を評価するために計測した、電界
強度Eと電流Iの関係を示す図である。
【図17】本実施の形態に係る、配線装置の製造方法を
多層配線へ応用したときの状態を示す図である。
【符号の説明】
1‥‥基板、2‥‥触媒核、3‥‥絶縁膜、4‥‥金属
膜、5‥‥配線装置、6‥‥被加工物、7‥‥ポリイミ
ド、8‥‥ステンレス容器、9‥‥ヒーター、10‥‥
熱電対、11,12‥‥純水、13‥‥めっき液、14
‥‥Si基板、15‥‥上部ポリイミド、16‥‥下部
ポリイミド、17‥‥マスクパターン、18‥‥実際の
パターン、19‥‥エッジ傾斜部、20‥‥裏面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/88 B Fターム(参考) 4K022 AA01 AA13 AA15 AA41 BA01 BA03 BA06 BA08 BA14 BA18 BA21 BA31 BA32 BA35 CA06 CA08 CA21 4K029 AA11 BA01 BA05 BA13 BC00 BD02 CA05 GA03 4M104 BB04 BB05 BB06 BB07 BB08 BB09 DD37 DD53 5F033 HH07 HH11 HH13 HH14 HH15 MM01 PP15 PP28 QQ00 QQ48 RR04 RR06 RR22 RR27 WW01

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程を含む無電解めっき方法。 (イ)スパッタ法により、被加工物に触媒核を付着させ
    る第1の工程。 (ロ)無電解めっきにより、上記触媒核が付着された上
    記被加工物に金属膜を形成する第2の工程。
  2. 【請求項2】 以下のことを条件とする請求項1記載の
    無電解めっき方法。 (イ)金属膜は、銅、金、銀、パラジウム、白金、ニッ
    ケル、コバルト、スズのうちいずれか1種類、またはこ
    れらのうちの2種類以上の組み合わせからなる。
  3. 【請求項3】 以下のことを条件とする請求項1記載の
    無電解めっき方法。 (イ)金属膜は銅からなる。
  4. 【請求項4】 以下のことを条件とする請求項1、2、
    または3記載の無電解めっき方法。 (イ)触媒核は、金、白金、パラジウムの単体金属、ま
    たは白金とパラジウムとの合金からなる。
  5. 【請求項5】 以下のことを条件とする請求項1、2、
    または3記載の無電解めっき方法。 (イ)触媒核は、白金とパラジウムとの合金からなる。
  6. 【請求項6】 以下のことを条件とする請求項1、2、
    3、4、または5記載の無電解めっき方法。 (イ)スパッタ量は、隣接する触媒核の粒子間距離が触
    媒核の粒径よりも大きくなる範囲とする。
  7. 【請求項7】 以下のことを条件とする請求項1、2、
    3、4、5、または6記載の無電解めっき方法。 (イ)被加工物の表面は、プラスチックまたは無機化合
    物からなる。
  8. 【請求項8】 以下のことを条件とする請求項1、2、
    3、4、5、または6記載の無電解めっき方法。 (イ)被加工物の表面は、ポリイミドからなる。
  9. 【請求項9】 以下のものを含む配線装置。 (イ)基板。 (ロ)上記基板表面に付着する触媒核。 (ハ)上記触媒核が付着した基板上に形成された配線。 (ニ)上記触媒核が付着した基板上のうち、上記配線が
    形成された領域以外の領域に形成された絶縁膜。
  10. 【請求項10】 以下のことを条件とする請求項9記載
    の配線装置。 (イ)配線は、銅、金、銀、パラジウム、白金、ニッケ
    ル、コバルト、スズのうちいずれか1種類、またはこれ
    らのうちの2種類以上の組み合わせからなる。
  11. 【請求項11】 以下のことを条件とする請求項9記載
    の配線装置。 (イ)配線は銅からなる。
  12. 【請求項12】 以下のことを条件とする請求項9、1
    0、または11記載の配線装置。 (イ)触媒核は、金、白金、パラジウムの単体金属、ま
    たは白金とパラジウムとの合金からなる。
  13. 【請求項13】 以下のことを条件とする請求項9、1
    0、または11記載の配線装置。 (イ)触媒核は、白金とパラジウムとの合金からなる。
  14. 【請求項14】 以下のことを条件とする請求項9、1
    0、11、12、または13記載の配線装置。 (イ)触媒核の量は、隣接する触媒核の粒子間距離が触
    媒核の粒径よりも大きくなる範囲とする。
  15. 【請求項15】 以下のことを条件とする請求項9、1
    0、11、12、13、または14記載の配線装置。 (イ)基板の表面は、プラスチックまたは無機化合物か
    らなる。
  16. 【請求項16】 以下のことを条件とする請求項9、1
    0、11、12、13、または14記載の配線装置。 (イ)基板の表面は、ポリイミドからなる。
  17. 【請求項17】 以下の工程を含む配線装置の製造方
    法。 (イ)スパッタ法により、基板に触媒核を付着させる第
    1の工程。 (ロ)上記基板上に絶縁膜を形成する第2の工程。 (ハ)フォトリソグラフィ法により上記絶縁膜にパター
    ニングを施し、上記絶縁膜の一部を除去して溝を形成し
    上記触媒核を露出させる第3の工程。 (ニ)無電解めっきにより、上記触媒核が露出した上記
    溝に金属膜を形成する第4の工程。
  18. 【請求項18】 以下のことを条件とする請求項17記
    載の配線装置の製造方法。 (イ)金属膜は、銅、金、銀、パラジウム、白金、ニッ
    ケル、コバルト、スズのうちいずれか1種類、またはこ
    れらのうちの2種類以上の組み合わせからなる。
  19. 【請求項19】 以下のことを条件とする請求項17記
    載の配線装置の製造方法。 (イ)金属膜は銅からなる。
  20. 【請求項20】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、または19記載の配線装置の製造方法。 (イ)触媒核は、金、白金、パラジウムの単体金属、ま
    たは白金とパラジウムとの合金からなる。
  21. 【請求項21】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、または19記載の配線装置の製造方法。 (イ)触媒核は、白金とパラジウムとの合金からなる。
  22. 【請求項22】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、または21記載の配線装置の製造方
    法。 (イ)スパッタ量は、隣接する触媒核の粒子間距離が触
    媒核の粒径よりも大きくなる範囲とする。
  23. 【請求項23】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、または22記載の配線装置の
    製造方法。 (イ)第3の工程の後に、プラズマ処理をする。
  24. 【請求項24】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、22、または23記載の配線
    装置の製造方法。 (イ)第4の工程においては、めっき液に間欠的に空気
    を吹き込み、めっき液をかくはんする。
  25. 【請求項25】 以下のことを条件とする請求項24記
    載の配線装置の製造方法。 (イ)隣接する溝の間隔が200μm以上である。
  26. 【請求項26】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、22、または23記載の配線
    装置の製造方法。 (イ)第4の工程においては、めっき液に一定時間経過
    後から空気を吹き込み、めっき液をかくはんする。
  27. 【請求項27】 以下のことを条件とする請求項26記
    載の配線装置の製造方法。 (イ)隣接する溝の間隔が50μm以上である。
  28. 【請求項28】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、22、または23記載の配線
    装置の製造方法。 (イ)第4の工程の後に、研磨により溝以外の領域の金
    属を除去する。
  29. 【請求項29】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、22、23、24、25、2
    6、27、または28記載の配線装置の製造方法。 (イ)基板の表面は、プラスチックまたは無機化合物か
    らなる。
  30. 【請求項30】 以下のことを条件とする請求項17、
    18、19、20、21、22、23、24、25、2
    6、27、または28記載の配線装置の製造方法。 (イ)基板の表面は、ポリイミドからなる。
JP2000161666A 2000-05-31 2000-05-31 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法 Pending JP2001335952A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000161666A JP2001335952A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000161666A JP2001335952A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001335952A true JP2001335952A (ja) 2001-12-07

Family

ID=18665660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000161666A Pending JP2001335952A (ja) 2000-05-31 2000-05-31 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001335952A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004323885A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Shinko Electric Ind Co Ltd 無電解めっき方法
JP2006513325A (ja) * 2003-01-23 2006-04-20 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド 触媒を用いた無電解めっきによりパターン化された絶縁体上に金属層を形成する方法
JP2006318943A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Fujikura Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2010513721A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 基材上で付着金属をパターン化する方法
US8764996B2 (en) 2006-10-18 2014-07-01 3M Innovative Properties Company Methods of patterning a material on polymeric substrates
WO2016133489A1 (en) * 2015-02-16 2016-08-25 Intel Corporation Microelectronic build-up layers and methods of forming the same
CN106663615A (zh) * 2014-08-28 2017-05-10 三菱电机株式会社 半导体装置的制造方法、半导体装置
WO2018079056A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
WO2018079055A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
JP2021528572A (ja) * 2018-06-21 2021-10-21 アヴェラテック・コーポレイションAveratek Corporation 無電解金属のパターニング

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513325A (ja) * 2003-01-23 2006-04-20 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド 触媒を用いた無電解めっきによりパターン化された絶縁体上に金属層を形成する方法
JP2004323885A (ja) * 2003-04-23 2004-11-18 Shinko Electric Ind Co Ltd 無電解めっき方法
JP2006318943A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Fujikura Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP4731984B2 (ja) * 2005-05-10 2011-07-27 株式会社フジクラ 半導体装置およびその製造方法
US8764996B2 (en) 2006-10-18 2014-07-01 3M Innovative Properties Company Methods of patterning a material on polymeric substrates
JP2010513721A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 基材上で付着金属をパターン化する方法
JP2014132123A (ja) * 2006-12-20 2014-07-17 3M Innovative Properties Co 基材上で付着金属をパターン化する方法
CN106663615A (zh) * 2014-08-28 2017-05-10 三菱电机株式会社 半导体装置的制造方法、半导体装置
CN106663615B (zh) * 2014-08-28 2019-08-27 三菱电机株式会社 半导体装置的制造方法、半导体装置
WO2016133489A1 (en) * 2015-02-16 2016-08-25 Intel Corporation Microelectronic build-up layers and methods of forming the same
WO2018079056A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
WO2018079055A1 (ja) * 2016-10-27 2018-05-03 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
JPWO2018079056A1 (ja) * 2016-10-27 2019-09-12 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
JPWO2018079055A1 (ja) * 2016-10-27 2019-09-12 東京エレクトロン株式会社 めっき処理方法、めっき処理装置及び記憶媒体
US10784111B2 (en) 2016-10-27 2020-09-22 Tokyo Electron Limited Plating method, plating apparatus and recording medium
US11230767B2 (en) 2016-10-27 2022-01-25 Tokyo Electron Limited Plating method, plating apparatus and recording medium
JP2021528572A (ja) * 2018-06-21 2021-10-21 アヴェラテック・コーポレイションAveratek Corporation 無電解金属のパターニング

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Shacham-Diamand et al. Electroless copper deposition for ULSI
US7465358B2 (en) Measurement techniques for controlling aspects of a electroless deposition process
EP2749672B1 (en) Tin electroplating liquid
JP5203602B2 (ja) 銅でないメッキ可能層の上への銅の直接電気メッキのための方法
JP2001514334A (ja) チタン含有面上の無電解銅めっき
JP2000502211A (ja) ウェハ製造のためにチタン・タングステン合金類に対して無電解プレーティングを選択的にイニシエートするパラジウム浸漬デポジションの使用
Gambino et al. Self-aligned metal capping layers for copper interconnects using electroless plating
JP2005539369A (ja) 無電解堆積装置
KR101170560B1 (ko) 반도체 산업에서 사용하기 위한 3성분 물질의 무전해석출용 조성물
JP2005097736A (ja) 銅を覆う障壁物質を形成するための半導体処理方法及び組成物
JP2001335952A (ja) 無電解めっき方法、並びに、配線装置およびその製造方法
US20060199381A1 (en) Electro-chemical deposition apparatus and method of preventing cavities in an ecd copper film
JP2005048209A (ja) 無電解メッキ方法、無電解メッキ装置、半導体装置の製造方法及びその製造装置
TW200836264A (en) Method of forming low-resistance metal pattern
JP2004019003A (ja) プリント回路基板及びそのメッキ方法
JPH10135607A (ja) 配線基板及びその製造方法
US20050199507A1 (en) Chemical structures and compositions of ECP additives to reduce pit defects
WO2008056537A1 (fr) Procédé de dépôt autocatalytique
JP2004510888A (ja) 半導体製造のための遠隔第2アノードを備えるめっき装置
US20080152823A1 (en) Self-limiting plating method
US20050211564A1 (en) Method and composition to enhance wetting of ECP electrolyte to copper seed
JP2002146585A (ja) 電解めっき液
JP3909035B2 (ja) メッキ前処理液およびメッキ前処理方法
JP3870883B2 (ja) 回路基板とその配線形成方法
KR100454634B1 (ko) 구리막 형성방법