JP3380935B2 - 角型リチウムイオン二次電池 - Google Patents
角型リチウムイオン二次電池Info
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Description
極とをセパレーターを介して積層した積層電極体を有す
る角型リチウムイオン二次電池に関する。
を使用する鉛電池やニッケル・カドミウム電池などが広
く知られている。
トップコンピューターやオーディオ機器がダウンサイジ
ング傾向にあり、そのため従来の二次電池に代えて、よ
り小型且つ軽量で、しかも、高エネルギー密度の二次電
池が要請されるようになっている。
ウム電池などの二次電池は、それらの要請を十分に満た
すことができないため、それらに代えて、作動電圧並び
に重量エネルギー密度が高いリチウムを負極活物質とし
て使用する非水リチウム系二次電池が開発されている。
その一つとして、リチウムメタルを負極活物質として使
用するものが提案されているが、充放電サイクル中にリ
チウムのデンドライドが形成されるという重大な問題が
あるので、実用化にまで至っていない。
ム系二次電池としては、リチウムイオンのドープ/脱ド
ープが可能な炭素材料を負極活物質とし、リチウムと遷
移金属との複合酸化物、例えば、リチウムコバルト酸化
物やリチウムニッケル酸化物などを正極活物質とし、非
水電解液を使用するリチウムイオン二次電池が開発され
ている。この電池は、正極と負極との容量設計を最適化
することによりリチウムのデンドライドの形成を抑制す
ることができ、更に安全性、サイクル特性、低温特性、
負荷特性、急速充電性にも優れており一部実用化されて
いる。
形態としては、大別して、スパイラル状電極体を筒型ケ
ースに封入した筒型のものと、短冊状電極を枚葉式に積
層した積層電極体を偏平型ケースに封入した角型のもの
とに分けられるが、近年の電子機器の薄型化に伴い、薄
型化することが比較的容易な角型のものの需要が増えて
いる。
積層電極体は、図5に示すように、正極リード50を有
する短冊状の正極51と、負極リード52を有する短冊
状の負極53とを、短冊状の負極53と実質的に同じ形
状で同じ大きさの短冊状の微孔性ポリエチレンフィルム
からなるセパレーター54を介して必要な数だけ積層し
た構造となっている。この場合、充放電を繰り返すこと
により短冊状負極53の周縁部53aにリチウムが析出
することを防止するために、図6に示すように、正極5
1の外周が負極53の外周の内側となるように、即ち正
極51が負極53の電極面内に位置するように、正極5
1の周囲寸法を負極53の周囲寸法よりも小さくなるよ
うにしている。
の正極51と負極53とを積層する場合、正極51が負
極53よりも小さく、しかも負極53に正極51を積層
するための基準となる部分が実質的に存在しないため
に、正極51と負極53との積層ずれが生じやすいとい
う問題があった。このような積層ずれが生ずると、図7
(a)〜(f)に示すように、正極51と負極53との
一部の端部が揃ったり、正極51の電極面が負極53の
電極面の外側に飛び出すことも考えられ(図7
(g))、充放電の繰り返しによる電極端部へのリチウ
ム析出、サイクル特性の低下、あるいは電池内でのショ
ートの発生等の電池の信頼性を大きく低下させる現象が
起こりやすくなるという問題がある。
などの工程が必要となり、製造工程が繁雑となるという
問題があった。
解決しようとするものであり、短冊状正極と短冊状負極
との積層ずれのない角型リチウムイオン二次電池を提供
することを目的とする。
ーには、正極と異なり、負極の電極面内に納めるという
絶対的な要請は存在せず、セパレーターと負極とはそれ
らの端部や辺部が揃ってもよいこと、従って、セパレー
ターの辺や端部などを基準としてセパレーターと負極と
を重ね合すことにより両者を容易に位置合わせできるこ
と、そしてセパレーターを袋状とし、その袋状セパレー
ター中に融着部を設けることなどにより袋状のセパレー
ターの中で短冊状正極が位置決めされるようにすると、
負極の電極面内に短冊状正極を納めるという短冊状正極
と短冊状負極との位置関係を満足できることとなり、同
時に積層ずれも防止できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
移金属との複合酸化物からなる短冊状正極と、リチウム
イオンのドープ/脱ドープが可能な炭素材料からなる短
冊状負極とをセパレーターを介して積層してなる積層電
極体を有する角型リチウムイオン二次電池において、セ
パレーターが袋状であり、その中で短冊状正極が位置決
めされていることを特徴とする角型リチウムイオン二次
電池を提供する。
池の概略断面図である。この電池は、積層電極体1が偏
平型電池ケース2に封入された構造を有している。ここ
で、積層電極体1は、短冊状負極3と袋状セパレーター
4に挿入されている短冊状正極5とが交互に積層された
積層体6をステンレスからなる押さえ板7a及び7bで
挟持し、その周囲を絶縁テープ8で巻き回して固定した
構造を有している。この電池においては、偏平型電池ケ
ース2の底部に絶縁シート9が配されており、また、積
層電極体1が偏平型電池ケース2内にバネ板10により
固定されている。そして、正極5の正極リード11は正
極補助リード12を介して正極端子13に接続されてお
り、一方、負極3の負極リード14は押さえ板7aに接
続されており、その押さえ板7aは電池ケース2に接続
されている。そして、電池ケース2内には非水電解液が
注入されている(図示せず)。
いては、短冊状正極5が袋状セパレーター4の中で位置
決めされているが、このような袋状セパレーター4は、
従来から用いられている材料から構成することができ、
好ましくは微孔性プラスチックフィルム、より好ましく
は、微孔性ポリエチレンフィルムから構成することがで
きる。
3との位置合わせを容易化するために、負極3と同じよ
うな短冊状とすることが好ましい。
の位置決めは、例えば、袋状セパレーター4の互いに隣
接する少なくとも二つの辺部のそれぞれに少なくとも一
つの融着部4aを形成し、それらの融着部4aで短冊状
正極5を保持することにより行うことができる(図
2)。また、正極リード11が通る部分を除き、4辺を
部分的に融着するか(図3(a))、あるいは連続的に
融着して(図3(b))、その融着部で短冊状正極を保
持することにより正極5の位置決めを行うこともでき
る。このように4辺で正極5を保持すると、袋状セパレ
ーター4の内部で正極5が実質的に移動せず、積層ずれ
の防止効果が高くなる。
袋方法としては、予め袋状に形成されたセパレーターの
中に正極5を挿入してもよく、2枚のシート状セパレー
ターで正極を挟持し、その周辺部を融着することにより
行ってもよい。
された袋状セパレーター4と短冊状負極3との位置合せ
の方法には特に限定はなく、例えば、図4に示すよう
に、袋状セパレーター4の隣接する二つの辺(4x、4
y)と対応する負極3の二つの辺(3x、3y)とを重
ね合せることにより行うことができる。好ましくは、図
4に示すように、袋状セパレーター4の幅4tと短冊状
負極3との幅3tとを実質的に同じ幅とする。これによ
り、二つの辺だけでなく、辺4zと辺3zも含めて三つ
の辺での位置合わせが可能となるので、両者の積層がよ
り容易となり、また、左右方向へのずれも防止できるの
で、正極と負極との積層ずれをより高度に防止すること
ができる。
素については、従来のリチウムイオン二次電池と同様と
することができる。
一種以上の遷移金属、例えば、Co、Ni、Mn等との
複合酸化物を使用する。このような複合酸化物として
は、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複
合酸化物などを例示することができる。このようなリチ
ウムと一種以上の遷移金属との複合酸化物は、例えば、
リチウム、コバルト、ニッケルなどのそれぞれの炭酸
塩、酸化物あるいは水酸化物を混合し、酸素存在雰囲気
下で600〜1000℃の温度範囲で焼成することによ
り得ることができる。
トなどの導電剤とポリフッ化ビニリデンなどの結着剤と
をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤でスラリー化
し、それをアルミニウムなどの金属箔の両面に塗布し、
乾燥し、プレスし、そして所定形状に裁断することによ
り得ることができる。
ンをドープ/脱ドープすることができる炭素材料を使用
する。このような炭素材料としては、熱分解炭素類、コ
ークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コ
ークスなど)、天然黒鉛類、人造黒鉛類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物焼結体、炭素繊維、活性炭などを
例示することができる。これらの中でも、(002)面
の面間隔が3.70オングストローム以上で、真密度
1.70g/cc未満であって、空気気流下での示差熱
分析で700℃以上に発熱ピークを持たないものを使用
することが好ましい。
塩、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4、
LiAsF6などを有機溶媒に溶解させた非水電解液を
使用する。この場合の有機溶媒としては、高誘電率で分
解電位の高いものを使用することができ、例えば、プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチル
カーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカ
ーボネート、ジプロピルカーボネート、テトラヒドロフ
ラン、γ−ブチロラクトンなどの一種以上を使用するこ
とができる。
は、セパレーターを袋状とし、その中で短冊状正極を所
定の位置に保持する。この場合、袋状セパレーターに融
着部を設けることなどにより、袋状セパレーターにおけ
る短冊状正極の位置合わせを容易に行うことが可能とな
る。
は、それらの外形辺を揃えることにより容易に位置あわ
せを行うことが可能であり、また、それにより両者の積
層ずれを防止することも容易となる。
することが容易となり、しかも積層ずれを防止すること
も容易となる。よって、角型リチウムイオン二次電池
に、電池リチウムの析出がなく、内部ショートの発生も
なく、高い安全性、高い信頼性及び優れたサイクル特性
を付与することができる。しかも、積層ずれの検査工程
や修正工程を簡略化することができ、また、良品率を向
上させることができ、製造工程上有利となる。
明する。
酸素を含む官能基を10〜20%導入(酸素架橋)し
た。これを不活性ガス気流中で1000℃で焼成するこ
とにより難黒鉛炭素材料を得た。
粉末90重量部と結着剤であるポリフッ化ビニリデン1
0重量部とを混合し、この混合物をN−メチル−2−ピ
ロリドンに分散させてスラリーを得た。
の両面に塗布し、乾燥し、プレスし、所定の大きさに切
断することにより短冊状負極を作製した。なお、Cu箔
の一部をリード状に残すことにより負極リードとした。
o比=1となるように混合し、空気中で900℃、5時
間焼成して作製した。得られたLiCoO2を91重量
部と導電剤としてグラファイト6重量部及び結着剤とし
てポリフッ化ビニリデン3重量部とを混合し、この混合
物をN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー
を得た。
の両面に塗布し、乾燥し、プレスし、所定の大きさに切
断することにより短冊状正極を作製した。なお、Al箔
の一部をリード状に残すことにより正極リードとした。
じ幅の2枚の微孔性ポリエチレンフィルムで挟み込み、
その周囲を熱融着することにより、図3(b)に示すよ
うに正極を袋状セパレーターに封袋した。
と、袋状セパレーターに封袋された16枚の正極とを使
用して、図1に示すような構造の電池(厚み8.3m
m、幅34mm、高さ48mm)を構成した。なお、非
水電解液としては、プロピレンカーボネート50vol
%とジエチレンカーボネート50vol%とからなる混
合溶媒に、LiPF6を1モル溶解させたものを使用し
た。
積層電極体に積層ズレが発生しているかどうかを調べた
ところ、積層ずれを起こしている電池は皆無であった。
実施例1と同様にして100個の電池を作製し、やはり
同様にして積層電極体の積層ズレを調べたところ、積層
ずれを起こしている電池は皆無であった。
極との間に配したこと以外は実施例1と同様にして10
0個の電池を作製し、やはり同様にして電極の積層ズレ
を調べたところ、48個の電池に電極の積層ずれを観察
することができた。
ら無作為に5つの電池を選び、700mAの定電流(設
定充電終止電圧4.2V)で2.5時間の充電を行っ
た。充電終了後、直ちに電池を分解したところ、負極の
一部のエッジにリチウムが析出していた。
例1の電池(比較例1の良品電池)及び積層ずれが観察
された比較例1の電池(比較例1の不良品電池)につい
て、23℃で充放電を行った。ここで、充電は、充電終
止電圧4.2Vに設定して、700mAの定電流で2.
5時間行った。放電は、400mAの定電流で電池電圧
が2.75Vとなるまで行い、このときの容量を電池容
量とした。この充放電サイクルを500回繰り返し、1
0サイクル目の電池容量に対する500サイクル目の放
電容量を容量保持率(%)として求めた。この結果を表
1に示す。
クル特性が劣化していた。
おいては、正極と負極とを容易に位置合せすることが可
能となり、積層ずれを防止することも容易となる。よっ
て、角型リチウムイオン二次電池に、電池リチウムの析
出がなく、内部ショートの発生もなく、高い安全性、高
い信頼性及び優れたサイクル特性を付与することができ
る。しかも、積層ずれの検査工程や修正工程を簡略化す
ることができ、また、良品率を向上させることができ、
製造工程上有利となる。
である。
ある。
ある。
説明図である。
体の構成図である。
冊状負極との相互の位置関係を示した図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 リチウムと一種以上の遷移金属との複合
酸化物を正極活物質として使用する短冊状の正極と、リ
チウムイオンのドープ/脱ドープが可能な炭素材料を負
極活物質として使用する短冊状の負極とをセパレーター
を介して積層してなる積層電極体を有する角型リチウム
イオン二次電池において、前記正極および負極が金属箔
の両面に活物質を含む混合物が塗布されてなる短冊状の
電極であり、前記セパレーターが袋状に成形されてお
り、その中に前記正極が位置決めされており、且つ前記
負極の電極面内に、対向する前記正極が納められ配置さ
れていることを特徴とする角型リチウムイオン二次電
池。 - 【請求項2】 前記袋状セパレーターが短冊状の微孔性
プラスチックフィルムであって、その互いに隣接する少
なくとも2つの辺部のそれぞれに少なくとも一つの融着
部が形成されており、それらの融着部で前記正極が位置
決めされている請求項1記載の角型リチウムイオン二次
電池。 - 【請求項3】 前記袋状セパレーターの4つの辺部のそ
れぞれに、少なくとも一つの融着部が形成されており、
それらの融着部で前記正極が位置決めされている請求項
2記載の角型リチウムイオン二次電池。 - 【請求項4】 前記袋状セパレーターの幅と前記負極と
の幅が実質的に同じである請求項1記載の角型リチウム
イオン二次電池。 - 【請求項5】 前記積層電極体が、前記袋状セパレータ
と前記負極の端部もしくは辺部の少なくとも一方を揃え
るように位置合わせして積層されたものである請求項1
項記載の角型リチウムイオン二次電池。
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